JP3198799U - 汚染土壌処理システム - Google Patents

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義男 川村
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Abstract

【課題】放射性物質で汚染された土壌及びこれを含む水における放射性物質の濃度を、自然界に排出可能なレベルまで低減させることができる汚染土壌処理システムを提供する。【解決手段】汚染土壌処理システム1の撹拌槽1aに、汚染土壌Pを導入する土壌導入口21を有する土壌導入部、水または汚染水を供給する水供給パイプ31を有する水供給部、界面活性剤を含む処理剤を供給する処理剤供給パイプ41を有する処理剤供給部、焼成貝殻粉末を供給する貝殻粉末供給パイプ51を有する貝殻粉末供給部を設ける。更に汚染土壌処理システム1を、汚染土壌から液相に移行した放射性物質を吸着した焼成貝殻粉末を含む懸濁液を、不織布フィルタf1が積層された第一濾過槽81及び多孔質材濾過層82で濾過して処理水Wとする濾過装置1bと、懸濁液と分離した泥分Mを硬化剤Aとの混合により固化体Sとする固化処理部1cとを備える構成とする。【選択図】図1

Description

本考案は、放射性物質で汚染された土壌及びこれを含む水における放射性物質の濃度を低減させる汚染土壌処理システムに関するものである。
原子力発電所等から排出された放射性廃棄物は、一般的には、放射線を遮蔽する容器や構造物に密閉された状態で、放射性物質の濃度が基準値以下となるまで長期間にわたり保管される。しかしながら、2011年3月の東日本大震災の際に発生した福島原子力発電所の事故によって、放射性物質が環境中に放出されたことにより、大量の土壌や水が放射性物質で汚染された。このように汚染土壌や汚染水が大量であると、放射線を遮蔽する容器や構造物に密閉された状態とすることも、長期間にわたり保管することも、極めて困難である。そのため、放射性物質で汚染された土壌及び水を処理することにより、自然界に排出可能なレベルまで放射性物質の濃度を低減させる技術が、強く要請されている。
一方、本考案者は、焼成した貝殻の粉末を使用した新規な物品を種々考案してきている(特許文献1〜3参照)。貝から可食部分が除去された後の貝殻は産業廃棄物として廃棄対象となるが、その量は年間数十万トン以上にのぼると言われている。本考案者の提案による上記物品は、廃棄対象とされている貝殻の資源としての有効利用に資するものである。本考案は、焼成した貝殻の粉末の新たな用途に関する種々の検討の過程で、放射性物質で汚染された土壌及びこれを含む水を処理するシステムに有用であることを見出したことにより、なされたものである。
実用新案登録第3179638号公報 実用新案登録第3172527号公報 実用新案登録第3172526号公報
上記のように、本考案は、放射性物質で汚染された土壌及びこれを含む水における放射性物質の濃度を、自然界に排出可能なレベルまで低減させることができる汚染土壌処理システムの提供を課題とする。
上記課題を解決するため、本考案にかかる汚染土壌処理システムは、
「内容物を収容する槽本体、
該槽本体に収容された内容物を撹拌する撹拌機構、
前記槽本体の内部に放射性物質で汚染された汚染土壌を導入する土壌導入部、
前記槽本体の内部に水または放射性物質で汚染された汚染水を供給する水供給部、
前記槽本体の内部に界面活性剤を含む処理剤を供給する処理剤供給部、
前記槽本体の内部に平均粒子径が5μm〜10μmの焼成貝殻粉末を供給する貝殻粉末供給部、
前記槽本体の内部での撹拌により前記汚染土壌から離脱した放射性物質を担持する前記焼成貝殻粉末が水媒体に懸濁している懸濁液を、前記槽本体から排出する懸濁液排出部、及び
前記懸濁液と分離された泥分を、前記槽本体から排出する泥分排出部、
を備えている撹拌槽と、
前記懸濁液排出部から排出された前記懸濁液を濾過する、複数の不織布フィルタが積層された第一濾過層、
前記第一濾過層を通過した液体を濾過する、多孔質鉱物の粉末または多孔質セラミックスの粉末が充填された第二濾過層及び活性炭が充填された第三濾過層の少なくとも一方を有する多孔質材濾過層、並びに、
