JP3211236B2 - 近似推論のための知識自動修正装置 - Google Patents

近似推論のための知識自動修正装置

Info

Publication number
JP3211236B2
JP3211236B2 JP17029390A JP17029390A JP3211236B2 JP 3211236 B2 JP3211236 B2 JP 3211236B2 JP 17029390 A JP17029390 A JP 17029390A JP 17029390 A JP17029390 A JP 17029390A JP 3211236 B2 JP3211236 B2 JP 3211236B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
knowledge
event
conclusion
input
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP17029390A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0460837A (ja
Inventor
太志 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Omron Corp filed Critical Omron Corp
Priority to JP17029390A priority Critical patent/JP3211236B2/ja
Priority to US07/714,020 priority patent/US5651100A/en
Priority to KR1019910010534A priority patent/KR950010415B1/ko
Priority to DE4121453A priority patent/DE4121453C2/de
Publication of JPH0460837A publication Critical patent/JPH0460837A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3211236B2 publication Critical patent/JP3211236B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Devices For Executing Special Programs (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 技術分野 この発明は,近似推論において,推論結果の正しさの
情報をフィードバックし,その情報に基づいて知識ベー
ス内の専門家の知識を自動的に修正する知識自動修正装
置に関する。
従来技術 推論結果を,その推論結果を導くために使用した事象
の情報量によって修正または変更する方式の近似推論が
知られている(たとえば,Zhang Hongmin“AN EXPERT SY
STEM WITH THINKING IN IMAGES",Preprints of Second
IFSA Congress,Tokyo,July 20−25,1987,P.765)。
この近似推論方式は,事象に対して結論ごとに与えら
れたメンバーシップ関数を用いて,事象ごとの情報量
(すなわち事象の情報識別能力)を算出し,推論結果
(すなわち結論が成り立つ可能性)を,その結論を導く
ために使用した事象の情報量によって修正または変更す
る(可能性と情報量の積をとる)ことによって,推論結
果の識別能力を高めようとするものである。
しかしながら,このような従来の近似推論装置におい
ては,推論結果に対する正しさの情報がフィードバック
されていないために,推論結果が本当に正しいかどうか
がわからない,専門家が入力した知識に誤りがあるかが
わからない,知識に誤りがある場合,その知識をどう修
正してよいかがわからない,人間の手によって知識ベー
スの修正を行なわなければならないという問題がある。
発明の概要 発明の目的 この発明は,近似推論に用いる専門家の知識を自動的
に修正できる装置を提供するものである。
発明の構成,作用および効果 この発明による近似推論のための知識自動修正装置
は,入力データを専門家の知識にあてはめることにより
知識の可能性を演算する近似推論装置において,最大値
と最小値によって示される事象値の範囲と結論との関係
を表わす専門家の知識を記憶する知識記憶手段,結論の
正しさの情報を入力する正当性情報入力手段,正しさの
情報が入力された結論に関して,入力された事象値デー
タを蓄積的に記憶する履歴記憶手段,所定の結論につい
て上記履歴記憶手段に記憶されている事象値データと,
上記所定の結論と同じ結論について上記知識記憶手段に
記憶されている専門家の知識の中の事象値の範囲との不
