JP3207458U - ピッチ測定構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】非接触式のピッチ測定装置において精度を向上させたピッチ測定構造を提供する。【解決手段】ピッチ測定構造(10)は、回転体(S)を回転自在に支持する軸部(11)と、軸部を回転駆動する駆動部(12)と、軸部とともに回転する回転体に所定の直線軌道を描くレーザスポット光線を連続時間に亘って照射し、回転体からの反射光に基づいて、レーザスポット光線を横切る突起(Q)までの距離を複数回測定して出力するレーザ測距部(13)と、軸部の回転条件から軸部の角度データを蓄積し、レーザ測距部から出力される距離から角度データに対応する距離データを蓄積し、角度データおよび距離データから複数の突起間のピッチを演算するピッチ演算部(14)とを備える。【選択図】図1
Description
本考案は、歯車や羽根車のように、歯や羽根といった突起を有する回転体を測定対象とし、歯車の歯や羽根車の羽根といった突起の周方向ピッチを非接触方式で測定するピッチ測定装置に関する。また本考案は、ラックのように歯を有する長尺物や、複数の突起を有する長尺物を測定対象とし、歯や突起の長手方向ピッチを非接触方式で測定するピッチ測定装置に関する。
歯車やねじといった製品の生産工程において、製品の仕上がり具合を測定することは重要である。所定の規格に合格した製品を安価に出荷するためには、生産工程を増やすことなく、短時間で、正確に測定できることが望ましい。かかる要望を実現するために非接触方式の測定方法が考えられる。
歯車の歯やねじのピッチの非接触測定法としては従来、例えば、特許第3960618号公報(特許文献1)に記載のごときものが知られている。特許文献1に記載のピッチ測定方法は、複数の注目形状部が同一の経路上を移動するように注目形状部を回転運動させる。また、固定位置から、経路上の所定位置を通過する注目形状部について、該所定位置に焦点を合わせてカメラで連続的に撮像して記憶する。つぎに記憶した画像データについてR,G,Bの輝度レベルのラプラシアンをそれぞれ求め、それらに適当な係数を乗じて足し合わせ、画像のシャープさを合焦評価値として数値化する。次に合焦評価値を縦軸とし、注目形状部の回転角(移動距離)を横軸とし、合焦評価値と回転角の対応関係に基づき、グラフ上で波状に連続する多数の点を得る。そして点群から波状の基準曲線を算出し、基準曲線から合焦評価値のピーク値Q0、Q1、Q2、・・・を求め、隣接するピーク位置間の回転角の差をピッチθ1、θ2、θ3、・・・として算出するというものである。
しかし、上記従来のようなピッチ測定方法にあっては、以下に説明するような問題を生ずる。つまり歯車の歯やねじのピッチの表面には、製造時の肌焼け、焼ムラ、洗浄シミ等を原因とする色味の差異が存在し、反射光の輝度の相違やバラつきが生じる。また製品表面の反射率が高い場合、ハレーションにより測定不能になる。このため歯車の歯やねじのねじ山が同一形状であっても、歯やねじ山の色味が違えば、誤判定により異なる画像データが得られる。そうするとピッチの測定結果が注目形状部の表面状態に影響され、歯やねじ山のピッチを正確に測定することができない。また設置環境(照度)が変化すると、同一の注目形状部であっても異なる画像データが得られてしまい、ピッチを正確に測定することができない。
そこで注目形状部の表面状態に影響されないために、周知の接触式のピッチ測定装置を使用することになるが、接触式のピッチ測定装置で歯車のピッチを測定する場合、測定子を多数存在する歯間に抜き差ししながら歯車を回す必要がある。このため測定作業に長い時間と大きな労力を要する。
また測定子が摩耗するため、測定品質が徐々に変化してしまう他、定期的に交換しなければならない。測定装置のメンテナンス費用は設備投資費用を増大させ、ひいては製品の生産コストの上昇を招く。
本考案は、上述の実情に鑑み、歯やねじの色味による影響を排除して、精度を向上させた非接触式のピッチ測定構造を提供することを目的とする。また生産工程において、工程を増やすことなく、ピッチ誤差を短時間で測定でき、製品の生産コスト低減に寄与するピッチ測定構造を提供することを目的とする。
