JP3196890B2 - 多軸型振動撹拌装置 - Google Patents

多軸型振動撹拌装置

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JP3196890B2 JP07670298A JP7670298A JP3196890B2 JP 3196890 B2 JP3196890 B2 JP 3196890B2 JP 07670298 A JP07670298 A JP 07670298A JP 7670298 A JP7670298 A JP 7670298A JP 3196890 B2 JP3196890 B2 JP 3196890B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体、粉末または
これらの混合物である流体を容器内において混合、分
散、反応、乳化、脱泡するための振動撹拌装置、物品の
脱脂、洗浄のための撹拌装置あるいは物品への浸透をは
かるための振動撹拌装置に関するものである。即ち本発
明は容器例えばタンク、生産ラインに含まれる混合槽等
の中の液体、粉末またはこれらの混合物等の流体を、容
器内において混合、分散、洗浄、脱泡などを行うための
流体の振動撹拌装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者は、先に特開平3−27513
0(特公平6−71544)号公報、特開平6−226
097(特許第2707530)号公報、特開平6−3
04461号公報、特開平6−312124号公報、特
開平6−330395号公報、特開平8−173785
号公報などにおいて、振動羽根を1分間に200〜10
000回といった非常に多数の振動を振幅20mm以下
で0.1mm以上振動させることを基本とした種々の振
動撹拌装置に関する技術を提案し、世界初の実動装置を
市場に出すことに成功してきた。
【0003】これらの今まで提案してきた振動撹拌装置
は、図22および図23に示すように主として、(1)
1枚または複数の振動羽根9を1本の振動棒8にとりつ
けこの1本の振動棒8につき1個の振動モーター1を取
りつけるタイプ、(2)2本の振動棒8、8間に1枚ま
たは複数の振動羽根9をとりつけ、この2本の振動棒
8、8間に1枚または複数の振動羽根9をとりつけ、こ
の2本の振動棒8、8を基本振動部材2に連結して結ん
だ1組の振動ユニットを1個の振動モーター1にとりつ
けるタイプのものであった。
【0004】しかし、振動撹拌を必要とする槽が大型の
槽である場合や、いくつもの槽が並んで設けられている
場合には、前記(1)の振動棒8あるいは(2)の振動
ユニットの複数を1本の連結振動部材で結び、この両端
に同一ワット数の振動モーターを1個ずつ、合計2個を
とりつけることにより、使用する振動モーターの数を減
らすことを考えた。
【0005】ところが、思いもよらず両端の振動モータ
ーによる共振現象のせいか、複数の振動棒あるいは振動
ユニットのそれぞれの振動が均一に行われなかったり、
振動しないものが発生して実用化が不可能であることが
分かった。
【0006】例えば、両端の振動モーターとしてそれぞ
れ750Wのものを用い、一方の振動モーターを左廻
り、他方の振動モーターを右廻りとした場合、あるいは
両方の振動モーターを同じ左廻りとした場合において
は、それぞれの振動棒あるいは振動ユニットの振動が均
一でなく、撹拌も均一にできない。またインバーターで
両方の振動モーターの周波数を異なった周波数にすると
複数の振動棒や振動ユニットを連結している連結振動部
材が極端に激しく振動し、正常な撹拌ができず、また大
きな騒音を発生した。また、これを同一の周波数にする
と全体が共振するうえ、振動が不均一となり、振動が弱
いところやほとんど振動しない個所が発生した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、複数
の振動棒または振動ユニットを1本の連結振動部材で結
び、この両端に振動モーターをとりつけたタイプの振動
撹拌装置においても、両方の振動モーターによる共振が
発生しない振動撹拌装置を提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、振動羽根を有
する振動棒あるいは振動ユニットを連結振動部材に複数
個固定し、前記連結振動部材の両端部に出力例えばワッ
ト数(W数)の異なる振動モーターの振動が伝わるよう
