JP3213240B2 - 既設構造物の支持杭補強構造とその補強方法 - Google Patents

既設構造物の支持杭補強構造とその補強方法

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JP3213240B2 JP20304796A JP20304796A JP3213240B2 JP 3213240 B2 JP3213240 B2 JP 3213240B2 JP 20304796 A JP20304796 A JP 20304796A JP 20304796 A JP20304796 A JP 20304796A JP 3213240 B2 JP3213240 B2 JP 3213240B2
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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液状化が生じ易い砂
質地盤などの軟弱地盤上に築造された高速道路や道路
橋、或いは高層建築物等の既設構造物を支持している支
持杭の補強構造とその補強方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、砂質地盤のような軟弱地盤上
に高速道路などの構造物を建設する場合、地震により発
生する軟弱地盤の液状化によって構造物が傾倒したり沈
下するのを防止するために、図10に示すように、軟弱地
盤21中に支持地盤24に達する複数本の支持杭23を打設し
たのち、これらの支持杭23上に構造物22を支持させた構
造とすることが行われている。しかしながら、軟弱地盤
21が液状化すると地盤内で水圧差が発生して土粒子が流
動し、その流動圧によって支持杭23が損傷する虞れがあ
り、特に、軟弱地盤層が傾斜している場合にはその傾斜
方向に液状化した土粒子が流動して支持杭23に大きな剪
断力が作用し、構造物22からの荷重とあいまって支持杭
23が図11に示すように座屈、折損して構造物22が傾倒し
たり沈下することになる。
【0003】砂質地盤のような液状化が生じ易い軟弱地
盤を改良する方法としては、振動を与えることによって
締め固めるサンドコンパクション工法やドレーン柱によ
る排水工法、さらには硬化材の注入による地盤固化工法
などが知られているが、上記のいずれの工法も、地盤の
改良を目的として行われるものであり、これらの工法を
採用して軟弱地盤の改良後、その地盤上に構造物を築造
することができても、構造物が既に建設されている地盤
においては支持杭を打設しているその直下の地盤を全面
的に改良することが困難である。
【0004】このため、本願出願人等は、特公平8ー6
340号公報に記載したように、既設構造物の周囲の軟
質地盤に地表側から支持地盤内に達する地盤流動化防止
壁を設ける工法を開発した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、既設構
造物の直下の軟弱地盤を地盤流動防止壁で囲っても、軟
弱地盤が全体的に液状化すると共に地盤中の間隙水が流
動するものであり、そのため、地盤による既設構造物の
支持力が激減し支持杭にかかる荷重が増大し、支持杭が
間隙水等の流動圧や震動によって傾動して既設構造物が
傾倒する虞れがある。本発明は上記のような問題点に鑑
みてなされたもので、軟弱地盤中に打設されて既設構造
物を支持している支持杭同士を強固に連結させ、地震発
生時における軟弱地盤の液状化にもかかわらず、支持杭
の座屈や傾動を防止することを目的とする既設構造物の
支持杭補強構造とその補強方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の既設構造物の支持杭補強構造は、砂質地盤
等の液状化が生じ易い軟弱地盤中に打設されて既設構造
物を支持している隣接する支持杭をこれらの支持杭に交
差する所定厚みの地盤改良補強壁体によって連結した構
造としている。
【0007】このような既設構造物の支持杭補強構造に