この目的のため本考案によるピッチ測定構造は、円形の基部と、基部の外周に周方向等間隔に配列される複数の突起とを有する回転体を測定対象とし、回転体を回転自在に支持する軸部と、軸部を回転駆動する駆動部と、軸部とともに回転する回転体に、所定の直線軌道を描くレーザスポット光線を照射し、回転体からの反射光に基づいて、レーザスポット光線を横切る突起までの距離を複数回測定して出力するレーザ測距部と、レーザ測距部から出力される距離データを蓄積し、軸部の回転条件から距離データに対応する角度データを蓄積し、角度データおよび距離データから複数の突起間のピッチを演算するピッチ演算部とを備える。
かかる本考案によれば、レーザスポット光線によって距離を測定することから、先行技術で生じる色味の違いの影響を排除する。したがって回転体外周の突起のピッチを正確に測定することができる。また接触式のピッチ測定装置と比較して、短時間でピッチを測定することができ、しかも耐久性に優れ、測定品質が変化しない。なお円形の基部と、基部の外周に周方向等間隔に配列される複数の突起とを有する回転体とは、傘歯車、平歯車、平行軸歯車、ハイポイドギヤ等の歯車一般、タービンやターボチャージャ用インペラ等の羽根車、またはこれらに類似する形状を有する物をいう。軸部の回転方向は特に限定されず、正方向あるいは逆方向が可能である。本考案は、回転機構を備えるすべての設備に適用可能である。これにより設備投資費用を抑制することができる。例えば歯切り機や、回転体の加工機に本考案を附設可能である。また本考案によれば、歯車の歯のピッチ誤差を測定する場合において、レーザ測距部の取り付け位置を変更することにより歯形方向および歯すじ方向ともに任意の位置で測定可能である。
ピッチはピッチ角度[°]として演算されてもよいし、ピッチ長さ[μm]として演算されてもよい。軸部の回転条件から角度データを出力する構造は特に限定されない。本考案の一実施形態として、軸部の角度を複数回測定しピッチ演算部に出力するエンコーダをさらに備える。かかる実施形態によれば、回転角も測定することからピッチの測定精度が向上する。
分解能は小さい程、細かい測定結果が得られる。好ましい実施形態として、エンコーダが測定する角度の分解能は、ピッチの最大許容誤差の1/10よりも細かい。具体的には、例えばピッチ円がφ30[mm]、ピッチ誤差規格が1[μm]の歯車の場合、軸部1回転あたりにエンコーダが出力する信号数は100万パルス以上である。
あるいは他の実施形態として、駆動部を一定速度で回転させるモータ制御部をさらに備える。かかる実施形態によれば、モータを定速で回転させ、かかる一定速度に基づき時間軸から回転角度データを得ることができ、角度データを出力する構造を簡易なものにすることができる。
ピッチを測定する際、突起の根元で測定するか、あるいは突起の先端で測定するかで測定結果が変化することが考えられる。測定対象が回転体の場合、突起に向かって延びるレーザスポット光線が描く所定の直線軌道は、レーザ測距部の照射口および軸部の回転中心を通過する基準線に対し、例えば鋭角の角度をなす。これによりレーザ測距部は、突起の側方からレーザスポット光線を照射して、突起の先端と根元の間の中間部分を測距することができ、良好な測定結果を得ることができる。あるいは、基準線と直線軌道の角度を0[°]にして、レーザ測距部は突起の先端を測距してもよい。
本考案のさらに好ましい実施形態として、複数の突起は、隣り合って配列される第1突起および第2突起を含み、レーザスポット光線は、軸部を中心として回転移動する第1突起の先端と、第2突起の先端部と根元部を結ぶ中間部分に、この順序、あるいはこの順序と逆の順序で衝突する。かかる実施形態によれば突起の中間部分から先端までを測距して、良好な測定結果を得ることができる。
分解能は小さい程、細かい測定結果が得られる。本考案の好ましい実施形態として、レーザ測距部が測定する距離の分解能は、ピッチの最大許容誤差の1/10よりも細かい。具体的には、例えばハイポイドギヤの歯のピッチを測定する場合、最低必要な分解能は0.1[μm]である。これにより測定精度を0.1[μm]以下に高めることができる。
本考案は、歯車や羽根車等の回転体のピッチ角を測定可能である他、ねじのねじ山やラックの歯等の長尺物のピッチを測定可能である。このため本考案によるピッチ測定構造は、長手方向に延びる基部と、基部に長手方向等間隔に配列される複数の突起とを有する物を測定対象とし、物を長手方向に変位させる駆動部と、長手方向に対して鋭角をなす所定の直線軌道を規定し、該直線軌道を描くレーザスポット光線を、長手方向に変位する物に照射し、物からの反射光に基づいて、レーザスポット光線を横切る突起までの距離を複数回測定して出力するレーザ測距部と、記レーザ測距部から出力される距離データを蓄積し、駆動部の変位条件から物の距離データに対応する変位データを蓄積し、変位データおよび距離データから複数の突起間のピッチを演算するピッチ演算部とを備える。
このように本考案によれば、歯車の歯のピッチや、羽根車の羽根のピッチを、短時間で正確に測定することができる。したがって噛み合い伝達誤差の少ない歯車を効率良く生産することに寄与できる。
以下、本考案の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本考案の一実施形態になるピッチ測定構造の全体のシステム構成を示す模式図である。ピッチ測定構造10は、軸部11、モータ12、レーザ測距部13、コンピュータ14、およびモータ制御部15を備える。
軸部11にはワーク(以下、回転体Sという)が取り付けられる。軸部11は、一方端11aおよび他方端11bを有し、図示しないベアリングで回転自在に軸支され、回転自在とされる。他方端11bは回転軸O方向に変位可能であり、一方端11aおよび他方端11b間に、測定対象になる回転体Sをクランプする。これにより軸部11は回転体Sを回転軸Oと同軸に保持する。回転体Sは周方向等間隔に配列される複数の突起Qを有する。
モータ12は軸部11を回転駆動する駆動源である。モータ12は、モータ制御部15と電気的に接続し、モータ制御部15に制御されて、所定の回転条件で回転する。またモータ制御部15は、モータ12の回転条件をコンピュータ14に出力する。例えばモータ制御部15は、所定の単位時間毎にモータ12の角度を表すパルス(位相)情報を出力する。あるいは軸部11にエンコーダ16を取り付けてもよい。エンコーダ16は軸部11の回転角度を所定の単位時間毎に検出してコンピュータ14に出力する。回転体Sが回転軸Oを中心として自転運動を行うことにより、複数の突起Qは回転軸Oを中心として公転するような回転運動を行う。
レーザ測距部13は、レーザスポット光線を生成して照射する照射部分と、レーザスポット光線が測定対象に衝突して反射するレーザ反射光を受光する受光部分と、レーザ反射光に基づき照射部分から測定対象までの距離信号を出力する出力部分とを有する。レーザ測距部13は、その測定対象が歯や羽根であることから、分解能の小さな仕様を選定される。またレーザ測距部13は、測定対象から10〜50[mm]の範囲で離れるよう、軸部11に対し設置固定される。
レーザ測距部13は軸部11近傍に設置され、回転体Sの突起Qにレーザスポット光線を照射して、レーザ測距部13から回転体Sの突起Qまでの距離を測定し、コンピュータ14に出力する。つまり本実施形態のピッチ測定構造10は、回転体Sと接触する測定子を有さず、レーザ光線で回転体Sのピッチを測定する非接触式である。レーザ測距部13は、回転軸Oに対し位置およびレーザ照射方向を固定され、回転体Sは軸部11の回転により自転運動を行う。これによりレーザ測距部13は、回転移動を行うすべての突起Qにレーザスポット光線を照射して、すべての突起Qの距離を測定する。
コンピュータ14は、モータ12の回転条件を受信し、この回転条件から回転体Sの回転位置に関する角度データ(単位[°]または[rad])を作成する。そして受信した距離データから、各角度値に対応する距離値を集積する。角度データと距離データの関係から隣り合う突起Q,Q間のピッチを演算してコンピュータ14のインターフェースに出力する。なおコンピュータ14は、市販のパーソナルコンピュータで足りる。1回転を超えて回転体Sを回転させることにより、すべての突起Q,Qのピッチを演算することができる。
本実施形態は、一例として、回転体Sを正方向に回転させて、隣り合う突起Q,Q間のピッチを演算する。好ましくは回転体Sを、1回転を超えて回転させて、最初の回転と最後の回転時におけるモータ12の加減速と、1ピッチ未満の回転に帰属するデータを除去することにより、測定誤差を除去する。
図2はピッチ測定構造10におけるピッチ測定手順を示す作業フローである。突起Qのピッチ測定に際し、まずステップS21で測定対象になるワーク(回転体S)を軸部11にクランプする。次のステップS22でモータ12に通電して軸部11を回転させると、ワーク(回転体S)が回転する。次のステップS23でレーザ測距部13が距離データを出力し、モータ制御部15の回転条件を出力する。回転条件は、モータ12の回転速度あるいは軸部11の角度である。次のステップS24でコンピュータ14が各突起Qの距離データおよび回転条件を照合し、これらのデータを集積して、隣り合う突起Q同士のピッチを出力する。これで作業フローは終了する。
