JP3194214U - 金属製グラウンドアンカー - Google Patents

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Abstract

【課題】のり面にグラウンドアンカーを施工した後は、防食のための防錆材の補給を不要とし、耐食性及び長期定着性を図ることで、メンテナンスフリー化と長寿命化を図る金属製グラウンドアンカーを提供する。【解決手段】ポリエチレン樹脂を充填・被覆したPC鋼より線テンドン1でアンカー体部2、引張部3、アンカー頭部4を形成し、アンカー体部2にステンレス製拘束型のスパイラルスペーサー5を嵌合し、且つ当該スパイラルスペーサーの先端に端末キャップ6を被せ、引張部3にポリエチレンシース7を被覆し、アンカー頭部4にステンレス又は亜鉛メッキ製テンドングリップ8を嵌合し、そのテンドングリップ内にテンドンに対する高定着力・固着力を有する定着用充填材9を充填・硬化させる。【選択図】図1

Description

本考案は、金属製グラウンドアンカーの構造及びその設置構造に関し、のり面にグラウンドアンカーを施工した後は、防食のための防錆材の補給を不要とし、耐食性及び長期定着性を図ることで、構造に関する維持管理を必要としないいわゆるメンテナンスフリー化と長寿命化を目的とする。
一般に、のり面の地中に穿孔し、その削孔に挿入して、表層部の崩落防止や岩盤の崩落防止に適する金属製グラウンドアンカーは、PC鋼より線からなる引張り部材に加わる引張り力を、引張り部材とグラウト材との付着抵抗力により、アンカー体部に伝達する付着伝達方法が知られている。
付着伝達方法のアンカー体部の構造は、PC鋼より線からなる引張部材に引張力が加わると、周囲のグラウトに割裂亀裂が発達するため、次第に引張部材とグラウトの付着部が破壊して、クリープ性の引き抜けが生じる問題があり、その改善が求められている。
また、金属製グラウンドアンカー頭部の構造は、PC鋼より線からなる引張部材をくさびで定着して、その周囲を防錆材と保護キャップ等で防食する方法のほか、引張部材に鋼管をプレス圧着した後にネジを切削してナットで定着し、その周囲を防錆材と保護キャップ等で防食する方法が知られている。
しかしながら、地盤からの湧水などにより、アンカー頭部付近が長時間浸水する場合などは、水の遮断が困難であり、また防錆材の劣化が進行する。
このため、くさびで定着する方法では、くさびやPC鋼より線の腐食が進行する問題があり、樹脂で被覆したPC鋼より線などを用いた場合であっても、くさびや、くさびが把持する部分のPC鋼より線は樹脂が破れるため、腐食の進行を避けられない。
また、ナットで定着する方法では、ネジ部の腐食が進行する問題があり、ネジ部鋼管にステンレス鋼などを用いた場合であっても、PC鋼より線との圧着部では異種金属間の電位差が生じるために、腐食の進行を避けられない。
したがって、金属製グラウンドアンカー頭部の構造は、防食性について問題があり、その改善が求められている。
また、のり面に施工した金属製グラウンドアンカーは、期間の経過によるアンカー体の定着性の劣化、アンカー頭部の腐食発生などに対する維持管理が要求されるが、急峻なのり面等における保守・点検作業は常に危険が伴い、その改善が求められている。
特開2003−293379号公報 特開平08−134907号公報 特開平06−192980号公報 特開2004−353343号公報[0029]図面(図8)
特許文献1は、アンカー棒2の外周側にコンクリートひび割れ防止用のスパイラル筋3が備えられ、このスパイラル筋3が、基礎天面から突出する雄ネジ棒部2aへの水平力Fによる基礎コンクリート5のひび割れを防止しうる態様で基礎コンクリート5中に埋込み状態になっている。
本考案はコンクリートではなく、地山に削孔を設けてその中にアンカー体を挿入するのであるから条件が異なる。
