JP3207916B2 - プリンター - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はプリンターに関する。特
に、紙づまりが生じたときに、ユーザーにおいても対応
することができるようにしたプリンターに関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来のプリンターの概略を図１１に示
す。

【０００３】同図において、１は給紙ローラであり、給
紙カセット２に収納されている用紙３を１枚ずつ給送す
る。給送された用紙３は紙ガイド４によって案内され、
プラテン５に巻き回されるとともに、２つの紙送りロー
ラ６，６とプラテン５との間に挟圧されて搬送され、ヘ
ッド７によって印字された後、排紙口８から排出され
る。

【０００４】９はプリンターのケースであり、本体部分
９ａと、カバー９ｂとからなっている。カバー９ｂは、
本体部分９ａに対して開閉可能に構成されており、印字
部Ｐよりも下流側Ｐ２で紙づまりが生じたときにはカバ
ー９ｂを開いてユーザーにおいても対処することができ
るようになっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来のプリンターにお
いては、上述したように印字部Ｐよりも下流側Ｐ２で紙
づまりが生じたときにはカバー９ｂを開いてユーザーに
おいても対処することができるようになっていたが、上
流側Ｐ１はケースの本体部分９ａで覆われており、しか
も紙ガイド４は本体部分９ａにねじ４ａ等で固定されて
いたので、上流側Ｐ２で紙づまりが生じたときにはこれ
に対処するのが困難であった。特に、つまった用紙を引
き抜こうとした際に用紙が破けてしまい、その破けた紙
片が紙送りローラ近辺Ｐ３等に残留した場合には、メー
カーのサービスマン等でなければ対処することができな
いという問題があった。

【０００６】本発明の目的は、このような問題を解決
し、印字部の下流側だけでなく上流側で紙づましが生じ
た場合にも、これにユーザーが対処することのできるよ
うにすることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】すなわち、本発明はかか
る課題を達成するために、給紙部から印字部を経て排紙
部へ到る紙搬送経路を備えたプリンターにおいて、印字
部の紙搬送方向下手側に、用紙を排紙部方向に導く紙案
内部を備えた第２のカバーを着脱自在に配設するととも
に、印字部の紙搬送方向上手側に、印字部の直近位置へ
用紙を導く紙案内部を設けた第１のカバーを着脱自在に
配設するようにしたものである。

【０００８】なお、少なくとも第１のカバーが上流側の
紙ガイドを形成している構成とするのが望ましい。

【０００９】

【作用】本発明に係るプリンターは、上記の構成となっ
ているので、次のように作用する。

【００１０】印字部の下流側で紙づまりが生じた場合に
は、第２のカバーを開きあるいは本体部分から取り外す
ことにより対処することができる。

【００１１】また、印字部の上流側で紙づまりが生じた
場合には第１のカバーを開きあるいは本体部分から取り
外すことにより対処することができる。

【００１２】いずれの場合であっても、第１，第２両方
のカバーを開きあるいは取り外すことができるので、従
来は困難であった紙づまりに対しても、容易に対処する
ことができる。

【００１３】さらに、第１のカバーが上流側の紙ガイド
を形成している構成とした場合には、第１のカバーを開
くあるいは取り外すことにより、同時に紙ガイドも開か
れあるいは取り外されることとなるので、従来特に困難
であった上流側の紙づまりにも一層容易に対処すること
が可能となる。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。

【００１５】図１は本発明に係るプリンターの一実施例
を示す断面図である。

【００１６】同図において、１０はプリンター本体（以
下、単に本体ともいう）、２０は本体１０の底部に装着
された給紙カセットである。

【００１７】１１は給紙ローラであり、給紙カセット２
０に収納されている用紙３を１枚ずつ給送する。給送さ
れた用紙３は給紙経路１３を経てプラテン１４に巻き回
されるとともに、紙送りローラ１５とプラテン１４との
間に挟圧されて搬送され、印字部Ｐでヘッド１６により
印字された後、排紙経路１７を経て排紙口１８からスタ
ッカ１９へと排出される。紙送りローラ１５は、常時プ
ラテン１４方向に向けて附勢されているレバー１５ａに
回転可能に支持されている。また、このレバー１５ａに
は、搬送される用紙の張力を受けるテンションローラ１
２が回転可能に支持されている。２１は排紙ローラであ
り、中間ローラ２２を介してプラテン１４によって回転
駆動される。

