JP3202186U - エアークッション - Google Patents
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Abstract
【課題】より適正な空気圧によって身体を支持することができるエアークッションを提供する。【解決手段】内部を空気室としたクッション本体1の中央と、その両側とに、それぞれ透孔2・3を有し、中央の透孔と両側の透孔との間に環状の第一気嚢部4を形成すると共に、第一気嚢部の外側に第二気嚢部5を形成したエアークッションであって、第一気嚢部と第二気嚢部とは、互いに独立した空気室によって形成すると共に、個別に空気を充填可能とした。また、第一気嚢部と第二気嚢部のそれぞれには、空気の充填口4b・5bを一つずつ設ける。一方、第二気嚢部の空気室を、さらに二以上の互いに独立した空気室に仕切ることもある、その場合、空気室ごとに閉塞可能な空気の充填口を一つずつ設ける。クッション本体は平面視略矩形として、その中央に前後方向に縦長の大なる透孔を形成すると共に、この大なる透孔の左右両側に沿って小なる透孔を複数形成することがある。【選択図】図1
Description
この考案は、椅子や乗り物の座席の他、病臥の際のベッド等に敷載して使用するエアークッションの改良に関する。
従来、この種のエアークッションとしては、使用中の体重による圧力(以下、単に「体圧」という。)から生じる痛みや疲れ、あるいは接触部分のムレを緩和するために、円形のクッション本体の中央に円孔を一つ設けてなる円座(ドーナツ型あるいは浮き輪型のクッション)が広く知られていたが、当該円座では、着座時に臀部で中央の円孔を閉塞してしまい、その部分の通気性が得られないという課題があった。
そこで、図6に示したように、クッション本体10を角形として、その中央に比較的大きな縦長の透孔(大ホール)11を貫設すると共に、その両側に比較的小さな透孔(小ホール)12を二つずつ縦に並べて貫設したエアークッションが提案されていた(特許文献1・2)。これらエアークッションでは、大ホール11と小ホール12との間で通気性を確保することが可能となる。
ところで、図6に示したエアークッションは、大ホール11の周囲にドーナツ状の気嚢部(空気室)13が形成されることに加えて、小ホール12の横側にも気嚢部14が形成されるが、全ての気嚢部13・14はクッション本体10の内部で相互に連通しており、一つの注入口(図面上、裏面にあって、図示せず)から空気を注入することで全部の気嚢部13・14に空気を同時に充填する構造である。
したがって、使用時に、図7に示したように、一部の気嚢部13’に体圧が偏ると、そこから他の気嚢部に空気(圧)が分散してしまい、局部的な沈み込みが発生する。その状態から姿勢を元に戻そうとすれば、その際の体重移動によって、今度は別の気嚢部が沈み込むことになる。このように、特許文献1・2のエアークッションでは、体重移動の度にクッション本体10が波を打ったようにゆらゆらとして、姿勢が安定しにくいという課題がある。これは、座布団として使用する場合に限ったことではなく、背もたれやベッドのマットとして使用した場合も同様に起こることである。
また、特許文献1・2のエアークッションでは、姿勢正しく着座としたとしても、図8に示したように、中央のドーナツ状の気嚢部13だけが大きく沈み込み、痛みや疲れの十分な緩和作用が得られにくい他、中央の気嚢部13からの分散圧によって左右の気嚢部14が膨張し、該膨張した左右の気嚢部14が臀部Hに接触して小ホール12の開口面積が小さくなることにより、大ホール11との通気性を損なうといった課題もある。
なお、特許文献1・2のエアークッションでは、気嚢部の膨張限界まで空気を充填せず、通常、70〜80%程度とするが、上述した局部的な沈み込みと、これに伴う他部の膨張を回避するために、空気の当初充填量を通常よりも増やして変形しにくくすれば、クッション全体が固くなり過ぎて、疲れや痛みの緩和効果が低減するだけでなく、少しの体圧で気嚢部が破裂する危険性も高まる。
本考案は上述した課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、より適正な空気圧を維持して身体を支持することができるエアークッションを提供することである。
上述した目的を達成するために本考案では、内部を空気室としたクッション本体の中央と、その両側とに、それぞれ透孔を有し、前記中央の透孔と前記両側の透孔との間に環状の第一気嚢部を形成すると共に、該第一気嚢部の外側に第二気嚢部を形成したエアークッションであって、前記第一気嚢部と前記第二気嚢部とは、互いに独立した空気室によって形成すると共に、個別に空気を充填可能とするという手段を用いた。