特許文献2は、螺旋状に巻き紡錘形に加工した補強鉄筋をアンカー体上部に取付けた引張材を地盤内のグラウト材中に埋設してなる付着伝達方式グラウンドアンカーであるが、その補強鉄筋が螺旋状に巻き紡錘形に加工し,アンカー体上部にのみ配したものであるのに対し、本発明は平行の円筒形のスパイラルスペーサーをアンカー体全体に配している。
本考案において、スパイラルスペーサーを平行型としてアンカー体全体に配した理由は、グラウトに割裂亀裂が発達するのを抑制することに加え、アンカー体部の引張材全体にグラウトが充填付着するための被りを確保すること、施工に際しPC鋼より線の被覆が損傷するのを防ぐこと等のためであり、特許文献2とは目的および効果の範囲が異なる。
特許文献3は、テンドンを構成するPC鋼より線の内部および外部に、ポリエチレン樹脂を完全に充填・被覆するとともに、PC鋼より線の直径方向の外周に単一又は二つの突条線を螺旋状に形成することにより、グラウトとの付着力を確保したものである。
本考案はその防食性、付着性に優れたPC鋼より線を用いる。
特許文献4は、高強度繊維複合材をテンドンとしているのに対し、本発明はPC鋼より線をテンドンとしたものである。
本考案は、上記の金属製グラウンドアンカーのメンテナンスフリー化と長寿命化を実現するために提供するものである。
本考案の第1は、金属製グラウンドアンカーにおいて、ポリエチレン樹脂を充填・被覆したPC鋼より線テンドンでアンカー体部、引張部、アンカー頭部を形成し、アンカー体部にステンレス製拘束型のスパイラルスペーサーを嵌合し、且つ当該スパイラルスペーサーの先端に端末キャップを被せ、引張部にポリエチレンシースを被覆し、アンカー頭部にステンレス又は亜鉛メッキ製テンドングリップを嵌合し、そのテンドングリップ内にテンドンに対する高定着力・固着力を有する定着用充填材を充填・硬化させるようにしたものである。
本考案の第2は、金属製グラウンドアンカー製作方法において、ポリエチレン樹脂を充填・被覆した長尺のPC鋼より線を所定の長さに切断してテンドンとし、アンカー頭部にステンレス製又は亜鉛メッキ製等防食効果のあるテンドングリップを嵌合すると共に、その内部に高定着力・固着力を有する定着用充填材を充填して硬化させ、引張部にポリエチレンシースを被覆し、アンカー体部にステンレス製拘束型のスパイラルスペーサーを嵌合し、テンドン先端に端末キャップを被せるようにしたものである。
本発明の第3は、金属製グラウンドアンカー設置構造において、地山のり面にボーリングマシンにより設計した削孔長を穿孔し、当該削孔内にグラウトになるセメントミルクを地盤と定着する目的のために注入打設した後、グラウンドアンカーを当該削孔に挿入し、セメントミルクを加圧注入して硬化後にアンカープレートを取付け、アンカー頭部をのり面の受圧板に定着ナットを介してジャッキにより緊張力を加えながら固定するようにしたものである。
本考案は、上記の構成であるから、次のような効果がある。すなわち、請求項1ないし3の構成によって、アンカー体部を,円筒形の拘束型スパイラルスペーサーによって補強するので、当該アンカー体部全体にグラウトが均等に充填付着し、当該アンカー体を地中に挿入して充填硬化されたグラウトの割裂発達を抑制することができる。また、この結果、耐クリープ性の向上を図ることができる。
また、アンカー体部のPC鋼より線とその周囲のグラウトは、拘束型スパイラルスペーサーによる補強により、従来工法よりも高付着力を発揮する効果を有する。
さらに、金属製グラウンドアンカーを地山のり面の削孔に挿入する際に、アンカー体部のポリエチレン樹脂を充填・被覆したPC鋼より線は、その全体が拘束型スペーサーにより覆われて保護されるので、損傷が生じない。
またさらに、アンカー頭部は,ポリエチレン樹脂を充填・被覆したPC鋼より線テンドンを定着用充填材で、ステンレス又は亜鉛メッキ製の円筒形テンドングリップに定着するので、従来工法のように,くさびの把持部やネジ部が、錆材の劣化や水分の侵入等により腐食することがなく、恒久的な耐食性が得られる。
本考案にあっては、単体の金属製グラウンドアンカーで、充填グラウトの割裂発達の抑制、及び同グラウトに対する高付着力機能を発揮して長期定着性が図られる。
