JP3210285U - 要介護者用衣服 - Google Patents

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Abstract

【課題】ミトンの中において手指を過度に抑制することを回避しながらも、ミトンからの手部の抜き出しを確実に防止できる要介護者用衣服を提供する。【解決手段】前身頃2a,2aと、後身頃2bからなる胴部2と、一対の袖部3,3と、この袖部3,3にそれぞれ取り付けられ要介護者の手部が収容されるミトン4,4を備え、このミトン4は、手部を包み込む手袋部5と、要介護者の手関節部に巻回されてこの手関節部を締め付ける締付部材8を有し、手袋部5は、クッション部材6と、このクッション部材6に隣り合う第1の外布7を備える。【選択図】図1

Description

本考案は、要介護者の手部を収容するミトンを備える要介護者用衣服に係り、特に、ミトンの中での手指の動きを安全に抑制することで、体内に挿入されたチューブ類の引き抜きや要介護者の怪我を防止し得る要介護者用衣服に関する。
従来、病状により、投薬や栄養補給のためのチューブ類を無意識に引き抜いてしまう患者に対しては、患者の手関節部に固定してこの手関節部から先の手部を包み込むことのできるミトンが使用されてきた。このミトンは、通常、袋状をなし、手掌側の面にクッション部材が備えられている。このようなミトンによれば、手部の動きをある程度抑制することができる。
しかし、上記構成のミトンでは、要介護者がクッション部材を折り曲げてチューブをつまみ、これを引き抜く場合があるという課題があった。また、ミトンは袋状をなすことから、その中で手指を自在に動かすことが可能である。そのため、手指の動きにつれて徐々に手関節部の固定が緩み、ミトンから手部を抜き出す場合があるという課題もあった。
そこで、近年、クッション部材の形状を工夫したミトンや、手部の抜き出しが困難なミトンについての研究や開発が行われており、それに関して既に発明や考案が開示されている。
特許文献1には「医療介護用手袋」という名称で、患者の手を拘束する手袋に関する発明が開示されている。
以下、特許文献1に開示された発明について説明する。特許文献1に開示された発明は、袋状のミトン部と、ミトン部の掌側に配置され、軟質クッション材と硬質クッション材からなるクッション部と、を有し、ミトン部に指先をクッション部の側面に差し込んでクッション部の縁の一部を掴むことができるポケット部が設けられることを特徴とする。
このような特徴を有する発明においては、クッション部が硬質クッション材を備えるため、クッション部を折り曲げてチューブ類をつまむことを困難とする。一方、患者は、ポケット部に指を入れてクッション部の縁を掴むことができるので、手の拘束によるストレスから暴れ出すことを防止可能である。したがって、本発明によれば、適度に患者の手指の動きを抑制し、より安全に手を拘束することができる。
次に、特許文献2には「手袋付き上着」という名称で、患者自身がチューブ類を外すことを防ぐための手袋付き上着に関する考案が開示されている。
以下、特許文献2に開示された考案について説明する。特許文献2に開示された考案は、両袖の先にそれぞれ手袋を延設し、手首の部分で袖をつぼめるための紐を取り付け、手袋に隣接して袖の下側に開閉自在な介護口を設けることを特徴とする。
このような特徴を有する考案においては、手袋に導かれた被介護者の手首は、紐によって袖に固定されるので、被介護者は、手で細かい作業ができなくなり、チューブ類を外すことがなくなる。
特開2012−224953号公報 実用新案登録第3079255号公報
しかしながら、特許文献1に開示された医療介護用手袋においては、クッション部の載置面上を、甲の幅方向に手指を自由に動かすことができる。そのため、指先を曲げた状態で甲の幅方向に手指を動かすと、外布とクッション部の載置面の間に指先を曲げた手指が挟まれてしまい、力の弱い老人では、指先をポケット部に戻すことが困難な場合が考えられる。すなわち、手指を過度に拘束してしまう可能性がある。
また、特許文献2に開示された手袋付き上着においては、手袋は単一の袋なので、その中で手指を自在に動かすことが可能である。加えて、被介護者の手首は、紐によって袖に固定されることから、手指の動きにつれて容易に紐が緩み、手袋から手部を抜き出すことが考えられる。すなわち、従来技術の課題を十分に解決できていない可能性がある。
