JP3198216B2 - 電圧非直線抵抗体およびその製造方法 - Google Patents

電圧非直線抵抗体およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電圧非直線抵抗体お
よびその製造方法、さらに詳しくは、酸化亜鉛を主成分
とする焼結体からなり、例えば避雷器、サージアブソー
バーなどに好適に用いられる電圧非直線抵抗体およびそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、酸化亜鉛に酸化ビスマス、酸化コ
バルトや他の酸化物を添加した焼結体が顕著な電圧非直
線性を示すことはよく知られており、急峻(サージ)電
流を吸収することによって回路素子を保護するサージ・
アブソーバーや、落雷などの異常電圧から電力機器を保
護する避雷器として幅広く実用に供されている。
【0003】従来の代表的な焼結体は、図8に示された
微細構造の模式図に表されているような構造を有する。
即ち、粒子径が1μm〜数μm程度のアンチモン化合物
からなるスピネル粒子1は、酸化亜鉛粒子2内に存在す
るものと、酸化亜鉛の三重点(多重点)付近に存在する
酸化ビスマス3を主成分とする粒界層の内部やこれと隣
接して存在するものとの2つの状態がある。酸化ビスマ
ス3の一部分は、多重点のみならず、酸化亜鉛粒子2間
の深部にまで侵入している場合も見られる。図中4は、
酸化亜鉛内の双晶境界である。
【0004】酸化亜鉛を主成分とする粒子自身は単に抵
抗体として作用し、酸化亜鉛粒子2−酸化亜鉛粒子2の
境界部分で電圧非直線性を示すことは、ポイント電極を
用いた実験から明かにされている(G.D.Mahan、L.M.Levin
son and H.R.Phillip、“Theo-ry of conduction in ZnO
varistors"、J.Appl.Phys.50(4)2799(1979))。この酸化
亜鉛粒子2−酸化亜鉛粒子2の境界(粒界)の数がバリ
スタ電圧を決めることが実験で確かめられている。
【0005】このような微細構造を有する酸化亜鉛を主
成分とする焼結体は、通常図9に示すような電圧−電流
(V−I)特性を有する。このV−Iカーブは物理的メ
カニズムから3つの領域に分けられる。 (1)粒界のショットキーバリアによって電流が制限さ
れ、印加電圧に対して漏れ電流の小さい領域。(図9の
Lを含む領域で、その代表値として約φ(直径)100
mmの大きさの素子に対しては、10μAが一般的に選
ばれる。) (2)印加電圧が大きくなり、粒界を通過するトンネル
電流が増加し、印加電圧に対して急激に抵抗が小さくな
る領域。(図9のSを含む領域で、その代表値として約
φ100mmの大きさの素子に対しては、1〜3mAが
一般的に選ばれる。) (3)ZnO自身の抵抗により決まるV−I領域。(図
9のHを含む領域で、その代表値として約φ100mm
の大きさの素子に対しては、10kAが一般的に選ばれ
る。)
【0006】n型半導体である焼結体中の酸化亜鉛粒子
は、結晶粒界に過剰の酸素が吸着すると界面に電子の捕
獲準位が形成され、ここに電子が捕獲されるために粒界
面にそって電子が存在しない空乏層が生成し、結局粒界
部分に電子的バリア(ショットキー・バリア)が形成さ
れる。そのため、このショットキー・バリアのバリアハ
イトが大きいほど漏れ電流が小さくなり、小電流領域の
平坦性がより優れた抵抗体となる。小電流領域の平坦性
には粒界での電気特性が大きく影響する一方で、大電流
領域の平坦性には酸化亜鉛自身の抵抗が大きく影響す
る。酸化亜鉛自身の抵抗が大きくなると平坦性が悪化す
るため、酸化亜鉛自身の抵抗は小さいほうがよい。
【0007】近年、電力分野では送電電圧の高電圧化に
伴い、各種送電機器を保護するために、避雷器の高性能
化が強く要求されている。この要求に応えるべく、より
優れた特性をそなえた電圧非直線抵抗体、たとえば、避
雷器特性の重要な要素である平坦率(抵抗体の非直線性
を表し、図9に示すように大電流領域Hでの電圧VH
小電流領域Lでの電圧VL との比率VH/VL であり、
特にバリスタ電圧VS との比率VS/VLを小電流領域の
平坦率、VH/VSを大電流領域の平坦率という)のより
小さく、かつ、より高エネルギーのサージを吸収できる
エネルギー耐量に優れた素子に対する市場の要望はます
ます大きくなっている。
【0008】平坦率を小さくするには、抵抗体の電圧非
直線性を良くする、即ち、酸化亜鉛粒子間の粒界に存在
するショットキー・バリアのバリアハイトを高くするよ