さらに、引張部材の恒久的な耐食性が得られることから、金属製グラウンドアンカー施工後の点検・修理不要によるメンテナンスフリー化および長寿命化が実現する。
本考案に係るグラウンドアンカー構造の側面図である。 図1の2−2線に沿う拡大横断面図である。 図1の3−3線に沿う拡大断面図である。 図1の4−4線に沿う拡大断面図である。 アンカー体部のスパイラルスペーサーに対するグラウト付着強度の試験結果を示す図である。
ポリエチレン樹脂を充填・被覆したPC鋼より線製テンドンでアンカー体部・引張部・アンカー頭部を形成し、ステンレス製拘束型スパイラルのスペーサーを外装し、且つ先端に端末キャップを被せ、引張部にポリエチレンシースを被覆し、アンカー頭部にステンレス製又は亜鉛メッキ製テンドングリップを嵌合し、そのグリップ内に高定着力・固着力を有する充填材を充填・硬化してアンカー頭部を定着することによって、のり面にグラウンドアンカーを施工した後は、防食のための防錆材の補給を不要とし、耐食性及び長期定着性を図ることで、維持管理を必要としないいわゆるメンテナンスフリー化および長寿命化を実現できる。
図1〜図4は、本考案に係るグラウンドアンカー構造を示し、1はポリエチレン樹脂を可とする熱可塑性樹脂からなる被覆層1で被覆したPC鋼より線製テンドンであり、そのテンドン長をアンカー体部、引張部、アンカー頭部に構成されている。当該テンドン1は、超耐久性PC鋼より線(例えば「SUPRO\スープロ(株式会社タイムエンジニアリングの登録商標)」)を用いることを可とする。
2はアンカー体部、3は引張り部、4はアンカー頭部、5はアンカー体部2に嵌合するステンレス製拘束型のスパイラルスペーサー、6はアンカー体部2の先端に被せた端末キャップ、7はアンカーの引張り部に被せたポリエチレン製のアンポンドシース、8はアンカー頭部に被冠したステンレス製又は亜鉛メッキ製等防食効果のあるテンドングリップであり、その一端をアンポンドシース7の一端に接触させてある。9はその円筒形キャップ内に充填するアンカー頭部のPC鋼より線を保持するための定着用充填材、10は地盤ののり面、11はのり面から地中を穿孔した削孔、12は削孔内に充填するグラウトであり、アンカー体部のPC鋼より線をスパイラルスペーサー5に付着させるものである。13は受圧板、14はアンカープレート、15は定着ナットである。また、上記のアンカープレート14及び定着ナット15はいずれもテンドングリップ8と同材質とする。16は保護キャップである。
上記の定着用充填材9は公知の製品を用い、例えばセメント系ボルト定着材料や、エポキシ樹脂系ボルト定着材料など、高定着力・固着力を有する材料を用いる。
また、ステンレス製拘束型のスパイラルスペーサー5は、テンドン挿入時の保護をするもので、さらに、削孔11内に充填したグラウト12に対する付着被りを確保し、且つ硬化したグラウト12の割裂を防止するために、スパイラルのピッチ(間隔)を線条直径の2〜5倍程度に設定する。
「グラウンドアンカーの製作例」
(1)ポリエチレン樹脂の被覆材1で被覆した超耐久性PC鋼より線を所定の長さに切断してテンドン長1とする。
(2)アンカー頭部4にテンドングリップ8を嵌合し、その内部にテンドン頭部定着の定着用充填材9を充填して硬化させる。
(3)テンドン1の引張部3にポリエチレン製のアンボンドシース7を被せる。
(4)テンドン1のアンカー体部2に拘束型のスパイラルスペーサー5を嵌合して取り付ける。
(5)テンドン1のアンカー体部2の先端に端末キャップ6を被せて取り付けてグラウンドアンカーを完成させる。
「グラウンドアンカーの具体的な設置工程」
(1)ボーリングマシンにより地山ののり面10から地中に所定の深さで穿孔して削孔11を設ける。
(2)削孔11内にスライム除去等の目的としてグラウト12として、セメントミルクを1次注入して打設する。
(3)削孔11内にグラウンドアンカーを挿入する。
