JP3216507U - 接着剤注入機 - Google Patents

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司喜夫 成田
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Abstract

【課題】削穴内に接着剤を注入する注入管を安定して移動できる接着剤注入機を提供する。【解決手段】一方の管端4Aを削穴Zの削穴底Zaの近傍に配置して削穴Z内に挿入される注入管4と、注入管4の一方の管端4A側に固定され、削穴Zの全内周面ZCに摺動自在に当接されて削穴Z内の削穴底Za側に配置される摺動リング14と、摺動リング14及び注入管4の他方の管端4Bの間に配置されて、注入管4の外周面に隙間を隔てて外嵌される案内部材6と、傾斜外周面を有して、案内筒部材6に外嵌して固定される固定筒部材15を備える。固定筒部材15は、削穴Z内に挿入されて、傾斜外周面を削穴Zの開口縁に押圧して、削穴Zを形成したコンクリート構造体Yに取外自在に固定される。【選択図】図14

Description

本考案は、コンクリート構造体に形成された削穴内に、アンカーボルトを固定するための接着剤を注入する接着剤注入機に関する。
削穴内に接着剤を注入する技術として、特許文献1は、注入装置を用いて穿孔内に硬化剤を注入するアンカー施工法を開示する。注入装置は、注入ノズル、及び注入ノズルの先端に固定されるフランジ部を備える。
アンカー施工法において、注入ノズル及びフランジ部は、穿孔内に挿入される。フランジ部は、穿孔の内周面に隙間を隔てて穿孔内に配置される。
アンカー施工法において、注入ノズルから硬化剤を穿孔内に注入する。注入ノズル及びフランジ部は、穿孔内に注入された硬化剤の圧力をフランジ部で受けて、硬化剤を穿孔内に注入しつつ、穿孔の開口側に後退(移動))される。
特開2015―151849号公報
特許文献1では、フランジ部を穿孔の内周面に隙間を隔てて穿孔内に配置されているので、硬化剤の圧力にて注入ノズル及びフランジ部を後退させると、注入ノズルは穿孔内で傾斜してフランジ部が穿孔の内周面に引掛かって、安定的に後退できない。
本考案は、削穴内に接着剤を注入する注入管を安定して移動できる接着剤注入機を提供することにある。
本考案に係る請求項1は、コンクリート構造体に形成され、前記コンクリート構造体内の削穴底から延在して前記コンクリート構造体の外側に開口された削穴内に、アンカーボルトを固定するための接着剤を注入する接着剤注入機であって、一方の管端を前記削穴底に向けて前記削穴内に挿入され、前記削穴の延在方向に移動自在に前記削穴内に配置されるとともに、一方の管端から前記延在方向を延在して他方の管端を前記コンクリート構造体の外側に位置して配置されて、前記接着剤を一方の管端から前記削穴内に注入する注入管と、前記注入管の一方の管端側に外嵌して固定され、前記削穴の全内周面に摺動自在に当接して前記削穴内に挿入されて、前記削穴底との間に注入空間を形成する摺動部材を備える摺動手段と、一方の案内筒端を前記注入管の一方の管端に向けて前記摺動手段及び前記注入管の他方の管端の間に配置され、前記注入管の外周面に隙間を隔てて前記注入管に外嵌されて、前記注入管の前記延在方向への移動を案内する案内筒部材と、一方の固定管端から他方の固定管端に向けて拡径しつつ傾斜される傾斜外周面を有し、一方の固定筒端を前記注入管の一方の管端に向けて前記案内筒部材に外嵌されて、前記案内筒部材の一方の案内筒端側に固定される固定筒部材を備える固定手段と、を備え、前記固定部材は、一方の固定筒端から前記削穴内に挿入され、及び前記傾斜外周面を前記削穴の開口縁に押圧して、前記コンクリート構造体に取外自在に固定されることを特徴とする接着剤注入機である。
本考案に係る請求項2は、前記固定筒部材は、木材、合成樹脂又は合成ゴムを含む弾性材で形成されることを特徴とする請求項1に記載の接着剤注入機である。
本考案に係る請求項3は、前記摺動部材は、弾性変形可能な材質で形成され、前記注入空間の大気圧を超える所定の圧力により弾性変形して、前記削穴の内周面との間に隙間を形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の接着剤注入機である。
本考案に係る請求項4は、前記削穴の穴体積、前記アンカーボルトにおいて、前記削穴の内周面に隙間を隔てて前記削穴内に挿入されるアンカー部分のアンカー部分体積、前記穴体積及び前記ボルト部分体積の差である差分体積、前記削穴の注入空間に注入する量であって、前記差分体積と等値の体積である目標注入流量、前記注入管の中心線方向において、前記注入管の一方の管端からの長さの位置、とし、前記案内筒部材は、一方の案内筒端から前記延在方向に延在して、他方の案内筒端を前記コンクリート構造体の外側に位置して配置され、前記注入管は、前記長さの位置となる前記注入管の外周面に付された目標注入印を有し、前記長さの位置は、前記注入管の移動に伴って、前記目標注入印が前記案内筒部材の他方の案内筒端に位置した時に、前記目標注入流量となる位置であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の接着剤注入機である。
本考案に係る請求項5は、前記注入管に前記接着剤を供給する接着剤供給装置を備え、前記接着剤供給装置は、前記接着剤を貯留する貯留槽と、前記貯留槽の前記接着剤を吸引して、吐出口から前記接着剤を吐出する注入ポンプと、可撓性ホースと、を含んで備え、前記可撓性ホースは、一方のホース端を前記注入ポンプの吐出口に接続し、及び他方のホース端を前記注入管の他方の管端に接続して配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の接着剤注入機である。
本考案に係る請求項6は、開閉弁を備え、前記開閉弁は、前記注入管の他方の管端に接続され、及び前記可撓性ホースの他方のホース端に接続されることを特徴とする請求項5に記載の接着剤注入機である。