おいて、請求項2に記載したように補強壁体を支持杭に
対して斜め方向に設けておいてもよく、また、請求項3
に記載したように、補強壁体を支持杭に対してX字状に
設けておいたり、請求項5に記載したように、水平方向
に設けて支持杭同士を連結した構造としておいてもよ
い。請求項4に係る発明は、上記支持杭間を連結させて
いる補強壁体の下傾端部を不透水性の支持地盤に貫入し
た構造としているものである。
【0008】請求項6は、砂質地盤等の液状化が生じ易
い軟弱地盤上に築造された既設構造物の支持杭補強方法
に係るものであって、既設構造物の一側方の地盤から隣
接する支持杭間の軟弱地盤中に硬化材注入管体を挿入
し、この硬化材注入管体から支持杭を輪切りする方向に
向かって硬化材を噴射させると共に硬化材注入管体を引
き抜き方向に移動させることにより、隣接する杭体間の
軟弱地盤に硬化材によって固化された所定厚みの補強壁
体を形成することを特徴とするものである。
【0009】上記支持杭補強方法において、請求項7に
係る発明は、硬化材注入管体を既設構造物の一側方の地
表面から支持杭間の軟弱地盤に斜めに挿入したのち、硬
化材注入管体から隣接する支持杭に向かって軟質地盤中
に硬化材を噴射させながら注入管体を引き抜き方向に移
動させることにより、支持杭に対して斜め方向に設けら
れ、且つ支持杭間を連結した所定厚みの補強壁体を形成
することを特徴とするものであり、この方法において、
請求項8に記載した発明は、硬化材注入管体を軟弱地盤
から不透水性の支持地盤内に没入する深さまで挿入した
のち、硬化材を噴射させながら引き抜き方向に移動させ
ることにより下傾端部が支持地盤に貫入した補強壁体を
形成することを特徴とするものである。
【0010】さらに、上記支持杭補強方法において、請
求項9に係る発明は、既設構造物の一側方の軟弱地盤中
に立坑を掘削し、この立坑内から支持杭間の軟弱地盤中
に硬化材注入管体水平状に挿入し、この硬化材注入管体
から該硬化材注入管体の挿入方向に対して直交する方向
に向かって硬化材を噴射させると共に硬化材注入管体を
引き抜き方向に移動させることにより、隣接する杭体間
の軟弱地盤に硬化材によって固化された所定厚みの補強
壁体を形成することを特徴とするものである。
【0011】
【作用】既設構造物を支持している複数本の支持杭は、
既設構造物下方の軟弱地盤中に該支持杭を交差する方向
に設けられた補強壁体によって相互に一体に連結され、
1つの構造体を構成している。従って、地震動によって
既設構造物下方の砂質地盤等の軟弱地盤が液状化し、こ
の液状化層が流動してその流動圧が支持杭に大きな側圧
として作用してもその側圧が補強壁体を介して全ての支
持杭に分散され、支持杭が座屈或いは折損する虞れがな
く、既設構造物を確実に支持させておくことができる。
このような支持力は、補強壁体の端部を不透水性の支持
地盤に貫入(根入れ)しておくことによって一層強大に
することができ、軟弱地盤の液状化にもかかわらず、支
持杭によって既設構造物を安定的に支持させることがで
きるものである。また、上記補強壁体によって液状化層
の流動化や間隙水の地上への噴発を抑制することもでき
る。
【0012】既設構造物の下方の軟弱地盤中に上記のよ
うな支持杭補強壁体を設けるには、既設構造物の一側方
の軟弱地盤から既設構造物の下方の軟弱地盤中に硬化材
注入管体を挿入し、該硬化材注入管体から支持杭に交差
する方向に向かってセメントペーストやモルタル等の液
状硬化材を噴射しながら注入管を引き戻すと、該液状硬
化材と土砂とが混合し、硬化材の硬化によって複数本の
支持杭を貫通させた所定厚み部分の地盤改良体からなる
補強壁体が形成される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を図面について説
明すると、図1において、1は砂質地盤等の液状化が生
じ易い軟弱地盤で、この地表面に高速道路の脚台や建築
物等の既設構造物2が築造されてあり、既設構造物2は
軟弱地盤1中に打設した複数本の支持杭3の上端面によ