(4)グラウト12としてセメントミルクをケーシング加圧注入して2次注入して打設する。
(5)削孔内に充填されたグラウト12は、アンカー体部のPC鋼より線を拘束型スパイラルスペーサー5に強固な付着力によって付着させる。その付着強度は、従来工法のものに比べて数段に高いものであることを図5に示す。
(6)上記のグラウト12の硬化後、アンカー頭部4において、テンドングリップに8に孔付きの受圧板13を嵌合する。
(7)受圧板13の上からアンカープレート14・定着ナット15の順にテンドングリップ8に嵌合して受圧板13に定着する。最後に保護キャップ16を被せる。
本考案は、ポリエチレン樹脂を充填・被覆したPC鋼より線テンドンの頭部の定着に、ステンレス製または亜鉛メッキ性テンドングリップと定着用充填材を用いることによって腐食の発生を完全に無くし、またアンカー体にスパイラルスペーサーを嵌合して長期定着性を高めることにより、今までに存在しない新規なグラウンドアンカーとして、メンテナンスフリーの完全防食な長寿命アンカー工として利用できる。
1…ポリエチレン樹脂の被覆材で被覆したPC鋼より線製テンドン
2…アンカー体部
3…引張部
4…アンカー頭部
5…ステンレス製拘束型スパイラルスペーサー
6…端末キャップ
7…ポリエチレンシース
8…ステンレス製又は亜鉛メッキ製円筒形テンドングリップ
9…定着用充填材
10…のり面
11…削孔
12…グラウト
13…受圧板
14…アンカープレート
15…定着ナット
16…保護キャップ
本考案は、金属製グラウンドアンカーに関し、のり面にグラウンドアンカーを施工した後は、防食のための防錆材の補給を不要とし、耐食性及び長期定着性を図ることで、構造に関する維持管理を必要としないいわゆるメンテナンスフリー化と長寿命化を目的とする。
一般に、のり面の地中に穿孔し、その削孔に挿入して、表層部の崩落防止や岩盤の崩落防止に適する金属製グラウンドアンカーは、PC鋼より線からなる引張り部材に加わる引張り力を、引張り部材とグラウト材との付着抵抗力により、アンカー体部に伝達する付着伝達方法が知られている。
付着伝達方法のアンカー体部の構造は、PC鋼より線からなる引張部材に引張力が加わると、周囲のグラウトに割裂亀裂が発達するため、次第に引張部材とグラウトの付着部が破壊して、クリープ性の引き抜けが生じる問題があり、その改善が求められている。
また、金属製グラウンドアンカー頭部の構造は、PC鋼より線からなる引張部材をくさびで定着して、その周囲を防錆材と保護キャップ等で防食する方法のほか、引張部材に鋼管をプレス圧着した後にネジを切削してナットで定着し、その周囲を防錆材と保護キャップ等で防食する方法が知られている。
しかしながら、地盤からの湧水などにより、アンカー頭部付近が長時間浸水する場合などは、水の遮断が困難であり、また防錆材の劣化が進行する。
このため、くさびで定着する方法では、くさびやPC鋼より線の腐食が進行する問題があり、樹脂で被覆したPC鋼より線などを用いた場合であっても、くさびや、くさびが把持する部分のPC鋼より線は樹脂が破れるため、腐食の進行を避けられない。
また、ナットで定着する方法では、ネジ部の腐食が進行する問題があり、ネジ部鋼管にステンレス鋼などを用いた場合であっても、PC鋼より線との圧着部では異種金属間の電位差が生じるために、腐食の進行を避けられない。
したがって、金属製グラウンドアンカー頭部の構造は、防食性について問題があり、その改善が求められている。
また、のり面に施工した金属製グラウンドアンカーは、期間の経過によるアンカー体の定着性の劣化、アンカー頭部の腐食発生などに対する維持管理が要求されるが、急峻なのり面等における保守・点検作業は常に危険が伴い、その改善が求められている。
特開2003−293379号公報 特開平08−134907号公報 特開平06−192980号公報 特開2004−353343号公報[0029]図面(図8)
