JP3210348B2 - バイアス表面特性を有する柔らかい充填ティッシュペーパー - Google Patents

バイアス表面特性を有する柔らかい充填ティッシュペーパー

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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、一般に、クレープティッシュペーパー製品
および方法に関する。より詳しくは、本発明は、セルロ
ースパルプと非セルロース性で水に不溶性の粒子状填料
とから製造されるクレープティッシュペーパー製品に関
する。
〔発明の背景〕
衛生用ティッシュペーパー製品は、広く使用されてい
る。そのような品目は、化粧紙、トイレットペーパー、
吸収性タオルなどの種々の用途に適合した形態で商業的
に販売されている。これらの製品の形態(すなわち坪
量、厚さ、強度、シートサイズ、分散媒など)は、しば
しば多種多様であるが、それらの製造法(いわゆるクレ
ープ製紙法)が共通している点で互いに関連している。
クレーピング(creping、しわ寄せ)は、紙を縦方向
(machine direction)に機械的に圧縮するための手段
である。これにより、坪量(単位面積当たりの質量)が
増加し、特に縦方向で測定された場合には、多数の物理
的特性が劇的に変化する。一般に、クレーピングは、機
械作業において、柔軟なブレード(いわゆるドクターブ
レード)をヤンキードライヤーに対して使用することに
より達成される。
ヤンキードライヤーは、製紙工程の終了時に製紙紙匹
(papermaking web)の乾燥を完了させる大口径(一般
には8〜20フィート)のドラムであり、これは、蒸気で
加圧されて高温表面を与えるように設計されている。繊
維状スラリーの分散に要する大量の水を除去する有孔の
形成担体(forming carrier)(例えば、フォドリニエ
ールワイヤ)上で最初に形成される紙匹を、一般に、い
わゆるプレス部分のフェニトまたは布へ移動させ、ここ
で、紙を機械的に圧縮したり、あるいは熱風による通気
乾燥などの何らかの他の脱水方法により脱水を続けた
後、半乾燥条件中でヤンキー表面へ最終的に移動させ
て、乾燥を完了する。
種々のクレープティッシュペーパー製品は、一般に相
容れない物理的特性に対する消費者の要求が共通してい
る点でさらに関連している。すなわち、満足しうる触感
(すなわち、柔らかさ)を有すると同時に、大きな強度
とリンク性およびダスト性に対する抵抗性とを有する製
品が要求されている。
柔らかさは、消費者が或る特定の製品を手で持った
り、それで皮膚をこすったり、それを手でくしゃくしゃ
にする際に消費者が感じる触感である。この触感は、い
くつかの物理的特性の組合せから生じる。一般に、柔ら
かさに関連する最も重要な物理的特性の1つは、その製
品の原料となる紙匹のこわさであると当業者は考えてい
る。そして、こわさは、通常、紙匹の強度に直接左右さ
れると考えられている。
強度は、製品およびその構成紙匹が、物理的完全性を
維持したり、使用条件下で生じるちぎれ、破れおよび切
断に抵抗する能力である。
リント性およびダスト性は、取り扱い中または使用中
に、未結合の又は緩い結合の繊維または粒子状填料が紙
匹から放出される傾向を意味する。
クレープティッシュペーパーは、一般に、製紙用繊維
を実質的に含む。少量の化学機能剤、例えば、湿潤強さ
又は乾燥強さ結合剤、保持助剤、界面活性剤、サイズ、
化学軟化剤、クレープ促進組成物を含むことも多いが、
これらは、典型的には、少量で使用されるにすぎない。
クレープティッシュペーパーで最も頻繁に使用される製
紙用繊維は、バージン化学木材パルプである。
天然資源の世界的な供給に対する経済的および環境的
監視が強まるにつれて、衛生用ティッシュなどの製品に
おけるバージン化学木材パルプなどの森林製品の消費を
削減する圧力が高まっている。製品量を犠牲にすること
なく木材パルプの定められた供給を拡大する1つの方法
は、バージン化学パルプ繊維の代わりにメニカルパル
プ、ケミメカニカルパルプなどの高収率繊維を使用した
り、再生繊維を使用することである。残念なことに、そ
のような代替を行なうと、通常、性能がかなり著しく低
下してしまう。そのような繊維は著しく粗い傾向にあ
り、このため、軟弱性であるという理由で選択された主
繊維(prime fibers)により付与される柔らかな感触が
失わてしまう。メカニカルまたはケミメカニカルに遊離
された繊維の場合に粗くなるのは、もとの木材物質の非
セルロール性成分(例えば、リグニンおよびいわゆるヘ
ミセルロースなどの成分)が保持されていることによ
る。このため、各繊維の長さは増加しないがその重量が
増加する。また、再生紙も、高いメカニカルパルプ含量
を有する傾向があるが、これを最小限に抑えるために故
紙の等級の選択において当然のあらゆる注意を払ったと
しても、依然として粗いままであることが多い。これ
は、多数の起源からの紙を混合して再生パルプを製造し
た場合に当然生じる繊維モルホロジーの不純混合物によ
ると考えられる。例えば、ある種の故紙は、それが、事
実上主として北米産広葉樹であるという理由で選択され
るだろう。しかしながら、より粗い針葉樹繊維がかなり
混入していることが多く、さらには、それが米国南部産
マツの変種などの最も粗悪な種の繊維であることさえあ
る。参考として本明細書に組入れる1981年11月17日付け
発行のCarstensの米国特許第4,300,981号は、主繊維(p
rime fibers)により付与される触感性および表面特性
について記載している。参考として共に本明細書に組入
れる1993年7月20日付け発行のVinsonの米国特許第5,22
8,954号および1995年4月11日付け発行のVinsonの米国
特許第5,405,499号は、そのような繊維源の品質を向上
させて悪影響を減少させる方法を開示しているが、依然
として置換の程度は限られており、また、新しい繊維源
自体が限定供給にあり、このため、それらの用途はしば
しば限定されてしまう。
出願人らは、衛生用ティッシュペーパーにおける木材
パルプの使用量を減らすもう1つの方法として、その一
部を、より低コストで容易に入手可能な填料物質(例え
ば、カオリン粘土または炭酸カルシウム)で置換するこ
とを見出した。このような実施は、一部の製紙業では古
くから一般的なものであると当業者に認識されるであろ
う。しかしながら、それと同時に、このアプローチを衛
生用ティッシュ製品に拡張することは格別の困難性を伴
うものであり、それ故に、その実施がこれまで妨げられ
てきたのであると当業者に理解されるであろう。
1つの大きな問題点は、製紙工程中の填料の保持であ
る。製紙品のなかで、衛生用ティッシュは、坪量が極端
に低い。ヤンキーマシンからリール上に巻き取られ際の
ティッシュ紙匹の坪量は、典型的には、わずか約15g/m2
である。クレーピングブレードで導入されるクレープま
たは縮みのため、この機械の形成部分、プレス部分およ
び乾燥部分における乾燥繊維の坪量は、実際には、最終
乾燥坪量より約10%〜約20%低い。坪量が低いことから
生じる保持の問題を緩和するために、ティッシュ紙匹の
密度が極端に低くなり、リール上に巻き取られる際の見
掛け密度は、しばしば、約0.1g/cm3以下にすぎない。あ
る程度のこのロフト(loft)がクレーピングブレードで
導入されることは知られているが、当業者であれば、テ
ィッシュ紙匹は、一般に、比較的遊離状の紙料(これ
は、その構成繊維が、コウ解により軟弱になっていない
ことを意味する)から形成されると認識するであろう。
実用化のためには、ティシュマシンを非常に高速で作動
させることが要求される。したがって、過度な形成圧お
よび乾燥負荷を避けるために遊離状紙料が必要となる。
遊離状紙料を含む比較的堅い繊維は、初期紙匹をその形
成と同時に補強し広げる(prop open)能力を保有す
る。そのような軽量で低密度の構造が、紙匹の形成時に
微粒子を濾し取る有意な機会を全く与えないことを当業
者であれば直ちに認識するであろう。繊維表面に実質的
に固定されていない填料粒子は、高速アプローチ流動系
(high speed approach flow system)の激しい流れに
より強引に引き離され、液相中に投げ出され、初期紙匹
を通過して、形成紙匹からの流出水中に追いやられる。
紙匹を形成するのに使用する水の循環を繰返すことによ
ってはじめて、粒子濃度が、填料が紙と共に退去し始め
る点にまで徐々に高まる。流出水中のそのような固体濃
度は、実用的なものではない。
第2の大きな問題点は、一般に、粒子填料が製紙用繊
維に自然に結合すると、形成紙匹が乾燥するにつれて製
紙用繊維が互いに結合しなくなる傾向があるということ
である。このため、製品の強度が減少する。填料が含ま
れると強度が減少し、それを修正しないまま放置する
と、既に非常に弱い製品が著しい制限を受けることにな
る。強度を回復させるのに必要な工程(例えば、繊維コ
ウ解の増強または化学強化剤の使用)も同様に制限され
ることが多い。
また、填料がシートの完全性に及ぼす悪影響のため、
プレスフェルトが目詰まりを起こしたり、プレス部分か
らヤンキードライヤーへの移動が不十分となることによ
り、衛生上の問題が生じる。
最後に、填料を含有するティッシュ製品は、リントや
ダストを放出する傾向がある。この理由は、填料自体が
紙匹内に十分に捕捉されていないことだけでなく、填料
が前記の結合抑制効果を有し、構造体内への繊維の固着
を局部的に弱めることにある。この傾向は、紙の取り扱
い時に生じる過度なダストのため、クレープ製紙法およ
びそれに続く変換操作において作業上の問題を引き起こ
すことがある。考慮すべきもう1つの点は、填料を含む
ティッシュから製造された衛生用ティッシュ製品の使用
者は、その製品のリントやダストが比較的少ないことを
望むということである。リントまたはダストが出るとい
うこの傾向を、化学結合剤を使用したり機械的コウ解を
行なうことにより克服する試みは、常に、ティッシュ製
品を粗くしてしまう。
その結果、ヤンキーマシン上で製造される紙に填料を
使用することは、著しく制限されている。参考として本
明細書に組入れる、1940年10月1日付け発行のThieleの
米国特許第2,216,143号は、填料がヤンキーマシンに与
える問題点について検討しており、それらの問題点を克
服する封入方法を開示している。残念ながら、その方法
は、接着的に結合している粒子の層をシートのフェルト
側にコーティングする(それをヤンキードライヤーに接
触させながら行なう)ための面倒な単位操作を必要とす
る。この操作は、現代の高速ヤンキーマシンには実用的
でなく、当業者であれば、Thiele法からは、充填ティッ
シュ製品ではなくコーテッドティッシュ製品が得られる
と認識するであろう。「充填ティッシュペーパー」と
「コーテッドティッシュペーパー」とは、実質的には、
それらを製造するために実施された方法により区別され
る。すなわち、「充填ティッシュペーパー」は、繊維が
集合して紙匹となる前に粒子性物質が繊維に添加された
ティッシュペーパーであり、一方、「コーテッドティッ
シュペーパー」は、紙匹が実質的に集合した後で粒子性
物質が添加されたティッシュペーパーである。この相違
の結果、充填ティッシュペーパー製品は、多層ティッシ
ュペーパーの少なくとも1層の厚みの全体にわたり、あ
るいは単層ティッシュペーパーの厚みの全体にわたり分
散した填料を含有する、ヤンキーマシン上で製造された
比較的に軽量で低密度のクレープティッシュペーパーで
あると記載されうる。「全体にわたり分散」なる語は、
充填ティッシュペーパー製品のある特定の層の実質的に
すべての部分が、填料粒子を含有することを意味する
が、そのような分散がその層内で必ずしも均一であるこ
とを特に暗示するものではない。実際のところ、ティッ
シュの充填層の厚さの関数として填料濃度を変化させる
ことにより、何らかの利点が得られると予想されうる。
したがって、先行技術の前記の問題点を克服する微細
粒子状填料を含んでなるティッシュペーパーを提供する
ことが本発明の目的である。本発明のティッシュペーパ
ーは柔らかく、保持された填料を含有し、高レベルの引
張強さを有し、ダストが少ない。
以下の開示で教示されるとおり、この目的および他の
目的は本発明により達成される。
〔発明の概要〕
本発明は、リントおよびダストが少なく、バイアス表
面結合特性(biased surface bonding characteristic
s)を有する、強く柔らかい充填ティッシュペーパーで
ある。バイアス表面結合を有する充填ティッシュペーパ
ーは、製紙用繊維と非セルロース性粒子状填料とを含
み、該填料は、好ましくは、該ティッシュの約5重量%
〜約50重量%を含む。該ティッシュ製品の表面特性は、
リント率が少なくとも約1.2、より好ましくは、少なく
とも約1.4となる程度にバイアス(biased)している。
バイアス表面特性を有するクレープティッシュペーパー
に、これらのレベルの粒子状填料を充填することによ
り、柔らかさ、強度、およびダスト性に対する抵抗性の
予想外の組合せが得られた。
その好ましい実施態様においては、本発明の充填ティ
ッシュペーパーは、約10g/m2〜約50g/m2、より好ましく
は約10g/m2〜約30g/m2の坪量を有する。それは、約0.03
g/m3〜約0.6g/m3、より好ましくは約0.05g/m3〜約0.2g/
m3の密度を有する。
好ましい実施態様は、さらに、広葉樹および針葉樹の
両方の型の製紙用繊維を含み、製紙用繊維の少なくとも
50%は広葉樹であり、少なくとも約10%は針葉樹であ
る。広葉樹繊維および針葉樹繊維の単離は、最も好まし
くは、広葉樹繊維に対する針葉樹繊維の割合が層によっ
て異なる別々の層を得ることにより行なう。好ましく
は、該ティッシュは、1つの内層および2つの外層を含
み、該内層繊維含有物は主に針葉樹であり、該外層繊維
含有物は主に針葉樹である。
本発明の好ましいティッシュペーパーは、比較的に高
密度の領域が高バルク領域(high bulk field)内に分
散するようにパターン高密度化(pattern densified)
されたものであり、比較的に高密度の領域が連続的であ
り、高バルク領域が不連続的であるパターン高密度化テ
ィッシュを含む。最も好ましくは、該ティッシュペーパ
ーは、風乾によるものである。
本発明は、製紙用繊維と粒子状填料とを含んでなるク
レープティッシュペーパーを提供する。その好ましい実
施態様においては、該粒子状填料は、粘土、炭酸カルシ
ウム、二酸化チタン、タルク、ケイ酸アルミニウム、ケ
イ酸カルシウム、アルミナ三水和物、活性炭、パールデ
ンプン(pearl starch)、硫酸カルシウム、ガラスミク
ロスフェア、ケイ藻土、およびそれらの混合物よりなる
群から選ばれる。前記の群から填料を選ぶ場合には、い
くつかの因子を評価する必要がある。これらには、経
費、入手可能性、ティッシュペーパー内への保持の容易
性、色、散乱能、屈折率、および選択された製紙環境と
の化学適合性が含まれる。
特に適した填料は、カオリン粘土である。最も好まし
くは、カオリン粘土のいわゆる「含水ケイ酸アルミニウ
ム」形態が、焼成によりさらに加工されたカオリントと
比べて好ましい。
本発明の実施態様は、結合抑制剤を使用する。好まし
い結合抑制剤は、よく知られているジアルキルジメチル
アンモニウム塩、例えば、ジタロー(ditallow)ジメチ
ルアンモニウムクロリド、ジタロージメチルアンモニウ
ムメチルスルファート、ジ(水素化)タロージメチルア
ンモニウムクロリドを含み、ジ(水素化)タロージメチ
ルアンモニウムメチルスルファートが特に好ましい。そ
の最も好ましい態様においては、本発明は、結合抑制剤
(好ましくは、ヤンキー側表面に対してバイアスしてい
るもの)を使用する。
カオリンのモルホロジーは、もともとは、平らである
か又は濃淡にむらがあるが、機械的な層剥離処理は平均
粒径を減少させる傾向があるため、機械的な層剥離処理
に付されていない粘土を使用するのが好ましい。平均粒
径は、等価球径(equivalent spherical diameter)で
表すのが一般的である。本発明の実施においては、平均
等価球径は、約0.2ミクロン以上、より好ましくは約0.5
ミクロン以上が好ましい。最も好ましくは、約1.0ミク
ロン以上の等価球径が好ましい。
本明細書中で用いるすべてのパーセント、比、および
比率は、特に示さない限り、重量に基づくものである。
〔図面の簡単な説明〕
図1は、製紙用繊維と粒子状填料とを含んでなる強
く、柔らかく、低リント性のクレープティッシュペーパ
ーを製造するための本発明のクレープ製紙法を例示する
略図である。
図2は、カチオン性凝集剤に基づく本発明の1つの実
施態様による、クレープ製紙法のための水性製紙完成紙
料を製造する工程を例示する略図である。
図3は、アニオン性凝集剤に基づく本発明のもう1つ
の実施態様による、クレープ製紙法のための水性製紙完
成紙料を製造する工程を例示する略図である。
図4は、本発明の三層単プライのクレープティッシュ
ペーパーを例示する断面図である。
〔発明の詳細な説明〕
発明とみなされる内容を特に示し明瞭に特許請求する
請求の範囲は、本明細書の最後に記載されているが、以
下の詳細な説明および実施例を読めば、本発明に対する
理解はより深まると考えられる。
本発明で用いる「含んでなる(含む)」なる語は、本
発明の実施において、種々の成分、含有物質または工程
を組合せて使用することができることを意味する。した
がって、「含んでなる(含む)」なる語は、より限定的
な用語である「より実質的になる」および「よりなる」
を包含する。
本発明で用いる「主に」なる語は、重量に基づいた場
合に2分の1を超えることを意味する。
本発明で用いる「水溶性」なる語は、25℃で少なくと
も3重量%まで水に可溶性の物質を意味する。
本発明で用いる「ティッシュペーパー紙匹」、「ペー
パー紙匹」、「紙匹」、「ペーパーシート」および「紙
製品」なる語はすべて、以下の方法により製造される紙
のシートを意味する。この方法は、水性製紙完成紙料を
形成させ、この完成紙料を、フォドリニエールワイヤな
どの有孔表面上で析出させ、加圧するか加圧しないで重
力または真空を用いる排水装置および蒸発により該完成
紙料から水を除去する工程を含み、半乾燥条件中で該シ
ートをヤンキードライヤーの表面に付着させ、実質的な
乾燥状態まで蒸発させて水の除去を完了し、柔軟なクレ
ーピングブレードによりヤンキードライヤーから紙匹を
取り出し、そして得られたシートをリール上に巻き取る
最終工程を含む。
本発明で用いる「充填ティッシュペーパー」なる語
は、多層ティッシュペーパーの少なくとも1層の厚みの
全体に分散した填料を含有する。ヤンキーマシン上で製
造された比較的に軽量で、低密度のクレープティッシュ
ペーパーと記載されうる紙製品を意味する。「全体にわ
たり分散」なる語は、充填ティッシュ製品のある特定の
層の実質的にすべての部分が、填料粒子を含有すること
を意味するが、そのような分散がその層内で必ずしも均
一であることを特に暗示するものではない。実際のとこ
ろ、ティッシュの充填層の厚さの関数として填料濃度を
変化させることにより、何らかの利点が得られると予想
されうる。
「多層ティッシュペーパー紙匹」、「多層ペーパー紙
匹」、「多層紙匹」、「多層ペーパーシート」および
「多層紙製品」なる語はすべて、種々の繊維型(該繊維
は、典型的には、ティッシュペーパーの製造に使用され
る比較的長い針葉樹繊維および比較的短い広葉樹繊維で
ある)を好ましくは含む水性製紙完成紙料の2以上の層
から製造される紙のシートを表すのに当該技術分野にお
いて互換的に使用される。該層は、好ましくは、希薄な
繊維スラリーの別々の流れを1以上のエンドレスな有孔
表面上で析出させることにより形成させる。個々の層が
別々の有孔表面上で最初に形成したら、ついでそれらの
層を湿潤状態で合体させて、多層ティッシュペーパー紙
匹を形成させる。
本発明で用いる「単プライティッシュ製品」なる語
は、それがクレープティッシュの1つのプライ(ply)
を含むことを意味し、該プライは、事実上実質的に均一
であってもよいし、多層ティッシュペーパー紙匹であっ
てもよい。本発明で用いる「多プライティッシュ製品」
なる語は、それがクレープティッシュの2以上のプライ
を含むことを意味する。多プライティッシュ製品のプラ
イは、事実上実質的に均一であってもよいし、多層ティ