回転体Sは例えば図1に示すように、シャフトUを有する傘歯車である。あるいは回転体Sは、平歯車であってもよいし羽根車であってもよい。図3は、回転体としての歯車を示す模式図である。回転体(歯車)Sは、回転軸Oを中心とする基部Pと、基部Pの外周に周方向等間隔に設けられる複数の突起、つまり歯Q1、Q2・・・・を備える。なお以下の説明において、歯を区別しない場合、単にQと称する。この例では、測定対象になる回転体(歯車)Sが8個の歯Qを有する。
図3に示すようにレーザ測距部13は、歯Qの歯面にレーザスポット光線Lを照射する。レーザ測距部13は所定の連続時間に亘って、例えば0.5[msec]の所定単位時間毎に距離を測定し、測定結果をその都度コンピュータ14に連続して出力する。レーザ測距部13は所定の連続時間に亘り、位置及び方向を変えない。
レーザスポット光線Lは、所定の直線軌道Tを描いて、歯Qの歯面に衝突する。直線軌道Tから回転軸Oまでの距離は、回転体(歯車)Sの歯底の半径よりも大きく回転体(歯車)Sの歯先の半径よりも小さな範囲で、所定値に保持される。レーザ測距部13から歯Qまでの距離Dは、レーザ測距部13の仕様に応じて適正な範囲とされる。レーザ測距部13から歯Qまでの直線軌道Tと、レーザ測距部13から回転軸Oまでの基準線Mとがなす角度Nは、鋭角になる。
回転体Sは図3に矢で示すように一定速度で回転するため、レーザ測距部13から歯Qまでの距離Dは変化する。具体的には、歯Q1がレーザ測距部13から遠ざかるとともに隣の歯Q2がレーザ測距部13に近づくので、まず歯Q1の歯面までの距離を測距し、次に歯Q2の歯面までの距離を測距する。レーザ測距部13は、このように各歯の歯面を次々に測距して、すべての歯の歯面を測距すると測定を終了する。
より具体的には、レーザスポット光線Lは、歯Q1の歯先面に衝突してこの箇所を測距し、所定単位時間後に前回測距した箇所よりも僅かに歯元側の歯面に衝突してこの箇所を測距し、以降、次々に歯元側の歯面に衝突してこれらの箇所を測距する。次にレーザスポット光線Lは、前回測距した箇所よりも僅かに歯先側の歯面に衝突してこの箇所を測距し、以降、次々に歯先側の歯面に衝突してこれらの箇所を測距する。回転軸Oを中心として公転する歯Q1の歯先が最初に軌道Tを横切り始めてから、最後に軌道Tを横切り終えるまで、レーザ測距部13が歯Q1の歯元面および歯先面における複数個所の距離を測定すると、歯Q1の測距が終了する。
歯Q1が遠ざかるとともに歯Q2が近づくことにより、レーザスポット光線Lは、歯Q1に代えて歯Q2に衝突する。以下同様に、歯Q2の歯面における複数個所までの距離を測定すると、歯Q2の測距が終了する。このようにして、各歯の歯面における複数個所までの距離を順次測定する。このため距離データは1個の歯がレーザスポット光線Lを横切る度に繰り返し増減する。
本実施形態では、図示しない軸振れ測定装置を併設し、シャフトUの軸振れも測定するとよい。そしてシャフトの軸振れの角度および距離を測定して、上述のピッチ測定を補正するとよい。
一実施例として図3に示す回転体S、歯数8個の傘歯車、についてピッチ測定を行った。条件は、モータ12の回転速度が15.00[rpm]、サンプリング周波数(測定単位時間)0.20[msec]、エンコーダ16の測定単位0.001[°]、レーザ測距部13の測定単位0.01[μm]、データ蓄積数25000点、データ蓄積時間5.00[sec]、データ測定範囲450[°]である。これは360°で8歯になる回転体Sに関し、10歯分のデータを測定するものである。モータ12を駆動させ、回転体Sの回転速度が安定すると、レーザ測距部による測距を開始する。出力される距離は所定の範囲で増減を繰り返す。データ蓄積開始は、設定値(28.27961[mm])を超えた時点である。表1は、ある角度における軸部11と、その時に測距した距離を示すデータである。なおデータ量が厖大であるため、一部省略してある。左列はデータ蓄積数であり、番号1〜25000まである。中列は、各番号における軸部11の測定角度である。右列は角番号における測定距離である。