本考案に係る請求項7は、前記接着剤は、ゲル状のエポキシ樹脂系接着剤であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の接着剤注入機である。
本考案に係る請求項1は、第1に、注入管及び摺動筒部材(摺動手段)を一方の管端から削穴内に挿入する。これにより、注入管の一方の管端は、削穴の削穴底の近傍に配置され、摺動筒部材は、削穴に摺動自在として全内周面に当接して削穴の削穴底側に配置される。
第2に、案内筒部材を一方の案内筒端から削穴内に挿入し、固定筒部材を一方の固定筒端から削穴内に挿入する。固定筒部材は、傾斜外周面を削穴の開口縁に押圧して、削穴内に圧入する。これにより、固定筒部材及び案内筒部材は、コンクリート構造体に取外自在に固定され、案内筒部材は、注入管の延在方向への移動を案内(ガイド)する。摺動部材は、削穴の削穴底との間に注入空間を形成(区画)する。
第3に、注入管の一方の管端から接着剤を削穴内(注入空間)に注入する。注入された接着剤の圧力を摺動部材で受け、注入管及び摺動部材は、削穴の延在方向において、案内筒部材にて案内(ガイド)されつつ削穴の開口側に移動される。
これにより、注入管は、案内筒部材にて案内(ガイド)されるので、安定的に移動できる。
本考案に係る請求項2は、固定筒部材は、弾性材で形成されるので、削穴の開口縁に押圧しても、削穴の開口縁のコンクリート構造体を破損等することを防止できる。
本考案に係る請求項3は、注入空間の空気を、弾性変形した摺動部材及び削穴の全内周面の間の隙間からコンクリート構造体の外側に排気できる。
これにより、削穴内(注入空間)に注入した接着剤に空気が混入(混在)することを防止でき、注入空間を空気の混入(混在)しない接着剤にて充填できる。
本考案に係る請求項4は、注入管の移動に伴って、目標注入印が案内筒部材の他方の案内筒端に位置した時に、削穴内(注入空間)への接着剤の注入を停止することで、目標注入量の接着剤を削穴内(注入空間)に注入できる。
これにより、目標流入量の接着剤を注入した削穴内に、アンカーボルトのアンカー部分を挿入すると、接着剤は、削穴内から流出することなく、削穴の削穴底から削穴の開口にわって充填される。接着剤は、削穴及びアンカー部分の全ての隙間にわたって充填される。
本考案に係る請求項5は、注入ポンプを作動して、貯留槽から接着剤を吸引して、吸引した接着剤を可撓ホースに吐出する。可撓ホースに吐出した接着剤は、可撓ホースを通して注入管に流入し、注入管の一方の管端から削穴内(注入空間)に注入される。
これにより、注入ポンプを作動することで、接着剤を削穴内(注入空間)に注入できる。
本考案に係る請求項6は、開閉弁を操作して開弁にすることで、注入管及び可撓性ホースを連通して、注入管の一方の管端から接着剤を削穴内(注入空間)に注入できる。また、開閉弁を操作して閉弁することで、注入管及び可撓性ホースを非連通(注入管を可撓性ホースから遮断)して、接着剤の注入を停止できる。
本考案に係る請求項7は、ゲル状(高粘度)のエポキシ樹脂系樹脂剤であるので、削穴内(注入空間)に注入しても、削穴内からコンクリート構造体の微小な亀裂等(クラック)に浸透することなく、確実に、削穴内(注入空間)に充填できる。
接着剤注入機(樹脂注入機)を示す側面図である。 接着剤注入機(樹脂注入機)において、接着剤注入装置(樹脂注入装置)を示す斜視図である。 接着剤注入機(樹脂注入装置)において、接着剤注入装置(樹脂注入装置)を示す側面図である。 図3の部分拡大図であって、注入管及び摺動手段を示す図である。 図3のA−A断面拡大図である。 接着剤注入機(接着剤注入装置)において、接着剤注入装置(樹脂注入装置)の分解斜視図である。 接着剤注入装置(樹脂注入装置)において、固定手段の固定部材を示す図であって、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は図7(a)のB−B断面図である。 接着剤注入機(樹脂注入装置)において、接着剤供給装置(樹脂供給装置)を示す側面図である。 アンカー工法の削穴工程を示す図であって、(a)はボーリング機をコンクリート構造体Yに固定した状態を示す図、(b)はボーリング機にて削穴を形成(穿孔)する図である。 アンカー工法の削穴工程において、削穴及びアンカーボルトの関係を示す図である。 アンカー工法の挿入固定工程を示す図である。 アンカー工法の挿入固定工程において、注入管及び摺動手段(摺動リング)を削穴内の開口側に挿入した図である。 アンカー工法の挿入固定工程において、(a)は案内筒部材及び固定筒部材を削穴内に挿入した図、(b)は図13(a)の部分断面拡大図である。 アンカー工法の挿入固定工程において、注入管の一方の管端を削穴の削穴底の近傍に配置した図である。 アンカー工法の挿入固定工程において、注入管の一方の管端を削穴の削穴底側に配置した部分拡大図である。 図15の部分拡大図である。 図15のC−C拡大図である。 図14の一部拡大図である。 アンカー工法の注入工程において、接着剤を削穴内(注入空間)に注入した図である。 アンカー工法の注入工程において、接着剤の注入を開始した図である。 アンカー工法の注入工程において、接着剤を削穴(注入空間)に注入した図である。 アンカー工法の注入工程において、注入管が移動した図である。 アンカー工法の注入工程において、注入管が移動し、目標注入印を案内筒部材の他方の案内筒端に位置した図である。 アンカー工法のアンカー固定工程において、アンカーボルトのアンカー部分の一部を削穴内に挿入した図である。 アンカー工法のアンカー固定工程において、アンカーボルトのアンカー部分を削穴内に挿入した図である。 削穴の穴体積、アンカーボルトのアンカー部分体積、差分体積、注入長さ、端間長さを示す図である。
本考案に係る接着剤注入機について、図1乃至図26を参照して説明する。
接着剤注入機X(樹脂注入機)は、コンクリート構造体Yに形成された削穴Z内に、アンカーボルトABを固定するための接着剤BD(樹脂)を注入する(図19乃至図23参照)。
