JP3197982U - 塗布膜除去装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウェハ端部の塗布膜を除去することのできる塗布膜除去装置を提供する。【解決手段】塗布膜除去装置において、基板Wを保持して回転させる基板保持機構と、基板Wに塗布された塗布膜の端部を除去する端部除去機構460と、基板保持機構又は端部除去機構460を移動させる移動機構とを具備し、端部除去機構460は、基板端部の上面に向けて薬液を吐出する上面薬液吐出部464及び基板端部の下面に向けて薬液を吐出する下面薬液吐出部471と、基板の上面及び下面に向けて乾燥ガスを吐出する気体吐出部と、吐出された薬液と乾燥ガスを吸引する吸引部463を有し、上面薬液吐出部464は、基板Wの回転方向側へ向けて鋭角に傾けて薬液を塗布する。【選択図】図13
Description
本考案は、基板上に形成された塗布膜のうち、その端部に形成された塗布膜を除去する塗布膜除去装置に関する。
近年、例えば半導体デバイスの製造プロセスにおいて、半導体ウェハ(以下、「ウェハ」とする)の大口径化が進んでいる。また、実装などの特定の工程において、ウェハの薄型化が求められている。例えば大口径で薄いウェハを、そのまま搬送したり、研磨処理したりすると、ウェハに反りや割れが生じる恐れがある。このため、例えばウェハを補強するために、支持基板であるウェハやガラス基板にウェハを貼り付けることが行われている。
かかるウェハと支持基板の貼り合わせは、例えば貼り合わせ装置を用いて、ウェハと支持基板との間に接着剤を介在させることにより行われている。貼り合わせ装置は、例えばウェハを保持する第一保持部材と、支持基板を保持する第二保持部材と、ウェハと支持基板との間に配置される接着剤を加熱する加熱機構と、少なくとも第一保持部材又は第二保持部材を上下方向に移動させる移動機構とを有している。そして、この貼り合わせ装置では、ウェハと支持基板との間に接着剤を供給して、当該接着剤を加熱した後、ウェハと支持基板を押圧して貼り合わせている(特許文献1)。
特許文献1の装置を用いてウェハと支持基板を押圧して貼り合せを行うと、当該ウェハと支持基板の間から接着剤がはみ出る。よって、ウェハ端面部における接着剤の除去が要求されている。接着剤などウェハ上に塗布された塗布液が形成する塗布膜の端面部の除去方法としては、ウェハへの塗布液塗布後に、ウェハを回転しながらウェハ端面部に溶剤(除去液)を鉛直下向きに吐出することでウェハ端面部の塗布膜(処理膜)除去を行う手法が知られている(特許文献2)。
ウェハに塗布する塗布液の種類や膜厚等の影響により、特許文献2に記載の手法では微細な加工が困難であった。また、ウェハ端面部に吐出した溶剤の一部が塗布膜に入りこみ、塗布膜の端面部が盛り上がるという不具合もあった。さらに、ウェハ端面部の除去幅が均一にならないという不具合もあった。
本考案は、基板に塗布された塗布膜の端部を除去する塗布膜除去装置において、前記基板を保持して回転させる基板保持機構と、前記基板に塗布された塗布膜の端部を除去する端部除去機構と、前記基板保持機構又は端部除去機構を移動させる移動機構とを具備し、前記端部除去機構は、前記基板端部の上面に向けて薬液を吐出する上面薬液吐出部及び前記基板端部の下面に向けて薬液を吐出する下面薬液吐出部と、基板の上面及び下面に向けて乾燥ガスを吐出する気体吐出部と、吐出された前記薬液と前記乾燥ガスを吸引する吸引部を有し、前記上面薬液吐出部は、前記基板の回転方向側へ向けて鋭角に傾けて前記薬液を塗布することを特徴としている。
前記上面薬液吐出部は、前記吸引部の幅方向中心位置に向けて前記薬液を吐出してもよい。
前記上面薬液吐出部は、前記基板の回転方向側へ向けて25°乃至45°に傾けて前記薬液を塗布してもよい。
前記端部除去機構は、前記基板端部の上面及び下面に向けて乾燥ガスを吐出する気体吐出部と吐出された前記薬液と前記乾燥ガスを吸引する為の吸引部を有し、前記上面薬液吐出部及び前記下面吐出部よりも基板中心方向側に前記気体吐出部が配置されていてもよい。
前記気体吐出部は、スリット状の吐出口を有し、前記基板の端面部外側へ向けて乾燥ガスを吐出してもよい。