ッシュペーパー紙匹であってもよい。
本発明の最初の工程は、少なくとも1つの「水性製紙
完成紙料」の形成である。本発明で用いる「水性製紙完
成紙料」なる語は、通常、木材パルプおよび粒子状填
料、ならびに粒子状填料の保持能および他の任意の機能
特性を付与するのに必要な添加物(所望により後記の修
飾用化学物質を含有させることによる)を含む製紙用繊
維の懸濁液を意味する。製紙完成紙料の代表的な成分の
いくつかを、以下の節に記載する。
製紙完成紙料の成分 製紙用繊維 本発明で使用する製紙用繊維は、通常、あらゆる種類
の木材パルプに含まれていると予想される。しかしなが
ら、他のセルロース繊維性パルプ(例えば、リンター、
バガス、レーヨンなど)を使用することも可能であり、
請求の範囲から除外されているものはない。本発明で有
用な木材パルプには、亜硫酸パルプおよび硫酸塩パルプ
(クラフトと称されることもある)などのケミカルパル
プ、および砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ(TM
P)、ケミ−サーモメカニカルパルプ(CTMP)などのメ
カニカルパルプが含まれる。落葉樹および針葉樹のいず
れに由来するパルプも使用することができる。
広葉樹パルプおよび針葉樹パルプの両方ならびにそれ
らの2つの組合せを、本発明のティッシュペーパー用の
製紙用繊維として使用することができる。本発明で用い
る「広葉樹パルプ」なる語は、落葉樹(被子植物)の木
材物質に由来する繊維状パルプを意味し、一方、「針葉
樹パルプ」は、針葉樹(裸子植物)の木材物質に由来す
る繊維状パルプである。広葉樹クラフトパルプ、特にユ
ーカリ、および北部針葉樹(northern softwood)クラ
フト(NSK)パルプが、本発明のティッシュ紙匹の製造
に特に適している。本発明の好ましい実施態様は、層状
ティッシュ紙匹を含み、この場合、最も好ましくは、ユ
ーカリなどの広葉樹パルプを外層に使用し、北部針葉樹
クラフトパルプを内層に使用する。また、前記の範疇の
繊維のいずれかまたはすべてを含有していてもよい再生
紙に由来する繊維も、本発明に適用できる。
粒子状填料 本発明は、製紙用繊維と粒子状填料とを含んでなるク
レープティッシュペーパーを提供する。その好ましい実
施態様においては、該粒子状填料は、粘土、炭酸カルシ
ウム、二酸化チタン、タルク、ケイ酸アルミニウム、ケ
イ酸カルシウム、アルミナ三水和物、活性炭、パールデ
ンプン、硫酸カルシウム、ガラスミクロスフェア、ケイ
藻土、およびそれらの混合物よりなる群から選ばれる。
前記の群から填料を選ぶ場合には、いくつかの因子を評
価する必要がある。これらには、経費、入手可能性、テ
ィッシュペーパー内への保持の容易性、色、散乱能、屈
折率、および選択される製紙環境との化学適合性が含ま
れる。
現在のところ、特に適当な粒子状填料はカオリン粘土
であることが判明している。カオリン粘土は、粒状物と
して選鉱された天然に存在するケイ酸アルミニウム無機
質の一般名である。
専門用語に関しては、カオリンの製品または加工につ
いて言う場合、か焼に付されていないカオリンを表すの
に「含水」なる語を使用することが当該技術分野におい
ても先行特許文献においても一般的であることが注目さ
れる。か焼では、粘土を450℃以上の温度に付すが、こ
の温度はカオリンの基本結晶構造を変化させる働きがあ
る。いわゆる「含水」カオリンは、例えばフロス浮選、
磁力選鉱、機械的層剥離、磨砕または同様の粉砕選鉱に
付されているが結晶構造を損なうと考えられる前記の加
熱には付されていない粗製カオリンから製造されたかも
しれない。
技術的な意味で厳密に言えば、これらの物質を「含
水」と記載するのは不適切である。より詳しくは、実際
には、カオリナイト構造中に水分子は存在しないのであ
る。したがって、組成が2H2OoAl2O3o2SiO2という形で根
拠なく記載されることが多いが、カオリナイトが、この
水和された式と同等とみなされるAl2(OH)4Si2O5とい
う近似的な式を有するアルミニウムヒドロキシドシリカ
ートであることは古くから知られている。カオリンは、
一旦、か焼に付されると(本明細書の目的においては、
これは、ヒドロキシル基の除去に十分な時間、450℃以
上の温度にカオリンを付すことを意味する)、カオリナ
イトの元の結晶構造は破壊される。したがって、厳密に
は、該か焼粘土はもはや「カオリン」ではないが、これ
を、か焼カオリンと称するのが当該技術分野では一般的
であり、本明細書の目的においては、物質「カオリン」
のクラスを挙げる場合には、か焼物質を含める。したが
って、「含水」ケイ酸アルミニウムは、か焼に付されて
いない天然カオリンを意味する。
含水ケイ酸アルミニウムは、本発明の実施において最
も好ましいカオリンの形態である。したがって、それ
は、前記のとおり、450℃以上の温度で水蒸気として約1
3重量%が失われることにより特徴づけられる。
カオリンは薄い小板の形態で天然に存在し、それらが
互いに付着して「スタック」または「書冊構造」を形成
しているため、カオリンのモルホロジーは、もともと
は、平らであるか又は濃淡にむらがある。スタックは、
加工中に或る程度は個々の小板に分離するが、機械的な
層剥離処理に付されていない粘土を使用するのが好まし
い。なぜなら、機械的な層剥離処理は、平均粒径を減少
させる傾向があるからである。平均粒径は、等価球径
(equivalent spherical diameter)で表すのが一般的
である。本発明の実施においては、平均等価球径は、約
0.2ミクロン以上、より好ましくは約0.5ミクロン以上が
好ましい。最も好ましくは、約1.0ミクロン以上の等価
球径が好ましい。
採掘されたほとんどの粘土は、湿式処理に付される。
粗製粘土を水性懸濁すると、粗い不純物を遠心分離によ
り除去することが可能になり、化学的漂白のための媒体
が得られる。粘度を減少させ、沈降を遅くするために、
そのようなスラリーにポリアクリレート重合体またはリ
ン酸塩を加えることがある。得られた粘土は、通常は、
約70%の固体懸濁液として乾燥することなく出荷される
が、噴霧乾燥されることもある。
空気浮動、フロス浮選、洗浄、漂白、噴霧乾燥、物質
(例えば、安定化剤および粘度調節剤)の添加などの粘
土に対する処理が一般に許容されが、これらの処理は、
ある特定の状況における手近で具体的な商業的考慮に基
づいて選択すべきである。
各粘土小板そのものは、ポリケイ酸アルミニウムの多
層構造である。酸素原子の連続的な配列が、各基底層の
一方の面を形成する。ポリシリカートのシート構造の端
が、これらの酸素原子により合体される。結合した八面
体アルミナ構造のヒドロキシル基の連続的な配列が他方
の面を形成して、二次元ポリアルミニウムオキシド構造
を形成する。四面体構造と八面体構造とを共有する酸素
原子が、アルミニウム原子をケイ素原子に結合させる。
集合が不完全な場合には、主として、懸濁液中でアニ
オン電荷を有する天然粘土粒子が生じる。このようなこ
とが起こるのは、他の二価、三価および四価のカチオン
がアルミニウムと置換するためである。その結果、該表
面上のいくつかの酸素原子がアニオン性となり、ヒドロ
キシル基の解離性が弱くなる。
また、天然粘土は、そのアニオンを他の好ましいもの
と交換しうるカチオン性を有する。これが生じる理由
は、結合の十分な補完を欠くアルミニウム原子が、小板
の末端付近で或る頻度で存在することにある。そのよう
なアルミニウム原子は、アニオンで占められている水性
懸濁液からアニオンを誘引することにより、その残りの
原子価を満たすにちがいない。これらのカチオン性部位
が溶液からのアニオンで満たされない場合は、粘土がそ
れ自身を端対面(edge to face)にて配向させて、濃厚
な分散液を形成する「カードハウス(card house)」構
造を構成することにより、粘土がそれ自身の電荷平衡を
満足させることがある。ポリアクリレート分散剤は、該
カチオン部位とイオン交換して粘土に反発性を付与し、
これらの集合を妨害し、粘土の製造、出荷および使用を
容易にする。
カオリン等級WW Fil SDは、Dry Branch Kaolin Com
pany(Dry Branch,Georgia)から市販されている噴霧乾
燥されたカオリンであり、これは、本発明のクレープテ
ィッシュペーパー紙匹の製造に適している。
デンプン 本発明のいくつかの態様においては、製紙完成紙料の
成分の1つとしてデンプンを含めるのが有用である。粒
子状填料および繊維の存在下で限られた水溶性を有する
デンプンが、以下に説明する本発明の或る態様において
特に有用である。これを達成するための一般的な手段
は、いわゆる「カチオン性デンプン」を使用することで
ある。
本発明で用いる「カチオン性デンプン」なる語は、天
然に由来するデンプンをさらに化学修飾してカチオン性
構成部分を付与したデンプンと定義される。好ましく
は、該デンプンは、トウモロコシまたはジャガイモに由
来するが、米、小麦、タピオカなどの他の起源に由来す
るものであってもよい。アミオカ(amioca)デンプンと
しても工業的に知られている蝋質トウモロコシ(waxy m
aize)からのデンプンが特に好ましい。アミオカデンプ
ンは、一般的なデントコーンスターチとは異なる。すな
わち、アミオカデンプンは完全にアミロペクチンである
が、一般のコーンスターチはアミロペクチンとアミロー
スとを共に含有している。アミオカデンプンに特有の種
々の特性が、“Amioca−The Starch from Waxy Corn",
H.H.Schopmeyer,Food Industries,1945年12月,pp.106−
108にさらに記載されている。該デンプンは、顆粒形
態、前ゼラチン化顆粒形態または分散形態であってもよ
い。分散形態が好ましい。顆粒前ゼラチン形態の場合に
は、それを、使用前に冷水に分散しさえすればよく、唯
一注意すべきは、分散液の形成においてゲルブロック
(gel−block)するいずれかの傾向を抑制する装置を使
用することである。エダクターとして公知の適当な分散
器が、当該技術分野において一般的である。デンプンが
顆粒形態であり、前ゼラチン化されていない場合には、
デンプンを蒸解して、顆粒の膨潤を誘導することが必要
である。好ましくは、そのようなデンプン顆粒を、蒸解
などにより、デンプン顆粒の分散の直前の点まで膨潤さ
せる。そのような高度に膨潤したデンプン顆粒は、「完
全に蒸解」されたと称されるであろう。分散のための条
件は、一般には、デンプン顆粒のサイズ、顆粒の結晶化
度、および存在するアミロースの量に応じて様々となり
うる。完全に蒸解されたアミオカデンプンは、例えば、
デンプン顆粒の約4%コンシステンシーの水性スラリー
を約190゜F(約88℃)で約30〜約40分間加熱することに
より調製することができる。
カチオン性デンプンは、一般には以下のとおり分類す
ることができる:(1)第三級アミノアルキルエーテ
ル、(2)第四級アミン、ホスホニウムおよびスルホニ
ウム誘導体を含むオニウムデンプンエーテル、(3)第
一級および第二級アミノアルキルデンプン、および
(4)その他(例えば、イミノデンプン)。新規カチオ
ン製品の開発が続けられているが、市販されている主な
型は、第三級アミノアルキルエーテルおよび第四級アン
モニウムアルキルエーテルである。好ましくは、カチオ
ンデンプンは、デンプンのアンヒドログルコース単位当
たり約0.01〜約0.1カチオン置換の置換度を有し、該置
換基は、好ましくは、前記の型から選択される。適当な
デンプンは、RediBONDの商品名でNational Starch an
d Chemical Company(Bridgewater,New Jersey)により
製造されている。カチオン部分のみを有する等級(例え
ば、RediBOND5320およびRediBOND5327)が適してお
り、追加的なアニオン官能性を有する等級(例えば、Re
diBOND2005)も適している。
理論に拘泥するものではないが、最初に水に溶解した
カチオン性デンプンは、填料表面上のアニオン部位を誘
引するため、填料の存在下で不溶性になると考えられ
る。これにより、より多数の填料粒子に誘引表面を与え
る分枝状(bushy)デンプン分子に填料が覆われ、最終
的には、填料のアグロメレーションが生じる。この工程
に必須の要素は、デンプンの荷電特性ではなく、デンプ
ン分子のサイズおよび形状であると考えられる。例え
ば、カチオン性デンプンの代わりに合成線状高分子電解
質などの電荷偏倚(biasing)種を使用すると、良くな
い結果が予想されるであろう。
本発明の1つの実施態様においては、好ましくは、粒
子状填料にカチオン性デンプンを加える。この場合、カ
チオン性デンプンの添加量は、粒子状填料の重量に基づ
いた場合、約0.1重量%〜約2重量%であるが、最も好
ましくは、約0.25重量%〜約0.75重量%である。本発明
のこの態様においては、保持補助剤としてカチオン性凝
集剤を使用するのが好ましい。
本発明のもう1つの実施態様においては、好ましく
は、ファンポンプにおける最終希釈の前の時点で、完全
な水性製紙完成紙料にカチオン性デンプンを加えるのが
好ましい。本発明のこの態様は、保持補助剤としてアニ
オン性凝集剤を使用する。本発明のこの態様において
は、アニオン性凝集剤の比率の約5〜約20倍の比率でカ
チオン性デンプンを加えるのが好ましい。
前記のカチオン性凝集剤およびアニオン性凝集剤を、
以下の節で詳細に説明する。
保持補助剤 多数の物質が、いわゆる「保持補助剤」として市販さ
れている。本発明で用いる「保持補助剤」なる語は、製
紙工程中に、細かい完成紙料固体を紙匹中で保持するの
を増強するために使用する添加物を意味する。その細か
い固体が適当に保持されないと、該固体は、処理流出液
中へ失われてしまうか、あるいは再循環している白色の
水のループ中で非常に高濃度で蓄積し、析出物の蓄積、
排水不良などの製造上の問題を引き起こす。参考として
本明細書に組入れるJ.E.UnbehendおよびK.W.Britt,“Pu
lp and Paper,Chemistry and Chemical Technology",第
3版,Vol.3,A Wiley Interscience Publicationの第17
章,“Retention Chemistry"を読めば、高分子保持補助
剤の機能の型およびメカニズムを本質的に理解すること
ができる。凝集剤は、架橋メカニズムにより、懸濁粒子
を塊状化する。ある種の多価カチオンが一般的な凝集剤
であると考えられているが、一般的に言えば、実際に
は、それらの代わりに、作用がより優れたポリマーが使
用されつつあり、このポリマーは、ポリマー鎖に沿って
多数の荷電部位を保持している。
カチオン性凝集剤 本発明のティッシュ製品は、保持補助剤として「カチ
オン性凝集剤」を使用することにより効率的に製造する
ことができる。本発明で用いる「カチオン性凝集剤」な
る語は、高分子電解質の1つのクラスを意味する。これ
らのポリマーは、一般には、カチオン性モノマーよりな
る又はそれを含むエチレン的に不飽和な1以上のモノマ
ー(一般には、アクリルモノマー)の共重合に由来す
る。
適当なカチオン性モノマーは、酸塩または第四級アン
モニウム塩のいずれかとしてのジアルキルアミノアルキ
ル−(メタ)アクリレートまたは−(メタ)アクリルア
ミドである。適当なアルキル基には、ジアルキルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノエチル
(メタ)アクリルアミドおよびジアルキルアミノメチル
(メタ)アクリルアミドおよびジアルキルアミノ−1,3
−プロピル(メタ)アクリルアミドが含まれる。これら
のカチオン性モノマーを、好ましくは、ノニオン性モノ
マー、好ましくはアクリルアミドと共重合させる。他の
適当なポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリア
ミドエピクロロヒドリンポリマー、およびジアルキルジ
メチルアンモニウムクロリドなどのモノマーのホモポリ
マーまたは該モノマーと一般にはアクリルアミドとのコ
ポリマーが挙げられる。
保持補助剤として紙に使用するのに適した通常の任意
のカチオン合成高分子凝集剤を、本発明の製品の製造に
有用に使用することができる。
好ましくは、該ポリマーは、カチオン化デンプンの球
状構造と比べて実質的に線状である。
広い範囲の電荷密度が有用であるが、中等度の密度が
好ましい。本発明の製品の製造に有用なポリマーは、ポ
リマー1g当たりわずか約0.2ミリ当量から約2.5ミリ当量
にも及び範囲の頻度、好ましくは、ポリマー1g当たり約
1〜約1.5ミリ当量の頻度でカチオン性官能基を含有す
る。
本発明のティッシュ製品の製造に有用なポリマーは、
少なくとも約500,000の分子量、好ましくは約1,000,000
以上の分子量を有するべきであり、約5,000,000以上の
分子量を有する場合が有利かもしれない。
許容される物質としては、例えば、すべてHercules,I
nc.(Wilmington,Delaware)の製品であるRETEN 1232
およびMicroform2321(共に、乳化重合カチオン性ポ
リアクリルアミドである)、RETEN 157(これは、固
体顆粒として配送される)が挙げられる。もう1つの許
容されるカチオン性凝集剤としては、Cytec,Inc.(Stam
ford,CT)の製品であるAccurac91が挙げられる。
当業者であれば、これらのポリマーの所望の使用割合
は広範囲の様々な値をとりうると認識するであろう。ポ
リマーの乾燥重量およびティッシュペーパーの最終乾燥
重量に基づきわずか約0.005重量%のポリマー量でも、
有用な結果を与えるであろう。しかしながら、通常は、
使用割合は、さらに高くなると予想され、本発明の目的
においては、これらの物質を使用する一般的な実施よ
り、はるかに高くなると予想される。約0.5%にも及ぶ
量であってもよいが、通常は、約0.1%が最適である。
アニオン性凝集剤 本発明のもう1つの態様においては、「アニオン性凝
集剤」が有用な成分である。本発明で用いる「アニオン
性凝集剤」は、ぶら下がっているアニオン性基を有する
高分子量のポリマーを意味する。
アニオン性ポリマーは、カルボン酸(−COOH)部分を
有することが多い。これらは、ポリマーバックボーンに
直接ぶら下がったり、典型的にはアルカレン基(特に、
数個の炭素のアルカレン基)を介してぶら下がることが
できる。水性媒体中では、低pHの場合を除き、そのよう
なカルボン酸基はイオン化して、該ポリマーに負電荷を
付与する。
アニオン性凝集剤に適したアニオン性ポリマーは、重
合に際してカルボン酸基を与える傾向があるモノマー単
位より完全にまたは実質的になるわけではなく、ノニオ
ン性官能性およびアニオン性官能性の両方を与えるモノ
マーの組合せを含む。ノニオン性官能性を与えるモノマ
ーは、特に極性を有する場合には、イオン性官能性と同
じ凝集傾向を示すことが多い。そのようなモノマーをし
ばしば加えるのは、この理由による。しばしば使用され
るノニオン単位は、(メタ)アクリルアミドである。
比較的に高い分子量を有するアニオン性ポリアクリル
アミドが、満足できる凝集剤である。そのようなアニオ
ン性ポリアクリルアミドは、(メタ)アクリルアミドと
(メタ)アクリル酸との組合せを含有し、その後者は、
重合工程中の(メタ)アクリル酸モノマーの添加、また
は重合後のいくつかの(メタ)アクリルアミド単位の加
水分解、またはそれらを組合せた方法に由来するもので
あってもよい。
好ましくは、該ポリマーは、アニオン性デンプンの球
状構造と比べて実質的に線状である。
広い範囲の電荷密度が有用であるが、中等等の密度が
好ましい。本発明の製品の製造に有用なポリマーは、ポ
リマー1g当たりわずか約0.2ミリ当量から約7ミリ当量
以上にも及ぶ範囲の頻度、より好ましくは、ポリマー1g
当たり約2〜約4ミリ当量の頻度でカチオン性官能基を
含有する。
本発明のティッシュ製品の製造に有用なポリマーは、
少なくとも約500,000の分子量、好ましくは約1,000,000
以上の分子量を有するべきであり、約5,000,000以上の
分子量を有する場合が有利かもしれない。
許容される物質としては、例えば、Hercules,Inc.(W
ilmington,Delaware)の製品であるRETEN 235(これ
は、固体顆粒として配送される)が挙げられる。もう1
つの許容されるカチオン性凝集剤としては、Cytec,Inc.
