JP3196817B2 - 種子の発芽促進方法 - Google Patents
種子の発芽促進方法Info
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- JP3196817B2 JP3196817B2 JP07980396A JP7980396A JP3196817B2 JP 3196817 B2 JP3196817 B2 JP 3196817B2 JP 07980396 A JP07980396 A JP 07980396A JP 7980396 A JP7980396 A JP 7980396A JP 3196817 B2 JP3196817 B2 JP 3196817B2
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- Japan
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- surfactant
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- seed
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- Pretreatment Of Seeds And Plants (AREA)
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物種子の発芽促
進方法に関する。
進方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】種子は、水・温度・酸素などの条件が整
うと、種子の表面から吸水を開始する。吸水した種子
は、種子内の各種酵素やホルモンの働きによって、内部
に貯蔵された養分が分解され、芽や根の成長に必要なエ
ネルギーが供給されて発芽する。しかし、多数の種子を
発芽に適した同一条件で保った場合にも一斉に発芽する
のではなく、早いものから遅いものへと順次発芽する。
ここで、すべての種子が、同時に、かつ、速やかに一斉
に発芽すれば、収穫までの時間が短くなるのはもちろ
ん、発芽直後の種子では特に慎重さが求められる灌水を
画一的に管理でき、また、苗の育ちも均一であるため例
えば接ぎ木などを行う場合に有利である。しかも、最終
的な収穫時期も揃うので収穫の作業性が向上して労働の
効率化が期待できる。
うと、種子の表面から吸水を開始する。吸水した種子
は、種子内の各種酵素やホルモンの働きによって、内部
に貯蔵された養分が分解され、芽や根の成長に必要なエ
ネルギーが供給されて発芽する。しかし、多数の種子を
発芽に適した同一条件で保った場合にも一斉に発芽する
のではなく、早いものから遅いものへと順次発芽する。
ここで、すべての種子が、同時に、かつ、速やかに一斉
に発芽すれば、収穫までの時間が短くなるのはもちろ
ん、発芽直後の種子では特に慎重さが求められる灌水を
画一的に管理でき、また、苗の育ちも均一であるため例
えば接ぎ木などを行う場合に有利である。しかも、最終
的な収穫時期も揃うので収穫の作業性が向上して労働の
効率化が期待できる。
【０００３】過去、発芽を促進する様々な方法が提案さ
れてきた。例えば物理的な処理により種皮表面を研磨し
て、種皮の撥水性を除去する方法などが知られている
が、この方法を柔らかい種子に応用すると、必要以上に
種子を傷つけたり、或いは、種皮の剥落が生じる等の様
々な障害が生じた。一方、硫酸等の化学薬品によって種
子を処理することも提案されたが、種皮のみならず種子
内部にも障害が及ぶおそれがあり、また、取り扱い上の
安全性や、廃液の処理等にも問題があった。このよう
に、より簡単に実行でき、また、より効果の高い発芽促
進方法が求められていた。
れてきた。例えば物理的な処理により種皮表面を研磨し
て、種皮の撥水性を除去する方法などが知られている
が、この方法を柔らかい種子に応用すると、必要以上に
種子を傷つけたり、或いは、種皮の剥落が生じる等の様
々な障害が生じた。一方、硫酸等の化学薬品によって種
子を処理することも提案されたが、種皮のみならず種子
内部にも障害が及ぶおそれがあり、また、取り扱い上の
安全性や、廃液の処理等にも問題があった。このよう
に、より簡単に実行でき、また、より効果の高い発芽促
進方法が求められていた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決する、簡単に実行でき、かつ、効果の
高い種子の発芽促進方法を提供することを目的とする。
術の問題点を解決する、簡単に実行でき、かつ、効果の
