JP3210207B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

Info

Publication number
JP3210207B2
JP3210207B2 JP12086995A JP12086995A JP3210207B2 JP 3210207 B2 JP3210207 B2 JP 3210207B2 JP 12086995 A JP12086995 A JP 12086995A JP 12086995 A JP12086995 A JP 12086995A JP 3210207 B2 JP3210207 B2 JP 3210207B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
plasma
processing
susceptor
etching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP12086995A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08264515A (ja
Inventor
光祐 今福
昇佐 遠藤
一弘 田原
浩 土屋
昌幸 友安
幸男 内藤
一也 永関
龍 野中
圭三 広瀬
義男 深澤
公 輿石
功 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electron Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electron Ltd filed Critical Tokyo Electron Ltd
Priority to JP12086995A priority Critical patent/JP3210207B2/ja
Publication of JPH08264515A publication Critical patent/JPH08264515A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3210207B2 publication Critical patent/JP3210207B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Drying Of Semiconductors (AREA)
  • Plasma Technology (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラズマ処理装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばプラズマ処理装置についていえ
ば、従来から例えば半導体製造プロセスにおいては、半
導体ウエハ(以下、「ウエハ」という)などの表面処理
を行うためにおいて多く使用されているが、その中でも
とりわけ所謂平行平板型のプラズマ処理装置は、均一性
に優れ、大口径ウエハの処理が可能である等の長所を有
し、また装置構成も比較的簡易であるから、数多く使用
されている。
【0003】前記従来の一般的な平行平板型のプラズマ
処理装置は、処理室内の上下に電極が対向して平行に設
けられており、被処理体であるウエハは、例えば下側の
電極に載置され、例えばエッチング処理の場合には、こ
の処理室内にエッチングガスを導入すると共に、高周波
電力を前記電極に印加して電極間にプラズマを発生さ
せ、エッチングガスの解離によって生じたエッチャント
イオンによって、前記ウエハをエッチングするように構
成されている。かかる場合のエッチングガスは、上部電
極におけるウエハとの対向面に設けられた吐出部を構成
するガス拡散板の多数の孔からウエハに向けてそのまま
吐出されるようになっている。
【0004】ところでプラズマ処理による処理加工は、
半導体デバイスの高集積化に伴ってますます微細な加工
や、処理速度の向上、処理の均一性が要求されている。
そのため電極間に発生させるプラズマの密度も、より高
密度化することが必要となってきている。さらに例えば
エッチング処理によってウエハ上のシリコン酸化膜(S
iO)にコンタクトホールを形成する場合には、極め
て高い選択性が要求される。
【0005】以上の点に関し、例えば特開昭57−15
9026号「ドライエッチング方法」の公報には、新し
いプラズマ発生方法としてマグネトロンを用いたマグネ
トロン方式のプラズマ処理装置が開示され、また特公昭
58−12346「プラズマエッチング装置」の公報に
おいては、通常の電極以外に上下電極中間にグリッド状
等の共通アノード電極を採用した構成が開示されてい
る。なお従来のこの種の装置における電極は、一般的に
下部電極がアルミニウムで構成され、他方上部電極はカ
ーボンによって構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たマグネトロン方式のプラズマ処理装置では、比較的高
真空で高密度のプラズマを得ることができるが、高周波
電界の周波数に比べて磁界の変化がかなり遅いので、磁
界の変動に伴ってプラズマ状態が変化し、この変化がイ
オンのエネルギーや方向性に変動を与えるため、素子ダ
メージあるいは加工形状の劣化が起こるおそれがある。
また共通アノード構成では、イオンエネルギーと電流密
度を独立に制御できるメリットはあるが、グリッドを介
してプラズマが拡散してしまい、ウエハに入射するイオ
ン電流密度は低くなり、処理レートが低下してしまった
り、あるいは処理が均一化されなくなるおそれがあっ
た。そして高い微細加工に伴って、高周波、高真空度雰
囲気となってくると、電極と処理容器内壁とのインピー
ダンスが低下し、プラズマがより拡散しやすい環境とな
ってくる。
【0007】叙上のようにプラズマが処理室内で拡散し
てしまうと、プラズマ密度の低下だけではなく、処理室
内壁にメタル・コンタミネーションなどが発生して被処
理体であるウエハを汚染してしまう。かかる傾向は、今
後益々要求される高微細加工に必要な高減圧度における
プラズマ処理においてより一層顕著になる。
【0008】 本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、前記したようにより高微細なプラズマ処理加工を
良好に実施するために、まずその第1の目的は、比較的
簡素な平行平板形式の装置構成を採りつつ、プラズマを
処理室内に拡散させず、電極間空間内に閉じこめて高い
プラズマ密度を実現させると共に、処理室内壁にコンタ
ミネーションを発生させないことを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1によれば、処理室内に対向して設けられた
第1の電極と第2の電極間に、高周波電力によってプラ
ズマを発生させ、当該処理室内の被処理体に対して、前
記プラズマ雰囲気の下で処理を施す如く構成されたプラ
ズマ処理装置において、処理室内における前記電極間の
空間領域を側部から囲むように配置された、筒状の接地
電極を有し,前記接地電極の内周は,内側に突出した形
態であることを特徴とする、プラズマ処理装置が提供さ
れる。
【0010】 前記筒状の接地電極は、 電極間空間を囲む
略環状の形態を有し、その内周を前記電極間空間に向け
て凸に湾曲させてもよく、もちろん複数の透孔を形成し
たものであってもよい。
【0011】請求項2によれば、処理室内に対向して設
けられた第1の電極と第2の電極との間に、高周波電力
によってプラズマを発生させ、当該処理室内の被処理体
に対して、前記プラズマ雰囲気の下で処理を施す如く構
成されたプラズマ処理装置において、前記第1の電極の
外周近傍には略環状の第3の電極を設けると共に、前記
第2の電極の外周近傍には略環状の第4の電極を設け、
これら第3の電極と第4の電極とをそれぞれ接地させ,
さらに第3の電極と第4の電極とは全周に渡って対向配
置されていると共に,前記第3の電極と第4の電極は,
その内側面が斜面を形成するように断面が略三角形の形
状を有しているプラズマ処理装置が提供される。また前
記第3の電極と第4の電極の外周部が重なるように,前
記前記第3の電極と第4の電極とを配置してもよい。
【0012】 この場合、前記第1の電極近傍に配置され
た第3の電極と、第2の電極近傍に配置された第4の電
極とを対向させ、かつそれらの各外周縁部が重なるよう
に(平面からみて2つの対向した電極の外周縁部が一致
するように)配置すれば、なお好ましい。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】 さらに以上各プラズマ処理装置において、
前記処理室を内部に形成する処理容器を接地すると共
に、第1、第2の各電極はこの処理容器とは絶縁し、1
つの高周波電源からの高周波電力を前記第1の電極、又
は第2の電極のいずれかに切り換え印加自在に構成し、
さらに前記第1、第2の電極を接地自在に構成してもよ
く、この場合、さらに前記切り換えによって第1の電極
又は第2の電極のいずれか一の電極を高周波電力の印加
側電極とした際、他の電極は同時に接地される如く構成
してもよい。
【0020】 また以上の各プラズマ処理装置において、
高周波電力の出力を周期的に変調するように構成しても
よく、かかる場合の出力変調幅は、最小時の出力が、最
大時の出力の1/2〜1/5の範囲となるように設定す
ることがより好ましい結果が得られる。
【0021】
【0022】また前述のプラズマ処理装置において、第
1の電極が上部電極、第2の電極が下部電極を構成する
ようにし、前記上部電極には相対的高周波電力を印加
し、前記下部電極には相対的低周波電力を印加し、さら
に前記上部電極と下部電極との間の間隔(ギャップ)長
を、10〜40mmに設定してもよい。
【0023】 相対的高周波電力とは、 周波数が10〜4
0MHzの電力をいい、また相対的低周波電力とは、周
波数が300kHz〜3MHzのものをいう。
【0024】 また上下双方に印加する場合においては、
上部電極の方を、下部電極よりも先に印加される如く構
成したり、電力印加の停止に関しては、下部電極の方
を、上部電極よりも先に停止するように構成すればより
好ましい結果が得られる。
【0025】 ところでこの種のプラズマ処理装置におい
ては、通常マッチング装置と呼ばれる整合器、整合装置