な伝達機構を付与したことを特徴とする多軸型振動撹拌
装置に関する。
【0009】前記振動モーターは、10〜500Hzの
間の任意の振動を発生させることのできるインバーター
に接続することが好ましい。
【0010】市販の振動モーターには、40W、75
W、0.15kW、0.25kW、0.4kW、0.7
5kW、1.2kW、1.7kW、2.2kW、3.0
kW、5.0kW、20kW、37.5kW、50k
W、125kWなどいろいろのW数のものがあるが、本
発明は、ほぼ隣接するW数のモーターを組合せて使用す
ることができる。通常W数の小さい方の振動モーターの
出力W数に対して、W数の大きい方の振動モーターの出
力W数は1.25〜2.25倍のものであることが好ま
しい。
【0011】本発明において、振動モーターの振動軸に
何らかの手段で連結した連続振動部材に、振動棒あるい
は振動ユニットを連結するにあたっては、両者の接続部
に振動応力分散手段を設けることが好ましい。
【0012】このような応力分散手段としては、本発明
者の発明にかかる特開平8−173785号公報記載の
応力分散手段を挙げることができる。すなわち、一つの
振動応力分散手段は、振動発生装置と振動棒の接続部に
おいて、振動発生装置の下部および/または上部の振動
棒の周りに設けられるゴム質リングは、その長さが振動
棒の直径より長く、通常、振動棒の直径の3〜8倍であ
り、かつその太さが振動棒の直径より1.3〜3.0
倍、とくに約1.5〜2.5倍大きいものが好ましい。
別の見地から述べれば、振動棒の径が10〜16mmの
丸棒であるときは、ゴム質リングの肉厚は10〜15m
mが好ましく、振動棒(丸棒)の直径が20〜25mm
のときは、ゴム質リングの肉厚は20〜30mmが好ま
しい。例えば、図3、4に示すように、振動伝達部材3
に振動棒8を連結するに当り、振動伝達部材3の所定の
穴に振動棒8を通し、振動棒8の端部をナット12、1
3、ワッシャーリング16により固定し、一方、振動伝
達部材3の反対側は、振動棒8に前記のゴム質リング1
8を挿入し、ナット14、15により固定する。ゴム質
リング18を使用しないケースにおいては、振動応力が
振動伝達部材と振動棒との接合部分近辺に集中し、振動
棒が折れ易いという問題点があったが、ここにゴム質リ
ングを挿着することにより、完全に解消することができ
た。とくに、ゴム質リングを使用しないで振動を100
Hz以上に高くした場合には振動棒の折れがしばしば発
生していたが、これにより、そのような心配がなく振動
数を高くすることができる。
【0013】前記ゴム質リングは、硬い天然ゴム、硬い
合成ゴム、合成樹脂等のショアーA硬度80〜120、
好ましくは90〜100の硬質弾性体により構成するこ
とができる。とくに、ショアーA硬度90〜100の硬
質ウレタンゴムが耐久性、耐薬品性の点で好ましい。
【0014】もう一つの振動応力分散手段は、振動発生
装置と振動棒の接続部において、振動発生装置と振動棒
の間に金属線束を挿入することである。例えば、図5に
示すように、振動伝達部材3(あるいは振動基本部材)
に振動棒8を連結するに当り、補助振動棒8′と金属線
束23を介在させるものである。なお、場合により、補
助振動棒8′は使用しないで、金属線束23を直接振動
伝達部材3に連結することもできる。具体的には、補助
振動棒8′の一端をナット12、12′、13、1
3′、ワッシャーリング16、16′により振動伝達部
材3に固定し、この他端にナット19と接続リング20
を介して金属線束23の一端を連結し、ついで金属線束
23の他端に接続リング21とナット22を用いて振動
棒8を連結した。これにより、ゴム質リングを用いた場
合と同様の効果を奏することができる。
【0015】金属線束は、その構造が吊り橋のケーブル
としてよく利用されているタイプのものであって、たく
さんの金属単線あるいは金属撚線を端部で外側より結束
したものであり、通常結束には金属被覆部を用いる。こ
の金属線束と他物との連結には、前記金属被覆部にネジ
を切ることにより達成できる。
【0016】金属線束の大きさは、直径が振動棒と同じ
位であり、長さは振動により上下の金属線束の被覆部や
該被覆部に取付けられた接続リング同士が接触しない程
度の長さがあればよい。
【0017】振動は、10〜500ヘルツ(Hz)、好
ましくは20〜400ヘルツ(Hz)、とくに好ましく
は50〜300ヘルツ(Hz)の振動を発生する振動モ
ーターなどにより行う。振動モーターの出力と撹拌容量
