JP3205360B2 - 吸収性物品の表面材及びその製造方法 - Google Patents

吸収性物品の表面材及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は衛生用ナプキン、オムツ
等の吸収性物品の表面材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、衛生用ナプキン、オムツ等の吸
収性物品は、血液、尿等の液を吸収する吸収体と、該吸
収体の表面を覆い肌に当てられる表面材と、上記吸収体
の裏面を覆い液漏れを防ぐ裏面材とを具備して構成され
ている。上記吸収性物品の表面材は、血液、尿等の液を
速やかに上記吸収体へ移行させ、該吸収体に吸収させる
ための液透過性が要望されることは勿論のこと、一度吸
収体に吸収された液を肌側に戻さない液戻り防止性や吸
収体中に拡散した血液等の色を遮蔽する遮蔽性等が要望
される。
【0003】従来、上記要望に答えるため、例えば、疎
水性の微細繊維集合体である不織布を使用し、肌と吸収
体との間に疎水雰囲気下の空間を形成することにより液
透過性を損なわずに吸収体からの液戻りを少なくした表
面材(特開昭58−18060号公報参照)や、疎水性
の液不透過性シートに、空孔を設け、吸収体からの液戻
りを減じた表面材 (実開昭54−124398号公
報、特公昭57−17081号公報、特開昭57−13
40号公報、特開昭61−45753号公報等参照)等
が提案されている。
【0004】また、上述した表面材のうち、後者の表面
材を更に改良したものとして、非開孔部であるベース面
が肌に密着して不快感を与えなようにミクロエンボスを
設けた表面材も提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た前者の表面材は、繊維集合体中の微小空間に液が溜ま
り易く、圧力が加わると溜まっていた液が表面側(肌
側)に移行し、べた付く等の触覚的に不快感を与える他
に、血液で汚れる等の視覚的にも不快感を与える欠点が
あった。
【0006】また、上述した後者の表面材は、疎水性フ
ィルムを使用しており、液の自由な移行のためには開孔
面積を大きくする必要があるが、これによりフィルムの
疎水性損失により液戻り防止性が低下する欠点があっ
た。さらに、上述した後者の表面材を改良したものは、
装着初期時(ドライ時)に多少の効果があるものの、一
旦液で濡れると殆どミクロエンボスを設けた効果が得ら
れない欠点があった。
【0007】さらにまた、上述した従来の表面材は、い
ずれも柔軟な材料で構成してあっても、表面材の表面に
沿う方向のせん断力が大きく、装着時の違和感があっ
た。従って、本発明の目的は、液が自由に移行できる液
透過性を有する上に、一旦吸収された液が肌側に戻るお
それのない液戻り防止性と、装着時に違和感を感じさせ
ない装着性と、吸収された液の色が表面にあらわれない
ように隠す遮蔽性とを有する吸収性物品の表面材及びそ
の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、吸収体を備え
た吸収性物品の該吸収体の表面を覆う液不透過性材料か
らなり且つ無数の孔部を有する表面材において、上記表
面材は、それぞれ該表面材の上面から上方に向かって突
出した凸状曲面からなる無数の頂部と、それぞれ凹状曲
面からなる無数の底部と、該頂部及び該底部をそれぞれ
連結する曲面状壁部とを具備し、上記各孔部は、それぞ
れ連結された上記頂部、上記曲面状壁部及び上記底部に
より形成され且つそれぞれ上記頂部間に空間を有する構