【００１８】このようなプリンターのケースは、本体部
分３０と、印字部Ｐの紙搬送方向上手側Ｐ１の紙搬送経
路を覆う第１のカバー４０と、印字部Ｐの紙搬送方向下
手側Ｐ２の紙搬送経路を覆う第２のカバー５０とによっ
て構成され、これらの各カバー４０，５０はそれぞれ本
体部分３０に対して着脱可能に構成されている。

【００１９】第１のカバー４０は、図２，３に示すよう
に、紙ガイド部４１と、側部４２，４３と、背部４４
と、底部のバックアウトガイド４５とからなっていて、
プラテン１４と紙送りローラ１５とテンションローラ１
２とを覆うように構成されており、背部４４には、サウ
ンドアブソーバ４６を介して外板４７が取り付けられて
いる。側部４２，４３には、それぞれピン４２ａ，４３
ａと、突起状の取付用ガイド４２ｂ，４３ｂとが形成さ
れている。

【００２０】このような第１のカバー４０は、図４に示
すように、側部４２，４３の取付用ガイド４２ｂ，４３
ｂを本体のサイドフレーム２３，２４に形成されている
ガイド溝２３ｂ，２４ｂに挿通するとともに、側部４
２，４３のピン４２ａ，４３ａをサイドフレーム２３，
２４に形成されているフック部２３ａ，２４ａに嵌め込
むことにより取り付けることができるようになってい
る。サイドフレーム２４は、図５に示すように、底部に
設けられた係合突起（図示せず）をベースフレーム２５
に設けられた係合穴２５ａ，２５ｂに係合させることに
よりベースフレーム２５に固定されている。なお、サイ
ドフレーム２３も同様にしてベースフレーム２５に固定
されている。

【００２１】本体に取り付けられた状態の第１のカバー
４０は、その紙ガイド部４１が図１に示すように給紙経
路１３を形成する。また、バックアウトガイド４５は、
用紙を大きく逆送する際に、逆送経路１３ａを通過する
用紙を矢印ａで示すようにプリンターの底面と設置面Ｆ
との間に導く役割を果たす。さらにこのバックアウトガ
イド４５は、図６に示すように、プリンターを縦置きに
して使用する際の、用紙３の手差しガイドともなってい
る。

【００２２】第２のカバー５０は、本体部分３０上面の
ほぼ全面を覆う大カバー５１と、この大カバー５１の前
端部に設けた小カバー５２とからなっていて、小カバー
５２は大カバー５１に着脱可能に取り付けられている。

【００２３】大カバー５１は、天板５３と、これと一体
に形成された側板５４とからなっており、さらに天板５
３の裏面前端部には紙ガイド部５５が形成され、この紙
ガイド５５は、小カバー５２の裏面に形成された紙ガイ
ド５６とともに排紙経路１７を形成している。大カバー
５１の前部両側には、図８に示すように、係合用突起５
７が形成されており、また、側板５４の内面にも図１に
示すように係合用突起５８が形成されている。

【００２４】このような第２のカバー５０は、図８に示
すように、前部両側の係合用突起５７，５７（一方のみ
図示）を本体部分３０に形成されている係合穴３１，３
１に係合させるとともに、図１にも示すように、側板内
面の係合用突起５８を本体部分３０に形成されている係
合用穴３２，３２に係合させることにより、本体部分３
０に取り付けられるようになっている。なお、図８にお
いて、５９は取り外し時のためのつまみである。

【００２５】以上のようなプリンターによれば、印字部
Ｐの下流側Ｐ２で紙づまりが生じた場合には、第２のカ
バー５０を取り外すと、図７に示すように、プラテン１
４、ヘッド１６、および排紙ローラ２１が露出するの
で、紙づまりに容易に対処することができる。

【００２６】また、印字部Ｐの上流側Ｐ１で紙づまりが
生じた場合には、第１のカバー４０を取り外すと、プラ
テン１４、紙送りローラ１５、およびテンションローラ
１２が露出するので、紙づまりに容易に対処することが
できる。

