JP3189333B2 - ポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

ポリオレフィンの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオレフィンの製造方
法に関するものである。詳しくは、チーグラー系触媒、
フィリップス系触媒等を使用して水素の存在下に、オレ
フィンを重合帯域において重合するにあたり、重合反応
で得られるポリオレフィンの物性、特に溶融流れ指数M
FR値を実測し、この実測値及び反応条件の運転データ
をコンピュータに取り込んで、演算処理して反応状態を
推定し、その推定値に基づき将来における反応器で生成
するポリオレフィンのMFR値の推移を予測し、その予
測値と目標値との対比により運転条件の変更量を算出
し、この算出量に基づき反応条件を所定の条件下に直接
制御することにより所定のMFR値を有するポリオレフ
ィンを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリオレフィンは種々の成形
方法で成形され、多方面の用途に用いられている。これ
らの成形方法や用途に応じ、ポリオレフィンとして種々
の物性、特にメルトフロレート(溶融流れ指数。本明細
書においては、「MFR」と称す。)や密度を有するも
のが望まれる。一般にこれらの物性の調節を行うには、
触媒の種類、組成、量などを変えたり、重合条件を変更
せしめたりする方法が知られている。
【0003】ところで、ポリオレフィンを工業的規模で
製造するには、所定の温度に保たれた重合帯域内に所定
量の触媒及び助触媒、所定量のオレフィン、及び所定量
の水素、更には溶媒を供給して、所定の規格、即ち所定
MFR及び密度を有するポリオレフィンが連続的に製造
されるような条件下で運転を実施する。
【0004】しかしながら、上記の如くそれぞれの供給
量を一定にした条件下で連続重合を実施しても、重合帯
域内の状態を一定に保つことは難しい。このため、所定
の物性規格のポリオレフィンを一定の生産量で製造する
ことは殆ど不可能である。即ち、不確定性外乱による触
媒の微細な変化、活性の変化等によって、重合帯域内の
オレフィン濃度が変化する。例えば、触媒の活性の低下
があった場合には、該帯域内のオレフィン濃度が上昇
し、分子量調節剤である水素とオレフィンとの濃度の比
が低下して、生成するポリオレフィンのMFRが低下す
る。このような理由のはっきりとしない微細な外乱が頻
繁に起こり、これによって重合帯域内のオレフィン濃度
が変化し、生成するポリオレフィンの物性、特にMFR
や密度等が変動することになる。
【0005】従来、このような問題を改善する方法が種
々提案されており、例えば、次の〜の方法がある。 重合反応器の液相部についてオレフィン濃度、水素
ガス濃度を実測する方法(USP3,835,106
号)。 重合反応系を監視し、その圧力を測定して最終製品
であるエチレンコポリマーの組成を均質化する方法(U
SP3,691,142号)。 重合反応器の気相部又は液相部のエチレン及び水素
濃度を監視し、これをコンピュータによる制御システム
に取り込み、エチレン及び/又は水素供給量を制御する
方法(USP4,469,853号、特開昭62−25
0010号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来法のうち、
の方法では、反応器からサンプル採取に到るまでに重合
反応が進行して反応系内の状態を正確に把握できない等
の問題点がある。
【0007】また、の方法は、所望の物性、特にMF
R及び/又は密度を有するポリエチレンを製造するのに
好適な技法とは言えない。
【0008】の方法では、重合帯域内で微細な外乱が
あった場合には反応状態が変化することから、気相部又
は液相部のエチレン及び水素濃度を所定量に制御するこ
とのみでは所定の物性(例えばMFR等)のポリオレフ
ィンを得ることは難しい。
【0009】本発明は上記従来の問題点を解決し、所定
のMFR値を有するポリオレフィンを安定かつ確実に得
ることができるポリオレフィンの製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のポリオレフィン
の製造方法は、触媒及び水素の存在下にオレフィンを重
合帯域で重合して所定のMFRを有するポリオレフィン
を製造するにあたり、重合帯域におけるオレフィン、水
素、触媒及び助触媒の供給量、気相部のオレフィン濃
度、水素濃度及び圧力、並びに、液相部の温度及び液面
高さを検出して、それらの運転データ信号をコンピュー
タに入力すると共に、重合帯域より流出するポリオレフ
ィン生成物のMFRを実測して、その実測値信号をコン
ピュータに入力し、該実測値と前記運転データとを用い
て下記式(1)に基づいた演算処理によって重合帯域内
で瞬間的に生成するポリオレフィンのMFRを動的に逐
次推定し、該推定値より、式(6)中のβ値を算出し、
該β値を用いて、或いは、式(7)中のE値を算出し、
該E値を用いて、今後におけるMFR値の推移を予測
し、該MFR予測値で予め定められたMFR目標値との
対比により、該重合帯域における気相中の水素/オレフ
ィンのモル比、重合温度或いは液相中の触媒又は助触媒
濃度の目標値を算出し、該算出値に基づき遂行されるコ
ンピュータの演算制御出力により、重合帯域へのオレフ
ィン又は水素の供給量、重合温度若しくは触媒又は助触
媒の供給量を調節して所定のMFRを有するポリオレフ
ィンを製造することを特徴とする。
【0011】
【数4】
【0012】符号: G:反応器液相容量 C:反応器ポリマー濃度 F:瞬間反応量 FOl:オレフィン供給量 F:溶媒供給量 SOl:溶媒中へのオレフィン溶解量 MFR:瞬間生成MFR MFR:反応器出口MFR Y:べき数 log MFR1 =α log(H/Ol)G +α log(Co/Ol) +α log(POl) +α4 log(CE/POl) +α5 log(T)+α log(OMC/POl)+β ……(6) 符号: (H/Ol):気相中の(水素/オレフィン)モル
比 (Co/Ol):気相中の(コモノマー/オレフィ
ン)モル比 (POl):気相中のオレフィン分圧 (CE/POl):触媒活性/オレフィン分圧 CE=重合量/触媒フィード量 T:重合温度 OMC:助触媒フィード量 α〜α 各反応条件により経験的に求められた係数β:外乱等による予測値のずれを修正するための補正項
【0013】
【数5】
【0014】 CH2 :重合帯域の水素濃度 C :重合帯域のオレフィン濃度 CCO :重合帯域のコモノマー濃度 COMC :重合帯域の助触媒濃度 T :重合帯域の重合温度 T :基準の重合温度 A〜D,F:各反応条件により経験的に求められた係数E :外乱等による予測値のずれを修正するため
の補正項 即ち、本発明者等は前記従来技術の問題点を解消し、外
乱等があって反応状態が変化する場合にも迅速にその反
応状態を把握し、その状態量に見合って所定の物性のポ
リオレフィンを得る反応条件に変更し得るポリオレフィ
ンの製造法を提供するべく鋭意検討を重ねた結果、重合
帯域における運転データ及び該重合帯域で得られるポリ
オレフィンのMFRの実測値をコンピュータに取り込み
演算処理して該重合帯域内で瞬間的に生成するポリオレ
フィンのMFRを動的に逐次推定し、その推定値に基づ
き将来におけるMFRの推移を予測し、その予測値とそ
の目標値との対比により、反応条件の目標値を算出し、
該算出目標値に基づいて重合帯域の反応条件を調節する
ことにより上記問題点が解決できることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】本発明に係るポリオレフィンの製造方法に
用いられる触媒としては、チーグラー系触媒、フィリッ
プス系触媒等が挙げられる。また、助触媒としては有機
アルミニウム化合物が用いられる。所望により電子供与
性化合物等の第3成分を用いても良い。
【0017】溶媒としてはヘキサン、ヘプタン等の脂肪
族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の
脂環式炭化水素等の不活性炭化水素溶媒が用いられる。
【0018】また、オレフィンとしてはエチレン、プロ
ピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテ
ン−1等のα−オレフィンが挙げられる。これらのオレ
フィンは1種を単独で或いは2種以上のオレフィンの混
合物として使用される。例えば、エチレンを単独で、或
いは、エチレンとエチレンに対して30モル%以下の他
のオレフィンとの混合物として用いられる。
【0019】オレフィンの重合反応は、重合帯域にオレ
フィン、水素、触媒及び助触媒、所望により溶媒、第3
成分及びコモノマーを所定量供給し、通常50〜150
℃の温度、0.1〜100kg/cm2 Gの圧力及び気
相中の水素/オレフィンのモル比0.01〜1000の
反応条件下で実施される。もちろん、所望とするポリオ
レフィンの物性に応じて反応条件は上記範囲内で適宜選
択される。
【0020】以下、図面を参照して、本発明の方法の実
施例につき更に詳細に説明する。図1は本発明の一実施
例方法を説明するポリオレフィン製造プロセスのブロッ
ク図である。
【0021】図1において、重合反応器1には水素供給
ライン2、オレフィン供給ライン3、溶媒供給ライン
4、触媒供給ライン5、助触媒及び第3成分供給ライン
5’が接続されており、水素、オレフィン、溶媒、触
媒、助触媒及び第3成分等が、製造すべきポリオレフィ
ンのMFRに応じて所定量連続的に供給されている。
【0022】重合反応器1の内部には上記供給物によ
り、液相部1a及び気相部1bが形成され撹拌機1cに
より撹拌されつつオレフィンの重合が行なわれる。
【0023】製造されたポリオレフィンはポリオレフィ
ン抜出ライン6から連続的に抜き出され、脱ガス槽又は
ガス分離器12に供給され、配管12Aより未反応ガス
を分離した後、送給ライン6Aを経て溶媒分離器13に
供給され、配管13Aより溶媒が分離される。次いで送
給ライン6Bを経て乾燥機(ドライヤー)14に供給さ
れ、乾燥したポリオレフィン固体とされる。これを送給
ライン6Cにより押出機15に供給してペレット化し、
ポリオレフィンペレット抜出ライン16より抜出す。
【0024】本発明において重合反応器1から抜出され
るポリオレフィン、望ましくは該抜出ライン16から抜
出されるポリオレフィンペレットをサンプリングライン
16Aより所定時間毎にサンプリングし、MFR測定器
17に導いて製造されたポリオレフィンのMFRを測定
する。この測定値(実測値)に基づく信号はコンピュー
タ30のデータ記憶部31に入力される(信号K1 )。
【0025】また、前述の水素供給ライン2、オレフィ
ン供給ライン3、溶媒供給ライン4にはそれぞれの供給
量を調節する供給弁2a,3a,4a及びそれぞれの供
給量を検出する流量検出器2b,3b,4bがそれぞれ
設けられており、該流量検出器2b,3b,4bからの
流量に相関する検知信号(K2 ,K3 ,K4 )がコンピ
ュータ30に入力される。一方、後述するコンピュータ
30の制御信号S1 〜S4 により、所定のMFRのポリ
オレフィンを生成するようにオレフィン濃度及び水素濃
度を変更すべく触媒供給ポンプ5aのストローク、助触
媒供給ポンプ5’aのストローク、オレフィン供給弁3
a及び水素供給弁2aの開度が制御される。
【0026】更に、重合反応器1の気相部1bにはサン
プリングライン7が設けられており、気相部1bのガス
が開閉弁7aを経て分析装置8、例えば、ガスクロマト
グラフィに導かれ、該分析装置8によりガス中の水素濃
度及びオレフィン濃度が測定される。この分析装置8で
測定された水素濃度及びオレフィン濃度に基づく信号
(K5 )も、コンピュータ30に入力される。
【0027】9、10は重合反応器1の気相部の圧力及
び液相部の温度の検出器であり、これら圧力検出器9及
び温度検出器10からの圧力及び温度に相関する検知信
号(K6 ,K7 )もコンピュータ30に入力される。
【0028】11は重合反応器1に冷却水を供給する供
給ラインであり、その供給量を調節する供給弁11a及
びその供給量を検出する流量検出器11bが設けられて
おり、この流量検出器11bからの流量に相関する検知
信号(K8)がコンピュータ30に入力される。この冷
却水供給弁11aもまた、後述するコンピュータ30か
らの制御信号S5 により、所定のMFRのポリオレフィ
ンを生成するように、重合温度を変更すべく、その開度
が制御される。
【0029】更に、前記脱ガス槽12にはスラリー濃度
調整のために溶媒供給ライン18が接続されており、そ
の供給量を調節する供給弁18a及びその供給量を検出
する流量検出器18bが設けられ、流量検出器18bか
らの流量に相関する検知信号(K9 )がコンピュータ3
0に入力される。
【0030】また、前記溶媒分離器13にはスラリー濃
度調整のために溶媒供給ライン20が接続されており、
その供給量を調節する供給弁20a及びその供給量を検
出する流量検出器20bが設けられ、流量検出器20b
からの流量に相関する検知信号(K10)がコンピュータ
30に入力される。
【0031】なお、配管19Aは温水を冷却塔へ戻すた
めのラインであり、配管19Bは温水を循環するための
ラインである。
【0032】このように、本発明においては重合反応器
1における反応条件の運転データの信号(本実施例にお
いてはK2 〜K10)をコンピュータに取り入れ、一方、
重合反応器1より抜出されるポリオレフィン、望ましく
は脱ガス槽12、溶媒分離器13、乾燥機14及び押出
機15を経て得られるポリオレフィンペレットをMFR
測定器17で実測したMFR実測値の信号(K1 )をコ
ンピュータに取り入れ、該実測値と該運転データを用い
て後述する予測モデル式(5)〜(1)に基いた演算処
理によって重合反応器内で瞬間的に生成するポリオレフ
ィンのMFRを動的に逐次推定し、このMFR推定値と
下記(6)式とから下記(6)式中のβ値を算出する。
このβ値と重合反応器1の反応条件の運転データ又はそ
の変更量を用いて下記(6)式→下記(1)式の演算処
理によって今後(将来)における重合反応器1で生成す
るポリオレフィンのMFR値の推移を予測し、このMF
Rの予測値とその目標値とを対比し、該予測値が目標値
に一致するまで下記(6)式の反応条件を変更して下記
(6)式及び(1)式による演算処理によってMFRの
推移の予測を試行錯誤法で繰り返し、下記(6)式中の
反応条件の目標値、特に重合反応器1の気相部の水素/
オレフィンのモル比、重合温度、又は液相中の助触媒濃
度の目標値を算出し、該算出値に基づき遂行されるコン
ピュータの演算制御出力により、重合反応器1における
オレフィン、水素、触媒又は助触媒の供給量もしくは重
合温度を制御(制御信号S1 〜S4 )することにより、
重合反応器1において生成するポリオレフィンのMFR
を所定の範囲に調節するものである。
【0033】以下、重合反応器1で生成するポリオレフ
ィンのMFR実測値と重合反応条件の運転データ(以下
「プロセス状態量」と称する場合がある。)を用いて、
予測モデルに基づいた演算処理によって重合反応器内で
瞬間的に生成するポリオレフィンのMFRを推定する方
法について詳述する。
【0034】なお、各符号は次のものを示す。 GL1:重合反応器1の液相容量 GL2:脱ガス槽12の液相容量 GL3:溶媒分離器13の液相容量 CP1:重合反応器1のポリマー濃度 CP2:脱ガス槽12のポリマー濃度 CP3:溶媒分離器13のポリマー濃度 FP1:重合反応器1の瞬間反応量 FOl1 :重合反応器1のオレフィン供給量 FS1:重合反応器1の溶媒供給量 FS2:脱ガス槽12の溶媒供給量 FS3:溶媒分離器13の溶媒供給量 SOl1 :重合反応器1の溶媒中へのオレフィン溶解量 MFR1 :重合反応器1の瞬間生成MFR MFR2 :重合反応器1出口のMFR MFR3 :脱ガス槽12出口のMFR MFR4 :溶媒分離器13出口のMFR MFR5 :乾燥機14出口のMFR MFR6 :押出機15出口のMFR Y:べき数 L:遅れ時間 k:パウダー・ドロップオフ係数 k=f(添加剤種類及び濃度、押出機比エネルギ等) まず、重合反応器1、脱ガス槽12、溶媒分離器13、
乾燥機14及び押出機15におけるポリオレフィンのM
FRの動特性の物質収支は下記予測モデル式によって表
わされる。
【0035】(1) 重合反応器1 非定常運転時(重合反応の開始時又は停止時、外乱
の発生時、或いは重合反応条件の変更時等の場合)
【0036】
【数6】
【0037】 定常運転時(CL1,CP1,FP1,S
Ol1 はいずれも一定)
【0038】
【数7】
【0039】(2) 脱ガス槽12 非定常運転時
【0040】
【数8】
【0041】 定常運転時(GL2,CP2は一定)
【0042】
【数9】
【0043】(3) 溶媒分離器13 非定常運転時
【0044】
【数10】
【0045】 定常運転時
【0046】
【数11】
【0047】(4) 乾燥機14 MFR5 (t+L)=MFR4 (t) ……(4) (5) 押出機15 MFR6 =k・MFR5 ……(5) ここで、例えば、押出機15から抜出されるポリオレフ
ィンペレット(粒状体)を所定時間毎にサンプリングし
てMFR測定器17によってポリオレフィンのMFRを
実測し、その実測値MFR6 を用いて、式(5)→式
(4)→式(3)→式(2)→式(1)に基づいて逐次
演算処理することによって、重合反応器1内で瞬間的に
生成するポリオレフィンのMFRを推定できる。このM
FR推定値MFR1 と下記(6)式とからβ値を算出す
る。((6)式中の各符号は前述の通り。) log MFR1 =α1 log(H2/Ol)G +α2 log(Co/Ol)G +α3 log(POl) +α4 log(CE/POl) +α5 log(T)+α6 log(OMC/POl)+β ……(6) 次にこのβ値と重合反応器1のプロセス状態量、即ち、
反応条件の運転データ又はその変更量とを用いて、式
(6)→式(1)の演算処理によって、将来(今後)に
おける重合反応器1で生成するポリオレフィンのMFR
値の推移を予測する。
【0048】このMFRの推移の予測値とMFRの目標
値とを対比し、該予測値が目標値に一致するまで式
(6)中のプロセス状態量を変更して式(6)及び式
(1)による演算処理によってMFR値の推移の予測を
試行錯誤法で繰り返し、式(6)中のプロセス状態量、
即ち反応条件の運転データの目標値、特に気相部の水素
/オレフィンモル比、重合温度、液相中の助触媒濃度の
目標値を算出する。
【0049】この目標値に基づき遂行されるコンピュー
タの演算制御出力により、重合反応器1におけるオレフ
ィン、水素、触媒又は助触媒の供給量若しくは重合温度
を制御することにより、重合反応器1において生成する
ポリオレフィンのMFRを所定の範囲に調節することが
できる。
【0050】なお、本発明においては、上記(6)式の
代りに下記(7)式を用いて演算処理を行なうことによ
っても同様に制御することができる。
【0051】
【数12】
【0052】 CH2 :重合帯域の水素濃度 C :重合帯域のオレフィン濃度 CCO :重合帯域のコモノマー濃度 COMC :重合帯域の助触媒濃度 T :重合帯域の重合温度 T :基準の重合温度 A〜D,F:各反応条件により経験的に求められた係数E :外乱等による予測値のずれを修正するため
の補正項
【0053】
【作用】上述の如く、本発明の方法においては、コンピ
ュータに入力された上記の信号はコンピュータ内におい
て予め設定されたプログラムに従って演算処理され、気
相部(図1の1b)における水素分圧、オレフィン分
圧、水素/オレフィンモル比、重合反応器内におけるポ
リオレフィン重合量、ポリマー濃度、助触媒濃度、触媒
活性等の演算値が算出され、上記のそれぞれの演算値と
所定のMFRのポリオレフィンを製造するために予め設
定されたそれぞれの目標値との比較・演算処理により、
その偏差を求め、その偏差に基づく制御信号により、例
えば水素供給弁(図1の2a)を操作して上記気相部
(1b)の水素濃度を調節したり、或いはオレフィン供
給弁(3a)又は触媒供給ポンプ(5a)のストローク
を操作して該気相部(1b)のオレフィン濃度を調節し
たりして、該気相部の水素/オレフィンのモル比を所定
値に調節することにより所定のMFRを有するポリオレ
フィンを生成するように水素濃度及びオレフィン濃度を
制御する。
【0054】また、必要に応じて助触媒供給ポンプ
(5’a)のストロークを操作して助触媒濃度を調節し
たり、更に重合温度の設定変更を行なったりすることに
よっても、所定のMFRを有するポリオレフィンを生成
させることができる。
【0055】なお、このような反応条件の変更の仕方は
ポリオレフィン製品の銘柄の種類によって異なるが、上
記した水素/オレフィンのモル比制御が一般的に実施さ
れるMFR制御手段として有効である。
【0056】
【実施例】以下に具体的な制御例を挙げて本発明を更に
詳細に説明する。
【0057】実施例1 図1に示す装置を用い、前述の制御方法に従ってポリオ
レフィンの製造を行なった。
【0058】図2は、図1に示される本発明方法によ
り、所定のMFR(0.2g/10分)の直接制御を実
施した場合のMFRの実測値(a)、MFRの推定値
(b)及び気相部の水素/エチレンのモル比(c)の推
移を示すグラフである。図3は同様に所定のMFR(2
0g/10分)の直接制御を実施した場合の推移を示す
グラフである。
【0059】これらの結果から、MFRの実測値と推定
値が良く一致しており、本発明方法によれば、所望MF
Rのポリオレフィンを容易に得ることができることが明
らかである。
【0060】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のポリオレフ
ィンの製造方法によれば、触媒及び水素の存在下にオレ
フィンを重合帯域で重合して所定のMFRを有するポリ
オレフィンを確実かつ安定に、効率的に製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施方法を示すポリオレフィン製造
プロセスのブロック図である。
【図2】図1に示される方法により、MFRの直接制御
を実施した場合のMFRの実測値(a)、MFRの推定
値(b)及び気相部の水素/エチレンのモル比(c)の
推移を示すグラフである。
【図3】図1に示される方法により、MFRの直接制御
を実施した場合のMFRの実測値(a)、MFRの推定
値(b)及び気相部の水素/エチレンのモル比(c)の
推移を示すグラフである。
【符号の説明】
1 重合反応器 2 水素供給ライン 3 オレフィン供給ライン 4 溶媒供給ライン 5 触媒供給ライン 6 ポリオレフィン抜出ライン 7 サンプリングライン 8 分析装置 12 脱ガス槽 13 溶媒分離器 14 乾燥機 15 押出機 17 MFR測定器 30 コンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/00,2/01

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒及び水素の存在下にオレフィンを重
    合帯域で重合して所定の溶融流れ指数(以下「MFR」
    と称す。)を有するポリオレフィンを製造するにあた
    り、 重合帯域におけるオレフィン、水素、触媒及び助触媒の
    供給量、気相部のオレフィン濃度、水素濃度及び圧力、
    並びに、液相部の温度及び液面高さを検出して、それら
    の運転データ信号をコンピュータに入力すると共に、重
    合帯域より流出するポリオレフィン生成物のMFRを実
    測して、その実測値信号をコンピュータに入力し、 該実測値と前記運転データとを用いて下記式(1)、
    (6)に基づいた演算処理によって重合帯域内で瞬間的
    に生成するポリオレフィンのMFRを動的に逐次推定
    し、該推定値より式(6)中のβ値を算出し、該β値を
    用いて今後におけるMFR値の推移を予測し、 該MFR予測値で予め定められたMFR目標値との対比
    により、該重合帯域における気相中の水素/オレフィン
    のモル比、重合温度或いは液相中の触媒又は助触媒濃度
    の目標値を算出し、 該算出値に基づき遂行されるコンピュータの演算制御出
    力により、重合帯域へのオレフィン又は水素の供給量、
    重合温度若しくは触媒又は助触媒の供給量を調節して所
    定のMFRを有するポリオレフィンを製造することを特
    徴とするポリオレフィンの製造方法。 【数1】 符号: G:反応器液相容量 C:反応器ポリマー濃度 F:瞬間反応量 FOl:オレフィン供給量 F:溶媒供給量 SOl:溶媒中へのオレフィン溶解量 MFR:瞬間生成MFR MFR:反応器出口MFR Y:べき数 log MFR1 =α log(H/Ol)G +α log(Co/Ol) +α log(POl) +α4 log(CE/POl) +α5 log(T)+α log(OMC/POl)+β ……(6) 符号: (H/Ol):気相中の(水素/オレフィン)モル
    比 (Co/Ol):気相中の(コモノマー/オレフィ
    ン)モル比 (POl):気相中のオレフィン分圧 (CE/POl):触媒活性/オレフィン分圧 CE=重合量/触媒フィード量 T:重合温度 OMC:助触媒フィード量 α〜α 各反応条件により経験的に求められた係数β:外乱等による予測値のずれを修正するための補正項
  2. 【請求項2】 触媒及び水素の存在下にオレフィンを重
    合帯域で重合して所定の溶融流れ指数(以下「MFR」
    と称す。)を有するポリオレフィンを製造するにあた
    り、 重合帯域におけるオレフィン、水素、触媒及び助触媒の
    供給量、気相部のオレフィン濃度、水素濃度及び圧力、
    並びに、液相部の温度及び液面高さを検出して、それら
    の運転データ信号をコンピュータに入力すると共に、重
    合帯域より流出するポリオレフィン生成物のMFRを実
    測して、その実測値信号をコンピュータに入力し、 該実測値と前記運転データとを用いて下記式(1)、
    (7)に基づいた演算処理によって重合帯域内で瞬間的
    に生成するポリオレフィンのMFRを動的に逐次推定
    し、該推定値より下記式(7)中のE値を算出し、該E
    を用いて今後におけるMFR値の推移を予測し、 該MFR予測値で予め定められたMFR目標値との対比
    により、該重合帯域における気相中の水素/オレフィン
    のモル比重合温度或いは液相中の触媒又は助触媒濃度の
    目標値を算出し、 該算出値に基づき遂行されるコンピュータの演算制御出
    力により、重合帯域へのオレフィン又は水素の供給量、
    重合温度若しくは触媒又は助触媒の供給量を調節して所
    定のMFRを有するポリオレフィンを製造することを特
    徴とするポリオレフィンの製造方法。 【数2】 符号: G:反応器液相容量 C:反応器ポリマー濃度 F:瞬間反応量 FOl:オレフィン供給量 F:溶媒供給量 SOl:溶媒中へのオレフィン溶解量 MFR:瞬間生成MFR MFR:反応器出口MFR Y:べき数 【数3】 H2 :重合帯域の水素濃度 C :重合帯域のオレフィン濃度 CCO :重合帯域のコモノマー濃度 COMC :重合帯域の助触媒濃度 T :重合帯域の重合温度 T基準の重合温度 A〜D,F:各反応条件により経験的に求められた係数E :外乱等による予測値のずれを修正するため
    の補正項
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