の関係は、振動棒あるいは振動ユニットの連結数によっ
ても変化するが、連結数が4〜5個の場合には、通常下
記のような組合せが可能である。なお、粘度の高いもの
を撹拌するときはさらに高出力を求められる場合もあ
る。 振動モーターの組合せ 全撹拌容積 40W× 75W 〜100リットル 75W×150W 〜150リットル 150W×250W 〜300リットル 250W×400W 〜400リットル 400W×750W 〜500リットル
【0018】回転しない振動羽根部は、振動羽根板と振
動羽根板用固定部材よりなるか、振動羽根板を複数枚重
ねたもの(図13参照)、あるいは振動羽根板と振動羽
根板用固定部材を一体成形したもの(図11参照)を使
用することができる。
【0019】前記振動羽根板は、材質として、好ましく
は薄い金属、弾力のある合成樹脂、ゴム等が使用できる
が、振動モーターの上下の振動により、少なくとも羽根
板の先端部分がフラッター現象(波を打つような状態)
を呈する厚みであり、これにより系に振動に加えて流動
を与えることのできるものが好ましい。金属の振動羽根
板の材質としてチタン、アルミニウム、銅、鉄鋼、ステ
ンレス鋼、これらの合金が使用できる。合成樹脂として
は、ポリカーボネート、塩化ビニル系樹脂、ポリプロピ
レンなどが使用できる。振動エネルギーを伝えて振動の
効果を上げるため厚みは特に限定されないが一般に金属
の場合は0.2〜2mm、プラスチックの場合は0.5
〜10mmが好ましい。過度に厚くなると振動撹拌の効
果が減少する。
【0020】振動羽根板の材質として弾性のある合成樹
脂、ゴム等を使用する場合には、厚みは特に限定されな
いが一般に1〜5mmが好ましいが、金属たとえばステ
ンレスの場合は0.2〜1mm、たとえば0.5mmの
ものが好ましい。また、振動板の振幅は、2〜30m
m、好ましくは5〜10mmである。
【0021】振動軸に対し振動羽根部は一段または多段
に取り付けることができる。振動羽根部を多段にする場
合、振動モーターの大きさにより5〜7枚が好ましい。
多段の段数を増加する場合、振動モーターの負荷を大き
くすると振動幅が減少し、振動モーターが発熱する場合
がある。振動羽根板は一体でもよい。振動軸に対し振動
羽根部の角度は水平でもよいが、傾斜角度α(図11の
A参照)が5〜30度、とくに10〜20度に傾斜させ
て振動に方向性をもたせることが好ましい。
【0022】振動羽根板は振動羽根板用固定部材により
上下両面から挾みつけて振動棒に固定することにより振
動羽根部を形成することができる。また、図11に示す
ように振動羽根板用固定部材10と振動羽根板9が振動
軸の側面からみて一体的に傾斜および/またはわん曲し
ていることが好ましい。わん曲している場合でも、全体
として前述のように5〜30度、とくに10〜20度の
傾斜をもたせることが好ましい。振動羽根板と振動羽根
板用固定部材が同一の傾斜および/またはわん曲面をも
つ方が振動応力を分散するのに有効であり、とくに振動
周波数が高くなったときは、これにより振動羽根板の破
損を回避することができる。
【0023】また、振動羽根板と振動羽根板用固定部材
は例えばプラスチックスを用いて一体成形することによ
り製造することもできる(図11のC参照)。この場合
は振動羽根板と、振動羽根板用固定部材を別々に使用す
る場合に較べて、その接合部分に被処理物が浸入、固着
し、洗浄に手間がかかるという欠点を回避することがで
きる。また、図11に示すように羽根板と固定部材を一
体化したことにより、厚みの段差が発生せず、応力集中
を避けることができるので、羽根板の破損を避けること
ができる。
【0024】一方では振動羽根板と振動羽根板用固定部
材を別々に作っておけば、振動羽根板のみをとりかえる
ことができるが、一体成形のものでも交換は可能であ
る。この場合の振動羽根板、振動羽根板用固定部材、一
体成形品はプラスチックスに限らず、前述の種々の材料
が使用できる。振動羽根板用固定部材10を使用すると
きは、上下から振動羽根板をはさみつけて使用するが、
図12のaに示すようにこの固定部材は上下で、その大
きさを異ったものとすることもでき、これにより振動応
力を分散させることができる。
【0025】また、このもう1つの変形としては、図1
2のbに示すように振動羽根板用固定部材10の先端部
分の上下いずれか一方または両方に遊び32を設けるこ
とができ、これにより図12のaと同様に応力を分散さ
せることができる。また必要に応じてこの遊び32の部