一致度を算出する不一致度算出手段,および,上記不一
致度算出手段によって算出された不一致度が所定値以上
である場合に,上記知識記憶手段に記憶されている専門
家の知識の中の事象値の範囲を,上記履歴記憶手段に蓄
積的に記憶されている事象値データの最大値と最小値か
らなる範囲によって修正する知識修正手段を備えている
ことを特徴とする。
この発明によると,推論結果に対する結論の正しさの
情報を人間が(または自動的に)入力し,正しさの情報
が入力された結論に関して,入力された事象値データを
履歴にとっておく。同一の結論についての履歴事象値デ
ータと専門家の知識の中の事象値の範囲の不一致度を算
出し,不一致度が所定値以上である場合に,その結論に
ついての専門家の知識の中の事象値の範囲を,履歴事象
値データの最大値と最小値を用いて修正している。
このようにして,この発明によると,最大値と最小値
によって示される事象値の範囲と結論との関係を表わす
専門家の知識を,結論の正しさの情報に基づいて修正し
ているので,より精度の高い推論結果が得られる。
実施例の説明 (1)近似推論装置および知識自動修正装置の全体構成 第1図に近似推論装置および知識自動修正装置の全体
構成の一例が示されている。近似推論装置は,知識記憶
装置11,知識合成装置12,合成後知識記憶装置13,事象値
入力装置14,適合度演算装置15,動的情報量演算装置16,
可能性演算装置17,可能性表示装置18,静的情報量演算装
置19,明瞭性演算装置20,明瞭性記憶装置21,明瞭性加算
装置22および明瞭性表示装置23から構成されている。
知識自動修正装置は,正当性情報入力装置31,履歴記
憶装置32,不一致度算出装置33,知識修正装置34,知識再
合成装置35および明瞭性再演算実行装置36から構成され
ている。
以下に,これらの装置について故障診断を例にとって
詳述する。
(2)知識記憶装置 知識記憶装置11は,専門家等が入力した知識を,事象
(故障が生じたときの状況,測定値等)と結論(故障の
種類等)との関係を示す形式で記憶する装置である。こ
の装置は複数の専門家の知識を記憶することができる。
知識記憶装置11に記憶されている2名の専門家ex1,ex
2の知識の例を規則の形式で以下に示す。
専門家ex1: if 20≦f1≦60,0≦f2≦40,then c1 …(1) if 40≦f1≦80,60≦f2≦100,then c2 …(2) 専門家ex2: if 30≦f1≦50,10≦f2≦30,then c1 …(3) if 50≦f1≦70,70≦f2≦90,then c2 …(4) f1,f2は事象であり,これらをそれぞれ事象1,事象2
と呼ぶことがある。c1,c2は結論であり,これらをそれ
ぞれ結論1,2と呼ぶことがある。
また,a≦f1≦bのように表わされたa,bをそれぞれ最
小値,最大値と呼ぶ。
上述の規則を,専門家ごとに表(テーブル)の形式で
表現すると次のようになる。
(3)知識合成装置 知識合成装置12は,知識記憶装置11に記憶された複数
の専門家の知識を合成して,1つの知識にまとめる装置で
ある。
知識の合成方法は種々あるが,ここでは,各結論に関
与している各事象の最大値と最小値について,複数の専
門家の平均値と標準偏差を計算する。
上述した2名の専門家の事象f1から結論c1を導く知識
を例にとって知識合成処理について以下に説明する。
上述の規則(第(1)式,第(3)式)から,事象1
(f1)から結論1(c1)を求める規則を抽出すると次の
ように表わされる。
専門家ex1:if 20≦f1≦60 then c1 …(5) 専門家ex2:if 30≦f1≦50 then c1 …(6) 最小値の平均値mminおよび最大値の平均値mmaxが算出
される。
最小値の標準偏差σminおよび,最大値の標準偏差σ
maxが算出される。
このような専門家の知識の合成演算を,上述した規則
(第(1)式〜第(4)式)について,各結論に関与し
ている各事象の最小値と最大値のすべてについて行なう
と,次のような表(テーブル)が得られる。
一般に,近似推論においては,事象に対してメンバー
シップ関数が与えられる。ここでは,一例として,上述
のようにして合成された専門家の知識を用いてガウス分
布によりメンバーシップ関数を求める方法について説明
する。
最小値の平均値mmin,最大値の平均値mmax,最小値の標
準偏差σmin,最大値の標準偏差σmaxを用いて,メンバ
ーシップ関数は次式により表わされる。
ただし, x :事象への入力データの値 Φ(x) :入力データxが事象に適合する程度(適合
度) Gauss(x):入力xにおけるガウス分布の値 である。
第2図にガウス分布の一例を示す。このガウス分布に
おいてメンバーシップ関数の作成のために左半分のみが
使用される。Φ(x)=0.5におけるxの位置はmmin
たはmmaxによって決定され,傾きはσminまたはσmax
