JP3187539U - 立体造形成形品加飾用フィルム及び加飾装置 - Google Patents

立体造形成形品加飾用フィルム及び加飾装置 Download PDF

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Abstract

【課題】立体造形成形品表面において加飾用フィルムに皺や剥離等のない画像を確実に形成(加飾)でき、かつ広範な意匠に加飾できる立体造成形品加飾用フィルム及びこれらのフィルムを用いる立体造形成形品加飾装置を提供する。
【解決手段】加飾用フィルムAは、基材a2の一方の面に少なくとも表面処理層a3、絵柄印刷層a4が形成され、基材a2の他方の面に、立体造形成形品に合わせ型抜きされ、成形品への加飾時に成形用治具となる型抜きシートを貼り合わせた構成とした。
【選択図】図1

Description

本考案は、合成樹脂系基材の表面に少なくとも表面処理層、デジタル印刷法にて形成された絵柄印刷層が積層され、基材の積層した側と反対面に立体造形成形品に合せて型抜きされたシートを貼り合わせ、加飾時型抜きシートが成形用治具となる立体造形成形品加飾用フィルム及び加飾装置並びに立体造形加飾成形品に関する。
従来、立体造形成形品への加飾方法として、合成樹脂系基材、木質系基材、無機質系基材、金属系基材等の各種の基材表面に形成された画像層が積層された加飾用フィルムを、熱転写法、真空成型法、真空熱転写法、真空圧空熱転写法、インモールド転写法等により加飾することで行っていた。
加飾用フィルムは、グラビア印刷、シルク印刷、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷等で絵柄印刷を行って画像層を形成している。通常、印刷見当精度の観点から基材には耐熱性が重視され、ヤング率の低い伸びの少ないポリエステルフィルムが多用されている。ところがポリエステルフィルムを基材として用いると、立体造形成形品に対する加飾時、加飾用フィルムの形状追随性不足、皺の発生、空気溜まりによる加飾用フィルムの成形品からの剥離、等の不具合が発生することが多く、良好な立体造形加飾成形品を得ることが困難であった。
この解決方法としては加飾時の真空成型法、真空圧空熱転写法においてヤング率の高い伸びの大きいポリオレフィンフィルム等が使用することが知られている。しかし前記手法による加飾時に加飾用フィルムに予熱をかけることから、該加飾用フィルムが熱でダメージを受け、成形品との位置合わせが難しく、パターン印刷は困難で全面エンドレス柄に制限されてしまうという問題がある。
また、一方、伸縮性の大きい材料、例えば熱可塑性ポリウレタン樹脂を基材とした場合に、グラビア印刷で画像を形成する際に、図柄の位置合わせを行うことが困難な点を解消するために、例えば特許文献1では、熱可塑性ポリウレタン樹脂からなる基材層と、10kgf/mでの伸び率が0.3%以下である支持体層とを剥離可能に積層することが提案されている。
しかしながら、特許文献1の構成では、画像層を形成する際に図柄の位置合わせを行うことができるよう、10kgf/mでの伸び率が0.3%以下の支持体層を設けているにすぎず、印刷工程を経た後には剥離するから、成形品へ加飾用フィルムを用いた加飾時には支持体層が存在しないので、上記と同じく、加飾時に加飾用フィルムに予熱かけると熱でダメージを受け、成形品との位置合わせが難しくなるといった問題があった。
特開2013−126741号公報
本考案が解決しようとする問題は、従来の加飾用フィルムは、基材が印刷見当精度の問題からヤング率の低い、伸びの少ないフィルムを使用したり、加飾時に剥離する支持体層を設けたりしていたが、画像層を有した基材(加飾用フィルム)を立体造形成形品に加飾する時に、皺、空気溜まりが生じて加飾用フィルムの成形品から剥離する点、また、ヤング率の高いフィルムにおいては、広範な意匠に加飾できない点、である。
本考案は、上記課題を解決し、立体造形成形品表面において加飾用フィルムに皺や剥離等のない画像を確実に形成(加飾)でき、かつ広範な意匠に加飾できる立体成形品加飾用フィルムを提供することを目的としている。
そして、本考案は、上記目的を達成するため、基材の一方の面に少なくとも表面処理層、印刷層が形成され、該基材の他方の面に、立体造形成形品に合わせ型抜きされ、成形品への加飾時に成形用治具となる型抜きシートを貼り合わせたことを最も主要な構成としている。
本考案によれば、型抜きシートを基材の、印刷層が形成された側とは反対面に貼り合わせることで、加飾成型時に皺や空気溜まりを解消でき、ヤング率の高い基材にも絵柄の制限を受けることなく高品質の印刷が可能で、したがって、広範な意匠に良好な加飾が可能となり、この結果、良好な立体造形加飾成形品を得ることができる。
本考案の立体造形成形品加飾用フィルムの概略構成を示す図である。 本考案の立体造形成形品加飾装置の概略構成を示す図である。 本考案の型抜きシートの概略図である。
図1の模式的断面図に示すように本考案の立体造形加飾用フィルムA(以下、加飾用フィルムAと記す)は、基材a2の一方の面上に、加飾する立体造形成形品の型抜きがなされた型抜きシートa1が例えばラミネート法により貼り合わせている。
そして、基材a2の型抜きシートa1を貼り合わせた側と反対面に、表面処理層a3、絵柄印刷層a4(画像層)が順次形成されている。但し、本考案の加飾用フィルムAは基材a2における型抜きシートa1を貼り合わせた側と反対面の積層構成は、表面処理層a3、絵柄印刷層a4の他に多層化しても構わないし、積層順も前記に限定されない。
型抜きシートa1は、例えば図3(a)に示すスマートフォン用の型抜きシートc1、図3(b)に示すゴルフボール用の型抜きシートc2、コンピュータのマウス用の型抜きシートc3のように、加飾する基材a2、表面処理層a3、絵柄印刷層a4が位置する部位が型抜きされている。
型抜きシートa1は、耐熱性、寸法安定性の特性を有する熱可塑性樹脂から構成される。型抜きシートa1の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等、また、耐熱性の高いポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテン、アイオノマー等のプラスチックフィルム等、及びこれらから適宜選択した積層体等で構成する。
また、型抜きシートa1の厚さは、強度、耐熱性等を考慮すると、75〜188μmの範囲が適切である。型抜きシートa1が75μmより薄いと強度や耐熱性に乏しくなり、188μmより厚いと立体造形加飾用フィルムAの全体厚みが増し、型抜きシートa1と基材a2の間に段差が生じて加飾成型時の皺、空気溜まりの原因となる可能性がある。
基材a2は、高ヤング率(引張弾性率)、高引張強さ、高引張破壊伸度の特性を有する熱可塑性樹脂から構成される。基材a2の具体例としては高ヤング率の特性を有した、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリエチレンの誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のプラスチックフィルム、及びこれらから適宜選択した積層体等で構成する。
また、基材a2は、延伸されたものであってもよいし、未延伸であってもよい。ヤング率(引張弾性率)は4.8Gpa以上、引張破壊強さは360Mpa以上、引張破壊伸度は210%以上、フィルム厚さは10〜50μmの範囲のものが適切である。
ヤング率、引張破壊強さ、引張破壊伸度が上記数値未満の場合には、加飾成型時に、フィルムの伸びが乏しくなり、皺や破れが生じる可能性がある。また、基材a2のフィルム厚さが、10μmより薄いと強度が乏しくなり破れる可能性があり、50μmより厚いと加飾用フィルムAの全体の厚みが増し、成形品の表面性状(凹凸等)への追従性が乏しくなる可能性がある。
表面処理層a3は、剥離性、感熱接着性の両方の特性を兼ね備えた樹脂で構成される。表面処理層a3を構成する樹脂としては、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂(アクリル系樹脂とメタアクリル系樹脂の両者を含む意味で使用)、ウレタン樹脂、酢酸系ビニル樹脂、アクリル系ビニール樹脂、ポリスチレン樹脂等の各種樹脂が使用でき、単独または2種以上の混合物で使用してもよい。
表面処理層a3は、特に、分子量が10000〜30000、ガラス転移点温度が50℃以下の塩酢ビアクリル共重合樹脂を選択することが好ましい。熱処理層a3として採用する材料の分子量が10000より低いと剥離性が悪くなり、30000より高くなると感熱接着性能が乏しくなる。また、熱処理層a3として採用する材料のガラス転移点温度が50℃より高くなると感熱接着性能が乏しくなる。
表面処理層a3には、塗工適性改善や光沢度調整の観点から、レベリング剤、消泡剤、界面活性剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、滑剤(ポリエチレンワックス・パラフィンワックス・シリカ等)の添加剤を添加してもよい。
また、絵柄印刷層a4を効果的に保護しかつ立体造形成形品の加飾時における剥離性の向上及び接着性を確保するため、表面処理層a3は、膜厚2〜5μmであることが好ましく、2μmより薄い場合は加飾成型時の密着性が乏しくなり、5μmより厚い場合は箔バリが発生し易くなる。
絵柄印刷層a4は、公知のグラビア印刷・シルク印刷・オフセット印刷・フレキソ印刷等で絵柄画像を形成するが、絵柄画像の再現性及び伸縮性のある基材に対して良好な絵柄合わせ精度を得る観点からデジタル印刷機を選択するのが好ましい。
デジタル印刷方式としては、レーザープリンター方式、サーマル熱転写方式、インクジェット方式等の各種方式を使用すればよい。
本考案の加飾用フィルムAを用いて図2に示す加飾装置Bにより、立体造形加飾成形品を得る。次に、図2を参照して該加飾装置Bの構成と共に本考案の立体造形成形品の加飾について説明する。
加飾装置Bは、第1チャンバb1内に、可動式ヒータb2が設けられ、さらに孔が複数形成され、立体造形成形品を載置するための孔開鋼板b3が設けられている。さらに、加飾装置Bは、孔開鋼板b3の下部に第2チャンバb4が設けられ、この第2チャンバb4内を吸引して、孔開鋼板b3の孔を介して第1チャンバb1内の空気を吸引するバキュームポンプb5が設けられている。
上記構成の加飾装置Bにおいて加飾用フィルムAを用いて立体造形成形品Cに加飾するには、次のようにして行う。まず、第1チャンバb1を開けて、孔開鋼板b3上に立体造形成形品Cを、加飾部位が可動式ヒータb2に面するよう載置する。続いて、立体造形成形品C上に、加飾用フィルムAを、型抜きシートa1が可動式ヒータb2に面するよう載置する。
その後、第1チャンバb1をを閉め、バキュームポンプb5で吸引し、加飾用フィルムAを立体造形成形品Cに圧着させる。このとき、型抜きシートa1が立体造形成形品Cに対する基材a2、表面処理層a3、絵柄印刷層a4の押さえ治具となり、立体造形成形品Cと加飾用フィルムAをほぼ完全に密着させることができる。
続いて、可動式ヒータb2を移動及び熱風を発生するように稼働して、加飾の基本である熱及び圧をかける。この可動式ヒータb2を前後左右に移動させることにより、むらなく均一的に加飾用フィルムAと立体造形成形品Cに熱・圧が加えられる。このとき、固定式ヒータを用いる場合と較べると、該固定式ヒータは、熱風のよく当る所と当らない所が発生し、条件のムラが発生し、皺や空気溜まりによる剥離が発生することがある。
次いで、バキュームポンプb5による吸引を停止し、第1チャンバb1を開け、圧着された加飾用フィルムAと立体造形成形品Cを取り出す。その際、従来の真空圧空熱転写では、箔バリと密着保持及び皺解消の観点から、成形品を取り出した直後に加飾用フィルムA(基材a2)を剥がす事ができなかった。これに較べ、本考案では、加飾用フィルムAを用いて可動式ヒータb2を備えた加飾装置Bを使用するので、良好な立体造形加飾成形品Cを得ることができる。
以下、本考案の加飾用フィルムAの実施例について説明する。
(実施例1)
基材a2である厚み30μmのOPPフィルム(東洋紡製パイレン)の片面に表面処理層a3として塩酢ビアクリル共重合樹脂(DIC製MCS5066)と塩酢ビ樹脂(DIC製TA04)及び滑剤を100対30対5重量部で混合した塗工液を膜厚3μmとなるようにグラビアロールコーターにて塗布し、乾燥装置にて温度40℃で乾燥した。
その後、表面処理層a3上にレーザープリンター(OKI製WEB−61)を用いて所望の反転画像(絵柄印刷層a4)を形成したところ、インクとられや滲みのない鮮明な画像を形成することができた。
次いで、画像が形成された基材a2の反対面に、スマートフォン形状に型抜きした図3(a)に示した型抜きシートc1である厚み125μmのPETフィルム(東レ製T−60)に弱粘着剤(DIC製ディックセーフWH)とグラビアロールコーターで塗布し、これを基材a2とラミネート法により貼り合せ、加飾用フィルムAを得た。
加飾用フィルムAを得た後、図2の加飾装置Bにより、ABS製スマートフォンカバー(立体造形成形品)上に、上記作成した加飾用フィルムAを載置し、80℃で30秒間、加熱加圧した。この後、基材a2をABS製スマートフォンカバーから剥離した。このとき、ABS製スマートフォンカバー上には、皺、空気溜まりによる剥離がなく、デジタル印刷画像を凹凸にそって均一に転写することができた。
さらに、転写された画像には、インク潰れや滲み等の画像の乱れはなくまた立体造形成形品Cとの密着も良好であった。また、転写画像の表面には表面処理層a3が施され、表面を擦っても画像が破壊されることはなかった。また、屋外暴露をおこなってもインクの変退色はなかった。さらに、耐水性も良好であった。
(実施例2)
基材a2である厚み30μmのOPPフィルム(東洋紡製パイレン)の片面に表面処理層a3として塩酢ビアクリル共重合樹脂(DIC製MCS5066)と塩酢ビ樹脂(DIC製TA04)及び滑剤を100対30対5重量部で混合した塗工液を膜厚3μmとなるようにグラビアロールコーターにて塗布し、乾燥装置にて温度40℃で乾燥した。
その後、表面処理層a3上にレーザープリンター(キャノン製LBP−5600)を用いて所望の反転画像(絵柄印刷層a4)を形成したところ、インクとられや滲みのない鮮明な画像を形成することができた。
次いで、画像が形成された基材a2の反対面に、ゴルフボール形状に型抜きした図3(b)に示した型抜きシートc2である厚み125μmのPETフィルム(東レ製T−60)に弱粘着剤(DIC製ディックセーフWH)とグラビアロールコーターで塗布し、こえを基材a2とラミネート法により貼り合せ、加飾用フィルムAを得た。
加飾用フィルムAを得た後、図2の加飾装置Bにより、ウレタン製ゴルフボール(立体造形成形品)上に、上記作成した加飾用フィルムAを載置し、80℃で30秒間、加熱加圧した。この後、基材a2をウレタン製ゴルフボールから剥離した。このとき、ウレタン製ゴルフボール上には、皺、空気溜まりによる剥離がなく、デジタル印刷画像が凹凸にそって均一に転写することができた。
さらに、転写された画像には、インク潰れや滲み等の画像の乱れはなくまた立体造形成形品Cとの密着も良好であった。また、転写画像の表面には表面処理層a3が施され、表面を擦っても画像が破壊されることはなかった。また屋外暴露をおこなってもインクの変退色はなかった。さらに、耐水性も良好であった。
(実施例3)
基材a2である厚み30μmのOPPフィルム(東洋紡製パイレン)の片面に表面処理層a3として塩酢ビアクリル共重合樹脂(大日精化製TMR−800)と塩酢ビ樹脂(DIC製TA04)及び滑剤を100対30対5重量部で混合した塗工液を膜厚3μmとなるようにグラビアロールコーターにて塗布し、乾燥装置にて温度40℃で乾燥した。
その後、表面処理層a3上にコピー機(NEC製α2540)を用いて所望の反転画像(絵柄印刷層a4)を形成したところ、インクとられや滲みのない鮮明な画像を形成することができた。
次いで、画像が形成された基材a2の反対面に、ABS製コンピュータ用マウス形状に型抜きした図3(c)に示した型抜きシートc3である厚み188μmのPETフィルム(東レ製T−60)に弱粘着剤(DIC製ディックセーフWH)とグラビアロールコーターで塗布し、これを基材a2とラミネート法により貼り合せ、加飾用フィルムAを得た。
加飾用フィルムAを得た後、図2の加飾装置Bにより、ABS製コンピューター用マウス(立体造形成形品)上に、上記作成した加飾用フィルムAを載置し、80℃で30秒間、加熱加圧した。この後、基材a2をABS製コンピューター用のマウスから剥離した。このとき、ABS製コンピューター用マウス上には、皺、空気溜まりによる剥離がなく、デジタル印刷画像を凹凸にそって均一に転写することができた。