って支持されている。支持杭3は既設構造物2の下方の
軟弱地盤層に垂直に打設され、その下端部は軟弱地盤1
の下方の液状化が生じない不透水性の支持地盤4に打ち
込まれてこの支持地盤4によって支持されている。5は
既設構造物2の下方の軟弱地盤中において、隣接する支
持杭3、3を交差してこれらの支持杭3、3を連結した
所定厚みを有する補強壁体で、軟弱地盤1の土粒子とセ
メントペースト又はモルタルよりなる液状硬化材との混
合からなる地盤改良体である。
【0014】この補強壁体5は図1においては、既設構
造物2の下方において一側方の地表近傍部から他側方の
支持地盤近傍部に向かって斜め下方に傾斜させた構造と
なっているが、図2に示すように、他側方の地表近傍部
から一側方の支持地盤近傍部に向かって斜め下方に傾斜
させた補強壁体5を上記補強壁体5にX字状に交差させ
るように設けてもよく、また、図3に示すように、既設
構造物2の一側方の軟弱地盤1に下端が支持地盤4に達
する垂直な補強壁体5aを設け、この補強壁体5aの上下部
から既設構造物2の支持杭3、3・・・3に直角に交差
した水平な補強壁体5、5を設けた構造としてもよい。
さらに、上記傾斜した補強壁体5の下傾端部を図4に示
すように、支持地盤4内に貫入させて補強壁体5を支持
地盤4に支持させた構造としてもよい。
【0015】補強壁体5は、その全長を左右方向に並列
した複数本の支持杭3、3・・3の両側端の支持杭3、
3間に亘って設けられてこれらの支持杭3の補強壁体5
に対する交差部分を補強壁体5の上下面間に貫通させた
状態で連結していると共に幅方向は前後に隣接する支持
杭3、3間を連結するように設けられている。即ち、補
強壁体5を上から見た場合図5に示すように、補強壁体
5は平面横長矩形状に形成され、この補強壁体5内に既
設構造物2を支持した前後左右の支持杭3が貫通した状
態で一体的に連結されている。この場合、支持杭3は補
強壁体5内に完全に包含された構造となっているが、図
6に示すように、補強壁体5と交差する部分の外周面の
一部を補強壁体5の縁辺部に貫通させた状態で連結させ
ておいてもよく、要するに支持杭3の少なくとも一部を
補強壁体5に貫通状態で連結させておけばよい。
【0016】なお、補強壁体5の厚みは特に限定され
ず、支持杭3、3同士を連結して互いに支持しあえる程
度であればよい。また、前後方向に並列した支持杭3の
本数が多くて、補強壁体5の幅が大きくなる場合には、
補強壁体5を幅方向に数分割した構造としておけばよ
く、要するに、補強壁体5によって前後左右の支持杭
3、3同士を一体に連結した構造としておけばよい。
【0017】次に、支持杭3によって支持された既設構
造物2の下方の軟弱地盤1に上記のような補強壁体5を
施工する方法について述べる。図7は支持杭3に対して
斜め方向に交差する補強壁体5の施工方法を示すもの
で、既設構造物2の一側方の地上から前後に隣接する支
持杭3、3間の中央部の地盤中に既設構造物2の他側方
の軟弱地盤下方における支持地盤4の近傍部にまで長尺
の硬化材注入管体6を挿入する。この硬化材注入管体6
の先端部には図8に示すように、該管軸に対して直角方
向に開口した硬化材注入ノズル7が設けられていると共
にこのノズル7の周囲に圧力水噴出ノズル8を設けてあ
り、これらのノズル7、8はそれぞれ硬化材注入管体6
内に配設した硬化材供給管9と圧力水供給管10に連結、
連通させている。さらに、これらの供給管9、10は管体
6の開口基端から既設構造物2の一側方の地上に設置し
た硬化材供給槽11と水槽12にそれぞれポンプ13、14を介
して連結、連通させている。また、圧力水供給管10には
エアコンプレッサ15が配管16を介して接続している。
【0018】上記硬化材注入管体6を軟弱地盤1中に挿
入する方法としては、例えば、ボーリングマシンを使用
して上記硬化材注入管体6の軟弱地盤中の挿入予定位置
にオーガスクリューを内装した筒状ケーシングを圧入す
る。その際、オーガスクリューによって穿孔しながら土
砂を排出させる。一本の筒状ケーシングの圧入後、次の