造であり、上記各孔部における上記曲面状壁部間の最大
径が上記頂部間の空間の最小径よりも大であり、上記各
孔部における上記底部及び/又は上記曲面状壁部には、
それぞれ上記頂部間の空間と連通する液透過用開孔が形
成されていることを特徴とする吸収性物品の表面材を提
供することによって上記の目的を達成したものである。
【0009】また、本発明は、上記表面材を製造する好
ましい製造方法して、スパイラル編みの金網からなる表
面材成形用型の一方の面部に表面材成形用樹脂を供給
し、該表面材成形用型の他方の面部から真空吸引を行
い、上記表面材成形用樹脂を上記表面材成形型の表面形
状に沿った形状で、上記金網の線材間の空間に対応する
位置に孔部を有するシートに成形することを特徴とする
吸収性物品の表面材の製造方法を提供するものである。
【0010】
【作用】本発明の表面材を吸収性物品の表面材として用
いた場合、本発明の表面材は、それぞれ該表面材の上面
から上方に向かって突出した凸状曲面からなる無数の頂
部と、それぞれ凹状曲面からなる無数の底部と、該頂部
及び該底部をそれぞれ連結する曲面状壁部(以下、単に
壁部ともいう)とを具備し、上記各孔部は、それぞれ連
結された上記頂部、上記壁部及び上記底部により形成さ
れ且つそれぞれ上記頂部間に空間を有する構造であり、
上記各孔部における上記壁部間の最大径が上記頂部間の
空間の最小径よりも大であり、上記各孔部における上記
底部及び/又は上記壁部には、それぞれ上記頂部間の空
間と連通する液透過用開孔が形成されているので、壁部
が垂直あるいは単なる先細に形成されているものに比べ
て、液の保持空間が大きく、また表面材の表面に沿う方
向(面方向)に引っ張られると、上記液透過用開孔が閉
じる如く変形し、一旦吸収体に吸収された液が肌側に戻
るのを防止する液戻り防止性があり、また、上記曲面状
壁部に体圧が加わっても、壁部が湾曲してこの応力を緩
和することにより、頂部間の空間及び液透過用開孔の閉
塞を阻止し、同時に液を頂部間の空間から、上記液透過
用開孔に導く機能を果たし、また上記変形時に上記曲面
状壁部が吸収体に吸収された液を遮蔽する遮蔽性があ
り、さらに表面材の表面に沿ういずれの方向においても
せん断力が小さく、上記頂部が肌に点接触した状態で複
雑な動きに追随できる装着性と布様の感触を示す良好な
風合いとを有している。
【0011】
【実施例】
(表面材の実施例)まず、本発明の吸収性物品の表面材
の一実施例を図面を参照して説明する。図1A乃至図3
A、Bは本発明の吸収性物品の表面材の一実施例を示
し、図1Aは本実施例にかかる表面材を具備した吸収性
物品の一部切欠して示した斜視図、図1Bは、図1に示
す表面材の一孔部を拡大して示す部分断面拡大斜視図、
図1Cは、図1Bに示す表面材の一孔部の各寸法を示す
図、図2Aは本実施例にかかる表面材の部分拡大平面
図、同図Bは同図Aに示す表面材を表側から目視したと
きの部分拡大斜視図、同図Cは同図Aに示す表面材を裏
側から目視したときの部分拡大斜視図、図3Aは図2A
乃至Cに示す表面材を成形するスパイラル編み金網の部
分拡大平面図、同図Bは同部分拡大斜視図である。
【0012】本実施例にかかる表面材1は、吸収体2を
備えた吸収性物品の該吸収体2の表面を覆う液不透過性
材料からなり且つ無数の孔部Pを有する表面材であって
(図1参照)、具体的には、溶融樹脂を、右捲き又は左
捲きの同方向スパイラル編み金網7(図3A及び同図B
参照)の表面形状に沿った形状で且つ上記スパイラル編
み金網7の線材間の空間に対応する位置に孔部を有する
シート状に成形したものである。
