JP3216064B2 - インクジェット印刷用紙の表面塗布剤 - Google Patents

インクジェット印刷用紙の表面塗布剤

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JP3216064B2
JP3216064B2 JP19715294A JP19715294A JP3216064B2 JP 3216064 B2 JP3216064 B2 JP 3216064B2 JP 19715294 A JP19715294 A JP 19715294A JP 19715294 A JP19715294 A JP 19715294A JP 3216064 B2 JP3216064 B2 JP 3216064B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面の紙質を向上させる
ためのインクジェット印刷用紙の表面塗布剤に関する。
さらに詳しくは、アミジン構造単位を有する水溶性高分
子を抄紙後の紙表面上に塗布することにより、インクの
発色性に優れ、高解像度で、耐水性が高く、かつ耐光性
も向上し、またインクのセット性、表面強度や内部強度
も向上するインクジェット印刷用紙の表面塗布剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々の作動
原理によりインクの微小液滴を発生、飛翔させて紙など
の被記録材に付着させて記録を行うものである。この方
式は騒音の発生が少なく、高速印字、多色印字の行える
記録方式として急速に普及している。このインクジェッ
ト記録法に使用される被記録材としては、従来一般的な
紙が使用されてきた。しかし、記録の高速化あるいは多
色化などの装置の性能の向上や用途の拡大にともない、
インクジェットの被記録材に対してもより高度な特性が
要求されるようになった。
【0003】すなわちカラー写真に匹敵する程度の高解
像度、高品質の記録画像を得るための被記録材として
は、 (1)インクの吸収が速やかであること。 (2)インクドットが重なった際に、後で付着したイン
クが前のドットに流れ出さないこと。 (3)インクドットの形状が真円に近く、またその周囲
が滑らかであること。 (4)インクドットの径が必要以上に大きくならないこ
と。 (5)インクドットの濃度が高く、ドットの周辺がぼけ
ないこと。 (6)インクの発色性が優れたものであること。 などの諸要求を満たすことが必要である。また耐水性、
耐光性も同時に必要である。しかしながらこれら諸要求
をすべて満たした被記録材は未だ見いだされていない。
【0004】たとえばインク吸収性を高めるためには尿
素−ホルムアルデヒドン性樹脂を塗工層中に含有させる
(特開昭53−49113号公報)、塗工層中の顔料に
非膠質シリカ粉末を使用する(特開昭55−51583
号公報)などが開示されている。これらの方法によりイ
ンク吸収性の改善が見られるが、記録画像の耐水性に欠
けるという大きな問題がある。記録画像の耐水性向上に
はカチオン性高分子を塗工層中に含有させる方法が採ら
れている。たとえばポリエチレンイミン(特開昭56−
84992号公報)、ポリエチレンイミンの有機酸塩
(特開昭59−198186号公報)、ジメチルジアリ
ルアンモニウムクロライド(特開昭59−20696号
公報)、ポリアリルアミン塩酸塩(特開昭62−174
184号公報)、ポリビニルアミンホモポリマー(特開
昭64−8085号公報)などが開示されている。しか
しこれらの高分子化合物はある程度耐水性を向上させる
ものの、耐光性の向上はまだまだ不充分であり、逆に耐
光性が低下してしまう例もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イン