筒状ケーシングを継ぎ足して圧入し、硬化材注入管体6
の挿入予定位置に一連の筒状ケーシングを打ち込んだの
ち、オーガスクリューを撤去して該筒状ケーシング内に
上記硬化材注入管体6を挿入し、しかるのち、筒状ケー
シングを抜き取ることによって行うことができる。
【0019】こうして、硬化材注入管体6を既設構造物
2の下方の軟弱地盤1中に挿入したのち、ポンプ13を駆
動して硬化材供給槽11内のモルタル、セメントペースト
等の液状硬化材を供給管9を通じて硬化材注入ノズル7
から地盤中に硬化材を噴射させると共に、ポンプ14とエ
アコンプレッサ15を駆動して水槽12内の水を圧縮空気と
共に供給管10を通じて圧力水噴出ノズル8から噴出させ
る。この圧力水の噴出圧によって地盤中に空隙部が形成
され、この空隙部内に上記硬化材注入ノズル7から噴射
する硬化材が充填され、硬化材の噴射エネルギーが土砂
に消費されることなく遠くまで広い範囲に亘って硬化材
を注入することができる。硬化材が地盤中に噴射、注入
されると、圧力水の噴出により細粒化された土砂と液状
の硬化材とが混合、攪拌され、その後の硬化材の硬化に
よって地盤改良体となる。
【0020】硬化材注入管体6はその管軸回りに扇形に
往復回動させると共に一定の速度でもって長さ方向に移
動させて地上側に引き戻しながら地盤中に硬化材を注入
していくものであるが、その際、前後に隣接する支持杭
3、3を輪切りする方向にその硬化材注入ノズル7を集
中的に向けることによって上下方向には薄く、水平方向
には前後に隣接する支持杭3、3を包含し得る幅広い上
記地盤改良体からなる補強壁体5を形成していくもので
ある。
【0021】なお、硬化材注入ノズル7から噴射する硬
化材は、該ノズル7に対向する支持杭3の一半周面側の
地盤に対しては充分に改良することができるが、他半周
面側にまで硬化材が回り込まない場合には、上記同様に
該支持杭3の他半周面に硬化材注入ノズル7が対向する
ように硬化材注入管体6を挿入したのち、硬化材を噴射
させればよい。
【0022】また、既設構造物2の他側方の地上から前
後に隣接する支持杭3、3間の中央部の地盤中に既設構
造物2の一側方の軟弱地盤下方における支持地盤4の近
傍部にまで長尺の硬化材注入管体6を挿入したのち、ノ
ズル7、8から硬化材と圧力水とを噴射させながら該硬
化材注入管体6を上記のように操作して引き戻すことに
より上記補強壁体5に対してX字状に交差した補強壁体
5を施工することができる。さらに、硬化材注入管体6
の先端部が支持地盤4内に達するまで挿入しておけば、
下傾端部が支持地盤4に貫入した補強壁体5が得られ
る。
【0023】図9は、支持杭3に対して直角方向に交差
する水平補強壁体5の施工方法を示すもので、まず、既
設構造物2の一側方に所定深さの立坑17を掘削したの
ち、この立坑17内から前後に隣接する支持杭3、3間の
中央部の軟弱地盤1中に他側方の支持杭3の位置を貫通
する部分まで硬化材注入管体6を挿入する。この硬化材
注入管体6の挿入方法は、立坑17内から上記のように筒
状ケーシングを圧入し、オーガスクリューを撤去して該
筒状ケーシング内に硬化材注入管体6を挿入したのち、
筒状ケーシングを抜き取ることによって行うことができ
る。硬化材注入管体6の構造及び地上側への配管構造は
上記実施例と同様である。
【0024】このように前後支持杭3、3間における軟
弱地盤1中に硬化材注入管体6を水平に挿入したのち、
地上に設置したポンプ13を駆動して硬化材供給槽11内の
モルタル、セメントペースト等の液状硬化材を供給管9
を通じて硬化材注入ノズル7から地盤中に硬化材を噴射
させると共に、ポンプ14とエアコンプレッサ15を駆動し
て水槽12内の水を圧縮空気と共に供給管10を通じて圧力
水噴出ノズル8から噴出させ、上記同様に、硬化材注入
管体6をその管軸回りに扇形に往復回動させながら一定
の速度でもって徐々に長さ方向に後退させることによ
り、前後に隣接する支持杭3、3間にこれらの支持杭
3、3を連結した地盤改良体からなる水平補強壁体5を