表1に示す番号1〜25000から、番号1〜150を抽出して1歯目とする。表2は、1歯目の区間抽出データである。左列は表1に対応する番号であり、この隣列は各番号に対応する測定角度であり、この隣列は各番号に対応する測定距離である。右列は各番号に対応する測定距離を二乗した値である。かかる二乗値を用いて、最小二乗法により2次関数の近似式が得られる。あるいは1次関数の近似式でもよい。なおデータ量が厖大であるため、一部省略してある。図4は、表2および近似式を示すグラフであり、横軸が測定距離、縦軸が角度、点がデータ、実線が近似式を表す。
図4を参照して、近似式に基づき、横軸の距離が28.50[mm]における縦軸の読み取り角度を求めると1歯目は1574627(小数点以下四捨五入)となった。求めた読み取り角度を表4に記す。
以下、同様に表1に示す番号1〜25000から、番号2501〜2650を抽出して2歯目とする。表3は、2歯目の区間抽出データである。同様に近似式を演算して、近似式に基づき、横軸の距離が28.50[mm]における縦軸の読み取り角度を求めると2歯目は1619653(小数点以下四捨五入)となった。求めた読み取り角度を表4に記す。
同様に表1に示す番号1〜25000から、番号5001〜5150を抽出して3歯目とする。同様に近似式を演算して、近似式に基づき、横軸の距離が28.50[mm]における縦軸の読み取り角度を求めると3歯目は1664705(小数点以下四捨五入)となった。求めた読み取り角度を表4に記す。
同様に表1に示す番号1〜25000から、番号7501〜7650を抽出して4歯目とする。同様に近似式を演算して、近似式に基づき、横軸の距離が28.50[mm]における4歯目の縦軸の読み取り角度を求めると4歯目は1709729(小数点以下四捨五入)となった。求めた読み取り角度を表4に記す。
同様に表1に示す番号1〜25000から、番号10001〜10150を抽出して5歯目とする。同様に近似式を演算して、近似式に基づき、横軸の距離が28.50[mm]における5歯目の縦軸の読み取り角度を求めると5歯目は1754730(小数点以下四捨五入)となった。求めた読み取り角度を表4に記す。
同様に表1に示す番号1〜25000から、番号12501〜12650を抽出して6歯目とする。同様に近似式を演算して、近似式に基づき、横軸の距離が28.50[mm]における6歯目の縦軸の読み取り角度を求めると6歯目は1799678(小数点以下四捨五入)となった。求めた読み取り角度を表4に記す。
同様に表1に示す番号1〜25000から、番号15001〜15150を抽出して7歯目とする。同様に近似式を演算して、近似式に基づき、横軸の距離が28.50[mm]における7歯目の縦軸の読み取り角度を求めると7歯目は1844633(小数点以下四捨五入)となった。求めた読み取り角度を表4に記す。
同様に表1に示す番号1〜25000から、番号17501〜17650を抽出して8歯目とする。同様に近似式を演算して、近似式に基づき、横軸の距離が28.50[mm]における8歯目の縦軸の読み取り角度を求めると8歯目は1889613(小数点以下四捨五入)となった。求めた読み取り角度を表4に記す。
同様に表1に示す番号1〜25000から、番号20001〜20150を抽出して9歯目とする。同様に近似式を演算して、近似式に基づき、横軸の距離が28.50[mm]における9歯目の縦軸の読み取り角度を求めると9歯目は1934627(小数点以下四捨五入)となった。求めた読み取り角度を表4に記す。なお9歯目は1歯目と同じである。10歯目データは、モータ減速、モータ停止が混在し、モータ回転速度が15[rpm]でなくなるため使用しない。
こうして得られた1〜9歯目の読み取り角度を表4に表す。左列は何番目の歯かを示す。この隣列は読み取り角度を示す。この隣列は隣り合う歯同士の角度差を表す。この隣列は各歯の理想値と読み取り角度との位相差をあらわす。図5に二点鎖線で示すように、理想では各歯Qが45[°]で等間隔に並んでいる。しかし実際は、各歯がピッチ誤差Fで配列される。隣り合う2つの歯において、ピッチ円に沿って離間する同じ側の歯面の実際のピッチと理論ピッチとの差を単一ピッチ誤差という。
説明を表4に戻すと、位相差の隣列には、位相差を度[°]からラジアン[rad]に変換して示す。各ラジアンに回転体Sの所定の半径、この実施例では19.279[mm]、を乗算すると単一ピッチ誤差が算出される。単一ピッチ誤差をラジアンの隣列に示す。所定の半径は、誤差のない理想的な形状の回転体Sにおいてレーザ測距部13から上述した距離28.50[mm]だけ離れた歯面が有する半径寸法である。
