JP3196356B2 - アゾジスルフォネートイオンの製造法 - Google Patents

アゾジスルフォネートイオンの製造法

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スルファミン酸イオン
の電解酸化によるアゾジスルフォネートイオンの製造法
に関する。
【0002】
【従来の技術】アゾジスルフォネートイオンは、化学合
成あるいは電解合成により得ることができる。化学合成
の方法としては例えば、日本化学会編 新実験化学講座
8巻無機化合物の合成[II]538ページに示されて
いる。
【0003】すなわち、ヒドラジドビス(硫酸)ピリジ
ニウムを冷却した後、次亜塩素酸ナトリウムおよび水酸
化ナトリウムのスラリーを冷却しながらかきまぜて加え
る。10分後に最高−7℃まであたためる。ついで塩化
カリウムの冷飽和溶液を加えることによって、カリウム
アゾジスルフォネートとして分離することができる。
【0004】また、電解合成の方法としては不溶解性電
極を用い、スルファミン酸イオンを電解酸化することに
よってアゾジスルフォネートイオンを合成することがで
きる。
【0005】すなわち、次の反応式に従い、2分子のス
ルファミン酸イオンから4電子反応で1分子のアゾジス
ルフォネートイオンが合成される。
【0006】2NHSO → (NSO
+4H+4e また、アゾジスルフォネートイオンの存在は紫外吸収ス
ペクトルを測定することにより確認することができる。
【0007】しかしながら、化学合成法は次亜塩素酸ナ
トリウムおよび水酸化ナトリウムなどの危険な薬品を使
用したり、原料のヒドラジドビス(硫酸)ピリジニウム
の水に対する溶解度が小さいために反応効率が悪く、さ
らに反応の際の温度制御が非常に困難であるなどの問題
点がある。また、不溶解性電極を用いる電解合成法にお
いては、副反応として電解液である水の酸化反応が競争
反応として生じるため、電極表面近傍における急激なp
Hの変化、およびそれによる電極自体の溶解や副反応、
またはインタカレーションなどに代表される電解副生成
物と電極との反応などが生じ、その再現性が乏しいだけ
でなく、予期しない副反応生成物が生じるなどの問題が
あった。さらに我々の研究によるとアゾジスルフォネー
トイオンはさらに電解され、電流効率の低下をもたらす
ことになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決し、再現性があり電解酸化副生成物の少な
い、しかも効率のよい、電解酸化反応によるアゾジスル
フォネートイオンの合成法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するために鋭意検討を行った結果、スルファミ
ン酸イオンを電解酸化する際の電気量を制御することを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち本発明は、スルファミン酸イオン
を電解酸化することによるアゾジスルフォネートイオン
の製造法において、電解酸化のための電気量を理論電気
当量の5分の1以下とすることを特徴とするアゾジスル
フォネートイオンの製造法である。
【0011】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0012】電解の際の電気量は理論電気当量の5分の
1以下にする必要がある。電気量がこの値をこえると前
述したように、電解合成されたアゾジスルフォネートイ
オンが再酸化され、その分子構造が明確になっていない
化学種になる。また、電気量が小さすぎると、アゾジス
ルフォネートイオンの生成量が少ないだけでなく、アゾ
ジスルフォネートイオンの生成反応が進行していないお
それがある。
【0013】電解の際に用いる陽極の材質としては、不
溶解性電極であれば特に限定される物ではないが、電解
液中の支持電解質の種類により、炭素電極を用いた場合
にはその腐食が、また酸化物電極や半導体電極を用いた
場合には電解液の局部的なpHの変動による溶解が起こ
る可能性が高いために、貴金属電極を用いることが望ま
しく、この様な材質としては、金、白金、パラジウムな
どを例示することができる。さらにこのような単体金属
以外であっても、これらの貴金属を主成分とする合金を
用いても何等差し支えない。
【0014】電極の形状としては薄板状、ロッド状、メ
ッシュ状、粒状などとくに限定されるものではないが、
電極表面積の大きいことおよび取扱いの容易さなどから
薄板状およびメッシュ状であることが望ましい。また、
その大きさ電解槽の大きさなどから任意に決定すること
ができる。
【0015】電解液の組成としては、副反応の起こりに
くい電気化学的に安定な支持電解質を電解液に導電性を
付与するために適当量添加してもよいが、基本的にスル
ファミン酸塩は強電解質であるため、何等かの目的があ
るとき以外は、スルファミン酸塩を溶媒に溶解させるだ
けでよい。溶媒としてはスルファミン酸塩の溶解度が大
