JP3210407B2 - 荷電制御剤及び静電荷像現像用正帯電性トナー - Google Patents

荷電制御剤及び静電荷像現像用正帯電性トナー

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JP3210407B2
JP3210407B2 JP12833592A JP12833592A JP3210407B2 JP 3210407 B2 JP3210407 B2 JP 3210407B2 JP 12833592 A JP12833592 A JP 12833592A JP 12833592 A JP12833592 A JP 12833592A JP 3210407 B2 JP3210407 B2 JP 3210407B2
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修治 菅原
一明 須方
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真、静電記録、
静電印刷等における静電潜像を現像するための静電荷像
現像用正帯電性トナー及びそのトナーの帯電量を制御し
得る正帯電用の荷電制御剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び解決しようとする課題】電子写真法を
利用した複写機等においては、無機又は有機光導電性物
質を含有する感光層を備えた感光体上に形成された静電
潜像を可視化するために、着色剤及び定着用の樹脂等を
有する種々の乾式或は湿式トナーが用いられている。
【0003】このようなトナーの帯電性は、静電潜像を
現像するシステムにおいて最も重要な因子である。そこ
でトナーの帯電量を適切に制御するために、トナー中
に、正電荷又は負電荷付与性の荷電制御剤が加えられる
ことが多い。
【0004】従来実用化されている荷電制御剤として、
トナーに負電荷を付与するものとしては、帯電付与性が
良好なアゾ染料のクロム錯塩、コバルト錯塩及び鉄錯塩
などがある。またトナーに正電荷を付与するものには、
特公昭41−2427号公報等に開示されているニグロ
シン系染料などがある。しかしながらこれらは比較的濃
く着色したものが多い。
【0005】様々な色彩のカラートナーに汎用し得るた
めには、それらのカラートナーの色調に悪影響を与えな
い程度に無色又は淡色であることを要する。そのような
要求を満たし得る負帯電用の荷電制御剤としては、芳香
族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸の、ク
ロム錯塩、亜鉛錯塩、アルミニウム錯塩及びホウ素錯
塩;単環又は多環ジオールのケイ素錯化合物;並びにカ
リックス(n)アレン化合物等が知られている。一方、
前記要求を満たし得る正帯電用の荷電制御剤としては、
四級アンモニウム塩化合物、ピリジニウム塩化合物及び
ポリアミン系樹脂等が知られている。
【0006】しかしながら、従来の正帯電用の荷電制御
剤においては、トナー用樹脂に対する相溶性や帯電付与
効果が不十分であると共に、特にトナーを多数回繰り返
し使用した際の帯電安定性に貢献し得ないものが少なく
ない。そのため、カラートナー用として実用上満足な特
性を有する正帯電用荷電制御剤の更なる開発が望まれて
いる。
【0007】本発明は、従来技術における上記のような
課題に鑑み行われたものであって、その目的とするとこ
ろは、減法混色の三原色であるイエロー、マゼンタ及び
シアン色の各トナーを始めとする様々なカラートナー及
び無彩色トナー用として汎用性があり、温度や湿度の変
化に対する荷電制御特性の安定性、すなわち耐環境性;
荷電制御特性の経時的安定性、すなわち保存安定性;並
びにトナーを多数回繰り返し使用した際の荷電制御特性
の安定性、すなわち耐久性に優れる正帯電用の荷電制御
剤、並びに、様々な有彩色又は無彩色のトナーとして使
用可能であり、耐環境性、保存安定性及び耐久性に優れ
る静電荷像現像用正帯電性トナーを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、金属イオ
ンと相互作用し得る環状化合物の荷電制御性について研