【0013】即ち、上記表面材1は、図2A、Bに示す
ように、スパイラル編み金網7の最上部に位置する線材
の表面形状に沿った形状に成形された該表面材1の上面
Gから上方に向かって突出した凸状曲面からなる無数の
頂部3と、スパイラル編み金網7の線材間の空間に落ち
込んで凹状曲面に成形された無数の底部4と、スパイラ
ル編み金網7の線材間に落ち込む過程で傾斜曲面状又は
段状曲面状に成形された、それぞれ上記頂部3と上記底
部4とを連結する曲面状壁部5とを具備し、上記各孔部
Pは、それぞれ連結された上記頂部3、上記壁部5及び
上記底部4により形成され且つそれぞれ上記頂部3間に
空間を有する構造であり、上記各孔部Pにおける上記壁
部5間の最大径が上記頂部3間の空間の最小径よりも大
であり、上記各孔部Pにおける上記底部4及び/又は上
記壁部5には、それぞれ上記頂部3間の空間と連通する
液透過用開孔が形成されている。また、本実施例では
上記各孔部Pは、4個の上記頂部3によって囲まれて形
成されている。
【0014】尚、上記表面材の製造に際し、樹脂の溶融
時の粘度や真空吸引の方向、樹脂組成と製造条件を適
宜選択することにより、上記壁部の形状を、上述のス
パイラル編み金網7の形状に対応する「スパイラル状」
に形成することも可能である。更に、上記液透過用開孔
6の孔周辺部の柔軟性を高く形成すれば、この部分があ
たかも弁の如く作用して吸収体2への導液性と液戻り防
止性を高めることもできる。
【0015】ここで、上記表面材1を構成する液不透過
性材(疎水性シート)としては、ポリオレフィン、オレ
フィンとアクリル酸エステル、酢酸ビニル等の他のビニ
ルモノマーとの共重合体、ポリエステル、ポリアミド等
の疎水性熱可塑性樹脂シートが挙げられるが、これらの
うちでも、風合い、取り扱いの面からポリオレフィン若
しくはオレフィンと他のモノマーとの共重合体、又はポ
リマーブレンド系の疎水性熱可塑性樹脂シートが好まし
い。
【0016】また、上記液不透過性材は不透明であるこ
とが好ましい。上記頂部3、底部4、曲面状壁部5等の
形状等により上記吸収体2に吸収された血液、尿等の液
の色を遮蔽することができるが、液不透過性材自体が不
透明であることが遮蔽性の面から更に好ましい。液不透
過性材自体を不透明にする手段としては、種々の手段が
考えられる。例えば、酸化チタン、酸化亜鉛等の白色顔
料、炭酸カルシウム、クレー等のフィラー単独または併
用して、これを表面材1の成形過程で添加する手段が一
般的である。
【0017】また、図1B及び図2Bに示すように、表
面材1の上記頂部3は、丸みを有し、肌に点接触してソ
フトでドライ感を与えるような、凸曲面状にすることが
好ましい。次に、図1Cを参照して本発明の表面材1の
好ましい各寸法について説明する。
【0018】表面材1は、表面部分と液透過用開孔部分
とからなる。表面部分は上面Gから突出した頂部3によ
り構成され、その厚さはL5 で示される。また、液透過
用開孔部分は上面Gより下方に延びる底部4までの部分
で、その厚さは上面Gから液透過用開孔6までの距離L
6 と液透過用開孔6の高低差L7 の和L6 +L7 で表さ
れる。L6 +L7 は、L5 より大であることが好ま
【0019】上記頂部3間の距離L2 は0.05mm〜5
mmの範囲に設定することが好ましく、特に0.2mm〜3
mmの範囲に設定することがより好ましく、また頂部3間
の最小径L4 は、0.02〜2.0mmの範囲に設定する
ことが好ましく、特に0.1〜1.0mmの範囲に設定す
ることがより好ましい。壁部5間の最大径L3 は、0.