本考案によれば、基板に塗布された塗布膜の端部を良好に除去することができる。
以下、本考案の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる接合システム1の構成の概略を示す平面図である。図2は、接合システム1の内部構成の概略を示す側面図である。
接合システム1では、図3に示すように例えば接着剤Gを介して、被処理基板としての被処理ウェハWと支持基板としての支持ウェハSとを接合する。接合システム1では、被処理ウェハWと支持ウェハSを接合して、重合基板としての重合ウェハTを形成する。なお、被処理ウェハWは、製品となるウェハであって、例えば接合面に複数の電子回路が形成されており、非接合面が研磨処理される。また、支持ウェハSは、被処理ウェハWの径と同じ径を有し、当該被処理ウェハWを支持するウェハである。なお、本実施の形態では、支持基板としてウェハを用いた場合について説明するが、例えばガラス基板等の他の基板を用いてもよい。
接合システム1は、図1に示すように例えば外部との間で複数の被処理ウェハW、複数の支持ウェハS、複数の重合ウェハTをそれぞれ収容可能なカセットCW、CS、CTが搬入出される搬入出ステーション2と、被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTに対して所定の処理を施す各種処理装置を備えた処理ステーション3とを一体に接続した構成を有している。
搬入出ステーション2には、カセット載置台10が設けられている。カセット載置台10には、複数、例えば4つのカセット載置板11が設けられている。カセット載置板11は、X方向(図1中の上下方向)に一列に並べて配置されている。これらのカセット載置板11には、接合システム1の外部に対してカセットCW、CS、CTを搬入出する際に、カセットCW、CS、CTを載置することができる。このように搬入出ステーション2は、複数の被処理ウェハW、複数の支持ウェハS、複数の重合ウェハTを保有可能に構成されている。なお、カセット載置板11の個数は、本実施の形態に限定されず、任意に決定することができる。また、カセットの1つを不具合ウェハの回収用として用いてもよい。すなわち、種々の要因で被処理ウェハWと支持ウェハSとの接合に不具合が生じたウェハを、他の正常な重合ウェハTと分離することができるカセットである。本実施の形態においては、複数のカセットCTのうち、1つのカセットCTを不具合ウェハの回収用として用い、他方のカセットCTを正常な重合ウェハTの収容用として用いている。
搬入出ステーション2には、カセット載置台10に隣接してウェハ搬送部20が設けられている。ウェハ搬送部20には、X方向に延伸する搬送路21上を移動自在なウェハ搬送装置22が設けられている。ウェハ搬送装置22は、鉛直方向及び鉛直軸周り(θ方向)にも移動自在であり、各カセット載置板11上のカセットCW、CS、CTと、後述する処理ステーション3の第3の処理ブロックG3のトランジション装置50、51との間で被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTを搬送できる。
処理ステーション3には、各種処理装置を備えた複数例えば3つの処理ブロックG1、G2、G3が設けられている。例えば処理ステーション3の正面側(図1中のX方向負方向側)には、第1の処理ブロックG1が設けられ、処理ステーション3の背面側(図1中のX方向正方向側)には、第2の処理ブロックG2が設けられている。また、処理ステーション3の搬入出ステーション2側(図1中のY方向負方向側)には、第3の処理ブロックG3が設けられている。
例えば第1の処理ブロックG1には、接着剤Gを介して被処理ウェハWと支持ウェハSとを押圧して接合する接合装置30〜33が、搬入出ステーション2側からこの順でY方向に並べて配置されている。