クの発色性に優れ、高解像度で、耐水性が高く、かつ耐
光性も向上したインクジェット印刷用被記録材を開発す
ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め本発明者等が鋭意研究を行った結果、アミジン構造を
有する特定の水溶性高分子を基材中または基材上に設け
た塗工層に含有させることにより、耐水性および耐光性
のある記録画像を形成するインクジェット印刷用被記録
材料が得られることを見い出し本発明を成すに至った。
【0007】本発明の請求項1の発明は、下記(1)お
よび/または(2)で表される繰り返し単位を20〜9
0モル%、下記(3)で表される繰り返し単位を1〜4
0モル%、下記(4)で表される繰り返し単位を1〜7
0モル%、下記(5)で表される繰り返し単位を5〜4
0モル%、下記(6)で表される繰り返し単位を0〜2
0モル%含有し、1規定の食塩水中0.1g/dlの溶
液として25℃で測定した還元粘度の値が0.1〜10
dl/gであることを特徴とする水溶性高分子からなる
インクジェット印刷用紙の表面塗布剤である。
【0008】
【化7】
【0009】
【化8】
【0010】
【化9】
【0011】
【化10】
【0012】
【化11】
【0013】
【化12】
【0014】(式中R1 ,R2 は水素原子またはメチル
基、R3 は炭素数1から4のアルキル基、R4 は水素原
子、メチル基またはカルボキシメチル基、X- は陰イオ
ン、YはCOOM、C64 SO3 M、CH2 SO3
M、CONHC(CH32 CH2 SO3 M、Mは陽イ
オンをそれぞれ表す。)
【0015】本発明の請求項2の発明は、繰り返し単位
(1)および/または(2)が40〜80モル%である
ことを特徴とする請求項1記載のインクジェット印刷用
紙の表面塗布剤である。
【0016】本発明の請求項3の発明は、N−ビニルホ
ルムアミドとアクリロニトリルとの共重合体の酸加水分
解物からなることを特徴とする請求項1あるいは請求項
2記載のインクジェット印刷用紙の表面塗布剤である。
【0017】上記の(1)と(2)で表されるアミジン
単位は、5員環から成るアミジン構造を有しており、核
磁気共鳴分光法(NMR)や赤外分光法(IR)などの
分析において通常、等価で観測されるものであり(1)
と(2)の総量として定量される。しかしながら下記の
概念図に示すように、後述する重合体のアミジン化反応
における生成高分子の繰り返し単位を考えた場合、
(1)と(2)で表される2種類の繰り返し単位を考慮
しなければならない。なお下記概念図においてCN基と
NH2 基はアミジン化反応に関与しなかったシアノ基単
位およびアミノ基単位を示している。
【0018】
【化13】
【0019】上記のアミジン構造を有する水溶性高分子
の製造方法は特に限定されるものではないが、一般的に
は1級アミノ基または変換反応により1級アミノ基が生
成しうる置換アミノ基を有するエチレン性不飽和モノマ
ーとアクリロニトリルまたはメタアクリロニトリルのニ
トリル類との共重合体を製造し、さらに該共重合体中の
シアノ基と1級アミノ基を反応させてアミジン化するこ
とにより得ることができる。
【0020】上記のエチレン性不飽和モノマーとして
は、一般式
【0021】
【化14】
【0022】(式中、R2 は水素原子またはメチル基
を、R3 は炭素数1から4のアルキル基または水素原子
を表す。)で表される化合物が好ましい。
【0023】共重合体中において、かかる化合物に由来
する置換アミノ基は、加水分解あるいは加アルコール分
解により容易に1級アミノ基に変換される。更にこの1
級アミノ基は、隣接したシアノ基と反応してアミジン化
する。該化合物としては、N−ビニルホルムアミド(R
2 =H,R3 =H),N−ビニルアセトアミド(R2