高い種子の発芽促進方法を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明の種子の発芽促進
方法は、請求項１に記載の通り、種子を界面活性剤溶液
で洗浄する構成を有する。
方法は、請求項１に記載の通り、種子を界面活性剤溶液
で洗浄する構成を有する。
【０００６】
【発明の実施の形態】本発明において、種子洗浄に用い
る界面活性剤はカチオン性界面活性剤、アニオン性界面
活性剤、非イオン性界面活性剤、及び、両イオン性界面
活性剤から適宜選択される。なお、これら界面活性剤は
純成分として用いても良いが、入手が困難な場合には、
通常の家庭用或いは業務用の洗剤を用いても良い。本発
明において、界面活性剤溶液とは、通常、上記界面活性
剤の水溶液であるが、ここには植物種子に障害にならな
い程度の量のアルコール、ケトン類等の有機溶媒が添加
してあっても差し支えない。
る界面活性剤はカチオン性界面活性剤、アニオン性界面
活性剤、非イオン性界面活性剤、及び、両イオン性界面
活性剤から適宜選択される。なお、これら界面活性剤は
純成分として用いても良いが、入手が困難な場合には、
通常の家庭用或いは業務用の洗剤を用いても良い。本発
明において、界面活性剤溶液とは、通常、上記界面活性
剤の水溶液であるが、ここには植物種子に障害にならな
い程度の量のアルコール、ケトン類等の有機溶媒が添加
してあっても差し支えない。
【０００７】洗浄方法としては、例えば界面活性剤溶液
に種子を浸漬して攪拌して行う。このとき洗浄時間とし
ては、１０分以上２時間未満行う。処理時間が短すぎる
と効果が充分に得られず、長すぎると発芽率が低下して
しまう。より好ましい範囲としては、２０分以上６０分
以下である。なお、攪拌ではなく、例えば刷毛などで積
極的に洗浄を行うと短い処理時間でも高い効果が得られ
る。上記界面活性剤溶液で洗浄した後、必要に応じて水
洗を行う。すなわち、上記界面活性剤溶液の濃度が薄
く、そのため、処理後、障害を起こさないのであれば、
この工程は省略できる。ただし、障害を起こさないかど
うかは、あらかじめ調べておく必要がある。本発明の発
芽促進処理を行った種子は、その後比較的長期に亘って
保存ができるものもあり、保存できないものもあるの
で、保存する際には保存が可能かどうか、或いは、適切
な保存条件について予め検討を行う必要がある。
に種子を浸漬して攪拌して行う。このとき洗浄時間とし
ては、１０分以上２時間未満行う。処理時間が短すぎる
と効果が充分に得られず、長すぎると発芽率が低下して
しまう。より好ましい範囲としては、２０分以上６０分
以下である。なお、攪拌ではなく、例えば刷毛などで積
極的に洗浄を行うと短い処理時間でも高い効果が得られ
る。上記界面活性剤溶液で洗浄した後、必要に応じて水
洗を行う。すなわち、上記界面活性剤溶液の濃度が薄
く、そのため、処理後、障害を起こさないのであれば、
この工程は省略できる。ただし、障害を起こさないかど
うかは、あらかじめ調べておく必要がある。本発明の発
芽促進処理を行った種子は、その後比較的長期に亘って
保存ができるものもあり、保存できないものもあるの
で、保存する際には保存が可能かどうか、或いは、適切
な保存条件について予め検討を行う必要がある。
【０００８】
〔実施例１〕表１に示すようなアニオン性界面活性剤で
あるドデシル硫酸ナトリウムの０．０１〜５重量％水溶
液１００mlにナスの種子をそれぞれ１００個づつ撹拌し
ながら浸漬し、その後充分に水洗した。これら種子１０
０粒づつをそれぞれ濾紙２枚敷き、８ｃｃの灌水を行っ
た直径１２ｃｍのシャーレ上に播種し、ポリオレフィン
系のフィルムで密閉し、２５℃・暗黒条件に保ち、発芽
の状態を観察した。播種後１２日目の結果を表１に示
す。
あるドデシル硫酸ナトリウムの０．０１〜５重量％水溶
液１００mlにナスの種子をそれぞれ１００個づつ撹拌し
ながら浸漬し、その後充分に水洗した。これら種子１０
０粒づつをそれぞれ濾紙２枚敷き、８ｃｃの灌水を行っ
た直径１２ｃｍのシャーレ上に播種し、ポリオレフィン
系のフィルムで密閉し、２５℃・暗黒条件に保ち、発芽
の状態を観察した。播種後１２日目の結果を表１に示
す。
【０００９】
【表１】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 濃度（重量％） 発芽率（％） ────────────────── ０ ６５ ０．０１ ７２ ０．０５ ８５ ０．１ ９６ ０．５ ９２ １．０ ９３ ５．０ ８８ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【００１０】表１からドデシル硫酸ナトリウムによる洗
浄により発芽率が向上することが判る。なお、その効果
は０．１〜１．０重量％の濃度で非常に高い。