例えば第2の処理ブロックG2には、図2に示すように被処理ウェハWに接着剤Gを塗布する塗布装置40と塗布した接着剤Gを除去する塗布膜除去装置41と、接着剤Gが塗布された被処理ウェハWを所定の温度に加熱する熱処理装置42〜43と、同様の熱処理装置44〜46とが、搬入出ステーション2側に向かう方向(図2中のY方向負方向)にこの順で並べて配置されている。熱処理装置42〜43と熱処理装置44〜46は、それぞれ下からこの順で3段に設けられている。なお、熱処理装置42〜46の装置数や鉛直方向及び水平方向の配置は任意に設定することができる。
例えば第3の処理ブロックG3には、被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTのトランジション装置50、51が下からこの順で2段に設けられている。
図1に示すように第1の処理ブロックG1〜第3の処理ブロックG3に囲まれた領域には、ウェハ搬送領域60が形成されている。ウェハ搬送領域60には、例えばウェハ搬送装置61が配置されている。なお、ウェハ搬送領域60内の圧力は大気圧以上であり、当該ウェハ搬送領域60において、被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTのいわゆる大気系の搬送が行われる。
ウェハ搬送装置61は、例えば鉛直方向、水平方向(Y方向、X方向)及び鉛直軸周りに移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置61は、ウェハ搬送領域60内を移動し、周囲の第1の処理ブロックG1、第2の処理ブロックG2及び第3の処理ブロックG3内の所定の装置に被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTを搬送できる。
次に、本考案の要部となる塗布膜除去装置41の構成について説明する。塗布膜除去装置41は、図4および図5に示すように、被処理ウェハWを保持する基板保持機構440を有している。基板保持機構440は、被処理ウェハWを保持して回転させる回転チャック443を有している。回転チャック443は、水平な上面を有し、当該上面には、例えば被処理ウェハWを吸引する吸引口(図示せず)が設けられている。真空ポンプ(図示せず)等を用いて、この吸引口から吸引することにより、被処理ウェハWを回転チャック443上に吸着保持できる。
回転チャック443は、例えばモータなどを備えた回転機構(図示せず)を有し、回転チャック443を所定の速度に回転することができる。
また、回転チャック443は、チャック保持ベース442に固定されている。チャック保持ベース442は、移動機構445で移動可能となっており、ガイドレール441上を水平方向(X方向)に直線状に移動することが可能となっている。また、ガイドレール441は、ベースプレート444上に固定されている。なお、回転チャック443の水平方向(X方向)移動については、タイミングベルト駆動やボールスクリュー駆動を用いてよい。
図6にて被処理ウェハWの端面検出機構450について説明する。回転チャック443のX軸正方向側(図6の手前側)には、被処理ウェハWの端面検出機構450が配置されている。被処理ウェハWの端面検出機構450は、端面検出ベース455の上に固定されている。また、端面検出ベース455は、ベースプレート444に固定されている。
被処理ウェハWの端面検出機構450には、図7及び図8に示したように、被処理ウェハWの端面検出の為の撮像素子である発光素子451と受光素子452がコの字形のセンサ固定部453に内蔵されている。例えば発光素子451は被処理ウェハW表面端部の上部に、受光素子452は被処理ウェハW裏面端部の下部に配置されており、被処理ウェハWの回転に伴って、被処理ウェハWの回転位置における被処理ウェハW端面部の位置検出を行い、その情報を制御部370へ送信する。
発光素子451から被処理ウェハW端面部に光が照射され、被処理ウェハW端面部に遮光されない光が受光素子452へ入ることで、被処理ウェハWの端面位置を正確に検出することが可能となっている。
次に、図9にて被処理ウェハWの端部除去機構460について説明する。回転チャック443のX軸正方向側(図9の手前側)には、被処理ウェハWの端部除去機構460が配置されている。被処理ウェハWの端部除去機構460は、端部除去ベース461の上に固定されている。また、端部除去ベース461は、ベースプレート444に固定されている。被処理ウェハWの端部除去機構460は、被処理ウェハW端部の塗布膜を除去する為に溶剤を吐出させたり、塗布膜を除去した被処理ウェハW端部を乾燥させる為に不活性ガスを吐出させたりすることができるようになっている。
図10〜図13にて被処理ウェハWの端部除去機構460の詳細について説明する。被処理ウェハWの端部除去機構460は、コの字形の形状をしており、被処理ウェハWを挟んで、被処理ウェハW表面の上部には、上部薬液吐出部464が、また被処理ウェハW裏面の下部には下部薬液吐出部471が配置されている。また、被処理ウェハWの端部を乾燥させる為に、被処理ウェハWを挟んで、被処理ウェハW表面の上部には、上部気体吐出部465が、また被処理ウェハW裏面の下部には下部気体吐出部470が配置されている。
上部薬液吐出部464及び下部薬液吐出部471は、被処理ウェハWの表面及び裏面に向けて薬液である溶剤を吐出することで、被処理ウェハW上の端部における接着剤Gを溶解することが可能となっている。また、上部薬液吐出部464及び下部薬液吐出部471の被処理ウェハW中心方向側には、被処理ウェハWの表面及び裏面に向けて気体である不活性ガスを吐出する上部気体吐出部465及び下部気体吐出部470が配置されており、被処理ウェハW上に吐出した溶剤を乾燥させることが可能となっている。
上部薬液吐出部464及び下部薬液吐出部471は、それぞれ上部薬液配管467及び下部薬液配管473に接続されており、それらはさらに、薬液供給機器474及び薬液供給源476に接続されている。また、上部気体吐出部465及び下部気体吐出部470も、それぞれ上部気体配管466及び下部気体配管472に接続されており、それらはさらに、気体供給機器475及び気体供給源477に接続されている。
図11に記載したように、上部薬液吐出部464及び下部薬液吐出部471の吐出口は、例えば注射針のような微細な丸型のノズル形状となっており、被処理ウェハWの周縁部上にピンポイントで溶剤を吐出することができる。また、図13に記載したように、上部薬液吐出部464の吐出口の向きは、鉛直下向きよりも被処理ウェハWの回転方向側へ向けて鋭角に傾いており、吐出口の傾きθの角度(図13において吐出口での鉛直下向きを示す一点鎖線と吐出方向を示す矢印との間の角度)は、25°乃至45°になっている。その為、被処理ウェハWの回転方向順方向に向けて溶剤を吐出するようになっている。吐出された溶剤が被処理ウェハWに到達する位置は、コの字形の端面除去機構460の左右中心位置すなわち、吸引管463の左右中心位置に設定される。上部薬液吐出部464から被処理ウェハWの回転方向側へ向けて鋭角に吐出された溶剤は、塗布膜へ入り込むのを防止でき、塗布膜端部の盛り上がりを解消するとともに、ウェハ端面部の除去幅を均一にすることが可能となっている。このように、上部薬液吐出部464は、従来鉛直下向きに向けて薬液を吐出していたのに対して、鉛直下向きよりも被処理ウェハWの回転方向側へ向けて鋭角に傾けて薬液を吐出する。
また、図12に記載したように、上部気体吐出部465及び下部気体吐出部470の吐出口は、例えばスリット状の形状をしており、吐出方向は、被処理ウェハWの周縁部側に向けられている為、上部薬液吐出部464及び下部薬液吐出部471から吐出された溶剤が被処理ウェハW中心部へ飛散するのを防止するバリアの役目を果たし、かつ被処理ウェハW端部の乾燥を促進する役割を担っている。
上記溶剤及び気体の吐出を行う際は、コの字形の端部除去機構460の背面部に配置された吸引管463により溶剤や気体の吸引を行うことで、それらの飛散を防止することが可能となっている。また、吸引管463は吸引配管468を経由してイジェクタ478に接続され、さらにその後段では吸引した廃液の処理がなされる。