きくすることのできる水を用いることが望ましいが、電
解合成されたアゾジスルフォネートイオンの分離を容易
にするために、混合溶媒を用いても何等差支えない。
【0016】スルファミン酸塩の濃度はとくに限定され
るものではないが、電解液へ導電性を付与するためおよ
びスルファミン酸イオンが原料であることなどを考慮す
ると0.01mol/l以上であることが望ましく、飽
和濃度であっても何等差支えない。スルファミン酸イオ
ンの対イオンとしては、アルカリ金属イオン、アルカリ
土類金属イオン、遷移金属イオン、および4級アンモニ
ウムイオンなどを例示することができるが、陰極におい
ては還元反応が生じているために、その反応生成物がス
ルファミン酸の酸化反応において悪影響を与えることが
小さいアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、
および遷移金属イオンを用いることが望ましい。また、
対イオンとして水素イオンを用いることも可能である
が、pHが低すぎると加水分解が進行し、アゾジスルフ
ォネートイオンの生成効率が大きく低下する。
【0017】電解反応は直流電源を用いた2電極式、基
準電極を用いた3電極式、あるいは対イオンの種類によ
っては交流を用いて電解することができるが、電解反応
の時の電気量の測定の容易さおよび電解反応の制御の容
易さなどから直流法により電解することが望ましい。電
解法としては、溶液抵抗、電極間距離などにも依存する
が、水の電解反応の過電圧を考慮すると、2V以上の定
電圧電解を用いることが望ましい。定電流電解による電
解法を用いることも可能であるが設定電流密度が小さす
ぎると、水の電解反応が優先して起き、アゾジスルフォ
ネートイオンの生成効率が著しく低下する可能性があ
る。
【0018】また、アゾジスルフォネートイオンは60
℃以上では加速度的にその分解反応が進行するといわれ
ているため、設定電流密度が大きすぎるとジュール熱発
生のために電解液の温度が高くなり、その制御が困難に
なる。このため、電解液の温度はできるかぎり室温ある
いはそれ以下であることが望ましい。電解液の攪拌はと
くに限定されるものではなく、必要に応じて行うことが
できる。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、再現性良く、電解副生
成物もほとんどなくアゾジスルフォネートイオンを電解
合成することができる。
【0020】
【実施例】本発明をさらに詳細に説明するために以下に
実施例をあげるが、本発明はこれらに限定されるもので
はない. 実施例1 1.0mol/lのスルファミン酸ニッケル水溶液に、
白金およびニッケルをそれぞれ陽極および陰極として、
5Vの直流を印加した。理論電気量0、0.2および
1.0のときに電解液を抜き取り、希釈後、その可視・
紫外吸収スペクトルを測定した。結果を図1(A)〜
(C)に示すが、電気量の増大と共にアゾジスルフォネ
ートイオン特有の波長(245nm付近)の吸光度が増
大し、アゾジスルフォネートイオンが生成していること
がわかった。また図2は理論電気当量に対してアゾジス
ルフォネートイオン特有の波長の吸光度をプロットした
ものである。この図から明らかなように、電解酸化のた
めの電気量が理論電気当量の5分の1をこえると、徐々
に吸光度は減少し、アゾジスルフォネートイオンが再酸
化され、他の化学種になることが明かになった。
【0021】実施例2 0.3mol/lのスルファミン酸ナトリウム液に、陽
極および陰極に白金を用いて5Vの直流を印加した。実
施例1と同様に可視・紫外吸収スペクトルの測定を行っ
たところ、電解酸化のための電気量を理論電気当量の約
6分の1に最大値を有する曲線が得られた。
【0022】実施例3 0.1mol/lのスルファミン酸バリウム液に、陽極
および陰極に白金を用いて3Vの直流を印加した。実施
例1と同様に可視・紫外吸収スペクトルの測定を行った
ところ、電解酸化のための電気量を理論電気当量の約5
分の1に最大値を有する曲線が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1において、電気量を理論電気量に対
して(A):0、(B):0.2、(C):1.0と変
化させたときの電解液の可視・紫外吸収スペクトルを示
す図である。
【図2】 スルファミン酸イオンの理論電解当量とアゾ
ジスルフォネートイオン特有の波長の吸光度との関係を
示す図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルファミン酸イオンを電解酸化するこ
    とによるアゾジスルフォネートイオンの製造法におい
    て、電解酸化のための電気量を理論電気当量の5分の1
    以下にすることを特徴とするアゾジスルフォネートイオ
    ンの製造法
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