浄により発芽率が向上することが判る。なお、その効果
は０．１〜１．０重量％の濃度で非常に高い。
【００１１】〔実施例２〕次いで、界面活性剤の種類の
影響について調べた。表２に示すような種々の界面活性
剤の０．１重量％の水溶液を用い、実施例１同様にナス
の種子（それぞれ１００粒）でその発芽への影響を調べ
た。結果を表２に併せて示す。なお、表中Ｔｒｉｏｎｘ
−１００はキシダ化学製、Ｚｗｉｔｔｅｒｇｅｎｔ３−
１４はカルビオケム−ノバビオサムジャパン社製の界面
活性剤である。
影響について調べた。表２に示すような種々の界面活性
剤の０．１重量％の水溶液を用い、実施例１同様にナス
の種子（それぞれ１００粒）でその発芽への影響を調べ
た。結果を表２に併せて示す。なお、表中Ｔｒｉｏｎｘ
−１００はキシダ化学製、Ｚｗｉｔｔｅｒｇｅｎｔ３−
１４はカルビオケム−ノバビオサムジャパン社製の界面
活性剤である。
【００１２】
【表２】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 界面活性剤 発芽率（％） ──────────────────────────────── なし ６５ 臭化セチルトリメチルアンモニウム（カチオン性） ８７ ドデシル硫酸ナトリウム（アニオン性） ９３ ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム（アニオン性） ９１ Ｔｒｉｏｎ ｘ−１００（非イオン性） ８４ Ｚｗｉｔｔｅｒｇｅｎｔ ３−４（両イオン性） ８５ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【００１３】表２よりいずれの界面活性剤でも本発明の
効果が得られることが判る。なお、特にアニオン性の界
面活性剤の効果が高いことも判る。
効果が得られることが判る。なお、特にアニオン性の界
面活性剤の効果が高いことも判る。
【００１４】〔実施例３〕市販の食器用中性洗剤を用い
て検討を行った。すなわち、ライオン製ナテラを用い
て、様々な濃度の水溶液を作製して、濃度の影響を実施
例１同様にナスの種子（それぞれ１００粒×４反復）で
その発芽への影響を調べた。結果を表３に示す。
て検討を行った。すなわち、ライオン製ナテラを用い
て、様々な濃度の水溶液を作製して、濃度の影響を実施
例１同様にナスの種子（それぞれ１００粒×４反復）で
その発芽への影響を調べた。結果を表３に示す。
【００１５】
【表３】
【００１６】表３より、食器用中性洗剤を薄めて使用し
ても本発明の効果が得られることが判る。なお、その際
には希釈率によって、発芽に障害となることがあるた
め、適宜調整する必要があることも判る。なお、本実施
例で用いた洗剤の場合、濃度を５０重量％以下としなけ
れば発芽率が低下してしまうことが判る。
ても本発明の効果が得られることが判る。なお、その際
には希釈率によって、発芽に障害となることがあるた
め、適宜調整する必要があることも判る。なお、本実施
例で用いた洗剤の場合、濃度を５０重量％以下としなけ
れば発芽率が低下してしまうことが判る。
【００１７】〔実施例４〕市販の粉末洗濯洗剤を用いて
検討を行った。すなわち、花王製アタックを水に溶解
し、その濃度の発芽への影響を、実施例１同様にナスの
種子（それぞれ１００粒×４反復）で調べた。結果を表
４に示す。
検討を行った。すなわち、花王製アタックを水に溶解
し、その濃度の発芽への影響を、実施例１同様にナスの
種子（それぞれ１００粒×４反復）で調べた。結果を表
４に示す。
【００１８】
【表４】
【００１９】表４より、市販の粉末洗濯洗剤を使用して
も本発明の効果が得られることが判る。
も本発明の効果が得られることが判る。
【００２０】〔実施例５〕実施例３で用いた食器用中性
洗剤の１０重量％溶液を用いて、浸漬時間の影響を実施
例１同様にナスの種子（それぞれ１００粒×４反復）を
用いて調べた。結果を表５に示す。
洗剤の１０重量％溶液を用いて、浸漬時間の影響を実施
例１同様にナスの種子（それぞれ１００粒×４反復）を
用いて調べた。結果を表５に示す。
【００２１】
【表５】
【００２２】表５より、この食器用中性洗剤１０重量％
水溶液の場合には１０分〜６０分程度の処理が適してい
ることが判る。
水溶液の場合には１０分〜６０分程度の処理が適してい
ることが判る。
【００２３】〔実施例６〕実施例３で用いた食器用中性
洗剤の１０重量％溶液を使用して、洗浄方法の検討を行
った。すなわち、実施例５と同様に、ただし洗剤水溶液
中の種子を刷毛を用いて積極的に洗浄を行った。このと
きの処理時間の影響を実施例５同様にナスの種子（それ
ぞれ１００粒×４反復）を用いて調べた。結果を表６に
示す。
洗剤の１０重量％溶液を使用して、洗浄方法の検討を行