よって決定される。
一例として,事象f1から結論c1を求めるためのメンバ
ーシップ関数は,第(7)式から第(10)式により算出
した値を用いて第3a図から第3c図のようにして作成され
る。この場合,第(11)式は次のようになる。
第3a図は第(11)式または第(12)式の右辺第1項
を,第3b図は第(11)式または第(12)式の右辺第2項
を,第3c図は上記第1項から第2項を減算した結果,す
なわち第(11)式または第(12)式で表わされるメンバ
ーシップ関数を表わしている。
第3表に示す合成された知識に基づいて作成された各
事象f1,f2について,結論c1,c2を求めるためのメンバー
シップ関数の例を,第4a図および第4b図に示す。
(4)合成後知識記憶装置 合成後知識記憶装置13には,知識合成装置12によって
算出された平均値と標準偏差が,第3表のような形式で
記憶される。知識の合成は推論の都度行なう必要はない
ため,このようにあらかじめ計算した結果を記憶してお
く。そして推論の都度この記憶装置13内の値を読み出し
て使用することによって推論処理の高速化を図ることが
できる。
(5)事象値入力装置 事象値入力装置14は,故障診断対象機器,キーボー
ド,通信インターフェイス装置,メモリ,ファイルなど
から,事象ごとに入力される入力データを読み込む装置
である。入力されたデータは適合度演算装置15に与えら
れるとともに,各事象のデータが入力されたかどうかの
情報が明瞭性加算装置22に与えられる。
(6)適合度演算装置 適合度演算装置15は,事象値入力装置14から入力され
たデータの各メンバーシップ関数(または結論)に対す
る適合度を算出するものである。具体的には適合度は,
第(11)式の右辺の変数xとして入力データを代入する
ことによりΦ(x)として求められる。もちろんこのよ
うな演算式を必ずしも用いなくてもよい。
(7)動的情報量演算装置と静的情報量演算装置 事象f1の事象値(入力データ)をx1,事象f2の事象値
をx2とする。これらのデータは事象値入力装置14から入
力される。
第5a図および第5b図に示すように各適合度m11,m12,m
21,m22を次のように定める。
m11:入力データx1の結論c1に対する適合度 m12:入力データx1の結論c2に対する適合度 m21:入力データx2の結論c1に対する適合度 m22:入力データx2の結論c2に対する適合度 これらの適合度は入力データx1,x2が与えられたとき
に適合度演算装置15によって算出される。
ここでファジィ・エントロピという概念を考える。
入力x1が与えられたときのファジィ・エントロピEf1
を次のように定義する。
このファジィ・エントロピは,情報識別能力の指標の
一種で,入力データx1を与えたときに,結論が明確に識
別できるほど小さい値となり,結論があいまいにしか識
別できないほど大きい値となる。つまり,入力データx1
の結論c1に対する適合度m11と入力データx1の結論c2に
対する適合度m12との差が大きいほど小さい値となり,
差が小さいほど大きい値となる。
同じようにして,入力x2が与えられたときのファジィ
・エントロピEf2は次式によって与えられる。
ファジィ・エントロピEfの取り得る値の範囲は以下に
示すものとなる。
0≦Ef≦log(n) n:事象上の結論数 この例では,事象1(f1)上の結論数は2(c1,c2)
であるので,ファジィ・エントロピEfの最大値は,log
(2)となる。
次に,このファジィ・エントロピEf1を使用して,入
力データx1が与えられたときの動的情報量If1D(x1)を
求める。ここで,動的情報量If1D(x1)とは,推論を行
なうときにおける結論を確定するための事象の識別能力
で,入力データx1の結論c1に対する適合度m11と入力デ
ータx1の結論c2に対する適合度m12の差が大きいほど大
きい値をとり,差が小さいほど小さい値となるものとす
る。
そこで,事象f1についての動的情報量If1D(x1)を,
最大ファジィ・エントロピから,入力データx1が与えら
れたときのファジィ・エントロピEf1を引いたものと定
義する。
同じように,事象f2について入力データx2が与えられ
たときの動的情報量を次のように定義する。
動的情報量演算装置16は,適合度演算装置15で得られ
た適合度を用いて,第(15)式および第(16)式にした
がって事象ごとに動的情報量を算出する。
動的情報量は上述のように入力データx1,x2に依存す
る。これに対して,静的情報量は入力データに依存しな
いものであって,最大ファジィ・エントロピから,事象
のレンジ幅の中のファジィ・エントロピの平均を引いた
ものを,事象全体の静的情報量とする。たとえば,事象
1についての静的情報量は次式で与えられる。
同じように事象2についての静的情報量は次式で与え
られる。
ここで, m11(x):事象f1についての入力データxの結論c1
に対する適合度 m12(x):事象f1についての入力データxの結論c2