形成するものである。
【0025】上記水平補強壁体5の形成と共にこの水平
補強壁体5の上方側又は下方側に別な補強壁体5を施工
して図3に示すような上下補強壁体5、5により支持杭
3、3同士を互いに連結した構造とすることができる。
立坑17は水平補強壁体5の施工位置に応じて所望深さま
で順次掘削され、水平補強壁体5の施工後には埋め戻さ
れる。なお、既設構造物2の両側方に立坑を掘削し、両
側から硬化材注入管体6、6を既設構造物2の下方の軟
弱地盤1中に相反する方向に挿入して上記のような水平
補強壁体5、5を施工してもよい。さらに、水平補強壁
体5を形成した後の立坑17は掘削土で上記のように埋戻
してもよいし、硬化材と掘削土とを混合した地盤改良土
や硬化材を充填することにより地盤改良体よりなる補強
壁体5aを形成してもよい。また、立坑17をそのまま残置
させて地下水の観測用井戸として用いることも可能であ
る。
【0026】なお、本発明に採用する地盤改良手段は上
記方法にとらわれることなく、例えば、上記筒状ケーシ
ングを抜き取らずに該筒状ケーシング内に硬化材注入管
体6を挿入した状態で液状硬化材を圧縮空気と共に噴出
させれば、空気混じりの圧力水により掘削された土砂は
エアリフトにより硬化材注入管体6と筒状ケーシングと
の間の空隙を通って地上に排出されるので、硬化材のみ
からなる補強壁体5を形成することができる。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明の既設構造物の支持
杭補強構造によれば、砂質地盤等の液状化が生じ易い軟
弱地盤中に打設されて既設構造物を支持している隣接す
る支持杭を、これらの支持杭に交差する所定厚みの地盤
改良補強壁体によって連結した構造としているので、複
数本の支持杭は補強壁体によって相互に一体に連結され
て1つの構造体を構成し、そのため、地震動によって既
設構造物下方の砂質地盤等の軟弱地盤が液状化して流動
してもその流動圧を1本の支持杭に集中させることなく
補強壁体を介して他の支持杭に支持させることができ、
従って、支持杭が流動圧によって座屈したり折損するの
を防止することができて既設構造物を確実に支持させて
おくことができるものである。
【0028】また、補強壁体は既設構造物の下方の軟弱
地盤中に平面方向に張設されてこの補強壁体を介して軟
弱地盤が上下方向に区画された状態となっているから、
軟弱地盤中の間隙水圧が上昇しても地表面側に間隙水が
噴発するのを抑制することができると共に液状化層の流
動を阻止する作用も奏することができる。さらに、この
補強壁体の端部を支持地盤に貫入しておくことによって
支持杭同士の連結を一層強大にすることができ、軟弱地
盤の液状化にもかかわらず、支持杭によって既設構造物
を安定的に支持させることができる。
【0029】また、請求項6乃至請求項9に係る発明
は、砂質地盤等の液状化が生じ易い軟弱地盤中に打設さ
れた既設構造物支持杭の補強方法であって、既設構造物
の一側方の地盤から隣接する支持杭間の軟弱地盤中に硬
化材注入管体を挿入し、この硬化材注入管体から支持杭
を輪切りする方向に向かって硬化材を噴射させると共に
硬化材注入管体を引き抜き方向に移動させることによ
り、隣接する杭体間の軟弱地盤に硬化材によって固化さ
れた所定厚みの補強壁体を形成することを特徴とするも
のであるから、既設構造物直下の軟弱地盤中に該既設構
造物に影響を及ぼすことなく支持杭同士を連結した地盤
改良体からなる補強壁体を能率よく施工し得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】軟弱地盤中に補強壁体を斜め方向に形成した状
態の簡略縦断正面図、
【図2】補強壁体を筋違い状に設けた状態の簡略縦断正
面図、
【図3】補強壁体を水平方向に設けた状態の簡略縦断正
面図、
【図4】補強壁体の下傾端部を支持地盤に打ち込んでい
る状態の簡略縦断正面図、
【図5】支持杭同士を連結させた補強壁体の簡略横断面
図、
【図6】支持杭同士を連結させた補強壁体の別な実施例