コンクリート構造体Yは、コンクリートで形成された建造物であって、例えば、橋台、橋脚である(図9参照)。
接着剤BD(樹脂)は、例えは、ゲル状のエポキシ樹脂系の接着剤である。
図1乃至図8において、接着剤注入機X(樹脂注入機)は、接着剤注入装置1(樹脂注入装置)、接着剤供給装置2(樹脂供給装置)、及び開閉弁3を備えて構成される。
接着剤注入装置1(樹脂注入装置)は、図1乃至図7に示すように、注入管4、摺動手段5、案内筒部材6、及び固定手段7を備える。
注入管4は、図1乃至図6に示すように、金属円管(金属パイプ)である。注入管4は、管外径:D4、及び管内径:d4(d4>D4)を有する。
注入管4の管外径:D4は、コンクリート構造体Yの削穴Zの穴径:dZより小径(D4<dZ)にされる。
注入管4は、注入管4の中心線clの方向(以下、「中心線方向CL」という)に管長さ:L4を有する。
注入管4は、一方の管端4A側にネジ部8を有し、ネジ部8は、注入管4の外周面4Cに形成される。ネジ部8は、注入管4の中心線方向CLにおいて、一方の管端4A(一方の注入管端)から他方の管端4B(他方の固定管端)に向けて延在される。
注入管4は、接着剤BD(樹脂)を一方の管端4Aから削穴Z内に注入する(図20参照)。
摺動手段5は、図1乃至図6に示すように、注入管4の一方の管端4A側に配置されて、注入管4に固定される。
摺動手段5は、複数のナット9,10、複数のリング板11,12、合板リング13、及び摺動部材14を備える。
各リング板11,12は、図2乃至図6に示すように、例えば、金属ワッシャーであって、リング外径:D5を有する。各リング板11,12のリング外径:D5は、コンクリート構造体Yの削穴Zの穴径:dsより小径(D5<dz)、及び各ナット9,10より大径にされる。
合板リング13は、図2乃至図6に示すように、摺動部材14より剛性を有する円盤板であって、金属、合成樹脂、合成ゴム等で形成される。合板リング13は、リング板厚さ:H6、及びリング外径:D6を有する。合板リング13のリング外径:D6は、コンクリート構造体Yの削穴Zの穴径:dzより小径(D6<dz)、及び各リング板11,12のリング外径:D5より大径(D6>D5)にされる。
摺動部材14は、図2乃至図6に示すように、弾性変形可能な材質(材料)で形成され、例えば、クロロプレンスポンジゴムで形成される。
摺動部材14は、円形状のリング板に形成され(以下、「摺動リング14」という)、リング板厚さ:H7、及びリング外径:D7を有する。摺動リング14(摺動部材)のリング外径:D7は、合板リング13のリング外径:D6より大径にされる(D7>D6)。
摺動リング14(摺動部材)のリング外径:D7は、コンクリート構造体Yの削穴Zの穴径:dZと同一又は僅かに大径(D7≧dZ)にされる。
摺動リング14の外周面14Aは、図4に示すように、半径R[R=(H7)/2]の半円形(半円形外周面)に形成される。
摺動手段5は、図2乃至図6に示すように、注入管4の一方の管端4Aからナット9、リング板11、合板リング13、摺動リング14、リング板12及びナット10の順に、注入管4に外嵌して、注入管4の一方の管端4A側(ネジ部8)に配置される。各ナット9,10、各リング板11,12、合板リング13及び摺動リング14は、注入管4の中心線clに同心として注入管4に外嵌される。
摺動手段5において、ナット9は、図2乃至図6に示すように、注入管4の一方の管端4Aから注入管4に外嵌してネジ部8に螺着される。ナット9は、ネジ部8において、注入管4の他方の管端4B側に配置される。
摺動手段5において、リング板11は、図2乃至図6に示すように、注入管4の一方の管端4Aから注入管4に外嵌されて、注入管4の中心線方向CLからナット9に当接される。
摺動手段5において、合板リング13は、図2乃至図6に示すように、注入管4の一方の管端4Aから注入管4に外嵌されて、注入管4の中心線方向CLからリング板11に当接される。
摺動手段5において、摺動リング14(摺動部材)は、図2乃至図6に示すように、注入管4の一方の管端4Aから注入管4に外嵌されて、注入管4の中心線方向CLから合板リング13に当接される。
摺動手段5において、リング板12は、図2乃至図6に示すように、注入管4の一方の管端4Aから注入管4に外嵌されて、注入管4の中心線方向CLから摺動リング14(摺動部材)に当接される。
摺動手段5において、ナット10は、図2乃至図6に示すように、注入管4の一方の管端から注入管4に外嵌してネジ部8に螺着される。ナット10は、注入管4の中心線方向CLにおいて、リング板12側(ナット9側)に向けて回転されて、リング板12に当接される。
これにより、摺動手段5は、ナット10をネジ部8に対して回転することで、各ナット9,10にて、各リング板11,12、合板リング13及び摺動リング14(摺動部材)を締付け挟持して、各リング板11,12、合板リング13及び摺動リング14(摺動部材)を注入管4の一方の管端4A側に固定する。
合板リング13及び摺動リング14(摺動部材)は、各リング板11,12にて挟持されて、注入管4の一方の管端4A側に固定される。
注入管4は、図2乃至図5に示すように、各ナット9,10、各リング板11,12、合板リング13及び摺動リング14(摺動部材)を中心線c1に同心に配置し、及び各ナット9,10、各リング板11,12、合板リング13及び摺動リング14を貫通して、一方の管端4A側(ネジ部8)に固定する。
案内筒部材6は、図1乃至図3、図5及び図6に示すように、例えば、金属円筒部材である。案内筒部材6は、筒内径:d8、管外径:D8、及び管長さ:L8を有する。案内筒部材6の筒内径:d8は、注入管4の管外径:D4より僅かに大きい筒内径(d8>D4)にされる。案内筒部材6の筒外径:D8は、注入管4の管外径:D4より大径、及び摺動リング14のリング外径:D7(各リング板11,12のリング外径:D5)より小径にされる[D4<D8<D7(D5)]。案内筒部材6の筒長さ:L8は、注入管4の管長さ:L4より短い筒長さ(L8<L4)にされる。
