JP3190581B2 - 高機能性アスファルト舗装方法及び高機能性アスファルト舗装構造 - Google Patents

高機能性アスファルト舗装方法及び高機能性アスファルト舗装構造

Info

Publication number
JP3190581B2
JP3190581B2 JP29668396A JP29668396A JP3190581B2 JP 3190581 B2 JP3190581 B2 JP 3190581B2 JP 29668396 A JP29668396 A JP 29668396A JP 29668396 A JP29668396 A JP 29668396A JP 3190581 B2 JP3190581 B2 JP 3190581B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pavement
asphalt
rubber particles
asphalt pavement
porosity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP29668396A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10140510A (ja
Inventor
英夫 吉居
保徳 香川
修平 光谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Obayashi Road Corp
Original Assignee
Obayashi Road Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Obayashi Road Corp filed Critical Obayashi Road Corp
Priority to JP29668396A priority Critical patent/JP3190581B2/ja
Publication of JPH10140510A publication Critical patent/JPH10140510A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3190581B2 publication Critical patent/JP3190581B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Road Paving Structures (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アスファルト舗装
材の表面にゴム粒子を散布し、これを締め固めるアスフ
ァルト舗装方法と、これによって得たアスファルト舗装
構造に関する。このアスファルト舗装によれば、交通車
両による交通騒音を減少させる低騒音性を付加または増
加させることができるとともに、該アスファルト舗装の
本来保有している機能に加え、積雪または舗装表面に付
着した薄い氷結層を剥離する機能を付加または増加させ
ることができる。
【0002】
【従来の技術】近年、道路舗装には、交通車両による交
通騒音を減少させる機能、いわゆる低騒音性が求められ
るようになっている。しかし、従来の低騒音性アスファ
ルト舗装としては、例えば排水性舗装のような開粒度型
舗装(社団法人日本道路協会編集発行による「アスファ
ルト舗装要綱」〔平成4年12月5日発行改訂版〕に記
載あり)の有する低騒音性を利用したものしかない。ま
た、特に冬期積雪寒冷地のアスファルト舗装には、凍結
抑制機能が求められている。従来の凍結抑制舗装として
は、舗装体に凍結抑制薬剤を混入させたものなどがあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アスファルト舗装の低
騒音性を達成するため、本出願人は、特願平7−330
445号において、骨材、フィラー、アスファルトの外
に、さらにゴム粒子を重量比で1〜10%加えてミキサ
で混合したアスファルト舗装材を用い、空隙率が10〜
40%となるように調整した舗装構造を提案している。
この舗装は、交通騒音を減少する効果を有している。さ
らに、本出願人は、アスファルト舗装の凍結対策とし
て、特願平4−28087号及び特願平4−28088
号において、主要な構成材料として骨材、フィラー、ア
スファルトにゴム粒子を混入した凍結抑制舗装を提案し
ている。
【0004】しかしながら、アスファルト舗装の低騒音
性に対する要求は近年さらに厳しくなっている。また、
特に前述した排水性舗装のような開粒度型舗装について