05〜5.0mmの範囲に設定することが好ましく、特に
0.2〜3.0mmの範囲に設定することがより好まし
い。
【0020】そして、壁部5間の最大径L3 を頂部3間
の最小径L4 よりも大に設定することにより、吸収体に
吸収された血液等を目視から有効に遮蔽することができ
る。また、表面材1の上面Gからの頂部3の突出高さL
5 は、0.02〜2.0mmの範囲に設定することが好ま
しく、特に0.1〜1.0mmの範囲に設定することがよ
り好ましい。
【0021】表面材1の上面Gから液透過用開孔6まで
の距離L6 は、0.01〜5.0mmの範囲に設定するこ
とが好ましく、特に0.1〜2.0mmの範囲に設定する
ことがより好ましい。液透過用開孔6の高低差L7 は、
0〜2.0mmの範囲に設定することが好ましく、特に
0.1〜1.0mmの範囲に設定することがより好まし
い。
【0022】液透過用開孔6の直径L8 は、0.02〜
2.0mmの範囲に設定することが好ましく、特に0.1
〜1.0mmの範囲に設定することがより好ましい。表面
材1の各寸法を上述の如く設定することにより、伸縮性
に優れ、実質的に剛直な素材であっても優れた弾力性を
発現するようになる。また、頂部3間の最小径L4 部の
中心点xと液透過用開孔6の中心点yとを結ぶ線が、表
面材の上面(水平面)Gとなす角度αは、90°〜30
°の範囲に設定することが好ましく、特に60°〜45
°の範囲に設定することがより好ましい。
【0023】また、上記頂部3と上記曲面状壁部5とに
よって上記液透過用開孔6を10%以上遮蔽することが
好ましく、このようにすると、遮蔽性が向上するのみな
らず、液戻し防止性も向上する。上記液透過用開孔6の
開孔面積は、0.02mm2 〜9mm2 であることが好まし
い。開孔面積が0.02mm2 よりも小さいと液透過性が
劣り、また9mm2 よりも大きいと液戻り性が劣るからで
ある。上記液透過用開孔6の開孔密度は、液透過性と液
逆戻り防止性とから上記開孔面積により制限を受ける
が、2個/cm2 〜200個/cm2 にするのが好ましい。
即ち、開孔面積が小さく、開孔密度が小さい場合には実
質的に液透過性が劣り、また開孔面積が大きくなるにし
たがってシート形成性が劣るので、これらを考慮し2個
/cm2 〜200個/cm2 にするのが好ましい。
【0024】尚、上記吸収体2の裏面には、該裏面を覆
い液漏れを防ぐ裏面材8(図1参照)が配置されてい
る。次に、本実施例の表面材1の作用を説明する。上記
表面材1を具備した吸収性物品を装着すると、血液、尿
等は表面材1から吸収体2に移行して該吸収体2に吸収
される。このとき、表面材1は、液透過開孔6により液
透過性を有する他に、装着圧の変動により頂部3が変形
して肌への接触面積が増減することと、曲面状壁部5が
くびれた形状になっていることとが相まって、食道の蠕
動運動によって食物を移行させる如く、血液、尿等の吸
収体2側への移行を促進させる働きがある。
【0025】また、表面材1は、その表面に沿う方向の
引っ張り力が作用すると、液透過用開孔6を閉じる如く
変形し、上記引っ張り力を解除すると、液透過用開孔6
を開く如く元の形状に復帰する。即ち、吸収性物品の装
着時に大きな力が作用したときにのみ(吸収体2に一旦
吸収された液を肌側に戻すような力が作用したときにの
み)、表面材1は液透過用開口6を閉じるようにしてあ
り、吸収体2から肌側への液の戻りを確実に防止する。
【0026】また、表面材1の曲面状壁部5は、該壁部
5の最大径L3 が該頂部3の最小径L4 よりも大である
ため、頂部3とともに吸収体2に吸収された血液、尿等
の色を確実に遮蔽する働きがある。また、底部4及び/
又は曲面状壁部5に液透過用開孔6を設けてあり、且つ
該壁部5の最大径L3 が該頂部3の最小径L4 よりも大
であるため、表面材1の表面に沿う方向のいずれの方向
でもせん断力が小さく、頂部3が肌に点接触したまま装
着者の複雑な動きに表面材1が追随でき、装着ズレを生