案内筒部材6は、図2、図3、図5及び図6に示すように、一方の案内筒端6Aを注入管4の一方の管端4Aに向けて、摺動手段5(摺動リング14)及び注入管4の他方の管端4Bの間に配置される。
案内筒部材6は、図5に示すように、注入管4の外周面4Cに隙間を隔てて注入管4に外嵌される。案内筒部材6は、注入管4の中心線clに同心として注入管4に外嵌され、注入管4の中心線方向CLに延在される。
これにより、案内筒部材6は、注入管4及び摺動手段5(摺動リング14等)の中心線方向CLへの移動を案内する。
固定手段7は、図1乃至図5、及び図5乃至図7に示すように、固定筒部材15、及び固定規制板16を備える。
固定手段7において、固定筒部材15は、図2、図3及び図5乃至図7に示すように、例えば、円筒部材である。固定筒部材15は、弾性変形可能な弾性材(材質/材料)、例えば、木材で形成される。なお、固定筒部材15は、弾性変形可能な合成樹脂や合成ゴム等で形成しても良い。
固定筒部材15は、図2、図3及び図5乃至図7に示すように、例えば、台形円錐(楔形状)に形成される。固定筒部材15は、一方の固定筒端15Aから他方の固定筒端15Bに向けて拡径しつつ傾斜する傾斜外周面15C(楔傾斜面)を有する。固定筒部材15において、傾斜外周面15Cの傾斜角度θは、θ=15°〜60であって、例えば、θ=6・5°にされる。
固定筒部材15において、一方の固定筒端15Aの筒外径:D9は、案内筒部材6の筒外径:D8より大径(D9>D8)、及びコンクリート構造体Yの削穴Zの穴径:dZより小径(D9<dZ)にされる。
固定筒部材15において、他方の固定筒端15Bの筒外径:D10は、一方の固定筒端15Aの筒外径:D9及びコンクリート構造Yの削穴Zの穴径:dZより大径(D10>dz>D9)にされる。
固定筒部材15は、筒長さ:L9を有する。固定筒部材15の筒長さ:L9は、案内筒部材6の筒長さ:L8より短い、筒長さにされる(L9<L8)。
固定手段7において、固定筒部材15は、図2、図3及び図5に示すように、一方の固定筒端15Aを注入管4の一方の管端4A(案内筒部材6の一方の案内筒端6A)に向けて案内筒部材6に外嵌される。固定筒部材15は、注入管4の中心線cl(案内筒部材6の中心線)に同心として案内筒部材6に外嵌される。
固定筒部材15は、案内筒部材6の各案内筒端6A,6Bの間において、案内筒部材6の一方の案内筒端6A側に配置されて、案内筒部材6の一方の案内筒端6A側に固定される。
これにより、固定筒部材15は、図2、図3及び図5に示すように、注入管4の中心線方向cL(案内筒部材6の中心線方向)において、注入管4の一方の管端4A(一方の固定筒端15A)に向うに連れて段々に(徐々に)縮径する傾斜外周面15Cを有して、案内筒部材6に固定される。
固定規制板16は、図2、図3、図5及び図6に示すように、例えば、金属製の正方形板である。固定規制板16は、正方形の一辺長さLXをコンクリート構造体Yの削穴Zの穴径dz(固定筒部材15の他方の固定筒端15Bの筒外径:D10)より長くされる。
固定規制板16は、図2、図3及び図5に示すように、注入管4の中心線方向CL(案内筒部材の中心線方向)において、固定筒部材15及び案内筒部材6の他方の案内筒端6Bの間に配置される。固定規制板16は、案内筒部材6に外嵌されて、固定筒部材15の他方の固定筒端15Bに当接される。固定規制板16は、注入管4の中心線cl(案内筒部材6の中心線)に同心として配置され、案内筒部材6に固定される。
接着剤供給装置2(樹脂供給装置)は、図1及び図8に示すように、注入管4に接着剤BD(樹脂)を供給する。
接着剤供給装置2は、図1及び図8に示すように、昇降スタンド20(昇降機/昇降装置)、貯留槽21、注入ポンプ22、吸引管体23、可撓性ホース24及びコンプレッサ25を備える。
昇降スタンド20は、図8に示すように、下側載置台26及び上側載置台27を備える。昇降スタンド20は、昇降機構(図示しない)によって、上側載置台27を下側載置台26に対して上下方向UDに昇降する。
貯留槽21(接着剤貯留槽)は、図8に示すように、接着剤、例えば、ゲル状のエポキシ樹脂系接着剤を貯留する。貯留槽21は、昇降スタンド20の下側載置台26上に載置される。
注入ポンプ22(接着剤吸引ポンプ)は、図8に示すように、空圧ポンプであって、貯留槽21に間隔を隔てて、貯留槽21の上方に配置される。注入ポンプ22は、昇降スタンド20の上側載置台27に載置されて、上側載置台27に固定される。
注入ポンプ22は、吸引口22A及び吐出口22Bを有し、貯留槽21の接着剤BD(樹脂)を吸引口22Aから吸引して、吸引した接着剤BDを吐出口22Bから吐出する。
吸引管体23は、図8に示すように、管蓋板28、カップ管29、吸引管30、及び逆止弁31を備える。
管蓋板28は、図8に示すように、弾性変形可能な材質(材料)、例えば、合成ゴムで形成される。管蓋板28は、貯留槽21の内周面に摺動自在として、貯留槽21内に配置される。管蓋板28は、貯留槽21の接着剤BD(接着剤)の液面に当接して配置される。管蓋板28は、貯留槽21の接着剤BD(液面)に開口される。
カップ管29は、図8に示すように、上下方向UDにおいて、管蓋板28及び注入ポンプ22の間に配置される。カップ管29は、開口側を管蓋板28に向けて、管蓋板28に固定される。
カップ管29は、管蓋板28の開口を通して、貯留槽21の接着剤(液面)に連通される。
吸引管30は、図8に示すように、上下方向UDにおいて、カップ管29及び注入ポンプ22の間に配置される。吸引管30は、上下方向UDに延在される。吸引管30において、一方の吸引管端30Aは、カップ管29に接続されて、カップ管29内に連通する。吸引管30において、他方の吸引管端30Bは、注入ポンプ22の吸引口22Aに接続される。他方の吸引管端30Bは、注入ポンプ22の吸引口22Aに取外自在に接続される。
逆止弁31は、図8に示すように、吸引管30内に設置される。逆止弁31は、貯留槽21から注入ポンプ22への接着剤BD(樹脂)の流れを許容し、及び注入ポンプ22から貯留槽21への流れ(逆流)を阻止(遮断)する。