【００２７】さらに、いずれの場合であっても、第１，
第２両方のカバー４０，５０を取り外すと、プラテン１
４回りの機構部分が全て露出するので、紙づまりに対し
て一層容易に対処することができる。

【００２８】特に本実施例においては、第１のカバー４
０が上流側の紙ガイド部４１を形成し、第２のカバー５
０が下流側の紙ガイド部５５，５６を形成しているの
で、これらのカバー４０，５０を取り外せば、同時に紙
ガイドも取り外されることとなり、紙づまりに一層容易
に対処することができる。

【００２９】なお、本実施例のプリンターは、図９，１
０に示すように、第１のカバー４０に代えてトラクタユ
ニット６０を装着することができるようになっている。
トラクタユニット６０を取り付けた場合には、給紙カセ
ット２０からの用紙の給紙経路１３は、図９に示すよう
に、トラクタユニットの紙ガイド部６１により形成され
る。図中、７０は用紙の検出器、７１は給紙経路１３を
通過する用紙と当接して回動し検出器７０を作動させる
第１の紙検出レバー、６２はトラクタ６４から送出され
第２の給紙経路６３を通過する用紙と当接して回動する
ことにより前記第１のレバー７１を回動させて検出器７
０を作動させる第２の紙検出レバーである。

【００３０】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本
発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。

【００３１】例えば、第１，第２のカバーはそれぞれ開
閉可能に構成してもよい。

【００３２】

【発明の効果】本発明によれば、印字部の上流側から下
流側へと搬送される用紙に印字部にて記録を行なうプリ
ンターにおいて、プリンターのケースを、本体部分と、
上流側に対向する第１のカバーと、下流側に対向する第
２のカバーとで構成し、この第１および第２のカバーを
それぞれ本体部分に対し開閉または着脱可能とするとと
もに、第１のカバーが本体部分に対し着脱自在とする一
方、この第１のカバーに代えてトラクタユニットを装着
可能としたので、紙搬送経路の上流側または下流側のい
ずれの紙づまりにも容易に対処することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るプリンターの一実施例を示す断面
図。

【図２】第１のカバーの分解斜視図。

【図３】第１のカバーを示す図で、（ａ）は正面図、
（ｂ）は左側面図、（ｃ）は右側面図。

【図４】第１のカバーの取付説明斜視図。

【図５】サイドフレームの斜視図。

【図６】縦置き状態での使用状態を示す斜視図。

【図７】第２のカバーを取り外した状態の斜視図。

【図８】第２のカバーの取付説明斜視図。

【図９】トラクタユニットを取り付けた状態の断面図。

【図１０】トラクタユニットの取付説明斜視図。

【図１１】従来例の概略説明図。

【符号の説明】

３ 用紙 Ｐ 印字部 Ｐ１ 上流側 Ｐ２ 下流側 ３０ 本体部分 ４０ 第１のカバー ４１ 紙ガイド部 ５０ 第２のカバー ５５ 紙ガイド部 ５６ 紙ガイド部 ６０ トラクタユニット

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 芳昭 長野県諏訪市大和３丁目３番５号 セイ コーエプソン株式会社内 (56)参考文献 特開 平５−201099（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B41J 29/00 - 29/70 B41J 11/00 - 11/70 B41J 13/00 - 13/32 B41J 15/00 - 15/24

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 給紙部から印字部を経て排紙部へ到る紙
   搬送経路を備えたプリンターにおいて、 前記印字部の紙搬送方向下手側に、用紙を前記排紙部方
   向に導く紙案内部を備えた第２のカバーを着脱自在に配
   設するとともに、 前記印字部の紙搬送方向上手側に、前記印字部の直近位
   置へ用紙を導く紙案内部を設けた第１のカバーを着脱自
   在に配設したことを特徴とするプリンター。
2. 【請求項２】 前記印字部の紙搬送方向上手側に、トラ
   クタからの用紙を前記印字部の直近位置へ導く紙案内部
   を設けたトラクタユニットを着脱自在に配設したことを
   特徴とする請求項１記載のプリンター。