究を重ねた結果、特定の環状化合物の無金属又は金属錯
体及びそれを備えたトナーが上記目的を達成し得ること
を見出して本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明の正帯電用の荷電制御剤
は、下記一般式〔I〕で表わされる環状化合物を有効成
分とする。
【0010】
【化3】
【0011】[式〔I〕中、各Zは、−O−、−S−、
−NH−又は−NR−(但し、Rは、アルキル基、アリ
ール基又はアラルキル基を示す。)の何れかを示し、A
1 、A2 、A3 及びA4 は、それぞれ独立に、アルキレ
ン基、環状アルキレン基又は置換基を有していてもよい
単環若しくは多環アリーレン基を示し、Xは、水素、ア
ルカリ金属、アルカリ土類金属又は多価金属の、カチオ
ン、或は、アンモニウム若しくはピリジニウム又はそれ
らの誘導体の、カチオンを示し、Yは、無機酸又は有機
酸のアニオンを示し、a、b、c及びdは、0又は正の
数(但し、b=c×dである。)を示し、l、m、n及
びoは、それぞれ独立に、0乃至10の整数を示す。]
【0012】この荷電制御剤は、A1 、A2 、A3 及び
4 のうち少なくとも1つが環状アルキレン基又は置換
基を有していてもよい単環若しくは多環アリーレン基で
ある上記環状化合物を有効成分とするものであることが
好ましい。
【0013】本発明の静電荷像現像用正帯電性トナー
は、一般式〔I〕で表わされる環状化合物を有効成分と
する荷電制御剤の少なくとも1種並びに着色剤及び樹脂
を備えてなるものである。すなわち、前記荷電制御剤を
1種含有するものであってもよく、複数種の前記荷電制
御剤を含有していてもよい。
【0014】また本発明の正帯電用の荷電制御剤は、下
記一般式〔II〕で表わされる環状化合物を有効成分とす
るものであってもよい。
【0015】
【化4】
【0016】[式〔II〕中、A1 、A2 及びA3 は、そ
れぞれ独立に、アルキレン基、環状アルキレン基又は置
換基を有していてもよい単環若しくは多環アリーレン基
を示し、Xは、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属
又は多価金属の、カチオン、或は、アンモニウム若しく
はピリジニウム又はそれらの誘導体の、カチオンを示
し、Yは、無機酸又は有機酸のアニオンを示し、a、
b、c及びdは、0又は正の数(但し、b=c×dであ
る。)を示し、p、q、r、s、t及びuは、それぞれ
独立に、0乃至2の整数を示す。]
【0017】この荷電制御剤は、A1 、A2 及びA3
うち少なくとも1つが環状アルキレン基又は置換基を有
していてもよい単環若しくは多環アリーレン基である上
記環状化合物を有効成分とするものであることが好まし
い。
【0018】本発明の静電荷像現像用正帯電性トナー
は、一般式〔II〕で表わされる環状化合物を有効成分と
する荷電制御剤の少なくとも1種並びに着色剤及び樹脂
を備えてなるものであってもよい。すなわち、前記荷電
制御剤を1種含有するものであってもよく、複数種の前
記荷電制御剤を含有していてもよい。
【0019】上記式〔I〕において、Zは、酸素原子、
硫黄原子、イミノ基等の連結原子又は連結基を示す。上
記式〔I〕において、l、m、n及びoは、オキシエチ
レン、チオエチレン、イミノエチレン等の個数を示し、
l、m、n及びoの合計は30乃至40程度以下である
ことが望ましい。また上記式〔II〕において、p、q、
r、s、t及びuは、オキシエチレンの個数を示し、
p、q、r、s、t及びuの合計は30乃至40程度以
下であることが望ましい。
【0020】式〔I〕におけるA1 、A2 、A3 及びA
4 の具体例、並びに式〔II〕におけるA1 、A2 及びA
3 の具体例としては、1,3−エチレン基、1,2−又
は1,3−プロピレン基、1,2−、1,3−又は1,
4−ブチレン基等のアルキレン基;1,2−シクロヘキ
シレン基等の環状アルキレン基;1,2−フェニレン
基、4−tert−ブチル−1,2−フェニレン基、及び4
−クロロ−1,2フェニレン基、2,3−ナフチレン基
等の置換又は無置換アリーレン基が挙げられる。
【0021】式〔I〕及び式〔II〕の何れにおいても、
カチオンXの具体例として、 H+ ;Li+ 、Na+ 、K+ 、Rb+ 等のアルカリ金属