じることなく、肌に密着し、違和感を与えない。
【0027】図4A乃至Cは上記表面材1の他の実施例
を示すものである。上記他の実施例の表面材10は、溶
融樹脂を、右捲き、左捲き交互のスパイラルを力骨(ロ
ッド)で連結したスパイラル編み金網70(図5A及び
同図B参照)の表面形状に沿った形状で且つ上記スパイ
ラル編み金網70の線材間の孔部に対応する位置に孔部
を有するシート状に成形したもので、上記表面材1と同
様に、それぞれ該表面材10の上面から上方に向かって
突出した凸状曲面からなる無数の頂部30と、それぞれ
凹状曲面からなる無数の底部40と、該頂部30及び該
底部40をそれぞれ連結する曲面状壁部50とを具備
し、上記各孔部Pは、それぞれ連結された上記頂部3
0、上記壁部50及び上記底部40により形成され且つ
それぞれ上記頂部30間に空間を有する構造であり、上
記各孔部Pにおける上記壁部50間の最大径が上記頂部
30間の空間の最小径よりも大であり、上記各孔部Pに
おける上記底部40及び/又は上記壁部50には、それ
ぞれ上記頂部30間の空間と連通する液透過用開孔60
が形成されており、上記表面材1と同様の効果が得られ
る。 (表面材の製造方法の実施例) 次に、上記表面材1、10の製造方法の一実施例を図面
を参照して説明する。
【0028】図6A乃至Eは本発明の表面材の製造方法
の一実施例を示す工程説明図である。本実施例の製造方
法は、熱可塑性樹脂の溶融成形により表面材1、10を
製造するもので、表面材成形用型として第3図A、Bに
示すスパイラル編み金網7か、或いは図5A、Bに示す
スパイラル編み金網70が使用される。
【0029】上記スパイラル編み金網7、70の材質
は、強靱性と溶融樹脂を固化させるための冷却性等が要
求されるため、金属が好ましい。上記スパイラル編み金
網7、70の材質として金属を使用した場合には、防食
性、離型性等から樹脂でコートすることが好ましい。
尚、上記スパイラル編み金網7、70以外に、複数の撚
り線を使用したスパイラル編み金網、凹凸状のスパイラ
ル編み金網及び太さのことなる線を組み合わせたスパイ
ラル編み金網等が挙げられる。
【0030】本実施例の製造方法によれば、表面材成形
用樹脂としてのシート状溶融樹脂9(図6A参照)を、
例えば、スパイラル編み金網7の上部から供給する一
方、該スパイラル編み金網7の下部から真空吸引するこ
とにより、上記シート状溶融樹脂9を、上記スパイラル
編み金網7の線材7a、7bの表面に沿って流し、該線
材7a、7bによって冷却固化し、上記スパイラル編み
金網7の表面形状に沿った形状で、上記スパイラル編み
金網7の線材間の空間に対応する位置に孔部を有した形
状に成形するようにしてしている。
【0031】これを詳しく説明すると、図6Aに示すよ
うに、Tダイ(図示せず)よりシート状溶融樹脂9をス
パイラル編み金網7の上部から供給する一方、該スパイ
ラル編み金網7の下部から真空吸引すると、まず同図B
に示すように、シート状溶融樹脂9はスパイラル編み金
網7の最上部の線材7aに接触して冷却固化され、次い
で上記線材7aに接触しない部分の上記シート状溶融樹
脂9は、同図Cに示すように真空吸引力を受けて変形し
つつ下部の線材7bに接触して冷却固化され、この後上
記下部の線材7bにも接触しない部分のシート状溶融樹
脂9は、同図Dに示すように、空冷により凹面状に変形
して固化されると共に、その一部は、同図Eに示すよう
に広げられ破られる。この成形過程において、上記シー
ト状溶融樹脂9は、真空吸引力によって上記スパイラル
編み金網7の内部に移行するに従って、壁部5の最大径
3 が該頂部3の最小径L4 よりも大となり、且つ本実
施例ではスパイラル状に捻じれることになるため、真上
からは遮蔽された部分でも底部4と曲面状壁部5が成形
され、該部分に液透過用開孔6が成形されることにな
る。これにより、図2A乃至Cに示すような表面材1が
成形され、該表面材1は、真空吸引側と同じ側から圧搾
空気流を利用してスパイラル編み金網7から離型され
る。
【0032】尚、図5A、Bに示すようなスパイラル編
み金網70を使用すると、図4A乃至Cに示す形状の表
面材10を成形することができる。また、表面材成形用
樹脂として、Tダイから供給する溶融樹脂9の代わり
に、フィルムを使用してもよい。この場合、フィルムを
予め加熱して軟化させた状態で上記スパイラル編み金網
7に供給するか、或いは上記スパイラル編み金網7に供
給した後にフィルムを加熱して軟化させる。 (表面材及びその製造方法の他の実施例)上記表面材
1、10の実施例によれば、本発明の表面材として、ス
パイラル編み金網7、70を利用して成形した場合を示
したが、これに限定されるものではなく、本発明の表面
材は、上記各孔部Pは、それぞれ連結された上記頂部
3、上記壁部5及び上記底部4により形成され且つそれ
ぞれ上記頂部3間に空間を有する構造であり、上記各孔
部Pにおける上記壁部5間の最大径が上記頂部3間の空
間の最小径よりも大であり、上記各孔部Pにおける上記
底部4及び/又は上記壁部5には、それぞれ上記頂部3
間の空間と連通する液透過用開孔が形成されてあればよ
く、製造方法については特に限定されない。
【0033】また、上記表面材1、10の製造方法の実
施例によれば、本発明の表面材の製造方法として、図3
A、Bに示すスパイラル編み金網7や、図5A、Bに示
すスパイラル編み金網70を使用する場合を示したが、
本発明の表面材の製造方法は、これらに限定されるもの
ではなく、スパイラル編み金網を表面材成形用型として
使用して、上述の構造の表面材を製造できる方法であれ
ばよい。 (実験例)次に、上記実施例に基づいて表面材1を成形
した実験例について説明する。
【0034】スパイラル編み金網7として、線径0.3
mmの同一方向スパイラルからなる、26メッシュの金網
(関西金網(株)製SP−26−0.3)を使用し、ま
たシート状溶融樹脂9として、TiO2 5%を含有した
LD−PE溶融樹脂を使用した。上記シート状溶融樹脂
9を25g/m2になるように、Tダイから上記スパイ
ラル編み金網7上に供給する一方、上記スパイラル編み
金網7の下部から真空ノズルで真空吸引したところ、金
網のメッシュ数と同数の液透過用開孔6を有し、上記ス
パイラル編み金網7の表面形状に対応した表面材1が成
形された。
【0035】上記表面材1を使用して生理用ナプキンを
製造したところ、従来の表面材を使用した生理用ナプキ
ンに比して吸収性に優れ、乾いた感触を示し(ドライ感
があり)、弱い装着圧にもかかわらず、装着者の動きに
追随してフィット性がよく、違和感を与えない快いもの
であった。
【0036】
【発明の効果】本発明の吸収性物品の表面材は、液が自
由に移行できる液透過性を有する上に、一旦吸収された
液が肌側に戻るおそれのない液戻り防止性と、装着時に
違和感を感じさせない装着性と、吸収された液の色が表
面にあらわれないように隠す遮蔽性を有する他、前述し
たような種々の効果を有する。
【0037】また、本発明の吸収性物品の表面材の製造
方法によれば、上記効果を有する表面材を効率良く製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の吸収性物品の表面材の一実施例
を示し、図1Aは本実施例にかかる表面材を具備した吸
収性物品の一部切欠して示した斜視図、図1Bは、図1
に示す表面材の一孔部を一方向から目視した形状を拡大
して示す部分断面拡大斜視図、図1Cは、図1Bに示す
表面材の一孔部の各寸法を示す図である。
【図2】図2は本発明の吸収性物品の表面材の一実施例
を示し、図2Aは本実施例にかかる表面材の部分拡大平
面図、同図Bは同図Aに示す表面材を表側から目視した
ときの部分拡大斜視図、同図Cは同図Aに示す表面材を
裏側から目視したときの部分拡大斜視図である。
【図3】図3は本発明の吸収性物品の表面材の一実施例
を示し、図3Aは図2A乃至Cに示す表面材を成形する
