JP3198589B2 - 表面波装置 - Google Patents
表面波装置Info
- Publication number
- JP3198589B2 JP3198589B2 JP06748792A JP6748792A JP3198589B2 JP 3198589 B2 JP3198589 B2 JP 3198589B2 JP 06748792 A JP06748792 A JP 06748792A JP 6748792 A JP6748792 A JP 6748792A JP 3198589 B2 JP3198589 B2 JP 3198589B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acoustic wave
- surface acoustic
- piezoelectric substrate
- bgs
- wave
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Surface Acoustic Wave Elements And Circuit Networks Thereof (AREA)
Description
ように変位が表面波伝播方向と垂直な方向の変位を主体
とするSHタイプの表面波を利用した表面波装置に関
し、特に、圧電基板を構成する材料を改良することによ
り共振特性及び耐熱性が高められた表面波装置に関す
る。
が伝播方向と垂直な方向の変位を主体とするSHタイプ
の表面波としてBGS波が知られている。図1は、従来
より公知のBGS波を利用した表面波共振子を示す。図
1において、1は圧電基板を示し、圧電セラミックス等
の圧電材料により構成されている。圧電基板1の上面に
は、くし歯電極2,3が形成されている。くし歯電極
2,3は、互いに間挿し合う複数の電極指2a,3aを
有する。なお、矢印Pは分極方向を示す。
電極2,3から交流電界を印加することにより、表面波
伝播方向Xと垂直な方向の変位のみ、すなわち横波成分
しか有しないBGS波が励振される。そして、励振され
たBGS波は、圧電基板1の自由端面1a,1b間にお
いて完全に反射される。従って、レーリー波を利用した
表面波共振子では、くし歯電極の側方に反射器を構成す
る必要があったのに対し、BGS波を利用した表面波共
振子4では、このような反射器を省略することができ
る。よって、レーリー波を利用した表面波共振子に比べ
て、チップサイズを1/10程度と大幅に小型化するこ
とができ、かつ自由端面1a,1bの精度を高めること
により、5MHz〜70MHzの高周波帯域で使用し得
るデバイスを提供することができるという大きな利点を
有する。
記のような構造を有する表面波共振子4において、イン
ピーダンス−周波数特性曲線上に現れるリップルや不要
応答を低減するためには、圧電基板1を構成するための
圧電材料として、弾性定数C 33 D の弾性定数C44 E に対
する比C33 D /C44 E が4より大きな材料を用いればよ
いことが開示されている。
波を利用した表面波共振子4を実際に作製した場合、自
由端面1a,1bの精度を高め、かつ上記先行技術に記
載の圧電材料を用いた場合、リップルや不要応答を低減
することは可能であるものの、共振の最大位相角が小さ
く、共振周波数におけるインピーダンス(Zr)と***
振周波数におけるインピーダンス(Za)の比である山
谷比=20log(Za/Zr)が比較的小さかった。
を、発振子として使用した場合、発振が生じなかった
り、発振が生じたとしても発振停止が生じやすいという
問題があった。よって、チップサイズの小型化及び高周
波域における応用が可能であるという大きな利点を有す
るものの、上記のような種々の問題点を解決することが
渇望されていた。
特性における共振の最大位相角が十分に大きく、かつ上
記山谷比が大きい、SHタイプの表面波を利用した表面
波装置を提供することにある。
を利用した表面波装置において、自由端面の精度を可能
な限り高めても上記のような問題が生じることに鑑み、
圧電基板を構成するための圧電材料を種々用意し、検討
した結果、下記の特定の圧電セラミックスを用いれば、
上記課題を達成し得ることを見出し、本発明をなすに至
った。すなわち、本発明は、圧電基板を伝播する表面波
のうち変位が表面波伝播方向と垂直な方向の変位を主体
とする表面波を利用し、分極軸が表面波伝播方向と垂直
方向でありかつ圧電基板表面と平行とされている表面波
装置において、圧電基板が、a{Pb(Mn1/3 Nb
2/3 )O3 }−b(PbZrO3 )−c(PbTi
O3 )で表され、a+b+c=1.0であり、かつa、
b及びcが、下記の表2に示す値である組成A〜Fで囲
まれる範囲内の組成を有する圧電セラミックスにより構
成されていることを特徴とする。
定の組成の圧電セラミックスにより構成されているた
め、後述の実施例から明らかなように、共振の最大位相
角及び山谷比すなわち共振周波数におけるインピーダン
ス(Zr)と***振周波数におけるインピーダンス(Z
a)の比=20log(Za/Zr)が充分大きな値と
される。従って、本発明を利用することにより、BGS
波のような自由端面において完全に反射されるSHタイ
プの表面波を利用した表面波装置において、共振特性が
改善されるため、従来のレーリー波を利用した表面波装
置に比べてはるかに小型であるだけでなく、かつ特性に
おいても優れた表面波装置を提供することが可能とな