H,R3 =CH3 )などが例示される。
【0024】これらのエチレン性不飽和モノマーとニト
リル類との共重合モル比は通常20:80から80:2
0であるが、もし所望ならばこの範囲外の重合モル比、
たとえば更にエチレン性不飽和モノマーの比率の大きい
重合モルを採用することもできる。表面塗布剤としての
応用を考えた場合、カチオン性高分子中に占めるアミジ
ン単位の比率が大きいほうが性能が高い。またアミン単
位も表面塗布剤としての性能に寄与していると考えられ
る。従って塗布剤として好適な共重合体を与えるエチレ
ン性不飽和モノマーとニトリル類との共重合モル比は一
般に20:80から80:20、特に好ましくは40:
60から60:40である。
【0025】エチレン性不飽和モノマーとニトリル類と
の共重合の方法としては、通常のラジカル重合法が用い
られ、塊状重合、水溶液沈殿重合、懸濁重合、乳化重合
などの何れも用いることができる。溶媒中で重合させる
場合、原料モノマー濃度が通常5から80重量%、好ま
しくは20から60重量%で実施される。重合開始剤に
は一般的なラジカル重合開始剤を用いることができる
が、アゾ化合物が好ましく、2,2′−アゾビス−2−
アミジノプロパンの塩酸塩などが例示される。また重合
反応は一般に不活性ガス気流下、30から100℃の温
度で実施される。得られた共重合体はそのままの状態あ
るいは希釈して、即ち、溶液状、あるいは懸濁状でアミ
ジン化反応に供することができる。また公知の方法で脱
溶媒、乾燥し、共重合体を固体として分離した後、固体
状でアミジン化反応に供することもできる。
【0026】アミジン化反応は、エチレン性不飽和モノ
マーとして前記一般式で示されるN−ビニルアミド化合
物を用いた場合には、共重合体の置換アミノ基を一級ア
ミノ基に変換し、次いで生成した一級アミノ基と隣接す
るシアノ基と反応させてアミジン構造を生成させるとい
う二段階反応により本発明に係る水溶性高分子を製造す
ることができる。そして好ましくは、該共重合体を強酸
または強塩基の存在下、水またはアルコール溶液中で加
温して、一段階でアミジン構造を生成させる。この場合
においても、まず一級アミノ基が中間構造として生成し
ていると考えられる。
【0027】該反応の具体的条件としては、例えば共重
合体に対してその置換アミノ基に対して通常0.9〜
5.0倍、好ましくは1.0〜3.0倍当量の強酸、好
ましくは塩酸を加え、通常80〜150℃、好ましくは
90〜120℃の温度で、通常0.5〜50時間加熱す
ることによりアミジン単位を有するカチオン性高分子と
することができる。一般に置換アミノ基に対する強酸の
当量比が大きいほど、かつ、反応温度が高いほどアミジ
ン化が進行する。またアミジン化に際しては、反応に供
する共重合体に対し、通常10重量%以上、好ましくは
20重量%の水を反応系内に存在させる。
【0028】本発明に係る水溶性高分子から成る表面塗
布剤は、最も典型的には上記で説明したところに従い、
N−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルとを共重合
させ、生成した共重合体を通常、水懸濁液として塩酸の
存在に加熱して置換アミノ基と隣接するシアノ基から
アミジン単位を形成させることにより製造される。そし
て共重合に供するN−ビニルホルムアミドとアクリロニ
トリルとのモル比、及び共重合体のアミジン化条件を選
択することにより、各種の組成の水溶性高分子から成る
表面塗布剤を製造することができる。
【0029】本発明に係る水溶性高分子から成る表面塗
布剤の代表的なものの一つは、前記(1)および/また
は(2)で表される繰り返し単位を20〜90モル%、
前記(3)で表される繰り返し単位を1〜40モル%、
前記(4)で表される繰り返し単位を1〜70モル%お