該多孔質材濾過層を通過した液体を排出する処理水排出部
を備えている濾過装置と、
前記泥分排出部から排出された前記泥分を受容し、セメントを含む硬化剤が添加された前記泥分を固化させる固化処理部と
を具備する」ものである。
つまり、本考案の汚染土壌処理システムは、「撹拌槽」と「濾過装置」と「固化処理部」とを主な構成とする。そのうち、「撹拌槽」は、「槽本体」、「撹拌機構」、「土壌導入部」、「水供給部」、「処理剤供給部」、「貝殻粉末供給部」、「懸濁液排出部」、及び、「泥分排出部」を備えている。ここで、「撹拌機構」としては、回転軸周りに回転する撹拌翼とその回転を駆動するモータとを備えるもの、槽本体の内周面にらせん状に形成された撹拌翼と槽本体の回転を駆動するモータとを備えるもの、を例示することができる。
ここで、「水供給部」が槽本体の内部に供給する「水」または「放射性物質で汚染された汚染水」において、「水」としては、水道水、井戸水、雨水、河川水を例示することができる。
一方、「濾過装置」は、「第一濾過層」と、「多孔質材濾過層」と、「処理水排出部」とを備えている。このうち「第一濾過層」は不織布フィルタの層である。「多孔質材濾過層」は、「第二濾過層」及び「第三濾過層」の少なくとも一方を有する層である。第二濾過層」及び「第三濾過層」の濾過材は何れも多孔質材料であり、第二濾過層における多孔質材料は「多孔質鉱物の粉末または多孔質セラミックスの粉末」であり、第三濾過層における多孔質材料は「活性炭」である。ここで、「多孔質材濾過層」は、第二濾過層のみを備えるものであっても、第三濾過層のみを備えるものであっても、その双方を備えるものであってもよい。また、「多孔質材濾過層」が「第二濾過層」及び「第三濾過層」の双方を備える場合、多孔質材濾過層における各層の順番は問わない。更に、「多孔質材濾過層」が「第二濾過層」及び「第三濾過層」の双方を備える場合、「第二濾過層」及び「第三濾過層」の少なくとも一方を、複数備える構成とすることもできる。
「焼成貝殻粉末」とする貝の種類は特に限定されず、ホタテ貝、カキ、ホッキ貝、ハマグリ、アサリ等を使用可能である。わが国では、産業廃棄物として廃棄対象となる貝殻は、ホタテ貝が最も多く全体の6割以上を占めると言われているため、資源の有効利用の点で、ホタテ貝の貝殻を用いることが望ましい。貝殻が「焼成」される温度は、1000℃〜1200℃とすることができる。貝殻の結晶相をX線回折で同定すると、未焼成の貝殻の主成分は炭酸カルシウムであるが、700℃以上の加熱により酸化カルシウムの回折ピークが認められるようになり、1000℃以上の加熱でほぼ酸化カルシウムの単一相となる。
検討を重ねた結果、焼成貝殻粉末を平均粒子径が5μm〜10μmという微細な粉末とすることにより、放射性物質を良好に吸着させることができると共に、静置した際の沈降を抑制して水媒体に「懸濁させる」ことができることが判明した。従って、本構成の汚染土壌処理システムでは、放射性物質で汚染された汚染土壌を水または汚染水と混合し、界面活性剤を含む処理剤と平均粒子径が5μm〜10μmの焼成貝殻粉末とを加えて撹拌することにより、系内の放射性物質は焼成貝殻粉末に吸着される。そして、放射性物質を担持した焼成貝殻粉末は、水媒体に懸濁して液相に存在する。つまり、汚染土壌に含まれていた放射性物質は、液相に移行する。
これにより、撹拌槽の内容物を撹拌した後で静置し固液分離すれば、放射性物質の濃度が低減した土壌を含む泥分が沈殿する。沈殿した泥分は撹拌槽から排出され、固化処理部においてセメントを含む硬化剤の添加により固化させる処理が行われる。詳細は後述するように、このように処理された固化体における放射性物質の濃度は、自然界に排出可能なレベルまで低下させることができた。
一方、放射性物質を担持した焼成貝殻粉末が水媒体に懸濁している懸濁液は、撹拌槽から排出され、濾過装置に導入される。ここで、「水媒体」は、界面活性剤など処理剤の成分の他、溶存状態の放射性物質を含んでいる。また、水供給部から汚染水が供給される場合は、水媒体中に溶存している放射性物質には、汚染土壌に由来するものと汚染水に由来するものがあると考えられる。