る。
り、本発明を明らかにする。主発原料として、PbO、
TiO2 、MnCO3 、Nb2 O5 、及びZrO2を用
意した。これらの各粉末を秤量し、下記の表3に示す組
成を有する試料番号1〜27の原料粉末を用意した。得
られた各原料粉末をボールミルにより湿式混合及び粉砕
し、しかる後700〜900℃の温度で仮焼した。次
に、仮焼された各原料粉末100重量部に対し、PVA
などの有機バインダーを5重量部加え、湿式粉砕し、整
粒し、しかる後平板状の形状となるように成形した。得
られた各成形体を、1000〜1300℃の温度で焼成
し、平板状の磁器基板を得た。焼成後、得られた各磁器
基板を研磨し、分極用の電極を形成し、50〜200℃
の絶縁油中において2〜3.5kV/mmの電場に置
き、30〜60分間分極処理することにより、磁器基板
表面と平行な方向に分極した。
器基板の一方主面に、図2に示したくし歯電極2,3を
形成し、BGS波を利用した表面波共振子を作製した。
試料番号1〜27の各原料粉末を用いて得られた各表面
波共振子につき、それぞれ、BGS波の電気機械結合係
数(KBGS )、山谷比{20log(Za/Zr)}及
び共振の最大位相角を下記の要領で測定した。結果を、
下記の表4に示す。インピーダンス測定器を用いること
により、共振周波数、***振周波数、並びに共振周波数
及び***振周波数におけるインピーダンス値及び位相を
測定し、計算により、上記KBGS 、山谷比及び最大位相
角を求めた。
た試料番号1,5,6,19,21,22,26及び2
7は、いずれも本発明の範囲外の組成の圧電セラミック
スを用いて圧電基板が構成されているものに相当する。
試料番号1では、a=0であるためか、山谷比が31d
Bと比較的小さく、最大位相角も70度と小さいことが
わかる。また、試料番号5では、c=0.85とPbT
iO3 のモル比が高いため、電気機械結合係数KBGS が
15.2%と低いことがわかる。試料番号6では、上記
モル比a〜cが、上述した組成A〜Fで囲まれる範囲の
組成を有しないためか、山谷比が37dBと低いことが
わかる。
と、PbZrO3 のモル比が高いため、KBGS が10.
6%と低く、かつ山谷比も30dBと低いことがわか
る。試料番号21では、c=0.05とPbTiO3 の
モル比が低いためか、電気機械結合係数KBGS が7.2
%と低く、最大位相角も70度と小さいことがわかる。
試料番号22では、b=0.05とPbZrO3 のモル
比が低いためか、電気機械結合係数KBGS が8.3%と
非常に小さいことがわかる。試料番号26及び27で
は、a=0.45とPb(Mn1/3 Nb2/3 )O3 のモ
ル比が高いためか、インピーダンス−周波数特性上にお
いてリップルや不要応答が強く発生していたため、上記
KBGS 、山谷比及び最大位相角を正確に算出することが
できなかった。
n1/3 Nb2/3 )O3 、PbTiO 3 及びPbZrO3
についての三成分系組成図において、A〜Fの組成で囲
まれる範囲の組成を有する試料番号2〜4、7〜18、
20、23〜25では、得られた表面波共振子は、いず
れも、KBGS が20%以上と大きく、山谷比も41dB
以上と大きく、かつ最大位相角についても84度以上と
大きかった。従って、上記試料番号1〜27についての
結果から明らかなように、図2に示した三成分系組成図
において、点A〜Fで囲まれる組成を有する圧電基板を
用いることにより、共振特性の優れた表面波共振子の得
られることがわかる。
ては、図1に示した表面波共振子4に限定されるもので
はなく、トランスバーサルフィルタや二重モードフィル
タ等にも本発明を適用することができる。例えば、図3
(a)に示すように、格子状の反射器を用いた二重モー
ドフィルタ30は、フィルタを構成するためのインター
デジタルトランスデューサ部分32の側方に反射器3
3,34を設けたものであるが、このようなフィルタ3
0にも本発明を適用し得る。同様に、図3(b)に示す
ように、格子状の反射器を用いずに、図1に示した端面
反射型の表面波共振子と同様に端面を反射器として利用
するようにすれば、圧電基板41の表面波伝播方向の長
さを比較的短くすることができる。
図。
となるPb(Mn1/3 Nb2/3)O3 −PbTiO3 −
PbZrO3 の三成分系組成図。
される二重モードフィルタを説明するための各略図的平
面図。
Claims (1)
- 【請求項1】 圧電基板を伝播する表面波のうち変位が
表面波伝播方向と垂直な方向の変位を主体とする表面波
を利用し、分極軸が表面波の伝播方向と垂直方向であ
り、かつ圧電基板表面と平行にされている表面波装置に
おいて、 前記圧電基板が、a{Pb(Mn1/3 Nb2/3 O3 )}
−b(PbZrO3 )−c(PbTiO3 )、で表さ
れ、但し、a+b+c=1であり、かつ前記a、b及び
cが、下記の表1に示す値である組成A〜Fで囲まれる
範囲内の組成を有する圧電セラミックスにより構成され
ていることを特徴とする、表面波装置。 【表1】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06748792A JP3198589B2 (ja) | 1992-03-25 | 1992-03-25 | 表面波装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06748792A JP3198589B2 (ja) | 1992-03-25 | 1992-03-25 | 表面波装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05275967A JPH05275967A (ja) | 1993-10-22 |