隣り合う単一ピッチ誤差を累積して足し合わせることにより累積ピッチが算出される。この隣列に示す。累積ピッチの最大値34.7[μm]と最小値−4.6[μm]の差になる39.3[μm]が累積ピッチ誤差になる。
本実施形態のピッチ測定構造10によれば、歯車の歯や羽根車の羽根といった、回転体に周方向等間隔に設けられる突起に関し、各突起のピッチと、単一ピッチ誤差と、累積ピッチ誤差を求めることができる。
参考例として、接触式のピッチ測定装置につき、作業手順のフローを図6に示す。歯車の歯のピッチ測定に際し、まずステップS101で測定対象になるワーク(歯車)をピッチ測定装置の軸部にクランプする。次のステップS102でピッチ測定装置の測定子を歯面の溝に挿入する。
次のステップS103でワーク(歯車)を回転させる。次のステップS104で測定子がワークと接触する角度を読み取る。次のステップS105で測定子を歯面の溝から抜き取る。次のステップS106でワークの歯数に応じてワークを1歯分回転させる割出しを行う。次のステップS107で全歯の測定が終了したか否か判断する。もし全歯の測定が終了していなければ(NO)ステップS102へ戻り、次の歯の位相を読み取る。これに対し全歯の測定が終了していれば(YES)、測定結果を出力して、この作業フローを終了する。
ところで図2に示す本実施形態によれば、図6に示す参考例と比較して、ステップS102、ステップS105、およびステップS106を省略することができる。さらにステップS102〜ステップS106の繰り返しが不要になる。したがってピッチ測定に要する時間が頗る短縮し、作業効率が向上する。
また本実施形態によれば、非接触式であるため、測定子が摩耗するという問題が生じない。このためメンテナンスおよび耐久性の観点から有利である。
次に本考案の他の実施形態になるピッチ測定構造を、図7の模式図に沿って説明する。
ピッチ測定構造20は、駆動部32と、レーザ測距部33と、ピッチ演算部34とを備え、物Cの長手方向に配列される突起Bのピッチを測定する。
物Cは長手方向に延びる基部Aと、基部Aに長手方向等間隔に配列される複数の突起Bとを有する。物Cは例えばラックやねじであり、突起Bは例えばラックの歯やねじのねじ山である。駆動部32は、図7に太い矢印で示すように、物Cを長手方向Mに変位させる。
レーザ測距部33は、物Cにレーザスポット光線Lを連続時間に亘って照射し、物Cからの反射光に基づいて物Cまでの距離を測定する。レーザスポット光線Lは所定の直線軌道Tを描き、突起Bと衝突する。レーザ測距部33から突起Bに向かって延びる直線軌道Tは長手方向Mに対して鋭角Nをなす。突起Bは長手方向Mに変位するため、レーザ測距部33から突起Bまでの距離は繰り返し増減する。そこでレーザ測距部33は、突起Bからの反射光に基づいて、レーザスポット光線を横切る突起Bまでの距離の増減を測定して出力する。
ピッチ演算部34は、駆動部32の変位条件から物Cの変位データを蓄積し、レーザ測距部33から出力される距離の増減から変位データに対応する距離データを蓄積し、変位データおよび距離データから複数の突起B,B間のピッチを演算する。
以上、図面を参照してこの考案の実施の形態を説明したが、この考案は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この考案と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この考案になるピッチ測定構造は、自動車、機械、その他の生産工程に有利に利用される。
10 ピッチ測定構造、 11 軸部、 12 モータ、
13,33 レーザ測距部、 14 コンピュータ、
15 モータ制御部、 16 エンコーダ、 20 ピッチ測定構造、
32 駆動部、 33 レーザ測距部、 34 ピッチ演算部。
13,33 レーザ測距部、 14 コンピュータ、
15 モータ制御部、 16 エンコーダ、 20 ピッチ測定構造、
32 駆動部、 33 レーザ測距部、 34 ピッチ演算部。
Claims (8)
- 円形の基部と、前記基部の外周に周方向等間隔に配列される複数の突起とを有する回転体を測定対象とし、
前記回転体を回転自在に支持する軸部と、
前記軸部を回転駆動する駆動部と、
前記軸部とともに回転する前記回転体に、所定の直線軌道を描くレーザスポット光線を照射し、前記回転体からの反射光に基づいて、前記レーザスポット光線を横切る前記突起までの距離を複数回測定して出力するレーザ測距部と、