よび前記(5)で表される繰り返し単位5〜40モル%
含有しており、かつ0.1〜10dl/gの還元粘度を
有している。なお、本発明において、還元粘度は1規定
の食塩水中、0.1dl/gの溶液として25℃で測定
するものとする。上述の表面塗布剤において、定着剤の
性能に大きく寄与するのはアミジン単位であると考えら
れる。
【0030】アミジン単位の比率が大きいほど、表面塗
布剤としての性能は一般的に向上する傾向にある。しか
し上述の共重合体を塩酸水溶液中で加熱する方法などで
はアミジン単位が90モル%を越える比率のものを製造
することは困難である。従って表面塗布剤に占めるアミ
ジン単位の比率は、通常20から85モル%であるのが
好ましい。
【0031】繰り返し単位(3)は、アクリロニトリル
に比して高価なN−ビニル化合物に由来するが、その存
在は塗布剤としての性能に有利には貢献していないよう
である。繰り返し単位(3)が多くなると、表面塗布剤
の耐水性が低下する場合がある。しかしながら、アミジ
ン単位の比率が50モル%以上の場合には、繰り返し単
位(3)が多量に存在しても性能の優れた表面塗布剤と
なる。生成する水溶性高分子は、一般にはそのままでは
安定性が悪いので、強酸を添加して繰り返し単位
(1)、(2)および(5)のカチオン性単位を完全に
中和しておくことが好ましい。
【0032】繰り返し単位(4)の表面塗布剤としての
性能におよぼす影響は明らかではないが、記録画像の耐
水性、耐光性に多少とも良い影響を与えていることが推
定され、少なくとも悪影響はないと考えられる。繰り返
し単位(4)は重合体中に0〜70モル%存在するが、
ニトリルは安価なモノマーなので繰り返し単位(4)の
存在は、表面塗布剤の製造コストを低下させ、コストに
対する性能の優位性を向上させるのに有効である。繰り
返し単位(4)の好適な存在比率は5〜60モル%、特
に5〜50モル%である。
【0033】本発明に係る表面塗布剤において、繰り返
し単位(4)とアミジン単位とのモル比[(1)+
(2)]/(4)は一般に0.5〜10.0の範囲にあ
るべきである。なぜならばアミジン単位の多いほうが一
般的に表面紙質向上機能は優れていると考えられるから
である。
【0034】繰り返し単位(5)はカチオン性であり、
アミジン単位と同じく表面紙質向上に有効に作用してい
ると考えられる。繰り返し単位(5)は塗布剤中に5か
ら40モル%、好ましくは5〜40モル%存在する。繰
り返し単位(1)、(2)および(5)はいずれも繰り
返し単位(3)から誘導されるものである。従って一般
的に言ってできるだけ多くの繰り返し単位(3)が、繰
り返し単位(1)、(2)または(5)に変換されてい
るのが好ましい。表面塗布剤に占める繰り返し単位
(1)、(2)および(5)の合計は一般に30モル%
以上、好ましくは40から95モル%である。
【0035】これは重合体を構成する各繰り返し単位の
うち、表面塗布剤の機能に有利に貢献すると考えられる
繰り返し単位が大部分をしめることを意味する。なお、
本発明に係る表面塗布剤において繰り返し単位(5)と
アミジン単位とのモル比[(1)+(2)]/(5)
は、一般に0.5〜18の範囲にある。繰り返し単位
(5)よりもアミジン単位のほうが塗布剤の性能により
有効に作用すると考えられるので[(1)+(2)]/
(5)は1.0から10.0の範囲にあるほうがより好
ましい。
【0036】本発明に係る表面塗布剤は繰り返し単位
(6)のようなアニオン性繰り返し単位を含有する。例
えば下記の繰り返し単位(7)で表されるカルボキシル
基は繰り返し単位(4)の加水分解によって、一般的に
は0〜5モル%生成するが、両性高分子を製造する場合
はアクリル酸、メタクリル酸、アリルスルホン酸、スチ
レンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸、イタコン酸のようなアニオン性モノマ
ーを共重合するほうが便利である。一般に0〜20モル
%が好適であるが、0〜10モル%がさらに好ましい。
20モル%以上になるとアニオン性が強くなり過ぎアミ
ジン構造の特徴が発現されず実用的ではない。本発明に
係る表面塗布剤には、前述の繰り返し単位の他、さらに
他の繰り返し単位が含まれていてもよい。しかし前述の
繰り返し単位(1)〜(6)の合計が90モル%以上を
占めるべきである。本発明に係る表面布付剤に含まれう
る他の繰り返し単位としては下記(8)〜(10)のよ
うなものが挙げられる。繰り返し単位(8)は繰り返し
単位(4)の加水分解によって生成し、通常0〜5モル
%の範囲にある。繰り返し単位(9)および(10)は
繰り返し単位(5)と繰り返し単位(8)によって生成
し、通常0から5モル%生成する。
【0037】
【化15】
【0038】
【化16】
【0039】
【化17】
【0040】
【化18】
【0041】本発明に係る水溶性高分子からなる表面塗
布剤の還元粘度は、前述の如く通常0.1〜10dl/
g、好ましくは、0.5から7.0dl/gの範囲にあ
る。この理由としては、粘度があまり高すぎると、紙へ
の表面塗工の過程で支障をきたすこと、また取扱も悪く
なる。一方、粘度が低すぎると表面強度向上効果、耐水
性などが悪くなり実用的でない。
【0042】本発明に係る水溶性高分子の使用方法とし
ては、表面塗布で行う。抄紙乾燥を行った後、本発明に
係る水溶性高分子の単独溶液または他の塗工用薬剤と混
合した塗工液をサイズプレス、ゲートロールコーター、
ブレードコーターあるいはキャレンダーで行うことが一
般的である。
【0043】本発明に係る水溶性高分子は他の塗工用薬
剤と併用して使用できる。たとえばカチオン変性デンプ
ン、酸化デンプン、ポリビニルアルコール、表面塗工用
ポリアクリルアミドなど、あるいは表面サイズ剤との混
合液にして塗工することもできる。また塗工用顔料とし
ては、微粉末珪酸、クレー、タルク、ケイソウ土、炭酸
カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、サ
チンホワイト、ケイ酸アルミニウムなどを挙げることが
できる。その他表面サイズ剤、防滑剤、防腐剤、消泡
剤、粘度調節剤、染料などの添加剤を併用しても差し支
えない。
【0044】また本発明に係る水溶性高分子のこれら塗
工層中への添加量としては、通常0.05g/m2 〜1
0g/m2 、好ましくは0.2g/m2 〜5g/m2
ある。本発明に係る水溶性高分子を表面塗布剤として使
用する場合の塗工原紙は特に制限はなく、酸性抄紙、中
性抄紙のコート原紙、新聞用紙、印刷筆記用紙、フォー
ム用紙、PPC用紙などの各原紙に塗工することができ
る。
【0045】
【実施例】本発明を一層明らかにするために、本発明の
表面塗布剤である水溶性高分子の製造例を参考例として
示し、次いで本発明の塗布剤による紙の処理、およびそ
の結果についての実施例を示す。なお実施例は代表例で
あり本発明は実施例に限定されるものではない。なお、
実施例において「%」は特に断らないかぎり、「重量
%」を意味する。
【0046】(水溶性高分子の製造例)攪拌機、窒素導
入管、コンデンサーを備えた反応装置に表1に示すよう
な組成で単量体20g、脱塩水133.1gを仕込ん
だ。窒素ガス気流中下、60℃に昇温後30分間保持し
た後、2、2’−アゾビスアミジノプロパン2塩酸塩の
10%水溶液0.19gを添加し、攪拌下60℃に4時
間保持し、水中に重合体が析出した懸濁物を得た。なお
重合度調節のため連鎖移動剤として2−メルカプトエタ
ノールをNO.1とNO.2は対単量体0.8%、N
O.3とNO.4およびNO.7からNO.10は0.