イオン;Ca2+、Mg2+、Ba2+、Sr2+等のアルカリ
土類金属イオン;Co2+、Cu2+、Ni2+、Pb2+、A
+ 等の重金属イオン;アンモニウムイオン(例えばN
4 +;脂肪族第1級、第2級又は第3級アミンのアンモ
ニウム;及び第4級アンモニウム);並びにピリジニウ
ムイオン(例えばN−ブチルピリジニウム、N−ベンジ
ルピリジニウム、N−ラウリルピリジニウム)などが挙
げられる。
【0022】式〔I〕及び式〔II〕の何れにおいても、
アニオンYの具体例として、上記カチオンの対イオンで
ある水酸イオン、ハロゲンイオン(例えば、F- 、Cl
- 、Br- 、I- )、シアンイオン、硫酸イオン、炭酸
イオン等が挙げられる。
【0023】式〔I〕及び式〔II〕の何れにおいても、
aはカチオンXの数を示し、cはアニオンYの数を示
す。b+は、aXの電荷により規定される電荷の総和で
あり、cYd-の電荷を中和するに必要な電荷数でもあ
る。
【0024】式〔I〕及び式〔II〕で表わされる化合物
は、クラウンエーテルの如き環状化合物(包接化合物も
含む。)として知られている。これらの環状化合物は、 C.J.Pedersen,J.Amer.Chem.Soc.,89,7017(1967) Poonia,N.S.,J.Chem.Soc.Datton.Trans.,2062(1973) Pearson,R.G.,Science,151,172(1966) 等の文献に示された方法に準じて合成することができ
る。
【0025】次に、市販の環状化合物と、アルカリ金属
もしくはアルカリ土類金属の無機もしくは有機塩又は水
酸化物、アンモニウム塩、無機酸、或は有機酸とから、
目的とする化合物を合成した例を示す。
【0026】合成例1(化合物例2の合成) 2.68g(10.0ミリモル)のベンゾ−15−クラ
ウン−5をクロロホルム5gに溶かした溶液とフッ化カ
リウム0.581g(10.0ミリモル)をメタノール
5gに溶かした溶液とを室温で24時間撹拌混合した
後、溶媒を留去した。
【0027】残留物をメタノール−四塩化炭素を用いて
再結晶させることにより、融点70乃至74℃の白色粉
末1.96g(収率60.0%)を得た。この白色粉末
の元素分析値は、Anal. C:50.2%、H:6.2%
(Calcd.C:51.5%、H:6.2%)であった。
【0028】合成例2(化合物例4(19)の合成) 3.36g(10.0ミリモル)のジベンゾ−18−ク
ラウン−6をクロロホルム5gに溶かした溶液とフッ化
アンモニウム0.37g(10.0ミリモル)をメタノ
ール5gに溶かした溶液とを室温で24時間撹拌混合し
た後、溶媒を留去した。
【0029】残留物をクロロホルム−n−ヘキサンを用
いて再結晶させることにより、融点151乃至154℃
の無色針状晶2.15g(収率57.7%)を得た。こ
の無色針状晶の元素分析値は、Anal. C:61.2%、
H:6.8%(Calcd.C:60.4%、H:7.1%)
であった。
【0030】合成例3(化合物例7(2)の合成) 4.73g(10.0ミリモル)のビス(tert−ブチル
ベンゾ)−18−クラウン−6をクロロホルム5gに溶
かした溶液とフッ化リチウム0.26g(10.0ミリ
モル)をメタノール5gに溶かした溶液とを室温で24
時間撹拌混合し、溶媒を留去した。
【0031】残留物をクロロホルム−n−ヘキサンを用
いて再結晶させることにより、融点126乃至128℃
の白色粉末2.58g(収率60.0%)を得た。この
白色粉末の元素分析値は、Anal. C:67.5%、H:
8.1%(Calcd.C:66.7%、H:8.9%)であ
った。
【0032】合成例4(化合物例13の合成) 8.50g(10.0ミリモル)の5,6−ベンゾ−
4,7,13,16,21,24−ヘキサオキサ−1,
10−ジアザビシクロ[8,8,8]−ヘキサコサン
(50重量%トルエン溶液)をクロロホルム5gに溶か
した溶液とフッ化カリウム0.581g(10.0ミリ
モル)をメタノール5gに溶かした溶液とを室温で24
時間撹拌混合した後、溶媒を留去した。
【0033】残留物をクロロホルム−n−ヘキサンを用
いて再結晶させることにより、融点81乃至92℃の無