前記レーザ測距部から出力される距離データを蓄積し、前記軸部の回転条件から前記距離データに対応する角度データを蓄積し、前記角度データおよび前記距離データから前記複数の突起間のピッチを演算するピッチ演算部とを備える、ピッチ測定構造。 - 前記軸部の角度を測定し前記ピッチ演算部に出力するエンコーダをさらに備える、請求項1に記載のピッチ測定構造。
- 前記エンコーダが測定する角度の分解能は、前記ピッチの最大許容誤差の1/10よりも細かい、請求項2に記載のピッチ測定構造。
- 前記駆動部を一定速度で回転させるモータ制御部をさらに備える、請求項1〜3のいずれかに記載のピッチ測定構造。
- 前記所定の直線軌道は、前記レーザ測距部の照射口および前記軸部の回転中心を通過する基準線に対し、鋭角をなす、請求項1〜4のいずれかに記載のピッチ測定構造。
- 前記複数の突起は、隣り合って配列される第1突起および第2突起を含み、
前記レーザスポット光線は、前記軸部を中心として回転移動する前記第1突起の先端と、前記第2突起の先端部と根元部を結ぶ中間部分に、この順序、あるいはこの順序と逆の順序で衝突する、請求項5に記載のピッチ測定構造。 - 前記レーザ測距部が測定する距離の分解能は、ピッチの最大許容誤差の1/10よりも細かい、請求項1〜6のいずれかに記載のピッチ測定構造。
- 長手方向に延びる基部と、前記基部に前記長手方向に亘って等間隔に配列される複数の突起とを有する物を測定対象とし、
前記物を前記長手方向に変位させる駆動部と、
前記長手方向に対して鋭角をなす所定の直線軌道を規定し、該直線軌道を描くレーザスポット光線を、前記長手方向に変位する前記物に照射し、前記物からの反射光に基づいて、前記レーザスポット光線を横切る前記突起までの距離を複数回測定して出力するレーザ測距部と、
前記レーザ測距部から出力される距離データを蓄積し、前記駆動部の変位条件から前記物の前記距離データに対応する変位データを蓄積し、前記変位データおよび前記距離データから前記複数の突起間のピッチを演算するピッチ演算部とを備える、ピッチ測定構造。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109470474A (zh) * | 2018-12-04 | 2019-03-15 | 重庆机床(集团)有限责任公司 | 激光束齿距误差检测装置 |
IT202000004063A1 (it) * | 2020-02-27 | 2021-08-27 | Cesare Galdabini S P A | Metodo per determinare l'eccentricità e/o l'errore di rotondità di ruote dentate e l'errore di rettilineità di cremagliere, apparecchiatura implementante un tale metodo e macchina raddrizzatrice provvista di una tale apparecchiatura |
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2016
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CN109470474B (zh) * | 2018-12-04 | 2024-06-11 | 重庆机床(集团)有限责任公司 | 激光束齿距误差检测装置 |
IT202000004063A1 (it) * | 2020-02-27 | 2021-08-27 | Cesare Galdabini S P A | Metodo per determinare l'eccentricità e/o l'errore di rotondità di ruote dentate e l'errore di rettilineità di cremagliere, apparecchiatura implementante un tale metodo e macchina raddrizzatrice provvista di una tale apparecchiatura |
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