うな製造技術、またエネルギー耐量をよくするために
は、抵抗体全体を緻密で均質にできるような製造技術の
確立が必要となる。このため、添加物効果の実験を繰返
し行なってきた。しかしながら、従来の技術では、大電
流領域の平坦率を改善する効果は同時に小電流領域の平
坦率を悪化させ、逆に小電流領域の平坦率を改善する効
果は同時に大電流領域の平坦率を悪化させた。そこで、
大電流領域、小電流領域両方の平坦率を小さくする方法
として、酸化性雰囲気の下で焼成することを試みた。
【0009】酸化亜鉛結晶粒子間の粒界に十分な酸素を
供給するには、一般に固体よりも液体の拡散速度の方が
速いため、酸化ビスマスを主成分とする粒界層が融解し
ている温度領域で長時間焼成することが望ましい。しか
しながら、酸化性雰囲気中での焼成は小電流領域での平
坦率を20〜40%小さくできる一方で、焼結体中の空
孔が多くなり、耐湿性に問題があることがわかった。
【0010】焼結体である以上、抵抗体中には多少の空
孔が存在することは避けられない。しかし、直径1μm
以下の小さな空孔が余りにも多いと、湿度の高い環境下
で使用した場合吸湿し、電圧−電流特性に影響を与え
る。特に避雷器においては、電力機器を保護するその役
割から、あらゆる環境の下で使用しても安定な特性を有
し、信頼性の高いものが要求される。そのため、湿度に
よる電気特性の変化は問題となる。
【0011】また、酸化亜鉛結晶粒数個分(φ100μ
m程度)に相当する比較的大きな空孔が多いと、抵抗体
は緻密さを失い、密度も小さくなる。このような抵抗体
では電流分布が均一ではないので、高いエネルギーのサ
ージが加わった場合には、局部的に発熱温度が高くな
り、電圧−電流特性が劣化し、ますます局部的に電流が
流れるという悪循環に陥る。そして、素子破壊が生じや
すくなり、エネルギー耐量は低下する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述したような電圧非
直線抵抗体では、酸化性雰囲気中で焼成を行なうと、空
気中焼成では困難であった小電流領域の平坦性を大幅に
改善できるが、空孔率が増加し、エネルギー耐量の低
下、吸湿による電気特性劣化が新たに生じるという問題
点があった。この発明は、このような問題点を解決する
ためになされたもので、焼結体中の空孔が少なく、緻密
で、抵抗体全体が均質で、エネルギー耐量に優れ、しか
も平坦率が小さい、酸化亜鉛を主成分とする電圧非直線
抵抗体およびその製造方法を得ることを目的とする。
【0013】この発明の請求項1に係る発明は、酸化亜
鉛を主成分とし、酸化ビスマス、酸化アンチモン、酸化
クロム、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化マンガン、
酸化ケイ素、酸化アルミニウムおよび酸化ホウ素を含有
する原料を秤量、混合して所定形状に成形した後、空気
中で第1段階の焼成を行い、再度酸化性雰囲気中で第2
段階の焼成を行う2段階焼成方式による電圧非直線抵抗
体の製造方法であって、第1段階の焼成における昇温過
程では、500℃から最高焼成温度までの少なくとも一
部の温度領域における昇温速度を30℃/時間以下と
し、第2段階の焼成における昇温過程では、昇温速度を
50〜500℃/時間とすると共に、第2段階の焼成に
おける降温過程では、最高焼成温度を950℃以上でか
つ第1段階の最高焼成温度を越えない温度とし、さらに
降温速度変化点を900〜650℃とし、最高焼成温度
からこの降温速度変化点までの降温速度を15〜200
℃/時間とし、この降温速度変化点から室温までの降温
速度を50℃/時間以下とするものである。
【0014】この発明の請求項2に係る発明は、請求項
1記載の製造方法により製造された電圧非直線抵抗体で
あって、その任意の部位における直径6nm〜1μmの
空孔率が5μl/g以下としたものである。
【0015】この発明の請求項3に係る発明は、請求項
1記載の製造方法により製造された電圧非直線抵抗体で
あって、焼結体全体の嵩密度が、原料の単純モル分率か
ら計算によって求められる理論密度の94〜97%であ
ることを特徴とする電圧非直線抵抗体。
【0016】この発明の請求項4に係る発明は、請求項
1記載の製造方法により製造された電圧非直線抵抗体で
あって、焼結体全体の嵩密度分布の最大最小の差が平均
値の3%以下であることを特徴とする電圧非直線抵抗
体。
【0017】この発明の請求項1においては、まず第1
段階の空気中焼成時に、ゆっくり焼成反応を進ませるこ
とにより、空孔が少なく、緻密で、全体に均質な焼成体