2%、NO.5とNO.6は0.05%、それぞれ重合
時添加した。またNO.7およびNO.8はアクリル酸
を共重合し、NO.9およびNO.10はN−ビニルホ
ルムアミド単独重合体である。重合後、該懸濁物に重合
体中のホルミル基に対して表1のような当量の塩酸を添
加して攪拌しつつ、90℃に4時間保持し重合体をアミ
ジン化した。得られた重合体の溶液をアセトン中に添加
し、析出せしめ、これを乾燥して固体状重合体NO.1
からNO.10を得た。該重合体NO.1からNO.1
0につき以下に示す方法により組成と還元粘度を測定し
た。結果を表1に示す。
【0047】(組成の分析法) アミジン化を行う前の各種合体の組成は13C−NMRス
ペクトル(13C−核磁気共鳴スペクトル)の各モノマー
単位に対応した吸収スペクトルの積分値より算出した。
アミジン化後の重合体NO.1からNO.10の組成は
13C−NMRスペクトルの各繰り返し単位に対応した吸
収ピークの積分値より算出した。なお繰り返し単位
(1)と(2)は区別することなく、その総量としても
とめた。繰り返し単位(9)と(10)も区別すること
なくその総量としてもとめた。また繰り返し単位(1)
と(2)、(8)および(9)と(10)の吸収ピーク
は170ppmから185ppm付近に近接した位置に
認めらたため、以下のような方法により各吸収ピークに
対応する構造を帰属した。即ち重合体の元素分析、水分
量の測定により重量収支を確認し、さらに重合体の13
−NMRスペクトルの他にIRスペクトルも測定し、重
合体のスペクトルとアミジン基、アミド基及びラクタム
基などを既知化合物でのスペクトルと詳細に比較検討す
る方法を採用したものである。
【0048】(還元粘度の測定) 重合体NO.1からNO.10につき、1規定の食塩水
中0.1g/dlの溶液として25℃でオストワルトの
粘度計を用いて測定した。
【0049】
【表1】
【0050】(実施例1〜8) (1)水溶性高分子の塗布 坪量70g/m2 、ステキヒトサイズ度25秒の上質紙
を支持体とし、微粉末シリカ100g、ポリビニルアル
コール50g、本発明の水溶性高分子3g、水500g
の割合で混合した塗工液を調製し、試験用サイズプレス
(熊谷理機社製)により固形分で18.8g/m2 片面
塗布した。下記のように印刷後、インク定着試験を行っ
た。 (2)インク定着性試験 a.印刷:インクジェットプリンター[BJC−600
J(キャノン社製)]によってマゼンタ(M)、シアン
(C)、イエロー(Y)、ブラック(B)の各色につい
て印字した。 b.耐水性:印字した画像を3リットル/分の流水中に
5分間放置し、試験前後の画像濃度をマクベスデンシド
メータRD918で測定し、残色の度合いを百分率で表
示した。 c.耐光性:印字した画像をフェードメーターに投入
し、60℃、24時間照射し、照射前後の画像濃度をマ
クベスデンシドメーターで測定して残色の度合いを百分
率で表示した。以上の結果をまとめて表2に示す。
【0051】(比較例1〜5) 比較のため、N−ビニルホルムアミド単独重合体の塩酸
加水分解物(重合体NO.9、重合体NO.10)(比
較例1〜2)、ポリエチレンイミン(重合体NO.1
1)(比較例3)、ジシアンジアミド−ホルマリン樹脂
(重合体NO.12)(比較例4)の各重合体について
も同様な割合で配合した分散液を調製して塗布して試験
した。重合体を使用しなかった場合についても同様にし
て試験した(比較例5)。以上の結果をまとめて表2に
示す。
【0052】
【表2】
【0053】(実施例9〜16) 実施例1と同様にして水溶性高分子の塗布および塗布後
の試験片の印字、および耐水性、耐光性試験を行った。
原紙は実施例1と同様品を支持体とし、製紙用ホワイト
カーボン100g、ポリビニルアルコール50g、水溶
性高分子4.5g、水500gの割合で混合し、固形分
で14.0g/m2 片面塗布した。結果を表3に示す。
【0054】(比較例6〜10) 比較のため重合体NO.9(比較例6)、重合体NO.
