JP3216909U - 生分解性積層材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】清潔環境下で品質保持期限を延長させ、汚濁環境下で分解を加速させる生分解性積層材料を提供する。【解決手段】生分解性積層材料は、PLAとPBATとの積層、或いは、PLAとPBSとの積層、或いは、PLAと、PBAT及びPBSの混合物との積層で構成され、その積層には熱溶融性接着剤を介する。【選択図】図1
Description
本考案は生分解性薄膜と、編地、織布または不織布で製造される織物及び積層材料とに関し、前記編地、織布または不織布は、好ましくは生分解性であるがこれに制限されない。
この20年で、ポリ乳酸(polylactic acid、PLA)は、すでに主要な生分解性/腐敗可能重合体となっており、プラスチック及び繊維の製造に用いることができる。ポリ乳酸は天然の再生可能材料から誘導されたものであるが、熱可塑性を有するため、溶融押出によりプラスチック製品、繊維または織物を生産することができる。これらの製品及び石油系の合成物、例えばポリオレフィン(ポリエチレン及びポリプロピレン)とポリエステル(ポリエチレンテレフタラート)は、かなり良好な機械強度及び柔靱性を有する。ポリ乳酸は乳酸から生成され、乳酸はトウモロコシ(例えば、Zea mays)、コムギ(例えば、Triticum spp.)、コメ(例えば、Oryza sativa)またはビート(例えば、Beta vulgaris)から、発酵して得られる副生成物である。乳酸を重合するとき、以下の構造を有する二量体の繰り返し単位が形成される。
その他の植物由来の合成繊維材料(例えばセルロース)と異なり、PLAは溶融紡糸によって繊維を形成するのにより適している。合成セルロース繊維に必須の溶剤紡糸工程に対して、溶融紡糸を採用したPLA繊維の調製は、経済的コスト及び環境的コストを低下させることができ、さらに得られたPLAはより幅広い性能を有する。ポリエチレンテレフタラート(polyethylene terephthalate polyester、PET)と同じく、PLA重合体は溶融する前に乾燥させ、溶融押出過程で加水分解が生じるのを防止する必要があり、さらに両者はいずれも重合体から繊維を抜き取る(引っ張る)ことにより、より良好な引張強さを得ることができる。PLA分子はらせん構造を呈する傾向があり、この構造はより容易に結晶化する。さらに、乳酸の二量体は3種の異性体を有する。すなわち偏光が時計回りに回転する左旋型、偏光が反時計回りに回転する右旋型、及び光学活性を持たないラセミ型である。重合過程において、これらの型の相対比率を制御することができるため、その重要な重合体性能が比較的広範に制御される。熱可塑性「天然」繊維重合体、独特な重合体の形態、及び重合体中の異性体含量の制御により、メーカは繊維の設計を比較的幅広い性能について行うことができる(非特許文献1、2)。
PLAは、押出状態のとき、直接自然分解することができないと考えられている。反対に、これは生分解される前に、まず加水分解されなければならない。PLAを比較的大きな程度で加水分解させるため、相対湿度98%以上、温度60℃以上を同時に保持する必要があり、一旦これらの条件が満たされれば、迅速に分解が起こる(非特許文献1、3)。しかし、溶融温度を120℃から175℃の間に制御することにより、3種の異性体の成分及び配列をコントロールすることができ、溶融温度が比較的低い場合、重合体は完全に非晶質を呈する。溶融物中に酵素及び微生物を加えると、より多くの非晶質重合体が得られる。
ポリ乳酸は、すでに多くの様々な製品の製造に用いられており、その安定性及び分解速度を制御する要素もすでに多くの文献に記載されている。発酵過程で産生される左旋性乳酸及び右旋性乳酸は、いずれもPLAの生産に用いることができる(非特許文献4、5)。PLAの1つの利点は、その分解速度が例えば右旋及び左旋型の比率、分子量または結晶度などの要素を変更することにより、制御することができることである(非特許文献6)。例えば、Hartmannは、1998年に、非晶質のポリ乳酸サンプルが数週間内に迅速に乳酸に分解されるが、高結晶度の材料は数か月から数年の時間を費やさなければ完全に分解することができないことを見出している。このような適応性及び制御性により、PLAは農業用根覆いを生産する非常に有用な原材料となっており、特定の時間を経た後、材料は地中で分解される(非特許文献6)。
ポリ乳酸は、様々なメカニズムにより小さい分子に分解され、最終分解生成物はCO2及びH2Oである。分解過程は温度、湿度、pH値及び酵素と、微生物活性などの影響を受けるが、紫外線の影響は受けない(非特許文献6、Lunt、2000年)。生物医学に応用するため、PLA分解の評価を行ういくつかの初期作業において、1981年に、Williamsは、ブロメライン、プロナーゼ及びプロテイナーゼKが、PLAの分解速度を加速させることを見出している(非特許文献7)。最近では、2000年に、Hakkarainenらが、1.8ミリメートル厚のPLAサンプルを86°Fの腐植物から抽出した微生物の混合培養物で培養し(非特許文献8)、5週間の培養後、腐植物処理した薄膜は微粉に分解され、処理していない対照群は依然として完全に無破損であった。注意したいことは、本研究が左旋型のみを使用していることであり、分解速度は左旋及び右旋型の比率の変化に伴って異なる。いずれにせよ、Hakkarainenらの2000年の作業は、腐植物から容易に得られる多量の微生物を応用して分解を加速させることができることを表している。現在、PLA分解の研究は、in vitroの液体培養物でも、140°F以上の活性腐植物中でも行われている(Drumrightら、2000年;Hakkarainenら、2000年;Lunt、2000年;Williams、1981年)。PLAが140°Fで腐植物を生成するとき、その分解は迅速であり、40日内にほぼ100%の生分解に達することができる(Drumrightら、2000年)が、140°Fより低いと、織物が土壌有機物と接触するとき、その安定性は測定の必要がある。アメリカテネシー大学(University of Tennessee、USA)のLarry Wadsworth(Khanら、1995年)は、まずPLAを使用して製造したスパンボンド型織物(spunbond、SB)及びメルトブロー(meltblown、MB)不織布の研究を開始した(非特許文献9)。
