JP3200722B2 - ボールペン - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はボールペンに関する。さ
らに詳細には、ボールペンチップがインキ収容筒にチッ
プホルダーを介して取り付けられたボールペンレフィー
ルを軸筒内に収容し、該軸筒の先端孔より前記ボールペ
ンチップを突出させたボールぺンに関する。

【０００２】

【従来の技術】

【０００３】従来、この種のボールペンにおいて、ボー
ルペンレフィールを軸筒内に固定する手段として、例え
ば、軸筒先端のテーパ状内壁に、チップホルダーの鍔部
を圧接してなる構造が、実公昭６１−４２８５１号公報
に開示されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の
構造のものは、チップホルダーの後部が軸筒の前記テー
パ状内壁により保持されていても、少なくともボールペ
ンレフィール先端部（ボールペンチップあるいはチップ
ホルダー先端部）と軸筒先端孔内壁の間に僅かながらも
隙間が生じている。この隙間が大きいと、テーパ状内壁
でチップホルダーを保持する構造であっても、筆記時、
ボールペンチップと軸筒との間にがたつきが生じて、筆
記感が悪くなる。また、テーパ状内壁で保持する構造の
みでは、軸方向の寸法ばらつきによって確実な保持がで
きなくなることがある。つまり、従来の構造では、ボー
ルペンレフィールを軸筒に保持する確実な構造とは言え
ず、前記がたつきに対して不十分なものであった。

【０００５】また、先端孔を有する軸筒先端部が金属製
であり、且つボールペンレフィールの先端孔に挿通され
る外周部分が金属製の場合、先端孔でボールペンレフィ
ールを嵌合保持させると、嵌合力が増大してボールペン
レフィールの交換作業を悪化させるため、前記嵌合保持
構造を採ることはできない。そのため、従来では、その
隙間をできるだけ小さく設定すること以外には、前記が
たつき防止への対応ができなかった。

【０００６】本発明は、前記問題点を解決するものであ
って、筆記時のボールペンレフィールと軸筒との間にが
たつきがなく、良好な筆記感の得られるボールペンを提
供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、ボールペンチ
ップ６がインキ収容筒５にチップホルダー７を介して取
り付けられたボールペンレフィール４を軸筒１内に収容
し、該軸筒１の先端孔３１より前記ボールペンチップ６
を突出させたボールぺンであって、前記チップホルダー
７を合成樹脂により構成するとともに、前記先端孔３１
をストレート状に貫設し、前記先端孔３１内壁に前記チ
ップホルダー７の前部を圧接させてなることを要件とす
る。

【０００８】前記チップホルダー７には、前部外周に突
条あるいは突起等を設け、先端孔３１内壁に圧接させる
構成も有効である。

【０００９】

【作用】軸筒１の先端孔３１内壁はストレート状となっ
ているため、ボールペンレフィール４の軸方向の寸法ば
らつきを吸収する。それにより、前記ばらつきが生じた
としても、ボールペンレフィール４は軸筒１の先端孔３
１に確実に圧入保持され、ボールペンレフィール４と軸
筒１とのがたつきが確実に防止される。

【００１０】また、チップホルダー７は合成樹脂で構成
されているため、先端孔３１へ圧入時、径方向の変形が
容易であるため、チップホルダー７と先端孔３１との嵌
合保持構造にもかかわらず、ボールペンレフィール４の
スムーズな交換が可能となる。

【００１１】

【実施例】本発明の第一実施例を図１乃至図３に示す。

【００１２】軸筒１は、外軸２と先口３よりなり、外軸
２の先端に先口３が螺合されている。前記外軸２は合成
樹脂で、前記先口３は金属により構成される。また、前
記先口３にはストレート状の先端孔３１が貫設されてい
る。

【００１３】ボールペンレフィール４は、ボールペンチ
ップ６、チップホルダー７、インキ収容筒５よりなり、
ボールペンチップ６を先端に圧入固着した合成樹脂製の
チップホルダー７がインキ収容筒５の先端に取り付けら
れてなる構成である。前記インキ収容筒５内には、水性
インキが収容され、その後端には、半流動物質よりなる
逆流防止栓５１が充填されている。

【００１４】前記ボールペンチップ６は、金属製パイプ
を外方から押圧変形し複数の内方突起を形成し、該内方
突起をボール受座６１としたパイプ方式のボールペンチ
ップ６である。