を得る。そして、次に行う酸化性雰囲気中での第2段階
の焼成時に、酸化亜鉛結晶粒子間の粒界に十分な酸素を
供給し、粒界部分の。ショットキー・バリアのバリアハ
イトを高くする。これらの作用によって、エネルギー耐
量に優れ、かつ、平坦率の小さな電圧非直線抵抗体を得
る。
【0018】この発明の請求項2においては、電圧非直
線抵抗体中の空孔率が5μl/g以下であると、抵抗体
中の空孔が少なく吸湿による電気特性劣化を受けない。
【0019】この発明の請求項3においては、嵩密度が
理論密度の94〜97%であり、焼結が非常に緻密とな
る。
【0020】この発明の請求項4においては、嵩密度の
ばらつきを3%以下とし、焼結体内部を均一かつ緻密に
し、エネルギー耐量を良好とする。
【0021】
【実施例】この発明の電圧非直線抵抗体は、上述したよ
うに、酸化亜鉛を主成分とし、酸化ビスマス、酸化アン
チモン、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸
化マンガン、酸化ケイ素、酸化アルミニウムおよび酸化
ホウ素を含有して混合し、所定形状に成形したのち、空
気中焼成後、再度酸化性雰囲気中で焼成する2段階焼成
方式を特徴とする製造方法により製造するものである。
【0022】酸化ビスマスは、通常平均粒径が1〜5μ
mのものが用いられる。この酸化ビスマスの配合量は、
5mol(モル)%よりも多い場合には酸化亜鉛粒子成
長抑制効果に対して逆効果となり、また、0.1mol
%よりも少ない場合には漏れ電流が増加する。従って、
電圧非直線抵抗体の原料(以下、単に原料という)中に
Bi23に換算して0.1〜5mol%、特に好ましく
は0.2〜2mol%含有されるように調製することが
望ましい。
【0023】酸化アンチモンは、バリスタ電圧を大きく
する性質を有するものである。かかる酸化アンチモンと
しては、通常平均粒子径が0.5〜5μmのものが用い
られる。この酸化アンチモンの配合量は、5mol%よ
りも多い場合には酸化亜鉛との反応物であるスピネル粒
子(絶縁物)が多く存在し、電流の通電パスが大きく制
限されるため、エネルギー耐量が小さくなって破壊しや
すくなり、また、0.5mol%よりも少ない場合には
酸化亜鉛粒子成長の抑制効果が十分に発揮されなくな
る。従って、原料中にSb23に換算して0.5〜5m
ol%、特に好ましくは0.7〜2mol%含有される
ように調製することが望ましい。
【0024】また、この発明の電圧非直線抵抗体におい
ては、電圧非直線性を改善させるために酸化クロム、酸
化ニッケル、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化ケイ素
が配合される。これらの成分としては、通常平均粒径が
5μm以下のものを用いることが好ましい。なお、十分
な電圧非直線性を付与せしめるためには、これらの成分
の配合はそれぞれ原料中にNiO、Co34、Mn
34、SiO2 に換算して0.1mol%以上、特に好
ましくは0.2mol%以上含有されるように調製され
ることが望ましい。しかしながら、5mol%よりも配
合量が多すぎる場合には、絶縁物であるスピネル相、パ
イロクロア相(スピネル生成反応の中間反応物質)およ
びケイ酸亜鉛量が多くなり、電流の通電パスが曲折する
ためにエネルギー耐量の減少や、電圧非直線性が悪化す
る傾向がある。従って、原料中にNiO、Co34、M
34、SiO2 に換算して3mol%以下、特に好ま
しくは2mol%以下含有されるように調製することが
望ましい。
【0025】また、この発明においては、酸化亜鉛粒子
の抵抗を下げ、電圧非直線性を改善させるために、また
酸化ビスマスをより低融化させ、その流動性を良くして
粒子間に存在する空孔(pore)を有効に減らすよう
に、たとえば酸化アルミニウムをAl23に換算して
0.0001〜0.01mol%、酸化ホウ素をB23
に換算して0.001〜0.1mol%原料中に含有し
てもよい。
【0026】電圧非直線抵抗体の原料の残部は酸化亜鉛
であるが、電圧非直線性の改善、エネルギー耐量の向上
および長寿命化の総合的観点から、酸化亜鉛の配合量は
原料中にZnOに換算して90〜97mol%、特に好
ましくは92〜96mol%含有されるように調製する
ことが望ましい。
【0027】次に、上述した原料からなるこの発明の電
圧非直線抵抗体の製造方法について説明する。まず、原
料の平均粒子径をボールミルなどを用いて適宜調整した
後、例えばポリビニルアルコール水溶液などを用いてス
ラリーを形成し、スプレードライヤーなどを用いて乾燥