以上の接合システム1には、図1に示すように制御部370が設けられている。制御部370は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、接合システム1における被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTの処理を制御するプログラムが格納されている。また、プログラム格納部には、上述の各種処理装置や搬送装置などの駆動系の動作を制御して、接合システム1における後述の接合処理を実現させるためのプログラムも格納されている。なお、前記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、その記憶媒体Hから制御部370にインストールされたものであってもよい。
次に、以上のように構成された接合システム1を用いて行われる被処理ウェハWと支持ウェハSの接合処理方法について説明する。
先ず、複数枚の被処理ウェハWを収容したカセットCW、複数枚の支持ウェハSを収容したカセットCS、及び空のカセットCTが、搬入出ステーション2の所定のカセット載置板11に載置される。その後、ウェハ搬送装置22によりカセットCW内の被処理ウェハWが取り出され、処理ステーション3の第3の処理ブロックG3のトランジション装置50に搬送される。
次に被処理ウェハWは、ウェハ搬送装置61によって塗布装置40に搬送される。
塗布装置40では、被処理ウェハWを回転させながら、被処理ウェハWの接合面に接着剤Gを供給する。供給された接着剤Gは遠心力により被処理ウェハWの接合面の全面に拡散されて、当該被処理ウェハWの接合面に接着剤Gが塗布される。
次に被処理ウェハWは、ウェハ搬送装置61によって塗布膜除去装置41に搬送される。塗布膜除去装置41では、被処理ウェハWの接合面に塗布された接着剤Gの端部が除去される。なお、塗布膜除去装置41で行われる接着剤Gの端部除去プロセスの詳細については、後述する。
次に被処理ウェハWは、ウェハ搬送装置61によって熱処理装置42に搬送される。
熱処理装置42では、加熱を行うことで被処理ウェハW上の接着剤Gが加熱され、当該接着剤Gが硬化する。
熱処理装置41で熱処理された被処理ウェハWは、ウェハ搬送装置61によって接合装置30に搬送される。
被処理ウェハWに上述した工程の処理が行われている間、当該被処理ウェハWに続いて支持ウェハSの処理が行われる。支持ウェハSは、ウェハ搬送装置61によって接合装置30に搬送される。なお、支持ウェハSが接合装置30に搬送される工程については、上記実施の形態と同様であるので説明を省略する。
接合装置30では、被処理ウェハWと支持ウェハSとが接着剤Gにより接着される。
その後、被処理ウェハWと支持ウェハSが接合された重合ウェハTは、接合装置30からウェハ搬送装置61に受け渡される。
次に重合ウェハTは、ウェハ搬送装置61によって熱処理装置42に搬送される。そして、熱処理装置42において、重合ウェハTは所定の温度、例えば常温(23℃)に温度調節される。その後、重合ウェハTは、ウェハ搬送装置61によってトランジション装置51に搬送され、その後搬入出ステーション2のウェハ搬送装置22によって所定のカセット載置板11のカセットCTに搬送される。こうして、一連の被処理ウェハWと支持ウェハSの接合処理が終了する。
被処理ウェハWは、以上に説明したようにして支持ウェハSと接合される。その際に、接合装置30で被処理ウェハWと支持ウェハSを加熱しながら押圧すると、図16に示すように被処理ウェハWと支持ウェハSの間から接着剤Gがはみ出る。そして、重合ウェハTの外側面からはみ出した外側接着剤GEが形成される。なお、重合ウェハTの外側面からはみ出した接着剤Gには、説明の便宜上、外側接着剤GEという個別の呼称を付与しているが、接着剤Gと外側接着剤GEは同一のものである。
ここで、接合システム1において接合処理を終了した後、被処理ウェハWは薄化される。被処理ウェハWが薄化される際、外側接着剤GEが薄化後の被処理ウェハWの端部(図16の一点鎖線)の位置より大き過ぎると、被処理ウェハWを薄化する装置に外側接着剤GEが付着してしまう。そうすると、被処理ウェハWを適切に薄化することができない。一方、外側接着剤GEが薄化後の被処理ウェハWの端部の位置より小さ過ぎると、被処理ウェハWの外周部が損傷を被る場合がある。すなわち、外側接着剤GEによって被処理ウェハWの外周部を保護する必要がある。したがって、上述した工程において重合ウェハTの外側面からはみ出た外側接着剤GEの大きさは、表面を除去後の外側接着剤GEの下端部の位置と、薄化後の被処理ウェハWの端部の位置が一致する大きさがよい。