【００１５】チップホルダー７は、後方に、大径部７１
と鍔部７２を有しており、該大径部７１がインキ収容筒
５先端に嵌入されるとともに、鍔部７２がインキ収容筒
５前端縁に衝止してなる。また、チップホルダー７前部
外周には、軸方向に延びる四本の突条７３が設けられ、
該突条７３の外接円径は先口３のストレート状の先端孔
３１内壁に圧接可能な寸法に設定される。

【００１６】また、鍔部７２には、凹溝７６が設けら
れ、該凹溝７６と前記突条７３により、軸筒１内収容
時、先端孔３１からインキ収容筒５への通気路が形成さ
れる。

【００１７】前記ボールペンレフィール４は、後端に尾
栓９を嵌着した外軸２の先端開口より挿入され、その
後、先口３が該外軸２先端に螺合される。これにより、
チップホルダー７の鍔部７２は、後端が外軸２前端縁に
当接されるとともに、先端が、先口３内壁のテーパ段部
３２に圧接される。さらに、チップホルダー７前部に配
設の突条７３が先端孔３１内壁に圧接され、ボールペン
レフィール４の軸筒１に対してがたつきのない、確実な
保持が可能となる。

【００１８】また、チップホルダー７先端外周には、金
属製の保持筒８が嵌着され、ボールペンチップ６とチッ
プホルダー７の固着をさらに強固なものとする。尚、前
記保持筒８外周は、先端孔３１内壁とは、僅かの隙間を
保ち、非接触状態にある。

【００１９】ボールペンレフィール４（インキ収容筒
５）の後端は、軸筒１内において尾栓９の突起９１によ
って軸方向に圧接保持されている。前記突起９１の先端
は、尖成されており、インキ収容筒５後端に没入される
か、あるいはそれ自身が変形して、ボールペンレフィー
ル４の軸方向のバラツキを吸収するとともに、落下衝撃
によるインキ収容筒５のチップホルダー７から外れを、
完全に防止できる。

【００２０】図４及び図５は、第二実施例を示す。チッ
プホルダー７前部外周に、八個の半球状突起７４を配設
してなり、該半球状突起７４が、ストレート状の先端孔
３１内壁と圧接してなる。前記半球状突起７４は、第一
実施例の突条７３に比べ、先端孔３１内壁との摩擦抵抗
が小であるため、先端孔３１への圧入が小さな力で済
み、先口３の取り付けが容易となる。他の構成は第一実
施例と同様である。

【００２１】図６は第三実施例を示すものであり、チッ
プホルダー７前部外周に、環状突起７５を設け、該環状
突起７５がストレート状の先端孔３１内壁と圧接してな
る構成である。

【００２２】図７は第四実施例を示すものであり、チッ
プホルダー７前部外周には、ただ単にチップホルダー７
前部を先端孔３１内径より僅かに大径にして、該先端孔
３１に圧入してなる構成であり、作用効果は前記実施例
と同様である。

【００２３】尚、本実施例では、先端孔３１を有する先
口３は金属製であったが、合成樹脂により構成してもよ
い。

【００２４】

【発明の効果】本発明ボールペンは、前記構成にしたこ
とにより、ボールペンレフィールを軸筒内にがたつきな
く確実に保持することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一実施例の縦断面図である。

【図２】図１の要部拡大縦断面図である。

【図３】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図４】第二実施例の要部拡大縦断面図である。

【図５】図４のＢ−Ｂ線断面図である。

【図６】第三実施例の要部拡大縦断面図である。

【図７】第四実施例の要部拡大縦断面図である。

【符号の説明】

１ 軸筒 ２ 外軸 ３ 先口 ３１ 先端孔 ３２ テーパ段部 ４ ボールペンレフィール ５ インキ収容筒 ５１ 逆流防止栓 ６ ボールペンチップ ６１ ボール受座 ７ チップホルダー ７１ 大径部 ７２ 鍔部 ７３ 突条 ７４ 半球状突起 ７５ 環状突起 ７６ 凹溝 ８ 保持筒 ９ 尾栓 ９１ 突起

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ボールペンチップ（６）がインキ収容筒
   （５）にチップホルダー（７）を介して取り付けられた
   ボールペンレフィール（４）を軸筒（１）内に収容し、
   該軸筒（１）の先端孔（３１）より前記ボールペンチッ
   プ（６）を突出させたボールぺンにおいて、前記チップ
   ホルダー（７）を合成樹脂により構成するとともに、前
   記先端孔（３１）をストレート状に貫設し、前記先端孔
   （３１）内壁に前記チップホルダー（７）の前部を圧接
   させてなることを特徴とするボールペン。