可撓性ホース24は、図1及び図8に示すように、注入管4及び注入ポンプ22の間に配置される。可撓性ホース24は、一方のホース端24Aを注入ポンプ22の吐出口22Bに接続し、及び他方のホース端24Bを注入管4の他方の管端4B(他方の固定管端)に接続して配置される。
コンプレッサ25は、図1及び図8に示すように、注入ポンプ22に接続される。コンプレッサ25は、注入ポンプ22に圧縮空気を供給する。
これにより、注入ポンプ22は、コンプレッサ25からの圧縮空気にて作動して、貯留槽21の接着剤BD(樹脂)を吸引管体23を通して吸引し、吸引した接着剤BD(樹脂)を吐出口22Bから可撓性ホース24に吐出する。注入ポンプ22から吐出された接着剤(樹脂)は、可撓性ホース24を通して注入管4に供給される。
開閉弁3は、図1に示すように、注入管4及び可撓性ホース24の間に設置される。開閉弁3は、注入管4の他方の管端4Bに接続され、及び可撓ホースの他方のホース端24Bに接続される。
開閉弁3は、開弁において、注入管4及び可撓性ホース24を連通し、閉弁において、注入管4を可撓性ホース24から遮断する。
次に、接着剤注入機Xによる注入工程を含むアンカー工法について、図1、図8乃至図26を参照して説明する。
以下、アンカー工法の各工程について説明する。
<削穴工程>
削穴工程は、図9及び図10に示すように、橋台や橋脚のコンクリート構造体Yに削穴Zを形成(穿孔)する工程である。
削穴工程において、削穴Zは、例えば、ボーリング機械100(コアー削穴機)により、コンクリート構造体Yに形成される。コンクリート構造体Yに形成された削穴Zは、図10に示すように、コンクリート構造体Y内の削穴底Zaから延在されて、コンクリート構造体Yの外側(コンクリート構造体Yの外側面YA)に開口される。
なお、必要に応じて、コンクリート構造体Yに1又は複数の削穴Zを形成する。
削穴Zは、図10に示すように、円形穴であって、穴径:dzを有して、コンクリート構造体Yに形成される。
削穴Zは、図10に示すように、削穴Zの延在方向GLにおいて、削穴Zの削穴底Za及び削穴Zの開口Zbの間の穴長さ:LZを有して、コンクリート構造体Yに形成される。削穴Zの穴長さ:LZは、図10に示すように、アンカーボルトABの全長:LXより短い、穴長さにされる(LZ>LX)。
アンカーボルトABは、図10に示すように、削穴Z内に挿入されるアンカー部分AB1、及び削穴Zからコンクリート構造体Yの外側に配置されるボルト部分AB2でなる。アンカー部分AB1は、削穴Zの穴長さ:LZより短い、アンカー部分長さ:LSを有する。アンカーボルトABにおいて、アンカー部分AB1は、図10に示すように、削穴Zの穴径:dzより小径であるアンカー部分外径:DSを有する。
<挿入固定工程>
挿入固定工程は、図11乃至図18に示すように、接着剤注入機Xの接着剤注入装置1(樹脂注入装置)をコンクリート構造体Yの削穴Z内に挿入して、コンクリート構造体Yに固定する工程である。
接着剤注入装置1において、作業者は、図11及び図12に示すように、注入管4及び摺動手段5(摺動リング14等)を削穴Z内の開口Zb側に挿入する。
注入管4は、図11及び図12に示すように、一方の管端4A(一方の注入管端)を削穴Zの削穴底Zaに向けて、削穴Zの開口Zbから削穴Z内に挿入される。注入管4は、図11及び図12に示すように、削穴Zの内周面ZCに間隔を隔てて削穴Z内に挿入されて、削穴Zの延在方向GLに移動自在に削穴Z内に配置される。
なお、削穴Zの延在方向GLは、注入管4の中心線方向GLとなる(中心線方向GLに一致する)。
摺動手段5において、摺動リング14(摺動部材)は、図11及び図12に示すように、半円形の外周面14Aを削穴Zの全内周面ZCに当接して削穴Z内に挿入される。摺動リング14は、図11及び図12に示すように、削穴Zの延在方向GLに摺動自在として、半円形の外周面14Aを削穴Zの全内周面ZCに当接して配置される。
これにより、摺動リング14(摺動部材)は、図11及び図12に示すように、削穴Zの削穴底Zaとの間に注入空間F(密封の注入空間)を形成(区画)する。
続いて、接着剤注入装置1において、作業者は、図11及び図13に示すように、案内筒部材6及び固定手段7(固定筒部材15)を削穴Z内に挿入して、案内筒部材6及び固定筒部材15をコンクリート構造体Y(削穴Zの開口縁Zd)に固定する。
作業者は、案内筒部材6を注入管4に対して、削穴Zの延在方向GL(注入管4の中心線方向CL)に移動して、一方の案内筒端6A側を削穴Z内に挿入し、及び固定筒部材15の一方の固定筒端15A側を削穴Z内(削穴Z内の開口Zb側)に挿入する。
固定筒部材15及び固定規制板16は、案内筒部材6に固定されているので、案内筒部材6の移動に伴って、削穴Zの延在方向GLに移動される。
これにより、固定筒部材15は、一方の固定筒端15Aから削穴Z内(削穴Z内の開口Zb側)に挿入される。
案内筒部材6及び固定筒部材15を削穴Z内に挿入すると、作業者は、更に、案内筒部材6を注入管4に対して、削穴Z内に移動して、固定筒部材15を削穴Zの開口縁Zdに押圧(圧接)する。
これにより、固定筒部材15は、図13に示すように、傾斜外周面15Cを削穴Zの開口縁Zd(開口Zbの内周)に押圧して、コンクリート構造体Yに取外自在に固定される。このとき、固定筒部材15において、全ての傾斜外周面15Cは、削穴Zの全ての開口縁Zdにわたって当接して押圧(圧接)される。固定筒部材15は、傾斜外周面15Cを削穴Zの開口縁Zbに押圧することによって、削穴Zの開口縁Zdに圧入されて、コンクリート構造体Yに固定される。
押圧(押圧力)を調整することで、削穴Zの開口縁Zdを固定筒部材15の傾斜外周面15Cに食込ませて、固定筒部材15をコンクリート構造体Yに固定することもできる。
また、固定筒部材15の他方の固定筒端15B、及び固定規制板16は、図13に示すように、コンクリート構造Yの外側に配置される。固定規制板16は、図13に示すように、コンクリート構造体Yの外側からコンクリート構造体Yの外側面YAに当接自在に配置される。
これにより、固定規制板16は、コンクリート構造体Yの外側から外側面YA(コンクリート構造体Y)に当接することで、固定筒部材15が削穴Z内に完全に入込むことを阻止できる。また、作業者は、固定規制板16を把持して、注入管4の他方の管端4B側に引くことで、容易に、固定筒部材15を削穴Z内から取外すことができる。
案内筒部材6は、図13に示すように、固定筒部材15のコンクリート構造体Yへの固定に伴って、コンクリート構造体Yに固定される。
これにより、案内筒部材6は、注入管4の中心線clを削穴Zの穴中心線zlに位置して、注入管4を移動自在に支持する。
また、案内筒部材6は、図11に示すように、一方の案内筒端6Aから削穴Zの延在方向GLに延在して、他方の案内筒端6Bをコンクリート構造体Yの外側に位置して配置される。
作業者は、図14乃至図18に示すように、固定筒部材15をコンクリート構造体Yに固定すると、注入管4を案内筒部材6に対して、削穴Zの延在方向GLに移動して、注入管4の一方の管端4A(一方の注入管端)及び摺動手段5(摺動リング14)を削穴底Za側に位置する。
このとき、案内筒部材6は、注入管4の延在方向GLへの移動を案内(ガイド)する。
これにより、注入管4は、コンクリート構造体Yに固定された案内筒部材6にて案内(ガイド)されながら削穴Zの延在方向に移動され、一方の管端4Aを削穴底Zaの近傍に位置して配置される。
摺動手段5において、摺動リング14は、図14乃至図18に示すように、注入管4の移動に伴って、半円形の外周面14Aを削穴Zの全内周面ZCに摺動しつつ、削穴Zの延在方向GLに移動されて、削穴Zの削穴底Za側に位置して配置される。
このとき、摺動リング14は、図14乃至図18に示すように、注入空間Fの体積を減少しつつ、削穴Zの削穴底Za側へ移動されて、注入空間F内に空気を圧縮する[注入空間F内を昇圧する]。
摺動リング14は、図16及び図17に示すように、削穴Zの削穴底Za側への移動に伴って、注入空間内(空気)が大気圧を超える所定の圧力になると、所定の圧力により弾性変形して、削穴Zの全内周面ZCとの間に隙間δを形成する。
摺動リング14において、半円形の外周面14A及び合板リング13の体周面13Aの間のリング部分14Bは、図16及び図17に示すように、削穴Zの開口Zb側に弾性変形して、削穴Zの全内周面ZCとの間に隙間δを形成する。リング部分14Bは、削穴Zの延在方向GLから注入空間Fの大気圧を超える所定の圧力(圧縮空気の圧力)を受けて、削穴Zの開口Zb側に弾性変形する。
注入空間Fの圧縮空気は、図16及び図17に示すように、隙間δを通って削穴Zの開口Zb側に流れて、コンクリート構造体Yの外側に排気される。
このように、摺動リング14(摺動部材)は、隙間δから注入空間Fの空気(圧縮空気)を削穴Zの開口Zb(コンクリート構造体Yの外側)に排気しつつ、削穴Zの削穴底Zaの近傍まで移動される。
摺動リング14(摺動部材)は、図18に示すように、削穴Zの削穴底Zaの近傍まで移動して、注入空間F内が大気圧を超える所定の圧力未満になると、弾性変形から復元して、半円形の外周面14Aを削穴Zの全内周面ZCに当接して配置される。
これにより、注入管4の一方の管端4A及び摺動リング14(摺動部材)を削穴Zの削穴底Zaの近傍に配置でき、注入空間Fを摺動リング14(摺動部材)にて密封できる。
注入管4は、図14に示すように、削穴Zの延在方向GLに延在して、他方の管端4B(他方の注入筒端)を削穴Zの開口Zbからコンクリート構造体Yの外側に位置して配置される。
<注入工程>
注入工程は、図19乃至図23に示すように、コンクリート構造体Yに形成した削穴Z内に、アンカーボルトABを固定するための接着剤BD(樹脂)を注入する工程である。
注入工程において、接着剤注入機X(樹脂注入機)を用いて、削穴Z内に接着剤BD(樹脂)を削穴Z内に注入する。
接着剤供給装置2において、可撓性ホース24は、図1に示すように、他方のホース端24Bを、コンクリート構造体Yの外側に位置する注入管4の他方の管端4B(他方の注入管端)に接続して配置される。また、ゲル状のエポキシ樹脂系の接着剤BDを貯留槽21内に貯留する(図1及び図8参照)。
作業者は、図1に示すように、開閉弁3を操作して開弁する。これにより、注入管4及び可撓性ホース24は、開閉弁3を介在して連通される。
注入工程において、作業者は、図19に示すように、案内筒部材6の他方の案内筒端6B側を把持して、コンプレッサ25を起動する。
これにより、注入ポンプ22は、図1及び図8に示すように、コンプレッサ25からの圧縮空気によって作動して、貯留槽21から接着剤BDを吸入して、吸引した接着剤BDを吐出する。このとき、貯留槽21の接着剤BDは、吸引管30を通して吸引口22Aから注入ポンプ22に吸引され、吐出口22Bから可撓性ホース24内に吐出される。
また、貯留槽21内における接着剤BD(樹脂)の液面の低下に伴って、昇降スタンド20の上側載置台27を下降して、注入ポンプ22及び吸引管体23(吸引管30等)を接着剤BDの液面に沿って下降させる。
可撓性ホース24内に吐出した接着剤BDは、図1に示すように、可撓性ホース24内を流れて、開閉弁3を通って注入管4内に流入される。
注入管4内に流入した接着剤BDは、図20に示すように、注入管4内に流れて、一方の管端4A(一方の注入管端)から注入空間F(削穴Z内)に注入される。
注入空間F(削穴Z内)への接着剤BD(樹脂)の注入を開始すると、注入空間Fの圧力は、接着剤BDの注入に伴って昇圧する。注入空間Fが大気圧を超える所定の圧力になると、摺動リング14(摺動部材)のリング部分14Bは、図20に示すように、所定の圧力により弾性変形して、削穴Zの内周面ZCとの間に隙間δを形成する。
このとき、注入管4及び摺動リング14(摺動部材)は、接着剤BD(樹脂)の注入に伴って、削穴Zの延在方向GLにおいて、削穴Zの開口Zb側に移動される。