などの整合手段が設けられているが、かかる整合手段に
おいては、インピーダンスと位相とを夫々独立して制御
するようにすれば、好ましい結果が得られる。
【0026】 そして以上の各プラズマ処理装置において
は、処理室内圧が5mTorr〜100mTorrに設
定自在なように構成してもよい。
【0027】(作用) 請求項1のように処理室内における前記電極間の空間領
域を側部から囲むように配置された接地電極を有してい
ると、プラズマが当該電極間空間に留まり、周囲に拡散
することはない。従って、処理領域でのプラズマ密度が
高くなり、他方処理室内壁にコンタミネーションが発生
することもない。すなわち、拡散しようとするイオンは
この第3の電極側に積極的に移動し、結果的にプラズマ
の拡散は防止される。
【0028】 かかるプラズマ拡散の防止という目的のみ
を鑑みれば、プラズマ閉じこめ手段である接地電極は
えば筒状のものが好ましいが、電極間空間内に導入した
エッチングガスの排気を考慮すると、既述したように複
数の透孔を設けることにより、排気を損なうことなくか
つ同時にプラズマの拡散を防止することができる。
【0029】 また前記のように接地している電極を設け
た場合には、積極的にイオンをいわば呼び込むようにし
ているので、電極間空間を囲む略環状の形態を有し、そ
の内周を前記電極間空間に向けて凸に湾曲させた場合に
は、プラズマ側に曝される表面積が大きくなり、大きい
パワーによって発生したプラズマに対しても所期の目的
を達成することが可能である。
【0030】 請求項2に記載したように、略環状の形態
を有する接地電極を第1の電極近傍と第2の電極近傍と
に夫々配置した場合には、それぞれ対向側にある第1の
電極と第2の電極の各々からのイオンを各々呼び込ん
で、それによってプラズマの拡散を防止することが可能
である。即ち第3の電極は第2の電極から、第4の電極
は第1の電極から相応するイオンを各々呼び込んで、そ
れによってプラズマの拡散を防止することができる。こ
の場合接地されている2つの電極、即ち第3の電極と第
4の電極の外周縁部が重なるように配置すれば、より一
層プラズマの拡散を防止することが可能となる。
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】 そして以上のように構成された各プラズマ
処理装置において第1の電極と第2の電極に対して、各
々高周波電力を印加するように構成すれば、各高周波電
力の電圧を夫々独立可変とすることが容易である。
【0035】
【0036】
【0037】 ところで既述したように、処理室を内部に
形成する処理容器を接地すると共に、第1、第2の各電
極はこの処理容器とは絶縁し、1つの高周波電源からの
高周波電力を前記第1の電極、又は第2の電極のいずれ
かに切り換え印加自在に構成し、さらに前記第1、第2
の電極を接地自在に構成すれば、第1の電極に対して印
加する一方で第2の電極を接地するモードと、その逆に
第1の電極の方を接地して第2の電極に高周波電力を印
加するモードとの、2つのプラズマ処理モードが得られ
る。従って、1つの処理室において、2つの異なったプ
ラズマ処理モードが得られ、例えば第1の電極上に被処
理体を載置させてこの被処理体に対してエッチング処理
を施す場合、前者のモードではDCバイアスを大きくし
たエッチング処理を施すことができ、後者のモードでは
DCバイアスの小さいエッチング処理を施すことが可能
となる。それゆえ同一処理室内で異なった処理を連続し
て行ったり、プロセスのアプリケーションの拡大を図っ
たりすることができる。
【0038】 この場合、高周波電力の印加側電極を切り
換えた際に、同時に他の電極が切り換え接地されるの
で、例えば1つのリレー系の切り換えによって、前記し
た2つのモードの切り換えが実施できる。
【0039】 また以上の各プラズマ処理装置において高
周波電力の出力を周期的に変調するように構成すれば、
プラズマ密度の高低を繰り返すことが可能であり、プラ
ズマ中のガス成分の解離コントロールを実施することが
でき、例えばコンタクトホールのエッチング処理におい
ては、高出力時にエッチングを進行させ、他方低出力時
にはホール内のエッチング反応生成物を排出させるプロ
セスを採ることが可能になる。従ってエッチングレート
を高くするとともに、ホール底部とホール入口との大き
さの差を小さく抑える垂直異方性にすぐれたエッチング
を実施することができる。かかる出力変調において、最
小時の出力が、最大時の出力の1/2〜1/5の範囲と
なるように設定すれば、プラズマ状態を維持しつつかつ
そのようにエッチング反応生成物の排出にとって好まし
い状態とすることができる。
【0040】 上部電極と下部電極との間のギャップ長
を、10〜40mmに設定して上下対向の電極に夫々相対
的高周波電力、相対的低周波電力を印加してプラズマを
発生させれば、エッチングレート、均一性、並びにプラ
ズマの安定度に関しバランスのとれた処理を実行するこ
とが可能である。また前記ギャップ長を15〜30mm、
とりわけ25mm前後に設定すれば、なお好ましい結果が
得られる。
【0041】 上部電極と下部電極との双方に印加する場
合には、上部電極の方を先に印加し、下部電極の方をそ
れより遅れて印加させてプラズマを発生させるようにす
れば、下部電極上に載置される被処理体に対して過大な
電圧がかからず、プラズマを発生させやすく、かつ当該
被処理体に対してダメージを与える危険が少ない。また
プラズマを消滅させる際にも、先に下部電極側の印加電
力を停止させ、次いで遅れて上部電極側の印加電力を停
止させるようにすれば、デポが進行せず被処理体に対す
るダメージを防止することが可能になる。要するにこの
ような印加、停止順序を採れば、被処理体が載置される
下部電極だけに電圧を印加する状態を避けているため、
被処理体に対して過大電圧からの保護が図られるのであ
る。なお遅らせるタイミングは、例えば1秒以下に設定
すれば所期の効果を得ることができる。
【0042】 既述したように、インピーダンスと位相と
を夫々独立して制御するように整合手段を構成すれば、
外乱に対して影響をうけずらく、かつ負荷変動に対して
も整合をとりやすいものとなる。
【0043】 そして処理室内圧を5mTorr〜100
mTorrに設定自在に構成することにより、高い真空
度下での高微細加工が可能になる。
【0044】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づき説
明すると、図1は第1実施例のエッチング処理装置1の
断面を模式的に示しており、このエッチング処理装置1
は、電極板が平行に対向した所謂平行平板型エッチング
装置として構成されている。
【0045】 このエッチング処理装置1は、例えば表面
が酸化アルマイト処理されたアルミニウムなどからなる
円筒形状に成形された処理容器2を有しており、この処
理容器2は接地されている。前記処理容器2内に形成さ
れる処理室内の底部にはセラミックなどの絶縁板3を介
して、被処理体、例えば半導体ウエハ(以下、「ウエ
ハ」という)Wを載置するための略円柱状のサセプタ支
持台4が収容され、さらにこのサセプタ支持台4の上部
には、下部電極を構成するサセプタ5が設けられてい
る。
【0046】 前記サセプタ支持台4の内部には、冷媒室
6が設けられており、この冷媒室6には例えばパーフル
オロポリエーテルなどの温度調節用の冷媒が冷媒導入管
7を介して導入可能であり、導入された冷媒はこの冷媒
室6内を循環し、その間生ずる冷熱は冷媒室6から前記
サセプタ5を介して前記ウエハWに対して伝熱され、こ
のウエハWの処理面を所望する温度まで冷却することが
可能である。
【0047】 前記サセプタ5は、その上面中央部が凸状
の円板状に成形され、その上にウエハWと略同形の静電
チャック11が設けられている。この静電チャック11
は、2枚の高分子ポリイミド・フィルムによって導電層
12が挟持された構成を有しており、この導電層12に
対して、処理容器2外部に設置されている直流高圧電源
13から、例えば1.5kVの直流高電圧を印加するこ
とによって、この静電チャック11上面に載置されたウ
エハWは、クーロン力よってその位置で吸着保持される
ようになっている。
【0048】 前記サセプタ5の上端周縁部には、静電チ
ャック11上に載置されたウエハWを囲むように、環状
のフォーカスリング15が配置されている。このフォー
カスリング15は反応性イオンを引き寄せない絶縁性の
材質からなり、プラズマによって発生した反応性イオン
を、その内側のウエハWにだけ効果的に入射せしめるよ
うに構成されている。
【0049】 前記サセプタ5の上方には、このサセプタ
5と平行に対向して、これより約15〜20mm程度離
間させた位置に、上部電極21が、絶縁材22を介し
て、処理容器2の上部に支持されている。この上部電極
21は、前記サセプタ5との対向面に、多数の拡散孔2
3を有する、例えばSiC又はアモルファスカーボンか
らなる電極板24と、この電極板24を支持する導電性
材質、例えば表面が酸化アルマイト処理されたアルミニ
ウムからなる、電極支持体25とによって構成されてい
る。
【0050】 そしてこの電極支持体25の外周には、環
状の絶縁材26を介して、図2に示したような第3の電
極となる接地電極27が設けられている。この接地電極
27は、図1に示される如く、その下端部が前出フォー
カスリング15の上端部との間にウエハWが通過し得る
空隙を保持して設置され、さらにその内周は、図1、図
2に示したように、内側に突出した形態を有している。
そしてこの接地電極27は、前記サセプタ5と電極板2
4との間の空間領域を、側部から囲むようにして配され
ている。
【0051】 前記上部電極21における支持板25の中
央にはガス導入口28が設けられ、さらにこのガス導入
口28には、ガス導入管29が接続されている。このガ
ス導入管29には、ガス供給管30が接続されており、
さらにこのガス供給管30は3つに分岐されて、各々バ
ルブ31、32、33 、並びにマスフローコントロー
ラ34、35、36を介して、それぞれ対応する処理ガ
ス供給源37、38、39に通じている。本実施例にお
いては、処理ガス供給源37からはCFガス、処理ガ
ス供給源38からはClガス、処理ガス供給源39から
は不活性のパージガスであるNガスが供給されるよう
に設定されている。
【0052】 前記処理容器2の下部には排気管41が接