(Stamford,CT)の製品であるAccurac62が挙げられ
る。
当業者であれば、これらのポリマーの所望の使用割合
は広範囲の様々な値をとりうると認識するであろう。テ
ィッシュペーパーの最終乾燥重量に基づきわずか約0.00
5重量%のポリマー量でも、有用な結果を与えるであろ
う。しかしながら、通常は、使用割合は、さらに高くな
ると予想され、本発明の目的においては、これらの物質
を使用する一般的な実施より、はるかに高くなると予想
される。約0.5%にも及ぶ量であってもよいが、通常
は、約0.1%が最適である。
結合抑制剤 本発明には、結合抑制剤が明示的に含まれる。許容さ
れる結合抑制剤は、よく知られているジアルキルジメチ
ルアンモニウム塩を含み、例えば、ジタロージメチルア
ンモニウムクロリド、ジタロージメチルアンモニウムメ
チルスルファート、ジ(水素化)タロージメチルアンモ
ニウムクロリド、好ましくは、ジ(水素化)タロージメ
チルアンモニウムメチルスルファートを含む。この個々
の物質は、Witco Chemical Company Inc.(Dublin,Ohi
o)からVarisoft 137の商品名で商業的に入手可能で
ある。結合抑制剤は、製紙工程中に生じる繊維と繊維と
の自然の結合を妨害するように作用する。結合抑制剤を
使用する場合のその割合は、好ましくは、ティッシュペ
ーパーの乾燥重量に基づき約0.02重量%〜約0.5重量%
である。最も好ましくは、結合抑制剤は、ヤンキー側層
中で使用する。
他の添加物 製品に他の特性を付与したり、あるいは製紙法を改良
するために、水性製紙完成紙料または初期紙匹へ他の物
質を加えることができる。ただし、これは、そのような
他の物質が、選択された粒子状填料の化学に適合し、本
発明の柔らかさ、強度、低ダスト特性に有意な悪影響を
及ぼさない場合に限られる。以下の物質が明示的に含ま
れるが、これらは包括的に記載されているわけではな
い。本発明の利点を損なったり妨げない限り、その他の
物質を含めることも可能である。
水性製紙完成紙料の電位を制御するために、それを製
紙工程に移す際に、カチオン電荷偏倚(biasing)種を
製紙工程に加えるのが一般的である。これらの物質を使
用するのは、セルロース性繊維および細粉ならびにほと
んどの無機填料の表面を含め、該固体のほとんどが天然
で負の表面電荷を有するからである。当業者の多くは、
カチオン性電荷偏倚種が望ましいと考えている。なぜな
ら、カチオン性電荷偏倚種は、これらの固体を部分的に
中和し、それらが、前記のカチオン性デンプン、カチオ
ン性高分子電解質などのカチオン性凝集剤により凝集さ
れるのをより容易にするからである。通常使用されるカ
チオン性偏倚種の1つとして、ミョウバンが挙げられ
る。当該技術分野においては最近になって、比較的に低
分子量のカチオン性合成ポリマー(好ましくは、約500,
000以下、より好ましくは、約200,000以下、さらに好ま
しくは、約100,000の分子量を有するもの)を使用する
ことにより電荷偏倚が行われている。そのような低分子
量のカチオン性合成ポリマーの電荷密度は、比較的高
い。これらの電荷密度は、ポリマー1kg当たりのカチオ
ン性窒素が約4〜約8当量となる範囲である。1つの適
当な物質として、Cytec,Inc.(Stamford,CT.)の製品で
あるCypro514が挙げられる。そのような物質の使用
は、本発明の実施において特に許容される。しかしなが
ら、それらの適用に際して注意すべきことがある。その
ような物質は少量であっても、より大きな凝集剤分子に
接近しがたいアニオン中心を中和して粒子反発を低下さ
せることにより、実際に保持を助けることが良く知られ
ている。しかしながら、そのような物質は、アニオン性
アンカー部位に関してカチオン性凝集剤と競合しうるた
め、それらは実際には、アニオン性部位が限定されてい
る場合に保持に負に作用することにより、意図に反する
影響を及ぼすことがあるのである。
形成、排水、強度および保持を向上させるために、大
きな表面積で高いアニオン性荷電の微粒子を使用するこ
とが、当該技術分野でよく知られている。例えば、参考
として本明細書に組入れる1993年6月22日付け発行のSm
ithの米国特許第5,221,435号を参照されたい。この目的
のための一般的な物質は、シリカコロイドまたはベント
ナイト粘土である。そのような物質の添加は、本発明の
範囲内に明示的に含まれる。
永久的な湿潤強さを望む場合には、ポリアミド−エピ
クロロヒドリン、ポリアクリルアミド、スチレン−ブタ
ジエンラテックス;不溶化ポリビニルアルコール;尿素
−ホルムアルデヒド;ポリエチレンイミン;キトサンポ
リマーおよびそれらの混合物を含む化学物質の群を、製
紙完成紙料または初期紙匹に加えることができる。ポリ
アミド−エピクロロヒドリン樹脂は、特に有用であるこ
とが判明しているカチオン性の湿潤強い樹脂である。そ
のような樹脂の適当な型は、共に参考として本明細書に
組入れる共にKeimの1972年10月24日付け発行の米国特許
第3,700,623号および1973年11月13日付け発行の米国特
許第3,772,076号に記載されている。有用なポリアミド
−エピクロロヒドリン樹脂の市販元の1つとしては、そ
のような樹脂をKymene557Hの登録商標で販売している
Hercules,Inc.(Wilmington,Delaware)が挙げられる。
多数のクレープペーパー製品は、トイレから腐敗系ま
たは下水系中へ処分される必要があるため、湿潤時の強
度が限られたものでなければならない。これらの製品に
湿潤強さを付与する場合には、水の存在下で放置した際
にその能力の一部または全部が減弱することにより特徴
づけられる一時的な湿潤強さとすることが好ましい。一
時的な湿潤強さが望ましい場合には、結合物質は、ジア
ルデヒドデンプンや、アルデヒド官能性を有する他の樹
脂、例えば、National Starch and Chemical Companyか
ら供給されるCo−Bond 1000、Cytec(Stamford,CT)
から供給されるParez 750、および参考として本明細
書に組入れる1991年1月1日付け発行のBjorkquistの米
国特許第4,981,557号に記載されている樹脂よりなる群
から選ぶことができる。
吸収力を増強する必要がある場合には、界面活性剤を
加えて、本発明のクレープティッシュペーパー紙匹を処
理することができる。使用する界面活性剤の割合は、好
ましくは、ティッシュペーパーの乾燥繊維重量に基づき
約0.01重量%〜約2.0重量%である。界面活性剤は、好
ましくは、炭素数8以上のアルキル鎖を有する。アニオ
ン界面活性剤としては、例えば、線状アルキルスルホナ
ートおよびアルキルベンゼンスルホナートが挙げられ
る。ノニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルグ
リコシドエステルなどのアルキルグリコシド、例えば、
Croda,Inc.(New York,NY)より入手可能なCrodesta SL
−40;1977年3月8日付け発行のW.K.Langdonらの米国
特許第4,011,389号に記載されているアルキルグリコシ
ドエーテル;およびアルキルポリエトキシル化エステ
ル、例えば、Glyco Chemicals,Inc.(Greenwich,CT)よ
り入手可能なPegosperse 200 MLおよびRhone Poulenc C
orporation(Cranbury,NJ)より入手可能なIGEPAL RC−
520が挙げられる。
また、本発明は、紙匹の表面上またはヤンキードライ
ヤー上に噴霧するように設計されている接着剤および塗
料(そのような製品は、ヤンキードライヤーに対する粘
着を制御するように設計されている)と組合せて使用す
ることができる。例えば、参考として本明細書に組入れ
るBatesの米国特許第3,926,716号は、ヤンキードライヤ
ーに対するペーパー紙匹の粘着を向上させるために、或
る加水分解度および粘度のポリビニルアルコールの水性
分散液を使用する方法を開示している。そのようなポリ
ビニルアルコールは、Air Products and Chemicals,In
c.(Allentown,PA)からAirvolの登録商標で販売され
ており、本発明と組合せて使用することができる。直接
ヤンキー上またはシートの表面上での使用に同様に推奨
される他のヤンキー塗料としては、カチオン性ポリアミ
ドまたはポリアミン樹脂、例えば、Houghton Internati
onal(Valley Forge,PA)によりRezosolおよびUnisof
tの登録商標で製造されているもの、およびHercules,
Inc.(Wilmington,Delaware)によりCrepetrolの登録
商標で製造されているものが挙げられる。これらもま
た、本発明と組合せて使用することができる。好ましく
は、部分的に加水分解されたポリビニルアルコール樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリアミン樹脂、鉱油およびそれ
らの混合物よりなる群から選ばれる接着剤を用いて、紙
匹をヤンキードライヤーに固定する。より好ましくは、
接着剤は、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、鉱油お
よびそれらの混合物よりなる群から選ばれる。
前記で挙げた所望により使用する化学接着剤は、単な
る例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではな
い。
水性製紙完成紙料の製造 当業者であれば、製紙完成紙料の定性的な化学組成だ
けでなく、とりわけ、各成分の相対量ならびに添加の順
序および時機も、クレープ製紙法に重要であると認識す
るであろう。水性製紙完成紙料の製造において、以下の
方法が適していることが現在判明しているが、その説明
は、本明細書の最後に記載する請求の範囲により定めら
れる本発明の範囲を限定するものではないとみなされる
べきである。
まず、先行技術文献に十分に記載されている一般的な
任意のパルプ化方法により水性スラリー中に個々の繊維
を遊離させることにより、製紙用繊維を製造する。つい
で、必要に応じて、製紙完成紙料の選択部分上で精砕を
行なう。粒子状填料を吸着させるために後で使用する水
性スラリーを、カナダ標準形ろ水度の当量で少なくとも
約600ml、好ましくは550ml以下に精砕すると、保持の点
で有利であることが判明している。一般には、希釈する
とポリマーおよび保持補助剤の吸収に有利であり、した
がって、製造のこの時点の製紙用繊維のスラリーは、好
ましくは、固体が約3〜5重量%以下である。
まず、選択された粒子状填料を製造するが、これは、
それを同様に水性スラリーに分散することにより行な
う。一般には、希釈すると、固体表面上へのポリマーお
よび保持補助剤の吸収に有利であり、したがって、製造
のこの時点の製紙用繊維のスラリーは、好ましくは、固
体が約1〜5重量%以下である。
本発明の1つの態様は、カチオン性凝集剤による保持
の化学に基づく。それは、まず、粒子状填料の存在下
で、水溶性が限られたデンプンを加えることを含む。好
ましくは、該デンプンはカチオン性であり、それを水性
分散液として、該デンプンの乾燥重量および該粒子状填
料の乾燥重量に基づき約0.3重量%〜1.0重量%の量に
て、厳密には粒子状填料の希薄な水性スラリーへ加え
る。
理論に拘泥するものではないが、該デンプンは、填料
にアグロメレーション剤として作用し、該粒子のアグロ
メレーションを引き起こすと考えられる。このようにし
て填料がアグロメレーションされると、製紙用繊維表面
上に填料が、より有効に吸着される。凝集粒子のスラリ
ーと製紙用繊維の少なくとも1つのスラリーとを合体さ
せ、得られた混合物にカチオン性凝集剤を加えることに
より、繊維表面上への填料の吸着を達成することができ
る。ここでもまた理論に拘泥するものではないが、凝集
剤の作用は、この時点で、製紙用繊維上のアニオン性部
位と填料凝集粒子上のアニオン性部位とを架橋すること
により有効となると考えられる。
カチオン性凝集剤は、製紙工程の紙料製造系のアプロ
ーチフロー(approach flow)における適当な任意の時
点で加えることができる。該工程から回収された機械水
(machine water)で最終希釈を行なうファンポンプの
後で、カチオン性凝集剤を加えるのが特に好ましい。凝
集剤により生じた架橋が剪断段階で分解されることが製
紙業の分野では良く知られており、したがって、可能な
限り多数の剪断段階を水性製紙スラリーが経た後で凝集
剤を加えるのが一般的な常套手段となっている。
本発明のもう1つの態様は、アニオン性凝集剤に基づ
く。この態様においては、好ましくは、アニオン性凝集
剤を、水性製紙完成紙料の残りから実質的に単離しなが
ら、少なくとも粒子状填料の水性スラリーへ加える。つ
いで、アニオン性凝集剤と粒子状填料とを一緒にしたも
のを、製紙用繊維の少なくとも一部と混合し、該混合物
へカチオン性デンプンを加える。この混合およびデンプ
ンの添加は、好ましくは、回収された機械水を水性製紙
完成紙料と合わせてファンポンプによりヘッドボックス
へ運搬する工程の最終希釈の前に行なう。
デンプンを加えた後に、凝集剤の追加量を加えるのが
有利である。本発明のこの態様においては、凝集剤の初
回量はアニオン型あることが必須であるが、ファンポン
プの後で加える凝集剤の一部は、アニオン型またはカチ
オン型のいずれであってもよい。最も好ましくは、凝集
剤のこの追加量を、回収された機械水での最終希釈の
後、すなわちファンポンプの後で加える。凝集剤により
生じたフロックが剪断段階で分解されることが製紙業の
分野では良く知られており、したがって、可能な限り多
数の剪断段階を水性製紙スラリーが経た後で凝集剤を加
えるのが一般的な常套手段となっている。
当業者であれば、前記で推奨されているとおりに凝集
剤を粒子状填料に直接加えることは、最小剪断段階アプ
ローチ(minimum shear stage approach)に対する例外
であると認識するであろう。したがって、本発明のこの
態様においては、アニオン性凝集剤の少なくとも一部を
粒子状填料(それは、水性製紙完成紙料の残りの成分を
実質的に含まない)に加え、凝集剤で処理された粒子状
填料を、最終希釈段階の前に製紙用繊維に加える場合に
予想外の利点が得られる。アニオン性凝集剤の添加点に
関する適当な比は、約4:1である。すなわち、ファンポ
ンプの後で加える凝集剤の合計量の1部に対して、約4
部を粒子状填料に直接加えるのが有利である。この比は
非常に様々な値をとることが可能であり、状況の変化に
応じて約0.5:1から10:1の比が適当であると予想され
る。
本発明のいずれかの態様を代表する製品の製造におい
ては、製紙用繊維の複数のスラリーを調製する場合に
は、1以上のスラリーを使用して、本発明に従い粒子状
繊維を吸着させることができる。製紙工程における製紙
用繊維の水性スラリーの1以上が、そのファンポンプに
到達する前に粒子状填料を比較的含まない状態で維持さ
れる場合であっても、そのようなスラリーのファンポン
プの後でカチオン性またはアニオン性凝集剤を加えるこ
とが好ましい。その理由は、有孔スクリーンを既に通過
した際に保持されなかった填料凝集粒子を、そのファン
ポンプで使用する回収水が含有するからである。クレー
プ製紙法で複数の希薄繊維スラリーを使用する場合に
は、カチオン性またはアニオン性凝集剤の流動を、好ま
しくは、すべての希薄繊維スラリーに加え、また、それ
を加える際には、それが各希薄繊維スラリーの水性製紙
完成紙料の固体の流動とほぼ釣り合うようにすべきであ
る。
好ましい態様においては、広葉樹パルプを含む比較的
短い製紙用繊維のスラリーを調製し、微粒子状填料を吸
着させるのに使用し、一方、針葉樹パルプを含む比較的
長い製紙用繊維スラリーを調製し、該微粒子を実質的に
含まないままで維持する。得られた短い繊維のスラリー
は、最終的には、三層ヘッドボックスの外側のチャンバ
へ導かれて三層ティッシュの表面層を形成する。この場
合、比較的に長い製紙用繊維のスラリーは、ヘッドボッ
クスの内側チャンバへ導かれ、そこから長い繊維の内側
の層が形成される。得られた充填ティッシュ紙匹は、単
プライティッシュ製品に交換するのに特に適している。
もう1つの好ましい態様においては、広葉樹パルプを
含む比較的短い製紙用繊維のスラリーを調製し、微粒子
状填料を吸着させるのに使用し、一方、針葉樹パルプを
含む比較的長い製紙用繊維スラリーを調製し、該微粒子
を実質的に含まないままで維持する。得られた短い繊維
のスラリーは、最終的には、二室ヘッドボックスの1つ
のチャンバへ導かれて二層ティッシュの1つの層を形成
する。この場合、比較的に長い製紙用繊維のスラリー
は、ヘッドボックスの第2チャンバへ導かれ、そこから
長い繊維のもう1つの層が形成される。得られた充填テ
ィッシュ紙匹は、多プライティッシュ製品(これは、比
較的に短い製紙用繊維を含む層が2−プライティッシュ
製品の表面上に来るように各プライが配向している2つ
のプライを含む)に変換するのに特に適している。
もう1つの好ましい態様においては、広葉樹パルプを
含む比較的短い製紙用繊維のスラリーを調製し、微粒子
状填料を吸着させるのに使用し、一方、広葉樹パルプを
含む比較的短い製紙用繊維スラリーを調製し、微粒子を
比較的に含まないままで維持し、針葉樹パルプを含む比
較的長い製紙用繊維スラリーを調製し、該微粒子を実質
的に含まないままで維持する。微粒子状填料を含有する
得られた短い繊維のスラリーは、最終的には、多室ヘッ
ドボックスの1つのチャンバへ導かれる。一方、粒子を
比較的に含まないままで維持した得られた短い繊維のス
ラリーは、もう1つのチャンバへ導かれ、得られた長い
繊維のスラリーは、さらにもう1つのチャンバへ導かれ
る。好ましくは、比較的長い繊維のスラリーを導くチャ
ンバを、残りの2つのチャンバの間に配置し、微粒子状
填料を含有する比較的短い繊維のスラリーを収容するチ
ャンバが、有孔表面の反対側にそのスラリーを堆積する
ように、これらのチャンバを配置する。
また、当業者であれば、ヘッドボックスのチャンバの
見掛け上の数は、同じ型の水性製紙完成紙料を隣接チャ
ンバに導くことにより減少させることができると認識す
るであろう。例えば、前記の三室ヘッドボックスは、実
質的に同じ水性製紙完成紙料を2つの隣接チャンバのい
ずれかに単に導くことにより、二室ヘッドボックスとし
て使用することができるであろう。
すべての態様においては、本発明により定められるリ
ント率を与えるように各層へ導く完成紙料を構成するこ
とが必要である。これは、反ヤンキー側層の起源となる
完成紙料にデンプンを優先的に加え、それにより、ヤン
キー側層の起源となる完成紙料に加えるデンプンを減少
させることにより達成される。また、結合抑制剤をヤン
キー側層へ優先的に加えることにより、リント率を増加
させる。
理論に拘泥するものではないが、バイアス表面特性を
有さない充填ティッシュペーパーのヤンキー側表面は、
填料を含有しない同様に製造されたティッシュ紙匹ほど
平滑ではないと考えられている。これは、繊維が微粒子
で置換されることに伴う強度の喪失に打ち勝つために繊
維をより強固に結合させる必要があることから生じると
考えられる。反ヤンキー側ではこの相違が顕著でない
が、これは、この側の表面が、もともと、より変化に富
むためである。そのため、ワイヤー側の結合を減少させ
ることは、反ヤンキー側層上の結合をさらに増加させる
ことに伴う欠点を補って余りある正の効果を与える。
水性製紙完成紙料の製造法は、図2(これは、カチオ
ン性凝集剤に基づく本発明の態様による製品を与えるク
レープ製紙操作のための水性製紙完成紙料の製造を例示
する略図である)および図3(アニオン性凝集剤に基づ
く本発明のもう1つの態様による製品を与えるクレープ
製紙操作のための水性製紙完成紙料の製造を例示する略
図である)を参照することにより、より直感的に理解す
ることができる。以下、図2について検討する。
貯蔵槽1は、比較的長い製紙用繊維の水性スラリーを
ステージする(staging)ために設けられている。該ス
ラリーはポンプ2により運ばれるが、長い製紙用繊維の
潜在強度性を完全に引き出すために所望によりリファイ
ナー3を通過させてもよい。追加的パイプ4は、最終製
品に必要な湿潤および乾燥強さを付与する樹脂を運ぶ。
ついで、該樹脂の吸収を助けるために該スラリーをミキ
サー5中でさらに調整する。ついで、適切に調整された
スラリーをファンポンプ6中で白水7で希釈して、希薄
な長い製紙用繊維スラリー15を形成させる。パイプ20
は、スラリー15にカチオン性凝集剤を加えて、凝集した
長い繊維のスラリー22を与える。
さらに図2を参照すると、貯蔵槽8は、微粒子状填料
スラリーの収納場所である。追加的パイプ9は、カチオ
ン性デンプン添加物の水性分散液を運ぶ。ポンプ10は、
該微粒子状スラリーを運ぶと共に、該デンプンの分散液
を与えるように機能する。該添加物の吸収を助けるため
にミキサー12中で該スラリーを調整する。得られたスラ
リー13は、それが、精砕された短い製紙用繊維の水性分
散液と混合される地点まで運ばれる。
さらに図2を参照すると、短い製紙用繊維スラリー
が、収納場所11から出て、ポンプ14により、パイプ49を
通りリファイナー15を介して運ばれる。リファイナー15
において、該スラリーは短い製紙用繊維の精砕化スラリ
ー16となる。微粒子填料13の調整スラリー13と混合され
た後、それは、短い繊維に基づく水性製紙用スラリー17
となる。スラリー17と白水7とをファンポンプ18中で混
合し、この地点で、該スラリーは、希薄な水性製紙用ス
ラリー19となる。パイプ21は、カチオン性凝集剤をスラ
リー19中に導き、ついで、該スラリーは、凝集した水性
製紙用スラリー23となる。
好ましくは、凝集した短い繊維に基づく水性製紙用ス
ラリー23は、図1に例示するクレープ製紙法に導かれ、
2つのほぼ等しい流れに分割され、ついでそれらは、ヘ
ッドボックスチャンバ82および83に導かれ、最終的には
それぞれ、強く、柔らかく、低ダスト性の充填クレープ
ティッシュペーパーの反ヤンキー側層75およびヤンキー
側層71となる。同様に、図2の凝集した長い水性製紙用
繊維スラリー22は、好ましくは、ヘッドボックスチャン
バ82bに導かれ、最終的には、強く、柔らかく、低ダス
ト性の充填クレープティッシュペーパーの中央層73とな
る。
以下、図3について検討する。
貯蔵槽24は、比較的長い製紙用繊維の水性スラリーを
ステージする(staging)ために設けられている。該ス
ラリーはポンプ25により運ばれるが、長い製紙用繊維の
潜在強度性を完全に引き出すために所望によりリファイ
ナー26を通過させてもよい。追加的パイプ27は、最終製
品に必要な湿潤および乾燥強さを付与する樹脂を運ぶ。
ついで、該樹脂の吸収を助けるために該スラリーをミキ
サー28中でさらに調整する。ついで、適切に調整された
スラリーをファンポンプ30中で白水29で希釈して、希薄
な長い製紙用繊維スラリー31を形成させる。所望によ
り、パイプ32は、スラリー31と混合する凝集剤を運び、
凝集した長い水性繊維製紙用スラリー33を与える。
さらに図3を参照すると、貯蔵槽34は、微粒子状填料
スラリーの収納場所である。追加的パイプ35は、アニオ
ン性凝集剤の水性分散液を運ぶ。ポンプ36は、該微粒子
状スラリーを運ぶと共に、該凝集剤の分散液を与えるよ
うに機能する。該添加物の吸収を助けるためにミキサー
37中で該スラリーを調整する。得られたスラリー38は、
それが、精砕された短い製紙用繊維の水性分散液と混合
される地点まで運ばれる。
さらに図3を参照すると、短い製紙用繊維スラリー
が、収納場所39から出て、ポンプ40により、パイプ48を
通り、それが、調整された微粒子状填料スラリー38と混
合さる地点まで運ばれて、短い繊維に基づく水性製紙用
スラリー41となる。パイプ46は、スラリー41と混合され
るカチオン性デンプンの水性分散液を運び、インライン
ミキサー50の助けにより、凝集されたスラリー47が形成
される。白水29は、凝集されたスラリー中に導かれ、該
スラリーはファンポンプ42中で混合されて、希薄な凝集
した短い繊維に基づく水性製紙用スラリー43となる。所
望により、パイプ44は、希薄スラリー43の凝集レベルを
上昇させる追加的な凝集剤を運び、スラリー45が形成さ
れる。
好ましくは、図3からの短い製紙用繊維スラリー45
は、図1に例示される好ましい製紙工程に導かれ、2つ
のほぼ等しい流れに分割され、ついでそれらは、ヘッド
ボックスチャンバ82および83に導かれ、最終的にはそれ
ぞれ、強く、柔らかく、低ダスト性の充填クレープティ
ッシュペーパーの反ヤンキー側層75およびヤンキー側層
71となる。同様に、図3の長い製紙用繊維スラリー33
は、好ましくは、ヘッドボックスチャンバ82bに導か
れ、最終的には、強く、柔らかく、低ダスト性の充填ク
レープティッシュペーパーの中央層73となる。
クレープ製紙法 図1は、バイアス表面結合特性を有する強く、柔らか
く、低ダスト性の充填クレープティッシュペーパーを製
造するためのクレープ製紙法を例示する略図である。以
下、図1を参照して、これらの好ましい実施態様を説明
する。
図1は、本発明の紙を製造するための好ましい抄紙機
80の側面図である。図1を参照すると、製紙機80は、上
部チャンバ82、中央チャンバ82bおよび下部チャンバ83
を有する層状ヘッドボックス81、スライスルーフ(slic
e roof)84、およびフォドリニエールワイヤ85を含む。
フォドリニエールワイヤ85は、ブレストロール86、デフ
レクタ90、真空サクションボックス91、クーチロール92
および複数のターニングロール(turning roll)94上を
環状に取り囲む。稼動時に、1つの製紙完成紙料を上部
チャンバ82を経由して、もう1つの製紙完成紙料を中央
チャンバ82bを経由して、一方、さらにもう1つの完成
紙料を下部チャンバ83を経由して、スライスルーフ84か
ら上下の関係でフォドリニエールワイヤ85上に送り出し
て、層88、88bおよび88cを含む初期紙匹88をフォドリニ
エールワイヤ85上で形成させる。脱水が、フォドリニエ
ールワイヤ85を通過中に生じ、デフラクター90および真
空ボックス91により支援される。フォドリニエールワイ
ヤが、矢印で示されている方向に折返し走行しながら、
ブレストロール86を通る新たな周回が始まる前に、シャ
ワー95がそれを清浄化する。紙匹移動領域93において、
初期紙匹88は、真空トランスファボックス97の作用によ
り有孔担体布96に移る。担体布96は、移動領域93から、
真空脱水ボックス98、ブロースルー(blow−through)
予備乾燥機100、および2つのターニングロール101を経
由して該紙匹を運び、ついで、該紙匹は、プレスロール
102の作用によりヤンキードライヤー108に移される。つ
いで担体布96は、追加的なターニングロール101、シャ
ワー103、および真空脱水ボックス105を取り囲むように
周回する間に、清浄化され、脱水される。予備乾燥され
たペーパー紙匹は、スプレーアプリケーター109により
塗布される接着剤の助けをかりて、ヤンキードライヤー
108の円筒表面に接着的に固定される。乾燥は、蒸気加
熱されたヤンキドライヤー108上で、および示されてい
ない手段により乾燥フード110を介して加熱され循環さ
れる熱風により完了する。ついで該紙匹は、ヤンキード
ライヤー108から、ドクターブレード111により乾燥クレ
ープ(dry creped)され、それは、ヤンキー側層71、中
央層73および反ヤンキー側層75を含むペーパーシート70
と称される。ついで、ペーパーシート70は、カレンダー
ロール112と113との間、およびリール115の円周部の周
囲を通り、そこで、軸118上に配置されている巻心117上
のロール116中に巻き取られる。
さらに図1を参照すると、ペーパーシート70のヤンキ
ー側層71の起源は、ヘッドボックス81の下部チャンバ83
を経由して送り出され、フォドリニエールワイヤ85に直
接適用され、そこで、初期紙匹88の層88cとなった完成
紙料である。ペーパーシート70の中央層73の起源は、ヘ
ッドボックス81のチャンバ82.5を経由して運ばれ、層88
cの上に層88bを形成した完成紙料である。ペーパーシー
ト70の反ヤンキー側層75は、ヘッドボックス81の上部チ
ャンバ82を経由して運ばれ、初期紙匹88の層88bの上に
層88aを形成した完成紙料である。図1は、三層紙匹を
製造するように適合されたヘッドボックス80を有する抄
紙機80を示しているが、ヘッドボックス81は、異なる層
数の他の多層ティッシュ紙匹を製造するよう適合させる
こともできる。本発明の1つの実施態様は、層88bを与
える完成紙料に微粒子状填料を追いやり、それにより製
紙工程の保持効率を増加させることにより達成される。
さらに、本発明を例示するペーパーシート70を図1の
抄紙機80上で製造することに関しては、形成が良好に生
じるよう、フォドリニエールワイヤ85は、短い繊維完成
紙料を構成する繊維の平均の長さに関して比較的小さな
スパンを有する微細メッシュのものでなければならず、
また、布96のフィラメント間間隙中に初期紙匹の布側が
バルキング(bulking)するのを実質的に回避するため
に、有孔担体布96は、長い繊維完成紙料を構成する繊維
の平均の長さに関して比較的小さな開口スパン(openin
g span)を有する微細メッシュを有するべきである。ま
た、典型的なペーパーシート70を製造するための工程条
件に関しては、クレーピングの前に、ペーパー紙匹を、
好ましくは約80%繊維コンシステンシー、より好ましく
は約95%繊維コンシステンシーまで乾燥する。
本発明は、通常のフェルトプレス(felt−pressed)
クレープティッシュペーパー、高バルクパターン高密度
化(high bulk pattern densified)クレープティッシ
ュペーパー、高バルク非圧縮(high bulk,uncompacte
d)クレープティッシュペーパーなど(これらに限定さ
れるものではない)のクレープティッシュペーパーに一
般に適用することができる。
本発明の充填クレープティッシュペーパー紙匹は、10
g/m2〜約100g/m2の坪量を有する。その好ましい実施態
様においては、本発明の充填ティッシュペーパーは、約
10g/m2〜約50g/m2、最も好ましくは約10g/m2〜約30g/m2
の坪量を有する。本発明に適したクレープティッシュペ
ーパー紙匹は、約0.60g/cm3以下の密度を有する。その
好ましい実施態様においては、本発明の充填ティッシュ
ペーパーは、約0.03g/m3〜約0.6g/m3、最も好ましく
は、約0.05g/m3〜約0.2g/m3の密度を有する。
さらに、本発明は、多層ティッシュペーパー紙匹に適
用することができる。層状ペーパー紙匹から形成される
ティッシュの構造は、1976年11月30日付け発行のMorga
n,Jrらの米国特許第3,994,771号、1981年11月17日付け
発行のCarstensの米国特許第4,300,981号、1979年8月2
8日付け発行のDunningらの米国特許第4,166,001号、お
よび1994年9月7日公開のEdwardsらの欧州特許公開第0
613 979 A1号(それらをすべて、参考として本明細書
に組入れるものとする)に記載されている。それらの層
は、好ましくは、異なる繊維型を含み、該繊維は、典型
的には、多層ティッシュペーパーの製造に使用される比
較的長い針葉樹繊維および比較的短い広葉樹繊維であ
る。本発明に適した多層ティッシュペーパー紙匹は、少
なくとも2つの重ね合わせ層(内層、および該内層に隣
接した少なくとも1つの外層)を含む。好ましくは、多
層ティッシュペーパーは、3つの重ね合わせ層(内層ま
たは中央層および2つの外層、例えば、ヤンキー側外層
および反ヤンキー側外層の2つの外層の間に内層が位置
する)を含む。ヤンキー側外層は、ヤンキードライヤー
表面に接する表面を形成するため、そのように称されて
いる。好ましくは、その2つの外層は、約0.5〜約1.5m
m、好ましくは約1.0mm未満の平均繊維長を有する比較的
短い製紙用繊維の主要フィラメント構成成分を含む。こ
れらの短い製紙用繊維は、典型的には、広葉樹繊維、好
ましくは、広葉樹クラフト繊維(最も好ましくは、ユー
カリに由来するもの)を含む。内層は、好ましくは、少
なくとも約2.0mmの平均繊維長を有する比較的長い製紙
用繊維の主要フィラメント構成成分を含む。これらの長
い製紙用繊維は、典型的には、針葉樹繊維、好ましく
は、北部(northern)針葉樹クラフト繊維である。好ま
しくは、本発明の粒子状填料の大部分は、本発明の多層
ティッシュペーパー紙匹の外層の少なくとも1つに含有
される。本発明の1つの実施態様においては、本発明の
粒子状填料の大部分は、両方の外層に含有されている。
本発明のもう1つの実施態様においては、粒子状填料の
大部分は、外層の1つ(特に、有孔表面から最大距離の
地点に形成される外層、すなわち、反ヤンキー側層)に
含有されている。
多層クレープティッシュペーパー紙匹から製造される
クレープティッシュペーパー製品は、単プライティッシ
ュ製品であっても、あるいは多プライティッシュ製品で
あってもよい。
装置および方法は、当業者によく知られている。典型
的な方法においては、低コンシステンシーのパルプ完成
紙料を、加圧ヘッドボックス内に供給する。ヘッドボッ
クスは、パルプ完成紙料の薄い析出物をフォドリニエー
ルワイヤ上へ運び湿った紙匹を形成させるための開口を
有する。ついで該紙匹を、典型的には、真空脱水によ
り、約7%〜約25%(紙匹の全重量に基づく)の繊維コ
ンシステンシーまで脱水する。
本発明で開示する充填ティッシュペーパー製品を製造
するために、水性製紙完成紙料を有孔表面上に析出させ
て、初期紙匹を形成させる。本発明の範囲には、複数の
紙層が形成することにより得られるティッシュペーパー
製品が含まれ、この場合、好ましくは、例えば多チャン
ネルヘッドボックス内で、希薄繊維スラリーの別々の流
れの析出から完成紙料の2以上の層が形成される。それ
らの層は、好ましくは、異なる繊維型を含み、該繊維
は、典型的には、比較的長い針葉樹繊維および比較的短
い広葉樹繊維(多層ティッシュペーパーの製造で使用さ
れるもの)である。まず、個々の層が、別々のワイヤ上
で形成すると、ついでそれらの層を湿潤時に合体させ
て、多層ティッシュペーパー紙匹を形成させる。製紙用
繊維は、好ましくは、異なる繊維型を含み、該繊維は、
典型的には、比較的長い針葉樹繊維および比較的短い広
葉樹繊維である。より好ましくは、広葉樹繊維は、前記
製紙用繊維の少なくとも約50%を、また、針葉樹繊維
は、前記製紙用繊維の少なくとも約10%を含む。
本発明の充填ティッシュ製品の製造に用いる製紙法に
おいては、紙匹をフェルトまたは布に移動させることを
含む工程(例えば、当該技術分野でよく知られている、
通常のフェルトプレス(felt pressing)ティッシュー
ペーパーの場合)は、本発明の範囲内に明示的に含まれ
る。この製造工程においては、紙匹を脱水用フェルトに
移動させ、紙匹をプレスして、プレス操作により紙匹か
らフェルト中に水を除去することにより、紙匹を脱水す
る。この場合、対向する機械的部材(例えば、円筒状ロ
ール)により発生した加圧に紙匹を付す。このようにし
て紙匹を脱水するには実質的な加圧を要するため、通常
のフェルトプレスにより得られる紙匹は、密度が比較的
高く、紙匹の構造の全体にわたり均一な密度を有するこ
とにより特徴づけられる。
本発明の充填ティッシュ製品の製造に用いる製紙法に
は、当該技術分野においてヤンキードライヤーとして公
知の円筒状蒸気ドラム装置に半乾燥紙匹を移動させる間
に紙匹をプレスする工程が含まれる。ヤンキードライヤ
ーに対してプレスされる紙匹の側を、本発明ではヤンキ
ー側外層と称することにし、一方、ヤンキードライヤー
から離れた面側を、本発明では反ヤンキー側外層と称す
ることとする。そのような移動は、紙匹をプレスする対
向円筒状ドラムなどの機械的手段により行なう。また、
紙匹をヤンキー表面にプレスする際には、紙匹に真空を
適用することもできる。複数のヤンキードライヤードラ
ムを使用することができる。
充填ティッシュペーパーを製造するための製紙法のよ
り好ましい変法は、いわゆるパターン高密度化(patter
n densified)法を含み、この方法においては、得られ
る構造は、比較的低い繊維密度の比較的高いバルク領域
(bulk field)、および該高バルク領域内に散在する比
較的高い繊維密度の高密度化領域の配列を有することに
より特徴づけられる。あるいは、該高バルク領域は、枕
状領域(pillow region)として特徴づけられる。ま
た、高密度化領域は、ナックル領域(knuckle region)
とも称される。該高密度化領域は、該高バルク領域内で
間隔をおいて分離して存在していてもよいし、あるい
は、該高バルク両域内で完全にまたは部分的に互いに連
結していてもよい。好ましくは、比較的高密度の領域は
連続的であり、該高バルク領域は不連続的である。パタ
ーン高密度化ティッシュ紙匹を製造するための好ましい
方法は、1967年1月31日付け発行のSanfordおよびSisso
nの米国特許第3,301,746号、1976年8月10日付け発行の
Peter G.Ayersの米国特許第3,974,025号、1980年3月4
日付け発行のPaul D.Trokhanの米国特許第4,191,609
号、1987年1月20日付け発行のPaul D.Trokhanの米国特
許第4,637,859号、1990年7月17日付け発行のWendtらの
米国特許第4,942,077号、1994年9月28日付け公開のHyl
andらの欧州特許公開第0 617 164 A1号、1994年9月21
日付け公開のHermansらの欧州特許公開第0 616 074 A1
号(これらはすべて、参考として本明細書に組入れるこ
ととする)に記載されている。
パターン高密度化紙匹を形成するためには、紙匹の形
成直後の紙匹を、フェルトではなく形成用布(forming
farbric)へ移動させる。形成用布を含む一連の支持体
に対して、紙匹を並列させる。一連の支持体に対して紙
匹をプレスすることにより、一連の支持体と湿潤紙匹と
の接触点と位置的に対応する部位で紙匹内の高密度化領
域を減少させる。この操作中に圧縮されない紙匹の残り
の部分を、高バルク領域と称することととする。さら
に、この高バルク領域は、例えば真空型装置またはブロ
ースルー(blow−through)ドライヤーを用いて流体圧
をかけることにより脱高密度化(dedensify)すること
ができる。紙匹を脱水し、所望により予備乾燥する(こ
れは、高バルク領域の圧縮を実質的に避けるように行な
う)。これは、好ましくは、真空型装置またはブロース
ルー(blow−through)ドライヤーを用いて流体圧によ
り、あるいは、高バルク領域を圧縮しないで一連の支持
体に対して紙匹を機械的にプレスすることにより達成さ
れる。行なう工程総数を減少させるために、脱水、所望
により行なう予備乾燥、および高密度化領域の形成の操
作をひとまめに、あるいは部分的にまとめて行なっても
よい。ヤンキー表面への移動の時点での半乾燥紙匹の含
水率は約40%未満である。半乾燥紙匹を前記の形成用布
上に置いて低密度構造を形成させながら、前記の半乾燥
紙匹に熱風を吹き付ける。
パターン高密度化紙匹をヤンキードライヤーに移動さ
せ、完全に乾燥する(好ましくは、なおも機械的プレス
を避ける)。本発明においては、好ましくは、クレープ
ティッシュペーパー表面の約8%〜約55%が、高バルク
領域の密度の少なくとも125%の相対密度を有する高密
度化ナックル(densified knuckle)を含む。
一連の支持体は、好ましくは、加圧に際して高密度化
領域の形成を促進する一連の支持体として作動するナッ
クルのパターン化された置換(patterned displacemen
t)を有するインプリンティング(imprinting)担体布
である。ナックルのパターンは、既に言及されている一
連の支持体を構成する。インプリンティング(imprinti
ng)担体布は、1967年1月31日付け発行のSanfordおよ
びSissonの米国特許第3,301,746号、197年5月21日付け
発行のSalvucci,Jr.らの米国特許第3,821,068号、1976
年8月10日付け発行のAyersの米国特許第3,974,025号、
1971年3月30日付け発行のFriedbergらの米国特許第3,5
73,164号、1969年10月21日付け発行のAmneusの米国特許
第3,473,576号、1980年12月16日付け発行のTrokhanの米
国特許第4,239,065号、および1985年7月9日付け発行
のTrokhanの米国特許第4,528,239号(これらはすべて、
参考として本明細書に組入れることとする)に記載され
ている。
最も好ましくは、紙匹に流体力をかけることにより、
開いたメッシュ乾燥/インプリンティング(imprintin
g)布に初期紙匹を適合させ、ついで低密度製紙法の一
部として、前記布上で熱的に予備乾燥する。
本発明に包含される製造工程のもう1つの変法は、い
わゆる非圧縮非パターン高密度化(uncompacted,non pa
ttern−densified)多層ティッシュペーパー構造(例え
ば、共に参考として本明細書に組入れる1974年5月21日
付け発行のJoseph L.Salvucci,Jr.およびPeter N.Yiann
osの米国特許第3,812,000号、および1980年7月17日付
け発行のHenry E.Becker、Albert L.McConnellおよびRi
chard Schutteの米国特許第4,208,459号に記載されてい
るもの)の形成を含む。一般に、非圧縮非パターン高密
度化多層ティッシュペーパー構造は、有孔形成ワイヤ
(例えば、フォドリニエールワイヤ)上で製紙完成紙料
を析出させて湿潤紙匹を形成させ、紙匹から水を抜き、
機械的に圧縮しないで追加的な水を除去して紙匹が少な
くとも80%の繊維コンシステンシーを有するようにし、
そして紙匹をクレーピングすることにより調製する。水
は、真空脱水および熱乾燥により紙匹から除去する。得
られた構造は、比較的圧縮されていない繊維の、柔らか
いが弱く高バルクのシートである。好ましくは、結合物
質を、クレーピングの前に紙匹の一部に適用する。
本発明の実施に関連した利点の1つとして、一定量の
ティッシュペーパー製品を製造するのに必要な製紙用繊
維の量を減少させることが可能なことが挙げられる。さ
らに、ティッシュ製品の光学的性質、特に不透明度が改
善される。これらの利点は、高い強度および低ダスト性
を有するティッシュペーパー紙匹において実現される。
本発明で用いる「不透明度」なる語は、電磁スペクト
ルの可視部に対応する波長の光の透過に対するティッシ
ュペーパーの抵抗性を意味する。「比不透明度」は、テ
ィッシュペーパー紙匹の坪量の1g/m2単位当たりに与え
られる不透明度の尺度である。不透明度を測定し、比不
透明度を計算する方法については、本明細書の後記の節
で詳細に説明する。本発明のティッシュペーパー紙匹
は、好ましくは約5%以上、より好ましくは約5.5%以
上、最も好ましくは約6%以上の比不透明度を有する。
本発明で用いる「強度(強さ)」なる語は、比全強度
を意味し、この尺度の測定方法については、本明細書の
後記の節で説明する。本発明のティッシュペーパー紙匹
は強い。これは、一般に、その比全強度が、少なくとも
約0.25メートル、より好ましくは約0.40メートル以上で
あることを意味する。
「リント」および「ダスト」なる語は、本発明で互換
的に使用され、制御された(controlled)摩耗試験で測
定された場合に繊維または粒子状填料を放出する傾向を
意味し、その試験の方法論は、本明細書の後記の節で詳
細に説明する。繊維または粒子を放出する傾向は、その
ような繊維または粒子が該構造体に固定されている度合
と直接関連するため、リントおよびダストは強度と関連
している。固定の全体のレベルが上昇するにつれて、強
度は上昇する。しかしながら、許容されると考えられる
強度レベルを有していても、許容されないレベルのリン
ト性(linting)またはダスト性(dusting)を有してい
る可能性がある。これは、リント性またはダスト性が局
在化していることがあるからである。例えば、ティッシ
ュペーパー紙匹の表面は、リント性またはダスト性の傾
向を有するが、表面下では、結合度が、強度の全体のレ
ベルを完全に許容レベルまで上昇させるのに十分なもの
である場合がある。また、強度が、比較的長い製紙用繊
維の骨格に由来しており、繊維粉末または粒子状填料
が、該構造体内に十分に結合していない場合もある。本
発明の充填ティッシュペーパー紙匹は、リントが比較的
低い。ヤンキー側および反ヤンキー側のリント値の平均
を表す最終的なリント値は、好ましくは約12未満、より
好ましくは約10未満、最も好ましくは8未満である。
本発明の多層ティッシュペーパー紙匹は、柔らかく吸
収性の多層ティッシュペーパー紙匹が必要とされる任意
の用途に使用することができる。本発明の多層ティッシ
ュペーパー紙匹の特に有利な用途は、トイレットペーパ
ー製品および化粧紙製品である。単プライおよび多プラ
イの両方のティッシュペーパー製品を、本発明の紙匹か
ら製造することができる。
バイアス表面特性を有する柔らかい充填ティッシュペー
パー 図4は、本発明の柔らかいティッシュペーパーの1つ
の実施態様の略図であり、クレープティッシュペーパー
の種々の層の構造を表している。
図4に関して、内層120は、ヤンキー側層121と反ヤン
キー側層122との間に位置する。内層120は種に針葉樹繊
維123を含有し、外層121および122のそれぞれは主に広
葉樹繊維125を含有する。
微粒子状填料粒子124は、好ましくは、外層121および
122内に位置し、特に、本発明の1つの態様において
は、実用的である限り、層122に限局している。
層121内の結合度を、層122内より低くなるよう制御し
て、層121について測定したリント値が、層122について
測定した場合より高くなるようにする。これは、層122
と比べて層121内での結合が弱くなるように促すことに
より達成される。当業者であれば、これを達成する具体
的な手段がわかるであろう。具体的な手段としては、よ
り弱い結合剤(例えば、デンプン)を層121内で使用す
るか、あるいは層121に結合抑制剤を加えることによ
り、層121の完成紙料組成物を、より低度に精砕するこ
となどが挙げられる。
分析および試験方法 A.密度 多層ティッシュペーパーの密度なる語は、本発明で用
いる場合には、その紙の坪量を厚さで割ることにより算
出した平均密度(適当な単位変換をそれに含める)を意
味する。多層ティッシュペーパーの厚さは、本発明で用
いる場合には、95g/in2(15.5g/cm2)の圧縮荷重に付さ
れた場合の紙の厚さである。
B.分子量の測定 高分子物質の基本的な識別特性は、その分子のサイズ
である。ポリマーを多様な用途に使用することができる
ようになったのは、ほとんどすべて、巨大分子の性質に
由来する特性によるものである。こららの物質を完全に
特徴づけるためには、それらの分子量および分子量布を
定義し測定するいくつかの手段を有する必要がある。分
子量よりも相対分子質量という用語を使用するのがより
精確であるが、高分子技術においては前者の方が一般的
に使用されている。分子量分布を求めるのが常に実用的
とは限らない。しかしながら、これは、クロマトグラフ
ィー法を用いることで、より日常的になりつつある。む
しろ、分子サイズを分子量平均で表すことが求められて
いる。
分子量平均 相対分子質量(Mi)を有する分子の重量割合(Wi)を
表す単純な分子量分布を考える場合には、いくつかの有
用な平均値を定義することが可能である。ある特定のサ
イズ(Mi)の分子数(Ni)に基づく平均から、数平均分
子量が得られる。
この定義の重要な結論は、グラム単位の数平均分子量
は、アボガドロ数の分子を含むというものである。分子
量のこの定義は、単分散分子種(すなわち、同じ分子量
を有する分子)の定義と一致する。より重要な認識は、
多分散ポリマーの与えられた質量中の分子数を何らかの
方法で求めることができるなら、nは容易に計算するこ
とができるということである。これは、束一性の測定に
基づく。
与えられた質量(Mi)の分子の重量割合(Wi)に基づ
く平均から、重量平均分子量の定義が得られる。
wは、ポリマーの溶融粘度および機械的特性のような
特性をより正確に反映するため、ポリマーの分子量を表
す手段として、wはnより有用であり、本発明ではその
手段としてwを使用する。
C.填料粒子サイズの測定 粒子サイズは、填料の性質の重要な決定因子であり、
ペーパーシート内で填料を保持する能力に関する場合
は、特にそうである。特に、粘土粒子は、平らであるか
又は濃淡にむらがあり、球状ではないが、等価球径(eq
uivalent spherical diameter)と称される尺度を、雑
多な形状の粒子の相対尺度として使用することができ、
これは、粘土および他の粒子状填料の粒径を測定するた
めに当該技術分野で用いられている主要な方法の1つで
ある。填料の等価球径の測定は、Sedigraph分析に基
づくTAPPI Useful Method 655を用いて、すなわち、Mic
romeritics Instrument Corporation(Norcross,Georgi
a)から入手可能なそのような型の装置により行なうこ
とができる。その装置は、軟X線を使用して粒子状填料
の分散スラリーの自然沈降速度を測定し、ストークスの
法則を用いて等価球径を計算する。
D.紙中の填料の定量分析 当業者であれば、紙中の非セルロース性填料物質の定
量分析のための方法は多数存在することを認識するであ
ろう。本発明の実施の助けとなるよう、最も好ましい無
機タイプの填料に適用できる2つの方法を詳細に説明す
る。第1の方法(灰化法)は、無機填料に一般に適用す
ることができる。第2の方法(XRFによるカオリンの測
定)は、本発明の実施に特に適していることが判明して
いる填料(すなわち、カオリン)に特に適応したもので
ある。
灰化法 灰化法は、マッフル炉を使用することにより行なう。
この方法では、まず、四桁天秤(four place balance)
をきれいにし、校正し、タールを塗る。つぎに、きれい
な空の白金皿を、その四桁天秤のはかり皿上で秤量す
る。空の白金皿の重量をグラム単位で1000分の10桁まで
記録する。天秤に再びタールを塗ることなく、約10グラ
ムの充填ティッシュペーパーのサンプルを、白金皿中に
注意深く折りたたむ。白金ボートおよび紙の重量を、グ
ラム単位で1000分の10桁まで記録する。
ついで白金皿中の紙を、ブンゼンバーナーの炎で低温
で予備灰化する。空気由来灰分(air−borne ash)の形
成を避けるために、これをゆっくり行なうことに注意し
なければならない。空気由来灰分が観察されたら、新た
なサンプルを調製しなければならない。この予備灰化工
程からの炎が鎮まった後、サンプルをマッフル炉に入れ
る。マッフル炉は、575℃の温度にすべきである。マッ
フル炉内で約4時間、サンプルを完全灰化させる。この
時間の経過後、ひもを用いてサンプルを取り出し、きれ
いな難燃性表面上に載せる。サンプルを30分間冷却す
る。冷却後、白金皿/灰分の組合せをグラム単位で1000
分の10桁まで秤量する。この重量を記録する。
白金皿/灰分の組合せの重量から、きれいな空の白金
皿の重量を差し引くことにより、充填ティッシュペーパ
ー中の灰分を計算する。この灰分重量をグラム単位で10
00分の10桁まで記録する。
灰分重量は、灰化時の填料喪失量(例えば、カオリン
中の水蒸気の喪失による)がわかれば、填料重量に変換
することができる。これを測定するために、まず、四桁
天秤のはかり皿上で、きれいな空の白金皿を秤量する。
空の白金皿の重量をグラム単位で1000分の10桁まで記録
する。天秤に再びタールを塗ることなく、約3グラムの
填料を白金皿中に注意深く注ぐ。白金皿/填料の組合せ
の重量をグラム単位で1000分の10桁まで記録する。
ついで、このサンプルを575℃のマッフル炉内に注意
深く入れる。マッフル炉内で約4時間、サンプルを完全
灰化させる。この時間の経過後、ひもを用いてサンプル
を取り出し、きれいな難燃性表面上に載せる。サンプル
を30分間冷却する。冷却後、白金皿/灰分の組合せをグ
ラム単位で1000分の10桁まで秤量する。この重量を記録
する。
もとの填料サンプルにおける灰化時の喪失割合(%)
を、以下の式を用いて計算する。
灰化時の喪失割合(%)=[(もとの填料サンプル及び
白金皿の重量)−(填料灰分及び白金皿の重量)]×10
0/[(もとの填料サンプル及び白金皿の重量)−(白金
皿の重量)] カオリンにおける灰化時の喪失割合は、10〜15%であ
る。ついて、以下の式を用いて、グラム単位のもとの灰
分重量を、グラム単位の填料の重量に変換することがで
きる。
填料の重量(g)=灰分の重量(g)/[1−(灰分時の喪失割合(%)/10
0)] ついで、もとの充填ティッシュペーパー中の填料の割
合(%)を、以下のとおり計算することができる。
ティッシュペーパー中の填料の割合(%)=[填料の重
量(g)×100]/[(白金皿及び紙の重量)−(白金
皿の重量)] XRFによるカオリン粘土の測定 マッフル炉灰化法よりXRF法の方が優れている主な点
として、速さが挙げられるが、それは、普遍的に適用可
能なわけではない。紙サンプル中のカオリン粘土のレベ
ルを定量するのに、マッフル炉灰化法では数時間を要す
るのに対して、XRF分光計では5分以内に行なうことが
できる。
X線蛍光法は、X線管源からのX線光子を関心のある
サンプルに衝撃させることに基づく。高エネルギー光子
によるこの衝撃により、サンプル中に存在する元素の内
殻準位電子の光電子放出が生じる。ついで、これらの空
位内殻準位が外殻電子で満たされる。このように外殻電
子で満たされることにより、蛍光過程が生じ、サンプル
中に存在する元素により追加的なX線光子が放出され
る。各元素は、これらX線蛍光転移のための固有の「指
数」エネルギーを有する。これら放出されたX線蛍光光
子の関心のある元素のエネルギーを、リチウムドープ化
シリコン半導体検出計で測定し、それにより該元素を同
定する。この検出計を使用すれば、衝突光子のエネルギ
ーの測定およびサンプル中に存在する元素の同定が可能
となる。ナトリウムからウランまでの元素を、ほとんど
のサンプルマトリックスにおいて同定することができ
る。
粘土填料の場合、検出される元素は、ケイ素およびア
ルミニウムの両方である。この粘土分析で使用する特定
のX線蛍光装置は、Baker−Hughes Inc.(Mountain Vie
w,California)により製造されたSpectrace 5000であ
る。粘土の定量分析の最初の工程は、例えば8%〜20%
の範囲の粘土包有物を用いて公知の粘土充填ティッシュ
標準セットで装置を校正することである。
これらの標準紙サンプル中の厳密な粘土レベルは、前
記のマッフル炉灰化法により測定する。また、ブランク
の紙サンプルを、標準の1つに含める。所望の標的粘土
レベルを含む少なくとも5つの標準を使用して、装置を
校正すべきである。
実際の校正工程の前に、X線管を13キロボルトおよび
0.20ミリアンペアの設定値まで作動させる。また、その
装置を、粘土に含まれるアルミニウムおよびケイ素につ
いての検出シグナルを積分するように設定する。まず、
2″×4″の細片を切断することにより、紙サンプルを
調製する。ついで、この細片を折りたたんで2″×2″
とし、この時、反ヤンキー側が外を向くようにする。こ
のサンプルをサンプルカップ上に載せ、止め輪で適所に
保持する。サンプル調製中には、サンプルカップ上でサ
ンプルを水平に保持するように注意しなければならな
い。ついで、この公知標準セットを用いて、その装置を
校正する。
公知の標準セットで装置を校正した後、直線の校正曲
線をコンピューターシステムのメモリーに記憶させる。
この直線の校正曲線を使用して、未知サンプル中の粘土
レベルを計算する。X線蛍光系の安定性および適切な作
動性を確認するために、粘土含量が判明しているチェッ
クサンプルを、各組の未知サンプルと共に測定する。チ
ェックサンプルの分析が誤った結果(その判明している
粘土含量から10〜15%の違い)を与えたら、その装置を
トラブルシューティングおよび/または再校正に付す。
それぞれの製紙条件に関して、少なくとも3つの未知
サンプル中の粘土含量を測定する。これらの3つのサン
プルから、平均および標準偏差を取る。粘土の適用方法
において、紙の横方向(CD)または縦方向(MD)のいず
れかで粘土含量が変化する疑いがあるか、またはそのよ
うに意図的に設定されている場合には、これらのCDおよ
びMD方向において、より多数のサンプルを測定すべきで
ある。
E.ティッシュペーパーリントの測定 ティッシュ製品から発生したリントの量は、サザラン
ド式ラボテスターで測定する。このテスターは電動機を
使用して、加重フェルトで衛生用トイレットペーパーを
5回摩擦する。この摩擦試験の前および後に、ハンター
色L値(Hunter Color L value)を測定する。これらの
2つのハンター色L値の差を、リントとして算出する。
サンプルの調製: リント摩擦試験の前に、被検紙サンプルを、Tappi法
#T4020M−88で調整すべきである。ここでは、サンプル
を10〜35%の相対湿度および22〜40℃の温度範囲内で24
時間予備調整する。この予備調整工程の後、サンプルを
48〜52%の相対湿度および22〜24℃の温度範囲内で24時
間調整すべきである。また、この摩擦試験は、一定の温
度および湿度の部屋の境界内で行なうべきである。
サザランド式ラボテスターは、Testing Machines,In
c.(Amityville,NY,11701)から入手可能である。ま
ず、取り扱い中(例えば、ロールの外側で)に擦り減っ
た可能性があるいずれかの製品を取り出し廃棄すること
により、ティッシュを調製する。多プライの最終製品の
場合には、多プライ製品の2つのシートをそれぞれが含
有する3個の切片を取り出し、作業台上にセットする。
単プライ製品の場合には、単プライ製品の2個のシート
をそれぞれが含有する6個の切片を取り出し、作業台上
にセットする。ついで、折れしわがティッシュサンプル
の横方向(CD)に沿って走るように、各サンプルを半分
に折りたたむ。多プライ製品の場合には、サンプルが折
りたたまれた後、外を向く側の1つが、外を向く同じ側
になることを確認する。すなわち、プライをお互いから
引き剥がさずに、製品の内部で互いに向かい合う側を摩
擦試験する。単プライ製品の場合には、3個のサンプル
を反ヤンキー側を外に、そして3個をヤンキー側を外に
する。どのサンプルのヤンキー側が外に、また、反ヤン
キー側が外に来るかの経過を追う。
Cordage Inc.(800 E.Ross Road,Cincinnati,Ohio,45
217)から、Crescent#300ボール紙の30″×40″の小片
を得る。紙切りナイフを使用して、2.5″×6″の寸法
のボール紙の6個の小片を切り出す。サザランド式ラボ
テスターの締めピン上にボール紙を押し付けることによ
り、6個のカードのそれぞれに2個の穴をあける。
単プライの最終製品を用いる場合には、2.5″×6″
のボール紙小片のそれぞれを、既に折りたたまれている
6個のサンプル上の中央に注意深く載せる。ボール紙の
6″の寸法方向が、各ティッシュ製品の縦方向(MD)と
平行に走ることを確認する。多プライの最終製品を用い
る場合には、2.5″×6″のボール紙の3個の小片のみ
が必要となるであろう。その各ボール紙小片を、既に折
りたたまれている3個のサンプル上の中央に注意深く載
せる。ここでもまた、ボール紙の6″の寸法方向が、各
ティッシュ製品の縦方向(MD)と平行に走ることを確認
する。
ティッシュサンプルの露出部の一方の端を、ボール紙
の裏面上に折りたたむ。3M Inc.(3/4″wide Scotch Br
and,St.Paul,MN)から入手した接着テープで、この端を
ボール紙に固定する。もう一方の突出しているティッシ
ュの端を注意深くつかみ、それをボール紙の裏面上にぴ
ったりと折りたたむ。ボール紙への該紙のぴったりとし
た嵌合を維持しながら、この第2の端をボール紙の裏面
にテープで固定する。各サンプルについて、この操作を
繰り返す。
各サンプルの向きを変え、ティッシュペーパーの横方
向の端をボール紙にテープで固定する。接着テープの半
分がティッシュペーパーに接触し、残りの半分がボール
紙に接着するようにすべきである。各サンプルについ
て、この操作を繰り返す。このサンプル調製操作の経過
中のいずれかの時点で、ティッシュサンプルが破れた
り、裂けたり、擦り切れたら、それを捨て、新しいティ
ッシュサンプル小片で新しいサンプルを作る。
多プライの加工製品を用いる場合には、ボール紙上に
3個のサンプルを載せることとなる。単プライの最終製
品の場合には、3個の反ヤンキー側外サンプルをボール
紙上に、3個のヤンキー側外サンプルをボール紙上に載
せることとなる。
フェルトの調製: Cordage Inc.(800 E.Ross Road,Cincinnati,Ohio,45
217)から、Crescent#300ボール紙の30″×40″の小片
を得る。紙切りナイフを使用して、2.25″×7.25″の寸
法のボール紙の6個の小片を切り出す。ボール紙の白い
側の上部および底部のほとんどの端から1.125″だけ下
に、短い寸法方向と平行に2つの線を引く。直線の端を
目印として用いて、レーザーブレードで、注意深く、そ
の線の長さのスコア(score)を入れる。それに、シー
トの厚みの約半分の深さのスコアを入れる。このように
スコアを入れることにより、サザランド式ラボテスター
の重錘の周囲にボール紙/フェルトの組合せがぴったり
と嵌まることが可能になる。ボール紙のこのスコアの入
った側にボール紙の長い寸法方向と平行に走る矢印を入
れる。
黒いフェルト(New England Gasket,550 Broad Stree
t,Bristol,CT 06010からのF−55または同等のもの)の
6個の小片を、2.25″×8.5″×0.0625″の寸法に切
る。該フェルトを、ボール紙のスコアのついていない緑
面上に載せて、フェルトおよびボール紙の両方の長い端
が平行に一列となるようにする。フェルトの綿毛状面が
上向きになっていることを確認する。また、約0.5″
を、ボール紙の上部および底部のほとんどの端から突出
させる。Scotchのブランドのテープを用いて、両方の突
出したフェルト端を、ボール紙の裏面上にぴったりと折
りたたむ。これらのフェルト/ボール紙の組合せを合計
6個調製する。
再現性が最大になるためには、すべてのサンプルを、
同じロットのフェルトと共に用いるべきである。新しい
ロットのフェルトを得なければならない場合は、その新
しいロットのフェルトについての補正係数を測定すべき
である。補正係数を測定するためには、関心のある代表
的な単一のティッシュサンプルと、新旧両方のロットに
ついて24個のボール紙/フェルトサンプルを作るのに十
分なフェルトとを得る。
後記および前記のとおり、何らかの摩擦が生じたら、
新旧両方のロットの24個のボール紙/フェルトサンプル
のそれぞれについて、ハンターL値を得る。旧いロット
の24個のボール紙/フェルトサンプルと新しいロットの
24個のボール紙/フェルトサンプルの両方について平均
を計算する。
つぎに、後記のとおり、新しいロットの24個のボール
紙/フェルトサンプルと旧いロットの24個のボール紙/
フェルトサンプル24個を摩擦試験に付す。新旧両方のロ
ットの24個のサンプルのそれぞれについて、同じティッ
シュロット数を使用することを確認する。さらに、ボー
ル紙ティッシュサンプルの調製における紙のサンプリン
グは、新しいロットのフェルトおよび旧いロットのフェ
ルトが、可能な限り代表的なティッシュサンプルにさら
されるように行なわなければならない。1プライティッ
シュ製品の場合には、損傷していたり擦り減っている可
能性のある製品はいずれも廃棄する。つぎに、ティッシ
ュの48個の細片(それぞれ2個の使用可能な単位(シー
トとも称される)は長い)を得る。最初の2つの使用可
能な単位細片を、実験台の左側に置き、最後の48個のサ
ンプルを台の右側に置く。左側のサンプルの角の1cm×1
cmの領域に、数字の「1」の印を付ける。右側の最後の
サンプルの番号が48となるように、サンプルに48まで印
を付け続ける。
新しいフェルトには24個の奇数番号のサンプルを、旧
いフェルトには24個の偶数番号のサンプルを使用する。
奇数番号のサンプルを小さいものから大きいものへの順
序で並べる。今度は、各組の最小の番号のものに「Y」
の文字で印を付ける。2番目の大きな番号のものに
「O」の文字で印を付ける。このように「Y」/「O」
の交互のパターンでサンプルに印を付け続ける。ヤンキ
ー側外リント分析には「Y」のサンプルを、反ヤンキー
側リント分析には「O」のサンプルを使用する。1プラ
イ製品の場合に、新しいロットのフェルトおよび旧いロ
ットのフェルトについて合計24個のサンプルがある。こ
の24個のうち、12個はヤンキー側外リント分析用であ
り、12個は反ヤンキー側リント分析用である。
後記のとおり、旧いフェルトの全24個のサンプルに関
して、摩擦し、ハンター色L値を測定する。旧いフェル
トについての12個のヤンキー側のハンター色L値を記録
する。その12個の値を平均する。旧いフェルトについて
の12個の反ヤンキー側のハンター色L値を記録する。そ
の12個の値を平均する。ヤンキー側摩擦サンプルについ
ての平均ハンター色L値から、平均初期非摩擦ハンター
色Lフェルト値を差し引く。これが、ヤンキー側サンプ
ルについてのデルタ平均差(delta average differenc
e)である。反ヤンキー側摩擦サンプルについての平均
ハンター色L値から、平均初期非摩擦ハンター色Lフェ
ルト値を差し引く。これが、反ヤンキー側サンプルにつ
いてのデルタ平均差である。ヤンキー側のデルタ平均差
および反ヤンキー側のデルタ平均差の合計を計算し、こ
の合計を2で割る。これが、旧フェルトについての未補
正リント値である。旧いフェルトについての現在のフェ
ルト補正係数がある場合には、旧いフェルトについての
未補正リント値にそれを加える。これが、旧いフェルト
についての補正リント値である。
後記のとおり、新しいフェルトの全24個のサンプルに
関して、摩擦し、ハンター色L値を測定する。新しいフ
ェルトについての12個のヤンキー側のハンター色L値を
記録する。その12個の値を平均する。新しいフェルトに
ついての12個の反ヤンキー側のハンター色L値を記録す
る。その12個の値を平均する。ヤンキー側摩擦サンプル
についての平均ハンター色L値から、平均初期非摩擦ハ
ンター色Lフェルト値を差し引く。これが、ヤンキー側
サンプルについてのデルタ平均差である。反ヤンキー側
摩擦サンプルについての平均ハンター色L値から、平均
初期非摩擦ハンター色Lフェルト値を差し引く。これ
が、反ヤンキー側サンプルについてのデルタ平均差であ
る。ヤンキー側のデルタ平均差および反ヤンキー側のデ
ルタ平均差の合計を計算し、この合計を2で割る。これ
が、新しいフェルトについての未補正リント値である。
旧いフェルトからの補正リント値と新しいフェルトの
未補正リント値との差を取る。この差が、新しいロット
のフェルトについてのフェルト補正係数である。
このフェルト補正係数を新しいフェルトについての未
補正リント値に加えるのは、旧いフェルトについての補
正リント値の場合と同じにすべきである。
旧いフェルトについての24個のサンプル試行および新
しいフェルトについての24個の試行により、2プライテ
ィッシュ製品に、同じタイプの方法が適用される。しか
し、消費者が使用するプライの外層のみを、摩擦試験に
付す。前記のとおり、新旧両方のフェルトについて代表
的なサンプルが得られるようにサンプルが調製されてい
ることを確認する。
4ポンドの重錘についての注意: 4ポンドの重錘は、4平方インチの有効接触面積を有
し、1平方インチ当たり1ポンドの接触圧を与える。接
触圧は、加重面上に置かれているゴムパッドが変われば
変化しうるため、製造業者(Brown Inc.,Mechanical Se
rvices Department,Kalamazoo,MI)から供給されたゴム
パッドのみを使用することが重要である。これらのパッ
ドは、硬くなったり、擦り減ったり、あるいは削り取れ
たりしたら、交換しなければならない。
使用時以外は、パッドが重錘の全重量を支持しないよ
うに重錘を配置しなければならない。重錘をその面上に
保存するのが最も良い。
ラボテスター装置の校正: サザランド式ラボテスターは、使用前にまず校正しな
ければならない。まず、テスターのスイッチを「接触
(cont)」の位置へ動かすことにより、サザランド式ラ
ボテスターを作動させる。テスターのアームが、使用者
に最も近い位置にある場合には、テスターのスイッチを
「自動」の位置に入れる。大きなダイアル上の指針アー
ムを「5」の設定位置まで動かすことにより、5往復動
くようにテスターを設定する。1往復は、重錘の1回の
完全な前方および後方の動きである。摩擦ブロックの末
端は、各試験の開始時および終了時にオペレーターに最
も近い位置に来るようにすべきである。
前記のとおり、ボール紙サンプル上でティッシュペー
パーを調製する。さらに、前記のとおり、ボール紙上で
フェルトを調製する。これらのサンプルは共に、該装置
の校正のために使用し、実際のサンプルのデータの取得
のためには使用しない。
ボール紙中の穴を締めピン上に滑り込ませることによ
り、この校正ティッシュサンプルをテスターの台板上に
載せる。締めピンは、試験中にサンプルが移動するのを
防ぐ。校正フェルト/ボール紙サンプルを4ポンドの重
錘上に留めるが、この時、ボール紙面が重錘のパッドと
接触するようにする。ボール紙/フェルトの組合せが、
重錘に対して水平に位置していることを確認する。この
重錘をテスターアーム上に留め、ティッシュサンプルを
重錘/フェルトの組合せの下に穏やかに配置する。オペ
レーターに最も近い重錘の末端は、ティッシュサンプル
のボール紙の上になければならず、ティッシュサンプル
自体の上にあってはならない。フェルトは、ティッシュ
サンプル上に水平に位置していなければならず、ティッ
シュ表面と100%接触していなければならない。「押
す」のボタンを押し下げることにより、テスターを作動
させる。
往復数を数え続け、フェルトに覆われた重錘の出発お
よび停止位置をサンプルとの関係において観察し、覚え
ておく。往復総数が5になり、オペレーターに最も近
い、フェルトに覆われた重錘の末端が、この試験の開始
時および終了時にティッシュサンプルのボール紙の上に
来たら、テスターは校正され、使用準備が整う。往復総
数が5でなかったり、オペレーターに最も近い、フェル
トで覆われた重錘の末端が、試験の開始時または終了時
のいずれかに、実際のティッシュペーパーサンプルの上
に来る場合は、この校正操作を繰返して、5往復が計数
され、オペレーターに最も近い、フェルトに覆われた重
錘の末端が、試験の開始時および終了時の両方に、ボー
ル紙の上に位置するようにする。
サンプルの実際の試験中は、往復数、およびフェルト
で覆われた重錘の出発点および停止点を監視し、観察す
る。必要に応じて、再校正する。
ハンター色度計の校正: 該装置の操作マニュアルに大まかに記載されている手
順に従い、黒色および白色の標準プレートに関してハン
ター色差計を調整する。標準化のための安定性の確認、
および毎日の色彩安定性の確認を行なう(過去8時間の
間に、これが行われていない場合)。さらに、セロ反射
率を確認し、必要に応じて再調整しなければならない。
白色標準プレートを、装置口の下のサンプルステージ
上に載せる。サンプルステージを外し、サンプルプレー
トがサンプル口の下に上がるようにする。
「L−Y」、「a−X」および「b−Z」の標準化ノ
ブを使用して、「L」、「a」および「b」の押しボタ
ンを順に押し下げた場合に「L」、「a」および「b」
の標準白色プレート値(Standard White Plate Value
s)が読み取れるように装置を調整する。
サンプルの測定: リントの測定の最初の工程は、トイレットペーパー上
の摩擦前に黒色フェルト/ボール紙サンプルのハンター
色値を測定することである。この測定の最初の工程は、
ハンター色装置(Hunter color instrument)の装置口
の下から標準白色プレートを下げることである。フェル
トに覆われたボール紙を中央にし、色度計の背面を示す
矢印を標準プレートの上にする。サンプルステージを外
し、フェルトに覆われたボール紙が、サンプル口の下に
上がるようにする。
フェルトの幅は、視野径(viewing area diameter)
より若干大きいだけなので、フェルトが完全に視野を覆
っていることを確認する。完全に覆っていることを確認
した後、Lの押しボタンを押し下げ、読み取りが安定化
するのを待つ。このL値を、最も近い0.1単位まで読み
取り、記録する。
D25D2Aヘッドが使用中の場合には、フェルトで覆われ
たボール紙およびプレートを下げ、フェルトで覆われた
ボール紙を90゜回転させて、矢印が該計器の右側を指す
ようにする。つぎに、サンプルステージを外し、視野が
フェルトで完全に覆われていることをもう1度確認す
る。Lの押しボタンを押し下げる。この値を、最も近い
0.1単位まで読み取り、記録する。D25D2M単位の場合、
記録された値がハンター色L値である。回転されたサン
プルの値も記録されたD25D2Aヘッドの場合は、ハンター
色L値は、その2つの記録値の平均である。
この方法を用いて、フェルトで覆われたボール紙のす
べてについてハンター色L値を測定する。ハンター色L
値がすべて互いに0.3単位内にある場合は、平均を取っ
て初期L値を得る。ハンター色値が0.3単位内にない場
合は、それらのフェルト/ボール紙の組合せは範囲外に
除く。新しいサンプルを調製し、すべてのサンプルが互
いに0.3単位内となるまでハンター色Lの測定を繰り返
す。
実際のティッシュペーパー/ボール紙の組合せの測定
の場合には、ボール紙中の穴を締めピン上に滑り込ませ
ることにより、ティッシュサンプル/ボール紙の組合せ
をテスターの台板上に載せる。締めピンは、試験中にサ
ンプルが移動するのを防ぐ。校正フェルト/ボール紙サ
ンプルを4ポンドの重錘上に留めるが、この時、ボール
紙面が重錘のパッドと接触するようにする。ボール紙/
フェルトの組合せが、重錘に対して水平に位置している
ことを確認する。この重錘をテスターアーム上に留め、
ティッシュサンプルを重錘/フェルトの組合せの下に穏
やかに配置する。オペレーターに最も近い重錘の末端
は、ティッシュサンプルのボール紙の上になければなら
ず、ティッシュサンプル自体の上にあってはならない。
フェルトは、ティッシュサンプル上に水平に位置してい
なければならず、ティッシュ表面と100%接触していな
ければならない。
つぎに、「押す」のボタンを押し下げることにより、
テスターを作動させる。テスターは、5往復の終了時に
自動的に停止するだろう。フェルトに覆われた重錘の停
止位置をサンプルとの関係で注目する。オペレーターに
向かう、フェルトで覆われた重錘の末端が、ボール紙の
上にあれば、テスターは適切に作動している。オペレー
ターに向かう、フェルトで覆われた重錘の末端が、サン
プルの上にあれば、この測定値を無視し、サザランド式
ラボテスターの校正の節で前記したのと同様に再校正す
る。
フェルトで覆われたボール紙と共に重錘を取り除く。
ティッシュサンプルを検査する。破れていれば、該フェ
ルトおよびティッシュを廃棄し、やり直す。ティッシュ
サンプルが完全にもとのままであれば、フェルトで覆わ
れたボール紙を重錘から取り出す。ブランクのフェルト
に関して前記したとおりに、フェルトで覆われたボール
紙上でハンター色L値を測定する。摩擦した後、そのフ
ェルトについてのハンター色L値を記録する。残りのす
べてのサンプルについて、摩擦し、ハンター色L値を測
定し、記録する。
すべてのティッシュの測定が完了した後、すべてのフ
ェルトを取り除き棄てる。フェルト片は再度使用しな
い。ボール紙は、曲がったり、破れたり、あるいはもは
や平滑な表面を有さなくなるまで使用する。
計算: 未使用フェルトで見出された平均初期L値を反ヤンキ
ーおよびヤンキー側のサンプルについての各測定値から
差し引くことにより、デルタL値を求める。多プライ−
プライ(multi−ply−ply)製品では、紙の一方の面だ
けを摩擦することを思い出していただきたい。したがっ
て、多プライ製品の場合には3個のデルタL値が得られ
ることになる。その3個のデルタL値を平均し、この最
終平均からフェルト係数を差し引く。この最終的な結果
は、2プライ製品の布面についてのリントと称される。
ヤンキー側および反ヤンキー側の両方の測定値が得ら
れる単プライティッシュ紙匹の場合には、未使用フェル
トについて見出される平均初期L値を、その3個のヤン
キー側L値のそれぞれおよびその3個の反ヤンキー側L
値のそれぞれから差し引く。その3個のヤンキー側の値
について、平均デルタを計算する。その3個の反ヤンキ
ー側の値について、平均デルタを計算する。これらの各
平均値からフェルト係数を差し引く。この最終的な結果
は、ティッシュ紙匹の反ヤンキー側のリントおよびヤン
キー側のリントと称される。反ヤンキー側の値に対する
ヤンキー側のリント値の比率を取ることにより、「リン
ト率」が得られる。すなわち、リント率を計算するため
には、以下の式を用いる。
リント率=(リント値、ヤンキー側)/(リント値、反ヤンキー側) ヤンキー側および反ヤンキー側のリント値の平均を取
ることにより、完全な単プライティッシュ紙匹について
の最終的なリントが得られる。すなわち、最終的なリン
トを計算するためには、以下の式を用いる。
最終的なリント=[(リント値、ヤンキー側)+(リント値、反ヤンキー側)]
/2 F.ティッシュペーパーのパネル柔らかさの測定 理想的には、柔らかさの試験の前に、Tappi法#T4020
M−88に従い、被検紙サンプルを調整すべきである。こ
こでは、サンプルを、10〜35%の相対湿度および22〜40
℃の温度範囲内で24時間予備調整する。この予備調整工
程の後で、サンプルを、48〜52%の相対湿度および22〜
24℃の温度範囲内で24時間調整すべきである。
理想的には、柔らかさのパネル試験は、一定の温度お
よび湿度の部屋の境界内で行なうべきである。これが可
能でない場合には、対照を含むすべてのサンプルを、同
じ環境曝露条件に付すべきである。
柔らかさの試験は、参考として本明細書に組入れる
“Manual on Sensory Testing Methods"(ASTM Special
Technical Publication 434,the American Society Fo
r Testing and Materials 1968発行)に記載されている
のと同様の形態で一対の比較として行なう。柔らかさ
は、一対差異試験(Paired Difference Test)と称され
る方法を用いる主観的な試験により評価する。この方法
では、試験物質自体に外因的な標準を用いる。触感的な
柔らかさの場合には、2個のサンプルを用い、この場
合、被験者にサンプルが見えないようし、また、触感的
な柔らかさに基づいてそれらのうちの1個を選択するこ
とを被験者に求める。試験の結果は、パネルスコア単位
(Panel Score Unit(PSU)と称されるものにより報告
される。本明細書中に報告するPSUで表される柔らかさ
のデータを得るための柔らかさの試験に関して、多数の
柔らかさのパネル試験を行なう。各試験では、10人の熟
練した柔らかさの鑑定士に、それぞれ対になっている3
組のサンプルの相対的な柔らかさを評価することを求め
る。サンプル対の判断においては、1対が同時に各鑑定
士により評価され、各対の一方のサンプルはXと称さ
れ、他方はYと称される。簡単に言えば、各Xサンプル
は、その対相手のYサンプルに対して以下のように評価
される。
1.XがYより少し柔らかいであろうと判断される場合
は、+1の等級を与え、YがXより少し柔らかいであろ
うと判断される場合には−1の等級を与える。
2.XがYより少し柔らかいと明確に判断される場合は、
+2の等級を与え、YがXより少し柔らかいと明確に判
断される場合には−2の等級を与える。
3.XがYより著しく柔らかいと判断される場合は、Xに
+3の等級を与え、YがXより著しく柔らかいと判断さ
れる場合には−3の等級を与える。
4.XがYより一層著しく柔らかいと判断される場合は、
Xに+4の等級を与え、YがXより一層著しく柔らかい
と判断される場合には−4の等級を与える。
等級を平均し、得られた値をPSU単位で表す。得られ
たデータは、1パネル試験の結果とみなされる。2以上
のサンプル対を評価する場合には、すべてのサンプル対
を、それらの等級に従い対統計分析(paired statistic
al analysis)によりランク付けする。ついで、必要に
応じてランク値を上下させて、全サンプルがゼロベース
標準(zero−base standard)と選択されるゼロPSU値を
得る。したがって、残りのサンプルは、ゼロベース標準
に対するそれらの相対等級により表される場合には、プ
ラスまたはマイナスの値を有する。実施し平均するパネ
ル試験の数は、主観的に知覚される柔らかさにおける有
意差が約0.2PSUで表されるような数とする。
G.ティッシュペーパーの不透明度の測定 不透明度(%)は、Colorquest DP−9000分光測色計
を用いて測定する。プロセッサーの背部にあるオン/オ
フのスイッチを捜して、スイッチを入れる。装置を2時
間暖機運転する。システムが待機モードになったら、キ
ーパッド上の任意のキーを押し、装置をさらに30分間暖
気運転する。
黒色ガラスおよび白色タイルを使用して、装置を標準
化する。DP9000装置マニュアルの標準化の節の記載に従
い読取りモードで標準化が行われることを確認する。DP
9000を標準化するために、プロセッサー上のCALキーを
押し、スクリーン上に示される指示メッセージに従う。
ついで、指示メッセージに従い、黒色ガラスおよび白色
タイルを読み取る。
また、DP−9000装置マニュアルに従い、DP−9000のゼ
ロ合わせを行なわなければならない。セットアップキー
を押して、セットアップモードに入る。以下のパラメー
ターを定義する。
UFフィルター:OUT ディスプレイ:ABSOLUTE 読取り間隔:SINGLE サンプルID:ONまたはOFF 平均:OFF 統計:SKIP 色スケール(Color Scale):XYZ 色指数:SKIP 色差スケール:SKIP 色差指数:SKIP CMC比:SKIP CMCコマーシャルファクター(Commercial Factor):SKI
P 観測者:10度 光源:D M1第2光源:SKIP 標準:WORKING 標的値:SKIP 許容差:SKIP 色スケールがXYZに、観測者が10度に、光源がDにそ
れぞれ設定されていることを確認する。1プライサンプ
ルを白色未校正タイル上に載せる。白色校正タイルも使
用する。サンプルよおびタイルを上げてサンプル口の下
の適所に配置し、Y値を測定する。
サンプルおよびタイルを下げる。サンプル自体を回転
させることなく、白色タイルを取り除き、黒色ガラスと
交換する。再度、サンプルおよび黒色ガラスを上げ、Y
値を測定する。白色タイルと黒色ガラスとの読取りの間
に、1層ティッシュサンプルが回転しないことを確認す
る。
白色タイル上のY値に対する黒色ガラス上のY値の比
を取ることにより、不透明度(%)を計算する。ついで
この値に100を掛けて、不透明度(%)の値を得る。
本明細書の目的においては、不透明度の測定値を「比
不透明度」に変換する。これにより、不透明度が、坪量
のばらつきに関して事実上補正される。不透明度(%)
を比不透明度(%)に変換するための式は、以下のとお
りである。
比不透明度=(1−(不透明度/100)(1/坪量))×
100 (式中、比不透明度の単位は1g/m2当たりのパーセント
であり、透明度の単位はパーセントであり、坪量の単位
はg/m2である) 比不透明度は、0.01%まで記録すべきである。
G.ティッシュペーパーの強度の測定 乾燥引張強さ: Thwing−Albert Intelect II標準引張試験機(Thwing
−Albert Instrument Co.,10960 Dutton Rd.,Philadelp
hia,PA,19154)を使用して、1インチ幅のサンプル片上
で引張強さを測定する。この方法は、最終紙製品、リー
ルサンプル、および未加工紙料上で用いることが意図さ
れる。
サンプル調整および調製: 引張試験の前に、被検紙サンプルを、Tappi法#T4020
M−88により調整すべきである。試験の前に、プラスチ
ックおよびボール紙の全包装材を紙サンプルから注意深
く取り除かなければならない。紙サンプルは、48〜52%
の相対湿度および22〜24℃の温度範囲内で少なくとも2
時間調整すべきである。また、サンプルの調製および引
張試験の全態様は、一定の温度および湿度の部屋の境界
内で行なうべきである。
最終製品の場合、損傷されている製品はすべて廃棄す
る。つぎに、4個の使用可能な単位(シートとも称され
る)の5個の細片を取り出し、一方の上に他方を積み重
ねて、シート間の穴が一致するように長い積み上げ(ス
タック)を作る。縦方向の引張測定用のものをシート1
および3と、横方向の引張測定用のものをシート2およ
び4として識別する。つぎに、紙切りナイフ(Thwing−
Albert Instrument Co.,10960 Dutton Road.,Philadelp
hia,PA,19154からの安全シールド付きのJDC−1−10ま
たはJDC−1−12)を使用して穴線に沿って切り、4個
の分離した紙料を得る。依然として縦方向試験用のもの
がスタック1および3として、横方向試験用のものがス
タック2および4として識別されることを確認する。
スタック1および3から、幅1″の2個の細片を縦方
向に切る。スタック2および4から、幅1″の2個の細
片を横方向に切る。これで、縦方向引張試験用の幅1″
の4個の細片、および横方向引張試験用の幅1″の4個
の細片が得られた。これらの最終製品サンプルの場合、
全8個の幅1″の細片は、5個の使用可能な単位(シー
トとも称される)の厚さである。
未加工紙料および/またはリールサンプルの場合に
は、紙切りナイフ(Thwing−Albert Instrument Co.,10
960 Dutton Road.,Philadelphia,PA,19154からの安全シ
ールド付きのJDC−1−10またはJDC−1−12)を使用し
て、関心のあるサンプル領域から8枚重ねの厚さ(8 pi
les thick)の15″×15″のサンプルを切る。一方の1
5″の切断線が縦方向と平行に走り、もう一方が横方向
と平行に走っていることを確認する。サンプルが48〜52
%の相対湿度および22〜24℃の温度範囲内で少なくとも
2時間調整されていることを確認する。サンプルの調製
および引張試験の全態様は、一定の温度および湿度の部
屋の境界内で行なうべきである。
8枚重ねの厚さのこの予備調整された15″×15″のサ
ンプルから1″×7″の4個の細片を切るが、この時、
長い7″の寸法方向が縦方向と平行に走るようにする。
これらのサンプルが、縦方向のリールまたは未加工紙料
サンプルとなることに注目する。さらに、1″×7″の
4個の細片を切るが、この時、長い7″の寸法方向が横
方向と平行に走るようにする。これらのサンプルが横方
向のリールまたは未加工紙料サンプルとなることに注目
する。これまでのすべての切断は、必ず、紙切りナイフ
(Thwing−Albert Instrument Co.,10960 Dutton Roa
d.,Philadelphia,PA,19154からの安全シールド付きのJD
C−1−10またはJDC−1−12)を使用して行なう。これ
で、合計8個のサンプルが得られた。そのうちの4個
は、8枚重ねの厚さの1″×7″の細片であり、その長
い7″の寸法方向は縦方向と平行に走っている。残りの
4個は、8枚重ねの厚さの1″×7″の細片であり、そ
の長い7″の寸法方向は横方向と平行に走っている。
引張試験機の操作: 引張り強さの実際の測定には、Thwing−Albert Intel
ect II標準引張試験機(Thwing−Albert Instrument C
o.,10960 Dutton Rd.,Philadelphia,PA,19154)を使用
する。Thwing−Albert Intelect IIの操作マニュアルに
記載されている指示に従い、平面状のクランプをユニッ
ト内に挿入し、試験機を校正する。装置のクロスヘッド
速度を4.00in/分に、第1および第2ゲージ長を2.00イ
ンチに設定する。破壊感度(break sensitivity)は20.
0グラムに設定すべきであり、サンプルの幅は1.00″
に、サンプルの厚さは0.025″に設定すべきである。
ロードセルは、被検サンプルについて予想される引張
結果が使用レンジの25%〜75%に収まるように選択す
る。例えば、1250グラム(5000グラムの25%)および37
50グラム(5000グラムの75%)の予想引張レンジを有す
るサンプルには、5000グラムのロードセルを使用するこ
とができる。また、125グラム〜375グラムの予想引張を
有するサンプルが試験できるように、引張試験機を、50
00グラムのロードセルの10%レンジに設定することがで
きる。
引張細片の1つを取り、その一方の端を引張試験機の
一方のクランプ内に配置する。該紙細片のもう一方の端
をもう一方のクランプ内に配置する。該細片の長い寸法
方向が、引張試験機の側面と平行に走っていることを確
認する。また、該細片が、その2個のクランプのいずれ
かの側に突出していないことを確認する。さらに、各ク
ランプの圧力は、紙サンプルと完全に接触しなければな
らない。
その2つのクランプ内に紙試験細片を挿入した後、装
置の引張をモニターすることができる。それが5グラム
以上の値を示す場合、そのサンプルは引張りすぎであ
る。逆に、試験開始から2〜3秒経過しても値が全く記
憶されない場合は、その引張細片は緩すぎる。
引張試験機装置マニュアルに記載されているとおり
に、引張試験機を始動させる。クロスヘッドが自動的に
その初期出発位置に戻ったら、試験は終了である。装置
の目盛りまたはパネル用デジタル計器から、引張荷重を
グラム単位で最も近い単位まで読取り、記録する。
該装置がリセット条件を自動的に実行しない場合は、
装置クランプを初期出発位置にセットするための必要な
調節を行なう。前記のとおり、2つのクランプ内に次の
紙細片を挿入し、引張値をグラム単位で得る。すべての
紙試験細片から引張値を得る。試験の実施中にクランプ
の中または端で細片が外れたり破れたりした場合は、そ
の測定値を排除すべきことに注意すべきである。
計算: 縦方向の幅1″の4個の最終製品細片の場合には、そ
の4個の個々の記録された引張値を合計する。この合計
を被検細片数で割る。この数字は、通常、4となるべき
である。また、記録された引張値の合計を、1引張細片
当たりの使用可能な単位(usable units)の数で割る。
これは、1プライおよび2プライの両製品の場合、通
常、5である。
横方向の最終製品細片について、この計算を繰返す。
縦方向の切断された未加工紙料またはリールサンプル
の場合には、4個の個々の記録された引張値を合成す
る。この合計を被検細片数で割る。この数字は、通常、
4となるべきである。また、記録された引張値の合計
を、1引張細片当たりの使用可能な単位数で割る。これ
は、通常、8である。
横方向の未加工またはリールサンプル紙細片につい
て、この計算を繰返す。
すべての結果は、グラム/インチの単位で表す。
本明細書の目的においては、引張強さは、「比全引張
強さ」に変換すべきである。「比全引張強さ」は、縦お
よび横縦(cross machine)方向で測定された引張強さ
の合計を坪量で割り、メートルの値に単位を補正するこ
とにより得られる値と定義される。
実施例 以下の実施例は、本発明の実施を例示するために記載
されている。これらの実施例は、本発明の説明の助けと
なるように意図されており、本発明の範囲を限定するも
のと解釈されるべきではない。本発明は、添付の請求の
範囲に拘束されるにすぎない。
実施例1 この比較例は、本発明の特徴には含まれない参考方法
を例示する。この方法は、以下の工程で例示される。
まず、通常のパルパーを使用して約3%のコンシステ
ンシーのNSKの水性スラリーを調製し、それを紙料パイ
プを経由してフォドリニエールのヘッドボックスまで移
動させる。
一時的な湿潤強さを最終製品に付与するために、Pare
z 750の1%分散液を調製し、該分散液を、1.25%(N
SK繊維の乾燥重量に基づく)のParez 750を運搬する
のに十分な比率でNSK紙料パイプに加える。該処理スラ
リーをインラインミキサー中に通すことにより、一時的
に湿潤強い樹脂の吸収を増強する。
該NSKスラリーを、ファンポンプの位置で約0.2%のコ
ンシステンシーまで白水で希釈する。
通常のパルパーを使用して、約3重量%のユーカリ繊
維の水性スラリーを調製する。
該ユーカリを紙料パイプに通して別のファンポンプま
で移動させ、その位置でそれを約0.2%のコンシステン
シーまで白水で希釈する。
移動中のフォドリニエールワイヤ上へ吐き出されるま
で別々の層として流れを維持するための層化葉状物(la
yering leaves)を適切に備えた多チャンネルヘッドボ
ックス中へ、NSKおよびユーカリのスラリーを導く。三
室ヘッドボックスを使用する。最終的な紙の乾燥重量の
80%を含有するユーカリスラリーを、2つの外層のそれ
ぞれを与えるチャンバーへ導き、一方、最終的な紙の乾
燥重量の20%を含むNSKスラリーを、その2つのユーカ
リ層の間の層を与えるチャンバーへ導く。NSKおよびユ
ーカリのスラリーを、ヘッドボックスの吐き出し位置で
合体させて、複合スラリーを得る。
該複合スラリーを、移動中のフォドリニエールワイヤ
上へ吐き出させ、デフレクターおよび真空ボックスの助
けをかりて脱水する。
該初期湿潤紙匹をフォドリニエールワイヤから、それ
ぞれ1インチ当たり84個の縦方向モノフィラメントおよ
び76個の横縦方向モノフィラメントならびに約36%のナ
ックル領域(knuckle area)を有する5杼口(5−she
d)のサテン織物形態のパターン化形成用布(patterned
forming fabric)に移動させる(移動時の繊維コンシ
ステンシーは約15%)。
該紙匹が約28%の繊維コンシステンシーを有するよう
になるまで、真空支援排水(vaccum assisted drainag
e)によりさらに脱水を行なう。
パターン化形成用布と接触させたまま、該パターン化
紙匹を、約62重量%の繊維コンシステンシーまで空気の
ブロースルー(blow−through)により予備乾燥する。
ついで、半乾燥紙匹を、0.125%ポリビニルアルコー
ル水溶液を含む噴霧クレーピング接着剤でヤンキードラ
イヤーの表面に接着する。該クレーピング接着剤は、該
紙匹の乾燥重量に対して接着固体0.1%の比率でヤンキ
ー表面に運搬する。
該紙匹がドクターブレードでヤンキーから乾燥クレー
プされる前に、繊維コンシステンシーを約96%まで増加
させる。
ドクターブレードは約25度のベベル角を有し、ヤンキ
ードライヤーに関して約81度の衝撃角(impact angle)
を与えるように位置している。
ヤンキードライヤーを約800fpm(フィート/分)(約
244メートル/分)で作動させることにより、クレープ
率(percent crepe)を約18%に調節し、一方、乾燥紙
匹を656fpm(201メートル/分)の速度で形成させ巻き
取る。
該紙匹を、3000ft2の坪量当たり約18lbの三層単プラ
イクレープパターン高密度化ティッシュペーパー製品に
加工する。
実施例2 本実施例は、本発明の1つの実施態様を表す充填ティ
ッシュペーパーの製造を例示する。
通常のパルパーを使用して、約3重量%のユーカリ繊
維の水性スラリーを調製する。Cypro 514を、クレー
プティッシュペーパーの最終乾燥重量に対して0.02%
(Cypro 514の乾燥重量に基づく)の比率で該スラリー
に加える。ついで該処理スラリーを、紙料パルプを経由
して抄紙機まで運搬する。
粒子状填料は、Dry Branch Kaolin(Dry Branch,GA)
製のカオリン粘土(等級WW Fil Slurry)である。そ
れを、70%固体のスラリーとして、紙料パイプを経由し
て運搬する。水中の0.3%分散液として運搬されるアニ
オン性凝集剤(Accurac 62)と該スラリーとを、該紙料
パイプ内で混合する。Accurate 62は、約0.015%(該
凝集剤の固体重量および得られるクレープティッシュ製
品の最終乾燥重量に基づく)と同等な比率で運搬する。
該混合物をインラインミキサー中に通すことにより、該
凝集剤の吸着を促進する。これは、填料粒子の調整スラ
リーを形成する。
ついで、填料粒子の凝集スラリーを、精砕されたユー
カリ繊維を運搬する紙料パイプ中に混合する。
そのユーカリ繊維と粒子状填料との混合物を、ほぼ等
量の別々の2つの流れに分割し、抄紙機へ導く。つい
で、水中の1%分散液として運搬されるカチオン性デン
プンRediBOND 5320で各流れを処理する。最終的にヤ
ンキー側層を形成する流れを、0.1%(デンプンの乾燥
重量および得られるクレープティッシュ製品の最終乾燥
重量に基づく)の比率の該デンプンで処理する。最終的
に反ヤンキー側層を形成する流れを、0.5%(デンプン
の乾燥重量および得られるクレープティッシュ製品の最
終乾燥重量に基づく)の比率の該デンプンで処理する。
得られた混合物をインラインミキサーに通すことによ
り、該カチオン性デンプンの吸収を改善させる。つい
で、得られたスラリーをそれぞれ、それらの各ファンポ
ンプの入口で、約0.2%(固体填料粒子およびユーカリ
繊維の重量に基づく)のコンシステンシーになるまで白
水で希釈する。凝集填料粒子とユーカリ繊維との混合物
を運搬するファンポンプの後方で、追加的なAccurac 62
(約0.05%固体の濃度まで希釈されている)を、0.06
5%(填料およびユーカリ繊維の固体重量に基づく)に
相当する比率で各混合物に加える。
Varisoft 134とポリエチレングリコール400との等
量混合物を約88℃の温度で共に溶融することにより、結
合抑制組成物を調製する。ついで該溶融混合物を、約2
%(Varisoft含量に基づく)の濃度になるまで、約66℃
の温度の攪拌水流中に供給する。該結合抑制組成物を、
ユーカリおよび粒子状填料スラリーの流れの1つ、すな
わち、ヤンキー表面と接する層を最終的に形成する流れ
に加える。加える結合抑制組成物の量は、最終ティッシ
ュの乾燥重量に対して約0.15%(Varisoft 134の重量
に基づく)に相当する量を含む。
通常のパルパーを使用して約3%のコンシステンシー
のNSKの水性スラリーを調製し、それを紙料パイプを経
由してフォドリニエールのヘッドボックスまで移動させ
る。
一時的な湿潤強さを最終製品に付与するために、Pare
z 750の1%分散液を調製し、該分散液を、1.25%(N
SK繊維の乾燥重量に基づく)のParez 750を運搬する
のに十分な比率でNSK紙料パイプに加える。該処理スラ
リーをインラインミキサー中に通すことにより、一時的
に湿潤強い樹脂の吸収を増強する。
該NSKスラリーを、ファンポンプの位置で約0.2%のコ
ンシステンシーまで白水で希釈する。該ファンポンプの
後方で、追加的なAccurac 62(約0.05%固体の濃度ま
で希釈されている)を、0.065%(填料およびユーカリ
繊維の固体重量に基づく)に相当する比率で該混合物に
加える。
移動中のフォドリニエールワイヤ上へ吐き出されるま
で別々の層として流れを維持するための層化葉状物(la
yering leaves)を適切に備えた多チャンネルヘッドボ
ックス中へ、NSKおよびユーカリのスラリーを導く。三
室ヘッドボックスを使用する。最終的な紙の乾燥重量の
80%を与えるのに十分な固体流量を含有するユーカリ・
粒子状填料混合物を、2つの外層のそれぞれを与えるチ
ャンバーへ導き、一方、最終的な紙の乾燥重量の20%を
与えるのに十分な固体流量を含むNSKスラリーを、その
2つのユーカリ層の間の層を与えるチャンバーへ導く。
NSKおよびユーカリのスラリーを、ヘッドボックスの吐
き出し位置で合体させて、複合スラリーを得る。
該複合スラリーを、移動中のフォドリニエールワイヤ
上へ吐き出させ、デフレクターおよび真空ボックスの助
けをかりて脱水する。
該初期湿潤紙匹をフォドリニエールワイヤから、それ
ぞれ1インチ当たり84個の縦方向モノフィラメントおよ
び76個の横縦方向モノフィラメントならびに約36%のナ
ックル領域(knuckle area)を有する5杼口(5−she
d)のサテン織物形態のパターン化形成用布(patterned
forming fabric)に移動させる(移動時の繊維コンシ
ステンシーは約15%)。
該紙匹が約28%の繊維コンシステンシーを有するよう
になるまで、真空支援排水(vaccum assisted drainag
e)によりさらに脱水を行なう。
パターン化形成用布と接触させたまま、該パターン化
紙匹を、約62重量%の繊維コンシステンシーまで空気の
ブロースルー(blow−through)により予備乾燥する。
ついで、半乾燥紙匹を、0.125%ポリビニルアルコー
ル水溶液を含む噴霧クレーピング接着剤でヤンキードラ
イヤーの表面に接着する。該クレーピング接着剤は、該
紙匹の乾燥重量に対して接着固体0.1%の比率でヤンキ
ー表面に運搬する。
該紙匹がドクターブレードでヤンキーから乾燥クレー
プされる前に、繊維コンシステンシーを約96%まで増加
させる。
ドクターブレードは約25度のベベル角を有し、ヤンキ
ードライヤーに関して約81度の衝撃角(impact angle)
を与えるように位置している。
ヤンキードライヤーを約800fpm(フィート/分)(約
244メートル/分)で作動させることにより、クレープ
率(percent crepe)を約18%に調節し、一方、乾燥紙
匹を656fpm(200メートル/分)の速度で形成させ巻き
取る。
該紙匹を、3000ft2の坪量当たり約18lbの三層単プラ
イクレープパターン高密度化ティッシュペーパー製品に
加工する。
実施例3 本実施例は、本発明の1つの実施態様を表す充填ティ
ッシュペーパーの製造を例示する。
通常のパルパーを使用して、約3重量%のユーカリ繊
維の水性スラリーを調製する。Cypro 514を、クレー
プティッシュペーパーの最終乾燥重量に対して0.02%
(Cypro 514の乾燥重量に基づく)の比率で該スラリー
に加える。ついで、該処理スラリーを、2つの等しい流
れに分割する。その各流れは、それ自身の紙料パイプを
経由して抄紙機まで運搬される。
粒子状填料は、Dry Branch Kaolin(Dyr Branch,GA)
製のカオリン粘土(等級WW Fil Slurry)である。そ
れを、70%固体のスラリーとして、紙料パイプを経由し
て運搬する。水中の0.3%分散液として運搬されるアニ
オン性凝集剤(Accurac 62)と該スラリーとを、該紙料
パイプ内で混合する。Accurate 62は、約0.015%(該
凝集剤の固体重量および得られるクレープティッシュ製
品の最終乾燥重量に基づく)と同等な比率で運搬する。
該混合物をインラインミキサー中に通すことにより、該
凝集剤の吸着を促進する。これは、填料粒子の調整スラ
リーを形成する。
ついで、填料粒子の凝集スラリーを、精砕されたユー
カリ繊維を運搬する紙料パイプの1つの中へ混合し、最
終混合物を、水中の1%分散液として運搬されるカチオ
ン性デンプンRediBOND 5320で、0.75%(デンプンの
乾燥重量および得られるクレープティッシュ製品の最終
乾燥重量に基づく)の比率で処理する。得られた混合物
をインラインミキサーに通すことにより、該カチオン性
デンプンの吸収を改善させる。ついで、得られたスラリ
ーを、ファンポンプの入口で、約0.2%(固体填料粒子
およびユーカリ繊維の重量に基づく)のコンシステンシ
ーになるまで白水で希釈する。凝集填料粒子とユーカリ
繊維との混合物を運搬するファンポンプの後方で、追加
的なAccurac 62(約0.05%固体の濃度まで希釈されて
いる)を、0.065%(填料およびユーカリ繊維の固体重
量に基づく)に相当する比率で該混合物に加える。
ユーカリ繊維を運搬するもう一方の紙料パイプを、フ
ァンポンプの入口で、約0.2%(固体填料粒子およびユ
ーカリ繊維の重量に基づく)のコンシステンシーになる
まで白水で希釈する。凝集填料粒子とユーカリ繊維との
混合物を運搬するファンポンプの後方で、追加的なAccu
rac 62(約0.05%固体の濃度まで希釈されている)
を、0.065%(ユーカリ繊維の固体重量に基づく)に相
当する比率で該混合物に加える。
Varisoft 134とポリエチレングリコール400との等
量混合物を約88℃の温度で共に溶融することにより、結
合抑制組成物を調製する。ついで該溶融混合物を、約2
%(Varisoft含量に基づく)の濃度になるまで、約66℃
の温度の攪拌された水流中に供給する。該結合抑制組成
物を、ユーカリスラリーの流れ、すなわち、ヤンキー表
面と接する層を最終的に形成する流れに加える。加える
結合抑制組成物の量は、最終ティッシュの乾燥重量に対
して約0.15%(Varisoft 134の重量に基づく)に相当
する量を含む。
通常のパルパーを使用して約3%のコンシステンシー
のNSKの水性スラリーを調製し、それを紙料パイプを経
由してフォドリニエールのヘッドボックスまで移動させ
る。
一時的な湿潤強さを最終製品に付与するために、Pare
z 750の1%分散液を調製し、該分散液を、1.25%(N
SK繊維の乾燥重量に基づく)のParez 750を運搬する
のに十分な比率でNSK紙料パイプに加える。該処理スラ
リーをインラインミキサー中に通すことにより、一時的
に湿潤強い樹脂の吸収を増強する。
該NSKスラリーを、ファンポンプの位置で約0.2%のコ
ンシステンシーまで白水で希釈する。該ファンポンプの
後方で、追加的なAccurac 62(約0.05%固体の濃度ま
で希釈されている)を、0.065%(填料およびNSK繊維の
固体重量に基づく)に相当する比率で該混合物に加え
る。
移動中のフォドリニエールワイヤ上へ吐き出されるま
で別々の層として流れを維持するための層化葉状物(la
yering leaves)を適切に備えた多チャンネルヘッドボ
ックス中へ、その3つのスラリー(NSK、填料と混合し
たユーカリ、および填料を含まないユーカリ)を導く。
三室ヘッドボックスを使用する。粒子状填料を含まない
ユーカリのスラリーを、形成ワイヤ表面上へ直接吐き出
すチャンバーへ導く。NSKを含有するスラリーを中央チ
ャンバーに導き、ユーカリと粒子状填料との混合スラリ
ーを、形成表面から離れた外層チャンバーに導く。NSK
スラリーは、最終的な紙の乾燥重量の約20%を与えるの
に十分な固体流量を含む。ユーカリだけのスラリーは、
最終的な紙の乾燥重量の約36%を与えるのに十分な固体
流量を含む。ユーカリと粒子状填料との混合スラリー
は、最終的な紙の乾燥重量の約44%を与えるのに十分な
固体を含む。それらのスラリーを、ヘッドボックスの吐
き出し位置で合体させて、複合スラリーを得る。
該複合スラリーを、移動中のフォドリニエールワイヤ
上へ吐き出させ、デフレクターおよび真空ボックスの助
けをかりて脱水する。
該初期湿潤紙匹をフォドリニエールワイヤから、それ
ぞれ1インチ当たり84個の縦方向モノフィラメントおよ
び76個の横縦方向モノフィラメントならびに約36%のナ
ックル領域(knuckle area)を有する5杼口(5−she
d)のサテン織物形態のパターン化形成用布(patterned
forming fabric)に移動させる(移動時の繊維コンシ
ステンシーは約15%)。
該紙匹が約28%の繊維コンシステンシーを有するよう
になるまで、真空支援排水(vaccum assisted drainag
e)によりさらに脱水を行なう。
パターン化形成用布と接触させたまま、該パターン化
紙匹を、約62重量%の繊維コンシステンシーまで空気の
ブロースルー(blow−through)により予備乾燥する。
ついで、半乾燥紙匹を、0.125%ポリビニルアルコー
ル水溶液を含む噴霧クレーピング接着剤でヤンキードラ
イヤーの表面に接着する。該クレーピング接着剤は、該
紙匹の乾燥重量に対して接着固体0.1%の比率でヤンキ
ー表面に運搬する。
該紙匹がドクターブレードでヤンキーから乾燥クレー
プされる前に、繊維コンシステンシーを約96%まで増加
させる。
ドクターブレードは約25度のベベル角を有し、ヤンキ
ードライヤーに関して約81度の衝撃角(impact angle)
を与えるように位置している。
ヤンキードライヤーを約800fpm(フィート/分)(約
244メートル/分)で作動させることにより、クレープ
率(percent crepe)を約18%に調節し、一方、乾燥紙
匹を656fpm(200メートル/分)の速度で形成させ巻き
取る。
該紙匹を、3000ft2の坪量当たり約18lbの三層単プラ
イクレープパターン高密度化ティッシュペーパー製品に
加工する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ボードン, ロバート・マイケル アメリカ合衆国、オハイオ州 45215、 ワイオミング、イー・ミルズ・アベニュ ー 1222 (72)発明者 ディーソン、 ハワード・トーマス アメリカ合衆国、オハイオ州 45011、 ハミルトン、デューベリー・コート 6273 (72)発明者 ロレンツ、 デイビッド・ヨヘン アメリカ合衆国、オハイオ州 45208、 シンシナチ、グリースト・アベニュー・ ナンバー2 3237 (72)発明者 ニール、 チャールズ・ウイリアム アメリカ合衆国、オハイオ州 45240、 シンシナチ、フォレスター・ドライブ 1826 (72)発明者 ワイスマン、 ポール・トーマス アメリカ合衆国、オハイオ州 45241、 シンシナチ、インディアン・スプリング ス・ドライブ 9967 (56)参考文献 実開 昭55−26052(JP,U) 特表 平7−504858(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】製紙用繊維と非セルロース性粒子状填料と
    を含んでなる、強く、柔らかく、低ダスト性の充填層状
    クレープティッシュペーパーであって、該ティッシュペ
    ーパーがバイアス表面結合特性を有していて、リント率
    が少なくとも1.2であることを特徴とするティッシュペ
    ーパー。
  2. 【請求項2】該リント率が少なくとも1.4であることを
    特徴とする請求項1に記載のティッシュペーパー。
  3. 【請求項3】該粒子状填料が、粘土、炭酸カルシウム、
    二酸化チタン、タルク、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カ
    ルシウム、アルミナ三水和物、活性炭、パールデンプ
    ン、硫酸カルシウム、ガラスミクロスフェア、ケイ藻
    土、およびそれらの混合物から選ばれる請求項1又は2
    に記載のティッシュペーパー。
  4. 【請求項4】前記粒子状填料が、粘土である請求項3に
    記載のティッシュペーパー。
  5. 【請求項5】前記粒子状填料が、カオリン粘土である請
    求項3に記載のティッシュペーパー。
  6. 【請求項6】前記ティッシュペーパーの坪量が10g/m2
    50g/m2であり、密度が0.03g/cm3〜0.6g/cm3である請求
    項1〜5のいずれか1項に記載のティッシュペーパー。
  7. 【請求項7】前記ティッシュペーパーの坪量が10g/m2
    30g/m2であり、密度が0.05g/cm3〜0.2g/cm3である請求
    項1〜5のいずれか1項に記載のティッシュペーパー。
  8. 【請求項8】該粒子状填料が該ティッシュペーパーの5
    質量%〜50質量%含まれる請求項1〜7のいずれか1項
    に記載のティッシュペーパー。
  9. 【請求項9】該粒子状填料が該ティッシュペーパーの8
    質量%〜20質量%含まれる請求項1〜7のいずれか1項
    に記載のティッシュペーパー。
  10. 【請求項10】該製紙用繊維には広葉樹繊維と針葉樹繊
    維との混合物が含まれ、該広葉樹繊維が該製紙用繊維の
    少なくとも50%含まれ、該針葉樹繊維が該製紙用繊維の
    少なくとも10%含まれる請求項1〜9のいずれか1項に
    記載のティッシュペーパー。
  11. 【請求項11】該ティッシュペーパーには内層、ヤンキ
    ー側外層および反ヤンキー側外層の3つの積層が含ま
    れ、該内層が前記の2つの外層の間に位置する請求項1
    〜10のいずれか1項に記載のティッシュペーパー。
  12. 【請求項12】該内層が、少なくとも2.0mmを超える平
    均長を有する針葉樹繊維を含み、該外層が、1.0mm未満
    の平均長を有する広葉樹繊維を含む請求項11に記載のテ
    ィッシュペーパー。
  13. 【請求項13】該広葉樹繊維には北部針葉樹クラフト繊
    維が含まれ、該広葉樹繊維にはユーカリクラフト繊維が
    含まれる請求項12に記載のティッシュペーパー。
  14. 【請求項14】該微粒子状填料が、主に反ヤンキー側外
    層中に位置する請求項11〜13のいずれか1項に記載のテ
    ィッシュペーパー。
  15. 【請求項15】結合抑制剤をヤンキー側層に添加された
    請求項11〜14のいずれか1項に記載のティッシュペーパ
    ー。
  16. 【請求項16】該結合抑制剤がジ(水素化)タロージメ
    チルアンモニウムメチルサルフェートである請求項11〜
    15のいずれか1項に記載のティッシュペーパー。
  17. 【請求項17】該ティッシュペーパーが、比較的に高密
    度の領域が高バルク領域内に分散するようにパターン高
    密度化された紙である請求項1〜16のいずれか1項に記
    載のティッシュペーパー。
  18. 【請求項18】該比較的に高密度の領域が連続的であ
    り、該高バルク領域が不連続である請求項17に記載のテ
    ィッシュペーパー。
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