これにより、注入管4及び摺動リング14は、削穴Zの延在方向GLにおいて、削穴Zの開口Zbに移動しつつ、注入空間Fに残存する空気を隙間δからコンクリート構造体Yの外側に排気する。注入空間Fは、図21に示すように、空気がコンクリート構造体の外側に排気されるので、空気の混入(混在)しない接着剤BD(樹脂)にて充填される。
また、案内筒部材6は、注入管4の延在方向GLへの移動を案内(ガイド)し、注入管4は、案内筒部材6にて案内されつつ移動される。
注入空間Fへの接着剤BD(接着剤)の注入を継続すると、摺動リング14は、削穴Zの延在方向GLにおいて、接着剤BDの注入によって注入空間Fの体積を増加しつつ削穴Zの削穴底Za側から削穴Zの開口Zbに向けて移動される。
接着剤BDにて充填された注入空間Fの体積が増加して、注入空間Fが大気圧を超える所定の圧力未満になると、摺動リング14(摺動部材)は、図21乃至図23に示すように、リング部分14Bを弾性変形から復元して、半円形の外周面14Aを削穴Zの全内周面ZCに当接する。
これにより、摺動リング14(摺動部材)は、注入空間Fを密封(密閉)し、及び半円形の外周面14Aを削穴Zの全内周面ZCに摺動しつつ、削穴Zの開口Zb側に移動される。注入管4は、摺動リング14(摺動部材)の移動に伴って、案内筒部材6にて案内(ガイド)されつつ、削穴Zの延在方向GLにおいて、削穴Zの開口Zb側に移動される。
作業者は、目標とする一定の流量(以下、「目標注入流量:QZ」という)の接着剤BD(樹脂)を削穴Z内(注入空間F)に注入すると、開閉弁3を閉弁する(図1参照)。
これにより、削穴Z(注入空間F)への接着剤BD(樹脂)の注入を停止する。
続いて、作業者は、図13に示すように、固定規制板16を把持して、注入管4の他方の管端4B側に引くことで、固定筒部材15を削穴Zの開口縁Zdから取外す。
また、作業者は、固定筒部材15を取外した後、注入管4を削穴Z内から引抜いて、削穴Z内から取外す。
<アンカー固定工程>
アンカー固定工程は、図24乃至図26に示すように、接着剤BD(樹脂)を注入した削穴Z内にアンカーボルトABを挿入して、コンクリート構造体Yに固定(接着)する。
アンカー固定工程において、アンカーボルトABは、図24及び図25に示すように、アンカー部分AB1から削穴Z内に挿入される。アンカーボルトABは、削穴Zの中心線zlに同心として配置される。
これにより、アンカー部分AB1は、削穴Z内に配置され、及びボルト部分AB2は、コンクリート構造体Yの外側に配置されて、削穴Zの内周面ZCに隙間を隔てて削穴Z内に挿入される。
アンカー部分AB1を削穴Z内に挿入すると、削穴Z内の接着剤BD(樹脂)は、図25及び図26に示すように、アンカー部分AB1及び削穴底Zaの間、アンカー部分AB1及び削穴Zの内周面ZCの間に流入して、削穴Zの削穴底Za及び削穴Zの開口Zbの間に配置される。
これにより、削穴Z内の接着剤BD(樹脂)は、図25及び図26に示すように、削穴Zの開口Zbからコンクリート構造体Yの外側に流出することなく、削穴Z及びアンカー部分AB1の間の隙間に充填される。
接着剤BDは、ゲル状のエポキシ樹脂系接着剤であるので、削穴Z内からコンクリート構造体Yの微細な亀裂等(クラック)に浸透しない。
アンカーボルトABは、図25及び図26に示すように、接着剤BD(樹脂)の硬化によって、コンクリート構造体Yに固定(接着)される。
このように、アンカー工法において、挿入固定工程、注入工程及びアンカー固定工程の順に各工程を繰返すことで、複数の削穴Z内に接着剤BD(樹脂)を注入し、複数の削穴Z内にアンカーボルトABを挿入してコンクリート構造体Yに固定(接着)する。
次に、接着剤注入機Xにおいて、目標注入流量:QZの接着剤BD(樹脂)を削穴Z内(注入空間F)に注入する構成について説明する。
図3、図10及び図26に示すように、
削穴Zの穴体積:VZ=[(dz×π)/4]×(LZ)、
アンカーボルトABにおいて、削穴Zの内周面ZCに隙間を隔てて削穴Z内に挿入されるアンカー部分AB1のアンカー部分体積:VS=[(DS×π)/4]×(LS)、
穴体積:VZ及びアンカー部分体積:VSの差である差分体積:VY=(VZ)−(VS)、
削穴Zの注入空間Fに注入する接着剤BD(樹脂)の量であって、差分体積:VYと等値(同値)の体積である目標注入量:QZ=VY、
注入管4の中心線方向CL(削穴Zの延在方向GL)において、注入管4の一方の管端4A(一方の固定筒端)からの長さの位置:L
とする。
なお、目標注入量:QZは、注入空間Fの体積であって、差分体積:VPと等値(同値)の体積となる目標体積:VQとも言える。
注入管4は、図3に示すように、目標注入印Sを有する。目標注入印Sは、図3に示すように、長さの位置:Lとなる注入管4の外周面4Cに付される。
長さの位置:Lは、注入管4の移動に伴って、目標注入印Sが案内筒部材6の他方の案内筒端6Bに位置した時に(又は、目標注入印Sが案内筒部材6から出て他方の案内筒端6Bより外側に位置した時に)、目標注入量:QZ(目標体積:VQ、差分体積:VY)となる位置(長さ)であって、以下に説明する。
先ず、図26に示すように、差分体積:VYから削穴Zにおける注入長さ:LPを求める。
注入長さ:LPは、差分体積:VY、及び削穴Zの穴面積:AZ=[(dz×π)/4]とすると、LP=(VY)/(AZ)となる。
次に、図20において、注入管4の一方の管端4Aを削穴Zの削穴底Zaの近傍に配置して、案内筒部材6及び固定筒部材15をコンクリート構造体Yに固定した状態において、注入管4の中心線方向CL(削穴Zの延在方向GL)の、削穴Zの削穴底Za及び案内筒部材6の他方の案内筒端6Bの間の端間長さ:LQとする。なお、端間長さ:LQは、削穴Zの削穴底Za及び案内筒部材6の他方の案内筒端6Bより注入管4の他方の管端4B側の間の長さにてきる。
長さの位置:Lは、注入長さ:LP及び端間長さ:LQから、L=LQ−LP(LQ及びLPの差の長さ)となる。