この手段によれば、第一気嚢部と第二気嚢部とが、それぞれ非連通の状態で独立した空気室を有するため、一方の気嚢部に体圧の偏りが生じた場合でも、他方の気嚢部に空気が分散せず、一部の気嚢部が大きく沈み込んだり膨張したりすることがなく、それぞれの気嚢部が独自の圧力をもって身体を支持することができる。これに伴って、中央の透孔や両側の透孔が大きく閉塞されることがなく、両者間の通気性をより確実に保持することができる。また、第一気嚢部と第二気嚢部とで空気の充填量を変えることもできため、使用目的等に応じてクッションの固さ等を細かく設定することができる。
なお、空気の充填口は、第二気嚢部が一つの空気室からなる場合は、第一気嚢部と第二気嚢部に一つずつ設ければよい。
これに対して、第二気嚢部の空気室を、さらに二以上の互いに独立した空気室に仕切ることも可能であり、この場合は、仕切られた空気室ごとに空気の充填口を一つずつ設ける。なお、上記充填口は、典型的には、内部に逆止弁を有し、充填中の空気の逆流を防止して、尚かつ、充填後に蓋で閉じることができる構造とするものであるが、空気を空気室に充填でき、充填後に空気が漏洩しないように閉塞できるものであればよい。
他方、クッション本体の外形は問わないが、平面視略矩形とした場合には、その中央に前後方向に縦長の大なる透孔を形成すると共に、この大なる透孔の左右両側に沿って小なる透孔を複数形成することで、通気性の確保がより確実となる。
また、第二気嚢部は、第一気嚢部の外側に位置して、体圧支持を補助するが、クッション本体の前後左右に縦方向の空気室と横方向の空気室をそれぞれ一対形成することによって、何れの向きにも使用でき、座布団として使用する場合は、前後一方の空気室で両脚(太もも)の体圧も支持することができる。
このように横方向の空気室からなる前後一対の第二気嚢部の一方で両脚を支持する場合は、それぞれの縁部に二つの湾入部を左右対称に形成することで、太ももが湾入部にフィットして、座り心地が良好となる。
一方、縦方向の空気室からなる左右一対の第二気嚢部それぞれは、前記縦方向の空気室を小なる透孔を介して、さらに左右に区画すれば、その間に小なる透孔が位置して、確実に開口状態とすることができる。
本考案によれば、第一気嚢部と第二気嚢部とが独立した空気室によって形成されるため、従来のように一方が大きく沈み込んだり膨張するといった過剰な変形がなく、それぞれの気嚢部が適正な圧力で体圧を支持すると共に、中央と両側の透孔の通気性もより確実に保持することができる。
以下、本考案の好ましい実施の形態を添付した図面に従って説明する。図1・2は、本発明の第一実施形態に係るエアークッションを示したものであって、平面視略矩形状のクッション本体1には、中央に前後方向に縦長の大なる透孔(大ホール)2を貫設すると共に、その両側には大ホール2に沿って帯溝状の融着部3aを形成して、この融着部3a上に前後二つの小なる透孔(小ホール)3を貫設している。また、大ホール2の周囲には環状の第一気嚢部4を形成すると共に、この第一気嚢部4の外側には該第一気嚢部4を囲繞するように第二気嚢部5を形成している。そして、これら第一気嚢部4と第二気嚢部5は、小ホール3側の左右の融着部3aと、これに接続する前後の細長な融着部6とを仕切りとして、それぞれの空気室4a・5aを互いに非連通の状態で独立させている。また、クッション本体1の裏面において、第一気嚢部4と第二気嚢部5それぞれに空気の充填口4b・5bを一つずつ設けている。
さらに、この実施形態において第二気嚢部5は、小ホール3の外側に縦方向の空気室からなる左右一対の気嚢部7と、クッション本体1の前後の縁部に横方向の空気室からなる前後一対の気嚢部8とに区画している。ただし、これら前後左右の気嚢部7・8の空気室は互いに連通しているので、充填口5bから空気を充填することによって、これら気嚢部7・8は同時に膨らませることができる。
また、前後一対の気嚢部8の縁部には、使用者の両脚(太もも)に対応して、二つの湾入部8aを左右一対に形成している。
上記構成のエアークッションは、第一気嚢部4と第二気嚢部5それぞれに個別に空気を充填して膨らまして使用するが、充填口4b・5bの有無以外は表裏同一の形状であり、表裏関係なく使用できる。また、体圧をかける前の状態は、図6に示した従来のエアークッションと変わりはない。
しかしながら、本実施形態のエアークッションは第一気嚢部4と第二気嚢部5とが互いに独立した空気室4a・5aによって形成されているため、図3に示すように、着座時の臀部Hの体圧により第一気嚢部4が圧縮変形しても、第二気嚢部5には空気(圧)は分散しない。このため第一気嚢部4が大きく沈み込むことがない。このように、第一気嚢部4と第二気嚢部5それぞれが、独自の圧力によって身体を支持するため、体重移動の際にクッション全体がゆらゆらすることがなく、安定して身体を支持することができる。さらに、各気嚢部4・5は互いに依存しない膨張状態を維持するから、小ホール3は大きく開口した状態に保持されるため、大ホール2との通気性をより確実に保持することができる。