本考案は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、ミトンの中において手指を過度に抑制することを回避しながらも、ミトンからの手部の抜き出しを確実に防止できる要介護者用衣服を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の考案は、前身頃と、後身頃からなる胴部と、一対の袖部と、この袖部にそれぞれ取り付けられ要介護者の手部が収容されるミトンを備え、このミトンは、手部を包み込む手袋部と、要介護者の手関節部に巻回されてこの手関節部を締め付ける締付部材を有し、手袋部は、クッション部材と、このクッション部材に隣り合う第1の外布を備えることを特徴とする。
このような構造の考案において、前身頃は、要介護者の体軸に沿うように線ファスナーが取り付けられて左右方向に分割されるほか、このような線ファスナーが備えられなくても良い。後身頃も、これと同様である。また、クッション部材は、衝撃を吸収可能な材料からなる。また、第1の外布は、通気性が良好で、手触りの柔らかい材質であることが望ましい。
さらに、クッション部材と、第1の外布は、線ファスナーを介して分離可能に接合されるほか、互いに分離不能に縫合されることで接合されても良い。そして、締付部材としては、例えば、バックルや面ファスナーを有するリストバンドが使用される。
上記構成の考案においては、手部は、手袋部のクッション部材と第1の外布の間に収容され、これらによって包み込まれるため、クッション材によって衝撃から保護される。
また、要介護者に要介護者用衣服を着せたとき、袖部の長さが一定であるため、一方のミトンを体軸から離れる方向に引っ張っても、他方のミトンによって一方のミトンの移動が妨げられる。
また、第2の考案は、第1の考案において、締付部材は、柔軟性を有する長尺体と、この長尺体の複数個所にそれぞれ取り付けられる係合部材と、この係合部材同士が係合された係合部を被覆する被覆部を備え、この被覆部は、袖部又は手袋部に固着される固着部と、係合部を跨いで固着部と反対側に設けられる開閉部と、を有し、開閉部は、ロック部材を介して手袋部又は袖部へ開閉可能に固定されることを特徴とする。
このような構造の考案において、締付部材及び係合部材は、例えば、リストバンド及び面ファスナーがそれぞれ使用される。また、被覆部は、要介護者によって係合部材同士が分離されることを防止するために設けられる。
上記構造の考案においては、第1の考案の作用に加えて、長尺体及び係合部材によって手関節部が締め付け固定される。そのため、手袋部から手部を抜き出すことが困難となる。
さらに、例えば、固着部が袖部に固着されるとともに、開閉部がロック部材を介して手袋部へ固定されるとき、係合部が被覆部によって被覆された状態が保持され、係合部材同士の係合を解除することができない。
さらに、第3の考案は、第1又は第2の考案において、クッション部材と第1の外布の間に形成され、手部が収容される空間は、手指の長手方向に沿って、手部の幅方向を仕切る仕切りが設けられることを特徴とする。
このような構造の考案においては、第1又は第2の考案の作用に加えて、クッション部材と第1の外布の間に形成される空間に手部が収容されると、仕切りを挟んだ両側に隣り合う手指が配置される。したがって、手部が、その幅方向に移動することが防止される。ただし、仕切りは、手指の長手方向に沿って設けられるので、手指の伸展及び屈曲が妨げられることはない。
続いて、第4の考案は、第3の考案において、手袋部は、クッション部材と第1の外布の間に設けられる内布と、この内布を挟んで第1の外布と反対側に設けられる第2の外布を備え、仕切りは、クッション部材と第1の外布の間に形成される代わりに、内布と第1の外布の間に形成され、内布及び第2の外布は、それぞれ周縁の一部同士が接合されるとともに、クッション部材を出し入れする開口部が設けられるポケット部をなすことを特徴とする。
このような構造の考案においては、第3の考案の作用に加えて、手部は、内布と第1の外布の間に収容され、仕切りによって手部の幅方向に移動することが防止される。
また、クッション部材は、内布と第2の外布のいずれに対しても別体であって、ポケット部に、開口部を介して取り出し可能に収納される。
そして、第5の考案は、第1乃至第4のいずれかの考案において、ミトンは、締付部材を超えて延設される袖口部を備え、この袖口部は、連結部材を介して袖部と着脱可能に連結されることを特徴とする。
このような構造の考案において、連結部材としては、ミトンと袖部の開放端を連結する部材であって、例えば、線ファスナー、面ファスナー、点ファスナーが使用される。