注入工程において、注入管4の一方の管端4Aから接着剤BD(樹脂)を削穴Z内(注入空間F)に注入すると、注入管4(摺動リング14)は、図22及び図23に示すように、削穴Zの延在方向GLにおいて、コンクリート構造体Yに固定された案内筒部材6にて案内(ガイド)されつつ削穴Zの開口Zb側に移動される。
このとき、作業者は、図19及び図23に示すように、注入管4の移動に伴って、注入管4の目標注入印Sが案内筒部材6の他方の案内筒端6Bに位置(又は、目標注入印Sが案内筒部材6を出て他方の案内筒部材6の他方の案内筒端6Bより外側に位置)して、目標注入印Sを目視すると、開閉弁3を操作して閉弁する。
これにより、接着剤BD(樹脂)の注入が停止され、削穴Z内(注入空間F)に目標流量:QZ(差分体積:VP)の接着剤BD(樹脂)が注入される。
本考案は、コンクリート構造体の削穴内に、アンカーボルトを固定するための接着剤(樹脂)を注入するのに最適である。
X 接着剤注入機(樹脂注入機)
Y コンクリート構造体
BD 接着剤(ゲル状のエポキシ樹脂系接着剤)
Z 削穴
ZA 削穴底
ZB 削穴の開口
1 接着剤注入装置(樹脂注入装置)
2 接着剤供給装置(樹脂供給装置)
3 開閉弁
4 注入管
4A 一方の管端(一方の固定管端)
4B 他方の管端(他方の固定管端)
4C 注入管の外周面
5 摺動手段
6 案内筒部材
6A 一方の案内筒端
6B 他方の案内筒端
7 固定手段
14 摺動リング(摺動部材)
15 固定筒部材
15A 一方の固定筒端
15B 他方の固定筒端
15C 傾斜外周面
21 貯留槽
22 注入ポンプ
24 可撓性ホース

Claims (7)

  1. コンクリート構造体に形成され、前記コンクリート構造体内の削穴底から延在されて前記コンクリート構造体の外側に開口された削穴内に、アンカーボルトを固定するための接着剤を注入する接着剤注入機であって、
    一方の管端を前記削穴底に向けて前記削穴内に挿入され、前記削穴の延在方向に移動自在に前記削穴内に配置されるとともに、一方の管端から前記延在方向に延在して他方の管端を前記コンクリート構造体の外側に位置して配置されて、前記接着剤を一方の管端から前記削穴内に注入する注入管と、
    前記注入管の一方の管端側に外嵌して固定され、前記削穴の全内周面に摺動自在に当接して前記削穴内に挿入されて、前記削穴底との間に注入空間を形成する摺動部材を備える摺動手段と、
    一方の案内筒端を前記注入管の一方の管端に向けて前記摺動手段及び前記注入管の他方の管端の間に配置され、前記注入管の外周面に隙間を隔てて前記注入管に外嵌されて、前記注入管の前記延在方向への移動を案内する案内筒部材と、
    一方の固定筒端から他方の固定筒端に向けて拡径しつつ傾斜される傾斜外周面を有し、一方の固定筒端を前記注入管の一方の管端に向けて前記案内筒部材に外嵌されて、前記案内筒部材の一方の案内筒端側に固定される固定筒部材を備える固定手段と、
    を備え、
    前記固定筒部材は、
    一方の固定筒端から前記削穴内に挿入され、及び前記傾斜外周面を前記削穴の開口縁に押圧して、前記コンクリート構造体に取外自在に固定される
    ことを特徴とする接着剤注入機。
  2. 前記固定筒部材は、
    木材、合成樹脂又は合成ゴムを含む弾性材で形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の接着剤注入機。
  3. 前記摺動部材は、
    弾性変形可能な材質で形成され、
    前記注入空間の大気圧を超える所定の圧力により弾性変形して、前記削穴の内周面との間に隙間を形成する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の接着剤注入機。
  4. 前記削穴の穴体積、
    前記アンカーボルトにおいて、前記削穴の内周面に隙間を隔てて前記削穴内に挿入されるアンカー部分のアンカー部分体積、
    前記穴体積及び前記アンカー部分体積の差である差分体積、
    前記削穴の前記注入空間に注入する前記接着剤の量であって、前記差分体積と等値の体積である目標注入流量、
    前記注入管の中心線方向において、前記注入管の一方の管端からの長さの位置、
    とし、
    前記案内筒部材は、
    一方の案内筒端から前記延在方向に延在して、他方の案内筒端を前記コンクリート構造体の外側に位置して配置され、
    前記注入管は、
    前記長さの位置となる前記注入管の外周面に付される目標注入印を有し、
    前記長さの位置は、
    前記注入管の移動に伴って、前記目標注入印が前記案内筒部材の他方の案内筒端に位置した時に、前記目標注入流量となる位置である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の接着剤注入機。
  5. 前記注入管に前記接着剤を供給する接着剤供給装置を備え、
    前記接着剤供給装置は、
    前記接着剤を貯留する貯留槽と、
    前記貯留槽の前記接着剤を吸引して、吐出口から前記接着剤を吐出する注入ポンプと、
    可撓性ホースと、
    を含んで備え、
    前記可撓性ホースは、
    一方のホース端を前記注入ポンプの吐出口に接続し、及び他方のホース端を前記注入管の他方の管端に接続して配置される
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の接着剤注入機。
  6. 開閉弁を備え、
    前記開閉弁は、
    前記注入管の他方の管端に接続され、及び前記可撓性ホースの他方のホース端に接続される
    ことを特徴とする請求項5に記載の接着剤注入機。
  7. 前記接着剤は、
    ゲル状のエポキシ樹脂系接着剤である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の接着剤注入機。
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