に対する適合度 m21(x):事象f2についての入力データxの結論c1
に対する適合度 m22(x):事象f2についての入力データxの結論c2
に対する適合度 第(17)式および第(18)式から分るように,事象の
メンバーシップ関数間の重なりが大きいほど,事象の静
的情報量は小さく,事象のメンバーシップ関数間の重な
りが小さいほど,事象の静的情報量は大きい。つまり,
静的情報量は,事象のメンバーシップ関数が結論を識別
する能力を示している。
静的情報量演算装置19は,合成された知識により得ら
れるメンバーシップ関数から,上述した第(17)式およ
び第(18)式にしたがって,事象ごとに,静的情報量を
演算して記憶する。静的情報量は入力データには依存し
ないので,1回のみ算出されればよい。
(8)可能性演算装置 各結論ごとに,その結論に関与する事象の情報量の総
和が1になり,かつそれらの事象の情報量の相対強度は
変化しないような事象の情報量を算出する。この算出し
た情報量を重みという。
たとえば上述した動的情報量を用いると各重みは次の
ようになる。
結論1に対する事象1の重み:wf11= If1D(x1)/[If1D(x1)+If2D(x2)]…(19) 結論1に対する事象2の重み:wf12 If2D(x2)/[If1D(x1)+If2D(x2)]…(20) 結論2に対する事象1の重み:wf21= If1D(x1)/[If1D(x1)+If2D(x2)]…(21) 結論2に対する事象2の重み:wf22= If2D(x2)/[If1D(x1)+If2D(x2)]…(22) 次に,これらの重みと適合度との積を計算し,それを
結論ごとに合計したものを,結論の可能性として算出す
る。
たとえば上記の例では 結論1の可能性=wf11×m11+wf12×m21 …(23) 結論2の可能性=wf21×m12+wf22×m22 …(24) となる。
可能性演算装置17は上述した演算を行ない結論ごとの
可能性を算出する。
(9)可能性表示装置 この可能性表示装置18は,可能性演算装置17で算出さ
れた可能性を結論ごとに表示するものである。この可能
性の表示は,すべての結論について表示するようにして
もよいし,可能性が高い結論を1個または複数個表示す
るものでもよい。たとえば可能性が所定のしきい値(た
とえば50%)以上の結論を表示するようにする。また,
通信によって可能性を他の装置に伝送したり,可能性を
メモリやファイルに記憶してもよい。
(10)明瞭性演算装置 明瞭性演算装置20は,各結論ごとに,各事象の明瞭性
を演算する装置である。ここで,各結論ごとの各事象の
明瞭性とは,ある結論を確定する時の各事象の相対的な
識別能力を示すものである。したがって,この明瞭性に
より,ある結論を確定するための,複数の事象の識別能
力を比較することができ,どの事象が高い識別能力を持
っているか(多くの情報量を持っているか)が分る。明
瞭性の算出法について以下に述べる。
まず,結論および事象と静的情報量の関係を第4表に
示す。
第4表から分るように静的情報量によっても,各結論
を確定するための複数の事象の識別能力を比較すること
はできる。しかし,このままでは相対的な識別能力が直
観的に分りにくいので,下表に示すように各結論ごとに
静的情報量を正規化して,その正規化した値を各結論ご
との各事象の明瞭性Clとする。
ただし, Cl11=Cl12=If1S/(If1S+If2S) Cl21=Cl22=If2S/(If1S+If2S) である。
このようにして,明瞭性演算装置20において,各結論
ごとに各事象の明瞭性が算出される。
(11)明瞭性記憶装置 明瞭性記憶装置21は,明瞭性演算装置20で算出された
各結論ごとの各事象の明瞭性を記憶する装置である。明
瞭性の演算は,推論のたびに行なう必要はない。そこ
で,知識を合成したときに算出した明瞭性を明瞭性記憶
装置21に記憶しておき,推論を行なうたびに明瞭性記憶
装置21に記憶している値を読み出すようにする。これに
より,推論処理の高速化が図れる。
(12)明瞭性加算装置 明瞭性加算装置22は,データが実際に入力された事象
の明瞭性を演算する装置である。ここでは,実際に行な
れる推論のために,データが入力された事象の明瞭性の
総和をとる。この明瞭性の総和は,推論結果の明瞭性を
示す。この明瞭性が高いほど,推論結果を導くための情
報量が多いといえる。したがって明瞭性は推論結果自体
の信頼性を判断する指標に使用することができる。
推論結果に対する明瞭性は次のようにして算出され
る。
a)事象1(f1)のみについてデータが入力された場合 ・結論1(c1)の推論結果に対する明瞭性 Cl1=Cl11 ・結論2(c2)の推論結果に対する明瞭性 Cl2=Cl12 b)事象2(f2)のみについてデータが入力された場合 ・結論1(c1)の推論結果に対する明瞭性 Cl1=Cl21 ・推論2(c2)の推論結果に対する明瞭性 Cl2=Cl22 c)事象1(f1)および事象2(f2)の両方についてデ
