JP3197914B2 - 新規シクロプロパンカルボン酸エステルを含有する衣料用防虫剤 - Google Patents

新規シクロプロパンカルボン酸エステルを含有する衣料用防虫剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規シクロプロパンカ
ルボン酸エステルを有効成分とする衣料用防虫剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、シクロプロパンカルボン酸エステ
ル類の殺虫剤への応用が多く知られており、それらは化
合物の殺虫活性、物理的性質、安定性などの特性を複合
的に生かした適切な使用方法が設定され、実用に供され
てきた。
【0003】その化合物の具体例として2,2,3−ト
リメチルシクロプロパンカルボン酸を殺虫活性を有する
エステルとした例が報告されている[Agr.Bio
l.Chem.,31,1143(1967);ibi
d.37,2235(1973);ibid.39,1
483(1975)]。
【0004】殺虫剤の分野のうち特に衣料用防虫剤に関
しては、パラジクロロベンゼンが古くから使用されてい
るが、その臭気が衣料に残ることが欠点であった。これ
に比較して、近年使用され始めた第一菊酸のエステルで
あるベーパースリン[2,2−ジメチル−3−(2−メ
チル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸1−
エチニル−2−メチル−2−ペンテニルエステル、特公
昭55−42045号公報に記載の化合物]は臭がほ
とんど感じられず、また少量で充分な効果を発現するこ
とが利点とされている。
【0005】しかるに、ベーパースリンはその構造の中
にエチニル基を含む。エチニル基にはアセチレン性の水
素があり、これは飽和炭化水素や二重結合上の水素に比
較して反応性に富む。特に銅などの金属イオンとアセチ
リドを生成することは衆知の事実である。
【0006】衣料用の防虫剤として使用するに際して、
衣料の変質を来たさない物質が要求されることは論を待
たない。ベーパースリンはエチニル基を持つため、特に
銅などの金属などを含有する染料が使われている衣料を
変色させることが危惧される。
【0007】殺虫剤として分子中にエチニル基を持たな
い2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボ
ン酸ペンタフルオロベンジルエステルが提案されている
(特開昭56−75458号公報参照)が、後述の比較
例3から明らかなように防虫効果の持続性に問題があ
り、衣料用防虫剤として適しているとは言い難い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、衣料
を変質することなく防虫効果が高く、かつ実用に耐える
持続性を有する化合物を有効成分として含有する防虫剤
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的は、2,2,3−トリメチルシクロプロパンカルボン
酸2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジ
ルエステル(以下、本発明の化合物と称する)により達
成されることが見出された。
【0010】本発明の化合物は、衣料の変質の原因とな
るエチニル基などの反応性に富む官能基を持たず、さら
に防虫効果の発現と防虫効果の持続性を適度にバランス
させる分子の適正な大きさを有していることから、衣料
用防虫剤として、衣料を変色させることなく高い防虫効
果を示すだけでなく、防虫効果の持続性の点でもすぐれ
ている。
【0011】なお、本発明の化合物は式
【0012】
【化1】 で示される化学構造を有しており、文献未記載の新規化
合物である。
【0013】本発明の化合物は、公知の2,2,3−ト
リメチルシクロプロパンカルボン酸(I)又はその反応
性誘導体、及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−
メチルベンジルアルコール(II)を原料として、通常の
エステルの合成法に順じて合成することができる。ここ
で、反応性誘導体とは低級アルキル(メチル、エチル
等)エステル、酸塩化物、酸無水物あるいは混合酸無水
物を包含する。
【0014】2,2,3−トリメチルシクロプロパンカ
ルボン酸そのものを用いるときは、反応は脱水条件下で
行なわれる。すなわち、カルボン酸(I)とアルコール
(II)とを、ベンゼン、トルエン、n−ヘキサン、エー
テル等の溶媒中で、触媒として硫酸、p−トルエンスル
ホン酸等を用いて加熱し、生成する水を共沸等の操作で
除くことで本発明の化合物を得ることができる。
【0015】カルボン酸(I)の低級アルキルエステル
を使用する場合は、該エステルをアルコール(II)と無
溶媒あるいはトルエン、ヘキサン等の溶媒を用いて苛性
ソーダ、苛性カリ等の存在下に加熱し、生成する低級ア
ルコールを系外に除くことで本発明の化合物を得ること
ができる。
【0016】また、カルボン酸(I)の反応性誘導体
して酸塩化物を使用する場合は、ピリジン、トリエチル
アミン、N,N−ジメチルアニリン等の有機第3級塩基
を脱酸剤として用いて、該酸塩化物をアルコール(II)
とトルエン、ヘキサン、エーテル等の溶媒中で室温ある
いは加熱下に反応させることにより、本発明の化合物が
得られる。
【0017】カルボン酸(I)の反応性誘導体として
無水物あるいは混合酸無水物を使用する場合は、触媒は
特に必要とせず、該酸無水物あるいは該混合酸無水物を
アルコール(II)と室温ないしは加熱下に反応させるこ
とにより本発明の化合物が得られる。溶媒の使用は反応
を円滑に行なう上で好都合であるが不可欠ではない。
【0018】このようにして得られる本発明の化合物は
衣料用防虫剤として有用である。本発明の化合物を使用
するに際して、他の成分を加えずに単でも使用できる
が、場合によっては他の成分、担体等と共に製剤化して
用いることもできる。例えば、パルプ板等に吸着させた
剤形が好ましい。なお、本発明の化合物には、カルボン
酸部分に基づく立体異性体および光学異性体が存在する
が、これらのエステルも全て本発明の化合物に含まれ
る。
【0019】
【実施例】実施例1 ,2,3−トリメチルシクロプロパンカルボン酸2,
3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジルエス
テル(本発明の化合物)の合成 2,2,3−トリメチルシクロプロパンカルボン酸6.