上記構造の考案においては、第1乃至第4のいずれかの考案の作用に加えて、必要に応じ、ミトンが袖部から取り外されたり、袖部に取り付けられたりする。
そして、第6の考案は、第1乃至第5のいずれかの考案において、袖部は、その袖丈を調節するための袖丈調節用部材を備え、この袖丈調節用部材は、袖部の長さ方向に沿って配置される複数の留め具であることを特徴とする。
このような構造の考案において、留め具としては、例えば、面ファスナー、点ファスナーが使用される。
上記構造の考案においては、第1乃至第5のいずれかの考案の作用に加えて、複数の留め具のうちのいずれかの留め具に、残りの留め具が係合する。したがって、係合する留め具同士の組み合わせによって、袖丈が調節される。
以上説明したように、第1の考案によれば、リストバンドは、要介護者の手関節部を締め付け固定可能に構成されるため、リストバンドが緩むおそれがない。加えて、袖部の長さが一定であるため、他方のミトンによって一方のミトンの移動が妨げられるため、双方のミトンのいずれにおいても、手部の抜き出しを確実に防止可能である。
さらに、手部は、クッション材によって衝撃から保護されるので、要介護者が無意識に手部を動かした場合であっても、怪我を防止することができる。
第2の考案によれば、第1の考案の効果に加えて、係合部が被覆部によって被覆された状態が保持されることから、要介護者が係合部材同士を分離することを防止できる。したがって、長尺体及び係合部材による手関節部の締め付け固定を確実に維持できる。
第3の考案によれば、第1又は第2の考案の効果に加えて、仕切りが設けられることにより、手部がその幅方向に移動することが防止されるため、手袋部の中で手部が不自然に配置されない。したがって、手部を捩じることもなくこれによる痛みの発生を防止できる。
また、手指の伸展及び屈曲が妨げられないので、要介護者のストレスを軽減できる。
第4の考案によれば、第3の考案の効果に加えて、クッション部材は、開口部を介してポケット部に出し入れされるため、クッション部材を容易に交換可能である。したがって、クッション部材の厚さや材質を適宜調節したり、クッション部材の清潔さを維持したりすることができる。
第5の考案によれば、第1乃至第4のいずれかの考案の効果に加えて、連結部材を操作することで、袖部に対してミトンを容易に着脱させることができる。したがって、例えば、ミトンのみが汚れた場合に、胴部を脱がせることなく直ちにミトンを交換可能であるから、従来のミトンのみからなる介護用品と比較して、要介護者及び介護者の負担が増大することがないという効果を有する。
第6の考案によれば、第1乃至第5のいずれかの考案の効果に加えて、係合する留め具同士の組み合わせによって袖丈が調節されるため、要介護者の体格に合わせて袖丈の微調整が可能となる。
(a)及び(b)は、それぞれ実施例に係る要介護者用衣服の前面図及び背面図である。 (a)及び(b)は、それぞれ実施例に係る要介護者用衣服を構成するミトンの側面図及び斜視図である。 実施例に係る要介護者用衣服を構成するミトンの平面図である。 (a)及び(b)は、それぞれ実施例の第1の変形例に係る要介護者用衣服を構成するミトンの側面図であり、(b)はクッション部材の平面図である。 (a)及び(b)は、それぞれ実施例の第2の変形例に係る要介護者用衣服の袖部の平面図である。
本考案の実施の形態に係る要介護者用衣服について、図1乃至図3を用いて詳細に説明する。図1(a)及び図1(b)は、それぞれ実施例に係る要介護者用衣服の前面図及び背面図である。
図1(a)及び図1(b)に示すように、本実施例の要介護者用衣服1は、2枚の前身頃2a,2aと、1枚の後身頃2bからなる胴部2と、一対の袖部3,3と、この袖部3,3にそれぞれ取り付けられ要介護者の手部が収容されるミトン4,4を備える。
このうち、前身頃2aと前身頃2a同士は、線ファスナー10で連結され、前開き可能な構成となっている。また、胴部2は、要介護者の胸郭の上部のみを覆うような着丈となっており、その下縁に沿って、紐状の保持具11が備えられる。
また、ミトン4は、手部を包み込む手袋部5と、要介護者の手関節部に巻回されてこの手関節部を締め付ける締付部材8を有する。この手袋部5は、掌側のクッション部材6と、このクッション部材6に隣り合う甲側の第1の外布7を備える。
第1の外布7は、通気性と柔軟性を有するメッシュ素材の布材が使用される。さらに、締付部材8としては、例えば、リストバンドが使用される。