10(比較例7)、重合体NO.11(比較例8)、重
合体NO.12(比較例9)の各重合体を用いて実施例
9と同様にして試験した。重合体を使用しなかった場合
についても同様にして試験した(比較例10)。以上の
結果をまとめて表3に示す。
【0055】
【表3】
【0056】(実施例17〜24) 実施例1と同様に水溶性高分子の塗布および塗布後の試
験片の印字、および耐水性、耐光性試験を行った。原紙
は実施例1と同様品を支持体とし、微紛シリカ100
g、ポリビニルアルコール45g、水溶性高分子6.0
g、水500gの割合で混合し、固形分で10.0g/
2 片面塗布した。結果を表4に示す。
【0057】(比較例11〜15) 比較のため重合体NO.9(比較例11)、重合体N
O.10(比較例12)、重合体NO.11(比較例1
3)、重合体NO.12(比較例14)の各重合体を用
いて実施例17と同様にして試験した。重合体を使用し
なかった場合についても同様にして試験した(比較例1
5)。以上の結果をまとめて表4に示す。
【0058】
【表4】
【0059】(実施例25〜32) 実施例1と同様にして水溶性高分子の単独塗布および塗
布後の試験片の印字、および耐水性、耐光性試験を行っ
た。原紙は実施例1と同様品を支持体とし、水溶性高分
子2.5gを水97.5gに溶解した溶液により固形分
で片面0.4g塗布した。結果を表に示す。
【0060】(比較例16〜20) 比較のため重合体No.9、重合体No.10、重合体
No.11、重合体No.12の各重合体を用いて実施
25と同様にして試験した(比較例16〜19)。ま
た重合体無塗布の紙についても試験した(比較例
)。以上をまとめて表に示す。
【0061】
【表5】
【0062】(実施例33〜41) 実施例25と同様にして水溶性高分子と市販表面強度剤
A(ポリアクリルアミド系)、市販表面強度剤B(ポリ
ビニルアルコール系)、市販表面強度剤C(酸化デンプ
ン)との各混合塗布について試験した。原紙は実施例1
と同様の紙を支持体とし、水溶性高分子2.0gと市販
表面強度剤4.0gを水94.0gに溶解した溶液によ
り片面0.4g塗布した。結果を表に示す。
【0063】(比較例21〜29) 比較のため重合体No.10および重合体No.12の
各重合体を用いて実施例25と同様にして試験した(比
較例21〜26)。また市販表面強度剤のみを塗布した
紙についても試験した(比較例27〜29)。以上をま
とめて表に示す。
【0064】
【表6】
【0065】
【発明の効果】本発明はインクジェット印刷用紙の表面
塗布剤に関するものであり、アミジン構造単位を有する
特定の水溶性高分子を抄紙後の紙表面上に塗布すること
により、紙の表面強度、内部強度、耐水性、耐光性、ア
ニオン性水性インキの定着性などを改良できる。本発明
の表面塗布剤で表面紙質を改良した紙はカラー写真に匹
敵する程度の高解像度、高品質の記録画像が得られる
ンクジェット印刷用被記録材としても好ましく使用され
る。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−123096(JP,A) 特開 平4−11094(JP,A) 特開 昭64−8085(JP,A) 特開 平7−290817(JP,A) 特開 平8−27693(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/00 B41J 2/01 D21H 19/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(1)および/または(2)で表さ
    れる繰り返し単位を20〜90モル%、下記(3)で表
    される繰り返し単位を1〜40モル%、下記(4)で表
    される繰り返し単位を1〜70モル%、下記(5)で表
    される繰り返し単位を5〜40モル%、下記(6)で表
    される繰り返し単位を0〜20モル%含有し、1規定の
    食塩水中0.1g/dlの溶液として25℃で測定した
    還元粘度の値が0.1〜10dl/gであることを特徴
    とする水溶性高分子からなるインクジェット印刷用紙の
    表面塗布剤。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 (式中R1 ,R2 は水素原子またはメチル基、R3 は炭
    素数1から4のアルキル基、R4 は水素原子、メチル基
    またはカルボキシメチル基、X- は陰イオン、YはCO
    OM、C64 SO3 M、CH2 SO3 M、CONHC
    (CH32 CH2 SO3 M、Mは陽イオンをそれぞれ
    表す。)
  2. 【請求項2】 繰り返し単位(1)および/または
    (2)が40〜80モル%であることを特徴とする請求
    項1記載のインクジェット印刷用紙の表面塗布剤。
  3. 【請求項3】 N−ビニルホルムアミドとアクリロニト
    リルとの共重合体の酸加水分解物からなることを特徴と
    する請求項1あるいは請求項2記載のインクジェット印
    刷用紙の表面塗布剤。
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