そこで、上述した塗布膜除去装置41で塗布膜の端部を除去する工程において接着剤Gが除去される除去幅は被処理ウェハWの表面を除去後の外側接着剤GEの下端部の位置と、薄化後の被処理ウェハWの端部の位置が一致するように決定される。ここで、被処理ウェハWの端面部の接着剤Gが設定した除去幅通りに除去されない場合、重合ウェハTの外側からはみ出ることとなる。しかし、本実施例の形態では、以下に説明するように指定された除去幅通りに正確に端面除去を行うことで、この不具合が解消できる。
なお、被処理ウェハW上の接着剤Gが除去される幅は、制御部370によって、少なくとも接着剤Gの種類、被処理ウェハW上に塗布される接着剤Gの目標膜厚、被処理ウェハWを加熱する熱処理温度、又は被処理ウェハWと支持基板とを押圧する圧力に基づいて決定される。
以下に、塗布膜除去装置41で行われる接着剤Gの端部除去プロセスについて、図15のフローチャートを用いて説明する。塗布膜除去装置41に搬入された被処理ウェハWは、図5のように回転チャック443上に受け渡しされ吸着保持される(受渡位置P1)(図15の工程S1)。
次に、図6〜図8を用いて基板の端面検出プロセスについて説明する。回転チャック443は、被処理ウェハWを吸着保持しながら、被処理ウェハW端面部がコの字形の端面検出機構450の中に挿入される位置まで、ガイドレール441上を水平方向(X正方向)に移動する(図15の工程S2)。端面検出機構450の中に被処理ウェハWの端面部が挿入されると回転チャック443の水平移動を停止する(検出位置P2)。
その後、回転チャック443を低速で回転させながら、被処理ウェハWの端面部に対して発光素子451により発光した光を受光素子452により受光することで、被処理ウェハWの各回転位置における端面位置を検出し、検出した情報を記憶媒体に記憶させる(図15の工程S3)。この時の被処理ウェハWの回転速度は、3〜10rpmである。
端面検出機構450に挿入された位置(検出位置P2)で被処理ウェハWが360度1回転すると、被処理ウェハWの端面位置が全て検出され、そのデータが制御部370に送られて記憶される。その後、被処理ウェハWの回転を停止させる(図15の工程S4)。
次に、図9〜図13を用いて端部除去プロセスについて説明する。回転チャック443は、被処理ウェハW端面位置がコの字形の端部除去機構460に入り込む手前の位置(待機位置P4)までガイドレール441上を水平方向(X性方向)へ移動した後に移動を一時停止し、その後、被処理ウェハW端面位置がコの字形の端部除去機構460に入り込む位置(除去位置)まで、ガイドレール441上を水平方向(X正方向)に再移動させる(図15の工程S5)。端部除去機構460の中に被処理ウェハWの端部が挿入されると回転チャック443の水平移動を停止する(除去位置P3)。この時の被処理ウェハW挿入位置は、希望する除去幅によって決定される。なお、被処理ウェハWは、待機位置P4で一時停止せずに、検出位置P2から直接除去位置P3へ移動してもよい。
被処理ウェハWの端部がコの字形の端部除去機構460に入り込むと、イジェクタ478を動作させ吸引管463を介して吸引動作を行う。その後、被処理ウェハW端部の表面および裏面に向けて、上部薬液吐出部464および下部薬液吐出部471から溶剤を吐出させる。同時に、被処理ウェハW端部の表面および裏面に向けて、上部気体吐出部465および下部気体吐出部470より不活性ガスを吐出させる。(図15の工程S6)。なお、被処理ウェハWが待機位置に移動後に溶剤と不活性ガスを吐出し、その後に被処理ウェハWが除去位置に移動してもよい。そうすることにより、被処理ウェハW中心部への溶剤の飛散防止に効果を発揮する。