図4は、本発明の第二実施形態に係るエアークッションを示しており、第一実施形態とクッション本体1をほぼ同形とする一方、第一実施形態との違いは、小ホール3側の融着部3aとは別に、その内側に細長なループ状の融着部6aを設けると共に、第二気嚢部5における左右一対の気嚢部7を小ホール3側の融着部3aを介して、さらに左右に区画したことにある。これによって、第一気嚢部4と第二気嚢部5とを互いに独立の空気室4a・5aによって形成すると共に、第一実施形態において一条凸状(ヒトコブ状)であった左右一対の気嚢部7それぞれを、この第二実施形態では小ホール3側の融着部3aを境に二条凸状(フタコブ状)としている。したがって、この第二実施形態では、第一実施形態での作用効果に加えて、身体との接触点が増えるため、より安定した支持が可能となる。
図5は、さらに第三実施形態に係るエアークッションを示しており、上記二つの実施形態との違いは、クッション本体1の外形について、前後縁部の湾入部8aを大きくした以外、第二実施形態との違いは、新たに小ホール3側の融着部3aの前後端部から前後縁部に連続して伸びる短細の融着部6bを設けて、該第二気嚢部5を、中央の環状気嚢部9aと、その両側の縦長気嚢部9bの合計3つの気嚢部に仕切ったことである。また、このように第二気嚢部5を互いに独立する3つの空気室に仕切ったことに伴い、各空気室に空気の充填口5bを一つずつ設けている。したがって、この第三実施形態では、第二実施形態での作用効果に加えて、第二気嚢部5の圧力を部位ごとに細かく設定することが可能となる。
本考案に係るエアークッションは、座布団として使用でき、特に、着座時に痔疾などの痛みも緩和でき、さらに、背もたれ、床ずれ防止マットとしても使用することができる。
1 クッション本体
2 大ホール
3 小ホール
3a 融着部
4 第一気嚢部
4a 空気室
4b 空気の充填口
5 第二気嚢部
5a 空気室
5b 空気の充填口
6・6a・6b 融着部
7 第二気嚢部における左右一対の気嚢部
8 第二気嚢部における前後一対の気嚢部
9a 第二気嚢部における環状気嚢部
9b 第二気嚢部おける左右一対の縦長気嚢部
2 大ホール
3 小ホール
3a 融着部
4 第一気嚢部
4a 空気室
4b 空気の充填口
5 第二気嚢部
5a 空気室
5b 空気の充填口
6・6a・6b 融着部
7 第二気嚢部における左右一対の気嚢部
8 第二気嚢部における前後一対の気嚢部
9a 第二気嚢部における環状気嚢部
9b 第二気嚢部おける左右一対の縦長気嚢部
Claims (7)
- 内部を空気室としたクッション本体の中央と、その両側とに、それぞれ透孔を有し、前記中央の透孔と前記両側の透孔との間に環状の第一気嚢部を形成すると共に、該第一気嚢部の外側に第二気嚢部を形成したエアークッションであって、
前記第一気嚢部と前記第二気嚢部とは、互いに独立した空気室によって形成すると共に、個別に空気を充填可能としたことを特徴とするエアークッション。 - 第一気嚢部と第二気嚢部のそれぞれに、閉塞可能な空気の充填口を一つずつ設けた請求項1記載のエアークッション。
- 第二気嚢部の空気室を、さらに二以上の互いに独立した空気室に仕切り、該空気室ごとに閉塞可能な空気の充填口を一つずつ設けた請求項1記載のエアークッション。
- クッション本体を平面視略矩形として、その中央に前後方向に縦長の大なる透孔を形成すると共に、この大なる透孔の左右両側に沿って小なる透孔を複数形成した請求項1、2または3記載のエアークッション。
- 第二気嚢部は、クッション本体の前後左右に縦方向の空気室と横方向の空気室をそれぞれ一対形成してなる請求項4記載のエアークッション。
- 横方向の空気室からなる前後一対の第二気嚢部それぞれは、その縁部に二つの湾入部を左右対称に形成してなる請求項4または5記載のエアークッション。
- 縦方向の空気室からなる左右一対の第二気嚢部それぞれは、前記縦方向の空気室を小なる透孔を介して、さらに左右に区画してなる請求項4、5または6記載のエアークッション。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015005650U JP3202186U (ja) | 2015-11-06 | 2015-11-06 | エアークッション |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020130198A (ja) * | 2019-02-12 | 2020-08-31 | 尚子 本間 | 腰痛対策用のクッション及び携帯クッション |
-
2015
- 2015-11-06 JP JP2015005650U patent/JP3202186U/ja not_active Expired - Fee Related
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