次に、実施例に係る要介護者用衣服を構成するミトンについて、図2及び図3を用いながらより詳細に説明する。図2(a)及び図2(b)は、それぞれ実施例に係る要介護者用衣服を構成するミトンの側面図及び斜視図である。なお、図1で示した構成要素については、図2においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図2(a)及び図2(b)に示すように、ミトン4を構成する手袋部5において、クッション部材6と第1の外布7は、それぞれのU字形状をなす外周が連結部材12a,12bを介して接合される。
クッション部材6は、布製の袋体に、複数の衝撃吸収材6aが封入されたものである。この衝撃吸収材6aは、球状のウレタンフォームである。また、連結部材12a,12bは、具体的には、線ファスナーであるため、クッション部材6と第1の外布7は、それぞれの外周において分離可能である。
さらに、図2(b)に示すように、クッション部材6と第1の外布7の間に形成され、手部が収容される空間Sは、手指の長手方向Yに沿って、手部の幅W方向を仕切る仕切り13(図中ジグザグ線部)が設けられる。この仕切り13は、第1の外布7とクッション部材6の一方の面6bを直線状に縫合することで形成される。
さらに、図3は、実施例に係る要介護者用衣服を構成するミトンの平面図である。なお、図1及び図2で示した構成要素については、図3においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図3に示すように、仕切り13(図中ジグザグ線部)は、要介護者の手部Hが手袋部5に収容された場合に、手指fと手指fが仕切り13を挟むことができる位置に設けられる。
また、締付部材8は、柔軟性を有する布製のバンド8aと、このバンド8aの一端に取り付けられ長孔を有するバックル8bと、バンド8aの複数個所にそれぞれ取り付けられる係合部材8c,8dと、この係合部材8c,8d同士が係合された係合部8eを被覆する被覆片9を備える。より詳細には、係合部材8cは、バンド8a表面上で、その他端に貼着される面ファスナーであり、係合部材8dは、バンド8a表面上でバックル8b付近に貼着される面ファスナーである。そして、係合部8eは、バックル8bをくぐった係合部材8cが、係合部材8dの上側に係合したものである。
さらに、この被覆部9は、袖部3に固着される固着部9aと、係合部8eを跨いで固着部9aと反対側に設けられる開閉部9bと、を有する。そして、開閉部9bは、ロック部材Lを介して手袋部5へ開閉可能に固定される。このような被覆部9は、係合部8eにおいて、係合部材8dの上側に係合した係合部材8cが、要介護者によって引き剥がされることを防止するために設けられる。
具体的には、被覆部9は、略円弧状に形成されており、弦に相当する固着部9aのみが袖部3に縫着される。また、ロック部材Lは、2片からなるスナップボタンであって、このスナップボタンの一片L及び他片Lは、それぞれ開閉部9bの一面及び第1の外布7の表面に設けられる。一片L及び他片Lが、互いに係合することで、開閉部9bは、第1の外布7から分離困難となり、被覆片9が係合部8eを被覆した状態が保持される。一方、一片L及び他片Lの係合は、一片Lをその上方から強く押すことによって解除される。
このような構造の要介護者用衣服1においては、要介護者に要介護者用衣服1を装着する場合、線ファスナー10を開放して一対の袖部3,3にそれぞれ腕を通しながら胴部2を要介護者の上半身に着せた後、手部をミトン4の手袋部5に挿入する。このとき、手指fと手指fが仕切り13を挟んでいることを確認する。確認後、再び線ファスナー10を閉じて前身頃2a,2a同士を連結し、保持具11を引っ張って胴部2が首側にずり上がらないよう、胴部2の胸周りのサイズを適宜調節する。そして、手関節部に締付部材8のバンド8aを巻き付けた後、係合部材8c,8d及び被覆片9によって手関節部を締め付け固定する。以上の手順により、要介護者に要介護者用衣服1が装着される。
逆に、要介護者用衣服1を脱がせるには、介護者がまず一片L及び他片Lの係合を解除し、締付部材8の係合部材8c,8d同士を分離してバンド8aを緩める。そして、線ファスナー10を開放してミトン4,4及び袖部3,3からそれぞれ手部及び腕を抜き出し、さらに上半身から胴部2を脱がせると良い。
上記のようにして要介護者用衣服1が装着されると、手部が手袋部5に収容された状態で係合部材8c,8d及び被覆片9によって手関節部が締め付け固定されているので、要介護者は、被覆片9の開閉部9bを第1の外布7から引き剥がすことができない。