は、舗装表面が粗面であるため、冬期積雪が詰まり融雪
しにくく、その雪が氷結しやすい等、冬期に弱点を露呈
する場合が指摘されており、一般にアスファルト舗装の
凍結対策に対する要望も近年さらに高まっている。そこ
で、本発明は、上述した従来の技術や、本出願人の提案
した発明を踏まえ、さらに優れた低騒音性や耐凍結機能
を有するアスファルト舗装を提供することを目的として
いる。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された高
機能性アスファルト舗装方法は、骨材とフィラーとアス
ファルトとゴム粒子を混合したアスファルト舗装材を敷
き均して舗装体を形成した後、前記舗装体の舗装表面に
ゴム粒子を散布し、転圧機械によって締め固めることを
特徴とする高機能性アスファルト舗装方法において、前
記アスファルト舗装材における前記ゴム粒子の重量比を
1〜10%とし、前記舗装体を空隙率が1〜40%とな
るように形成し、前記舗装体の舗装表面に散布するゴム
粒子の量を0.1〜0.5kg/m 2 、同粒径の範囲を
5mm未満1mm以上としたことを特徴とする。
【0006】請求項2に記載された高機能性アスファル
ト舗装構造は、骨材とフィラーとアスファルトとゴム粒
子を混合したアスファルト舗装材から構成された空隙を
有する舗装体の表面に、多数のゴム粒子が少なくとも一
部を露出させた状態で固定された高機能性アスファルト
舗装構造において、前記アスファルト舗装材における前
記ゴム粒子の重量比が1〜10%であり、前記舗装体の
空隙率が1〜40%であり、前記舗装体の舗装表面に散
布するゴム粒子の量が0.1〜0.5kg/m 2 、同粒
径の範囲が5mm未満1mm以上としたものである。
【0007】請求項3に記載された高機能性アスファル
ト舗装方法は、骨材とフィラーとアスファルトを混合し
たアスファルト舗装材を敷き均して舗装体を形成した
後、前記舗装体の舗装表面にゴム粒子を散布し、転圧機
械によって締め固める高機能性アスファルト舗装方法に
おいて、 前記舗装体を空隙率が1〜40%となるように
形成し、前記舗装体の舗装表面に対するゴム粒子の散布
量を0.1〜0.5kg/m 2 、同粒径の範囲を5mm
未満1mm以上としたことを特徴としている。
【0008】請求項4に記載された高機能性アスファル
ト舗装構造は、骨材とフィラーとアスファルトを混合し
たアスファルト舗装材から構成された空隙を有する舗装
体の表面に、多数のゴム粒子が少なくとも一部を露出さ
せた状態で固定された高機能性アスファルト舗装構造に
おいて、前記舗装体を空隙率が1〜40%であり、前記
舗装体の舗装表面に対するゴム粒子の散布量が0.1〜
0.5kg/m 2 、同粒径の範囲が5mm未満1mm以
上であることを特徴とする。
【0011】請求項1の高機能性アスファルト舗装方法
で得られる高機能性アスファルト舗装構造又は請求項
の高機能性アスファルト舗装構造によれば、舗装体中の
空隙が外部からの入射音(例えば交通騒音)を吸収す
る。この際空隙率が10%以上あると、その機能は大き
くなる。さらに舗装体内のゴム粒子と、該ゴム粒子を含
む舗装体が共鳴振動し、さらに舗装表面のゴム粒子は入
射音を乱反射し、接触摩擦やゴムの変形によるエネルギ
の吸収などの作用をする。これらの各作用が相乗して入
射音を減少させ、その結果大きな吸音性を示す。本来低
騒音性を保有するゴム粒子を混入したアスファルト舗装
の吸音性がさらに増大し、交通騒音を減少させ、低騒音
性をさらに増加させる。
【0012】請求項1の高機能性アスファルト舗装方法
で得られる高機能性アスファルト舗装構造又は請求項
の高機能性アスファルト舗装構造によれば、舗装体は亜
弾性的な性質を有し、走行車両の荷重により微妙に揺動
し、積雪または舗装表面に付着した薄い氷結層と舗装面
との間に間隙を生じさせる。舗装体表面のゴム粒子は、
積雪または舗装表面に付着した薄い凍結層を走行車両の
荷重により舗装面から剥離する機能をさらに増加させ
る。これら各作用が相乗し、冬期積雪寒冷時において
も、舗装路面露出率を向上させることができるととも
に、ゴム粒子を混入したアスファルト舗装が本来保有し
ている機能を持続させることができる。
【0013】請求項の高機能性アスファルト舗装方法
で得られる高機能性アスファルト舗装構造又は請求項
の高機能性アスファルト舗装構造によれば、舗装体の内
部の空隙が、外部からの入射音(例えば交通騒音)を吸
収する。この際、舗装体の空隙率が10%以上あると、
その作用は大きくなる。さらに舗装表面のゴム粒子が入
射音を乱反射し、接触摩擦やゴムの変形によるエネルギ
の吸収などの作用をする。これらの各作用が相乗して入