色針状晶0.97g(収率20.2%)を得た。この無
色針状晶の元素分析値は、Anal. C:60.4%、H:
8.9%、N:7.0%(Calcd.C:54.8%、H:
7.5%、N:5.8%)であった。
【0034】次に、一般式〔I〕で表わされる環状化合
物の具体例[化合物例1乃至3、4(1)乃至(23)、
5及び6、7(1)乃至(6)並びに8乃至10]、並
びに一般式〔II〕で表わされる環状化合物の具体例(化
合物例11乃至13)を列挙する。但し、それらについ
ての一般式〔I〕又は〔II〕におけるaX、b+及びc
d- に相当する内容は、表1及び表2に示す。これら
の化合物は何れも荷電制御剤として好適に使用すること
ができるものであるが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0035】化合物例1[18−クラウン−6]
【0036】
【化5】
【0037】化合物例2[ベンゾ−15−クラウン−
5]
【0038】
【化6】
【0039】化合物例3[ジシクロヘキサノ−18−ク
ラウン−6]
【0040】
【化7】
【0041】化合物例4(1)乃至(23)[ジベンゾ−
18−クラウン−6]
【0042】
【化8】
【0043】化合物例5[ジベンゾ−24−クラウン−
8]
【0044】
【化9】
【0045】化合物例6[ジベンゾ−30−クラウン−
10]
【0046】
【化10】
【0047】化合物例7(1)乃至(6)[ビス(t−
ブチルベンゾ)−18−クラウン−8]
【0048】
【化11】
【0049】化合物例8
【0050】
【化12】
【0051】化合物例9
【0052】
【化13】
【0053】化合物例10
【0054】
【化14】
【0055】化合物例11
【0056】
【化15】
【0057】化合物例12
【0058】
【化16】
【0059】化合物例13
【0060】
【化17】
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】本発明の静電荷像現像用トナーは、本発明
の荷電制御剤が、樹脂100重量部に対して0.1〜1
0重量部配合されているものとすることが望ましい。荷
電制御剤のより好ましい配合量は、前記樹脂100重量
部に対して0.5〜5重量部である。
【0064】また本発明の静電荷像現像用トナーは、所
望の帯電特性を得るため等の必要に応じ、本発明の荷電
制御剤の外に、別の正帯電用の荷電制御剤(例えばニグ
ロシン系染料、四級アンモニウム塩系化合物、ポリアミ
ン系樹脂等)を含有するものとすることもできる。ま
た、トナーの品質を向上させる上で、例えば導電性粒
子、流動性改良剤、画像剥離防止剤等の添加剤を内添又
は外添させることもできる。
【0065】本発明のトナーに用いられる樹脂として
は、次のような公知のトナー用の樹脂或は結着樹脂を例
示することができる。すなわち、スチレン樹脂、スチレ
ン−アクリル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、スチレ
ン−マレイン酸樹脂、スチレン−ビニルメチルエーテル
樹脂、スチレン−メタアクリル酸エステル共重合体、フ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
プロピレン樹脂、パラフィンワックス等である。これら
の樹脂は、単独で或は数種をブレンドして用いることも
できる。
【0066】トナー用の樹脂或は結着樹脂が、減法混色
によるフルカラー用として、或はOHP(オーバーヘッ
ドプロジェクタ)等に用いられるトナーに好適に使用さ
れるためには、透明性を有すること、実質的に無色であ
ること(トナー画像に色調障害を生じない程度の色であ
ること)、本発明の荷電制御剤との相溶性があること、
適当な熱又は圧力下で流動性を有すること、微粒化が可
能であること、などの特性が要求される。
【0067】このような樹脂として、例えば、ポリスチ
レン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ス
チレン−メタアクリル酸エステル共重合体、ポリエステ
ル系樹脂等を好適に使用できる。
【0068】本発明のトナーにおいては、着色剤とし