ータ入力された場合 ・結論1(c1)の推論結果に対する明瞭性 Cl1=Cl11
+Cl21=1.0 ・結論2(c2)の推論結果に対する明瞭性 Cl2=Cl12
+Cl22=1.0 推論結果の明瞭性Clのとり得る範囲は, 0.0≦Cl≦1.0 である。つまり,推論を行なう前に与えられた知識の中
で,ある結論を導くために使用することができる事象の
すべてについてデータを入力して推論を行なった場合,
その結論の明瞭性は1.0になる。また,ある結論を導く
ために使用することができる事象の中で,一部の事象の
みについて,データを入力した場合,明瞭性は0.0から
1.0の間の値となる。このとき,使用することができる
事象の中で,明瞭性の高い事象を多く使用すれば,結論
の明瞭性も高くなり,信頼性が高い推論結果が得られる
と言える。
(13)明瞭性表示装置 明瞭性表示装置23は,明瞭性加算装置22で算出した推
論結果(一例として上述した可能性)に対する明瞭性を
表示する装置である。明瞭性は推論結果と共に表示して
もよいし,また明瞭性を他の装置に伝送したり,メモリ
やファイルへ記憶するようにしてもよい。
この明瞭性の表示は,推論結果の全ての結論について
表示する。したがって結論が複数存在する場合には,そ
れぞれの結論に対応する明瞭性が表示される。
このようにして,データが入力されるたびに,入力さ
れたデータが属する事象の情報量を演算し,推論結果に
対する明瞭性を表示することにより,推論結果に対する
信頼性をユーザが判断できるようになる。
(14)正当性情報入力装置 正当性情報入力装置31は,可能性表示装置18に表示さ
れた結論の可能性について,または表示装置18に表示さ
れていない結論に関して,主に人間が正しい結論を入力
するためのものである。たとえば故障診断の場合に,表
示装置18に故障の可能性が表示されたときに(たとえば
50%以上の可能性をもつものが表示される),その表示
された故障のうちで実際に故障が生じているものを指定
したり,表示装置17に表示されていなくても実際に生じ
ている故障を指定する。また指定した故障についてその
故障(結論)に関連する事象についてのデータを入力す
る。機器に取付けられたセンサ等からの情報によりどの
部分が故障しているかがわかるので,このような故障に
関するおよび事象値データに関する情報の自動入力も可
能である。
正当性情報入力装置31は,結論およびそれに関連する
事象値データの入力があったときに,第6表のような履
歴記憶データを作成する。
ここで ci:指定された正しい結論(故障) fj:ciに関連する事象 xj:事象fjの事象値データ である。
正当性情報入力装置31における履歴記憶データ作成処
理手順が第6図に示されている。正しい結論(故障)が
キーボード等から入力されると,その結論に関連するす
べての事象が選択される(ステップ41,42)。結論に関
連する事象は知識記憶装置11,知識合成装置12,合成後知
識記憶装置13または可能性演算装置17に記憶されている
知識または演算結果等より分る。そして,入力された結
論に関連するすべての事象について,その事象値データ
が事象値入力装置14から入力されていると(キーボー
ド,センサ等から入力してもよい),それをその結論に
関連して第6表に示すような履歴記憶データ・ファイル
に格納する(ステップ43,44,45)。
たとえば,可能性表示装置18が下記のような故障の可
能性を表示したとする。
故障c1:可能性0.8 故障c2:可能性0.6 このとき,実際にc1の故障が生じていたとすると,人
間は故障c1を入力する。すると,入力装置31は,結論c1
に関連する事象はf1とf2であると判断する。f1の事象値
として35が,f2の事象値として5がそれぞれ入力されて
いたとすると,第7表に示すような履歴記憶データが作
成される。
故障診断の場合,その故障とその故障が生じたときの
機械の状態(事象値)を報告するような保守レポート等
があれば,その保守レポートをこの入力装置31に直接入
力するとよい。この保守レポートがあれば,故障診断が
実行されるたびにその結論の正当性を入力する必要はな
く,正当性情報入力処理をバッチ的に行なえるようにな
る。
(15)履歴記憶装置 履歴記憶装置32は,正当性情報入力装置31で作成され
た履歴記憶データを,第7図に示すように,結論ごとに
表(ファイル)の形式で,蓄積して記憶するものであ
る。新たに作成された履歴記憶データは,先に記憶され
ている履歴記憶データ・ファイルの最後に付け加える形
で記憶すればよい。第7図において,nは正しい結論とし
てciが指定された回数を表わす。事象値入力装置14で入
力された事象値データは,入力装置31または記憶装置32
のいずれに与えてもよい。後に説明するように,知識修
正装置34によって知識の修正が行なわれると,修正の行