吐出された溶剤と不活性ガスを吸引管463で吸引しながら、被処理ウェハWの回転を開始する(図15の工程S7)。この時の回転チャック443の回転速度は例えば30rpmである。溶剤にて接着剤Gを溶かし、溶かした接着剤G及び溶剤を不活性ガスにて乾燥させ、更に溶かした接着剤G、溶剤及び不活性ガスを吸引管463で吸引することで、溶剤や接着剤Gを被処理ウェハW中心部へ飛散させることなく、被処理ウェハW端部の接着剤Gを一定の幅で除去することが可能となる(図15の工程S7)。これらの動作により、指定した回転数による処理時間にて被処理ウェハW端部の接着剤除去処理を実施する(図15の工程S8)
上部薬液吐出部464及び下部薬液吐出部471は、微細な丸型のノズル形状となっているため、被処理ウェハWの端部にピンポイントで溶剤を吐出することができる。それにより、被処理ウェハW端部における接着剤Gの塗布膜を微小な幅単位で除去することが可能となっている。さらに被処理ウェハWの端部除去機構460への挿入は、回転チャック443が水平移動することで行われ、その水平移動についてもモータ駆動を用いることにより微小な単位で制御可能となっている。
また、図13に記載したように、上部薬液吐出部464の吐出口の向きは、鉛直下向きよりも被処理ウェハWの回転方向側へ向けて鋭角に傾いており、被処理ウェハWの回転方向順方向に向けて溶剤を吐出するようになっている為、吐出された溶剤が被処理ウェハWに当たっても飛び散ることがなく、塗布膜へ入り込むのを防止できる為、塗布膜端部の盛り上がりを防止でき、さらにウェハ端面部の除去幅を均一にすることが可能となっている。
コの字形の端部除去機構460に対して被処理ウェハWをどのくらい挿入するかは、希望する除去幅の値によって決定される。希望する除去幅が大きければ大きいほど、端部除去機構460への被処理ウェハWの挿入位置は深くなる。除去幅は任意に設定が可能であり、端面検出機構460によって得られた被処理ウェハWの端面位置により、挿入位置を自動で制御することが可能であり、被処理ウェハW端部全域にわたって一定で微細な除去幅を得ることができる。
また、上部気体吐出部465及び下部気体吐出部470の吐出口形状は、例えばスリット状になっており、上部薬液吐出部464及び下部薬液吐出部471から吐出された溶剤を広い範囲で包み込むように吸引管463の方向へと気流を形成することができる。そのため、吐出された溶剤は、基板中央部へ飛び散ることがなく、吸引管463を通って排出することができる。
被処理ウェハWを回転させ、端部除去処理が終了したら溶剤と不活性ガスの吐出を停止し、その後吸引動作を停止する。吸引動作が停止した後に、被処理ウェハWの回転を停止させる
(図15の工程S9)。なお、被処理ウェハWの回転速度や回転回数は、使用する接着剤Gや溶剤により任意に設定することができる。また、吐出する溶剤や不活性ガスの流量についても、接着剤Gや溶剤の種類、接着剤Gの厚さにより任意に設定することができる。
(図15の工程S9)。なお、被処理ウェハWの回転速度や回転回数は、使用する接着剤Gや溶剤により任意に設定することができる。また、吐出する溶剤や不活性ガスの流量についても、接着剤Gや溶剤の種類、接着剤Gの厚さにより任意に設定することができる。
次に、被処理ウェハWを吸着した回転チャック443は、ガイドレール441上を水平方向(X負方向)へ移動し、被処理ウェハW受け渡し位置(受渡位置P1)まで移動した後に移動を停止(図15の工程S10)し、被処理ウェハWの吸着を解除する。
以上の実施の形態によれば、端面検出機構450によって得られた被処理ウェハWの端面位置により、端部除去機構460への被処理ウェハWの挿入位置を自動で制御することができる為、図14のように被処理ウェハW端部全域にわたって微細で均一な除去幅が得られる。また、吐出した溶剤や不活性ガスを吸引管463により吸引することで、溶剤や不活性ガスが被処理ウェハW表面や裏面へ飛散するのを防止することができる。
また、塗布装置40で被処理ウェハWに接着剤Gを塗布した後、塗布膜除去装置41で被処理ウェハWの外周部WE上の接着剤Gを除去している。かかる場合、接合装置30で接着剤Gが塗布された被処理ウェハWと接着剤Gが塗布されていない支持ウェハSとを押圧して接合する際に、被処理ウェハWと支持ウェハSの間からはみ出る外側接着剤GEを抑制することができる。そうすることで、例えばウェハ搬送装置61や、被処理ウェハW、支持ウェハS及び重合ウェハTに所定の処理を行う処理装置に外側接着剤GEが付着することがない。したがって、被処理ウェハWと支持ウェハSを適切に接合することができる。
さらに、塗布装置40内で被処理ウェハW上への接着剤Gの塗布を行い、塗布膜除去装置41内で被処理ウェハW上に塗布した接着剤の端面除去を行う為、それぞれの装置での処理時間が少なくて済み、スループットも向上する。
また、塗布膜除去装置41内での基板位置をP1〜P4に直線状に配置することにより、回転チャック443の移動距離を最小限にすることが可能で、その為、移動時間も少なくて済む。さらに、端面検出機構450や端部除去機構460の配置は、被処理ウェハWのウェハ搬送装置61による受渡しの際に干渉することもない。
以上の実施の形態では、移動機構445で基板保持機構440だけを移動させているが、基板保持機構440と端面検出機構450及び端部除去機構460との位置を相対的に移動させることができればよく、基板保持機構440を固定して端面検出機構450や端部除去機構460を移動させるようにしてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本考案の好適な実施の形態について説明したが、本考案はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本考案の技術的範囲に属するものと了解される。本考案はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。本考案は、塗布剤が接着剤に限らず、レジストや他の塗布剤である場合にも適用可能である。
1 接合システム
30〜33 接合装置
40 塗布装置
41 塗布膜除去装置
42〜46 熱処理装置
280 スピンチャック
292 接着剤ノズル
302 溶剤ノズル
370 制御部
450 端面検出機構
460 端部除去機構
480 端部乾燥機構
G 接着剤
GE 外側接着剤
P1 受渡位置
P2 検出位置
P3 除去位置
P4 待機位置
S 支持ウェハ
T 重合ウェハ
W 被処理ウェハ
30〜33 接合装置
40 塗布装置
41 塗布膜除去装置
42〜46 熱処理装置
280 スピンチャック
292 接着剤ノズル
302 溶剤ノズル
370 制御部
450 端面検出機構
460 端部除去機構
480 端部乾燥機構
G 接着剤
GE 外側接着剤
P1 受渡位置
P2 検出位置
P3 除去位置
P4 待機位置
S 支持ウェハ
T 重合ウェハ
W 被処理ウェハ
Claims (5)
- 基板に塗布された塗布膜の端部を除去する塗布膜除去装置において、
前記基板を保持して回転させる基板保持機構と、
前記基板に塗布された塗布膜の端部を除去する端部除去機構と、
前記基板保持機構又は端部除去機構を移動させる移動機構と、
を具備し、
前記端部除去機構は、
前記基板端部の上面に向けて薬液を吐出する上面薬液吐出部及び前記基板端部の下面に向けて薬液を吐出する下面薬液吐出部と、
基板の上面及び下面に向けて乾燥ガスを吐出する気体吐出部と、
吐出された前記薬液と前記乾燥ガスを吸引する吸引部を有し、
前記上面薬液吐出部は、前記基板の回転方向側へ向けて鋭角に傾けて前記薬液を塗布することを特徴とする塗布膜除去装置。 - 前記上面薬液吐出部は、前記吸引部の幅方向中心位置に向けて前記薬液を吐出することを特徴とする請求項1に記載の塗布膜除去装置。
- 前記上面薬液吐出部は、前記基板の回転方向側へ向けて25°乃至45°に傾けて前記薬液を塗布することを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布膜除去装置。
- 前記端部除去機構は、
前記上面薬液吐出部及び前記下面吐出部よりも基板中心方向側に前記気体吐出部が配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布膜除去装置。 - 前記気体吐出部は、スリット状の吐出口を有し、前記基板の端面部外側へ向けて乾燥ガスを吐出することを特徴とする請求項4に記載の塗布膜除去装置。
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