特許文献1は、アンカー棒2の外周側にコンクリートひび割れ防止用のスパイラル筋3が備えられ、このスパイラル筋3が、基礎天面から突出する雄ネジ棒部2aへの水平力Fによる基礎コンクリート5のひび割れを防止しうる態様で基礎コンクリート5中に埋込み状態になっている。
本考案はコンクリートではなく、地山に削孔を設けてその中にアンカー体を挿入するのであるから条件が異なる。
特許文献2は、螺旋状に巻き紡錘形に加工した補強鉄筋をアンカー体上部に取付けた引張材を地盤内のグラウト材中に埋設してなる付着伝達方式グラウンドアンカーであるが、その補強鉄筋が螺旋状に巻き紡錘形に加工し,アンカー体上部にのみ配したものであるのに対し、本発明は平行の円筒形のスパイラルスペーサーをアンカー体全体に配している。
本考案において、スパイラルスペーサーを平行型としてアンカー体全体に配した理由は、グラウトに割裂亀裂が発達するのを抑制することに加え、アンカー体部の引張材全体にグラウトが充填付着するための被りを確保すること、施工に際しPC鋼より線の被覆が損傷するのを防ぐこと等のためであり、特許文献2とは目的および効果の範囲が異なる。
特許文献3は、テンドンを構成するPC鋼より線の内部および外部に、ポリエチレン樹脂を完全に充填・被覆するとともに、PC鋼より線の直径方向の外周に単一又は二つの突条線を螺旋状に形成することにより、グラウトとの付着力を確保したものである。
本考案はその防食性、付着性に優れたPC鋼より線を用いる。
特許文献4は、高強度繊維複合材をテンドンとしているのに対し、本発明はPC鋼より線をテンドンとしたものである。
本考案は、上記の金属製グラウンドアンカーのメンテナンスフリー化と長寿命化を実現するために提供するものである。
本考案の第1は、金属製グラウンドアンカーにおいて、ポリエチレン樹脂を充填・被覆したPC鋼より線テンドンでアンカー体部、引張部、アンカー頭部を形成し、アンカー体部にステンレス製拘束型のスパイラルスペーサーを嵌合し、且つ当該スパイラルスペーサーの先端に端末キャップを被せ、引張部にポリエチレンシースを被覆し、アンカー頭部にステンレス又は亜鉛メッキ製テンドングリップを嵌合し、そのテンドングリップ内にテンドンに対する高定着力・固着力を有する定着用充填材を充填・硬化させるようにしたものである。
本考案の第2は、金属製グラウンドアンカー製作方法において、ポリエチレン樹脂を充填・被覆した長尺のPC鋼より線を所定の長さに切断してテンドンとし、アンカー頭部にステンレス製又は亜鉛メッキ製等防食効果のあるテンドングリップを嵌合すると共に、その内部に高定着力・固着力を有する定着用充填材を充填して硬化させ、引張部にポリエチレンシースを被覆し、アンカー体部にステンレス製拘束型のスパイラルスペーサーを嵌合し、テンドン先端に端末キャップを被せるようにしたものである。
本発明の第3は、第1の考案又は第2の考案に係る金属製グラウンドアンカーにおいて、地山のり面にボーリングマシンにより設計した削孔長を穿孔し、当該削孔内にグラウトになるセメントミルクを地盤と定着する目的のために注入打設した後、グラウンドアンカーを当該削孔に挿入し、セメントミルクを加圧注入して硬化後にアンカープレートを取付け、アンカー頭部をのり面の受圧板に定着ナットを介してジャッキにより緊張力を加えながら固定するようにしたものである。
本考案は、上記の構成であるから、次のような効果がある。すなわち、請求項1ないし3の構成によって、アンカー体部を,円筒形の拘束型スパイラルスペーサーによって補強するので、当該アンカー体部全体にグラウトが均等に充填付着し、当該アンカー体を地中に挿入して充填硬化されたグラウトの割裂発達を抑制することができる。また、この結果、耐クリープ性の向上を図ることができる。
また、アンカー体部のPC鋼より線とその周囲のグラウトは、拘束型スパイラルスペーサーによる補強により、従来工法よりも高付着力を発揮する効果を有する。
さらに、金属製グラウンドアンカーを地山のり面の削孔に挿入する際に、アンカー体部のポリエチレン樹脂を充填・被覆したPC鋼より線は、その全体が拘束型スペーサーにより覆われて保護されるので、損傷が生じない。
またさらに、アンカー頭部は,ポリエチレン樹脂を充填・被覆したPC鋼より線テンドンを定着用充填材で、ステンレス又は亜鉛メッキ製の円筒形テンドングリップに定着するので、従来工法のように,くさびの把持部やネジ部が、錆材の劣化や水分の侵入等により腐食することがなく、恒久的な耐食性が得られる。
本考案にあっては、単体の金属製グラウンドアンカーで、充填グラウトの割裂発達の抑制、及び同グラウトに対する高付着力機能を発揮して長期定着性が図られる。
さらに、引張部材の恒久的な耐食性が得られることから、金属製グラウンドアンカー施工後の点検・修理不要によるメンテナンスフリー化および長寿命化が実現する。
本考案に係る金属製グラウンドアンカー構造の側面図である。 図1の2−2線に沿う拡大横断面図である。 図1の3−3線に沿う拡大断面図である。 図1の4−4線に沿う拡大断面図である。 アンカー体部のスパイラルスペーサーに対するグラウト付着強度の試験結果を示す図である。
ポリエチレン樹脂を充填・被覆したPC鋼より線製テンドンでアンカー体部・引張部・アンカー頭部を形成し、ステンレス製拘束型スパイラルのスペーサーを外装し、且つ先端に端末キャップを被せ、引張部にポリエチレンシースを被覆し、アンカー頭部にステンレス製又は亜鉛メッキ製テンドングリップを嵌合し、そのグリップ内に高定着力・固着力を有する充填材を充填・硬化してアンカー頭部を定着することによって、のり面にグラウンドアンカーを施工した後は、防食のための防錆材の補給を不要とし、耐食性及び長期定着性を図ることで、維持管理を必要としないいわゆるメンテナンスフリー化および長寿命化を実現できる。
図1〜図4は、本考案に係るグラウンドアンカー構造を示し、1はポリエチレン樹脂を可とする熱可塑性樹脂からなる被覆層1で被覆したPC鋼より線製テンドンであり、そのテンドン長はアンカー体部、引張部、アンカー頭部に構成されている。当該テンドン1は、超耐久性PC鋼より線(例えば「SUPRO\スープロ(株式会社タイムエンジニアリングの登録商標)」)を用いることを可とする。
2はアンカー体部、3は引張り部、4はアンカー頭部、5はアンカー体部2に嵌合するステンレス製拘束型のスパイラルスペーサー、6はアンカー体部2の先端に被せた端末キャップ、7はアンカーの引張り部に被せたポリエチレン製のアンボンドシース、8はアンカー頭部に被冠したステンレス製又は亜鉛メッキ製等防食効果のあるテンドングリップであり、その一端をアンボンドシース7の一端に接触させてある。9はその円筒形キャップ内に充填するアンカー頭部のPC鋼より線を保持するための定着用充填材、10は地盤ののり面、11はのり面から地中を穿孔した削孔、12は削孔内に充填するグラウトであり、アンカー体部のPC鋼より線をスパイラルスペーサー5に付着させるものである。13は受圧板、14はアンカープレート、15は定着ナットである。また、上記のアンカープレート14及び定着ナット15はいずれもテンドングリップ8と同材質とする。16は保護キャップである。
上記の定着用充填材9は公知の製品を用い、例えばセメント系ボルト定着材料や、エポキシ樹脂系ボルト定着材料など、高定着力・固着力を有する材料を用いる。
また、ステンレス製拘束型のスパイラルスペーサー5は、テンドン挿入時の保護をするもので、さらに、削孔11内に充填したグラウト12に対する付着被りを確保し、且つ硬化したグラウト12の割裂を防止するために、スパイラルのピッチ(間隔)を線条直径の2〜5倍程度に設定する。
「グラウンドアンカーの製作例」
(1)ポリエチレン樹脂の被覆材1で被覆した超耐久性PC鋼より線を所定の長さに切断してテンドン長1とする。
(2)アンカー頭部4にテンドングリップ8を嵌合し、その内部にテンドン頭部定着の定着用充填材9を充填して硬化させる。
(3)PC鋼より線製テンドン1の引張部3にポリエチレン製のアンボンドシース7を被せる。
(4)PC鋼より線製テンドン1のアンカー体部2に拘束型のスパイラルスペーサー5を嵌合して取り付ける。
(5)PC鋼より線製テンンドン1のアンカー体部2の先端に端末キャップ6を被せて取り付けてグラウンドアンカーを完成させる。
「グラウンドアンカーの具体的な設置工程」
(1)ボーリングマシンにより地山ののり面10から地中に所定の深さで穿孔して削孔11を設ける。
(2)削孔11内にスライム除去等の目的としてグラウト12として、セメントミルクを1次注入して打設する。
(3)削孔11内にグラウンドアンカーを挿入する。
(4)グラウト12としてセメントミルクをケーシング加圧注入して2次注入して打設する。
(5)削孔内に充填されたグラウト12は、アンカー体部のPC鋼より線を拘束型スパイラルスペーサー5に強固な付着力によって付着させる。その付着強度は、従来工法のものに比べて数段に高いものであることを図5に示す。
(6)上記のグラウト12の硬化後、アンカー頭部4において、テンドングリップに8に孔付きの受圧板13を嵌合する。
(7)受圧板13の上からアンカープレート14・定着ナット15の順にテンドングリップ8に嵌合して受圧板13に定着する。最後に保護キャップ16を被せる。
本考案は、ポリエチレン樹脂を充填・被覆したPC鋼より線テンドンの頭部の定着に、ステンレス製または亜鉛メッキ性テンドングリップと定着用充填材を用いることによって腐食の発生を完全に無くし、またアンカー体にスパイラルスペーサーを嵌合して長期定着性を高めることにより、今までに存在しない新規なグラウンドアンカーとして、メンテナンスフリーの完全防食な長寿命アンカー工として利用できる。
1…ポリエチレン樹脂の被覆材で被覆したPC鋼より線製テンドン
2…アンカー体部
3…引張部
4…アンカー頭部
5…ステンレス製拘束型スパイラルスペーサー
6…端末キャップ
7…ポリエチレンシース
8…ステンレス製又は亜鉛メッキ製円筒形テンドングリップ
9…定着用充填材
10…のり面
11…削孔
12…グラウト
13…受圧板
14…アンカープレート
15…定着ナット
16…保護キャップ

Claims (3)

  1. ポリエチレン樹脂を充填・被覆したPC鋼より線テンドン(1)でアンカー体部(2)、引張部(3)、アンカー頭部(4)を形成し、アンカー体部(2)にステンレス製拘束型のスパイラルスペーサー(5)を嵌合し、且つ当該スパイラルスペーサーの先端に端末キャップ(6)を被せ、引張部(3)にポリエチレンシース(7)を被覆し、アンカー頭部(4)にステンレス又は亜鉛メッキ製テンドングリップ(8)を嵌合し、そのテンドングリップ内にテンドンに対する高定着力・固着力を有する定着用充填材(9)を充填・硬化させることを特徴とする金属製グラウンドアンカー。
  2. ポリエチレン樹脂を充填・被覆したPC鋼より線を所定の長さに切断してテンドン(1)とし、アンカー頭部にステンレス製テンドングリップ(8)を嵌合すると共に、その内部に高定着力・固着力を有する定着用充填材(9)を充填して硬化させ、引張部(3)にポリエチレンシース(7)を被覆し、アンカー体部(2)にステンレス製拘束型のスパイラルスペーサー(5)を嵌合し、テンドン先端に端末キャップ(6)を被せることを特徴とする金属製グラウンドアンカー。
  3. 地山のり面にボーリングマシンにより設計した削孔長を穿孔し、当該削孔内にグラウトになるセメントミルクを地盤と定着する目的のために注入打設した後、グラウンドアンカーを当該削孔に挿入し、さらに加圧注入してセメントミルクの硬化後にアンカープレートを取付け、アンカー頭部をのり面の受圧板に定着ナットを介してジャッキにより緊張力を加えながら固定するようにしたことを特徴とする金属製グラウンドアンカー設置構造。
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JP2020200654A (ja) * 2019-06-10 2020-12-17 弘和産業株式会社 テンドンの頭部定着構造

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