分にゴム質部材を補充して振動を吸収したり、羽根板や
固定部材の寿命を長くすることもできる。さらに、うす
い羽根を用いて図13に示すようにそれぞれの寸法が異
る振動羽根板を積層(相互に接着はしない)して固定部
材兼振動羽根板とすることもできる。この場合、振動板
の大きさを図13のAに示すように下段になる程小さく
することにより、うすい羽根全体を一体として振動させ
固定部材をナットにより代用することができる。これら
の手段は、いずれも振動羽根板にかかる応力を分散させ
ることに寄与するものである。図13のBはその変形で
ある。この場合も振動応力の分散に有効である。
【0026】振動羽根板または振動羽根板用固定部材な
どよりなる振動羽根部は、ナットを用いて振動棒に固着
することができる。振動羽根板および/または振動羽根
板用固定部材を多数振動棒に取付ける場合には、図12
や図20に示すようにナット29で固定した後、振動棒
に丁度嵌合する円筒状の一定の長さのスペーサ30を1
個または複数個挿入することにより、振動羽根板および
/または振動羽根板用固定部材の間隔を簡単に一定化す
ることができる。
【0027】振動羽根板(または振動羽根部)の形状
は、いろいろな形状を採用することができる。その1例
を図6〜9に示す。これらの場合、切欠部27を設ける
ことが好ましいが、切欠部27が固定部材10まで延び
ていると、固定部材10の破損を誘発する傾向があるの
で、図のような連結部28を残しておくことが好まし
く、切欠部の形状もV字形が好ましい。なお、振動羽根
板は振動棒を中心に対称形である必要はなく、一方側の
みに振動羽根板を設けてもよい。
【0028】振動羽根部に傾斜および/またはわん曲を
与えた場合には、多数の振動羽根部のうち、下位の1〜
2枚を下向きの傾斜および/またはわん曲とし、それ以
外のものを上向きの傾斜および/またはわん曲とするこ
ともできる(図16参照)。このようにすると、撹拌槽
底部の撹拌を充分行うことができ、下部に溜りが発生す
るのを防止することができる。
【0029】また、撹拌槽の底部のみは撹拌したくない
場合には、前記下向きわん曲の振動羽根板を取りはずす
ことにより対処できる。撹拌により反応が進行するケー
スにおいて、反応が終了した部分を下部に溜めて、これ
を拡散させることなく、下部より取り出す場合には好都
合である。
【0030】振動撹拌により系に積極的に対流を発生さ
せ、撹拌槽下部に溜りが発生するのを防止したい場合に
は、図14に示すように一方の振動棒にはすべて上向き
の傾斜またはわん曲をもつ振動羽根板(固定部材を用い
る場合も含むのは勿論であるが、図14〜17では固定
部材やナットはすべて図面上は省略して表示した。)
を、他方の振動棒にはすべて下向きの傾斜わん曲をもつ
振動羽根板を設けることにより達成することができる。
【0031】この場合の振動羽根板も、水平であっても
よいし、傾斜をもつものであってもよく、また振動羽根
板は平面であってもよいし、わん曲していてもよいこと
は前述のとおりである(図17のA、B参照)。
【0032】また、傾斜および/またはわん曲のさせ方
を下位の振動羽根板と、それ以外の振動羽根板とをそれ
ぞれ下向きと上向きにすることができるのも、単独振動
羽根板の場合と何ら異るものではない(図17のB参
照)。
【0033】振動羽根部の振動に伴って発生する振動羽
根板の“しなり現象”の程度は、振動を与える周波数、
振動羽根板の長さと厚み、被撹拌物の粘度、比重などに
よって変化するので、与えられた周波数においてもっと
もよく“しなる”長さと厚みを選択することが好まし
い。周波数と振動羽根板の厚みを一定にして、振動羽根
板の長さを変化させてゆくと、振動羽根板のしなりの程
度は振動羽根板の長さ(固定部材より先の部分の長さ)
が大きくなるに従ってある段階までは大きくなるが、そ
れをすぎるとしなりは小さくなり、ある長さはときには
ほとんどしなりがなくなり、さらに振動羽根板を長くす
るとまたしなりが大きくなるという関係をくりかえすこ
とが判ってきた。その様子のモデルを図18に示す。
【0034】したがって、振動羽根板の長さ(固定部材
より先の部分の長さ)は、好ましくは、第1回目のピー
クを示す長さか、第2回目のピークを示す長さを選択す
ることが好ましい。第1回目のピークを示す長さにする
か、第2回目のピークを示す長さにするかは、系の振動
を強くするか、流動を強くするかによって適宜選択でき
る。第3回目のピークを示す長さを選択した場合は、振