3g(シス/トランス=55/45)を、塩化チオニル
を用いて常法により酸塩化物に誘導した。
【0020】この酸塩化物と2,3,5,6−テトラフ
ルオロ−4−メチルベンジルアルコール9.5g及び
N,N−ジメチルアニリン8.3gをジイソプロピルエ
ーテル100ml中に溶かし、5.5時間加熱還流した。
【0021】反応混合物を常法にて処理し、シリカゲル
カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン/
ベンゼン/酢酸エチル=50/10/1)により、本発
明の化合物のシス−体1.2g及びトランス−体0.8
gを無色油状物として得た。残りのフラクションはシス
−体とトランス−体の混合物であった。物性値は次のと
おりであった。
【0022】 nD 25(25℃の屈折率) シス−体 1.4680 トランス−体 1.4669 シス−体 重水素化クロロホルム中でのプロトンNMRのδ値: 1.13(シングレット,3H),1.20(シングレ
ット,6H), 1.23(ダブレット,J=8Hz,1H),1.40
(ダブレット, J=8Hz,1H),2.28(トリプレット,J=3H
z,3H), 5.17(シングレット,2H) 赤外線吸収スペクトル(カルボニル基による吸収)17
40cm-1 トランス−体 重水素化クロロホルム中でのプロトンNMRのδ値: 1.09(ダブレット,J=5Hz,3H),1.12
(ダブレット, J=5Hz,1H),1.12(シングレット,3H), 1.20(シングレット,3H),1.41(クインテ
ット, J=5Hz,1H),2.28(トリプレット,J=3H
z,3H), 5.19(カルテット,J=3Hz,2H) 赤外線吸収スペクトル(カルボニル基による吸収)17
40cm-1 参考例1 ,2,3−トリメチルシクロプロパンカルボン酸2,
3,4,5,6−ペンタフルオロベンジルエステルの合
成 2,2,3−トリメチルシクロプロパンカルボン酸(シ
ス/トランス=45/55)6ミリモルを、塩化チオニ
ルを用いて、常法により酸クロライドに変換した。これ
にベンゼン10mlを加えて希釈し、氷水浴上で冷却攪拌
しながら、更にペンタフルオロベンジルアルコール6ミ
リモルとピリジン7ミリモルをベンゼン10mlに溶かし
た溶液を滴下した。滴下終了後氷水浴を外し、反応液を
2時間加熱還流した。
【0023】反応混合物を、常法にて処理し、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン
/酢酸エチル=50/1)により、2,2,3−トリメ
チルシクロプロパンカルボン酸2,3,4,5,6−ペ
ンタフルオロベンジルエステルのシス−体370mg、シ
ス/トランス=1/1混合物310mg及びトランス−体
320mgを無色油状物として得た。物性値は次のとおり
であった。
【0024】 nD 25(25℃の屈折率) シス−体 1.4519 トランス−体 1.4508実施例2 本発明の化合物0.1gにBHT(2,6−ジ−t−ブ
チル−p−クレゾール:酸化防止剤)0.05gを加
え、適量のクロロホルムに溶解し3cm×2cm×0.3mm
(厚さ)のパルプ板の表面に均等に吸着させ、衣料用防
剤を得た。試験 例1 500mlのガラス製容器(通称、マヨネーズ瓶)の下部
に評価薬剤100mg、上部にイガ幼虫(学名Tinea
translucens Merick,57日令)
10頭と羊毛布を入れたステンレスのカゴを設置し、口
を密閉して温度20℃の恒温槽内に7日間放置した後、
イガ幼虫を取出し、致死頭数及び羊毛の食害重量を測定
した。
【0025】評価薬剤の効果は、下式により食害率及び
致死率で示した。
【0026】食害重量(mg)=試験前の羊毛糸重量−試
験後の羊毛重量
【0027】表1に示される結果から明らかなように、
本発明の化合物は充分な食害防止効果を示すことがわか
る。試験 例2および比較例1〜3 (効果の持続性確認の為の揮散性試験) 内径17mm、深さ8mmのガラス製のシャーレに本発明の
化合物のシス−体及びトランス−体(試験例2)、2,
2,3−トリメチルシクロプロパンカルボン酸2,3,
4,5,6−ペンタフルオロベンジルエステルのシス体
(比較例1)、ベーパースリン(比較例2)および2,
2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボン酸
2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジルエステル
(特開昭56−75458号公報記載の化合物)(比較
例3)をそれぞれ100mg取り、室温に放置し、揮散
量を31日間測定した。
【0028】
【0029】表2に示される結果から明らかなように、
本発明の化合物は1ケ月間の揮散量が20%未満で実用
に十分耐え得る効果の持続性が期待できる。
【0030】
【発明の効果】本発明の化合物は、衣料用防虫剤とし
て、衣料を変色させることなく高い防虫効果を示すだけ
でなく、効果の持続性にもすぐれている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 53/06 C07C 69/74 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2,2,3−トリメチルシクロプロパン
    カルボン酸2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチ
    ルベンジルエステルを有効成分として含有する衣料用防
    虫剤
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