を示す簡略横断面図、
【図7】軟弱地盤中に補強壁体を斜め方向に施工する方
法を示す簡略縦断正面図、
【図8】その硬化材注入管体の先端部分の拡大縦断面
図、
【図9】軟弱地盤中に補強壁体を水平方向に施工する方
法を示す簡略縦断正面図、
【図10】従来の既設構造物支持構造を示す簡略縦断正
面図、
【図11】支持杭の折損状態を示す簡略縦断面図。
【符号の説明】
1 軟弱地盤 2 既設構造物 3 支持杭 4 支持地盤 5 補強壁体 6 硬化材注入管体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 3/12 E02D 37/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砂質地盤等の液状化が生じ易い軟弱地盤
    中に打設されて既設構造物を支持している隣接する支持
    杭をこれらの支持杭に交差する所定厚みの地盤改良補強
    壁体によって連結していることを特徴とする既設構造物
    の支持杭補強構造。
  2. 【請求項2】 所定厚みを有する地盤を改良した補強壁
    体は支持杭に対して斜め方向に設けられていることを特
    徴とする請求項1記載の既設構造物の支持杭補強構造。
  3. 【請求項3】 補強壁体はX字状に設けられていること
    を特徴とする請求項1又は請求項2記載の既設構造物の
    支持杭補強構造。
  4. 【請求項4】 補強壁体の下傾端部を支持地盤に貫入し
    ていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の既
    設構造物の支持杭補強構造。
  5. 【請求項5】 補強壁体は垂直な支持杭に対して水平方
    向に設けられていることを特徴とする請求項1記載の既
    設構造物の支持杭補強構造。
  6. 【請求項6】 砂質地盤等の液状化が生じ易い軟弱地盤
    中に打設された既設構造物支持杭の補強方法であって、
    既設構造物の一側方の地盤から隣接する支持杭間の軟弱
    地盤中に硬化材注入管体を挿入し、この硬化材注入管体
    から支持杭を輪切りする方向に向かって硬化材を噴射さ
    せると共に硬化材注入管体を引き抜き方向に移動させる
    ことにより、隣接する杭体間の軟弱地盤に硬化材によっ
    て固化された所定厚みの補強壁体を形成することを特徴
    とする既設構造物の支持杭補強方法。
  7. 【請求項7】 硬化材注入管体を既設構造物の一側方の
    地表面から支持杭間の軟弱地盤中に斜めに挿入したの
    ち、硬化材注入管体から隣接する支持杭に向かって軟質
    地盤中に硬化材を噴射させながら注入管体を引き抜き方
    向に移動させることにより、支持杭に対して斜め方向に
    設けられ、且つ支持杭間を連結した所定厚みの補強壁体
    を形成することを特徴とする請求項6記載の既設構造物
    の支持杭補強方法。
  8. 【請求項8】 硬化材注入管体を軟弱地盤から不透水性
    の支持地盤内に没入する深さまで挿入したのち、硬化材
    を噴射させながら引き抜き方向に移動させることにより
    下傾端部が支持地盤に貫入した補強壁体を形成すること
    を特徴とする請求項7記載の既設構造物の支持杭補強方
    法。
  9. 【請求項9】 既設構造物の一側方の軟弱地盤中に立坑
    を掘削し、この立坑内から支持杭間の軟弱地盤中に硬化
    材注入管体水平状に挿入し、この硬化材注入管体から該
    硬化材注入管体の挿入方向に対して直交する方向に向か
    って硬化材を噴射させると共に硬化材注入管体を引き抜
    き方向に移動させることにより、隣接する杭体間の軟弱
    地盤に硬化材によって固化された所定厚みの補強壁体を
    形成することを特徴とする請求項6記載の既設構造物の
    支持杭補強方法。
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