動幅が小さくなり、用途が限られる。
【0035】振動羽根板の厚みは、被処理物の粘度、振
動条件により好ましい範囲は異なるが、振動羽根板が折
れることなく、羽根のように充分しなうことのできる程
度の厚みとするのが、もっとも振動撹拌の効率を高める
ことができる。
【0036】この点から振動羽根板は、系の流動に大き
く寄与し、振動羽根板用固定部材は系の振動に寄与して
いるものと推定される。
【0037】また、本発明においては、図1および図2
1に示すように振動モーターを含む振動発生装置から下
方に垂直に伸びた三本以上、好ましくは四本の支持棒4
7、それに対応して架台6側から上方に垂直に伸びた支
持棒48および上下支持棒を取り巻くスプリング5によ
り係合されていることが好ましい。とくに上と下の支持
棒は前記スプリングにより非接触状態に保たれているこ
とが好ましい。これにより、振動発生装置に横ゆれが発
生しても前述の係合部分でうまく横ゆれを吸収すること
ができ、装置全体に好ましくない横ゆれの発生、それに
伴う騒音の発生を防止することができる。
【0038】この横ゆれ防止機構の拡大図は、図21に
示す。図中5はスプリング、47は基本振動部材より下
方に垂直に伸びた支持棒、48は架台6より上方に垂直
に伸びた支持棒である。
【0039】図1および図2に本発明の多軸型振動撹拌
装置の具体例を示す。低出力振動モーター1と高出力振
動モーター1′をそれぞれの架台6、6上に架設する。
これらのモーターは図21に示すような支持機構により
架台上に支持されている。この支持機構は、架台6上に
固定された支持棒48と基本振動部材2の下に固定され
た支持棒47とが対抗して設けられており、この支持棒
47と48をつつみ込むようにスプリング5をとりつけ
たものである。一方、インバーターを介して駆動してい
る低出力振動モーター1および高出力振動モーター1′
の振動は基本振動部材2を介して連結振動部材33に伝
えられる。連結振動部材33には、6枚の振動羽9,
9...を有する振動棒8,8...が各処理槽7,
7...に対して一本ずつの割合で連結されている。連
結にあたっては、連結振動部材33の上下にゴム質リン
グ18をはさみナット12、13、14、15により各
振動棒8を連結振動部材33に固定している。低出力振
動モーターと高出力振動モーターのW数は、前述の組合
せ例を参考にし、実験により決定すればよい。
【0040】
【実施例】以下に実施例を上げて本発明を説明するが、
本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【0041】本発明の多軸型振動撹拌装置は、めっき
用、めっき前処理用、塗装前処理用、染色用、実験室用
などに有用である。
【0042】実施例1 図1および図2に示すような装置において、一方側の振
動モーターとして75Wのものを、他方側の振動モータ
ーとして150Wのものを用い、連結振動部材33とし
ては、中空四角柱状の鋼材を用い、これに各ビーカー
(5リットル)毎に一本の振動棒8、8、……をゴム質
リング18を用いることなく、ナット12、13を用い
て固定した。また、振動棒8にはα=15°の角度をも
たせて(一番下のみ下向き)3枚の矩形状振動羽根板
(0.6mm厚)を取りつけた。このようにして振動撹
拌を実施すれば、各ビーカーの撹拌状況は同一になるの
で、電着塗料(塗料であるため水より粘度が高い)の配
合テストなどを高能率で実施することができた。
【0043】実施例2 図1および図2に示すような装置において、一方側の振
動モーターとして400Wのものを、他方側の振動モー
ターとして750Wのものを用い、連結振動部材33と
しては、中空四角柱状の鋼材を用い、これに断面矩形の
250リットル槽を連結し、各槽に1本の振動棒8、
8、……をゴム質リング18を用いることなく、ナット
12、13を用いて固定した。振動棒8にはα=15°
の角度をもたせて(一番下のみ下向き)7枚の矩形状振
動羽根板(0.6mm厚)を取りつけた。この装置を用
いて脱脂−洗浄−化成処理−洗浄−めっきの工程を連続
的に実施した。従来の回転撹拌式の場合に較べて約1/
2の時間でめっきを完了することができた。
【0044】
【効果】本発明は連結振動部材の両端部にとりつけた相
対的に出力の異なる振動モーターの振動により、各振動
棒または振動ユニットが共振することなく各振動棒をむ
らなく均一に振動させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一具体例にかかる多軸型振動撹拌装置