させて造粒する。得られた造粒粉を、たとえば200〜
500kgf/cm2 程度の加圧力で一軸性加圧を施
し、所定形状の粉末成形体を作製する。粉末成形体から
バインダー(たとえばポリビニルアルコール)を除去す
るために、この粉末成形体を600℃程度の温度で予備
加熱後、焼成する。
【0028】第1段階における焼成は、少なくとも空気
中で最高温度を1000〜1300℃、好ましくは11
00〜1270℃として1〜20時間、好ましくは3〜
10時間保持して行なう。この焼成による昇温過程は、
酸化亜鉛粒子間に存在する粒界の主成分となる酸化ビス
マスの流動性をよくし、粒子間に残る空孔を有効に減ら
すため、500℃以上の酸化ビスマスの溶融温度領域で
は、30℃/hr(時間)以下、好ましくは25℃/h
r以下とする。
【0029】第2段階における焼成は、少なくとも酸素
分圧が80容量%以上の酸化性雰囲気となるよう調整す
ることが望ましい。第1段階の焼成によって、空孔が少
なく、緻密で、全体に均質な焼結体を得たため、この焼
成では酸化亜鉛粒子の酸素欠損を小さくし、さらに過剰
な酸素を酸化亜鉛粒子間の粒界に供給することを目的と
する。このため、酸化亜鉛粒子間に存在する粒界の主成
分となる酸化ビスマスの流動性をよくし、酸素イオンの
良導体である酸化ビスマスを介して酸素を供給して、シ
ョットキー・バリアのバリアハイトをより高くする効果
を有する。従って、昇温過程においては50〜500℃
/hr、好ましくは100〜200℃/hr、また降温
過程においては酸化ビスマスの結晶化温度領域とその近
傍領域周辺すなわち降温速度変化点(650〜900
℃)を境に降温速度を前半は15〜200℃/hr、好
ましくは30〜150℃/hr、後半は50℃/hr以
下、好ましくは30℃/hr以下とすることが望まし
い。
【0030】以上の条件は、固相反応が十分に起こり、
焼結反応が十分に進行し、より優れた特性を有する焼結
体を得るための条件であり、特に降温速度を変化させる
酸化ビスマスの結晶化温度領域は配合によって微妙に温
度領域が異なるため、たとえばTMA(熱分析装置)な
どを用いて設定することができる。この発明の電圧非直
線抵抗体は、まず空気中で第1段階目の焼成を行い、再
度酸化性雰囲気中で第2段階目の焼成を行う方法によ
り、エネルギー耐量に優れ、平坦率も小さく、耐湿性に
優れた、素子の高性能化の要請に応え得るものである。
【0031】次に、この発明の電圧非直線抵抗体および
その製造方法を実施例および比較例に基づいてさらに詳
細に説明するが、この発明はかかる実施例のみに限定さ
れるものではない。
【0032】実施例1. 試料1〜9および比較試料1〜11.酸化亜鉛、酸化ビ
スマス、酸化アンチモン、酸化クロム、酸化ニッケル、
酸化コバルト、酸化マンガン、酸化ケイ素、酸化アルミ
ニウム、および酸化ホウ素をそれぞれ表1に示すような
形に換算し、含有量を調整した。
【0033】
【表1】
【0034】前記酸化亜鉛は、乾式法(昇華法)によっ
て合成されたもので、平均粒径は1μm、酸化アンチモ
ンの平均粒径は5μm、これら以外の原料の平均粒径は
ほぼ5μm以下となるように調製した。また、原料の純
度は、工業品グレード(99.0〜99.9%)とし
た。
【0035】次に、前記原料と、バインダとしてポリビ
ニルアルコール水溶液をディスパーミルを用いて混合
し、スラリーを形成した後、スプレードライヤーを用い
て乾燥し、造粒した。得られた造粒粉を200〜500
kgf/cm2 の加圧力で一軸性加圧し、粉末成形体を
得た。なお、試料1〜9および比較試料1〜7では呼び
径φ125mm、厚さ30mmとした。これらの粉末成
形体を、600℃で5時間予備加熱をしてバインダーを
除去した。
【0036】続いて、焼成雰囲気、最高温度を表2に示
す条件に従い焼成を行った。但し、焼成の温度パターン
は図1(a)、(b)に示すとおりで、Vaは第1段階
焼成における500℃から最高焼成温度までの昇温速
度、Vbは第1段階焼成における最高焼成温度からの降
温速度、Vcは第2段階焼成における最高焼成温度まで
の昇温速度、Taは第2段階焼成における最高焼成温
度、Vdは第2段階焼成における最高焼成温度から降温
速度変化点までの降温速度、Tbは第2段階焼成におけ
る降温速度変化点、Veは第2段階焼成における降温速
度変化点以降の降温速度を表す。
【0037】
【表2】
【0038】得られた電圧非直線抵抗体素子を研磨し、
洗浄した後、アルミニウム電極を形成し、各種の電気特
性を測定した。測定において、VL=V10μA、VS=V