った。すなわち、実施例５と同様に、ただし洗剤水溶液
中の種子を刷毛を用いて積極的に洗浄を行った。このと
きの処理時間の影響を実施例５同様にナスの種子（それ
ぞれ１００粒×４反復）を用いて調べた。結果を表６に
示す。
【００２４】
【表６】
【００２５】表６より、刷毛などで積極的に洗浄を行え
ば、１分程度の非常に短い時間でも本発明の効果を得る
ことができることが判る。
ば、１分程度の非常に短い時間でも本発明の効果を得る
ことができることが判る。
【００２６】
【発明の効果】本発明に係る発芽促進の作用としては、
種子の吸水を阻害する種子表面にある撥水物質（主とし
て油分と考えられる）が界面活性剤の働きによって除去
されそのために種子の吸水が容易となると考えられる。
このように、本発明の発芽促進方法を実施した種子は発
芽が促進され、非常に高い発芽率に達することができ
る。
種子の吸水を阻害する種子表面にある撥水物質（主とし
て油分と考えられる）が界面活性剤の働きによって除去
されそのために種子の吸水が容易となると考えられる。
このように、本発明の発芽促進方法を実施した種子は発
芽が促進され、非常に高い発芽率に達することができ
る。
Claims (5)
- 【請求項１】 種子を界面活性剤溶液で洗浄することを
特徴とする種子の発芽促進方法。 - 【請求項２】 界面活性剤溶液で洗浄後、水洗を行うこ
とを特徴とする請求項１に記載の種子の発芽促進方法。 - 【請求項３】 上記界面活性剤が、カチオン性界面活性
剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及
び、両イオン性界面活性剤の内から選択された１種乃至
２種以上であることを特徴とする請求項１または請求項
２に記載の種子の発芽促進方法。 - 【請求項４】 上記界面活性剤がアニオン性界面活性剤
であることを特徴とする請求項１または請求項２に記載
の種子の発芽促進方法。 - 【請求項５】 界面活性剤溶液で洗浄を行ったことを特
徴とする植物種子。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07980396A JP3196817B2 (ja) | 1996-04-02 | 1996-04-02 | 種子の発芽促進方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07980396A JP3196817B2 (ja) | 1996-04-02 | 1996-04-02 | 種子の発芽促進方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09271210A JPH09271210A (ja) | 1997-10-21 |
| JP3196817B2 true JP3196817B2 (ja) | 2001-08-06 |
Family
ID=13700388
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP07980396A Expired - Lifetime JP3196817B2 (ja) | 1996-04-02 | 1996-04-02 | 種子の発芽促進方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3196817B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1256276B1 (en) * | 2000-02-10 | 2008-08-20 | Sakata Seed Corporation | Method of treating seeds |
| JP4054783B2 (ja) * | 2004-07-07 | 2008-03-05 | ホクレン農業協同組合連合会 | 発芽改善方法及び種子 |
-
1996
- 1996-04-02 JP JP07980396A patent/JP3196817B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH09271210A (ja) | 1997-10-21 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
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| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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