JP3198589B2 true JP3198589B2 (ja) | 2001-08-13 |
Family
ID=13346391
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06748792A Expired - Lifetime JP3198589B2 (ja) | 1992-03-25 | 1992-03-25 | 表面波装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3198589B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3562402B2 (ja) * | 1999-09-29 | 2004-09-08 | 株式会社村田製作所 | 圧電磁器材料およびこれを用いた表面波装置 |
JP4983538B2 (ja) * | 2007-10-18 | 2012-07-25 | Tdk株式会社 | 圧電磁器組成物、及び発振子 |
JP4992796B2 (ja) * | 2008-03-31 | 2012-08-08 | Tdk株式会社 | 発振子 |
-
1992
- 1992-03-25 JP JP06748792A patent/JP3198589B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
電子通信学会技術研究報告Vol.91,No.446(US91−80),1992年1月28日,p.21−27 |
電子通信学会超音波研究会資料US73−11,1973年8月28日 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05275967A (ja) | 1993-10-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2790178B2 (ja) | 電歪共振装置 | |
KR960005381B1 (ko) | 표면파 장치 | |
JP2000151351A (ja) | 弾性表面波素子 | |
US5057801A (en) | Filter device of piezo-electric type including divided co-planar electrodes | |
JP3198613B2 (ja) | 表面波装置 | |
JP3198589B2 (ja) | 表面波装置 | |
JPH09205337A (ja) | 表面波装置 | |
JP3562402B2 (ja) | 圧電磁器材料およびこれを用いた表面波装置 | |
US5714830A (en) | Free edge reflective-type surface acoustic wave device | |
JPH05145369A (ja) | 表面波装置 | |
KR100465975B1 (ko) | 표면파 장치 및 통신기 | |
JPS61154211A (ja) | セラミツク共振子 | |
JPH05183376A (ja) | 表面波装置 | |
US6369488B1 (en) | Piezoelectric device | |
JPH0993078A (ja) | 圧電装置 | |
JP3198300B2 (ja) | KNbO3圧電素子 | |
JPH05145368A (ja) | 表面波装置 | |
JPS60140918A (ja) | 弾性表面波共振子 | |
JPH0151072B2 (ja) | ||
JPS5943620A (ja) | 圧電セラミクス素子 | |
JP3239399B2 (ja) | 表面波装置 | |
JPH08321641A (ja) | 非線形デバイス | |
JP2881251B2 (ja) | 圧電共振子 | |
JPH08333158A (ja) | 圧電磁器組成物とこれを用いた圧電共振子の製造方法 | |
TW486863B (en) | Piezoelectric device |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080615 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090615 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090615 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100615 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110615 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120615 Year of fee payment: 11 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120615 Year of fee payment: 11 |