射音を減少させ、その結果、大きな吸音性を示す。アス
ファルト舗装に交通騒音を減少させる低騒音性が付加さ
れ、また本来低騒音性を保有するものについてはこれを
増加させる。
【0014】請求項の高機能性アスファルト舗装方法
で得られる高機能性アスファルト舗装構造又は請求項
の高機能性アスファルト舗装構造によれば、積雪または
舗装表面に付着した薄い凍結層を走行車両の荷重により
舗装面から剥離する機能が得られる。これにより、冬期
積雪寒冷時においても、舗装路面露出率を向上させるこ
とができるとともに、該アスファルト舗装の本来保有し
ている機能を持続させることができる。
【0015】請求項又は請求項の高機能性アスファ
ルト舗装方法で得られる高機能性アスファルト舗装構造
によれば、舗装体の透水係数は1×10-2cm/sec
以上となり、降雨水をすみやかに舗装体から排除し、ハ
イドロプレーニング現象や水はねを防止するなど、排水
機能を有し、交通車両の安全走行に寄与する。また、こ
のような排水性舗装は、舗装表面が粗面であるため冬期
積雪が詰まり融雪しにくく、またその雪が氷結しやす
く、冬期に弱点を露呈する場合もありうるが、舗装体の
表面に多数のゴム粒子を少なくとも一部が露出した状態
で固定しているので、積雪または舗装表面に付着した薄
い氷結層を走行車両の荷重により舗装面から剥離する機
能を有し、このような弱点を回避して排水機能を持続す
ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の第1の例を
説明する。本例は、請求項1に記載されたアスファルト
舗装方法と、この方法によって得られる請求項に記載
されたアスファルト舗装構造に対応する。
【0017】(1)配合設計 骨材、フィラーは、「アスファルト舗装要綱」に記され
ている品質のものを使用する。
【0018】ゴム粒子は、その種類としては天然ゴムま
たは合成ゴムが利用できるが、耐磨耗性、耐候性に優れ
るなど、この舗装に適したものを使用する。また、廃タ
イヤ等を破砕又は切断したリサイクル品でも、この舗装
に適した品質のものについては使用できる。また、ゴム
自体の耐久性を高め、骨材、アスファルトとの付着性を
強めるため、ゴム粒子の表面を極性附加処理したもの、
アスファルト系あるいは樹脂系材料の薄膜で包んだもの
などを使用してもよい。ゴム粒子は、粒径は5mm未満
1mm以上に調整したものを使用する。舗装体に混入す
るゴム粒子量は、重量比で1〜10%の範囲内で用い
る。
【0019】舗装材の合成粒度は図8に示した範囲内
で、使用の目的と現地の条件等により適切に配合する。
舗装材は、空隙率が1〜40%の範囲内とするが、特に
低騒音性を希求する場合は、空隙率が10〜40%の範
囲内となるように調整する。
【0020】アスファルトは、舗装の種類に応じたもの
を選定し使用するが、改質アスファルトを用いるのを通
常とする。特に低騒音性を希求し、空隙率を10〜40
%の範囲内とする場合には、高粘度の改質アスファルト
を用いるのを通常とするが、特に大林道路株式会社が製
造する高粘度改質アスファルトを用いると更に効果が増
大する。この高粘度改質アスファルトは、ストレートア
スファルトにゴム・樹脂系熱可塑性エラストマーをイン
ストールし、3次元網目状に結合させ均一となるよう専
用プラントで多段階のプロセスを経て製造されたもので
ある。設計アスファルト量は、3〜9%の範囲内で調整
する。
【0021】(2)製造 このアスファルト舗装材は、通常のアスファルトプラン
トで製造する。まず最初に、185℃以下の温度に加熱
した骨材をミキサに投入する。次に常温のゴム粒子を投
入し、更にフィラーを投入して15〜30秒間ドライミ
キシングを行う。
【0022】次に、改質アスファルトを185℃以下に
加熱してミキサー内に投入し、30〜50秒間ウエット
ミキシングを行う。
【0023】(3)舗設 このようにして製造されたアスファルト舗装材は、小量
の場合は人力で、多量の場合はアスファルトフィニッシ
ャで舗設面に敷き均す。この際、舗装材の一層厚さは2
0〜50mmが適当である。この時の材料温度は140
〜170℃である。この際、機械施工の場合には、敷き
均しと共に、アスファルトフィニッシャのタンバー、バ
イブレーターにより十分に締固めることも必要である。
【0024】敷き均した舗装材の表面に、ゴム粒子0.
1〜0.5kg/m2 を散布する。ゴム粒子は、段落
[0018]に示した舗装体に加えるものと同様の品質のも
の、あるいは同段落に示したような表面を処理したも
の、薄膜で覆ったものでも良く、その粒径は5mm未満
1mm以上に調整したものを用いる。ゴム粒子は、小面
積の場合は人力で、大面積の場合は機械で散布する。ゴ
ム粒子の散布量は、現地の状況と使用の目的により適切
に選定するが、下記を標準とする。 低騒音性を増加させたい場合 通常の場合 0.1〜0.3kg/m2 特に低騒音性を増加させたい場合 0.2〜0.5kg/m2 積雪または舗装表面に付着した薄い氷結層を剥離させたい場合 通常の場合 0.1〜0.3kg/m2 特に氷層剥離機能を期待する場合 0.2〜0.5kg/m2
【0025】ゴム粒子を散布した後は、速やかにロード
ローラを用いて締固める。
【0026】ロードローラは各種のものを用いて良い。
また転圧回数は舗装の種類に応じて適切に設定する。た
だし特に低騒音性を希求し、舗装体の空隙率を10〜4
0%の範囲内とする場合には、鉄輪ローラで4〜8回程
度が適当である。この舗装では、舗装体を十分に締め固
めると共に、表面散布したゴム粒子が舗装体の表面に半
ば露出し、半ば埋もれた形で圧入されるように、適切に
転圧回数を設定することが必要である。なお、散布し締
め固めたゴム粒子はそのままでもよいが、定着をより強
固とするため、舗装表面にアスファルト系又は樹脂系の
接着剤を噴霧するのもよい。アスファルト舗装材がほぼ
50℃以下に低下したところで交通に供する。
【0027】図1において、1は骨材、2はアスファル
ト、3はゴム粒子、4は空隙、5は連続空隙である。図
1に示すように、本例のアスファルト舗装構造によれ
ば、舗装体の内部の空隙率が1〜40%となるよう、空
隙が単独又は連続した状態で存在するように調整し、さ
らに舗装体中に重量比で1〜10%混入されたゴム粒子
は舗装体の全断面に分散し、表面に散布したゴム粒子は
少なくとも一部が露出した状態で舗装表面に固定されて
いる。
【0028】このような舗装構造によれば、まず舗装体
中に単独又は連続して存在する空隙が外部からの入射音
(例えば交通騒音)を吸収する。次に舗装体中のゴム粒
子と、該ゴム粒子を含む舗装体が共鳴振動する。さらに
舗装表面のゴム粒子が入射音を乱反射し、接触摩擦やゴ
ムの変形によるエネルギの吸収等の作用をする。これら
の各作用が相乗して入射音を減少させ、その結果、大き
な吸音性を示す。このように、舗装体の表面に一部を露
出した状態で固定させたゴム粒子の作用により、アスフ
ァルト舗装に交通騒音を減少させる低騒音性が付加さ
れ、また本来低騒音性を保有するアスファルト舗装の場
合には、その機能を増進させる。
【0029】本例の低騒音の効果を、実験結果である図
3に示す。JISA1405「管内法による垂直入射吸
音法」に準じた吸音率測定試験により、ピーク吸音率で
比較すると、周波数400Hz付近において、比較例
(1) のゴム粒子混入型低騒音舗装〔(特願平7−330
445号大林道路株式会社出願)(空隙率を15〜25
%となるように調整されたもの)〕が61%程度である
のに対し、同様の空隙率である本例の舗装構造は、75
%程度であり、明らかに14ポイント程度の有為差を示
し、この発明の効果を証明している。
【0030】なお、同様にゴム粒子を混入した舗装
〔(特願平4−28087号、特願平4−28088
号、何れも大林道路株式会社出願)(空隙率1〜5
%)〕においても、ゴム粒子を舗装表面に圧入し、半ば
露出し、半ば埋もれた形で存在するよう形成させたもの
については吸音率の向上が認められるが、母体となる舗
装のピーク吸音率は、20%程度であり、向上はするが
その数値は低く、吸音性効果としては目立ったものとは
ならない。
【0031】図4に示すように、道路路肩におけるJI
SZ8731に基づく交通騒音レベルの測定例によれ
ば、大型10t試験車の時速60km走行時において、
交通騒音の人体に耳障りに感じる周波数の範囲内である
500〜2,000Hzにおいて、比較例(1) のゴム粒
子混入型低騒音舗装〔(特願平7−330445号大林
道路株式会社出願)(空隙率を15〜25%となるよう
に調整されたもの)〕に対し、同様の空隙率である本例
の舗装構造は、騒音レベルが1〜2dB(A)程度下廻
っており、騒音レベルの波形からみても明らかに有為差
を示し、この発明の効果を証明している。なお、比較例
(2) は一般的舗装の場合である。
【0032】図5に示すように、同じく周波数500〜
2,000Hzの範囲内において、比較例(2) の一般的
舗装に比べて3〜10dB(A)、比較例(3) の従来の
開粒度型低騒音舗装(空隙率を15〜25%となるよう
に調整されたもの)に比べ騒音レベルが2〜5dB
(A)、それぞれ下廻っており、ピーク騒音レベルでも
最低を示し、優れた減音性を示している。
【0033】なお、同様なゴム粒子を混入した舗装〔特
願平4−28087号、特願平4−280878号、何
れも大林道路株式会社出願)(空隙率1〜5%)〕にお
いても、ゴム粒子を舗装表面に圧入し半ば露出し、半ば
埋もれた形で存在するよう形成させたものについても、
同様に周波数500〜2000Hzの範囲内において、
概ね1〜2dB(A)程度の減音性が期待できるものと
考えられる。
【0034】本例のアスファルト舗装構造は、図1に示
したように、空隙率が1〜40%となるよう調整され、
さらに、舗装体中に重量比で1〜10%混入したゴム粒
子は舗装全断面に分散しているので、舗装体は亜弾性的
な性質を有し、走行車両の荷重により微妙に揺動し、積
雪または舗装表面に付着した薄い氷結層と舗装面との間
に間隙を生じさせ、さらに、ゴム粒子を0.1〜0.5
kg/m2 舗装表面に散布し、圧入し、半ば露出し、半
ば埋もれた形で存在するよう形成させているので、積雪
または舗装表面に付着した薄い凍結層を走行車両の荷重
により舗装面から剥離する機能がさらに増加する。これ
らにより、冬期積雪寒冷時においても、舗装路面露出率
を向上させることができるとともに、該ゴム粒子を混入
したアスファルト舗装の、本来保有している機能を持続
させることができる。
【0035】実験室において人工雪を舗装供試体表面に
盛り上げ、ホイルトラッキング試験機を用い可動輪の走
行による試験(室温0℃、供試体温度0℃)を行った。
通常舗装では可動輪の走行により人工雪が圧雪され表面
に凍結するのに反し、本発明にかかる舗装では、凍結せ
ず、可動輪1〜2回の走行により人工雪が剥離し除去さ
れた。これによって、本例のアスファルト舗装構造が積
雪寒冷地で高い機能を示すことが証明される。
【0036】本発明の実施の形態の第2の例を説明す
る。本例は、請求項に記載されたアスファルト舗装方
法と、この方法によって得られる請求項に記載された
アスファルト舗装構造に対応する。本例の工程の内、ア
スファルト舗装材を製造して敷き均すまでは、「アスフ
ァルト舗装要綱」に基づき通常どおり施工する。即ち、
前述した第1の例と異なるのは、アスファルト舗装材に
ゴム粒子を混合しない点であり、本例ではゴム粒子を混
合しないアスファルト舗装材を路面に敷き均す。それ以
降の工程は第1の例と同様であり、ゴム粒子を舗装体の
表面に散布して転圧する。
【0037】図2において、1は骨材、2はアスファル
ト、3はゴム粒子、4は空隙、5は連続空隙である。本
例のアスファルト舗装構造は、図2に示したように、舗
装体内にゴム粒子を混入せず、空隙率が1〜40%とな
るよう、空隙自体は単独又は連続した状態で存在するよ
う調整されている。このような舗装構造であるから、前
記空隙が外部からの入射音(例えば交通騒音)を吸収
し、さらに舗装表面のゴム粒子が入射音を乱反射し、接
触摩擦やゴムの変形によりエネルギを吸収する。これら
各作用が相乗して入射音を減少させ、大きな吸音性を示
す。
【0038】図6に示すように、段落[0029]で説明し
たピーク吸音率で比較すると、周波数400Hz付近に
おいて、比較例(3) である従来の開粒度型の低騒音舗装
(空隙率を15〜25%となるように調整されたもの)
が48%程度であるのに対し、同様の空隙率を有する本
例の舗装構造は55%程度であり、明らかに7ポイント
程度の有為差を示し、この発明の効果を証明している。
【0039】図7に示すように、道路路肩におけるJI
SZ8731に基づく交通騒音レベルの測定例によれ
ば、大型10t試験車の時速60km走行時において、
交通騒音の人体に耳障りに感じる周波数の範囲内である
500〜2,000Hzにおいて、比較例(3) である従
来の開粒度型低騒音舗装(空隙率を15〜25%となる
ように調整されたもの)に対し、本例の舗装構造は、騒
音レベルが0〜1dB(A)程度下廻っており、騒音レ
ベルの波形からみても、明らかに有為差を示し、この発
明の効果を証明している。
【0040】なお、一般的な舗装(空隙率が1〜5%)
においても、ゴム粒子を舗装表面に圧入し、半ば露出
し、半ば埋もれた形で存在するよう形成させたものにつ
いても、同様に周波数500〜2000Hzの範囲内に
おいて、概ね1〜2dB(A)程度の減音性が期待でき
るものと考えられる。
【0041】本例のアスファルト舗装構造の氷層を剥離
する機能について説明する。本例の舗装構造は、積雪ま
たは舗装表面に付着した薄い凍結層を走行車両の荷重に
より舗装面から剥離する機能を有する。これにより、冬
期積雪寒冷時においても、舗装路面露出率を向上させる
ことができるとともに、該アスファルト舗装の本来保有
している機能を持続させることができる。その効果は第
1の例と同様の実験によって証明された。
【0042】以上説明した各例の何れにおいても、舗装
体の締め固めに先立って舗装表面にゴム粒子を0.1〜
0.5kg/m2 散布し、これを締め固めることによ
り、ゴム粒子が舗装体表面に半ば露出し、半ば埋もれた
形で存在するよう形成させるが、この工程は母体となる
アスファルト舗装自体になんらの悪影響を与えるもので
はない。従って、母体となるアスファルト舗装が本来有
している機能はそのまま持続される。例えば、母体とな
るアスファルト舗装の持つ耐流動性、耐摩耗性等の耐久
性等もそのまま保持される。
【0043】
【発明の効果】請求項1及び請求項に記載した高機能
性アスファルト舗装方法及び高機能性舗装構造は、空隙
率の大きな舗装体全断面にゴム粒子が分散され、かつゴ
ム粒子が舗装体の表面に半ば露出し、半ば埋もれた形で
存在するよう形成される。この高機能性アスファルト舗
装構造によれば、舗装体中の空隙が外部からの入射音
(例えば交通騒音)を吸収する。この際空隙率が10%
以上あると、その機能は大きくなる。さらに舗装体内の
ゴム粒子と、該ゴム粒子を含む舗装体が共鳴振動し、さ
らに舗装表面のゴム粒子は入射音を乱反射し、接触摩擦
やゴムの変形によるエネルギの吸収などの作用をする。
これらの各作用が相乗して入射音を減少させ、その結果
大きな吸音性を示す。本来低騒音性を保有するゴム粒子
を混入したアスファルト舗装の吸音性がさらに増大し、
交通騒音を減少させ、低騒音性をさらに増加させる。よ
って、耐久性に優れ、ゴム粒子を混入したアスファルト
舗装材のみの場合よりも車両による騒音の小さい舗装と
なる。さらに冬期積雪寒冷地においては、積雪または舗
装表面に付着した薄い氷結層を走行車両の荷重により剥
離して舗装面を露出させる機能が得られるので、冬期車
両の安全交通に寄与するほか、ゴム粒子を混入した舗装
が本来保有している機能を継続させ、低騒音性を持続さ
せることが出来る。
【0044】請求項3及び請求項に記載した高機能性
アスファルト舗装方法及び舗装構造は、ゴム粒子が舗装
体の表面に半ば露出し、半ば埋もれた形で存在するよう
形成される。この高機能性アスファルト舗装構造によれ
ば、舗装体の内部の空隙が、外部からの入射音(例えば
交通騒音)を吸収する。この際、舗装体の空隙率が10
%以上あると、その作用は大きくなる。さらに舗装表面
のゴム粒子が入射音を乱反射し、接触摩擦やゴムの変形
によるエネルギの吸収などの作用をする。これらの各作
用が相乗して入射音を減少させ、その結果、大きな吸音
性を示す。アスファルト舗装に交通騒音を減少させる低
騒音性が付加され、また本来低騒音性を保有するものに
ついてはこれを増加させる。よって、交通車両による交
通騒音が従来よりも減少する低騒音性舗装となる。さら
に冬期積雪寒冷地においては、積雪または舗装表面に付
着した薄い氷結層を走行車両の荷重により剥離して舗装
面を露出させる機能が得られるので、冬期車両の安全交
通に寄与するほか、本来その舗装が保有している機能を
継続させ、低騒音性を持続させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1、2に記載した発明に対応する実施の
形態の第1の例であるアスファルト舗装構造の断面図で
ある。
【図2】請求項3、4に記載した発明に対応する実施の
形態の第2の例であるアスファルト舗装構造の断面図で
ある。
【図3】請求項1、2に記載した発明に対応する実施の
形態の第1の例の効果を示す吸音率と周波数の関係を示
す図である。
【図4】請求項1、2に記載した発明に対応する実施の
形態の第1の例の効果を示す騒音レベルと周波数の関係
を示す図である。
【図5】請求項1、2に記載した発明に対応する実施の
形態の第1の例の効果を示す騒音レベルと周波数の関係
を示す図である。
【図6】請求項3、4に記載した発明に対応する実施の
形態の第2の例の効果を示す吸音率と周波数の関係を示
す図である。
【図7】請求項3、4に記載した発明に対応する実施の
形態の第2の例の効果を示す騒音レベルと周波数の関係
を示す図である。
【図8】請求項1、2に記載した発明に対応する実施の
形態の第1の例におけるアスファルト舗装材の合成粒度
を示す図である。
【符号の説明】
1は骨材、2はアスファルト、3はゴム粒子、4は空
隙、5は連続空隙である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−209612(JP,A) 特開 平8−49205(JP,A) 特開 平7−54304(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01C 7/26

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 骨材とフィラーとアスファルトとゴム粒
    子を混合したアスファルト舗装材を敷き均して舗装体を
    形成した後、前記舗装体の舗装表面にゴム粒子を散布
    し、転圧機械によって締め固めることを特徴とする高機
    能性アスファルト舗装方法において、 前記アスファルト舗装材における前記ゴム粒子の重量比
    を1〜10%とし、前記舗装体を空隙率が1〜40%と
    なるように形成し、前記舗装体の舗装表面に散布するゴ
    ム粒子の量を0.1〜0.5kg/m 2 、同粒径の範囲
    を5mm未満1mm以上とした ことを特徴とする高機能
    性アスファルト舗装方法。
  2. 【請求項2】 骨材とフィラーとアスファルトとゴム粒
    子を混合したアスファルト舗装材から構成された空隙を
    有する舗装体の表面に、多数のゴム粒子が少なくとも一
    部を露出させた状態で固定された高機能性アスファルト
    舗装構造において、 前記アスファルト舗装材における前記ゴム粒子の重量比
    が1〜10%であり、前記舗装体の空隙率が1〜40%
    であり、前記舗装体の舗装表面に散布するゴム粒子の量
    が0.1〜0.5kg/m 2 、同粒径の範囲が5mm未
    満1mm以上であることを特徴とする高機能性アスファ
    ルト舗装構造。
  3. 【請求項3】 骨材とフィラーとアスファルトを混合し
    たアスファルト舗装材を敷き均して舗装体を形成した
    後、前記舗装体の舗装表面にゴム粒子を散布し、転圧機
    械によって締め固める高機能性アスファルト舗装方法に
    おいて、 前記舗装体を空隙率が1〜40%となるように形成し、
    前記舗装体の舗装表面に対するゴム粒子の散布量を0.
    1〜0.5kg/m 2 、同粒径の範囲を5mm未満1m
    m以上としたことを特徴とする高機能性アスファルト舗
    装方法。
  4. 【請求項4】 骨材とフィラーとアスファルトを混合し
    たアスファルト舗装材から構成された空隙を有する舗装
    体の表面に、多数のゴム粒子が少なくとも一部を露出さ
    せた状態で固定された高機能性アスファルト舗装構造に
    おいて、 前記舗装体を空隙率が1〜40%であり、前記舗装体の
    舗装表面に対するゴム粒子の散布量が0.1〜0.5k
    g/m 2 、同粒径の範囲が5mm未満1mm以上である
    ことを特徴とする高機能性アスファルト舗装構造。
JP29668396A 1996-11-08 1996-11-08 高機能性アスファルト舗装方法及び高機能性アスファルト舗装構造 Expired - Lifetime JP3190581B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29668396A JP3190581B2 (ja) 1996-11-08 1996-11-08 高機能性アスファルト舗装方法及び高機能性アスファルト舗装構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29668396A JP3190581B2 (ja) 1996-11-08 1996-11-08 高機能性アスファルト舗装方法及び高機能性アスファルト舗装構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10140510A JPH10140510A (ja) 1998-05-26
JP3190581B2 true JP3190581B2 (ja) 2001-07-23

Family

ID=17836735

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29668396A Expired - Lifetime JP3190581B2 (ja) 1996-11-08 1996-11-08 高機能性アスファルト舗装方法及び高機能性アスファルト舗装構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3190581B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114775359B (zh) * 2022-04-29 2024-06-14 长沙理工大学 一种路面封层结构及其施工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10140510A (ja) 1998-05-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101104054B1 (ko) 골재 입도를 개선한 저소음 포장 혼합물
KR101033112B1 (ko) 배수성이 원활한 저소음용 아스팔트 혼합물
JP3190581B2 (ja) 高機能性アスファルト舗装方法及び高機能性アスファルト舗装構造
JP4047944B2 (ja) 舗装構造の施工方法
JP2001081308A (ja) 多孔質弾性舗装材料及び多孔質弾性舗装構造
JP3459509B2 (ja) アスファルト舗装構造
JP3190584B2 (ja) アスファルト舗装方法及びアスファルト舗装構造
JP2916715B2 (ja) 防水層を有する舗装体
JPH06240615A (ja) 弾性路面敷板と弾性路面敷板の敷設方法
JP3243631B2 (ja) 人工骨材を使用した舗装体
JP5677990B2 (ja) 凍結抑制舗装及びその施工方法
JP5423195B2 (ja) 低騒音舗装体の積層構造及び低騒音舗装体の補修工法
JP2533045B2 (ja) ゴム被覆コンクリ―ト製通行用敷板の製造方法
JP3059566B2 (ja) 舗設方法
JPH07115898B2 (ja) 舗装材
FR2688808A1 (fr) Couche de roulement drainante pour chaussee plus specialement destinee au revetement des bandes d'arret d'urgence des autoroutes ou chaussees a grande vitesse, ainsi que procede d'obtention d'une telle couche de roulement drainante.
CN211621052U (zh) 一种路面结构
JPH09132902A (ja) 排水性舗装の凍結抑制工法
JP3194038B2 (ja) 凍結抑制機能を有する舗装道路の施工方法
JP2920816B2 (ja) 弾性舗装方法及び弾性表面層の製法
JP2799632B2 (ja) 舗装方法
JP5171557B2 (ja) 排水性舗装およびその施工方法
JP2005016151A (ja) 低騒音排水性舗装
JP2939552B2 (ja) 目地構造
JPH08326006A (ja) 融雪用ゴムマット及び融雪用路面舗装材

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010417

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100518

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110518

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120518

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130518

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130518

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140518

Year of fee payment: 13

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term