続されており、この処理容器2とゲートバルブ42を介
して隣接しているロードロック室43の排気管44共
々、ターボ分子ポンプなどの真空引き手段45に通じて
おり、所定の減圧雰囲気まで真空引きできるように構成
されている。そして前記ロードロック室43内に設けら
れた搬送アームなどの搬送手段46によって、被処理体
であるウエハWは、前記処理容器2とこのロードロック
室43との間で搬送されるように構成されている。
【0053】 また前記エッチング処理装置1の処理容器
2内にプラズマを発生させるための高周波電力は、例え
ば13.56MHzの高周波を発振させる2台の高周波
電源51、52によって供給される。即ち高周波電源5
1は、整合器53を介して、上部電極21に高周波電力
を印加するように構成され、また高周波電源52は、整
合器54を介して、サセプタ5に高周波電力を印加する
ように構成されている。なおそのように上部電極21、
サセプタ5へは、夫々独立した高周波電源によって高周
波電力が印加されるようになっているので、これら上部
電極21、サセプタ5に印加する電圧は、夫々独立して
可変である。
【0054】 また前記整合器53と上部電極21との
間、並びに前記整合器54とサセプタ5との間には、各
々印加される高周波電力の電流の位相信号を検出する位
相検出手段55、56が夫々設けられている。そしてこ
れら各位相検出手段55、56によって検出された位相
信号は、夫々位相コントローラ57へと入力され、この
位相コントローラ57は、この検出された位相信号に基
づいて前出各高周波電源51、52に対し、各々位相が
180゜異なった高周波を発振させるように、夫々制御
するように構成されている。
【0055】 第1実施例にかかるエッチング処理装置1
は以上のように構成されており、例えば、このエッチン
グ処理装置1を用いて、シリコン基板を有するウエハW
上のシリコン酸化膜(SiO)のエッチングを実施す
る場合について説明すると、まず被処理体であるウエハ
Wは、ゲートバルブ42が開放された後、搬送手段46
によってロードロック室43から処理容器2内へと搬入
され、静電チャック11上に載置される。そして高圧直
流電源13の印加によって前記ウエハWは、この静電チ
ャック11上に吸着保持される。その後搬送手段46が
ロードロック室43内へ後退したのち、処理容器2内は
排気手段45によって真空引きされていく。
【0056】 他方バルブ31が開放されて、マスフロー
コントローラ34によってその流量が調整されつつ、処
理ガス供給源37からCFガスが、ガス供給管30、
ガス導入管29、ガス導入口28を通じて上部電極21
へと導入され、さらに電極板24の拡散孔23を通じ
て、図1中の矢印に示される如く、前記ウエハWに対し
て均一に吐出される。
【0057】 そして処理容器2内の圧力は例えば1Pa
に設定、維持された後、高周波電源51、52が作動し
て、その電流位相が相互に180゜異なった高周波電力
が夫々上部電極21と、サセプタ5に印加され、これら
上部電極21とサセプタ5との間にプラズマが発生し、
前記処理容器2内に導入されたCFガスを解離させて
生じたラジカル成分によって、ウエハWに対して所定の
エッチングが施される。
【0058】 かかるエッチング処理におけるプラズマ
は、既述の如く上部電極21とサセプタ5との間に発生
するが、前記したように、接地電極27は、前記上部電
極21とサセプタ5と間の空間領域を、側部から囲むよ
うにして配されているので、当該空間領域から拡散しよ
うとするイオンは、この接地電極によって引きつけら
れ、当該空間領域外部、例えば処理容器2内壁へ拡散す
ることはない。従って、前記空間領域、即ちウエハWに
対する処理領域内のプラズマ密度は高く維持でき、これ
によってウエハWに対して高微細加工が可能となってい
る。
【0059】 しかもイオンが処理容器2内壁へと拡散す
ることが抑制されいるので、処理中に、この処理容器2
内壁がエッチングされたり、反応生成物が付着するなど
して、当該内壁にコンタミネーションが発生することは
なく、処理容器2内を汚染することはない。したがっ
て、この点から歩留まりが低下することはない。
【0060】 そしてプラズマを発生させるために上部電
極21とサセプタ5とに夫々印加された高周波電力は、
その電流位相が180゜異なっているため、処理ガスの
種類、減圧度とは無関係に高周波電力をプラズマに投入
することができ、ウエハWに入射するイオン電流密度を
増大させることができる。
【0061】 すなわち、対向する電極間にかかる高周波
電力の周波数の位相差を変化させた場合、プラズマの状
態は変化する(例えば、特開平2−224239)。例
えば2つの高周波電力の電圧位相がほぼ同相である場
合、プラズマは広がり、密度も低くなって処理速度が低
下する。他方、電圧位相差が180゜ずれている場合に
は、プラズマ密度は高くなる。しかし、例えば周波数が
380kHzと13.56MHzの場合では、プラズマ
密度が最も高くなる電圧位相差は、異なっている。これ
はプラズマのインピーダンスが変化するためと考えられ
る。同様に、処理ガスの組成を変化させると、ガスの電
離断面積の特性、あるいは解離の特性差によっても、プ
ラズマのインピーダンスが変化し、最適の電圧位相差は
変化してしまう。従って、従来のように電圧位相を制御
して高周波電力を印加する方式では、そのようにプラズ
マインピーダンスの変化により、一方の電極から流れ込
んだ電流が、位相差により対向電極に流れ込む電圧関係
になっていない場合、対向電極以外の、例えば処理容器
内壁へと拡散してしまうため、最もプラズマ密度の高い
状態を実現するのは難しかったのである。
【0062】 この点、前記のように電流位相を180゜
異なったものにして制御することによりプラズマインピ
ーダンスの変化と関係なく、一方の電極、例えば上部電
極21から他方の対向電極であるサセプタ5に流れ込も
うとしたときには、サセプタ5の位相はその電流を流す
ことができる関係にあるため、電流は効率よく流れ込
み、その結果プラズマはこれら上部電極21とサセプタ
5間に閉じこめられてその密度が高くなるものである。
【0063】 しかも本実施例では、既述の如く、接地電
極27によってもプラズマが閉じこめられる構成である
から、両者が相俟って極めて高いプラズマ密度を実現さ
せることができ、高い微細加工を可能としている。
【0064】 なお前記実施例で使用した接地電極27
は、内側に凸に成形された形態を有していたが、これに
代えて例えば図3に示したように、単なる筒状の接地電
極61として、これを絶縁材62を介して、電極支持体
25の外周に配置し、接地されている処理容器2とこの
接地電極61とを固着する構成としてもよい。
【0065】 また対向電極間空間をより閉鎖された空間
とするため、さらに接地電極の高さを大きくした筒状の
形態としてもよい。なおかかる場合には、当該対向電極
間空間内に導入される処理ガスの排気を十分に確保する
ため、図4に示したように、この接地電極63の周囲
に、複数の透孔64を形成しておくことが好ましい。
【0066】 さらにプラズマを対向電極間に閉じこめて
周囲に拡散させない接地電極の他の例としては、例えば
図5に示したような接地電極65、66としてもよい。
この接地電極65、66は、同図からわかるように、夫
々略リング形状をなしており、接地電極65は、上部電
極21の外周に配置し、接地電極66はサセプタ5の上
端部近傍外周に配置させる(この場合、所謂排気リング
の上部にかかる構成を持たせてもよい)。これによって
上部電極21から拡散しようとする荷電粒子は、接地電
極66へと寄せられ、サセプタ5から拡散しようとする
荷電粒子は接地電極65へと寄せられて、その結果、上
部電極21とサセプタ5間に発生したプラズマは、処理
容器2の内壁へと拡散することはないものである。
【0067】 また図6に示した接地電極67、68は、
前記電極の形態を代えてリング状でかつ内側面が斜面を
形成するように断面を略三角形としたものである。かか
る構成の接地電極67、68によれば、例えば上側の接
地電極67は、その内側の斜面部がサセプタ5の方向に
向けられているので、前記図5に示した接地電極65よ
りも、より効率よく荷電粒子を引き寄せることができ、
さらにプラズマ拡散防止効果が向上している。
【0068】 なお前記図5、図6に示した接地電極は、
いずれも上下対向構成としていたが、必ずしもそのよう
に対向する構成としなくても、プラズマ拡散防止効果は
得られるものである。
【0069】 前記した例では、プラズマ拡散の防止を図
る手段として、上部電極21、サセプタ5以外の第3の
電極を設けた構成を採ったが、これに代えて例えば図7
に示したように、磁石を上部電極21とサセプタ5の近
傍周囲に対向配置させてもよい。即ち上部電極21に
は、電極支持体25の下端部外周に、環状の絶縁部材7
1を設け、この絶縁部材71の内部に図8に示した略円
柱状の永久磁石72を、環状に等間隔で設ける。本実施
例では、図7に示したように、下面側、即ちサセプタ5
側に全ての永久磁石72のN極が位置するようにし、か
つ環状に配置するにあたっての間隔は、図9に示したよ
うに、隣合う他の永久磁石とのおりなす中心角θが10
゜となるように、設定してある。
【0070】 他方図7に示したように、サセプタ5の上
端部外周にも、環状の絶縁部材73を設け、この絶縁部
材73の内部に、前記永久磁石72と同形、同大、同一
磁力を有する永久磁石74を、前記各永久磁石72と対
向するように、同一個数、同一間隔で配設する。そして
このサセプタ5側に配設されるこれら永久磁石74の磁
極は、前記永久磁石72の対向部分の磁極とは異なった
磁極、即ちS極を上部電極21側に位置するようにして
ある。従って、各永久磁石72、74の磁極の関係は、
図10に示したようになっている。
【0071】 かかるようにして磁石を配置すれば、上部
電極21周縁部と、サセプタ5周辺部との間に局所的な
磁場が発生し、この磁場によって上部電極5とサセプタ
5間空間内の荷電粒子が、外部に飛び出すことをトラッ
プすることができ、プラズマを当該電極間空間内に閉じ
こめることができる。なお磁場の強さは、余りに過大に
なるとプラズマ自体に偏りを生じさせてプラズマ処理自
体に影響を与えるおそれがあるので、被処理体であるウ
エハW周辺部の磁場強度が10Gauss以下になるよ
うに設定することが望ましい。
【0072】 また前記した局所的な磁場の形態を、さら
に好ましいものとするために、図11に示したように、
例えば永久磁石72の上端部に、磁性体75を設けて永
久磁石72と併用するようにしてもよい。
【0073】 さらに図7、10に示した例は、上部電極
21側に配設された永久磁石72と、サセプタ5側に配
設された永久磁石74とは、上下間では、相互に異なっ
た磁極構成としたものの、隣合う磁石相互間では、同一
の磁極構成となっていたが、これに代えて、図12に示
したように、隣合う磁石相互間でも、磁極が異なったよ
うに配置すれば、なお好ましい作用効果が得られる。即
ち、図12に示したように配置することにより、上下対
向部分にのみならず、隣合う対向部分にも磁束が生じ、
これによって荷電粒子のトラップ体制がより密になる。
従って、図10,の場合よりもさらにプラズマ閉じこめ
作用が向上する。
【0074】 ところで、既述したように今日では半導体
デバイスの高集積化に伴って、その製造プロセスにおい
ても、より微細な加工が要求されている。例えばエッチ
ング処理によってコンタクトホールを形成する場合に
も、ホール径が0.3μm、ホール深さが1〜2μmと
なるような微細加工が必要とされている。しかしながら
従来の平行平板型プラズマ装置においては、常に一定出
力の高周波電力を印加するようにしているため、そのよ
うにホール径が小さくなると、図13に示したように、
エッチング反応生成物Zが排出されづらくなり、ホール
81底部や底部近傍に堆積して、エッチングガスとの入
れ替えがスムーズに行われなくなり、その結果図13に
示したように、ホール81の形状が逆円錐台形となった
り、エッチングレートが低下して、高集積化に対応した
微細加工ができないという問題が生じていた。
【0075】 かかる問題に対処するために、例えば前記
プラズマ処理装置1における高周波電源51、52の出
力を制御して、例えば図14のグラフに示したように、
10msの周期毎に、出力の大小を繰り返すようにして
上部電極21、サセプタ5に印加するようにしてもよ
い。図14では、最大時の出力が1000w、最小時の
出力がその1/5の200wとなるように制御してい
る。このように制御することにより、大きい電力時には
プラズマ密度を高くしてエッチングを進行させ、小さい
電力時にはプラズマ密度を低くして、図15に示したホ
ール82内に発生するエッチング反応生成物の排出を促
進させて、エッチングガスとの入れ替えを円滑にし、同
図に示したようにホール82の入口と底部の径が同一の
ホールを形成させることができる。なお前記したパワー
の最大、最小、並びにその周期は、目的とするホールの
大きさ、材質、処理ガス等の種類に応じて、適宜選択す
ればよい。
【0076】 叙上のエッチング処理装置1は、プラズマ
を発生させる高周波電源を2つ使用して、上部電極21
とサセプタ5に高周波を印加するように構成していた
が、切換によっていずれか一方の電極を常に接地し、他
の電極にのみ印加することが自在なように構成しておけ
ば、1つの装置構成によって2つの異なったモードのエ
ッチング処理を実施することが可能になる。
【0077】 また1つの高周波電源を用いてかかる切換
を行うことも可能である。図16に示した例は、1つの
高周波電源91を用いてそのような2つの異なったモー
ドのエッチング処理を実施可能なエッチング処理装置9
2を示しており、減圧自在な接地された処理容器93内
には、上下に対向して、上部電極94と下部電極95が
設けられている。そしてこの処理容器93の上部には、
第1真空リレー96がシールドボックス97内に納めら
れており、上部電極94の前記高周波電源91又は処理
容器93との接続切換を担っている。またマッチングボ
ックス98内には、第2真空リレー99が納められてお
り、下部電極95の高周波電源91又は接地側への切換
と、前記第1真空リレー96に通ずる高周波電源91の
経路のON−OFFの切換を担っている。
【0078】 かかる構成を有するエッチング処理装置9
2によれば、図16の状態ではDCバイアスの大きいR
IE(リアクティブイオンエッチング)モードとなって
おり、上部電極94が接地され、下部電極95に高周波
電源91からの高周波電力が印加されて、電極間に存在
するウエハなどの被処理体に対して、高真空領域での微
細加工、及び垂直形状に制御性の高いエッチング処理を
実施することが可能である。
【0079】 そして前記第1真空リレー96、第2真空
リレー99を夫々切り替えて図17のDCバイアスの小
さいPE(プラズマエッチング)モードにすれば、下部
電極95が接地され、上部電極94に高周波電源91か
らの高周波電力が印加されて、電極間に存在するウエハ
などの被処理体に対して損傷が少なく、寸法制御の高い
エッチング処理を実施することができる。従って、第1
真空リレー96、第2真空リレー99の切換だけで、同
一の被処理体に対して2つの異なったエッチング処理
を、同一処理室内で連続して実施することが可能であ
り、プロセスのアプリケーションの拡大が図れる。
【0080】 さらに他の実施例について説明すると、図
18は、上下対向電極に周波数の異なった高周波電力を
印加する構成を有する第2実施例のエッチング処理装置
101の断面を模式的に示しており、このエッチング処
理装置101における処理室102は、気密に閉塞自在
な酸化アルマイト処理されたアルミニウムなどからなる
円筒形状に成形された処理容器103内に形成され、当
該処理容器103自体は接地されている。前記処理容器
103内に形成される処理室102内の底部にはセラミ
ックなどの絶縁板104を介して、被処理体、例えば半
導体ウエハ(以下、「ウエハ」という)Wを載置するた
めの略円柱状のサセプタ支持台105が収容され、さら
にこのサセプタ支持台105の上部には、下部電極を構
成するサセプタ106が設けられている。
【0081】 前記サセプタ支持台105の内部には、冷
媒室107が設けられており、この冷媒室107には、
既述のエッチング処理装置1と同様、温度調節用の冷媒
が冷媒導入管を介して導入可能であり、導入された冷媒
はこの冷媒室107内を循環し、その間生ずる冷熱は冷
媒室107から前記サセプタ106を介して前記ウエハ
Wに対して伝熱され、このウエハWの処理面を所望する
温度まで冷却することが可能である。またさらに前記サ
セプタ106と冷媒室107との間には、例えばセラミ
ックヒータなどの加熱手段108が設けられており、前
記冷媒室107の冷熱とこの加熱手段108とにより、
ウエハWは所定の温度に設定、維持することが可能であ
る。
【0082】 また前記サセプタ106には、静電チャッ
ク111が設けら、処理容器103外部に設置されてい
る直流高圧電源112からの直流高電圧の印加によっ
て、ウエハWは、静電チャック111上面に吸着保持さ
れる。また前記サセプタ106の上端周縁部には、絶縁
材113を介して環状のフォーカスリング113が配置
され、さらにこのフォーカスリング113の外周には、
さらに環状の接地電極115が設けられている。
【0083】 前記サセプタ106の上方には、サセプタ
106と平行に対向して、ギャップ長約25mmで、上部
電極121が、絶縁支持材122を介して、処理容器1
03の上部に支持されている。この上部電極121は、
既述のエッチング処理装置1における上部電極21と同
様、サセプタ106との対向面に、多数の拡散孔123
を有している。そしてこの絶縁支持材122の外周に
は、さらに上部電極121を取り囲むようにして、環状
の接地電極124が設けられている。そしてこの接地電
極124と前記接地電極115の各外周縁部は、図19
に示したように、上下方向に重なるように設置されてい
る。
【0084】 前記上部電極121の中央にはガス導入口
125が設けられ、マスフローコントローラ126を介
して、処理ガス供給源127からのエッチングガス、例
えばCFガスが、前記拡散孔123を通じて処理室1
02内に供給自在である。他方、処理容器103の下部
には、真空ポンプなどの真空引き手段(図示せず)に通
ずる排気管128が接続されており、この処理室102
内を、5mTorr〜100mTorr内の任意の減圧
度にまで真空引きすることが可能である。
【0085】 次にこのエッチング処理装置101におけ
る下部電極となるサセプタ106と上部電極121に対
する高周波電力の印加構成について説明する。まずサセ
プタ106に対しては、例えば周波数が800kHzの
相対的低周波を出力する相対的低周波電源131の電力
が整合器132を介して印加される。この整合器132
は、図18に示したように、誘導コイル133と可変容
量133とが直列に接続されており、さらに一端部が接
地された可変容量134の他端部が並列に接続されてい
る。かかる構成により、前記誘導コイル133と可変容
量133とで相対的低周波電源131からの電力のイン
ピーダンスを個別に制御し、また可変容量134でその
位相を個別に制御して、マッチングをとることが可能で
ある。一方上部電極121に対しては、整合器141を
介して、周波数が例えば27MHzの相対的高周波電力
を出力する相対的高周波電源142からの高周波が印加
される構成となっている。
【0086】 第2実施例にかかるエッチング処理装置1
01の主要部は以上のように構成されており、例えばシ
リコンのウエハWの酸化膜に対してエッチング処理する
場合の作用等について説明すると、処理室102内に処
理ガス供給源127からのCFガスが供給され、処理
室102の圧力が、例えば10mTorrに設定、維持
された後、まず上部電極121に対して相対的高周波電
源142から周波数が27MHzの相対的高周波が印加
される。ついでこれより1秒以下のタイミングをもっ
て、サセプタ106に対して相対的低周波電源131か
ら周波数が800kHzの相対的低周波が印加され、上
部電極121とサセプタ106間にプラズマが発生す
る。そのようにサセプタ106側を遅らせて印加させる
ことにより、過大な電圧によってウエハWがダメージを
受けるおそれはない。
【0087】 そして発生したプラズマによって解離した
CFガスのラジカル成分によってウエハW表面のシリ
コン酸化膜(SiO)がエッチングされていく。この
場合、まず上部電極121の周囲に位置する接地電極1
24と、サセプタ106の周囲に位置する接地電極11
5とによって、発生したプラズマは閉じこめられ、その
拡散が防止されて高い密度が維持される。
【0088】 第2実施例の場合、特に図19に示したよ
うに、接地電極124と前記接地電極115の各外周縁
部は、上下方向に重なるように設置されているので、プ
ラズマを閉じこめる効果がきわめて大きくなっている。
即ち図20に示したように、例えば接地電極124の方
が外周に位置して、その外周縁部が上下方向に重なって
いないと、プラズマがある程度拡散してしまうが、本実
施例のように外周縁部が上下方向に重なっていると、プ
ラズマが外部に拡散する余地がなく、きわめて高い密度
が確保できるのである。従って、この点からみて、まず
微細なエッチング処理が可能となっている。
【0089】 ところで発明者らによれば、上部電極12
1とサセプタ106との間のギャップ長と、エッチング
レート、エッチングレートの均一度(ウエハW上におけ
るエッチングレートの分布)並びにプラズマの安定度
(プラズマの立ち上げ、維持、拡散からみた安定度)と
の間には、図21の関係があることが確認されている。
【0090】 即ちギャップ長が長いほど、エッチングレ
ート(E/R)と均一度(U)が低下するが、反面プラ
ズマの安定度(S)は向上するのである。歩留まりが高
くかつ微細なエッチング処理を実現するには、これら3
つの要素がバランスよく確保されている必要があるが、
発明者らが得た結果によれば、図21のグラフに示した
ように、ギャップ長が25mm辺りでこれら3つの要素が
最もバランスよく得られることがわかった。
【0091】 この点第2実施例では、既述の如く上部電
極121とサセプタ106とのギャップ長は、25mmに
設定してあるので、ウエハWに対して歩留まりの高い微
細なエッチング処理を実現することが可能になってい
る。なお所望のエッチング処理は、多種多様であるか
ら、かならずしもこの25mmに設定する必要はなく、図
21のグラフからわかるように、ギャップ長が15mm〜
35mmの範囲でもバランスがよいエッチング処理が10
mm〜40mmの間でも比較的バランスのよいエッチング処
理が実現できる。
【0092】 ところで従来からこの種の高周波を用いた
プラズマ処理装置においては、高周波のマッチングを取
るため、高周波電源と印加される電極、例えば下部電極
との間には、図22に示したような整合器151が設け
られている。従来の整合器151は、下部電極152と
高周波電源153との間に可変コイル154、155を
直列に配し、さらにこれら可変コイル154、155の
間に、接地される容量156が接続された構成を有して
いた。これによって幅広い範囲の調整(マッチング)を
可能としていたが、反面、インピーダンスと位相とを独
立して制御できず、また例えば上部電極からの周波数の
影響を受けやすいという問題も有していた。
【0093】 この点、第2実施例にかかるエッチング処
理装置101では、既述の如く、誘導コイル133と可
変容量133とが直列に接続されており、さらに一端部
が接地された可変容量134の他端部が並列に接続され
て相対的低周波電源131からの電力のインピーダンス
と位相とを独立して制御することが可能であるから、調
整が容易でかつ、上部電極121からの相対的高周波の
影響を受け難くなっている。従って、発生したプラズマ
がきわめて安定し、この点からも所期のエッチング処理
を実現することが可能である。
【0094】 なお第2実施例にかかるエッチング処理装
置101では、上部電極121、及びサセプタ106は
いずれも固定式であり、従って、これら電極間のギャッ
プも25mmに固定されていたが、前記した図21の特性
に鑑み、ギャップ長を可変とする構成にしてもよい。例
えば図23に示したように、適宜の調節機構161によ
って、サセプタ106’を上下動自在なように構成すれ
ば、上部電極121とサセプタ106’間のギャップ長
dは、任意に変化させることが可能になる。
【0095】 次に他の提案例について説明する。図24
は、この提案例にかかる エッチング処理装置401の断
面を模式的に示しており、このエッチング処理装置40
1における処理室402は、気密に閉塞自在な酸化アル
マイト処理されたアルミニウムなどからなる円筒形状に
成形された処理容器403内に形成され、当該処理容器
403自体は接地されている。前記処理室402内の底
部にはセラミックなどの絶縁支持板404を介して、被
処理体、例えば半導体ウエハ(以下、「ウエハ」とい
う)Wを載置するための略円柱状のサセプタ405が収
容され、このサセプタ405が下部電極を構成してい
る。
【0096】 前記サセプタ405の内部には、環状の冷
媒室406が設けられており、この冷媒室406には、
温度調節用の冷媒が冷媒導入管407を介して導入さ
れ、冷媒室406内を循環して冷媒排出管408から排
出される。そしてその間生ずる冷熱は冷媒室406から
前記サセプタ405を介して前記ウエハWに対して伝熱
され、このウエハWの処理面を所望する温度まで冷却す
ることが可能である。またさらに前記サセプタ405に
は、例えばセラミックヒータなどの加熱手段409が設
けられており、処理容器403外部に設置されている電
源410からの給電によって、サセプタ405を所望の
温度に加熱するように構成されている。従って、前記冷
媒室406の冷熱とこの加熱手段409とにより、ウエ
ハWは所定の温度に設定、維持することが可能である。
【0097】 また前記サセプタ405には、静電チャッ
ク411が設けら、処理容器403外部に設置されてい
る直流高圧電源412からの直流高電圧の印加によっ
て、ウエハWは、静電チャック411上面に吸着保持さ
れる。また前記サセプタ405の上端周縁部には、静電
チャック411上に保持されたウエハWを囲むように、
絶縁材からなる環状のフォーカスリング413が配置さ
れている。
【0098】 前記サセプタ405の上方には、このサセ
プタ405と平行に対向して、ギャップ長約25mmで、
上部電極421が、絶縁支持材422を介して、処理容
器403の上部に支持されている。この上部電極421
は、そのプラズマに接する部分が、印加するRFパワー
が十分透過する程度の厚さのSiOからなり、またサ
セプタ5との対向面に、多数の拡散孔423を有してい
る。
【0099】 前記上部電極421の中央にはガス導入口
424が設けられ、バルブ425、マスフローコントロ
ーラ426を介して、処理ガス供給源427からのエッ
チングガス、例えばCFガスが、前記拡散孔423を
通じて処理室402内に供給自在である。
【0100】 処理容器403の下部には、真空ポンプな
どの真空引き手段428に通ずる排気管429が接続さ
れており、この処理室402内を、5mTorr〜10
0mTorr内の任意の減圧度にまで真空引きすること
が可能である。
【0101】 次にこのエッチング処理装置401の高周
波電力印加系について説明すると、まず下部電極となる
前記サセプタ405に対しては、例えば周波数が800
kHzの相対的低周波を出力する相対的低周波電源43
1からの電力が、整合器432を介して印加される。一
方上部電極421に対しては、整合器434を介して、
周波数が例えば27.12MHzの相対的高周波電力を
出力する相対的高周波電源433からの高周波が印加さ
れる構成となっている。
【0102】 このように上下の電極に異なった周波数の
高周波を印加するようになっているが、さらにこの例で
は、ハイパスフィルタ461、ローパスフィルタ462
が設けられている。即ち相対的低周波電源431からサ
セプタ405への印加経路には、800kHzの電力の
侵入を阻止し、27.12MHzの高周波を通過させる
ハイパスフィルタ461の一端部を並列に接続し、その
他端部は接地させる。一方、相対的高周波電源433か
ら上部電極421に対して印加する印加経路には、2
7.12MHzの電力の侵入を阻止し、800kHzの
相対的低周波の電力を通過させるローパスフィルタ46
2の一端部を並列に接続し、その他端部は接地させる。
【0103】 このように構成することにより、相対的低
周波電源431からの800kHzの電力は、サセプタ
405→上部電極421→ローパスフィルタ462へと
投入され、一方相対的高周波電源433からの27.1
2MHzの高周波電力は、上部電極421→サセプタ4
05→ハイパスフィルタ461へと投入される。従っ
て、これら2つの異なった周波数の電力の相互干渉は防
止されて各整合器432、434によるマッチングがと
りやすく、パワーロスも少なくなって、上部電極421
とサセプタ405との間に効率のよい電力投入が実現で
きる。
【0104】 前記処理容器403の側部には、ゲートバ
ルブ441を介してロードロック室442が隣接してい
る。このロードロック室442内には、被処理体である
ウエハWを処理容器403内の処理室402との間で搬
送する搬送アームなどの搬送手段443が設けられてい
る。
【0105】 前記提案にかかる エッチング処理装置40
1の主要部は以上のように構成されており、例えばシリ
コンのウエハWの酸化膜に対してエッチング処理する場
合の作用等について説明すると、まずゲートバルブ44
1が開放された後、搬送手段443によってウエハWが
処理室402内に搬入され、静電チャック411上に載
置された後、搬送手段443が待避し、ゲートバルブ4
41が閉鎖される。次いで処理室402内が排気手段4
28によって減圧されていき、所定の減圧度になった
後、処理ガス供給源427からCFガスが供給され、
処理室402の圧力が、例えば10mTorrに設定、
維持される。
【0106】 そして上部電極421に対して相対的高周
波電源433から周波数が27.12MHzの相対的高
周波が印加され、またこれより僅かに遅れて(1秒以下
のタイミング遅れ)をもって、サセプタ405に対して
相対的低周波電源431から周波数が800kHzの相
対的低周波が印加され、上部電極421とサセプタ40
5との間にプラズマが発生する。そのようにサセプタ4
05側を遅らせて印加させることにより、過大な電圧に
よってウエハWがダメージを受けることを防止できる。
【0107】 そして発生したプラズマによって処理室4
02内のCFガスが解離し、その際に生ずるフッ素ラ
ジカルによってウエハW表面のシリコン酸化膜(SiO
)がエッチングされていく。
【0108】 なお前記したように、サセプタ405には
例えば800kHzの電力を印加し、一方上部電極42
1には27.12MHzの高周波を印加して、27.1
2MHzの高周波で生起させたプラズマ中のイオンを、
800kHzの方の相対的低周波でその入射速度をコン
トロールしているが、この場合、そのようにエッチング
するイオンをコントロールする際の周波数、即ちサセプ
タ405に印加する相対的低周波の周波数を決定するに
は、次の点に留意する必要がある。
【0109】 即ち、上部電極421側に印加する相対的
高周波の周波数と近い周波数をサセプタ405に印加す
ると、両周波数が近いため、ハイパスフィルタ461や
ローパスフィルタ462の機能が発揮しづらくなり、そ
の結果、マッチングが適切にとれなかったり、パワーロ
スが生ずるおそれがある。他方、上部電極421側に印
加する相対的高周波の周波数よりもかなり低い周波数、
例えば10kHzという極端に低い相対的低周波の周波
数をサセプタ405に印加すると、エネルギー幅が大き
くなり、高いエネルギーをもったイオンの数が多くな
る。その結果、ウエハにダメージが生ずるおそれが出て
きて好ましくない。
【0110】 従って、以上の点を鑑みると、サセプタ4
05に印加する相対的低周波の周波数は、上部電極42
1側の周波数よりも比較的離れた周波数であって、かつ
極端に低くならないように選択する必要がある。
【0111】 この点に関し、発明者は、サセプタ405
への印加経路におけるVpp(プラズマ電圧とウエハW上
のVppとの関係を周波数ごとに求め、さらにウエハW上
のVppとウエハW上のVdc(自己バイアス電圧)との関
係を周波数ごとに求め、これらの特性と、各周波数にお
けるイオンのエネルギー幅をも考慮した結果、前記エッ
チング処理装置401の上部電極421に27.12M
Hzの高周波を印加する場合、装置のインピーダンス等
も勘案すると、図25に示したように、サセプタ405
には800kHzの周波数の電力を供給することが好適
であることを見いだした。これによれば、800kHz
の相対的低周波電力は、ウエハにダメージが生じにく
く、かつマッチングのとりやすい周波数となっている。
したがって、ハイパスフィルタ461及びローパスフィ
ルタ462を使用すると共に、上部電極421には2
7.12MHz、サセプタ405には800kHzの周
波数電力を印加すると、パワーロスがなくかつダメージ
のないエッチングをウエハWに対して実施することが可
能になっている。
【0112】 次に本発明の実施例にかかるエッチング処
理装置に、エッチング処理容器の劣化を防止することが
できるとともに、金属による半導体ウエハ(以下、「ウ
エハ」という)等の汚染を確実に防止することができる
ようにカーボンを適用する技術思想を図26及び図27
に基づいて説明する。
【0113】 円筒状のエッチング処理容器501は、材
質例えば表面にアルマイト処理を施したアルミニウムか
らなる有底円筒状のエッチング処理容器下部501a
と、このエッチング処理容器下部501aの上部開口を
気密に閉塞する如く配置され、同様な材質から円板状に
形成されたエッチング処理容器上部501bとから構成
されている。なお、これらの当接部には、内部を気密に
保持するためのOリング502が適宜配設されている。
【0114】 前記エッチング処理容器下部501aの側
壁部には、図27にも示すように、ウエハWを搬入、搬
出するための開口503、504が対向する如く両側に
形成されており、これらの各開口503、504の各外
側には、それぞれ対応するゲートバルブ505、506
を介して、対応するロードロック室507、508が配
設されている。これらのロードロック室507、508
内には、それぞれウエハWを搬入、搬出するための搬送
機構511が配設されており(一方のみ図示する)、通
常、一方のロードロック室、例えばロードロック室50
7が搬入専用、他方のロードロック室508が搬出専用
とされる。なお図中、509、510は、各ロードロッ
ク室507、508と外部とを遮断、開放するためのゲ
ートバルブである。
【0115】 前記エッチング処理容器501内には、材
質が例えばセラミックスからなる絶縁性の支持部材51
2に支持される如く、材質が例えば表面にアルマイト処
理を施したアルミニウムからなり、円板状に形成された
サセプタ、即ち下部電極513が配設されている。この
下部電極513は、マッチング回路514を介して高周
波電源515に接続されており、下部電極513内に
は、冷却のための冷媒循環経路516が配設されてい
る。また前記下部電極513の上面は、ウエハWを例え
ば静電チャック(図示せず)等により吸着保持可能な如
く平面状に形成されている。
【0116】 一方、エッチング処理容器上部501bの
上記下部電極513に対向する部位は上部電極521を
構成している。この上部電極521には、図示しないガ
ス供給源から導出されたガス供給配管522が接続され
ており、このガス供給配管522から供給された所定の
エッチングガスは、上部電極521内に形成されたガス
拡散用の空隙523内で、多数の透孔を形成されたガス
拡散板によって拡散され、上部電極521の下側面に形
成された多数の透孔524から、下部電極513上に載
置されたウエハWに向けて均一に供給されるよう構成さ
れている。
【0117】 前記エッチング処理容器501の下部に
は、排気ポンプ531に接続された排気配管532が接
続されており、下部電極513の周囲には、下部電極5
13の周囲から均一な排気が行われるよう、図27にも
示すように多数の透孔が形成されたバッフル板533が
水平に配設されている。
【0118】 前記バッフル板533は、カーボンから構
成されており、前記排気配管532は、エッチング処理
容器501から所定距離、例えば数十センチ〜1メート
ル程度、その内部がカーボンのコーティング被膜532
aにより被覆されている。また、上部電極521の下側
面は、カーボン製の板525によって覆われており、上
部電極521の透孔524内は、カーボンのコーティン
グ被膜524aによって被覆されている。さらに、エッ
チング処理容器501内には、その内側壁面を覆う如
く、カーボン製の円筒534が配設されている。
【0119】 前記カーボン製の円筒534には、前出2
つの開口503、504に応じてそれぞれ開口部535
が形成されており、これらの開口部535を開閉自在に
覆う如く、それぞれカーボン製のシャッタ板536が配
設されている。これらのシャッタ板536は、図27に
示すように、エッチング処理容器501内壁面と略同様
な曲率を有する円弧状の板体からなり、これらのシャッ
タ板536は、シャフト537を介してエッチング処理
容器501の外部に設けられたエアシリンダ538に接
続されており、このエアシリンダ538の伸縮動作によ
って上下動するよう構成されている。また、エッチング
処理容器501における前記シャフト537の貫通部に
は、こられの部材の間の気密を維持するための機構とし
て、例えば蛇腹機構(図示せず)が設けられている。
【0120】 前記各カーボン製部材、すなわち、バッフ
ル板533、板525、円筒534、シャッタ板536
は、厚さ例えば1〜20mmに設定されている。
【0121】 このように構成されたエッチング処理装置
では、予め排気ポンプ531を作動させてエッチング処
理容器501内を所定の真空度に設定しておく。そし
て、どちらか一方のロードロック室、例えばロードロッ
ク室507のゲートバルブ509を開け、搬送機構51
1によって被処理体であるウエハWをロードロック室5
07内に搬入し、この後ゲートバルブ509を閉じてこ
のロードロック室507内を所定の真空度に設定し、し
かる後、ゲートバルブ505を開けるとともにシャッタ
板536を開口503の前から移動させて、搬送機構5
11により下部電極513上に前記ウエハWを載置す
る。
【0122】 次に、搬送機構511をエッチング処理容
器501内から退避させ、ゲートバルブ505を閉じる
とともにシャッタ板536を開口535の前に位置さ
せ、この状態で、ガス供給配管522から所定のエッチ
ングガス、例えばCl+BClを供給し、これとと
もに、高周波電源515から例えば13.56MHzの
高周波電力を供給してエッチングガスをプラズマ化し、
いわゆるリアクティブイオンエッチングにより、前記ウ
エハWに対してエッチング処理を施す。
【0123】 この時エッチング処理容器501内のプラ
ズマに曝される部位は、ウエハWの表面を除いて、全て
カーボンとなっている。このため、例えば、開口503
のゲートバルブ505や上部電極521の透孔524内
等の腐食が防止されるので、アルミニウム等によって被
処理体である前記ウエハWが汚染されることを防止する
ことができる。また、カーボン製の板525、円筒53
4、シャッタ板536等は、エッチングされて消耗する
が、比較的安価に製造可能なこれらの部材を交換するこ
とによって対処することができ、エッチング処理容器下
部501a、エッチング処理容器上部501b等の劣化
を防止することができる。
【0124】 さらに、アルミニウムのエッチングを行う
場合、板525、円筒534、シャッタ板536等から
エッチングされたカーボンの作用により、ウエハWの選
択比の向上を図ることができる。すなわち、上部にマス
クとしてのフォトレジストが形成された非エッチング部
分の側壁部にカーボンのポリマーからなる側壁保護膜が
形成され易くなり、側壁部のいわゆるアンダーカットが
抑制され、選択比の向上を図ることができる。
【0125】 しかも前記シャッタ板536が、エッチン
グ処理容器501内壁面と略同様な曲率を有する円弧状
の板体から構成されているので、エッチング処理容器5
01内に生起されたプラズマが、エッチング処理容器5
01の内壁面に沿って均一、かつ、均等なプラズマ密度
になり、ウエハWの処理が均一化され、歩留まりが向上
する。
【0126】 なお前記した各実施例は、いずれも被処理
体が半導体ウエハの場合について説明したが、それに限
らず本発明は、例えばLCD基板を処理対象とする装置
構成とすることも可能である。
【0127】
【発明の効果】本発明のプラズマ処理装置によれば、処
理室内における前記電極間空間から、プラズマが周囲に
拡散することを防止することができ、処理領域でのプラ
ズマ密度が高くなり、他方処理室内壁にコンタミネーシ
ョンが発生することもない。特に請求項2のように第1
の電極と第2の電極の周囲にそれぞれ接地電極を設置し
た場合には、プラズマの閉じこめ効果が大きいものであ
る。
【0128】
【0129】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかるエッチング処理装
置の断面説明図である。
【図2】図1のエッチング処理装置に使用した接地電極
の一部破断斜視図である。
【図3】他の構造を有する接地電極を使用した処理容器
の断面説明図である。
【図4】透孔を有する接地電極の斜視図である。
【図5】対向型の接地電極を使用した処理容器の断面説
明図である。
【図6】内側に斜面部を有する対向型の接地電極を使用
した処理容器の断面説明図である。
【図7】プラズマ拡散防止手段として永久磁石を用いた
場合の上部電極、サセプタ近傍の要部拡大断面図であ
る。
【図8】図7における永久磁石の斜視図である。
【図9】図7の永久磁石の配置の様子を示す絶縁部材の
底面図である。
【図10】図7の永久磁石の磁極配置の様子を示す説明
図である。
【図11】図7の永久磁石に磁性体を取り付けた様子を
示す断面説明図である。
【図12】永久磁石の他の磁極配置の様子を示す説明図
である。
【図13】従来技術にかかるエッチングによって形成さ
れたコンタクトホールの断面説明図である。
【図14】他の実施例において印加する高周波電力の出
力変調の様子を示すグラフである。
【図15】本発明の実施例によって形成されたコンタク
トホールの断面説明図である。
【図16】RIEモードにある本発明の他の実施例の説
明図である。
【図17】PEモードにある本発明の他の実施例の説明
図である。
【図18】周波数の異なった高周波電力を上下対向電極
に印加する構成を有する第2実施例のエッチング処理装
置の説明図である。
【図19】図18のエッチング処理装置の要部説明図で
ある。
【図20】上部電極側の接地電極と下部電極側の接地電
極の各外周縁部が重なっていない状態を示す説明図であ
る。
【図21】上下対向電極間のギャップ長と、エッチング
レート、均一度、プラズマ安定度との関係を示すグラフ
である。
【図22】従来の整合器の構成を示す説明図である。
【図23】上下対向電極間のギャップ長を可変構成とし
た他の実施例の説明図である。
【図24】ハイパスフィルタ及びローパスフィルタを有
するエッチング処理装置の断面説明図である。
【図25】 相対的低周波電力の周波数ごとの、ウエハへ
の入射イオンエネルギーと入射イオンの個数との関係を
示すグラフである。
【図26】 本発明の実施例に適用可能な処理容器劣化防
止技術を説明するためのエッチング処理装置の断面説明
図である。
【図27】 図26のエッチング処理装置の平面からみた
断面説明図である。
【符号の説明】
1 エッチング処理装置 2 処理容器 5 サセプタ 15 フォーカスリング 21 上部電極 27 接地電極 51、52 高周波電源 55、56 位相検出手段 57 位相コントローラ W ウエハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平6−252963 (32)優先日 平成6年9月20日(1994.9.20) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平7−29940 (32)優先日 平成7年1月25日(1995.1.25) (33)優先権主張国 日本(JP) 前置審査 (72)発明者 土屋 浩 山梨県韮崎市藤井町北下条2381番地の1 東京エレクトロン山梨株式会社内 (72)発明者 友安 昌幸 山梨県韮崎市藤井町北下条2381番地の1 東京エレクトロン山梨株式会社内 (72)発明者 内藤 幸男 山梨県韮崎市藤井町北下条2381番地の1 東京エレクトロン山梨株式会社内 (72)発明者 永関 一也 山梨県韮崎市藤井町北下条2381番地の1 東京エレクトロン山梨株式会社内 (72)発明者 野中 龍 山梨県韮崎市藤井町北下条2381番地の1 東京エレクトロン山梨株式会社内 (72)発明者 広瀬 圭三 山梨県韮崎市藤井町北下条2381番地の1 東京エレクトロン山梨株式会社内 (72)発明者 深澤 義男 山梨県韮崎市藤井町北下条2381番地の1 東京エレクトロン山梨株式会社内 (72)発明者 輿石 公 山梨県韮崎市藤井町北下条2381番地の1 東京エレクトロン山梨株式会社内 (72)発明者 小林 功 山梨県韮崎市藤井町北下条2381番地の1 東京エレクトロン山梨株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−69621(JP,A) 特開 平5−251394(JP,A) 特開 平5−291155(JP,A) 特開 平7−106097(JP,A) 特開 平3−4528(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3065 C23C 16/507

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理室内に対向して設けられた第1の電
    極と第2の電極との間に、高周波電力によってプラズマ
    を発生させ、当該処理室内の被処理体に対して、前記プ
    ラズマ雰囲気の下で処理を施す如く構成されたプラズマ
    処理装置において、 前記処理室内における前記電極間の空間領域を側部から
    囲むように配置された、筒状の接地電極を有し, 前記接地電極の内周は,内側に突出した形態であること
    を特徴とする、プラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 処理室内に対向して設けられた第1の電
    極と第2の電極との間に、高周波電力によってプラズマ
    を発生させ、当該処理室内の被処理体に対して、前記プ
    ラズマ雰囲気の下で処理を施す如く構成されたプラズマ
    処理装置において、 前記第1の電極の外周近傍には略環状の第3の電極を設
    けると共に、前記第2の電極の外周近傍には略環状の第
    4の電極を設け、これら第3の電極と第4の電極とをそ
    れぞれ接地させ, さらに前記第3の電極と第4の電極は全周に渡って対向
    配置され,前記第3の電極と第4の電極は,その内側面が斜面を形
    成するように断面が略三角形の形状を有することを特徴
    とする,プラズマ処理装置。
JP12086995A 1994-04-20 1995-04-20 プラズマ処理装置 Expired - Fee Related JP3210207B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12086995A JP3210207B2 (ja) 1994-04-20 1995-04-20 プラズマ処理装置

Applications Claiming Priority (11)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10604494 1994-04-20
JP23409394 1994-09-01
JP25296294 1994-09-20
JP25296394 1994-09-20
JP6-106044 1995-01-25
JP2994095 1995-01-25
JP6-252963 1995-01-25
JP6-234093 1995-01-25
JP7-29940 1995-01-25
JP6-252962 1995-01-25
JP12086995A JP3210207B2 (ja) 1994-04-20 1995-04-20 プラズマ処理装置

Related Child Applications (3)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17318999A Division JP3222859B2 (ja) 1994-04-20 1999-06-18 プラズマ処理装置
JP11173191A Division JP2000082699A (ja) 1994-04-20 1999-06-18 エッチング処理装置
JP2001077749A Division JP3438003B2 (ja) 1994-04-20 2001-03-19 プラズマ処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08264515A JPH08264515A (ja) 1996-10-11
JP3210207B2 true JP3210207B2 (ja) 2001-09-17

Family

ID=27549489

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12086995A Expired - Fee Related JP3210207B2 (ja) 1994-04-20 1995-04-20 プラズマ処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3210207B2 (ja)

Families Citing this family (37)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3257328B2 (ja) 1995-03-16 2002-02-18 株式会社日立製作所 プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
TW303480B (en) * 1996-01-24 1997-04-21 Applied Materials Inc Magnetically confined plasma reactor for processing a semiconductor wafer
US6471822B1 (en) 1996-01-24 2002-10-29 Applied Materials, Inc. Magnetically enhanced inductively coupled plasma reactor with magnetically confined plasma
WO1999014788A1 (en) * 1997-09-16 1999-03-25 Applied Materials, Inc. Shield or ring surrounding semiconductor workpiece in plasma chamber
JPH11186238A (ja) * 1997-12-25 1999-07-09 Nec Corp プラズマ処理装置
US6192827B1 (en) * 1998-07-03 2001-02-27 Applied Materials, Inc. Double slit-valve doors for plasma processing
JP3764594B2 (ja) 1998-10-12 2006-04-12 株式会社日立製作所 プラズマ処理方法
US6849154B2 (en) * 1998-11-27 2005-02-01 Tokyo Electron Limited Plasma etching apparatus
KR100733241B1 (ko) * 1998-11-27 2007-06-27 동경 엘렉트론 주식회사 플라즈마 에칭 장치
US6257168B1 (en) * 1999-06-30 2001-07-10 Lam Research Corporation Elevated stationary uniformity ring design
US6863835B1 (en) 2000-04-25 2005-03-08 James D. Carducci Magnetic barrier for plasma in chamber exhaust
JP4719337B2 (ja) * 2000-07-05 2011-07-06 キヤノンアネルバ株式会社 可動シールド機構を備えたエッチングチャンバー
US6872281B1 (en) * 2000-09-28 2005-03-29 Lam Research Corporation Chamber configuration for confining a plasma
US6806201B2 (en) * 2000-09-29 2004-10-19 Hitachi, Ltd. Plasma processing apparatus and method using active matching
US6391787B1 (en) * 2000-10-13 2002-05-21 Lam Research Corporation Stepped upper electrode for plasma processing uniformity
US6744212B2 (en) * 2002-02-14 2004-06-01 Lam Research Corporation Plasma processing apparatus and method for confining an RF plasma under very high gas flow and RF power density conditions
FR2838020B1 (fr) * 2002-03-28 2004-07-02 Centre Nat Rech Scient Dispositif de confinement de plasma
KR100465877B1 (ko) * 2002-08-23 2005-01-13 삼성전자주식회사 반도체 식각 장치
US7212078B2 (en) * 2003-02-25 2007-05-01 Tokyo Electron Limited Method and assembly for providing impedance matching network and network assembly
JP4202292B2 (ja) * 2004-03-22 2008-12-24 シャープ株式会社 プラズマ処理装置
JP4527431B2 (ja) 2004-04-08 2010-08-18 東京エレクトロン株式会社 プラズマ処理装置
US7712434B2 (en) * 2004-04-30 2010-05-11 Lam Research Corporation Apparatus including showerhead electrode and heater for plasma processing
US7988816B2 (en) 2004-06-21 2011-08-02 Tokyo Electron Limited Plasma processing apparatus and method
KR101247833B1 (ko) * 2004-06-21 2013-03-26 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 플라즈마 처리 방법
US7951262B2 (en) 2004-06-21 2011-05-31 Tokyo Electron Limited Plasma processing apparatus and method
JP4550710B2 (ja) * 2005-10-04 2010-09-22 株式会社日立ハイテクノロジーズ プラズマ処理方法および装置
US8789493B2 (en) * 2006-02-13 2014-07-29 Lam Research Corporation Sealed elastomer bonded Si electrodes and the like for reduced particle contamination in dielectric etch
US8104428B2 (en) 2006-03-23 2012-01-31 Tokyo Electron Limited Plasma processing apparatus
US8268116B2 (en) * 2007-06-14 2012-09-18 Lam Research Corporation Methods of and apparatus for protecting a region of process exclusion adjacent to a region of process performance in a process chamber
JP4698625B2 (ja) * 2007-02-26 2011-06-08 キヤノンアネルバ株式会社 プラズマ処理装置
JP5154124B2 (ja) * 2007-03-29 2013-02-27 東京エレクトロン株式会社 プラズマ処理装置
TWI501704B (zh) * 2008-02-08 2015-09-21 Lam Res Corp 於電漿處理系統中用以改變面積比之方法與裝置
US20090236214A1 (en) * 2008-03-20 2009-09-24 Karthik Janakiraman Tunable ground planes in plasma chambers
US8287650B2 (en) 2008-09-10 2012-10-16 Applied Materials, Inc. Low sloped edge ring for plasma processing chamber
JP5743895B2 (ja) 2008-10-31 2015-07-01 ラム リサーチ コーポレーションLam Research Corporation プラズマ処理チャンバの下側電極アセンブリ
US9953843B2 (en) * 2016-02-05 2018-04-24 Lam Research Corporation Chamber for patterning non-volatile metals
CN116716590A (zh) * 2023-04-06 2023-09-08 拓荆科技(上海)有限公司 一种背面沉积腔室及化学气相沉积设备

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08264515A (ja) 1996-10-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3210207B2 (ja) プラズマ処理装置
US6074518A (en) Plasma processing apparatus
US6849154B2 (en) Plasma etching apparatus
US6024827A (en) Plasma processing apparatus
TWI394492B (zh) A plasma processing method and a plasma processing apparatus
KR100619112B1 (ko) 플라즈마 처리 장치
JP4255747B2 (ja) プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
KR20160078917A (ko) 정전 흡착 방법 및 기판 처리 장치
KR100390540B1 (ko) 마그네트론 플라즈마 에칭장치
KR19990013651A (ko) 이씨알 플라즈마 발생기 및 이씨알 플라즈마 발생기를 사용하는이씨알 시스템
JPH1041281A (ja) プラズマ処理装置
KR20210122209A (ko) 기판 처리 장치 및 기판 처리 방법
JP2019109980A (ja) プラズマ処理装置
JP3181473B2 (ja) プラズマ処理装置
KR102189323B1 (ko) 기판 처리 장치 및 기판 처리 방법
JP3062393B2 (ja) プラズマ処理装置
JP2020077759A (ja) プラズマ処理装置
JP3438003B2 (ja) プラズマ処理装置
KR20200051505A (ko) 배치대 및 기판 처리 장치
JP2000223480A (ja) プラズマエッチング装置
JP2005079416A (ja) プラズマ処理装置
JP3192351B2 (ja) プラズマ処理装置
JP3192352B2 (ja) プラズマ処理装置
JP5661513B2 (ja) プラズマ処理装置
JP3328625B2 (ja) プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20010116

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010703

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees