JP3209409B2 - 電磁スプリングクラッチ - Google Patents

電磁スプリングクラッチ

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JP3209409B2
JP3209409B2 JP22094797A JP22094797A JP3209409B2 JP 3209409 B2 JP3209409 B2 JP 3209409B2 JP 22094797 A JP22094797 A JP 22094797A JP 22094797 A JP22094797 A JP 22094797A JP 3209409 B2 JP3209409 B2 JP 3209409B2
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    • F16D27/00Magnetically- or electrically- actuated clutches; Control or electric circuits therefor
    • F16D27/10Magnetically- or electrically- actuated clutches; Control or electric circuits therefor with an electromagnet not rotating with a clutching member, i.e. without collecting rings
    • F16D27/105Magnetically- or electrically- actuated clutches; Control or electric circuits therefor with an electromagnet not rotating with a clutching member, i.e. without collecting rings with a helical band or equivalent member co-operating with a cylindrical coupling surface
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複写機の紙送り
機構などに組み込まれる電磁スプリングクラッチに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電磁スプリングクラッチは、紙送
り機構の回転軸が挿入される軸孔を有する非磁性材製の
第1の回転部材と、この第1の回転部材に形成された円
筒状の第1の軸受部に回転自在に嵌合された非磁性材製
の第2の回転部材とを設け、これら第1の回転部材と第
2の回転部材のばね巻締め部に跨って嵌合されたコイル
ばねが前記ばね巻締め部に巻付くことにより、第1の回
転部材と第2の回転部材とが一体に回転する構造であ
る。このような構造の電磁スプリングクラッチは、実開
平6−24239号公報において説明されているよう
に、第1の回転部材には、回転軸の非円筒状の軸端が嵌
合される非円筒状の嵌合部が形成された軸孔と、段付き
状の外周面とが設けられ、その外周面は、前記第2の回
転部材が回転自在に嵌合される円筒状の第1の軸受部
と、この第1の軸受部より外径寸法が大きい円筒状の前
記ばね巻締め部と、またこのばね巻締め部より外径寸法
が大きい円筒状の第2の軸受部と、前記第1の軸受部と
略同一の外径寸法からなる円筒状の第3の軸受部が形成
されている。なお、第1の回転部材は、非磁性材料のう
ち合成樹脂材料により製造されている。また更に、第2
の回転部材は、前記第1の回転部材の第1の軸受部に嵌
合される軸孔を有するとともに、外周面には、前記第1
の回転部材のばね巻締め部と略同一の外径寸法からなる
円筒状の前記ばね巻締め部と、前記第1の回転部材の第
2の軸受部と同一の外径寸法からなる円筒状の第4の軸
受部と、この第4の軸受部より外径寸法が大きい歯車部
が形成されている。
【0003】そして、第1の回転部材と第2の回転部材
のばね巻締め部には、例えば一方の巻き端部が第2の回
転部材に係止されたコイルばねが嵌合されている。ま
た、このコイルばねの他方の巻き端部が係止された円筒
状のアーマチュアの開口端部が、第1の回転部材の第2
の軸受部と第2の回転部材の第4の軸受部に回転自在に
嵌合されている。また更には、第1の回転部材の第3の
軸受部に励磁装置が支持されている。励磁装置は、例え
ば断面がL字状で環状な第1のコアと、この第1のコア
の開口端部に固着された円板状の第2のコアと、前記第
1のコアの円板部に形成された中心孔に嵌合されたボス
部を有する軸受部材と、第1のコアと第2のコアにより
形成された環状溝に収容されるとともにコイルボビンに
巻かれた電磁コイルとを有する。また、励磁装置の円板
状の第2のコアには中心孔が形成され、この中心孔とコ
イルボビンの半径方向内側に配設された前記アーマチュ
アの一方の開口端部が、軸線方向の環状の隙間をおいて
前記軸受部材の側面に対向している。
【0004】このような構造からなる従来の電磁スプリ
ングクラッチは、複写機の紙送り機構に組み込まれて、
励磁装置が固定ハウジングから突出した回止めピンに係
止され回転が規制されるとともに、第2の回転部材の歯
車部が駆動側の歯車と噛み合う。また、駆動側の回転に
より、第2の回転部材とコイルばねおよびアーマチュア
が、第1の回転部材の第1の軸受部上で空転する。この
ような状態において、電磁コイルに通電するとその磁束
が、第1と第2のコアと軸受部材およびアーマチュアを
流れ、軸受部材に磁気吸着されたアーマチュアが制動さ
れるので、第2の回転部材の回転により、第1の回転部
材のばね巻締め部と第2の回転部材のばね巻締め部にコ
イルばねが巻き締められる。したがって、このような励
磁状態においては、駆動側の回転が従動側の回転軸に伝
達される。また、電磁コイルへの通電を断った無励磁状
態においては、アーマチュアの制動が解放されるので、
従動側の回転軸への回転伝達は遮断される。なお、この
ようなアーマチュア制動形電磁スプリングクラッチは、
特開昭63−293327号公報や実開昭63−187
729号公報においても説明されている。
【0005】次に、従来のアーマチュア駆動形電磁スプ
リングクラッチについて説明する。一般に上記アーマチ
ュア制動形電磁スプリングクラッチは、固定ハウジング
で回転が規制される励磁装置の軸受部材に回転している
アーマチュアを磁気吸着するため、これら部材の摩擦係
合により発生する摩耗粉により、電磁スプリングクラッ
チの安定した動作を長期に亘り維持することができない
場合がある。そこで、このような課題を解決したアーマ
チュア駆動形電磁スプリングクラッチが、特開昭63−
293328号公報において提案されている。即ち、駆
動側となる回転軸が挿入される第1の回転部材の外周面
であって、ばね巻締め部と第3の軸受部との間に非円筒
状の嵌合面を形成して、その嵌合面に、相似形の中心孔
が形成された円板状のロータを圧入嵌合する。そして、
電磁コイルの磁束により、回転するロータにアーマチュ
アを磁気吸着させることにより、第1の回転部材のばね
巻締め部と第2の回転部材のばね巻締め部にコイルばね
を巻き締め、駆動側の回転軸の回転を第2の回転部材に
伝達する。このような構造からなるアーマチュア駆動形
電磁スプリングクラッチは、特に複写機の紙送り機構の
場合、従動側となる第2の回転部材の負荷が軽いため、
ロータとアーマチュアの摩擦係合による摩耗粉の発生が
少なく、上記アーマチュア制動形電磁スプリングクラッ
チに比べて安定した動作を長期に亘り維持することがで
きる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の電磁スプリング
クラッチにおいては、合成樹脂などの非磁性材料で形成
した第1の回転部材に、第2の回転部材の軸受部や励磁
装置の軸受部を設けるとともに、第1の回転部材と第2
の回転部材にアーマチュアを支持する軸受部を設けてい
る。また、アーマチュア駆動形電磁スプリングラッチに
おいては、第1の回転部材の外周面にロータを圧入嵌合
する構造が説明されている。しかしながら、従来の電磁
スプリングクラッチは、励磁装置に軸受部材を構成して
いるので、装置を安価に提供するためには、その構造の
改良が必要である。また、アーマチュア駆動形電磁スプ
リングクラッチにあっては、励磁装置の軸受部材とロー
タとの間に軸線方向の環状な隙間が形成されるため、軸
線方向の寸法が長くなるので、その構造の改良も必要で
ある。また更には、一般にこの種の電磁スプリングクラ
ッチの励磁装置は、電磁コイルの巻始め端部と巻終わり
端部とを個々にリード線と接続して、その一対のリード
線を励磁装置の内側から外側に引き出しているため、励
磁装置の外形寸法が大きくなってしまい、装置の小型化
を図る上でその構造の改良も必要である。
【0007】この発明は、このような課題を解決するこ
とにより、安定した動作を長期に亘り維持することがで
きるとともに小型で安価なアーマチュア駆動形電磁スプ
リングクラッチを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、請求項1記載の電磁スプリングクラッチは、
回転軸と、この回転軸が挿入される軸孔と、軸線方向の
一方端から他方端に向かって外径寸法が次第に大きくな
る外周面が設けられ、前記外周面には、前記一方端側か
ら、円筒状の第1の軸受部と円筒状のばね巻締め部およ
び円筒状の第2の軸受部と円筒状の磁束迂回部、かつ円
筒状の第3の軸受部が順に形成されている非磁性材製の
第1の回転部材と、この第1の回転部材の第1の軸受面
に嵌合される軸孔と、軸線方向の他方端から一方端に
かって外径寸法が次第に大きくなる外周面が設けられ、
前記外周面には、前記他方端側から、前記ばね巻締め部
と隣接する円筒状のばね巻締め部と、前記第2の軸受部
と同じ外径寸法からなる円筒状の第4の軸受部、かつ前
記第3の軸受部と同じ外径寸法からなる第5の軸受部が
順に形成されている非磁性材製の第2の回転部材と、前
記第1の回転部材と前記第2の回転部材のばね巻締め部
に跨って嵌合され、一方の巻き端部が前記第2の回転部
材に係止されたコイルばねと、このコイルばねの外側に
配設され前記コイルばねの他方の巻き端部が係止される
とともに、一方の開口端部は前記第1の回転部材の第2
の軸受部に支持され他方の開口端部は前記第2の回転部
材の第4の軸受部に支持されており、かつ一方の前記開
口端部が前記第1の回転部材の磁束迂回部と環状な第1
の隙間をおいて軸線方向に対向する円筒状のアーマチュ
アと、前記第1の回転部材の第3の軸受部に嵌合され前
記第1の回転部材の磁束迂回部の半径方向外側まで延設
されるとともに、前記磁束迂回部と環状な第2の隙間を
おいて半径方向外側に対向する一方の円筒状の磁極部が
形成された第1のコアと、前記第2の回転部材の第5の
軸受部に嵌合され前記アーマチュアの他方の開口端部の
半径方向外側まで延設されるとともに、前記アーマチュ
アと環状な第3の隙間をおいて半径方向外側に対向する
他方の円筒状の磁極部が形成された第2のコアと、軸線
方向で対向する前記磁極部の間であって前記アーマチュ
アの半径方向外側に設けられた環状な断磁領域と、これ
ら第1と第2のコアと前記断磁領域とにより囲まれた環
状溝とを有する励磁装置と、この励磁装置の環状溝に収
容された電磁コイルとを備えたことを特徴とする。
【0009】請求項2記載の電磁スプリングクラッチ
は、請求項1記載の電磁スプリングクラッチにおいて、
前記第1の回転部材の磁束迂回部は、インサート成形に
より合成樹脂材製の前記第1の回転部材に一体に固定さ
れた磁性材製の環状なロータであることを特徴とする。
【0010】請求項3記載の電磁スプリングクラッチ
は、請求項1記載の電磁スプリングクラッチにおいて、
前記励磁装置の環状溝には、前記電磁コイルが巻かれた
コイルボビンが収容されており、前記コイルボビンの内
周面には、前記断磁領域内に配設された摩耗粉溜り部が
一体に形成されていることを特徴とする。
【0011】請求項4記載の電磁スプリングクラッチ
は、請求項1記載の電磁スプリングクラッチにおいて、
前記励磁装置は、磁性材製の鋼板をプレス加工すること
により、円板部とこの円板部の内側から軸線方向に折り
曲げられた円筒状の前記磁極部とが形成された前記第1
のコアと、磁性材製の鋼板をプレス加工することによ
り、前記第1のコアの円板部と前記電磁コイルを介して
対向する円板部と、この円板部の外側から軸線方向に折
り曲げられ先端部が前記第1のコアの円板部の外周面に
嵌合された円筒部と、前記円板部の内側から軸線方向に
折り曲げられた円筒状の前記磁極部とが形成された前記
第2のコアとが設けられ、これら第1と第2のコアは、
前記円板部の内側から前記磁極部に移行する部位が断面
が凸円弧状の角部に形成され、前記磁極部の先端の外周
壁が先端に行くほど縮径する断面が凸円弧状の角部に形
成されていることを特徴とする。
【0012】請求項5記載の電磁スプリングクラッチ
は、請求項4記載の電磁スプリングクラッチにおいて、
前記励磁装置は、半径方向外側に開口する環状溝に前記
電磁コイルが巻回されたコイル保持部と、このコイル保
持部の一方の鍔部から半径方向外側に延設され前記コア
の外側に突出した端子収容部とが形成されたコイルボビ
ンと、このコイルボビンのコイル保持部に被せられた円
筒部と、この円筒部から半径方向外側に延設され前記コ
アの外側に突出するとともに前記端子収容部の背面側に
被せられた張出し部とが形成されたコイルカバーと、前
記端子収容部の正面側に被せられ前記コイルカバーの張
出し部に開口部が嵌合された端子カバーと、前記コイル
ボビンの端子収容部に収容された一対の端子と、これら
端子に絡げられて電気的に接続された前記電磁コイルの
巻始め端部と巻終わり端部と、導電心線が接触すること
により前記端子に電気的に接続されているとともに、絶
縁被覆部が前記コイルカバーの張出し部と前記端子カバ
ーとの間に挟持されている一対のリード線とが配設され
ていることを特徴とする。
【0013】請求項6記載の電磁スプリングクラッチ
は、請求項5記載の電磁スプリングクラッチにおいて、
前記端子には、前記リード線の絶縁被覆部が喰い込んで
導電心線と接触するスリットが形成された挟持部と、前
記スリットの中心線上に延設され前記電磁コイルの端部
が絡げられるピン端子部とが設けられ、前記ピン端子部
が前記コイルボビンの端子収容部から外側に突出してい
ることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態とし
て図1から図12に示した電磁スプリングクラッチを説
明する。図1は、電磁スプリングクラッチの断面図であ
り、図2は図1の励磁装置のみを示したものであり図3
のA−A線断面図、図3は端子カバーが取りはずされた
励磁装置の正面図であり図2の左側面図である。図4は
図2のコイルボビンのみを示したものであり図5のB−
B線断面図、図5はコイルボビンの正面図であり図4の
左側面である。図6はコイルボビンの断面図であり図4
のC−C線断面図、図7は図8の右側面となるコイルカ
バーの側面図であり、図8は図7の左側面でありコイル
カバーの正面図である。図9から図11は端子カバーで
あり、図9は図10の右側面となる背面図、図10は図
9のD−D線断面図、図11は図9のE矢視側面図であ
る。図12は端子であり、(a)は平面図、(b)は右
側面図、(c)は正面図を示している。図13は別の発
明の実施の形態として示したロータであり、(a)は断
面図、(b)は平面図である。
【0015】これら図面に示された電磁スプリングクラ
ッチ1は、複写機の紙送り機構の駆動側の回転軸2に装
着され、紙送りローラが装着された従動側の回転軸に駆
動側の回転を伝達したり遮断する装置として使用され
る。回転軸2は、その軸端2aを非円筒状(例えば断面
D字状)に形成するとともに、この軸端2a側から装着
される電磁スプリングクラッチ1の軸線方向の移動を防
止するスナップリング3(3a・3b)が係止された一
対の係止溝2bが形成されている。また回転軸2は、軸
端2aが嵌合される非円筒状の軸孔からなる嵌合部4a
が形成された第1の回転部材4の軸孔に挿入されてい
る。第1の回転部材4は、非磁性材料のうち合成樹脂材
料により製造されたものであり、軸線方向の一方端(ス
ナップリング3aに突当てられた端部)から他方端(ス
ナップリング3bにより抜け止めされた端部)に向かっ
て外周面が次第に大きくなっている。
【0016】即ち、第1の回転部材4の外周面には、ス
ナップリング5が係止された係止溝5aが形成された円
筒状の第1の軸受部4bと、この第1の軸受部4bより
外径寸法が大きい円筒状のばね巻締め部4cと、このば
ね巻締め部4cより外径寸法が大きい円筒状の第2の軸
受部4dと、この第2の軸受部4dより外径寸法が大き
い円筒状の第3の軸受部4eとが形成されている。ま
た、第3の軸受部4e側の最端部には、その第3の軸受
部4eより外径寸法が大きい環状の鍔部4fが形成され
ている。なお、符号4gで示した凹陥状の溝は、第1の
回転部材4の軽量化、その他の目的のために設けられて
いる。また更に、この第1の回転部材4には、磁束迂回
部として設けられたリング状の磁性材製のロータ6が固
定されている。このロータ6は、インサート成形により
第1の回転部材4に一体に固定されており、その円筒状
の外周面の外径寸法は、第3の軸受部4eの外径寸法よ
りわずかに小さく、また第2の軸受部4dの外径寸法よ
り大きく形成されている。なお、ロータ6の形状は、図
13に示した別のロータ23と同様に、平坦面が対向し
た内周面を有する形状である。
【0017】このような形状の第1の回転部材4は、そ
の第1の軸受部4bに、非磁性材料のうち合成樹脂材料
により製造された第2の回転部材7を回転自在に支持し
ている。この第2の回転部材7は、第1の軸受部4bか
らばね巻締め部4cに移行する壁面4hに突当てられて
スナップリング5により抜け止めされており、軸線方向
他方端(壁面4hに突当てられる側の端部)から一方
(スナップリング5により抜け止めされた端部)に向
かって外周面が次第に大きくなっている。即ち、第2の
回転部材7の外周面には、第1の回転部材4のばね巻締
め部4cの外径寸法と同一若しくはわずかに大きい外径
寸法に設けられた円筒状のばね巻締め部7aと、第1の
回転部材4の第2の軸受部4dの外径寸法と同一の外径
寸法に設けられた円筒状の第4の軸受部7bと、第1の
回転部材4の第3の軸受部4eの外径寸法と同一の外径
寸法に設けられた円筒状の第5の軸受部7cと、この第
5の軸受部7cより外径寸法が大きい環状の鍔部7dと
が形成されている。また、ばね巻締め部7aには、後述
するコイルばね8の一方の巻き端部が係止される貫通孔
7eが形成されている。また更に、一方端側の外周面に
は、図示せぬ歯車と噛み合う歯車部7fが形成されてい
る。そして、上述した第1の回転部材4のばね巻締め部
4cと第2の回転部材7のばね巻締め部7aとに跨っ
て、コイルばね8が嵌合されている。コイルばね8の一
方の巻き端部は、第2の回転部材7の貫通孔7eに係止
されている。また、コイルばね8の他方の巻き端部は、
アーマチュア9の一方の開口端部側に形成した切欠き部
9aに係止されている。なお、後述する電磁コイル14
への通電を断った無励磁状態において、コイルばね8の
内周面と第1の回転部材4のばね巻締め面4cの外周面
との間には、わずかな環状の隙間(図示せぬ)が形成さ
れる。
【0018】アーマチュア9は、一方の開口端部が第1
の回転部材4の第2の軸受部4dに支持され、他方の開
口端部が第2の回転部材7の第4の軸受部7bに支持さ
れた磁性材製の円筒部材であり、一方の開口端部には、
切欠き部9aの他に円周方向に断続して複数の凹溝9b
が形成されている。この凹溝9bは、ロータ6側と半径
方向の内外側に開口する溝であって、例えば特公昭55
−50211号公報で説明されているように、アーマチ
ュア9とロータ6の摩擦係合面に摩耗粉が堆積されない
ように、また他の目的のために設けられている。またこ
のアーマチュア9は、第2の回転部材7の第4の軸受部
7bから第5の軸受部7cに移行する壁面7gに他方の
開口端部が当接した状態で、一方の開口端部とロータ6
の側面が環状な第1の隙間をおいて軸線方向に対向して
いる。
【0019】次に、励磁装置10について説明する。励
磁装置10は、磁性材製の鋼板をプレス加工により絞り
成形した第1のコア11と第2のコア12が設けられて
いる。第1のコア11は、円板部11aと、この円板部
11aの内側から軸線方向に折り曲げられた円筒状の磁
極部11bと、円板部11aの外側から半径方向外側に
延設されたフランジ部11cとからなる環状部材であっ
て、円板部11aから磁極部11bに移行する部位が断
面が凸円弧状の角部11dに形成され、また磁極部11
bの先端の外周壁が、先端に行くほど縮径する断面が凸
円弧状の角部11eに形成されている。また更に、円板
部11aの外周面には、半径方向外側に突出した一対の
円弧状の突出部11fと、後述するコイルボビン13の
端子収容部17などが嵌合されるコ字状の切欠き部11
gが形成された円弧状の突出部11hが形成されてい
る。
【0020】第2のコア12は、第1のコア11の円板
部11aと軸線方向に対向する円板部12aと、この円
板部12aの外側から軸線方向に折り曲げられ先端部が
第1のコア11の円板部11aの外周面に嵌合された円
筒部12bと、円板部12aの内側から軸線方向に折り
曲げられた円筒状の磁極部12cとからなる環状部材で
あって、円板部12aから円筒部12bに移行する部位
と、円板部12aから磁極部12cに移行する部位が、
断面が凸円弧状の角部12d・12eに形成され、また
磁極部12cの先端の外周壁が、先端に行くほど縮径す
る断面が凸円弧状の角部12fに形成されている。また
更に、円筒部12bの先端部には、第1のコア11のフ
ランジ部11cと後述するコイルカバー19の円弧状突
出片19bが嵌合される切欠き部12gと、第1のコア
11の円板部11aに設けた一対の突出部11fと突出
部11hが嵌合される切欠き部12hと、後述するコイ
ルカバー19の張出し部20などが嵌合される切欠き部
12iが形成されている。
【0021】このような形状とした第1のコア11と第
2のコア12は、第1の回転部材4の第3の軸受部4e
と第2の回転部材7の第5の軸受部7cに嵌合され支持
されている。また、第3の軸受部4eに嵌合され鍔部4
fに突当てられた状態において、第1のコア11の磁極
部11bは、その先端部がロータ6の半径方向外側まで
延設されるとともに、その内周面とロータ6の外周面と
の間には環状な第2の隙間が形成されている。また更
に、第5の軸受部7cに嵌合され鍔部7dに突当てられ
た状態において、第2のコア12の磁極部12cは、そ
の先端部がアーマチュア9の開口端部側の半径方向外側
まで延設されるとともに、その内周面とアーマチュア9
の外周面との間には環状な第3の隙間が形成されてい
る。また、軸線方向で対向するこれら磁極部11bと磁
極部12cとの間であって、アーマチュア9の半径方向
外側に設けられた空間を、磁束を迂回させるための環状
な断磁領域Sとして設けている。なお、第1のコア11
と第2のコア12の各角部11e・12fは、プレス加
工により各磁極部11b・12cの先端部から半径方向
内側に折り曲げられた部位を形成することにより設けら
れている。またその折り曲げられた部位は、コア11・
12の製造工程において切り落とされている。
【0022】第1のコア11と第2のコア12および断
磁領域Sにより囲まれた環状溝には、コイルボビン13
に巻かれた電磁コイル14が収容されている。コイルボ
ビン13は、合成樹脂材料により製造され図4と図5お
よび図6に示したような形状である。即ちコイルボビン
13には、電磁コイル14のコイル保持部15と、電磁
コイル14の巻始め端部14aと巻終わり端部14bを
リード線22と電気的に接続する一対の端子16を収容
する端子収容部17が設けられている。コイル保持部1
5は、電磁コイル14を巻回する半径方向外側に開口し
た環状溝15aと、このコイル保持部15の内周面に一
体に形成された環状壁で囲まれた摩耗粉溜り部15bが
形成されている。摩耗粉溜まり部15bは、励磁装置1
0の断磁領域S内に配設されるとともに、その環状溝1
5cがアーマチュア9とロータ6との間の第1の隙間側
に開口している。また、このコイル保持部15の一方の
鍔部には、電磁コイル14の巻始め端部14aが巻込ま
れる薄肉部15d(図6参照)が形成されているととも
に、半径方向外側に延設された端子収容部17が一体に
形成されている。
【0023】端子収容部17は、左右に間隔をおいて一
対の端子圧入室17a・17bが設けられ、各端子圧入
室17a・17bの内壁には、上部両端の角部18a
(図4参照)をテーパ状に面取りをした形状からなる一
対のガイド壁18と、このガイド壁18と内壁との間と
なる各端子圧入室17a・17bの四隅に形成された端
子係入溝18bが設けられ、各端子圧入室17a・17
bの半径方向の内側と外側の壁部には、同中心線上に形
成された端子保持溝18cと端子導出溝18dが形成さ
れている。また、端子収容部17の外壁のうち半径方向
内側となる左右には、後述する端子カバー21の突出部
21lが嵌合される一対の凹溝18eが形成され、半径
方向外側となる左右には、後述する端子カバー21の貫
通孔21fに係止される一対の突出部18fが形成され
ている。また更に、端子収容部17の背面には、電磁コ
イル14の巻始め端部14aと巻終わり端部14bを導
出するときにそれら端部が当接する一対のガイド部18
g(図6参照)が間隔をおいて形成されている。各ガイ
ド部18gの対向する側面には、端子収容部17の正面
に向かって深くなる嵌合溝18hが形成されている。2
点鎖線で示したように、電磁コイル14の巻始め端部1
4aと巻終わり端部14bは、嵌合溝18hを通りテー
パ面18iから後述するピン端子部16dに導出され
る。
【0024】このような形状としたコイルボビン13の
外側には、図7と図8に示したコイルカバー19が被せ
られている。コイルカバー19は、合成樹脂材料で製造
された円筒部材であり、一方の開口端部には、コイルボ
ビン13の鍔部外側に突当てられる半径方向内向きの環
状な鍔部19aが形成され、他方の開口端部には、第2
のコア12の切欠き部12gに嵌合される半径方向外向
きの円弧状突出片19bと、コイルボビン13の端子収
容部17の背面側に被せられる半径方向外側に張出した
張出し部20とが形成されている。なお、符号19cで
示した複数の突出部は、コイルボビン13の鍔部外周面
に圧入される。張出し部20は、コイルボビン13の端
子収容部17に形成した一対のガイド部18gの間に嵌
合される隔壁部20aが設けられ、この隔壁部20aに
より分室された各凹部20bは、端子収容部17の背面
のうち、電磁コイル14の巻始め端部14aと巻終わり
端部14bが導出されるガイド部18gに被せられる。
また張出し部20には、電磁コイル14の巻始め端部1
4aと巻終わり端部14bが絡げられた後述する端子1
6のピン端子部16dが収容される一対の収容室20c
と、リード線22が嵌合される半円弧状の一対の溝20
dと、各溝20d内に形成されたリード線22の抜け止
め用の突起20eが設けられている。また更に、張出し
部20の半径方向外側には、後述する端子カバー21の
係止片21jが係止される貫通穴が形成された係合部2
0fが設けられている。なお、符号20gで示した張出
し部20の基部は、第2のコア12の切欠き部12iに
嵌合される。
【0025】次に、コイルカバー19の張出し部20に
被せられる端子カバー21の形状について説明をする。
端子カバー21は、合成樹脂材料により製造され図9か
ら図11に示したような形状である。即ち、内側の底部
には、後述する端子16と電気的に接続されたリード線
22を保持するために、コイルボビン13の端子圧入室
17a・17bと重ね合わされて対向するように突出し
た複数の押圧部21aが形成されている。また、図9
おいて左右に対向する長辺となる段状の壁部は、一対の
スリット21bにより分割されており、そのスリット2
1b間を弾性変形が可能な係合部21cとしている。ま
た更に、図9において上下に対向する短辺のうち上側の
短辺となる壁部には、同様に一対のスリット21dによ
り弾性変形が可能な係合部21eが形成されている。そ
して、係合部21cに形成した貫通孔21fにコイルボ
ビン13の端子収容部17に設けた突出部18fが係合
され、また係合部21eの先端に設けた係合片21gが
第1のコア11の切欠き部11gに係合される。
【0026】また、端子カバー21の下側の短辺となる
壁部は、リード線22が嵌合される一対の溝21hによ
り弾性変形が可能な係合部21iが形成され、この係合
部21iの先端に設けた係合片21jが、コイルカバー
19の張出し部20に設けた係合部20fに係合され
る。なお、溝21hの底部には、リード線22の抜け止
め用の突起21kが形成されている。また、符号21l
で示した棒状の突出部分は、コイルボビン13の端子収
容部17に設けた凹溝18eに嵌合される凸部である。
また更に、符号21mで示した突出部分は、補強用に設
けたリブである。
【0027】次に、導電材料で製造された端子16の形
状について説明する。端子16は、リード線22が圧入
される段状のスリット16aが形成されたコ字状の挟持
16bが設けられている。また、スリット16aの中
心線上には、挟持部16bの一方の側壁から延びた棒状
の保持ピン16cと、他方の側壁から延びた棒状のピン
端子部16dが設けられている。なお、ピン端子部16
dにはプレス押しされたリブ16eが形成され、また側
壁の角部には、コイルボビン13の端子圧入室17a・
17bに設けた端子係入溝18b内の壁面に喰い込む突
起16fが形成されている。
【0028】このような形状からなる複数の部品を備え
た励磁装置10は、以下に述べる手順により組立てられ
る。即ち、電磁コイル14とコイルボビン13および端
子16とリード線22からなるコイル組立体は、巻始め
端部14aを引き出した状態で電磁コイル14を、コイ
ルボビン13のコイル保持部15の環状溝15aに巻付
ける。次に、電磁コイル14の各端部が引き出された状
態で、コイルボビン13の端子収容部17に一対の端子
16を圧入する。端子16の挟持部16bは、端子係入
溝18b内の壁面に突起16fが喰い込むので端子圧入
室17a・17b内に保持される。また、端子16の保
持ピン16cが端子保持溝18cに保持されるととも
に、端子16のピン端子部16dが端子導出溝18dか
ら端子収容部17の外側へ突出する。突出した一対のピ
ン端子部16dには、コイル保持部15からガイド部1
8gの嵌合溝18hとテーパ面18iを通り引き出され
た、電磁コイル14の巻始め端部14aと巻終わり端部
14bが絡げられ半田付けで固定される。端子16の
持部16bのスリット16aにはリード線22が圧入さ
れ、その絶縁被覆部が破られて導電心線が端子16と電
気的に接続される。
【0029】このように組立てられたコイル組立体に
は、まずコイルカバー19が被せられる。コイルボビン
13の端子収容部17の背面には、一対のガイド部18
gの間に隔壁部20aが嵌合されてコイルカバー19の
張出し部20が被せられるとともに、コイルボビン13
のコイル保持部15の鍔部外周面には、コイルカバー1
9の突出部19cが圧入される。また、コイルカバー1
9の張出し部20の溝20dには、リード線22が嵌合
される。次に、コイルボビン13の端子収容部17の正
面に、端子カバー21が被せられる。端子収容部17の
突出部18fが貫通孔21fに係合され、またコイルカ
バー19の係合部20fに係合片21jが係合される。
リード線22は、端子カバー21の押圧部21aにより
接続部分が端子16のスリット16a内で保持されると
ともに、コイルカバー19の溝20d内の突起20eと
端子カバー21の溝21h内の突起21kが絶縁被覆部
に喰い込んで固定される。そして、コイルカバー19や
端子カバー21が被せられた後、コイル組立体には、第
1のコア11と第2のコア12が被せられ、第1のコア
11の円板部11aの外周面に第2のコア12の円筒部
12bの開口端部が圧入される。
【0030】以上のような構造からなる電磁スプリング
クラッチ1は、回転軸2と第1の回転部材4およびこの
第1の回転部材4に固定されたロータ6が回転している
ときに電磁コイル14に通電すると、その磁束が第1の
コア11の磁極部11bから第2の隙間を通りロータ6
に迂回され、ロータ6から第1の隙間を通りアーマチュ
ア9に流れるとともに、アーマチュア9から第3の隙間
を通り第2のコア12の磁極部12cに流れるので、ア
ーマチュア9がロータ6に磁気吸着されて回転する。そ
して、コイルばね8がばね巻締め部4c・7aに巻付い
て、第1の回転部材4と第2の回転部材7が一体に回転
する。このような励磁状態から電磁コイル14への通電
を断った無励磁状態にすると、磁束が消滅してアーマチ
ュア9がロータ6から離間する。したがって、コイルば
ね8はその弾性力により自己復帰をするとともに、第1
の回転部材4のばね巻締め面4cからコイルばね8の内
周面が離間するので、第1の回転部材4から第2の回転
部材7への回転の伝達は遮断される。
【0031】このような動作の繰り返えしにおいて、ア
ーマチュア9とロータ6の摩擦係合により摩耗粉が発生
するが、アーマチュア9の開口端部に複数の凹溝9bを
設けてその凹溝9b内に摩耗粉が入り込むようにしたの
で、またコイルボビン13の摩耗粉溜り部15bの環状
溝15c内に摩耗粉が入り込むようにしたので、これら
摩耗粉対策を講じていないアーマチュア駆動形電磁スプ
リングクラッチに比べ、安定した動作を長期に亘り維持
することができる。なお、この発明の実施の形態では、
アーマチュア9に複数の凹溝9bを設けたが、アーマチ
ュア9またはロータ6の摩擦係合面のうち少なくともい
ずれか一方の摩擦係合面に複数の凹溝を設ければよい。
図12は、複数の凹溝23aが形成されたロータ23で
あり、その内周面には、対向する平坦面23bが形成さ
れている。ロータ6に代えてロータ23を使用する場
合、アーマチュア9の開口端部に凹溝9bを形成する必
要はない。また、以上詳細に説明した電磁スプリングク
ラッチ1においては、第1の回転部材4と第2の回転部
材7が合成樹脂材料により製造されているが、非磁性金
属材料により製造された回転部材とすることもできる。
また更に、インサート成形により第1の回転部材4にロ
ータ6を固定したが、例えばキー嵌合により、リング状
のロータを第1の回転部材4の第2の軸受部4dから嵌
合して第3の軸受部4eの側面に突当てる構造にするこ
ともできる。
【0032】
【発明の効果】以上のようにこの発明の電磁スプリング
クラッチは、第1の回転部材の第3の軸受部に嵌合され
第1の回転部材の磁束迂回部の半径方向外側まで延設さ
れるとともに、磁束迂回部と環状な第2の隙間をおいて
半径方向外側に対向する円筒状の磁極部と、第2の回転
部材の第5の軸受部に嵌合されアーマチュアの開口端部
の半径方向外側まで延設されるとともに、アーマチュア
と環状な第3の隙間をおいて半径方向外側に対向する円
筒状の磁極部とを設けて、励磁装置を第1の回転部材と
第2の回転部材に支持する構造にしたので、従来の電磁
スプリングクラッチのような励磁装置とロータとの間の
軸線方向の隙間がなくなり、軸線方向の寸法を短縮する
ことができる。また、励磁装置に軸受部材を設ける必要
もなく、安価な電磁スプリングクラッチを提供すること
ができる。
【0033】またこの発明の電磁スプリングクラッチ
は、インサート成形により合成樹脂材製の第1の回転部
材にロータを固定したので、従来の電磁スプリングクラ
ッチのようなロータの圧入嵌合により、合成樹脂材製の
第1の回転部材の軸孔が変形して回転軸の挿入が困難に
なるなどの問題を解決することができる。また更に、こ
の発明の電磁スプリングクラッチは、励磁装置の断磁領
域内にコイルボビンの摩耗粉溜り部を配設したので、比
較的大きな摩耗粉溜り部とすることができる。したがっ
て、摩耗粉による動作不良の問題を解決することができ
る。
【0034】またこの発明の電磁スプリングクラッチ
は、第1の回転部材の第3の軸受部に嵌合される第1の
コアの角部とコイルボビンのコイル保持部が嵌合される
第1のコアの磁極部先端の角部、および第2の回転部材
の第5の軸受部に嵌合される第2のコアの角部とコイル
ボビンのコイル保持部が嵌合される第2のコアの磁極部
先端の角部とを、それぞれ凸円弧状の角部としたので、
組立工程における嵌合作業が簡単にできる。また、第1
の回転部材の第3の軸受部や第2の回転部材の第5の軸
受部の損傷による動作不良の問題を解決することができ
る。
【0035】またこの発明の電磁スプリングクラッチ
は、コイルボビンにコアの外側へ突出する端子収容部を
設け、電磁コイルの巻始め端部と巻終わり端部を励磁装
置の外側でリード線と接続するようにしたので、励磁装
置の外径寸法を小さくすることができる。また、コイル
ボビンの端子収容部に圧入される端子に、リード線が接
続されるスリットを有する挟持部と電磁コイルの各端部
が絡げられるピン端子部を設けたので、リード線の圧着
作業や電磁コイルの半田付け作業が簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電磁スプリングクラッチの断面図である。
【図2】図1に示されている励磁装置のみを示したもの
であり、図3のA−A線断面図である。
【図3】端子カバーが取りはずされた励磁装置の正面図
であり、図2の左側面図である。
【図4】図2のコイルボビンのみを示したものであり、
図5のB−B線断面図である。
【図5】コイルボビンの正面図であり、図4の左側面図
である。
【図6】コイルボビンの断面図であり、図4のC−C線
断面図である。
【図7】図8の右側面となるコイルカバーの側面図であ
る。
【図8】図7の左側面でありコイルカバーの正面図であ
る。
【図9】図10の右側面となる端子カバーの背面図であ
る。
【図10】図9のD−D線断面図である。
【図11】図9のE矢視側面図である。
【図12】端子であり、(a)は平面図、(b)は右側
面図、(c)は正面図である。
【図13】別の発明の実施の形態として示したロータで
あり、(a)は断面図、(b)は平面図である。
【符号の説明】
2 …回転軸 4 …第1の回転部材 4b…第1の軸受部 4c…ばね巻締め部 4d…第2の軸受部 4e…第3の軸受部 6 …ロータ(磁束迂回部) 7 …第2の回転部材 7a…ばね巻締め部 7b…第4の軸受部 7c…第5の軸受部 8 …コイルばね 9 …アーマチュア 10 …励磁装置 11 …第1のコア 11b…磁極部 12 …第2のコア 12c…磁極部 13 …コイルボビン 14 …電磁コイル 15 …コイル保持部 16 …端子 16b…挟持部 16d…ピン端子部 17 …端子収容部 19 …コイルカバー 20 …張出し部 21 …端子カバー 23 …ロータ(磁束迂回部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−74657(JP,A) 特開 昭63−293327(JP,A) 特開 昭63−293328(JP,A) 特開 平5−10348(JP,A) 特開 平9−42321(JP,A) 特開 平8−303486(JP,A) 特開 平10−115331(JP,A) 実開 昭63−187729(JP,U) 実開 平6−24239(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16D 27/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸と、この回転軸が挿入される軸孔
    と、軸線方向の一方端から他方端に向かって外径寸法が
    次第に大きくなる外周面が設けられ、前記外周面には、
    前記一方端側から、円筒状の第1の軸受部と円筒状のば
    ね巻締め部および円筒状の第2の軸受部と円筒状の磁束
    迂回部、かつ円筒状の第3の軸受部が順に形成されてい
    る非磁性材製の第1の回転部材と、この第1の回転部材
    の第1の軸受面に嵌合される軸孔と、軸線方向の他方端
    から一方端に向かって外径寸法が次第に大きくなる外周
    面が設けられ、前記外周面には、前記他方端側から、前
    記ばね巻締め部と隣接する円筒状のばね巻締め部と、前
    記第2の軸受部と同じ外径寸法からなる円筒状の第4の
    軸受部、かつ前記第3の軸受部と同じ外径寸法からなる
    第5の軸受部が順に形成されている非磁性材製の第2の
    回転部材と、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材
    のばね巻締め部に跨って嵌合され、一方の巻き端部が前
    記第2の回転部材に係止されたコイルばねと、このコイ
    ルばねの外側に配設され前記コイルばねの他方の巻き端
    部が係止されるとともに、一方の開口端部は前記第1の
    回転部材の第2の軸受部に支持され他方の開口端部は前
    記第2の回転部材の第4の軸受部に支持されており、か
    つ一方の前記開口端部が前記第1の回転部材の磁束迂回
    部と環状な第1の隙間をおいて軸線方向に対向する円筒
    状のアーマチュアと、前記第1の回転部材の第3の軸受
    部に嵌合され前記第1の回転部材の磁束迂回部の半径方
    向外側まで延設されるとともに、前記磁束迂回部と環状
    な第2の隙間をおいて半径方向外側に対向する一方の円
    筒状の磁極部が形成された第1のコアと、前記第2の回
    転部材の第5の軸受部に嵌合され前記アーマチュアの他
    方の開口端部の半径方向外側まで延設されるとともに、
    前記アーマチュアと環状な第3の隙間をおいて半径方向
    外側に対向する他方の円筒状の磁極部が形成された第2
    のコアと、軸線方向で対向する前記磁極部の間であって
    前記アーマチュアの半径方向外側に設けられた環状な断
    磁領域と、これら第1と第2のコアと前記断磁領域とに
    より囲まれた環状溝とを有する励磁装置と、この励磁装
    置の環状溝に収容された電磁コイルとを備えたことを特
    徴とする電磁スプリングクラッチ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電磁スプリングクラッチ
    において、前記第1の回転部材の磁束迂回部は、インサ
    ート成形により合成樹脂材製の前記第1の回転部材に一
    体に固定された磁性材製の環状なロータであることを特
    徴とする電磁スプリングクラッチ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電磁スプリングクラッチ
    において、前記励磁装置の環状溝には、前記電磁コイル
    が巻かれたコイルボビンが収容されており、前記コイル
    ボビンの内周面には、前記断磁領域内に配設された摩耗
    粉溜り部が一体に形成されていることを特徴とする電磁
    スプリングクラッチ。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の電磁スプリングクラッチ
    において、前記励磁装置は、磁性材製の鋼板をプレス加
    工することにより、円板部とこの円板部の内側から軸線
    方向に折り曲げられた円筒状の前記磁極部とが形成され
    た前記第1のコアと、磁性材製の鋼板をプレス加工する
    ことにより、前記第1のコアの円板部と前記電磁コイル
    を介して対向する円板部と、この円板部の外側から軸線
    方向に折り曲げられ先端部が前記第1のコアの円板部の
    外周面に嵌合された円筒部と、前記円板部の内側から軸
    線方向に折り曲げられた円筒状の前記磁極部とが形成さ
    れた前記第2のコアとが設けられ、これら第1と第2の
    コアは、前記円板部の内側から前記磁極部に移行する部
    位が断面が凸円弧状の角部に形成され、前記磁極部の先
    端の外周壁が先端に行くほど縮径する断面が凸円弧状の
    角部に形成されていることを特徴とする電磁スプリング
    クラッチ。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の電磁スプリングクラッチ
    において、前記励磁装置は、半径方向外側に開口する環
    状溝に前記電磁コイルが巻回されたコイル保持部と、こ
    のコイル保持部の一方の鍔部から半径方向外側に延設さ
    れ前記コアの外側に突出した端子収容部とが形成された
    コイルボビンと、このコイルボビンのコイル保持部に被
    せられた円筒部と、この円筒部から半径方向外側に延設
    され前記コアの外側に突出するとともに前記端子収容部
    の背面側に被せられた張出し部とが形成されたコイルカ
    バーと、前記端子収容部の正面側に被せられ前記コイル
    カバーの張出し部に開口部が嵌合された端子カバーと、
    前記コイルボビンの端子収容部に収容された一対の端子
    と、これら端子に絡げられて電気的に接続された前記電
    磁コイルの巻始め端部と巻終わり端部と、導電心線が接
    触することにより前記端子に電気的に接続されていると
    ともに、絶縁被覆部が前記コイルカバーの張出し部と前
    記端子カバーとの間に挟持されている一対のリード線と
    が配設されていることを特徴とする電磁スプリングクラ
    ッチ。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の電磁スプリングクラッチ
    において、前記端子には、前記リード線の絶縁被覆部が
    喰い込んで導電心線と接触するスリットが形成された挟
    持部と、前記スリットの中心線上に延設され前記電磁コ
    イルの端部が絡げられるピン端子部とが設けられ、前記
    ピン端子部が前記コイルボビンの端子収容部から外側に
    突出していることを特徴とする電磁スプリングクラッ
    チ。
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