て、公知の多数の染料・顔料を用いることができる。カ
ラートナー用として用い得るものの具体例は次のとおり
である。すなわち、カーボンブラック、キノフタロン、
ハンザイエロー、ローダミン6Gレーキ、キナクリド
ン、ローズベンガル、銅フタロシアニンブルー及び銅フ
タロシアニングリーン、ジケトピロロピロール系顔料等
の有機顔料、ニグロシン系染料、アゾ系染料、キノフタ
ロン系染料、アントラキノン系染料、キサンテン系染
料、トリフェニルメタン系染料、フタロシアニン系染料
等の各種の油溶性染料や分散染料のほか、染料・顔料が
高級脂肪酸や樹脂でなどで加工されたものなどが挙げら
れる。
【0069】本発明の静電荷像現像用トナーには、上記
のような着色剤を、単独で又は2種以上配合して、使用
することができる。フルカラー用の三原色トナーの調製
に好適に使用し得るのは、分光特性が良好な染料・顔料
である。また有彩色のモノカラートナーには、着色剤と
して、同色系の顔料と染料、例えばローダミン系の顔料
と染料、キノフタロン系の顔料と染料、フタロシアニン
系の顔料と染料を、適宜配合して用いることができる。
【0070】本発明の静電荷像現像用トナーは、例えば
次のように製造される。すなわち、上記のような樹脂、
着色剤及び本発明の荷電制御剤、並びに、必要に応じて
磁性材料、流動化剤等をボールミルその他の混合機によ
り十分混合した後、加熱ロール、ニーダ、エクストルー
ダ等の熱混練機を用いて溶融混練し、冷却固化後、粉砕
及び分級することにより、平均粒径5〜20μmのトナ
ーを得ることができる。
【0071】また、結着樹脂溶液中に材料を分散した
後、噴霧乾燥することにより得る方法、結着樹脂を構成
すべき単量体に所定材料を混合して乳化懸濁液とした後
に重合させてトナーを得る重合法トナー製造法(例え
ば、特開平1−260461号公報、特開平2−323
65号公報記載の方法)等を応用することもできる。本
発明のトナーを2成分現像剤として用いる場合には、本
発明のトナーをキャリヤ粉と混合して用い、2成分磁気
ブラシ現像法等により現像することができる。
【0072】キャリヤとしては、公知のものが全て使用
可能である。例示するならば、粒径50〜200μm程
度の、鉄粉、ニッケル粉、フェライト粉、ガラスビーズ
等、並びに、これらの表面をアクリル酸エステル共重合
体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン
−メタクリル酸エステル共重合体、シリコーン樹脂、ポ
リアミド樹脂、フッ化エチレン系樹脂等でコーティング
したもの等が挙げられる。
【0073】本発明のトナーを1成分現像剤として用い
る場合には、上記のようにしてトナーを製造する際に、
例えば鉄粉、ニッケル粉、フェライト粉等の強磁性材料
製の微粉体を添加分散させて用いることができる。この
場合の現像法としては、例えば接触現像法、ジャンピン
グ現像法等を挙げることができる。
【0074】
【発明の効果】本発明の正帯電用の荷電制御剤は、実質
上無色であるため様々な有彩色又は無彩色のトナーに用
いられてもそのトナー画像にほとんど色調障害を惹き起
こさず、耐環境性、保存安定性及び耐久性に優れ、樹脂
に対する親和性及び分散性が良好である。
【0075】また本発明の静電荷像現像用正帯電性トナ
ーは、様々な有彩色又は無彩色のトナーとして使用可能
であり、鮮明で細線再現性に優れたトナー画像を形成す
ることができ、耐環境性、保存安定性及び耐久性にも優
れる。
【0076】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する
が、勿論本発明は何らこれらのみに限定されるものでは
ない。なお、以下の記述においては、「重量部」を
「部」と略す。
【0077】実施例1 スチレン−アクリル共重合樹脂[ハイマーSMB600(商品名)、三洋化成社 製] ・・・・100部 油溶性マゼンタ色染料[オイルピンク#312(商品名)、オリヱント化学工業 社製] ・・・・ 6部 化合物例7(2) ・・・・ 1部
【0078】上記配合物を高速ミキサーで均一にプレミ
キシングした。次いで、エクストルーダで溶融混練し、
冷却後振動ミルで粗粉砕した。得られた粗砕物を分級機
付きのエアージェットミルを用いて微粉砕して、粒径1
0乃至20μmのマゼンタトナーを得た。
【0079】得られたトナー5部に対して、鉄粉キャリ
ヤ(TEFV 200/300(商品名)、日本鉄粉社
製)95部を混合して現像剤を調製した。本現像剤の初
期ブローオフ荷電量は+24.5μC/gであった。こ
の現像剤の低温低湿(5℃、相対湿度30%)および高
温高湿(35℃、相対湿度90%)での各初期ブローオ
フ荷電量は、それぞれ+24.4μC/gおよび+2
4.0μC/gと非常に安定であり、保存安定性も良好
であった。
【0080】また、本現像剤を用いて市販の複写機にて
トナーの画像を形成したところ、カブリがなく、細線再
現性が良好で、而も分光特性に優れ、重ね合わせによる
混色に適した透明性のある、鮮明なマゼンタ色の画像が
得られ、連続複写70,000枚後においても画像品質
の低下は見られなかった。
【0081】実施例2 スチレン−アクリル共重合樹脂[ハイマーSMB600(商品名)、三洋化成社 製] ・・・・100部 キノリン染料(C. I. Disperse Yellow 64) ・・・・ 3部 化合物例2 ・・・・ 2部
【0082】上記配合物を実施例1と同様に処理して黄
色トナーを得、これを用いて現像剤を調製した。本現像
剤の初期ブローオフ荷電量は+12.0μC/gであっ
た。
【0083】また、実施例1と同様にしてトナーの画像
を形成したところ、カブリがなく、細線再現性が良好
で、而も分光特性に優れ、重ね合わせによる混色に適し
た透明性のある、鮮明な黄色の画像が得られた。
【0084】また、OHP用シートにコピーした画像を
OHPによりスクリーンに投影したところ、黄色の鮮明
な映像が得られた。
【0085】実施例3 スチレン−アクリル共重合樹脂[ハイマーSMB600(商品名)、三洋化成社 製] ・・・・100部 青色染料[バリファスト ブルー #2606(商品名)、オリヱント化学工業 社製] ・・・・ 2部 銅フタロシアニン顔料 ・・・・ 1部 化合物例4(19) ・・・・ 2部
【0086】上記配合物を実施例1と同様に処理して青
色トナーを得、これを用いて現像剤を調製した。本現像
剤の初期ブローオフ荷電量は+21.9μC/gであっ
た。
【0087】また、実施例1と同様にしてトナーの画像
を形成したところ、カブリがなく、細線再現性が良好
で、鮮明な青色の画像が得られた。
【0088】実施例4 スチレン−アクリル共重合樹脂[ハイマーSMB600(商品名)、三洋化成社 製] ・・・・100部 カーボンブラック[MA−100(商品名)、三菱化成社製] ・・・・ 5部 化合物例4(23) ・・・・ 1.2部
【0089】上記配合物を実施例1と同様に処理して黒
色トナーを得、これを用いて現像剤を調製した。本現像
剤の初期ブローオフ荷電量は+16.1μC/gであっ
た。
【0090】また、実施例1と同様にしてトナーの画像
を形成したところ、カブリがなく、細線再現性が良好な
黒色の画像が得られた。
【0091】実施例5 ポリエステル樹脂[日本合成化学社製] ・・・・100部 四三酸化鉄[EPT−500(商品名)、戸田工業社製] ・・・・ 40部 低重合ポリプロピレン[ビスコール550−P(商品名)、三洋化成社製] ・・・・ 10部 カーボンブラック[MA−100(商品名)、三菱化成社製] ・・・・ 6部 ニグロシン系荷電制御剤 ・・・・ 1部 化合物例13 ・・・・ 1部
【0092】上記配合物をボールミルで均一に予備混合
し、プレミックスを調製した。次いで、2軸押し出し機
(PCM−30(商品名)、池貝製作社製)を用いて1
80℃で溶融混練し、冷却後、粗粉砕、微粉砕及び分級
を行って、5乃至15μmの粒径を有する1成分トナー
を調製した。
【0093】本トナーを用い、市販の複写機[キャノン
社製]にてトナーの画像を形成したところ、カブリがな
く細線再現性が良好で、その上ベタ部反射濃度が1.4
という良質な画像が得られた。
【0094】比較試験1 化合物例7(2)を用いない以外は実施例1と同様にし
てマゼンタトナーを得、実施例1と同様に現像剤を調製
してトナーの画像を形成したところ、画像の飛び散りや
乱れ、カブリなどがみられ、トナーとしては不適格なも
のと判断された。
【0095】比較試験2 化合物例4(19) に代えてN−ステアリルアンモニウム
クロライドを用いた以外は実施例3と同様にして青色ト
ナーを得、実施例3と同様に現像剤を調製してトナーの
画像を形成したところ、初期の画像は良好であったが、
連続複写1,000枚後においては画像の飛び散りや乱
れ、カブリなどがみられ、トナーとしては不適格なもの
と判断された。
【0096】比較試験3 化合物例4(23)を用いない以外は実施例4と同様にし
て黒色トナーを得、実施例4と同様に現像剤を調製して
トナーの画像を形成したところ、画像の飛び散りや乱
れ、カブリなどがみられ、トナーとしては不適格なもの
と判断された。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−223770(JP,A) 特開 平2−201378(JP,A) 特開 平3−237468(JP,A) 特開 平4−295862(JP,A) 特開 平5−119536(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式〔I〕で表わされる環状化合物
    を有効成分とする正帯電用の荷電制御剤。 【化1】 [式〔I〕中、各Zは、−O−、−S−、−NH−又は
    −NR−(但し、Rは、アルキル基、アリール基又はア
    ラルキル基を示す。)の何れかを示し、A1 、A2 、A
    3 及びA4 は、それぞれ独立に、アルキレン基、環状ア
    ルキレン基又は置換基を有していてもよい単環若しくは
    多環アリーレン基を示し、Xは、水素、アルカリ金属、
    アルカリ土類金属又は多価金属の、カチオン、或は、ア
    ンモニウム若しくはピリジニウム又はそれらの誘導体
    の、カチオンを示し、Yは、無機酸又は有機酸の、アニ
    オンを示し、a、b、c及びdは、0又は正の数(但
    し、b=c×dである。)を示し、l、m、n及びo
    は、それぞれ独立に、0乃至10の整数を示す。]
  2. 【請求項2】下記一般式〔II〕で表わされる環状化合物
    を有効成分とする正帯電用の荷電制御剤。 【化2】 [式〔II〕中、A1 、A2 及びA3 は、それぞれ独立
    に、アルキレン基、環状アルキレン基又は置換基を有し
    ていてもよい単環若しくは多環アリーレン基を示し、X
    は、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属又は多価金
    属の、カチオン、或は、アンモニウム若しくはピリジニ
    ウム又はそれらの誘導体の、カチオンを示し、Yは、無
    機酸又は有機酸の、アニオンを示し、a、b、c及びd
    は、0又は正の数(但し、b=c×dである。)を示
    し、p、q、r、s、t及びuは、それぞれ独立に、0
    乃至2の整数を示す。]
  3. 【請求項3】上記環状化合物におけるA1 、A2 、A3
    及びA4 のうち少なくとも1つが環状アルキレン基又は
    置換基を有していてもよい単環若しくは多環アリーレン
    基である請求項1記載の荷電制御剤。
  4. 【請求項4】上記環状化合物におけるA1 、A2 及びA
    3 のうち少なくとも1つが環状アルキレン基又は置換基
    を有していてもよい単環若しくは多環アリーレン基であ
    る請求項2記載の荷電制御剤。
  5. 【請求項5】請求項1に記載された荷電制御剤の少なく
    とも1種並びに着色剤及び樹脂を備えてなる静電荷像現
    像用正帯電性トナー。
  6. 【請求項6】請求項2に記載された荷電制御剤の少なく
    とも1種並びに着色剤及び樹脂を備えてなる静電荷像現
    像用正帯電性トナー。
  7. 【請求項7】請求項1に記載された荷電制御剤の外に、
    正帯電用の荷電制御剤を含んでなる請求項5記載の静電
    荷像現像用正帯電性トナー。
  8. 【請求項8】請求項2に記載された荷電制御剤の外に、
    正帯電用の荷電制御剤を含んでなる請求項6記載の静電
    荷像現像用正帯電性トナー。 【0001】
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