なわれた結論についての履歴記憶データは消去される。
たとえば,結論c1についての第7表に示す履歴記憶デ
ータが第3回目のc1の指定によって追加されたとする
と,履歴記憶装置32内の結論c1についての履歴データ・
ファイルは第8表に示すようになる。
(16)不一致度算出装置 不一致度算出装置33は,履歴記憶装置32に記憶されて
いる各結論について一定量の履歴が蓄積されたり,また
は1日の業務が終了したときなどに起動される。したが
って,バッチ的に処理ができ,CPUの負荷が少ないときに
不一致度算出処理を行なえるので,機器の稼働中におけ
るCPUの負荷量を増やすことはない。
この不一致度算出装置33は,各結論ciに関連する全事
象fjのそれぞれについて,履歴記憶装置32に記憶されて
いる事象値データの範囲と知識記憶装置11に記憶されて
いる各専門家の同結論の同事象についての知識との不一
致度を算出するものである。不一致度算出アルゴリズム
の一例が結論ciの事象fjに関して第8図に示されてい
る。
まず,履歴記憶装置32に記憶されている結論ciについ
ての履歴データ・ファイルから事象fjに関する事象値デ
ータの最小値fjminと最大値fjmaxとを選び出す(ステッ
プ51)。次に知識記憶装置11に記憶されている結論ciの
事象fjに関する専門家exkの知識の最小値akと最大値bk
とを読出す(ステップ52)。続いて,選択したおよび読
出したデータを用いて次式により不一致度を算出する
(ステップ53)。
不一致度= |ak−fjmin|+|bk−fjmax| …(25) この算出した不一致度を第9図に示すような不一致度デ
ータ・ファイルの該当する場所に格納する(ステップ5
4)。この不一致度データ・ファイルは結論ciについ
て,専門家ごとに全事象について不一致度を記憶するエ
リアを有している。
上述の処理をすべての専門家について実行すれば一結
論ciに関連する一事象fjについての不一致度算出処理が
終る(ステップ55)。
結論ciに関連する他のすべての事象についても同じよ
うに処理を行なう。また,このような処理をすべての結
論または必要な結論について実行する。
たとえば,第1表および第2表に示された専門家ex1,
ex2の結論c1に関する事象f1についての第8表に示す履
歴データとの不一致度は,第10図に示すように,それぞ
れ30,10となる。また,専門家ex1,ex2の結論c1に関する
事象f2についての第8表に示す履歴データとの不一致度
は,第11図に示すように,それぞれ10,10となる。
(17)知識修正装置 知識修正装置34は,上記のようにして求めた不一致度
データを用いて,次に示すアルゴリズムにしたがって,
知識記憶装置11に記憶されている該当する専門家の知識
を修正する。
1)結論の各事象について,不一致度の最も大きい専門
家の知識における事象値の範囲を,履歴データの最小値
と最大値の範囲に修正する。
2)ただし,不一致度がすべてある閾値以内であれば,
この修正は行なわない。
この閾値はたとえば次のようにして定められる。
閾値=(各事象値の取り得る範囲)×0.1 …(26) 事象f1またはf2における事象値のとりうる範囲(定義
域)を100とすれば閾値は10となる。
3)修正された知識で,知識記憶装置11における該当す
る専門家の知識を更新する。
以上によって,あまり正しくないと考えられる専門家
の知識を,人間が判断して修正するのではなく,自動的
に修正することができる。
たとえば第10図に示す専門家ex1,ex2の不一致度はそ
れぞれ30,10である。専門家ex1の不一致度30が最も大き
く,かつこの不一致度30は上記の閾値10以上であるか
ら,結論c1に関連する事象f1についての専門家ex1の知
識が履歴データを用いて最小値30,最大値45に修正され
る。したがって,第1表は次表のようになる。
第11図に示す不一致度は専門家ex1,ex2とも10であり
閾値10以下であるから,結論c1の事象f2についての知識
の修正は行なわれない。
(18)知識再合成装置 知識再合成装置35は修正された知識に関連する部分に
ついてのみ,知識の再合成を行なう。合成の方法は知識
合成装置12で行なう方法と同じである。再合成結果は合
成後知識記憶装置13に与えられ記憶される。上記の例で
は,修正されたのは結論c1の事象f1についてのみである
ので,その最小値の平均と標準偏差,最大値の平均値と
標準偏差を再計算するだけでよい。
知識全体について再合成するのではなく,関連する部
分のみの再合成であるので,処理の高速化が可能とな
る。知識の再合成後は,再合成された新たな知識を用い
て近似推論が行なわれるのはいうまでもない。
(19)明瞭性再演算実行装置 明瞭性再演算実行装置36は修正された知識に関連する
部分についてのみ明瞭性の再演算を実行する。明瞭性の
演算方法は明瞭性演算装置20における方法と同一であ
る。上記の例では,修正されたのは結論c1の事象f1につ
いてのみであるので,事象f1に関連する結論について静
的情報量が求められ,それより明瞭性が算出される。
この演算についても,バッチ的に実行する(たとえ
ば,休憩時間や夜間など)ことによって,機器の稼働中
におけるCPUの負荷量を増やすことはない。
上記実施例では,履歴データの情報に基づいて,知識
記憶装置に記憶されている専門家の知識を修正している
が,合成後知識記憶装置に記憶されている平均値と標準
偏差を直接的に修正するようにしてもよい。
同一の近似推論装置が複数台ある場合,最初はすべて
に同じ(標準的な)知識を入れておいても,自動的に知
識を修正していくので,経年変化等による対象各機器の
特性にあった故障診断が可能となる。
上述した各装置11〜23,31〜36はメモリおよび表示装
置を含むコンピュータによって実現できるのはいうまで
もない。たとえば知識合成装置12,各種演算装置15,16,1
7,19,20,22,33,35,36はプログラムにしたがって動作す
るCPUによって好適に実現される。
【図面の簡単な説明】
第1図は近似推論装置および知識自動修正装置の全体構
成の一例を示すブロック図である。 第2図はガウス分布を示すグラフである。 第3a図から第3c図はメンバーシップ関数が形成される様
子を示すグラフである。 第4a図および第4b図は,各事象ごとに得られたメンバー
シップ関数を示すグラフである。 第5a図および第5b図は適合度を求める様子を示すグラフ
である。 第6図は履歴記憶データ作成処理手順を示すフロー・チ
ャートである。 第7図は履歴データ・ファイルの一例を示すものであ
る。 第8図は不一致度算出処理手順を示すフロー・チャート
である。 第9図は不一致度データ・ファイルの一例を示すもので
ある。 第10図および第11図は不一致度の例を示すものである。 11……知識記憶装置, 12……知識合成装置, 13……合成後知識記憶装置, 14……事象値入力装置, 15……適合度演算装置, 16……動的情報量演算装置, 17……可能性演算装置, 18……可能性表示装置, 19……静的情報量演算装置, 20……明瞭性演算装置, 21……明瞭性記憶装置, 22……明瞭性加算装置, 23……明瞭性表示装置, 31……正当性情報入力装置, 32……履歴記憶装置, 33……不一致度算出装置, 34……知識修正装置, 35……知識再合成装置, 36……明瞭性再演算実行装置。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力データを専門家の知識にあてはめるこ
    とにより知識の可能性を演算する近似推論装置におい
    て, 最大値と最小値によって示される事象値の範囲と結論と
    の関係を表わす専門家の知識を記憶する知識記憶手段, 結論の正しさの情報を入力する正当性情報入力手段, 正しさの情報が入力された結論に関して,入力された事
    象値データを蓄積的に記憶する履歴記憶手段, 所定の結論について上記履歴記憶手段に記憶されている
    事象値データと,上記所定の結論と同じ結論について上
    記知識記憶手段に記憶されている専門家の知識の中の事
    象値の範囲との不一致度を算出する不一致度算出手段,
    および, 上記不一致度算出手段によって算出された不一致度が所
    定値以上である場合に,上記知識記憶手段に記憶されて
    いる専門家の知識の中の事象値の範囲を,上記履歴記憶
    手段に蓄積的に記憶されている事象値データの最大値と
    最小値からなる範囲によって修正する知識修正手段, を備えた近似推論のための知識自動修正装置。
JP17029390A 1990-06-28 1990-06-29 近似推論のための知識自動修正装置 Expired - Fee Related JP3211236B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17029390A JP3211236B2 (ja) 1990-06-29 1990-06-29 近似推論のための知識自動修正装置
US07/714,020 US5651100A (en) 1990-06-28 1991-06-12 Approximate reasoning apparatus
KR1019910010534A KR950010415B1 (ko) 1990-06-28 1991-06-25 근사 추론 장치
DE4121453A DE4121453C2 (de) 1990-06-28 1991-06-28 Näherungsschlußfolgerungsvorrichtung

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17029390A JP3211236B2 (ja) 1990-06-29 1990-06-29 近似推論のための知識自動修正装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0460837A JPH0460837A (ja) 1992-02-26
JP3211236B2 true JP3211236B2 (ja) 2001-09-25

Family

ID=15902277

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17029390A Expired - Fee Related JP3211236B2 (ja) 1990-06-28 1990-06-29 近似推論のための知識自動修正装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3211236B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3396489B2 (ja) * 1991-10-30 2003-04-14 日本政策投資銀行 ネットワーク型情報処理システム
JP3354593B2 (ja) * 1992-06-10 2002-12-09 日本政策投資銀行 ネットワーク型情報処理装置の学習システム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0460837A (ja) 1992-02-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3268529B2 (ja) 知識データベース処理システムおよびエキスパートシステム
JP3211241B2 (ja) 近似推論装置
CN112365094A (zh) 提高预测***准确率的方法、计算机设备、存储介质
US20230072297A1 (en) Knowledge graph based reasoning recommendation system and method
JP3211236B2 (ja) 近似推論のための知識自動修正装置
US20190155267A1 (en) Information processing apparatus, information processing method, and recording medium
CN112633321A (zh) 一种人工智能推荐***及方法
JP4921917B2 (ja) ソフトウェア安全性診断装置およびプログラム
JP2012181739A (ja) 工数見積装置、工数見積方法、工数見積プログラム
JP7366355B2 (ja) 融資承認確率算出装置、融資承認確率算出方法及びプログラム
CN113066531B (zh) 风险预测方法、装置、计算机设备及存储介质
JPH09101947A (ja) 時系列予測方法
EP0715256B1 (en) Rule verifying apparatus and method for fuzzy inference
JP3049738B2 (ja) 近似推論装置と人間とのインターフェイス装置
CN113469284A (zh) 一种数据分析的方法、装置及存储介质
JP3211240B2 (ja) 近似推論装置
JP2000237937A (ja) 生産システムの設計支援方法
JP2853215B2 (ja) ネットワーク信頼性解析システム
JP3211235B2 (ja) 近似推論装置と人間とのインターフェイス装置
US20230244563A1 (en) Method for generating an fta fault tree from an fmea table of a technical system or vice versa
JP3243791B2 (ja) コンピュータによるプログラム修正管理方式
CN115662593B (zh) 基于症状知识图谱的医患匹配方法、装置、设备及介质
US11922189B2 (en) Database framework model transformation for pathway identification
JP6985479B1 (ja) 計算方法、計算装置、計算プログラム、記録媒体
US20220343122A1 (en) Data analysis apparatus, data analysis method, and data analysis program

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080719

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080719

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090719

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees