JP3191257B2 - 音響信号符号化方法、音響信号復号化方法、音響信号符号化装置、音響信号復号化装置 - Google Patents

音響信号符号化方法、音響信号復号化方法、音響信号符号化装置、音響信号復号化装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル音響信号
等をデータ圧縮する符号化方法とその復号化方法に係
り、特に、符号化前のデジタル音響信号(元信号)に対
して、これを圧縮した符号化信号から伸張して得られる
復号化信号を、情報欠落のない(Loss Less)状態で再
生することができる、音響信号符号化方法及びその復号
化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、単純にデジタル変換された音響
信号は、ホワイトノイズのようなランダムデータでない
限り何らかの連続性または冗長性を持っており、この性
質を用いたいくつかの可逆圧縮方式(Loss Less 圧縮方
式)が知られている。そして、この時間軸上の隣り合う
サンプルが相関性(連続性)を持つことは音響信号を観
察すれば容易に把握できる。また、音響信号の振幅分布
には一般に偏りがあり、これをデジタル化した信号は、
各ビットが「0」または「1」となる生起確率に規則性
が見られる。この偏りが大きくなると音響信号の持つ冗
長度も拡大する。
【0003】この可逆圧縮方式の例としては、音楽の持
つ連続性と、隣接するサンプル間の差分値がサンプル値
そのものよりも一般に小さいことを利用した圧縮方式と
して差分PCM方式が良く知られている。また、その線
形性を利用して、前後のサンプル値から対象とするサン
プル値を予測する予測差分PCM方式や、差分幅を適応
的に定めた適応予測差分PCM方式等も知られている。
【0004】さらに、数学的な圧縮手法を用いて冗長度
削減を図った方法としては、デジタル信号の出現分布の
偏りを利用するエントロピー符号化方式や、目的の信号
のパターンと過去の信号または用意したテーブルの信号
とのマッチングを取って符号化するベクトル符号化方式
がある。また、時間領域の音響信号を周波数変換し、そ
のスペクトル分布の偏りから帯域毎の情報量を適応的に
情報配分することにより、符号量を削減して符号化する
方式等がある。
【0005】ただし、可逆圧縮方式としての主流は差分
PCM方式であり、これとエントロピー符号化方式、例
えばハフマン符号化などを組み合わせた圧縮方式が用い
られている。そして、周波数変換を用いた符号化方法
は、主として聴覚心理特性等を利用した非可逆の高能率
符号化方式に用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の音響
符号化方式は、時間領域のみで符号化した場合は、音響
信号の持つ周波数分布の偏差がもたらす特徴を利用した
符号化が行えず、効率的な圧縮を達成しえなかった。特
に、差分PCM方式は高域にかなり振幅の大きい信号が
存在する場合、前サンプルとの差分値を表現するため
に、16ビットリニアPCM方式に相当するダイナミッ
クレンジを持つには17ビットの差分ビット幅が必要で
ある。したがって、高域の振幅が大きく変化の激しい音
響信号を符号化すると、符号化効率が悪化するという課
題があった。
【0007】また、適応予測を導入した符号化の場合で
も、予測精度が芳しくない(予測困難な)音楽ソースを
符号化すると差分ビット幅が拡大し、必ずしも符号化効
率が上がるとは限らなかった。また、数学的な圧縮手法
は音声の持つ連続性、相関性から生じる冗長性を十分生
かし切れておらず、音響信号の特徴を利用した符号化方
式と比較した場合、数学圧縮の符号化品質は劣って(符
号量が多くなって)いた。
【0008】さらに、周波数変換(特に直交変換)を利
用した符号化方式は、理論的には可逆であるが、可逆性
を維持するためには、高い量子化精度(演算精度)が要
求されるので、周波数領域情報のサンプルの量子化幅が
拡大し、結果として可逆性を維持しようとすると、構成
が大規模になってしまう上に、圧縮率が向上しないとい
う課題があった。
【0009】そこで、本発明は、従来、可逆符号化方式
としては不適当とされた周波数変換符号化方式に対して
時間領域の補正を用いることにより、効率的かつ完全な
可逆性を保持した音響信号の符号化方式及びその復号化
方式を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段として、本発明の音響信号符号化装置では、音響
信号の持つ周波数分布の偏差を利用するために、周波数
領域情報生成部においてデジタル音響信号を帯域分割し
た後、個々の帯域について求めたエネルギー値を基に、
情報量に応じたビット配分により量子化されたサンプル
値を周波数領域の情報として符号化し、時間領域情報生
成部において、周波数領域情報生成部から供給される量
子化後のサンプル値を逆量子化し、これを時間領域信号
へ再変換するために帯域合成を行われた後の信号と元信
号との残差信号を時間領域の情報として符号化し、この
両者を多重化部において多重化することにより、可逆圧
縮の符号化を行っている。
【0011】また、本発明の音響信号復号化装置では、
供給された多重化信号を周波数領域の情報と残差信号と
に分離し、周波数領域の情報を帯域合成した後に残差信
号によって補正することにより、元信号と同一のデジタ
ル音響信号を得るようにしたものである。
【0012】ここで、復号後信号が完全に元信号と一致
するために、符号化装置における帯域合成部と復号化装
置における帯域合成部とは共通な構成を持ち、演算精度
及び丸め処理は同一手法を取っている。この結果、符号
化装置において帯域合成された信号と元信号との差分値
を求め、これを時間領域の情報として符号化し伝送する
ことで、復号化装置において帯域合成後の信号に時間領
域の補正値を加算し復号された信号は元信号と完全に同
じになる。
【0013】音響信号を周波数領域と時間領域の両者の
情報を多重化し符号化する可逆圧縮符号化方式及びその
復号化方式は、音響信号を周波数領域で扱うことによっ
て、信号の持つスペクトル分布の偏差から生じる冗長性
を信号の種類(様々なジャンルのオーディオソース)に
よらず効果的に削減することができ、さらに時間領域信
号である残差信号を補正のために用いることで確実に元
信号への復元を可能としている。この方式は周波数領域
単体で符号化する場合に比べ、可逆性を維持するために
必要な周波数領域信号の量子化精度を厳密に算出する手
順を必要としなくとも、完全可逆圧縮の方式を提供する
ことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の音響信号符号化方法、音
響信号復号化方法、音響信号符号化装置、音響信号復号
化装置の一実施例を図面と共に説明する。図1は本発明
の音響信号符号化装置の一実施例を示す構成図であり、
図6はその動作を示すフローチャート図である。そし
て、各図を参考にして、音響信号符号化方法の一実施例
についても同時に説明する。
【0015】図1に示す音響信号符号化装置は、周波数
領域情報生成部Aと時間領域情報生成部Bと多重化部
(多重化器)9とにより構成されている。そして、周波
数領域情報生成部Aは、帯域分割フィルタ1、最大値選
択部2、ビット配分部3、量子化器4とにより構成さ
れ、時間領域情報生成部Bは、逆量子化器5、帯域合成
フィルタ6、遅延器7、残差計算部8とにより構成され
ている。また、入力されるデジタル音響信号は、フレー
ムを処理単位とするブロックで形成されている。本実施
例では、1フレームを形成する音響信号を1チャンネル
あたり512サンプル、帯域分割幅を32バンドとして
いる。
【0016】そして、最下位ビット精度は任意のビット
幅で固定するが、ここでは16ビットの固定量子化精度
とし、これ以下の情報は四捨五入によって上位ビット
(最下位ビットである16ビット目)に反映する。周波
数領域のビット配分情報は4ビットでコード0〜16ビ
ットを表現し、時間領域のビット配分は3ビットでコー
ド0〜8ビットを表現するものとする。
【0017】ここで、時間領域のビット配分幅はフィル
タの特性によるものであり、帯域合成にかかる積和演算
中の乗算回数に委ねられる。この演算での誤差の蓄積の
最悪値が時間配分ビット幅以内であれば、周波数領域の
ビット配分幅が最終的な量子化精度を保証することにな
る。本実施例では3ビットでコード化を行っているの
で、16ビット量子化精度を保証している。また、ビッ
ト配分幅を4ビットで表現すれば、24ビットの量子化
精度を持つ入力音響信号の可逆圧縮が可能となる。但し
この場合、時間領域情報が増大して符号化品質が悪くな
るため、周波数領域情報との効率的な情報量配分が必要
となる。
【0018】そして、4ビットの周波数領域ビット配分
表を表1に示し、3ビットの時間領域ビット配分表を表
2に示す。なお、配分無しがコード0で、配分がある場
合は符号ビットを含めた形でコード2〜コード最大値の
間で設定している。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】次に、図1に示す音響信号符号化装置の動
作について説明する。入力されるデジタル音響信号(元
信号)は、最初に帯域分割フィルタ1と遅延器7(後述
する)とに供給される。この帯域分割フィルタ1では、
時間領域情報である入力信号を周波数領域情報へと展開
している(ステップ101)。ここでは、サブバンドフ
ィルタを32バンド等分割とし、そのバンド幅Wを次式
のように設定している。なお、出力されるサブバンドデ
ータの精度は前述したように最下位ビット精度である1
6ビットとする。
【0022】 W=(サンプリング周波数×0.5)/32 (Hz)
【0023】また、この帯域分割フィルタ1及び後述す
る帯域合成フィルタ6としては、例えばDCTのような
直交変換を行うフィルタ、フィルタの原理を利用したサ
ブバンドフィルタ、基底とする波形に信号を分解し表現
するウェーブレット変換、さらには、周波数変換の代表
的な方法であるフーリエ変換等が挙げられる。そして、
本発明では、時間領域の情報成分も利用していることか
ら、帯域分割合成後の信号が完全な元信号に戻る必要は
ないので、何れの周波数変換方法を用いても良い。本実
施例では説明を具体的にするために、512タップのサ
ブバンドフィルタ(ポリフェイズフィルタ)を用いるこ
とにする。なお、遅延は帯域分割合成を通して480サ
ンプル分生じる。
【0024】帯域分割フィルタ1にて32バンド等分割
された周波数領域情報の音響信号は、最大値選択部2及
び量子化器4に供給される。最大値選択部2では、1フ
レーム内に存在する32バンド各々につき、16個(5
12/32個)あるサブバンドデータ(振幅値)または
エネルギー値の絶対値比較を行い、その最大値Sを選択
して出力する(ステップ102)。
【0025】そして、最大値選択部2より出力されるサ
ブバンドデータの最大値Sは、ビット配分部3に供給さ
れる。ビット配分部3では、各帯域(バンド)の最大値
Sを表1に示す周波数領域ビット配分表に参照して、3
2バンドそれぞれに対して割り当てられるビット数を決
定する(ステップ103)。ここでのビット配分は、表
1に示すように、最大値サンプルを2の補数表示で表現
するために、最小限必要なビット数に対応して行われ
る。
【0026】量子化器4では、ビット配分部3より供給
されるビット配分情報に基づいて、帯域分割フィルタ1
より供給される周波数領域情報の音響信号の各サブバン
ドデータのビット数を削減する(ステップ104)。こ
こでの削減は、符号ビットと同一である上位ビットを符
号ビットを除いて(16−割当ビット数)個の削減とな
る。このサブバンドデータのビット数削減の例を表3に
示す。
【0027】
【表3】
【0028】表3に示すように、10進数で表したサブ
バンドデータが、6,31,84,…,12,54であ
るとき、これらの絶対値の最大値は−94となり、ビッ
ト配分情報(割当ビット数)は、表1より8ビットとな
る。したがって、16ビットのサブバンドデータのう
ち、下位7ビットと符号ビットとしての最上位ビット
(signビット)とを合わせたデータ(8ビット)を量子
化データとし、上位第2〜第9の8ビットを削減ビット
としている。これは、符号ビット部分を1ビットのsign
ビットを残して、削減したことと等価である。
【0029】したがって、逆量子化ではビット配分情報
より、この削減された上位ビットを指定数だけ符号ビッ
ト(signビット)で埋めればよい。この様にして量子化
されたサブバンドデータとビット配分情報は、多重化器
(多重化部)9に出力されると共に、サブバンドデータ
を時間領域へ再変換処理をするために、逆量子化器5に
出力される。
【0030】逆量子化器5における逆量子化は、符号ビ
ットと同一コードを上位ビットに(16−割当ビット
数)個付け加えることにより行われる(ステップ10
5)。したがって、このような量子化及び逆量子化にお
いては、その演算中に何ら演算に関わる制約、例えば四
捨五入等を行わないため、量子化誤差が生じることはな
い。
【0031】逆量子化器5での逆量子化によって、最下
位ビット精度(本実施例では16ビット)に揃えられた
サブバンドデータは、帯域合成フィルタ6に供給されて
時間領域情報の信号に変換される(ステップ106)。
この帯域合成フィルタ6における帯域合成処理では、演
算精度、フィルタ係数精度、演算過程及び出力段のデー
タに対する丸め処理を、後述する復号化装置の帯域合成
フィルタ6と完全に一致させる必要がある。
【0032】また、一般にデジタル音響信号処理にはD
SP(Digital Signal Processer)がよく用いられる。
そこで、この帯域合成フィルタ6における帯域合成処理
をDSPを例にとって説明する。帯域合成フィルタ6に
用いるDSPの内部演算ブロック構成を図3に示す。こ
こで使用するDSPは、例えば16ビット×16ビット
の固定小数点とし、内部演算精度、及びメモリ内部のデ
ータ幅を16ビットとする。
【0033】サブバンドフィルタなどでの帯域分割合成
は、主として積和演算によって変換が行われる。したが
って、帯域合成フィルタ6は、乗算器、加算器及び入出
力段のレジスタで構成されており、演算過程で必要な各
種係数用メモリ及び中間データ用のメモリ(演算用メモ
リ)と入出力バスにて接続されている。
【0034】同図において、入力データ(サブバンドデ
ータ)とこの入力データに対応するフィルタ係数データ
とが、それぞれ16ビットの入力用データバスを介して
乗算器21に順次入力される。この入力データは、逆量
子化器5から出力されるデータが図示しないメモリ内に
16ビット精度で格納され、必要なデータが乗算器21
に随時供給されている。また、フィルタ係数データは、
同じく図示しない各種係数用メモリに16ビット精度で
予め格納されている。そして、この乗算器21は、入力
データにフィルタ係数データを乗算して32ビットのデ
ータとして出力している。
【0035】この乗算器21の出力は、32ビット+α
の加算器23に供給されている。このαは上位拡張ビッ
トを指す。なお、積和演算は32ビット幅のバスを用
い、それ以外は16ビットのバスを用いている。そし
て、加算器23からの出力は、一旦レジスタ22に蓄積
され、このレジスタ22の出力と次の乗算器21からの
出力とが加算器23にて加算され、次の演算のためにレ
ジスタ22に蓄積されるという状態を入力データがなく
なるまで、繰り返される。
【0036】そして、一次積和演算が終了すると、加算
器23からの出力は32ビット精度のデータのままレジ
スタ24に供給され、16ビット精度のデータに丸め処
理され、図示しない演算用メモリに出力する。この演算
用メモリは、32ビットから丸め処理を受けた16ビッ
ト精度のデータを格納して、二次積和演算を行うため
に、乗算器21に出力している。そして、同様にして、
二次積和演算が行われると、レジスタ24からデータ出
力として、16ビット精度のデータ(時間領域情報の音
響信号)が残差計算部8に出力される。
【0037】ここで、乗算器21は各16ビット精度の
データ入力に対して32ビット精度のデータ出力である
ため、演算誤差が生じることはない。そして、各メモリ
に格納する場合に16ビット精度の丸め処理を行ってい
るが、加算器23では、積和演算中のオーバーフローや
アンダーフローに備えて十分なビット数の整数域(上位
拡張ビット)を確保している。したがって、丸め処理が
行われるのは、メモリに格納する場合、または最終出力
値を得るときに限られるので、余分な演算誤差が積み重
なることはない。
【0038】上記のような帯域分割合成の演算がなされ
て、図1の帯域合成フィルタ6から出力される16ビッ
ト精度の時間領域情報の音響信号(復号後信号)と、遅
延器7に入力されているデジタル音響信号(元信号)と
が、残差計算部8に供給され、帯域分割フィルタ1及び
帯域合成フィルタ6での帯域分割合成にて発生した演算
誤差を算出して、残差信号として出力する(ステップ1
07)。なお、ここでは残差信号を24サンプルのブロ
ックとして取り扱う。そして、このブロック内の最大値
を表現するために最低必要なビット数をブロックビット
幅とし、これを3ビットでコード化する。表2に残差信
号とブロックビット幅の関係を示す。表2において、ビ
ット配分として示されている数字が、ブロックビット幅
であり、ブロック内の残差信号の絶対値の最大値Mによ
って、その数値が定まっている。
【0039】なお、帯域分割フィルタ1及び帯域合成フ
ィルタ6を通過した復号後信号は、フィルタ固有の遅延
によって時間軸が遅れているので、元信号を遅延器7を
介して残差計算部8に供給することにより(ステップ1
08)、復号後信号との時間軸を揃えている。
【0040】このフィルタ固有の遅延について、図4と
共に簡単に説明する。同図(A)に示すような時間領域
情報のデジタル音響信号(元信号)を帯域分割フィルタ
1に供給すると、元信号はフィルタバンクに32サンプ
ルづつシフトしながら蓄積され、随時32個のサブバン
ドサンプルを生成する(同図(B))。そして、帯域合
成フィルタ6においては、サブバンドサンプルはフィル
タバンクに32サンプルづつシフトしながら蓄積され、
随時32個の出力信号(時間軸に変換された復号後信
号)を生成する(同図(C))。このとき、一連の帯域
分割合成にて生じる遅延は480サンプル分であり、復
号後信号は、元信号に対して、480サンプル遅れて同
じデータが出力される。したがって、遅延器7では48
0サンプル分遅延させてフィルタ固有の遅延を吸収し
(同図(D))、残差計算部8における残差信号の算出
を可能にしている。
【0041】そして、多重化器9では、量子化器4より
供給されるビット数の削減されたサブバンドデータ(周
波数領域情報のデジタル音響信号)と残差計算部8より
供給される残差信号とに対して、フレーム同期ワード、
各種モードや補助情報、周波数領域の信号の補助情報
(周波数領域サイド情報)、さらに時間領域の信号の補
助情報(時間領域サイド情報)等を付加し、例えば図5
に示すように配列してビットストリームを生成する(ス
テップ109)。このように多重化して同一フレーム内
に残差信号を含めているので、復号化の時には、帯域合
成処理され時間領域に変換された信号を補正して復号化
する際に要する遅延量を減少させることができる。
【0042】次に、図2に本発明の音響信号復号化装置
の一実施例の構成図を示し、図7にその動作フローチャ
ートを示して、本発明の音響信号復号化方法の一実施例
についても合わせて説明する。なお、図1の音響信号符
号化装置に示した逆量子化器4及び帯域合成フィルタ6
と図2に示した逆量子化器4及び帯域合成フィルタ6と
は完全に同一構成のものを使用している。
【0043】音響信号符号化装置にて符号化されたビッ
トストリームは分離化器10に供給されて、同期ワー
ド、モード、補助情報等を解読し、さらに周波数領域の
信号と時間領域の信号とに分離される(ステップ20
1)。分離後の周波数領域の信号は、帯域合成されるた
めにその前処理である逆量子化器5に供給される。ま
た、時間領域の信号は後に帯域合成フィルタ6を経た信
号に対し補正を行うために残差補正部11に供給され
る。
【0044】逆量子化器5は先に述べたように、帯域合
成フィルタ6と共に音響信号符号化装置で使用されてい
る逆量子化器5及び帯域合成フィルタ6と完全に同じも
のであり、その動作も同一である。そして、ここでも符
号ビットと同一コードを上位に(16−割当ビット数)
個、追加して出力している(ステップ202)。逆量子
化器5より出力される信号は、帯域合成フィルタ6に供
給されて、周波数領域の信号は時間領域の信号に変換さ
れる(ステップ203)。そして、逆量子化器5から帯
域合成フィルタ6までの処理過程は音響信号符号化装置
と全く同じであるため、符号化処理中に生じた元信号と
の誤差は、時間領域の信号として音響信号符号化装置か
ら供給される残差成分によって補正すれば、帯域合成後
の信号は元信号と全く同じ信号に戻ることになる。
【0045】したがって、残差補正部11にて、帯域合
成フィルタ6より供給される時間領域の帯域合成後信号
に分離化器10より供給される時間領域補正信号(残差
信号)を加算することにより、元信号に復元している
(ステップ204)。なお、帯域合成フィルタ6におけ
る帯域合成処理にかかる遅延は音響信号符号化装置側で
調整されているので、時間領域の残差信号は帯域合成後
信号と時間軸が一致した状態で残差補正部12に供給さ
れている。即ち、残差信号は、音響信号符号化装置側に
おいて、帯域分割フィルタ1と帯域合成フィルタ6とを
通過した信号と、この信号に合わせて遅延させた元信号
とから生成されているので、元信号に対して480サン
プル分遅延しているが、周波数領域の信号は帯域合成フ
ィルタ6を介していないので、その分遅延量が少ない状
態で多重化されている。したがって、音響信号復号化装
置側で、周波数領域の信号が帯域合成フィルタ6を通過
した後の遅延量は、残差信号と同じになり、時間軸が一
致する。
【0046】この結果、本発明の音響信号符号化装置に
入力されたデジタル音響信号(元信号)は、符号化信号
としてデータ圧縮された信号として伝送または蓄積さ
れ、本発明の音響信号復号化装置によって、元信号と完
全に一致した復号化信号として出力することができる。
【0047】
【発明の効果】本発明の音響信号符号化方法及び音響信
号符号化装置は、周波数領域情報によって音響信号の持
つ特長を生かした効率的な圧縮符号化を行うことができ
る。また、本発明の音響信号復号化方法及び音響信号復
号化装置は、周波数領域情報を時間領域情報である残差
信号によって、適切かつ必要最小限の補正を行っている
ので、元信号を確実に復号することができるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音響信号符号化装置の一実施例を示す
構成図である。
【図2】本発明の音響信号復号化装置の一実施例を示す
構成図である。
【図3】帯域合成フィルタに用いられるDSPの内部演
算ブロック構成を示す構成図である。
【図4】フィルタ固有の遅延量を説明するための図であ
る。
【図5】ビットストリームの生成例を示す構成図であ
る。
【図6】本発明の音響信号符号化装置の動作例を示すフ
ローチャート図である。
【図7】本発明の音響信号復号化装置の動作例を示すフ
ローチャート図である。
【符号の説明】
1 帯域分割フィルタ 2 最大値選択部 3 ビット配分部 4 量子化器 5 逆量子化器 6 帯域合成フィルタ 7 遅延器 8 残差計算部 9 多重化部(多重化器) 10 分離化器 11 残差補正部 A 周波数領域情報生成部 B 時間領域情報生成部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】元信号として供給される時間領域情報のデ
    ジタル音響信号を帯域分割して周波数領域情報のデジタ
    ル音響信号を得、その周波数領域情報のデジタル音響信
    号の分割されている個々の帯域において、振幅値または
    エネルギー値を求め、求めた前記振幅値またはエネルギ
    ー値に基づいて量子化ビット配分を算出し、その量子化
    ビット配分に応じて前記周波数領域情報のデジタル音響
    信号を符号化する第1の工程と、 この第1の工程にて符号化された周波数領域情報のデジ
    タル音響信号を逆量子化した後に帯域合成して時間領域
    情報の信号へ再変換し、この再変換により得られた時間
    領域情報の信号と、前記元信号として供給される時間領
    域情報のデジタル音響信号との残差信号を時間領域情報
    として生成する第2の工程と、 この第2の工程にて生成された時間領域情報の残差信号
    と前記第1の工程にて符号化された周波数領域情報のデ
    ジタル音響信号とを多重化する第3の工程と、よりなる
    ことを特徴とする音響信号符号化方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の音響信号符号化方法にて符
    号化された音響信号を復号化する音響信号復号化方法で
    あって、 供給される前記符号化された音響信号を、時間領域情報
    の残差信号と周波数領域情報のデジタル音響信号とに
    離する第1の工程と、 この第1の工程にて分離された周波数領域情報のデジタ
    ル音響信号を、逆量子化した後に帯域合成して時間領域
    情報のデジタル音響信号に変換する第2の工程と、 この第2の工程にて時間領域情報に変換されたデジタル
    音響信号を、前記第1の工程にて分離された時間領域情
    報の残差信号により補正する第3の工程と、 よりなることを特徴とする音響信号復号化方法。
  3. 【請求項3】元信号として供給される時間領域情報のデ
    ジタル音響信号を帯域分割し周波数領域情報のデジタル
    音響信号を得る帯域分割フィルタと、 この帯域分割フィルタにて分割された個々の帯域におい
    て、前記周波数領域情報のデジタル音響信号の振幅値ま
    たはエネルギー値の最大値を検出する最大値選択部と、 この最大値選択部より供給される振幅値またはエネルギ
    ー値の最大値に基づいて量子化ビット配分を算出するビ
    ット配分部と、 このビット配分部より供給される量子化ビット配分で前
    記帯域分割フィルタより供給される前記周波数領域情報
    のデジタル音響信号を符号化する量子化器と、 この量子化器より供給される信号を逆量子化する逆量子
    化器と、 この逆量子化器より供給される信号を帯域合成して時間
    領域情報の信号へ再変換する帯域合成フィルタと、 この帯域合成フィルタより供給される時間領域情報の信
    号と前記元信号として供給される時間領域情報のデジタ
    ル音響信号との残差信号を生成する残差計算部と、 この残差計算部より供給される前記残差信号と前記量子
    化器より供給される信号とを多重化する多重化部とを有
    することを特徴とする音響信号符号化装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の音響信号符号化装置にて符
    号化され多重化された音響信号を復号化する音響信号復
    号化装置であって、 供給される前記符号化され多重化された音響信号を、周
    波数領域情報のデジタル音響信号と時間領域情報の残差
    信号とに分離する分離化器と、 この分離化器より供給される周波数領域のデジタル音響
    信号を逆量子化する逆量子化器と、 この逆量子化器より供給される信号を帯域合成して時間
    領域情報のデジタル音響信号 に変換する帯域合成フィル
    タと、 この帯域合成フィルタより供給される時間領域情報のデ
    ジタル音響信号を前記分離化器より供給される前記時間
    領域情報の残差信号によって補正する残差補正部と、 を有することを特徴とする音響信号復号化装置。
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