3mA、VH=V10KAとした。表3には、小電流領域の平坦
率(VS/VL)と大電流領域の平坦率(VH/VS)それ
ぞれの第1段階焼成後の測定値を基準にした第2段階焼
成後の変化率を示す。
【0039】
【表3】
【0040】また、電気特性測定後、これらの素子を切
断し、空孔率と嵩密度を測定した。素子中央部から、5
mm角の試料を切り出した後、研磨紙#320から#8
00までを用いて順に表面を研磨した試料について、空
孔率(μl/g)を水銀圧入式ポロシメーター(市販
品:島津製ポアサイザ9310、圧力測定範囲0〜30
000psi、細孔直径6nm以上の測定が可能)によ
り測定した。測定結果の一例を図2に示す。
【0041】ここで、直径が酸化亜鉛結晶粒(〜数μ
m)以下の空孔が実際に吸湿劣化に影響を与えると考え
られるため、試料表面に残る1μmを越える研磨傷を除
いた、φ6nm〜1μmの空孔による累積空孔率を表3
に示した。同様に素子中央部と周辺部から図3に示すよ
うに5mm角の試料を切り出し、研磨紙#320から#
800までを用いて順に表面を研磨した。150℃で2
時間乾燥した後の乾燥重量W1 を測定し、2時間の煮沸
を行ない、飽水重量W2 と水中重量W3 を測定した。こ
れらから、嵩密度Dを次の式(1)によって求めた。但
し、ρは測定した温度における水の密度を表す。
【0042】
【数1】
【0043】得られた嵩密度の平均値を表3に示す。表
2および表3に示された結果から、以下のことがわか
る。第1段階における空気中焼成での昇温速度が100
℃/hrよりも速い場合は、本試料および比較試料のよ
うに大口径であると抵抗体内部の焼結反応が表面付近に
比べ遅れて、ほとんどの素子に割れが生じた。試料1、
2および比較試料1を比較して、昇温速度が遅いほど素
子内の焼結反応が均一になり、空孔率は小さく、嵩密度
は大きくなって望ましい特性を有する抵抗体が得られ
た。次に、試料1、3および4を比較して、第1段階に
おける空気中焼成での降温速度は速いほど大電流領域の
平坦率が多少改善されているが、特性に大きく影響を与
える要素ではない。従って、ここでの降温速度は第2段
階目の焼成を考慮して、製造条件の許す範囲内で早めれ
ば良い。
【0044】さらに、試料1、5および6を比較して、
第2段階における酸化性雰囲気(試料では酸素分圧10
0容量%)中焼成での昇温速度は、50〜200℃/h
rの間で平坦率に大きな変化は見られない。しかしなが
ら、500℃/hr以上で昇温すると抵抗体に割れが生
じ、また、第1段階焼結を完了しているので、生産効
率、経済性を考慮すると500℃/hr以下、好ましく
は50〜200℃/hrとすることが望ましい。
【0045】また、試料1、および比較試料2〜7を比
較して、第2段階における最高焼成温度は、第1段階に
おけるそれより高い場合には、比較試料6、7のように
小電流領域の平坦率が大きく改善されるものの、同時に
空孔率が大きくなり素子が吸湿劣化を引き起こす原因と
なる。一方、最高焼成温度が950℃よりも低い場合に
は比較試料2のように小電流領域の平坦率が悪化し、2
段階焼成の効果を発揮できなくなる。この様子を図4に
示す。従って、第2段階における最高焼成温度は、2段
階焼成の効果を発揮できる950℃以上で、吸湿劣化の
影響がでないよう第1段階における最高焼成温度を越え
ないことが望ましい。
【0046】また、試料1、7および比較試料8を比較
して、第2段階における焼成での最高温度から降温速度
変化点までの降温速度は、速いほど大電流領域の平坦率
を小さくするが、200℃/hrより速い場合には同時
に小電流領域の平坦率を悪化するために、15〜200
℃/hr、好ましくは30〜150℃/hrとすること
が望ましい。
【0047】第2段階の焼成における降温速度変化点
は、本焼成で非常に重要な要素となる。即ち、この降温
過程において酸化亜鉛粒子の酸素欠陥を小さくし、さら
に過剰な酸素を酸化亜鉛粒子間の粒界に供給することを
目的とするため、酸素イオンの良導体である酸化ビスマ
スの結晶化温度領域とその近傍温度領域で降温速度を変
化させる。試料1、8および比較試料9、10を比較し
て、この変化点を低くしていくと小電流領域の平坦率が
悪くなり、2段階焼成の効果が現れなくなる。また、こ
の変化点を高くすると大きな特性の変化は見られない。
降温速度変化点以降の降温速度はそれ以前より遅くしな
ければ小電流領域の平坦性を改善できないので、生産効
率を考慮すると、降温速度変化点は効果の現れる範囲で
低温になるよう設定すべきである。従って、原料の組