の正面側横断面図である。
【図2】本発明の一具体例にかかる多軸型振動撹拌装置
の正面側上面図である。
【図3】本発明の撹拌装置における振動応力分散手段と
してゴム質リングを用いた場合の拡大断面図である。
【図4】本発明の撹拌装置における振動応力分散手段と
してゴム質リングを用いた場合のもう1つの変形例を示
す拡大断面図である。
【図5】本発明の撹拌装置における振動応力分散手段と
して金属線束を用いた場合の拡大断面図を示す。
【図6】金属線束端部の断面図を示す。
【図7】振動羽根板の形状の1例を示す平面図である。
【図8】振動羽根板の形状の1例を示す平面図である。
【図9】振動羽根板の形状の1例を示す平面図である。
【図10】振動羽根板の形状の1例を示す平面図であ
る。
【図11】AとBは振動羽根板と振動羽根板用固定部材
よりなる振動撹拌部材を示し、Aは断面図、Bは平面図
であり、Cは、A、Bのものを一体化して成形した場合
の断面図である。
【図12】振動羽根板用固定部材の変形例を示すもので
あり、aはその1例を示す断面図、bは他の1例を示す
断面図である。
【図13】振動羽根板を複数枚組合せて、振動羽根板兼
固定部材とした場合の断面図であり、Aは3枚の振動羽
根板を下側ほど短くしたものであり、Bは中央部が一番
長くそのつぎの上下の羽根板がやゝ短く、さらにその上
下の羽根板がさらに短くなっているケースである。
【図14】二本の振動棒のうち、一方の振動棒には振動
羽根板をすべて上向きに、他方の振動棒には振動羽根板
をすべて下向きにした場合をモデル的に示した側面側断
面図である。
【図15】二本の振動棒に平行して多数の振動羽根板を
連結固定して連結型振動羽根板セット1組を用いた場合
の1例をモデル的に示す断面図である。
【図16】二本の振動棒に平行して多数の振動羽根板を
連結固定して連結型振動羽根板セット1組を用いた場合
の他の1例をモデル的に示す断面図である。
【図17】主として振動棒の一方側にのみ、振動羽根板
をとりつけた場合の断面図であり、Aは振動羽根板をす
べて同一方向の上側に傾斜させた場合、Bは下の2枚の
みを下側に傾斜させた場合をそれぞれモデル的に示す断
面図である。
【図18】振動羽根板の長さとしなりの程度の関係をモ
デル的に示すグラフである。
【図19】本発明の振動撹拌装置のもう一つの態様の側
面側断面図である。
【図20】本発明の振動撹拌装置の側面側断面図であ
る。
【図21】本発明の多軸型振動撹拌装置における横ゆれ
防止機構の拡大断面図である。
【図22】本発明者が先に提案した振動撹拌装置の1例
を示す。(a)は断面図、(b)は上面図である。
【図23】本発明者が先に提案した振動撹拌装置の他の
1例を示す。(a)は断面図、(b)は上面図である。
【符号の説明】
1 低出力振動モーター 1′ 高出力振動モーター 2 基本振動部材 3 振動伝達部材 4 接続部 5 スプリング 6 架台 7 撹拌槽 8 振動棒 8′ 補助振動棒 9 振動羽根板 10 振動羽根板固定部材 11 弾性体 12 ナット 12′ ナット 13 ナット 13′ ナット 14 ナット 15 ナット 16 ワッシャーリング 16′ ワッシャーリング 17 振動棒のネジ溝 17′ 補助振動棒のネジ溝 18 ゴム質リング 19 ナット 20 接続リング 21 接続リング 22 ナット 23 金属線束 24 金属線 25 金属線束の被覆部 26 金属線束の被覆部に設けたネジ溝 27 切欠部 28 連結部 29 ナット 30 スペーサ 31 球面状キャップ 32 遊び 33 連結振動部材 47 振動モーターより下方に垂直に伸びた支持棒 48 架台より上方に垂直に伸びた支持棒

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動羽根を有する振動棒あるいは振動ユ
    ニットを連結振動部材に複数個固定し、前記連結振動部
    材の両端部に出力の異なる振動モーターの振動が伝わる
    ような伝達機構を付与したことを特徴とする多軸型振動
    撹拌装置。
  2. 【請求項2】 前記振動モーターが、10〜500Hz
    の間の任意の振動を発生させることのできるインバータ
    ーに接続されているものである請求項1記載の多軸型振
    動撹拌装置。
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