そして、濾過装置において、不織布フィルタで構成される「第一濾過層」、及び多孔質材料が充填された「多孔質材濾過層」を通過する過程で、懸濁液から放射性物質を担持した焼成貝殻粉末と、水媒体中に溶存していた放射性物質が除去される。ここで、放射性物質を担持した焼成貝殻粉末は、主に不織布フィルタに捕集される。また、水媒体中に溶存していた放射性物質は、主に多孔質材料の開気孔に捕集されると考えている。
このように、二以上の濾過層のうち懸濁液が最初に通過する第一濾過層において、放射性物質を担持した焼成貝殻粉末が懸濁液から除去されることにより、下流側の多孔質材濾過層の微小な開気孔の目詰まりを抑制して、水媒体中に溶存していた放射性物質を効果的に捕集させることができる。後述する測定結果から分かるように、第一濾過槽及び多孔質材濾過層を通過した液体(以下、「処理水」と称することがある)における放射性物質の濃度は、自然界に排出可能なレベルまで低下させることができた。
従って、本考案の汚染土壌処理システムによれば、汚染土壌及びこれを含む水と、汚染土壌の処理に使用した水媒体における放射性物質の濃度を、自然界に排出可能なレベルまで低下させ、廃棄または再利用することができる。また、放射性物質の殆どを液相(懸濁液)に移行させるシステムであるため、水供給部から汚染水が供給される場合は、汚染土壌の処理のために使用される汚染水自体についても、放射性物質の濃度を低減させる処理がなされる利点を有している。
本考案にかかる汚染土壌処理システムは、上記構成に加えて、
「前記不織布フィルタは、目付が500g/m〜800g/mである」ものとすることができる。
上記のように、焼成貝殻粉末は平均粒子径が5μm〜10μmと微細であるため、濾過材を通過してしまうおそれがある。仮に、焼成貝殻粉末が第一濾過層を通過してしまうと、続く第二濾過層及び第三濾過層の少なくとも一方で捕集されることにより、濾過材である多孔質材料の開気孔が早期に塞がれていまい、水媒体中に溶存していた放射性物質を捕集させる作用が低下するおそれがある。これに対し、本構成では、懸濁液を最初に通過させる第一濾過層を構成する不織布フィルタの目付を500g/m〜800g/mとしていることにより、放射性物質を担持した焼成貝殻粉末を第一濾過層の不織布フィルタで十分に捕集することができ、水媒体中に溶存していた放射性物質を、下流側の濾過材である多孔質材料の開気孔によって捕集する作用を、十分に発揮させることができる。
本考案にかかる汚染土壌処理システムは、上記構成に加えて、
「前記多孔質材濾過層は、前記第二濾過層及び前記第三濾過層の双方を備えている」ものとすることができる。
本構成の汚染土壌処理システムでは、第一濾過層、第二濾過層、及び、第三濾過層という三種類の濾過層を、濾過装置が備えている。詳細は後述するように、三種類の濾過層を通過した処理水における放射性物質の濃度は、測定限界以下であった。従って、本構成の汚染土壌処理システムは、放射性物質の濃度を低減させる作用に極めて優れていると言うことができる。
以上のように、本考案によれば、放射性物質で汚染された土壌及びこれを含む水における放射性物質の濃度を、自然界に排出可能なレベルまで低減させることができる汚染土壌処理システムを、提供することができる。
本考案の一実施形態の汚染土壌処理システムの構成図である。
以下、本考案の第一実施形態である汚染土壌処理システム1について、図1を用いて説明する。汚染土壌処理システム1は、主に撹拌槽1aと濾過装置1bと固化処理部1cとを備えている。
撹拌槽1aは、内容物を収容する槽本体10と、槽本体10に収容された内容物を撹拌する撹拌機構と、槽本体10の内部に放射性物質で汚染された汚染土壌Pを導入する土壌導入部と、槽本体10の内部に水または汚染水を供給する水供給部と、槽本体10の内部に界面活性剤を含む処理剤を供給する処理剤供給部と、槽本体10の内部に平均粒子径が5μm〜10μmの焼成貝殻粉末を供給する貝殻粉末供給部と、槽本体10の内部での撹拌により汚染土壌Pから離脱した放射性物質を担持する焼成貝殻粉末が水媒体に懸濁している懸濁液を、槽本体10から排出する懸濁液排出部と、懸濁液と分離された泥分Mを、槽本体10から排出させる泥分排出部とを備えている。
また、濾過装置1bは、懸濁液排出部から排出された懸濁液を濾過する第一濾過層81と、第一濾過層81を通過した液体を濾過する多孔質材濾過層82と、多孔質材濾過層82を通過した処理水Wを排出する処理水排出部とを備えている。
ここで、本実施形態の多孔質材濾過層82は、三つの第二濾過層82a,82b,82cと、一つの第三濾過層82’とを備えている。
より詳細に説明すると、槽本体10は円筒状の側周壁の下端が底部で被覆され、上端が天井部で被覆された大型の容器である。撹拌機構は、槽本体10の天井部から垂下された回転軸15と、回転軸15と一体回転する撹拌翼16と、回転軸15を回転駆動するモータ17とを有している。
土壌導入部は、槽本体10に開閉可能に設けられた土壌導入口21と、土壌導入口21まで汚染土壌Pを搬送する搬送装置(図示しない)とを有している。搬送装置としては、スクリューコンベアやベルトコンベアを使用することができる。
水供給部は、水または汚染水を貯留するタンク30と、タンク30と槽本体10とを連結する水供給パイプ31と、水供給パイプ31の途中に設けられた開閉弁35と、タンク30と水供給パイプ31との連結部に介設されたストレーナ36とを有している。なお、図1では、タンク30を槽本体10より高く位置させ、開閉弁35が開いたときに、タンク30から槽本体10まで水または汚染水が重力によって移送される場合を例示しているが、タンク30から槽本体10までの水または汚染水の移送を駆動するポンプを、水供給部が更に有する構成とすることもできる。
処理剤供給部は、処理剤を収容する処理剤収容器40と、処理剤収容器40と槽本体10とを連結する処理剤供給パイプ41とを有している。ここで、本実施形態では、処理剤として、陰イオン界面活性剤(アルキル硫酸エステルナトリウム)、炭酸水素ナトリウム、無水炭酸ナトリウム、クエン酸等を含有する処理剤(株式会社エイワン・ディー製、商品名「ミラクルパワー(登録商標)」)を使用している。
貝殻粉末供給部は、焼成貝殻粉末を収容する貝殻粉末収容器50と、貝殻粉末収容器50と槽本体10とを連結する貝殻粉末供給パイプ51とを有している。ここで、本実施形態では、焼成貝殻粉末として、ホタテの貝殻を温度1200℃で焼成し粉砕した粉末を使用しており、この焼成貝殻粉末の粒子径(直径)は、レーザー回折法による最頻度径で約9μmである。
なお、処理剤供給部及び貝殻粉末供給部は、作業者による操作レバーの操作により、それぞれ処理剤収容器40及び貝殻粉末収容器50から一回量が供給される構成とすることができる。
懸濁液排出部は、槽本体10における高さ方向の中途の位置で、槽本体10に連結された懸濁液排出パイプ61と、懸濁液排出パイプ61の中途に設けられた開閉弁65と、槽本体10と懸濁液排出パイプ61との連結部に介設されたストレーナ66とを有している。なお、図1では、槽本体10に対して懸濁液排出パイプ61が連結している位置より、低い位置に濾過装置1bの全体が設けられている場合を例示している。この場合は、開閉弁65が開いたときに、槽本体10に対する懸濁液排出パイプ61の連結高さより上にある分の懸濁液が、重力によって懸濁液排出パイプ61を介して槽本体10から排出される。この構成にかかわらず、懸濁液排出部が、槽本体10から濾過装置1bまでの懸濁液の移送を駆動するポンプを更に有する構成とすることもできる。
泥分排出部は、槽本体10の底部に連結され、槽本体10の下方に向かって垂下している泥分排出パイプ71と、泥分排出パイプ71の中途に設けられた開閉弁75とを有している。
泥分排出パイプ71の下流には、泥分Mを受容させる固化処理部1cが設けられており、固化処理部1cの形状は上方に開放した有底角筒状である。この固化処理部1cにおいて泥分Mに添加される硬化剤Aとしては、砂や砂利などの骨材をセメントに混合した硬化剤を使用することができる。
濾過装置1bの三種類の濾過層のうち最上流の第一濾過層81は、上流端が懸濁液排出パイプ61に連結されている。第一濾過層81は、10個〜15個の不織布フィルタf1で構成されており、これらの不織布フィルタf1は円筒状の第一ケーシング91内に積層されている。それぞれの不織布フィルタf1は、樹脂繊維を絡み合わせて厚さ1.5cm〜3cm、直径10cm〜15cmの円盤状とされたものであり、不織布の目付は500g/m〜800g/mである。
第一濾過層81の下流端は、第一連結パイプ96によって1つ目の第二濾過層82aの上流端に連結されている。本実施形態では、1つ目の第二濾過層82aの上流端は第一濾過層81の下流端とほぼ同じ高さであり、1つ目の第二濾過層82aにおいて下流端は上流端より上方に位置している。
1つ目の第二濾過層82aは、多孔性材料である多孔質鉱物または多孔質セラミックスの粉末が、この粉末より目開きが小さいネットで形成された袋体に充填された第二フィルタf2を、10個〜15個積層して形成されている。それぞれの第二フィルタf2は、厚さ1.5cm〜3cm、直径10cm〜15cmの円盤状であり、円筒状の第二ケーシング92内に積層されている。
1つ目の第二濾過層82aの下流端は、第二連結パイプ97によって2つ目の第二濾過層82bの上流端と連結されている。2つ目の第二濾過層82bの上流端は1つ目の第二濾過層82aの下流端とほぼ同じ高さであり、ここから下方に向かって複数の濾過層が接続されている。具体的には、2つ目の第二濾過層82bの下流端は第三濾過層82’の上流端に直接接続されており、第三濾過層82’の下流端は3つ目の第二濾過層82cの上流端に直接接続されている。そして、3つ目の第二濾過層82b、第三濾過層82’、及び2つ目の第二濾過層82cは、この順で円筒状の第三ケーシング93内に積層されている。
ここで、2つ目の第二濾過層82b及び3つ目の第二濾過層82cは、それぞれ上記の第二フィルタf2を3個〜7個積層して形成されている。また、第三濾過層82’は、多孔質材料である活性炭の粉末が、この粉末より目開きが小さいネットで形成された袋体に充填されて、厚さ1.5cm〜3cm、直径10cm〜15cmの円盤状とされた第三フィルタf3を、3個〜7個積層して形成されている。本実施形態では、第三濾過層82’の多孔質材料として、ヤシ殻を炭化させ、平均粒子径0.2mm〜0.3mmに破砕した破砕炭を使用している。
第三濾過層82cの下流端からは、処理水Wを排出する処理水排出パイプ85が垂下している。この処理水排出パイプ85が、本考案の処理水排出部に相当する。
次に、本実施形態の汚染土壌処理システム1における処理の手順について説明する。まず、放射性物質で汚染された汚染土壌Pを土壌導入口21から槽本体10の内部に導入すると共に、タンク30に貯留されている水または汚染水を、水供給パイプ31を介して槽本体10の内部に供給する。このとき、タンク30内の水または汚染水に含まれるゴミは、ストレーナ36によって除かれる。
一方、界面活性剤を含む処理剤を、処理剤収容器40から処理剤供給パイプ41を介して槽本体10の内部に供給すると共に、平均粒子径が約9μmの焼成貝殻粉末を、貝殻粉末収容器50から貝殻粉末供給パイプ51を介して槽本体10の内部に供給する。
モータ17を駆動し撹拌翼16を回転させると、汚染土壌P、処理剤、及び焼成貝殻粉末が、水または汚染水と混合され撹拌される。この撹拌の過程で、主に界面活性剤の作用により、汚染土壌Pに含まれていた放射性物質は汚染土壌Pから離脱して、水媒体に溶出する。また、処理剤に含まれている炭酸水素ナトリウムとクエン酸とが反応して二酸化炭素を発生するため、発泡の刺激によって汚染土壌Pからの放射性物質の離脱が促進される。水媒体内に溶出した放射性物質は、多孔質の焼成貝殻粉末に吸着される。また、汚染水に由来する放射性物質も水媒体中に溶存する放射性物質であり、同様に焼成貝殻粉末に吸着される。この吸着により水媒体中に溶存する放射性物質の濃度が低下するため、平衡反応により放射性物質の汚染土壌Pからの離脱が更に進行する。
そして、放射性物質を担持した焼成貝殻粉末は、平均粒子径が約9μmと微細であるため、水媒体に懸濁する。これにより、放射性物質の殆どが液相に存在する状態となる。
撹拌翼16の回転を停止し、槽本体10をしばらく静置すると、懸濁液との固液分離により、泥分M(土壌と水媒体との混合物)が槽本体10の底部に沈殿する。そこで、開閉弁65を開き、懸濁液排出パイプ61を介して懸濁液のみを排出させる。このとき、汚染土壌Pに由来して懸濁液に浮いているゴミがあっても、ストレーナ66によって除かれる。
懸濁液排出パイプ61を介して槽本体10から排出された懸濁液は、第一濾過層81に流入する。そして、第一濾過層81を通過する過程で、放射性物質を担持した焼成貝殻粉末が不織布フィルタf1に捕集される。本実施形態では、目付が500g/m〜800g/mの不織布フィルタf1を多数個積層しているため、放射性物質を担持した焼成貝殻粉末の殆どが懸濁液から除かれる。
第一濾過層81を通過した液体は、第一連結パイプ96を介して1つ目の第二濾過層82aに流入する。ここを通過した液体は、更に第二連結パイプ97を介して2つ目の第二濾過層82aに流入し、2つ目の第二濾過層82a、第三濾過層82’、3つ目の第二濾過層82cの順に通過する。第二濾過層82a〜82c及び第三濾過層82’の濾過材は何れも多孔質材料であり、微小な開気孔を極めて多数有し比表面積が大きい。そのため、複数の第二濾過層82a〜82c及び第三濾過層82’を通過する過程で、液体中に溶存していた放射性物質が濾過材に捕集される。
最下流の濾過層である3つ目の第二濾過層82cを通過した処理水Wは、処理水排出パイプ85から排出される。例えば、処理水排出パイプ85を介して、処理水Wの搬送に用いる容器まで処理水Wを移送したり、河川や海まで処理水Wを流通させる流通路に、処理水排出パイプ85を接続したりすることができる。
一方、懸濁液を排出した後の槽本体10の底部には、泥分Mが残っている。そこで、開閉弁75を開けることにより、泥分排出パイプ71を介して槽本体10から泥分Mを排出し、固化処理部1cに移送する。そして、固化処理部1cにおいて泥分Mに硬化剤Aを添加し、混合する。これにより、泥分Mは硬化し固化体Sとなる。なお、泥分Mが固化する過程で掻き混ぜたり、ある程度固化が進行した段階で破砕したりすることにより、小さな塊状の固化体Sとすることができる。小さな塊状の固化体Sは、大きなブロック状の固化体と比べて運搬が容易であり、土壌改質資材や路盤材としての利用も可能である。
実際に、汚染土壌9.5kgに対して、焼成貝殻粉末0.5kg、処理剤15g、水2リットルの割合で、上記の汚染土壌処理システム1を使用して処理を行った場合について、未処理の汚染土壌P、処理後の固化体S、及び処理水Wについて、放射性物質の濃度を測定した。検出対象の放射性核種は、セシウム137(半減期:約30年)、セシウム134(半減期:約2年)、及びヨウ素131(半減期:約8日)とし、検出にはガンマ線スペクトル測定装置NaI(TI)シンチレーションスペクトロメータ(応用光研工業株式会社製、FNF−401)を使用した。汚染土壌Pは、福島県富岡町で採取した。
測定の結果、ヨウ素131については、何れの試料においても検出されなかった。そこで、各試料について、検出されたセシウム137及びセシウム134の合計量としての放射性セシウム濃度を、以下に示す。
(1)未処理の汚染土壌P: 30144±157 Bq/kg
(2)固化体S: 312± 24 Bq/kg
(3)処理水W: 検出限界以下
なお、処理水Wは透明であり、微細な粉末が懸濁している様子は観察されなかった。
以上のように、本実施形態の汚染土壌処理システム1によれば、水または汚染水と混合された汚染土壌Pが、界面活性剤を含む処理剤と平均粒子径が約9μmの微細な焼成貝殻粉末と共に撹拌されることにより、放射性物質の殆どを液相(懸濁液)に移行させることができる。そして、液相は三種類の濾過層を備える濾過装置1bを濾過させることにより、放射性セシウム濃度が検出限界以下の処理水Wとすることができた。
また、本実施形態の汚染土壌処理システム1は、懸濁液と固液分離した泥分Mを、セメントを含む硬化剤Aで固化させて固化体Sとする固化処理部1cを備えており、固化体Sの放射性セシウム濃度は約310Bq/kgであった。この放射性セシウム濃度は、汚染土壌における濃度の約100分の1と大幅に低下しており、土壌改質資材や培土中に許容される最大値である400Bq/kgより低い。
つまり、本実施形態の汚染土壌処理システム1によれば、放射性物質で汚染された汚染土壌P及びこれを含む水を処理することにより、自然界に排出可能なレベルまで放射性物質の濃度が低減された固化体Sと処理水Wにすることができる。
また、本実施形態の汚染土壌処理システム1は、放射性物質の殆どを液相に移行させるシステムであるため、汚染土壌Pの処理のために汚染水を使用しながら、汚染水自体を処理することも可能である。
以上、本考案について好適な実施形態を挙げて説明したが、本考案はこの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本考案の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上記の実施形態では、撹拌装置1aの「水供給部」が、水または汚染水を貯留するタンク30を有する場合を例示したが、「水供給部」に供給される水が水道水の場合は、タンクを有さず、水道管と槽本体とを連結する構成の水供給部とすることができる。
また、汚染土壌Pを槽本体10まで搬送するエリアや、タンク30に汚染水が貯留される場合の水供給部が、放射線を遮蔽可能な構造物で被覆されている構成とすることができる。或いは、汚染土壌処理システムの全体が、放射線を遮蔽可能な構造物で被覆されている構成とすることができる。
1 汚染土壌処理システム
1a 撹拌槽
1b 濾過装置
1c 固化処理部
10 槽本体
15 回転軸(撹拌機構)
16 撹拌翼(撹拌機構)
17 モータ(撹拌機構)
21 土壌供給口(土壌供給部)
30 タンク(水供給部)
31 水供給パイプ(水供給部)
35 開閉弁(水供給部)
36 ストレーナ(水供給部)
40 処理剤収容器(処理剤供給部)
41 処理剤供給パイプ(処理剤供給部)
50 貝殻粉末収容器(貝殻粉末供給部)
51 貝殻粉末供給パイプ(貝殻粉末供給部)
61 懸濁液排出パイプ(懸濁液排出部)
65 開閉弁(懸濁液排出部)
66 ストレーナ(懸濁液排出部)
71 泥分排出パイプ(泥分排出部)
75 開閉弁(泥分排出部)
81 第一濾過層
82 多孔質材濾過層
82a,82b82c 第二濾過層(多孔質材濾過層)
82’ 第三濾過層(多孔質材濾過層)
85 処理水排出パイプ(処理水排出部)
f1 不織布フィルタ
P 汚染土壌
M 泥分
A 硬化剤
S 固化体
W 処理水

Claims (3)

  1. 内容物を収容する槽本体、
    該槽本体に収容された内容物を撹拌する撹拌機構、
    前記槽本体の内部に放射性物質で汚染された汚染土壌を導入する土壌導入部、
    前記槽本体の内部に水または放射性物質で汚染された汚染水を供給する水供給部、
    前記槽本体の内部に界面活性剤を含む処理剤を供給する処理剤供給部、
    前記槽本体の内部に平均粒子径が5μm〜10μmの焼成貝殻粉末を供給する貝殻粉末供給部、
    前記槽本体の内部での撹拌により前記汚染土壌から離脱した放射性物質を担持する前記焼成貝殻粉末が水媒体に懸濁している懸濁液を、前記槽本体から排出する懸濁液排出部、及び
    前記懸濁液と分離された泥分を、前記槽本体から排出する泥分排出部、
    を備えている撹拌槽と、
    前記懸濁液排出部から排出された前記懸濁液を濾過する、複数の不織布フィルタが積層された第一濾過層、
    前記第一濾過層を通過した液体を濾過する、多孔質鉱物の粉末または多孔質セラミックスの粉末が充填された第二濾過層及び活性炭が充填された第三濾過層の少なくとも一方を有する多孔質材濾過層、並びに、
    該多孔質材濾過層を通過した液体を排出する処理水排出部
    を備えている濾過装置と、
    前記泥分排出部から排出された前記泥分を受容し、セメントを含む硬化剤が添加された前記泥分を固化させる固化処理部と
    を具備することを特徴とする汚染土壌処理システム。
  2. 前記不織布フィルタは、目付が500g/m〜800g/mである
    ことを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌処理システム。
  3. 前記多孔質材濾過層は、前記第二濾過層及び前記第三濾過層の双方を備えている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の汚染土壌処理システム。
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