使用期間内は、生分解性重合体が多くの環境的要素に抵抗することが必要であるが、廃棄された状況で必要なのは生分解されることである。PLAの生分解は、異なる温度上昇下で、有酸素及び無酸素、水中及び固体条件下のいずれでも研究されている。有酸素の水環境への暴露において、PLAは室温での生分解が非常に遅いが、高温条件下では生分解が速いことが見出されている。微生物がこれを栄養源として利用する前に、PLAは加水分解されなければならず、この点も上記発見を支持している。同じ温度上昇下で、無酸素の固体条件下では、PLAの生分解は有酸素条件下よりはるかに速い。自然の腐植過程において、PLAの挙動は水への暴露による分解に類似しており、生分解はこれが加熱された後にのみ開始される。これらの結果は、広く知られる1つの見方を強めている。すなわち、PLAは堆肥可能であり、さらに常温下で安定であるが、堆肥または無酸素処理設備での廃棄物処理期間における分解は迅速である(非特許文献10)。別の研究では、嫌気性消化汚泥の様々なプラスチックに対する生分解レベルを測定すると共に、模擬埋め立て条件下で比較を行っている。細菌性のポリ−93−ヒドロキシ吉草酸塩(PHB/PHV)、細菌から生産される天然の脂肪族ポリエステルは、嫌気性消化汚泥で、20日内にほぼ完全に分解された。しかしながら、天然材料から合成された脂肪族ポリエステルPLA、及びその他の2種の評価された脂肪族ポリエステル、すなわちポリブチレンサクシナート(poly(butylene succinate))及びポリブチレンサクシナート−ポリエチレンサクシナート共重合体(poly(butylene succinate−co−ethylene succinate))は、100日後でもなんら分解は起こらなかった。セルロース対照材料、セロファンは、20日内の分解がPHB/HVと似ている。この他、PHB/HVは模擬埋め立て条件下で、6ヶ月間、分解は良好であった(非特許文献11)。
実際の生分解性重合体の研究において、すでにポリヒドロキシアルカノエート(poly(hydroxyalkanoate)s、PHAs)は、細胞内の炭素及びエネルギー貯蔵物質として、多くの細菌から天然に合成されている。早くは、1820年代、ポリ−R−3−ヒドロキシアルカノエート(poly(R)−3−hydroxybutyrate、P(3HB))が、すでにバチルスメガテリウムから分離され、さらにその後、細菌の貯蔵ポリエステルであると確認されている。しかしながら、P(3HB)は、重要な商業的価値を有していない。これは長時間経過後、脆く、硬くなることがわかっており、主要な合成重合体、ポリエチレン(polyethylene、PE)及びポリスチレン(polystyrene、PS)の代わりに使用することはできないためである。最後に、微生物ポリエステルにおいて、3HBとは異なるその他のヒドロキシアルカノエート(hydroxyalkanoate、HA)単位がP(3HB)に含まれるとき、機械的性質及び熱的性質を改善できることが見出され、このことは、細菌性ポリエステルの研究及び商業的利益に重大な影響をもたらしている。自然環境における生分解性はPHA材料の独特な性質の1つである。微生物ポリエステルは、土壌、汚泥または海水中で生分解される。PHAは高い分子量を有する固体重合体であるため、良好に輸送されて細胞壁を通過し、栄養物質とされることはない。したがって、真菌及び細菌などのような微生物は、細胞外にPHAを分解する酵素を分泌しており、PHA分解酵素と称される。これは固体PHAを水溶性の低重合体及び単量体に加水分解することができ、それにより、細胞中に輸送され、その後炭素及びエネルギー源として代謝されることができる(非特許文献12)。[R]−3−ヒドロキシ酪酸及び[R]−3−ヒドロキシ吉草酸のランダム共重合ポリエステル、P(3HB−co−3HV)は、イギリスのインペリアルケミカルインダストリーズ(Imperial Chemical Industries、ICI)で商品化生産が行われている。すでに研究により、アルカリゲネスユートロファスがプロピオン酸及びブドウ糖を炭素源として使用し、3−ヒドロキシ酪酸(3HB)及び3−ヒドロキシ吉草酸(3HV)の光学活性共重合ポリエステルを生産することが示されている(非特許文献13、14)。P(3HB−co−3HV)の化学構造は以下の通りである。
この他、3−ヒドロキシプロピオン酸、4−ヒドロキシ酪酸及び4−ヒドロキシ吉草酸は、細菌のポリヒドロキシアルカノエート(PHAs)の新しい組成成分であることが見出され、かつ海洋、農業及び医療への応用など幅広い分野で多くの注目を集めている。最近、アルカリゲネスユートロファス、コマモナス及びアルカリゲネスによる、[R]−3−ヒドロキシ酪酸及び4−ヒドロキシ酪酸の共重合ポリエステルP(3HB−co−4HB)の微生物合成がすでに研究により得られている。P(3HB−co−4HB)の化学構造は以下の通りである。
4−ヒドロキシ酪酸がアルカリゲネスユートロファスの唯一の炭素源として使用されると、34%の4HBを含有するP(3HB−co−34%4HB)が生産される。数種類の添加剤を含有する4−ヒドロキシ酪酸がアルカリゲネスユートロファスの炭素源として使用されると、大量の4HB(60〜100mol%)を含有するP(3HB−co−4HB)共重合ポリエステルが生産される。さらに、無窒素環境において、アルカリゲネスレイタスが一段階発酵過程でショ糖及び1,4−ブチロラクトンを炭素源として使用し、P(3HB−co−4HB)ランダム共重合体を高効率に産生することが見出されている。4HB含量の増加に伴い、P(3HB−co−4HB)薄膜の引張強さは43Mpaから26Mpaに低下し、延伸率は4%から444%に増加する。一方、4HB含量が64%から100%まで増加するのに伴い、薄膜の引張強さは4HBの増加に伴って、17Mpaから104Mpaに増加する(非特許文献15)。4HBの含量が0から49mol%に増加するのに伴い、P(3HB−co−4HB)の結晶度が55%から14%に減少することが研究により見出され、このことは、4HB単位が3HB単位の配列中で結晶化することができず、なおかつP(3HB)結晶格子の欠陥となりえることを表している。これは、P(3HB−co−4HB)が、P(3HB)と比較して脆性が低下し、靭性が増加することに関わっている可能性がある。さらに、4HB含量が0から18mol%に増加するのに伴い、融点が178℃から150℃に低下することが、研究により見出されている(非特許文献16)。4HB単位がP(3HB−co−4HB)に存在するとき、生分解速度が増すことが、研究によりさらに見出されている(非特許文献14)。別の研究において、P(3HB−co−4HB)薄膜の酵素分解を0.1M細胞外デポリメラーゼ(アルカリゲネスフェーカリスから精製)のリン酸緩衝液中、37℃下で行った結果、4HB含量の上昇に伴い、酵素分解速度が明らかに高くなり、最高速度は4HBが28mol%のときであることが見出されている(非特許文献17)。
これは、合成した生成物の結晶度が低下するためである可能性がある。しかしながら、共重合ポリエステルに存在する4HBが85mol%を超えるとき、酵素分解が抑制される(非特許文献18、17)。P(3HB−co−9% 4HB)、P(3HB)及び(HB−co−50% 3HV)薄膜の分解速度に対して行った比較では、P(3HB−co−9% 4HB)は活性化した汚泥で2週間内に完全に分解され、この生物ポリエステルの分解速度がその他の2種よりはるかに速いことが見出されている。P(3HB)の分解速度は、P(HB−co−50% 3HV)薄膜より速い(非特許文献14)。
ポリブチレンテレフタラート(Polybutylene adipate terephthalate、PBAT)は生分解性重合体であり、現在、細菌により生産されるのではなく、石油製品から合成されている。PBATの融点は120℃であり、PLAより低いが、高い柔靱性、優良な衝撃強度、及び良好な成型加工性能を有する。この他、PBAT薄膜及び成形品の生分解に関するいくつかの研究では、土壌、海水及び活性化汚泥を有する水中において、1年で明らかな分解が生じることが示されている。PLAは良好な成型加工性能、強度、及び生分解性/堆肥特性を有するが、柔靭性は低く、衝撃抵抗強度は低い。PBAT及びPLAを混合して、最終生成物の柔靱性、柔軟性及び衝撃強度を改善することができる。研究により、PBAT及びPLAの最少の適切な混合比率は50/50であることが見出されている。しかしながら、超音波設備によって溶解した混合物に、20から30秒の超音波エネルギーを付加することにより、PBAT及びPLAの50/50混合物の混和性と、これに由来する機械的性質とを改善することができる。本研究において、引張強さは超音波処理の時間の増加に伴って増加し、20秒の時が最高になり、20秒以降は低下し始めた。衝撃強さは30秒のときが最高まで増加し、その後時間に伴い次第に低下した。しかしながら、超音波処理した系統は、超音波処理していない系統の衝撃強さよりかなり高い。超音波処理した系統では、過剰なエネルギーがPBAT相の塑性変形に消耗されるが、処理していない系統では、これらを混合することができず、各相が分離しているため、伝播圧力がPBAT相の周囲から通過すると解釈することができる。これは走査型電子顕微鏡(SEM)図からわかり、結晶ドメインのサイズは30秒の超音波処理後に4.7μmの最小値に達したが、その後時間に伴って明らかに増大した。推測によれば、余剰エネルギーは結晶ドメインの凝集を引き起こす(非特許文献19)。上に指摘したように、PBATは極めて良好な破断点伸度を有し、500%より高い。比較すると、PLAは9%しかなく、PHBVは15%しかない(非特許文献20)。したがって、PBAT及びPLAまたはPHAを混合した後に得られる薄膜、包装材料及び織物は、柔靱性、伸張性及び柔軟性が増加する以外に、PBAT薄膜を加圧して形成した弾性を有する生分解性または非生分解性の弾性織物から、良好な伸張性を有する積層材料を生産することができる。PBATの化学構造は、以下の通りである。
PBATは商品化された製品で、購入することができ、BASF社のEcoflex(登録商標)、Eastman Chemical社のEaster Bio(登録商標)、及びイタリアNovamont社のOrigo−Bi(登録商標)がある。DuPont社は生分解性の芳香族共重合ポリエステルを販売しており、Biomax(登録商標)という名称であるが、これはPBATではなく、変性ポリエチレンテレフタラートであり、高いテレフタル酸含量を有すると共に、200℃の高温を有する。PLAと同じように、Biomax(登録商標)は、生分解の前にまず加水分解されなくてはならず、小さい分子が天然に存在する微生物に吸収され、鉱化が開始される(非特許文献21)。2004年に、Novomont社はEastman Chemical社からEastar Bio共重合ポリエステルの業務を買い取った(“Novamont buys Eastman’s Eastar Bio technology”http://www.highbeam.com/doc/1G1−121729929.html)。BASF社はこのPBAT−Ecoflex(登録商標)が天然材料、例えばデンプン、セルロース、リグニン、PLA及びPHBと高度に相溶することに注意を促している(非特許文献22)。
ポリブチレンサクシナート(PBS)及びその重合体は、ポリジカルボン酸ジオールファミリーに属する。これらは、グリコール類(例えばエチレングリコール及び1,4−ブタンジオール)と脂肪族ジカルボン酸(例えばコハク酸または脂肪酸)の縮合重合反応により合成される。これらは市販され、日本の昭和高分子株式会社のBionolle(登録商標)及び韓国Ire Chemical社のEnPol(登録商標)がある。生産される様々なジカルボン酸ジオールには、PBS、ポリエチレングリコールサクシナート(PES)、及び脂肪酸(ポリブチレンサクシナートアジペート共重合体、PBSA)を添加することにより得られる共重合体がある。この他、1,2−エチレングリコール及び1,4−ブタンジオールと、コハク酸及び脂肪酸により得られた共重合体が、すでに韓国SK Chemical社から商品化、販売されており、製品はSkygreen(登録商標)である。もう1つの脂肪族共重合ポリエステルは、日本の株式会社日本触媒から販売されているLunare SE(登録商標)である。PBSは結晶重合体であり、融点は90〜120℃、ガラス転移温度(Tg)は約−45℃から−10℃で、ポリエチレン(PE)及びポリプロピレン(PP)間のTg値を有し、なおかつPE及びPPと似た化学的性質を有する。これは、引張強さが330kg/cm2、破断点伸度は330%である。その加工性能はPLAより好ましい(非特許文献21)。PBSの化学構造は、以下の通りである。
コハク酸からなるPBSは、細菌を用いて生産することもできる。中国Sinoven Biopolymers社はバイオコハク酸を利用してPBSを生産しており、50%の再生可能成分を有する。報告によれば、これはその他の生分解性重合体に比べて、より良好な性能を有し、100℃より高い耐熱性を有する(非特許文献23)。PBSをPLA中に混合すると、曲げ性能、熱変形温度、衝撃強さ及び気体透過性が改善される。PBS濃度が20%より小さいとき、PBSはPLAと相互に溶解することができ、なおかつPLAの脆性を減少させることができる(非特許文献24)。
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本考案が解決しようとする技術的問題は、既存の生分解性材料の上記分解速度が遅い欠点に対し、清潔環境下で品質保持期限を延長させ、汚濁環境下で分解を加速させる生分解性薄膜及び積層材料を提供することである。
本考案でその技術的問題を解決するために採用した技術案は、PHAs及びPLAを含む生分解性薄膜を構築することであり、PLAの質量パーセント含量は1%から95%である。
製品に強化した生分解性能を持たせるPHAs及びPLAの混合物は、PHAs−PLAから製造される。
本考案の好ましい実施例において、前記PHAs及びPLAの混合物から製造される製品は、清潔環境における品質保持期限が長くなる。
本考案の好ましい実施例において、前記PHAs及びPLAの混合物で製造される製品から、熱成型、樹脂射出成型、または溶融紡糸により、薄膜、固体及び液体の容器、剛性または柔軟性包装、長繊維及び短繊維の織布、編地及び不織布、並びに織物及び薄膜の複合製品が生産される。
本考案の好ましい実施例において、前記溶融紡糸により製造される不織布は、スパンボンド不織布及びメルトブロー不織布を含む。
本考案の好ましい実施例において、前記不織布は、湿式接着または乾式接着により製造され、カーディング及び空気圧縮を含む。
本考案の好ましい実施例において、前記不織布は、例えばラテックスの湿式接着剤を採用して接着するか、または例えば熱接着粉末もしくは繊維の乾式接着剤を採用して接着する。
本考案の好ましい実施例において、前記不織布は、ニードルパンチ工程、スパンレース工程、熱カレンダー、ホットエアスルー−空気による熱接着、または以下の加熱処理、すなわちマイクロ波、超音波、溶接、遠赤外線及び近赤外線による加熱によって得られる。
本考案の好ましい実施例において、前記織物は、スパンボンドのみを採用、スパンボンド−スパンボンド、スパンボンド−メルトブロー、スパンボンド−メルトブロー−スパンボンドの積層材料を含み、工業用防護服及び医療用防護服、例えば病院の手術室のカーテン及び手術着と、消毒機器の包装、病気、疾患用のスリング及び担架に使用することができる。
本考案の好ましい実施例において、前記複合した織物は、薄膜及び織物の積層材料であり、その他の不織生産工程、例えば紡糸の敷設、ニードルパンチ、パルプ状または繊維状の空中圧縮、及びスパンレース絡合工程を組み合わせる。
本考案の好ましい実施例において、前記積層材料はメルトブロー空気濾材及びメルトブロー液体濾材と、外側または内側の表面とするスパンボンドまたはその他の不織布を含み、この表面は辺縁を縫合、熱接着または超音波接着する必要があるのみである。
本考案の好ましい実施例において、前記複合体はMB PLA、並びにMB PLAとPHAs及びセルロース繊維の混合物、例えばメルトブロー繊維流またはMB層の間の層体に加えるパルプもしくは短い綿繊維またはその他の人工もしくは天然の繊維を含む。
本考案の好ましい実施例において、前記PHAsは、PHBsまたはPHVs、またはPHBs及びPHVsの共重合体もしくはブレンドである。
本考案の好ましい実施例において、前記PHBsは、3HB及び4HBを重合してなるP(3HB−co−4HB)である。
本考案の好ましい実施例において、前記4HBのモルパーセントは5%〜85%である。
本考案の好ましい実施例において、乾燥した混合物または複合体におけるPLAのパーセント、PHAsとの溶融押出混合物の範囲は1%PLAから95%PLAである。好ましい範囲はPLAが50%以下であり、最も好ましくは30%以下である(50%〜10%)。
本考案の好ましい実施例において、PBAT及びPLAの混合物中に5〜60%のPBAT、好ましくは20〜40%のPBATを含有するとき、本考案の生分解性及び堆肥可能織布、編地及び不織布と、薄膜製品は、機械的性質、伸び率、柔靱性及び耐衝撃性が改善される。
本考案の好ましい実施例において、PBS及びPLAの混合物中に5〜40%PBS、好ましくは10〜40%PBSを含有するとき、生分解性及び堆肥可能織布、編地及び不織布と、薄膜製品は、機械的性質、伸び率、柔靭性及び耐衝撃性が改善される。
本考案の好ましい実施例において、PBATとPBS及びPLAの混合物中に、5〜50%PBAT及び5〜40%PBS、好ましくは10〜30%PBAT及び10〜30%PBSを含有するとき、生分解性及び堆肥可能織布、編地及び不織布と、薄膜製品は、機械的性質、伸び率、柔靭性及び耐衝撃性が改善される。
本考案の好ましい実施例において、PBAT薄膜が10〜60%PLA、好ましくは20〜40%PLAと混合されるとき、強度が改善され、熱収縮が減少し、コストが低下する。
本考案の好ましい実施例において、PBAT薄膜が10〜60%PBS、好ましくは20〜40%PBSと混合されるとき、強度が改善され、熱収縮が減少し、コストが低下する。
本考案の好ましい実施例において、PBAT薄膜が10〜40%PLA及び10〜40%PBS、好ましくは15〜30%PLA及び15〜30%PBSと混合されるとき、強度が改善され、熱収縮が減少し、コストが低下する。
本考案の好ましい実施例において、前記生分解性及び堆肥可能織布、編地及び不織布と、薄膜製品が、充填材、例えばデンプン及び炭酸カルシウムと混合されるとき、コストが減少する。前記充填材の重量は5〜60%、好ましくは10〜40%である。
本考案の好ましい実施例において、前記生分解性及び堆肥可能PBAT薄膜が、充填材、例えばデンプン及び炭酸カルシウムと混合されるとき、コストが減少する。前記充填材の重量は5〜60%、好ましくは10〜40%である。
本考案の好ましい実施例において、5〜60%、好ましくは10〜40%の充填材、例えばデンプン及び炭酸カルシウムを添加したPLAにより製造した編地、織布または不織布のコストは比較的低い。
本考案の好ましい実施例において、5〜60%、好ましくは10〜40%の充填材、例えばデンプン及び炭酸カルシウムを添加したPLA及びPHAの混合物により製造した編地、織布または不織布のコストは比較的低い。
本考案の好ましい実施例において、5〜60%、好ましくは10〜40%の充填材、例えばデンプン及び炭酸カルシウムをPBSに添加することにより製造した薄膜のコストは比較的低い。
本考案の好ましい実施例において、前記各種生分解性及び堆肥可能織物を積層して積層材料を得ることができる。
本考案の好ましい実施例において、各種生分解性及び堆肥可能織物で構成される積層材料は、生分解性接着剤または熱溶融性接着剤を使用して接着することができる。
本考案の好ましい実施例において、織物は切断した根覆いとして使用され、雑草の成長を抑制し、湿度の制御を向上させ、土壌温度を上昇させ、肥料の漏れを減少させる。
本考案の好ましい実施例において、薄膜は切断した根覆いとして使用され、雑草の成長を抑制し、湿度の制御を向上させ、土壌温度を上昇させ、肥料の漏れを減少させる。
本考案の好ましい実施例において、薄膜は切断した根覆いとして使用され、雑草の成長を抑制し、湿度の制御を向上させ、土壌温度を上昇させ、肥料の漏れを減少させる。
本考案の好ましい実施例において、織物及び薄膜の積層材料は、切断した根覆いとして使用され、雑草の成長を抑制し、湿度の制御を向上させ、土壌温度を上昇させ、肥料の漏れを減少させる。
本考案の好ましい実施例において、前記積層材料は病気、疾患用のスリング及び担架に使用することができる。
本考案の好ましい実施例において、前記積層材料は使い捨ておむつ及び女性の生理用ナプキンに使用することができる。
本考案の好ましい実施例において、前記積層材料は使い捨ておむつ及び女性の生理用ナプキンに使用することができる。
本考案の好ましい実施例において、PBAT薄膜及び弾性体のメルトブロー法またはスパンボンド法不織布を採用して積層材料を製造する。この弾性体のメルトブロー法またはスパンボンド法不織布は、ExxonMobil社のVistamaxx(登録商標)を用いて製造されたものであり、使用したのは100%のVistamaxx、または60〜95%Vistamaxx及びその他の重合体、例えばポリプロピレンを含む混合物である。
本考案の好ましい実施例において、PBAT薄膜及び弾性体のメルトブロー法またはスパンボンド法不織布を採用して積層材料を製造する。この弾性体のメルトブロー法またはスパンボンド法不織布は、ExxonMobil社のVistamaxx(登録商標)を用いて製造されたものであり、使用したのは100%のVistamaxx、または60〜95%Vistamaxx及びその他の重合体、例えばポリプロピレンを含む混合物である。積層材料は、接着のりまたは熱溶融性接着剤を使用して接着される。
本考案の好ましい実施例において、PBAT薄膜及び弾性体のメルトブロー法またはスパンボンド法不織布を採用して積層材料を製造する。この弾性体のメルトブロー法またはスパンボンド法不織布は、ExxonMobil社のVistamaxx(登録商標)を用いて製造されたものであり、使用したのは100%のVistamaxx、または60〜95%Vistamaxx及びその他の重合体、例えばポリプレンを含む混合物である。積層材料は熱接着される。
本考案の好ましい実施例において、PBAT薄膜及び弾性体のメルトブロー法またはスパンボンド法不織布を採用して積層材料を製造する。この弾性体のメルトブロー法またはスパンボンド法不織布は、ExxonMobil社のVistamaxx(登録商標)を用いて製造されたものであり、使用したのは100%のVistamaxx、または60〜95%Vistamaxx及びその他の重合体、例えばポリプロピレンを含む混合物である。PBAT薄膜は、押出コーティング法によりVistamaxx上に結合される。
本考案は、積層した生分解性薄膜により製造した強化型の生分解性織物及び積層材料を開示している。前記生分解性薄膜は、主にPBAT(polybutylene adipate terephthalate、ポリエチレンアジペートテレフタラート)、またはPBS、またはPBAT及びPBSの混合物、並びにPLA及びその他の分解可能な高分子重合体、例えばPBSA、PCL、PCL−BS及びPHA、を含む。それにより、PLA、並びにPLA及びPHAsの新規混合物、またはPLAとPBAT及びPBSの混合物、またはPLA及びPHAsとPBAT及びPBSまたはその他の分解可能な高分子重合体の混合物が製造される。これらの新規織物及び積層材料は、微生物を含有する環境において、より強い生分解性能を有し、なおかつ良好な品質保持期限及び良好な強度、適応性及び柔靱性を有することができる。積層した基材織物を織布、編地または不織布として用いる。この生分解性薄膜は、インフレーション成形工程、キャストフィルム工程、熱成型工程、真空成型または押出コーティング工程により調製することができる。薄膜を織物上に押出コーティングするとき、接着剤は通常必須ではないが、多くのその他の工程では使用する必要がある。同じ生分解性の接着剤を選択するか、熱溶融工程を採用して、薄膜を織物上に接着させる必要がある。
(実施例)
図1は、本考案の実施例の説明図である。
本考案による生分解性積層材料は、PLAとPBATとの積層、或いは、PLAとPBSとの積層、或いは、PLAと、PBAT及びPBSの混合物との積層で構成され、その積層には熱溶融性接着剤を介する。
図1は、本考案の実施例の説明図である。
本考案による生分解性積層材料は、PLAとPBATとの積層、或いは、PLAとPBSとの積層、或いは、PLAと、PBAT及びPBSの混合物との積層で構成され、その積層には熱溶融性接着剤を介する。
ポリ−3−ヒドロキシ酪酸及びポリ−4−ヒドロキシ酪酸ポリエステル(P(3HB−co−4HB))製品は、土壌、汚泥及び海水中で容易に分解されるが、微生物が不足した水中では、分解速度が非常に遅い(非特許文献15)。したがって、清潔環境下、例えばドライ法により密封包装に保存する、またはウェットティッシュの清浄液に保存するなど、ではP(3HB−co−4HB)製品の品質保持期限は非常に長い。しかしながら、微生物を含有する汚濁環境下(例えば土壌、河水、川底の泥、糞砂腐植物、汚泥及び海水)では、捨てられたP(3HB−co−4HB)の織物、薄膜及び包装材料は非常に容易に分解する。指摘すべきこととして、ポリ乳酸(PLA)は、上記汚濁環境で分解しにくいが、容易に腐敗する。腐植物中の熱量及び水分は、まずPLA重合体を比較的短い重合体鎖に分解し、最終的に乳酸に分解する。その後、腐植物及び土壌中の微生物が、小さい重合体断片及び乳酸を栄養物として消費する。
したがって、ヒドロキシ酪酸(polyhydroxyalkanoate、PHAs)、例えばP(3HB−co−4HB)をPLAと混合し、PHAs−PLA混合製品の分解速度を加速させる。この他、PHAs及びPLAを混合することにより、清潔環境における製品の品質保持期限を延長させる。この10年で、PLAの価格は大幅に下落し、合成重合体(例えばポリプロピレン及びPETポリエステル)よりやや高いだけであるが、PHAsの価格はPLAの価格の2から3倍の高さを依然として維持している。これは、PLAは乳酸を大規模に合成することにより製造することができるが、PHAsは細菌から特定の炭素源を組み合わせて産生され、さらに溶媒により細菌から抽出しなければならないためである。したがって、PLAに25%を超えるPHAを混合して製品(例えば織布及び編地、不織布、薄膜及び食品の包装容器など)を溶融押出する場合、商業利用には適さない。
表1、2、3及び4に、4群のサンプル液の処方をそれぞれ示している。これらのサンプルは400Kgであり、それぞれウェットティッシュの清浄液(通常は赤ん坊用ウェットティッシュの包装内の液体)、中国東莞の東江から採集した川底の泥を含む水、中国東莞の東江から採集した川底の泥と、汚泥/砂/及び牛糞から産生された混合腐植物である。上記原料を蒸留水と混合して希釈し、水酸化カリウムでそのpH値を7より大きくなるように調整した。各処理工程において、2つの同じ処方のサンプル液を採用し、さらに処理されるサンプルを含有する各処理ケースに蓋をし、2週間ごとにそのpH値及び固体パーセントを測定した。最初の4週間の処理されたサンプルの平均結果は、表5に示す通りである。
本考案の一実施例において、25Kgの85%PLA(NatureWorks社により生産された2002D)及び15%PHB(3HB−co−4HB)のブレンドと、25Kgの75%PLA(NatureWorks社により生産された2002D)及び25%PHB(3HB−co−4HB)のブレンドを溶融混合し、押し出して顆粒にし、アメリカウィスコンシン州グリーンビルのBiax−Fiberfilm社に輸送する。その後溶融紡糸によりメルトブロー不織布(meltblown、MB)が生産され、その重さは約50g/m2である。比較試験を行うため、100% PLA(NatureWorks社により生産された2002D)MB織物も作製した。これらの重合体のメルトブロー過程において、MB織物の製造に用いられる溶融及び熱気体の温度が高すぎることが次第に明らかになっている。これは、2002D PLA重合体が非常に低い溶融指数を有し(PLAが非常に高い分子量を有することを表す)、さらにPLAの流動性を高めて、これをメルトブローのダイス孔からスムーズに押し出すことができるようにするのに、高い温度が必要なためである。100% 2002D PLAの溶融温度は274℃、熱気流の温度は276℃であり、比較すると、溶融係数が70〜80である、溶融メルトブロー、スパンボンドに用いるPLAで一般に使用する溶融温度は266℃、熱気流の温度は260℃である(Wadsworth,Larry及びDoug Brown,“High Strength,High Quality Meltblown Insulation,Filters and Wipes with Less Energy,”2009年11月26〜27日、中国広東の広東不織布協会会議で発表された)。したがって、上記2種の混合物を有するため、含まれるPHB成分は明らかに熱分解されており、例えば押し出されたMB繊維に大量の煙が立つこと、及び生産されたMB PLA/PHB織物の低い強度も、この点を証明している。後の試験は、比較的高い溶融指数を有する(MIは70〜85であり、その要求されるMB処理温度はかなり低い)PLA重合体(NatureWorks社により生産されたPLA6251D)を採用してPHBと同じ比率で混合するように設計される。この他、6251DPLAを使用することを推測し、同じ成分で1メートルのスパンボンド不織試験ラインで生産を行った。通常PLA及び混合PLA−PHB重合体の融点よりやや高い温度下で操作するため、熱分解がより少なくなる。それは、SB工程におけるフィラメント延伸ステップが採用されているためであり、MB工程にはこのステップが含まれておらず、したがって、生産されるフィラメントは、同一重合体を採用して生産するMBフィラメントより明らかに大きい。SB織物における繊維の平均直径は通常12〜25μmであるが、比較すると、MB織物は2〜8μmである。第2MB操作は2010年12月に行われ、より相溶性のあるPLA6251D及びPHBの混合物を使用した。混合比率は85%PLA/15%PHB、及び75%PLA/25%PHBである。この2種の新しい混合物が必要な溶融温度は比較的低く、231℃である。85%PLA/15%PHBの混合物の熱気流温度も比較的低く、233℃であるが、75%PLA/25%PHBの混合物の熱気流温度だけは277℃である。同様に、低温でこの新しいPLA/PHB混合物をメルトブローすると、煙及び臭気による汚染がより少なくなる。この他、そのサンプルは、上記で紹介した第1MB操作より、より白く、より柔らかく、強度はより高い。2011年12月、これらの同じ重合体の複合体を1.0mReicofil4SBラインで作動させ、熱分解反応を最大限減少させ、生分解処理過程で観察される分解が主に生分解に由来するようにする。この他、MB及びSB不織布繊維の直径は大きな違いがあるため、比較的小さいMB繊維はより大きい表面積を有し、より容易に、より迅速に生分解が起こることが期待できる。
MB 100%2002D型MB織物、85%2002D型PLA/15%PHB、及び75%2002DPLA/25%PHBを、第1MB操作で12.5インチ幅、50g/m2重に巻き付け、Biax−Fiberfilm社から、中国東莞にある美国太平洋非織造廠(U.S.Pacific Nonwovens Industry)に輸送されてくる。各種織物をそれぞれ1.5メートル取り、様々な処理方法で浸漬させ、その後これを各処理ケースから取り出したサンプルと一緒に様々な処理液に暴露させた。なおかつ4週間、8週間、12週間、16週間及び20週間で相応する繰り返し処理を行った。
試験過程は次の通りである。まず、MB PLA及びPLA−PHB織物にウェットティッシュの清浄液を適用し、多孔のスチールかごに保存する。これを処理ケース中で暴露させ、4週間処理した後、ナイロン靴下中で腐植物中のMBサンプルを穏やかに洗浄した。洗浄及び乾燥後、分解の状況を観察することができる。ウェットティッシュの清浄液と同じ方式でMB織物に対して河水を使用し、これを蓋をした処理ケース中の多孔のスチールかごに入れた。4週間ごとに20週間まで、すべての処理ケースから100%MB PLA、85%PLA−15%PHB、及び75%PLA−25%PHBを移した。まず、川底の泥及び汚泥/砂/糞腐植物に暴露させた織物を処理ケースに広げ、処理液に浸して完全に浸透させる。その後、織物をナイロンストッキングに入れ、片方の脚に1.5メートルのサンプルを入れ、もう半分はもう片方に入れる。その後、ストッキングをサンプル中で軽く引っ張り、織物を入れたストッキングを川底の泥または腐植物を入れた適切な箱体内に埋め込み、さらに各ストッキングについて、ナイロン糸により処理ケース外にラベルを貼り付けた。4週間ごとに移した織物サンプルを、底部にふるいを有する金属箱体に入れ、ナイロン編地をふるい上に置き、直接手のひらの上で低圧のウォータージェットを付加することにより、処理した織物を軽く洗浄する。その後、2つ目のナイロン編地を洗浄したサンプル上に置き、軽くひっくり返してもう一面を洗浄した。その後、まず、すべての処理した織物を洗濯用乾燥台に置き、2日以上完全に干上がるまで乾燥させ、それから実験室で測定を行った。4週間様々な処理を行った後の織物の物理的性能に関する測定結果は、表に示す通りである。表6Aは100% 2002D PLA MB織物、表7Aは85%2002D PLA/15%PHB MBサンプル、表8Aは75%2002D PLA/25% PHB織物である。100%MB PLAサンプルは、4週間ウェットティッシュの清浄液に暴露させると、6%の縦方向引張強さ(machine direction(MD)tensile strength)を失ったが、85%PLA/15%PHB及び75%PLA/25%PHB織物は、ウェットティッシュの清浄液でそれぞれ4%及び1%の縦方向引張強さを失っただけである。しかし、100%PLA、85%PLA/15%PHB及び75%PLA/25%PHBは、それぞれ50%、32%及び65%の幅方向台形引裂強さ(cross machine direction(CD)Trapezoid tearing strength)を失った。河水に4週間暴露させると、100%MB PLAは、26%のMD引張強さ及び64%CD引裂強さを失い、85%PLA/15%PHB及び75%PLA/25%PHBは、それぞれ19%及び22%のMD引張強さと、77%及び80%のCD引裂強さを失った。川底の泥に4週間暴露させると、100%PLA織物は、91%MD引張強さ及び98%CD引裂強さを失い、85%PLA/15%PHB及び75%PLA/25%PHBは、それぞれ76%及び75%MD引張強さと、96%及び87%CD引裂強さを失った。汚泥/砂/牛糞腐植物に4週間暴露させると、100%PLA織物は94%MD引張強さ及び99%CD引裂強さを失い、85%PLA/15%PHB及び75% PLA/25% PHBは、それぞれ76%及び86%MD引張強さと、99%及び83%CD引裂強さを失った。川底の泥及び腐植物に暴露させたすべてのサンプルの気体透過率は上昇し、比較的高い気体透過率値を有した。これは生分解の進行に伴い、より多くの展開構造が産生されたことを表す。各種処理を行ったMB100%PLA織物の気体透過率の上昇は、PLA−PHB混合織物より小さい。織物は重量の損失はなく、実際には少し増加する。これは、織物に、より深刻な損傷が起こらない前提の下、処理破片をすべて除去するのは難しいためである。
表6B、7B及び8Bは、それぞれ100% 2002D PLA MB織物、85%PLA/15%PHB及び75%PLA/25%PHBを様々な処理条件下で12週間経過させた後の暴露効果を示している。これらの織物はすべて、プラスチックに包まれたローラに16週間保存された。85%PLA/15%PHBについては、16週間の保存期間後、MB靭性及びCD靭性の明らかな低下は起こらないが、75%PLA/25%PHBは22%のMB靭性の損失、及び33%のCD靭性の損失を示した。様々な処理条件下で4週間暴露させたのと同じように、12週間の暴露の後、対応する国産織物の靭性と比較すると、ウェットティッシュの清浄液における、100%PLAのサンプルは、他の2種のPLA及びPHBの混合物よりMD及びCD靭性が高かった。これらのすべてのサンプルを河水、河流の沖積泥及び汚泥/砂/糞腐植物中で12週間経過させると、その分解の関連性は注目に値する。
表4の説明:
69Kgの乾燥した沖積泥(USP庭師が川から採取)を大きい混合容器に入れる。
大電動攪拌機でゆっくりと撹拌して、小さい塊に砕いた69Kgの乾燥した牛糞を加える。
混合するとき、69Kgの乾燥した砂をゆっくりと加える。
撹拌するとき、83Kgの蒸留水をゆっくりと加える。
完全に混合した後、リトマス試験紙またはpH計でpH値を測定し、10%の水酸化ナトリウム(蒸留水で調製)をpH値が7.5に達するまでゆっくりと加える。
余った蒸留水を加えて、水酸化カルシウムに加えた水の総量を93Kgにし、pH値を測定して7.5に調整する。
69Kgの乾燥した沖積泥(USP庭師が川から採取)を大きい混合容器に入れる。
大電動攪拌機でゆっくりと撹拌して、小さい塊に砕いた69Kgの乾燥した牛糞を加える。
混合するとき、69Kgの乾燥した砂をゆっくりと加える。
撹拌するとき、83Kgの蒸留水をゆっくりと加える。
完全に混合した後、リトマス試験紙またはpH計でpH値を測定し、10%の水酸化ナトリウム(蒸留水で調製)をpH値が7.5に達するまでゆっくりと加える。
余った蒸留水を加えて、水酸化カルシウムに加えた水の総量を93Kgにし、pH値を測定して7.5に調整する。
上記生分解の研究以外にも、中国の会社から厚さ9μmの純PBAT薄膜、及び20%炭酸カルシウムを含有する9μmのPBAT薄膜を購入した。アメリカのマディソン、ニーナのBiax−Fiberfilm社から20%PPを含有するMeltblown(MB)Vistamaxx(登録商標)を手に入れた。ドイツザクセン紡織研究所からカーボンブラックを含有する黒色のスパンボンド(SB)PLAを手に入れ、その公称重量は80g/m2である。純PBAT薄膜及び20%炭酸カルシウムを含有するPBAT薄膜を、それぞれ20%PPを含有するVistamaxxMB及び黒色SB PLAと積層させ、5〜13g/m2の熱溶融性接着剤を使用した。一般に0.5〜12g/m2の熱溶融性接着剤、好ましくは1〜7g/m2の熱溶融性接着剤を採用する。この他、2層のSB PLAを積層し、さらに熱溶融性接着剤を使用して接着した。図9に、これらのすべての原材料及び積層材料の重量、厚さ、靭性、破断伸び率、引裂強さ、破裂強さ、水蒸気伝達速度及びハイドロヘッドの試験結果を示す。指摘すべきこととして、これらは本考案の様々な実施例のいくつかのサンプルであり、熱溶融技術を採用して様々な層の材料を接着しているに過ぎない。該PBAT薄膜またはその他の生分解性/腐敗可能薄膜は、直接押出コーティングする方法により下層に付加することができ、コロイドを採用する必要はない。この積層材料は、熱カレンダー加工、一般的なカレンダー、または超音波溶接技術を採用して接続または結合することができ、ここでは部分的な技術のみを挙げる。この他、熱溶融性接着剤の代替物として、接着のり、水溶性もしくは溶剤型接着剤またはラテックスも積層材料を接着するのに使用することができる。
表9に示すように、9μmの純(100%)PBAT薄膜(サンプル1)は、MD方向に良好な伸び率を有し、CDに非常に高い伸び率を有し、300%より高い。サンプル1からサンプル5はいずれも破断強さ試験を行うことができないが、これらのすべてのサンプルの弾性はかなり良好であるため、薄膜及び積層材料を測定するとき破断することがなく、測定後も明らかに変形することはない。サンプル1の水蒸気伝達速度は非常に高く、3380g/m2/24時間であり、静圧頭は549mmである。20%炭酸カルシウムを含有するPBAT薄膜(サンプル2)の性能はサンプル1と似ており、同様の水蒸気伝達速度を有し、静圧頭はやや低い。PBAT薄膜はサンプル1及びサンプル2と類似しており、やや薄い6μm以下の厚さを有するが、依然として比較的好ましい伸び率及び比較的高い水蒸気伝達速度を有する一方、静圧頭はより低い可能性がある。MBサンプル3は、80%Vistamaxx(登録商標)(Vistamaxxブランドのポリプロピレン系重合体は高い弾性を有する。ExxonMobil社により生産される)及び20%PPを含有し、非常に高いMD及びCD伸び率を有し、およそ300%である。さらに、十分に伸ばしたとき、高い水蒸気伝達速度を有し、8816g/m2/24時間である。しかし、サンプル3の静圧頭は非常に高く、1043mmであり、これは依然として非常に良好な透過性を有することを表している。指摘すべきこととして、20%PPをVistamaxx重合体のマイクロスフェアに加え、物理的に混合し、この混合物をMB押出機に入れて溶融すると、VistamaxxMB織物は粘度があまり高くない。100%Vistamaxxをメルトブローする場合、その粘度は非常に高く、ローラが詰まる可能性があり、分離するのは非常に難しく、積層またはその後の使用に不利である。しかしながら、MB Vistamaxxが薄膜、例えば炭酸カルシウムを含むか含まないPBATもしくはPBS、またはその他の不織布、スクリムもしくは織物と積層される場合、100% Vistamaxxのメルトブローを行うことは可能である。実際、接着剤を使用する必要がない可能性があるが、これは100%Vistamaxxまたはより高濃度のVistamaxxはすでに粘度が非常に高いためである。
熱溶融性接着剤を使用して積層した純PBATと、20%のCaCO3及びVistamaxxを含むPBATは、Vistamaxxのみに対して、そのMD靭性及びCD靭性は明らかに向上する。このサンプルは高いMB伸び率、特に高いCD伸び率(サンプル4は390%、サンプル5は542%)を有する。サンプル4及び5はさらに、明らかに高い水蒸気伝達速度値を有し、それぞれ1671及び1189g/m2/24時間であり、さらに比較的高い静圧頭、それぞれ339及び926mmH2Oを有する。同様に指摘しなければならないこととして、PBAT薄膜は、熱溶融性接着剤を使用するか使用せずに、直接、MB 100% Vistamaxxまたは少しのPPを含有するMB Vistamaxx上に押出メルトブローを行うことができる。なおかつこの押出メルトブロー過程は、より薄い規格のPBAT薄膜を使用でき、4から5マイクロメートルまで低くすることすら可能である。MVTRがより高くなるが、その静圧頭は低下する可能性がある。
目標重量が80g/mの黒色SB PLAは、そのMD靭性が104N、CD靭性は31Nであり、MD伸び率は比較的低く30.6%であり、CD伸び率は比較的高く30.7%である。破壊強さは177KN/m2、WVTRは非常に高く8322g/m2/24時間であり、静圧頭は非常に顕著で109mmである。熱溶融性接着剤を使用せずに純PBATに積層した80g/mの黒色SB PLAは、そのMD及びCD靭性がSB PLAのみの靭性より高く、それぞれ107N及び39Nである。しかしそのCD伸び率はわずか9.8%である。しかし、SB PLAと積層したPBATは、高い***強度を有し、220KN/m2である。その通気性は依然として良好であり、その水蒸気伝達速度は2459g/m2/24時間であり、高い静圧頭3115mmH2Oを有する。20%CaCO3を含有するPBATと積層したSB PLAは、サンプル8と似た性能を有し、静圧頭が依然として比較的高く、2600mmH2Oであるのを除けば、相対的に比較的低い。SB PLA及び比較的薄いPBAT薄膜の積層材料、特にSB PLAと、押出コーティングして積層することにより得られる比較的薄いPBAT薄膜との積層材料から、医療、工業、またはスポーツに用いられる防護服が生産され、これは快適に着用するため高いMVTRを有する。それと同時に、防護障壁とするために高い静圧頭を有する。この防護障壁は、PBAT薄膜側、あるいはSB OLA及び薄膜を積層する前または後に、任意の一側に防護仕上げ剤(フッ化ケイ素またはその他の型の防護仕上げ剤)を使用するため、防護障壁の作用をさらに強化させることができる。別の強化方法は、薄膜と積層する前または後に、MB PLAをSB PLAと積層させる。防護仕上げ剤は、例えばPBAT薄膜、SBまたはMB重合体を生産する溶融体に加えることができる可能性もある。
SB PLAの2層が溶融接着する方法により接着されて9番サンプルが生産されると、MD及びCD引張性と破裂強さは、基本的に6番サンプルの単一層の2倍である。110g/m2SB PPから生産される靭性スリングにおける、目標のMD及びCD引張性と応答破断伸び率(伸び率%)値は、それぞれ少なくとも200及び140N/5cmである。表9に示すように、SB PLAの2つを接着した層のMD引張性は215Nであるが、CD引張性は必要なレベルの約50%しかない。なおかつ、MD及びCDの%伸び率値も必要な最小値の40%より大幅に低い。SB PLAのMD及びCD伸び率は、SB織物を押し出す前にPLAに5〜60%のPBAT(最も好ましくは25〜50%のPBAT)を混入することにより、改善することができる。この他、PBAT及びPBSは、PLAと混合して、要求するMD及びCD引張性と伸び率値、並びに熱安定性を有する織物を製造することができる。この他、SBスクリーンは、スパンレース及びニードルパンチを含む、非カレンダー接着工程で接着することができるため、より好ましい多方向の強度及び伸び率に達する。ニードルパンチSB PLAは、110g/m2より大きい重量で生産することができ、2つ以上のSB PLA織物を積層または接着して、必要な強度及び伸び率値にする必要はない。
Claims (7)
- PLAとPBATが積層され、
PBATの質量パーセントが5〜60%である
ことを特徴とする生分解性積層材料。 - 重量が5〜60%の充填材を含む
請求項1に記載の生分解性積層材料。 - 充填材が重量20%の炭酸カルシウムである
請求項2に記載の生分解性積層材料。 - PLAとPBSが積層され、
PBSの質量パーセントが5〜40%である
ことを特徴とする生分解性積層材料。 - PLAと、PBAT及びPBSの混合物が積層され、
質量パーセントが5〜50%のPBAT及び5〜40%のPBSを含有する
ことを特徴とする生分解性積層材料。 - 積層が熱溶融性接着剤を介したものである
請求項1ないし5のいずれかに記載の生分解性積層材料。 - 医療、工業、またはスポーツに用いられる防護服に使用される
請求項1ないし6のいずれかに記載の生分解性積層材料。
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2017
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