成、焼成時の諸条件によって550〜950℃、特に好
ましくは650〜900℃の間で設定することが望まし
い。
【0048】さらに、試料1、9および比較試料11を
比較して、第2段階の焼成における降温速度変化点以降
の降温速度は、遅いほど小電流領域の平坦率が小さくな
り、100℃/hrでは特性が悪化するため50℃/h
r以下、特に好ましくは30℃/hr以下とすることが
望ましい。次に理論密度の計算方法を示す。原料iの分
子量をAi、密度をρi(g/cm3)、モル分率をMi
(%)とするとき、原料の重量Wは、次の式(2)で示さ
れる。
【0049】
【数2】
【0050】また、原料の体積Vは、次の式(3)で示さ
れる。
【0051】
【数3】
【0052】これから論理密度ρtは次の式(4)のよう
に求める。
【0053】
【数4】
【0054】ただし、出発原料が硝酸塩や炭酸塩である
場合は、500〜600℃で安定な酸化物に換算する。
たとえば、酸化マンガンの出発原料をMnCO3 とした
場合はMn34に換算し、酸化アルミニウムをAl(N
33とした場合はAl23に換算して計算する。表1
に示したモル分率から計算で求まる理論密度は5.64
g/cm3 であり、表3より本発明試料による焼結体全
体の嵩密度はこの理論密度の94〜97%(5.30〜
5.47g/cm3)の範囲内にあり、非常に緻密に焼結
していることがわかる。
【0055】実施例2. 試料10〜12および比較試料12〜16.試料1〜9
および比較試料1〜11と同条件で原料を調製して成形
したのち、600℃で5時間予備加熱をした。続いて、
焼成雰囲気、最高温度を表4に示す条件に従い焼成を行
なった。
【0056】
【表4】
【0057】得られた素子を研磨し、洗浄した後、アル
ミニウム電極を形成し、各種電気特性を測定した。ま
た、電気特性測定後、これらの素子を切断し、前記試料
1〜9および比較試料1〜11と同様にして空孔率を測
定した。これらの結果を表5に示す。
【0058】
【表5】
【0059】これらの結果より、酸化性雰囲気中焼成で
は小電流領域の平坦率が空気中焼成に比べ改善されてい
るが、空孔率は大きくなり、耐量も低下している。一度
このような状態に焼結してしまった素子を第2段回目の
焼成で改善させるのは容易なことではない。即ち、緻密
さ、空孔率といった素子内部の形態に関する要素は、こ
こでは最初の焼成によって決定される。この意味で比較
試料13〜16は特に2段階方式の焼成を行なっていな
いが、これから述べる嵩密度、空孔率においては差がな
いものと考える。
【0060】特に、試料10、11および比較試料12
を比較すると、昇温速度Vaを大きくするほど空孔率は
増加する。この傾向は、比較試料13、14および1
5、16の比較により、空気中のそれに比べ酸化性雰囲
気中では顕著である。これらの抵抗体において、図3に
示す部位の嵩密度を測定しその分布を調べた結果を図5
に示す。また、各部位の最大値と最小値の差(ばらつ
き)が、平均値のどの程度あるかを示した嵩密度のばら
つき(%)を表5に示す。
【0061】図5より、表面周辺に比べ中央部は嵩密度
が小さく、全体が均一に焼結できていない。これも空孔
率と同様で、試料10、11および比較試料12を比較
すると、昇温速度Vaが速いほどその差は大きくなり、
比較試料13、14、15および16より、空気中に比
べ酸化性雰囲気中であるとより顕著である。即ち、昇温
速度が速いと抵抗体の表面周辺と内部に温度差が生じ、
全体が均一に焼結できなくなっていて、それは空気中焼
結に比べ酸化性雰囲気中焼成の方が著しいことを示して
いる。
【0062】また、前記空孔率の増加、嵩密度分布のば
らつきは図6に示すような抵抗体の吸湿による電気特性
劣化を引き起こす。ここで、図中の電気特性劣化率
(%)は通常のよく乾いた状態で測定したVL と、25
℃、R.H.80%で40時間保持した後測定した
L′との差△VL(=VL−VL′)の比、△VL/VL
ある。即ち、この電気特性劣化率が大きいほどVL が悪
化したことを示す。図6より、抵抗体の空孔率は5μl
/g以下であると電気特性劣化率が10%以内になり、
安定して使用できる。この場合の嵩密度の各部位におけ
る最大最小の差は、平均値の3%以内におさまってい
る。
【0063】即ち、空気中焼成では特に問題にならなか
った吸湿による電気特性劣化が、第1段階の焼成におい
て、昇温速度が30℃/hrを越えて余りに速い場合
や、酸化性雰囲気の下で焼成した場合、抵抗体中の空孔
が増加し、電気特性の劣化となって表面化する。この空