さらに、袖部3,3の長さがそれぞれ一定であるため、例えば、一方のミトン4を要介護者の体軸から離れる方向に引っ張っても、他方のミトン4によって一方のミトン4の移動が妨げられる。そのため、この一方のミトン4から手部を抜き出すことは不可能である。
また、手部Hは、手袋部5のクッション部材6と第1の外布7の間に挿入され、これらによって包み込まれるため、手部は、クッション部材6によって衝撃から保護されるとともに、手指f〜fの伸展及び屈曲が抑制されない。
さらに、仕切り13が、手指fと手指fが仕切り13を挟むことができる位置に設けられることから、手部Hは、甲の幅W方向について移動することが抑制されるものの、手指f〜fの伸展及び屈曲はやはり抑制されない。
以上説明したように、本実施例に係る要介護者用衣服1によれば、一般的な衣服を着せたり、脱がせたりする手順とほぼ同様の手順によって、要介護者用衣服1の着脱が可能である。したがって、一般的な衣服と比較して、要介護者及び介護者の負担を増大させるものではない。
また、要介護者は、被覆片9の開閉部9bを第1の外布7から引き剥がすことができないため、締付部材8が緩むことがない。加えて、双方のミトン4,4から手部を抜き出すことは不可能であることから、ミトン4,4からの手部の抜き出しを確実に防止可能である。
また、手袋部5においては、手部Hは、仕切り13によって甲の幅W方向について移動することが抑制されるものの、手指f〜fの伸展及び屈曲は抑制されない。そのため、手指f〜fを過度に抑制することを回避することができる。したがって、要介護者のストレスを軽減できるとともに、手指f〜fを動かさないことによる拘縮を防止することが可能である。
また、手部Hは、クッション部材6によって衝撃から保護されるので、要介護者が無意識に手部を動かした場合であっても、怪我を防止することができる。さらに、クッション部材6は、布製の袋体に、複数の衝撃吸収材6aが封入されたものであるから、要介護者が手指f〜fを屈曲させた場合、衝撃吸収材6aが移動して掌の中で塊状となる。
これに対し、平板状のクッション部材を屈曲させると、形成された屈曲部でチューブ類をつまむことができる。しかし、クッション部材6は、前述したように衝撃吸収材6aが移動して塊状となるので、手部はチューブ類をつまむことができない。したがって、ミトン4を正しく装着した場合においても、要介護者がチューブ類を引き抜くことを防止することができる。
さらに、第1の外布7は、通気性と柔軟性を有するメッシュ素材の布材が使用されるため、手袋部5の内部で皮膚の蒸れや擦れが発生せず、衛生上好ましいとともに、要介護者のストレスを増大させない。
次に、実施例の第1の変形例に係る要介護者用衣服について、図4を用いながら説明する。図4(a)及び図4(b)は、それぞれ実施例の第1の変形例に係る要介護者用衣服を構成するミトンの側面図であり、(b)はクッション部材の平面図である。なお、図1乃至図3で示した構成要素については、図4においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図4(a)及び図4(b)に示すように、実施例の第1の変形例に係る要介護者用衣服(以下、変形例1という。)においては、手袋部5の代わりに、手袋部5Aを備える。手袋部5Aは、クッション部材14と第1の外布7の間に設けられる内布15と、この内布15を挟んで第1の外布7と反対側に設けられる第2の外布16を備える。
このうち、クッション部材14は、2枚の布体14a,14bが袋状をなすように縫合され、その内部に複数の衝撃吸収材6aが封入されたものであって、内布15と第2の外布16のいずれに対しても別体となっている。なお、内布15と、クッション部材14の布体14bは、それぞれ通気性と柔軟性を有するメッシュ素材の布材が使用される。
また、内布15と第1の外布7は、それぞれのU字形状をなす外周が連結部材17a,17bを介して接合される。連結部材17a,17bは、具体的には、線ファスナーであるため、内布15と第1の外布7は、それぞれの外周において分離可能である。
次に、仕切り13(図2,3参照)は、クッション部材6(図2参照)と第1の外布7の間に形成される代わりに、内布15と第1の外布7の間に形成される。この仕切り13は、要介護者の手部Hが手袋部5Aに収容された場合に、手指fと手指fが仕切り13を挟むことができる位置に設けられる。
さらに、内布15及び第2の外布16は、それぞれ周縁の一部同士が連結部材17aに縫着されて接合されるとともに、クッション部材14を図中白抜矢印方向に出し入れする開口部18aが設けられるポケット部18をなす。そして、開口部18aには、互いに係合する面ファスナー19a,19bが設けられる。
変形例1におけるこれ以外の構成は、実施例に係る要介護者用衣服1の構成と同様である。
このような構造の変形例1においては、手部は、内布15と第1の外布7の間に収容され、仕切り13によって手部の幅W方向(図3参照)に移動することが防止される。
また、クッション部材14は、内布15と第2の外布16のいずれに対しても別体となっているため、開口部18aを介してポケット部18に取り出し可能に収納される。そして、クッション部材14がポケット部18に収納されるとき、面ファスナー19a,19b同士を係合させることで、クッション部材14の脱落が防止される。
変形例1におけるこれ以外の作用は、実施例に係る要介護者用衣服1の作用と同様である。
以上、説明したように、変形例1によれば、クッション部材14は、開口部18aを介してポケット部18に取り出し可能に収納されるため、クッション部材14を容易に交換可能である。したがって、クッション部材14の厚さや材質を適宜調節したり、クッション部材14の清潔さを維持したりすることができる。
また、内布15と、クッション部材14の布体14bは、それぞれ通気性と柔軟性を有するメッシュ素材の布材が使用されるため、手袋部5の内部で皮膚の蒸れ等の発生を防止できる。
変形例1におけるこれ以外の効果は、実施例に係る要介護者用衣服1の効果と同様である。
続いて、実施例の第2の変形例に係る要介護者用衣服について、図5を用いながら説明する。図5(a)及び図5(b)は、それぞれ実施例の第2の変形例に係る要介護者用衣服の袖部の平面図である。なお、図1乃至図4で示した構成要素については、図5においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図5(a)及び図5(b)に示すように、実施例の第2の変形例に係る要介護者用衣服(以下、変形例2という。)においては、袖部3及びミトン4の代わりに、それぞれ袖部3A及びミトン4Aを備える。
袖部3Aは、実施例1の袖部3の袖丈をやや短縮したものであって、その袖丈を調節するための袖丈調節用部材20を備える。袖丈調節用部材20は、袖部3Aの長さ方向に沿って配置される複数の留め具20a〜20fである。より詳細には、留め具20a〜20dは、いずれも凹部を有するスナップボタンであり、留め具20e,20fは、それぞれ凸部を有して留め具20a〜20dのいずれかに係合するスナップボタンである。
ミトン4Aは、手袋部5と、締付部材8と、締付部材8を超えて延設される袖口部21を備え、この袖口部21は、連結部材22a,22bを介して袖部3Aの開放端3aと着脱可能に連結される。連結部材22a,22bは、具体的には、線ファスナーである。
変形例2におけるこれ以外の構成は、実施例に係る要介護者用衣服1の構成と同様である。
このような構造の変形例2においては、連結部材22a,22bを操作することで、ミトン4Aが袖部3Aから取り外されたり、袖部3Aに取り付けられたりする。
また、図5(a)に示すように、留め具20dに留め具20eを係合させると、袖部3Aの袖丈が最長となる。一方、図5(b)に示すように、留め具20a,20bに留め具20e,20fをそれぞれ係合させると、袖部3Aの袖丈が最短となる。
変形例2におけるこれ以外の作用は、実施例に係る要介護者用衣服1の作用と同様である。
以上、説明したように、変形例2によれば、連結部材22a,22bを操作することで、袖部3Aに対してミトン4Aを容易に着脱させることができる。したがって、胴部2とミトン4Aの各サイズを選択して組み合わせることが可能となるため、要介護者の体格に最適な要介護者用衣服を構成することができる。
また、例えば、ミトン4Aのみが汚れた場合に、胴部2を脱がせることなく直ちにミトン4Aを交換可能であるから、従来のミトンのみからなる介護用品と比較して、要介護者及び介護者の負担が増大することがないという効果を有する。
さらに、留め具20a〜20dのいずれかに留め具20e,20fを係合させることにより、要介護者の体格に合わせて袖部3Aの袖丈の微調整が可能であるので、手袋部5の先端に手指が突き当たることを緩和できるほか、仕切り13に手指が到達せず、仕切り13を十分に挟めないことを防止可能である。
変形例2におけるこれ以外の効果は、実施例に係る要介護者用衣服1の効果と同様である。
なお、本考案の要介護者用衣服1、変形例1及び変形例2は、本実施例に示す構造に限定されない。例えば、第1の外布7を挟んで、クッション部材6の反対面にもクッション部材が備えられても良い。また、線ファスナー10が省略され、2枚の前身頃2a,2aの代わりに、1枚の前身頃が使用されても良い。あるいは、被覆部9は、固着部9aが手袋部5に固着され、開閉部9bがロック部材Lを介して袖部3へ開閉可能に固定されても良い。そして、袖部3,3Aにそれぞれ設けられる袖丈調節用部材20は、省略されても良い。
さらに、変形例2に係るミトン4Aの手袋部5は、変形例1に係るミトン4の手袋部5Aに置換されても良い。また、留め具20dと留め具20aの間隔は、適宜変更することができる。あるいは、留め具20a〜20d及び留め具20e,20fとして、それぞれ長尺状の面ファスナーが使用されても良い。
本考案は、要介護者の体内に挿入されたチューブ類を、要介護者が引き抜くことを防止するための要介護者用衣服として適用可能である。
1…要介護者用衣服 2…胴部 2a…前身頃 2b…後身頃 3,3A…袖部 3a…開放端 4,4A…ミトン 5,5A…手袋部 6…クッション部材 6a…衝撃吸収材 6b…一方の面 7…第1の外布 8…締付部材 8a…バンド 8b…バックル 8c,8d…係合部材 8e…係合部 9…被覆部 9a…固着部 9b…開閉部 10…線ファスナー 11…保持具 12a,12b…連結部材 13…仕切り 14…クッション部材 14a,14b…布体 15…内布 16…第2の外布 17a,17b…連結部材 18…ポケット部 18a…開口部 19a,19b…面ファスナー 20…袖丈調節用部材 20a〜20f…留め具 21…袖口部 22a,22b…連結部材 H…手部 f〜f…手指 S…空間 L…ロック部材 L…一片 L…他片

Claims (6)

  1. 前身頃と、後身頃からなる胴部と、一対の袖部と、この袖部にそれぞれ取り付けられ要介護者の手部が収容されるミトンを備え、
    このミトンは、前記手部を包み込む手袋部と、前記要介護者の手関節部に巻回されてこの手関節部を締め付ける締付部材を有し、
    前記手袋部は、クッション部材と、このクッション部材に隣り合う第1の外布を備えることを特徴とする要介護者用衣服。
  2. 前記締付部材は、柔軟性を有する長尺体と、この長尺体の複数個所にそれぞれ取り付けられる係合部材と、この係合部材同士が係合された係合部を被覆する被覆部を備え、
    この被覆部は、前記袖部又は前記手袋部に固着される固着部と、前記係合部を跨いで前記固着部と反対側に設けられる開閉部と、を有し、
    前記開閉部は、ロック部材を介して前記手袋部又は前記袖部へ開閉可能に固定されることを特徴とする請求項1に記載の要介護者用衣服。
  3. 前記クッション部材と前記第1の外布の間に形成され、前記手部が収容される空間は、手指の長手方向に沿って、前記手部の幅方向を仕切る仕切りが設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の要介護者用衣服。
  4. 前記手袋部は、前記クッション部材と前記第1の外布の間に設けられる内布と、
    この内布を挟んで前記第1の外布と反対側に設けられる第2の外布を備え、
    前記仕切りは、前記クッション部材と前記第1の外布の間に形成される代わりに、前記内布と前記第1の外布の間に形成され、
    前記内布及び前記第2の外布は、それぞれ周縁の一部同士が接合されるとともに、クッション部材を出し入れする開口部が設けられるポケット部をなすことを特徴とする請求項3に記載の要介護者用衣服。
  5. 前記ミトンは、前記締付部材を超えて延設される袖口部を備え、
    この袖口部は、連結部材を介して前記袖部と着脱可能に連結されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の要介護者用衣服。
  6. 前記袖部は、その袖丈を調節するための袖丈調節用部材を備え、
    この袖丈調節用部材は、前記袖部の長さ方向に沿って配置される複数の留め具であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の要介護者用衣服。
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