スパイラル編み金網の部分拡大平面図、同図Bは同部分
拡大斜視図である。
【図4】図4A乃至Cは表面材の他の実施例を示し、同
図Aは他の実施例にかかる表面材の部分拡大平面図、同
図Bは同図Aに示す表面材を表側から目視したときの部
分拡大斜視図、同図Cは同図Aに示す表面材を裏側から
目視したときの部分拡大斜視図である。
【図5】図5は、図5Aは図4A乃至Cに示す表面材を
成形するスパイラル編み金網の部分拡大平面図、同図B
は同部分拡大斜視図である。
【図6】図6A、B、C、D、Eは本発明の表面材の製
造方法の一実施例を示す工程説明図である。
【符号の説明】
1、10 表面材 P 孔部 2 吸収体 3、30 頂部 4、40 底部 5、50 曲面状壁部 6、60 液透過用開孔 7、70 表面材成形用型 7a、7b 線材 70a、70b 線材 9 表面材成形用樹脂(溶融樹脂)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−64655(JP,A) 実開 平2−10826(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61F 13/15 - 13/84

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸収体を備えた吸収性物品の該吸収体の
    表面を覆う液不透過性材料からなり且つ無数の孔部を有
    する表面材において、 上記表面材は、それぞれ該表面材の上面から上方に向か
    って突出した凸状曲面からなる無数の頂部と、それぞれ
    凹状曲面からなる無数の底部と、該頂部及び該底部をそ
    れぞれ連結する曲面状壁部とを具備し、上記各孔部は、
    それぞれ連結された上記頂部、上記曲面状壁部及び上記
    底部により形成され且つそれぞれ上記頂部間に空間を有
    する構造であり、上記各孔部における上記曲面状壁部間
    の最大径が上記頂部間の空間の最小径よりも大であり、
    上記各孔部における上記底部及び/又は上記曲面状壁部
    には、それぞれ上記頂部間の空間と連通する液透過用開
    孔が形成されていることを特徴とする吸収性物品の表面
    材。
  2. 【請求項2】 上記曲面状壁部がスパイラル状に捻じら
    れた形状であることを特徴とする請求項1記載の吸収性
    物品の表面材。
  3. 【請求項3】 上記液透過用開孔の最大径が上記頂部間
    の空間の最小径よりも小であることを特徴とする請求項
    1または2の何れかに記載の吸収性物品の表面材。
  4. 【請求項4】 上記液透過用開孔の周辺部が上記頂部、
    上記曲面状壁部及び上記底部よりも柔軟性が高いことを
    特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の吸収性物品の
    表面材。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の吸収性物品の表面材の製
    造方法であって、スパイラル編みの金網からなる表面材
    成形用型の一方の面部に表面材成形用樹脂を供給し、該
    表面材成形用型の他方の面部から真空吸引を行い、上記
    表面材成形用樹脂を上記表面材成形型の表面形状に沿っ
    た形状で、上記金網の線材間の空間に対応する位置に孔
    部を有するシートに成形することを特徴とする吸収性物
    品の表面材の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記表面材成形用型の一方の面部から他
    方の面部に流体を移動させて加圧し、同時に他方の面部
    から真空吸引を行うことを特徴とする請求項5に記載の
    吸収性物品の表面材の製造方法。
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