孔率の増加は、抵抗体全体の嵩密度分布にまで影響を及
ぼし、結果的にエネルギー耐量も低下させる。前記のと
おり、空孔率が5μl/g以下であれば抵抗体中の空孔
が少なく、嵩密度の分布も均一に近づく。表5に示すと
おり、嵩密度のばらつきが3%以内であればエネルギー
耐量も良く、焼結体内部が均一、かつ緻密なために安定
して使用できる。
【0064】空気中での1回の焼成は大電流領域の平坦
率、空孔率、嵩密度は良いものの、小電流領域の平坦率
をこれ以上向上させることは難しい。その点、酸化性雰
囲気の下で焼成を行なうと、小電流領域の平坦率は大幅
に改善されるが、大電流領域の平坦率が悪くなり、空孔
率も非常に大きくなる。この発明による2段階焼成法で
は、双方の焼成における優れた作用が最大限素子製造に
生かされるような焼成パターンである。
【0065】なお、上述した試料では、第2段階焼成に
おける酸化性雰囲気中での酸素分圧を全て100容量%
としたが、酸素分圧をパラメータとする平坦率VH/VL
の値の変化は図7に示されるとおりであり、酸素分圧が
高いほど小さい値を示すが、実質的には80容量%以上
であれば問題はなく、同様に適用できる。
【0066】また、この発明における第1段階焼成で使
用する加熱炉については、大気中で焼成が可能で、か
つ、当該温度パターンで焼成できるものであればトンネ
ル炉、プッシャー炉、バッチ炉等どの形式のものであっ
てもよい。また、この発明における第2段階焼成で使用
する加熱炉についても、酸素分圧が80容量%以上に保
持でき、かつ、当該温度パターンで焼成できるものであ
れば同様に炉の形式にはこだわらない。
【0067】さらに、この発明における焼成は、トンネ
ル炉を2連として焼成する方法、同一バッチ炉で空気、
酸化性雰囲気の焼成温度パターンを制御して2回焼成す
る方法などが考えられる。無論、前記トンネル炉とバッ
チ炉との組合せ等、炉の形式および方法には特に制限さ
れることなく、上述した試料と同様にこの発明を適用で
き、同様な効果を奏することができる。
【0068】
【発明の効果】以上説明したとおり、この発明の請求項
1は、酸化亜鉛を主成分とし、酸化ビスマス、酸化アン
チモン、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸
化マンガン、酸化ケイ素、酸化アルミニウムおよび酸化
ホウ素を含有する原料を秤量、混合して所定形状に成形
した後、空気中で第1段階の焼成を行い、再度酸化性雰
囲気中で第2段階の焼成を行う2段階焼成方式による電
圧非直線抵抗体の製造方法であって、第1段階の焼成に
おける昇温過程では、500℃から最高焼成温度までの
少なくとも一部の温度領域における昇温速度を30℃/
時間以下とし、第2段階の焼成における昇温過程では、
昇温速度を50〜500℃/時間とすると共に、第2段
階の焼成における降温過程では、最高焼成温度を950
℃以上でかつ第1段階の最高焼成温度を越えない温度と
し、さらに降温速度変化点を900〜650℃とし、最
高焼成温度からこの降温速度変化点までの降温速度を1
5〜200℃/時間とし、この降温速度変化点から室温
までの降温速度を50℃/時間以下とするので、内部組
織の空孔が少なく、緻密で全体に均質であると共に、エ
ネルギー耐量に優れ、平坦率の小さい、吸湿による電気
特性劣化のない電圧非直線抵抗体が得られるという効果
を奏する。
【0069】この発明の請求項2に係る発明は、請求項
1記載の製造方法により製造された電圧非直線抵抗体で
あって、その任意の部位における直径6nm〜1μmの
空孔率が5μl/g以下であるので、吸湿による電気特
性劣化を受けない電圧非直線抵抗体が得られるという効
果を奏する。。
【0070】この発明の請求項3に係る発明は、請求項
1記載の製造方法により製造された電圧非直線抵抗体で
あって、焼結体全体の嵩密度が、原料の単純モル分率か
ら計算によって求められる理論密度の94〜97%であ
るので、非常に緻密に焼結した電圧非直線抵抗体が得ら
れるという効果を奏する。
【0071】この発明の請求項4に係る発明は、請求項
1記載の製造方法により製造された電圧非直線抵抗体で
あって、焼結体全体の嵩密度分布の最大最小の差が平均
値の3%以下であるので、焼結体内部が均一かつ緻密な
ためにエネルギー耐量に優れ、安定して使用できる電圧
非直線抵抗体が得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例による2段階焼成温度パ
ターンを示す概略図である。
【図2】 この発明の試料および比較試料における水銀
ポロシメーターの代表的測定結果を示す線図である。
【図3】 この発明の試料および比較試料において嵩密
度を測定した試料の位置を示す概略図である。
【図4】 この発明の試料1および比較試料2〜7にお
ける第2段階焼成温度と電気特性劣化率(%)および小
電流領域平坦性変化率(%)との関係を示す線図であ
る。
【図5】 この発明の試料10〜12および比較試料1
2〜16において測定した嵩密度と測定位置との関係を
示す線図である。
【図6】 この発明の試料10〜12および比較試料1
2〜16において測定した空孔率と吸湿による電気特性
劣化率(%)の関係を示す線図である。
【図7】 焼成雰囲気中の酸素濃度とVH/VLとの関係
を示す線図である。
【図8】 従来の電圧非直線抵抗体の一般的な微細構造
を示す模式図である。
【図9】 従来の電圧非直線抵抗体の電流・電圧特性を
示す線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高田 良雄 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 材料デバイス研究所内 (72)発明者 中條 博史 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 材料デバイス研究所内 (72)発明者 小林 啓一郎 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 材料デバイス研究所内 (72)発明者 中村 秀城 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 材料デバイス研究所内 (72)発明者 藤原 幸雄 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 伊丹製作所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01C 7/10 C04B 35/453

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化亜鉛を主成分とし、酸化ビスマス、
    酸化アンチモン、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化コバ
    ルト、酸化マンガン、酸化ケイ素、酸化アルミニウムお
    よび酸化ホウ素を含有する原料を秤量、混合して所定形
    状に成形した後、空気中で第1段階の焼成を行い、再度
    酸化性雰囲気中で第2段階の焼成を行う2段階焼成方式
    による電圧非直線抵抗体の製造方法であって、第1段階
    の焼成における昇温過程では、500℃から最高焼成温
    度までの少なくとも一部の温度領域における昇温速度を
    30℃/時間以下とし、第2段階の焼成における昇温過
    程では、昇温速度を50〜500℃/時間とすると共
    に、第2段階の焼成における降温過程では、最高焼成温
    度を950℃以上でかつ第1段階の最高焼成温度を越え
    ない温度とし、さらに降温速度変化点を900〜650
    ℃とし、最高焼成温度からこの降温速度変化点までの降
    温速度を15〜200℃/時間とし、この降温速度変化
    点から室温までの降温速度を50℃/時間以下とするこ
    とを特徴とする電圧非直線抵抗体の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製造方法により製造され
    た電圧非直線抵抗体であって、その任意の部位における
    直径6nm〜1μmの空孔率が5μl/g以下であるこ
    とを特徴とする電圧非直線抵抗体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の製造方法により製造され
    た電圧非直線抵抗体であって、焼結体全体の嵩密度が、
    原料の単純モル分率から計算によって求められる理論密
    度の94〜97%であることを特徴とする電圧非直線抵
    抗体。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の製造方法により製造され
    た電圧非直線抵抗体であって、焼結体全体の嵩密度分布
    の最大最小の差が平均値の3%以下であることを特徴と
    する電圧非直線抵抗体。
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