さらに、転写された画像には、インク潰れや滲み等の画像の乱れはなくまた立体造形成形品Cとの密着も良好であった。また、転写画像の表面には表面処理層a3が施され、表面を擦っても画像が破壊されることはなかった。また、屋外暴露をおこなってもインクの変退色はなかった。さらに、耐水性も良好であった。
(比較例1)
比較例1は、実施例1において型抜きシートc1を使用しない構成とし、後は同様の構成、工程を経て加飾用フィルムを得た。比較例1の加飾用フィルムは、加飾成型時に、皺、空気溜まりが発生し、デジタル印刷画像を均一に立体造形成形品C上に転写することができなかった。
(比較例2)
比較例2は、実施例1において作成した、加飾用フィルムAを用い、加飾装置において可動ヒータを固定式ヒータに代えて加飾をおこなった。比較例2では、立体造形成形品Cに加飾用フィルムを転写した時に、熱・圧が均一かからず、印刷画像の転移不良、立体造形成形品Cとの密着低下が発生した。
以上の実施例から明らかなように、本考案の加飾用フィルムAは、型抜きシートc1が立体造形成形品Cへの加飾時に成形用治具となると共に構成を好適な条件としているので、加飾成型時の皺、空気溜まりを解消でき、印刷画像(絵柄印刷層a4)と立体造形成形品Cの密着が良好であり、さらに、印刷画像の表面物性に優れることが判った。
また、本考案は、絵柄印刷層a4にデジタル印刷手法を用いることから、ヤング率の高い基材にも対応できるため、画像制限されることなく広範な意匠に多彩な加飾表現することができる。
A (立体造形成形品)加飾用フィルム
a1 型抜きシート
a2 基材
a3 表面処理層
a4 絵柄印刷層
B (立体造形成形品)加飾装置
b1 第1チャンバ
b2 可動式ヒータ
b3 孔開鋼板
b4 第2チャンバ
b5 バキュームポンプ
C 立体造形加飾成形品
c1 (スマートフォン用の)型抜きシート
c2 (ゴルフボール用の)型抜きシート
c3 (コンピュータ用マウスの)型抜きシート
本考案は、合成樹脂系基材の表面に少なくとも表面処理層、デジタル印刷法にて形成された絵柄印刷層が積層され、基材の積層した側と反対面に立体造形成形品に合せて型抜きされたシートを貼り合わせ、加飾時型抜きシートが成形用治具となる立体造形成形品加飾用フィルム及び加飾装置に関する。
表面処理層a3は、剥離性、感熱接着性の両方の特性を兼ね備えた樹脂で構成される。表面処理層a3を構成する樹脂としては、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂(アクリル系樹脂とメタアクリル系樹脂の両者を含む意味で使用)、ウレタン樹脂、酢酸系ビニル樹脂、アクリル系ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂等の各種樹脂が使用でき、単独または2種以上の混合物で使用してもよい。
その後、第1チャンバb1を閉め、バキュームポンプb5で吸引し、加飾用フィルムAを立体造形成形品Cに圧着させる。このとき、型抜きシートa1が立体造形成形品Cに対する基材a2、表面処理層a3、絵柄印刷層a4の押さえ治具となり、立体造形成形品Cと加飾用フィルムAをほぼ完全に密着させることができる。
加飾用フィルムAを得た後、図2の加飾装置Bにより、ABS製コンピュータ用マウス(立体造形成形品)上に、上記作成した加飾用フィルムAを載置し、80℃で30秒間、加熱加圧した。この後、基材a2をABS製コンピュータ用のマウスから剥離した。このとき、ABS製コンピュータ用マウス上には、皺、空気溜まりによる剥離がなく、デジタル印刷画像を凹凸にそって均一に転写することができた。

Claims (7)

  1. 基材の一方の面に少なくとも表面処理層、印刷層が形成され、該基材の他方の面に、立体造形成形品に合わせ型抜きされ、成形品への加飾時に成形用治具となる型抜きシートを貼り合わせたことを特徴とする立体造形成形品加飾用フィルム。
  2. 型抜きシートは、厚みが75〜188μmである熱可塑性で耐熱性、寸法安定性を有する樹脂であることを特徴とする請求項1記載の立体造形成形品加飾用フィルム。
  3. 基材は、ヤング率(引張弾性率)4.8Gpa以上、引張破壊強さ360Mpa以上、引張破壊伸度210%以上の特性とされ、厚みが10〜50μmである熱可塑性樹脂を用いることを特徴とする請求項1又は2記載の立体造形成形品加飾用フィルム。
  4. 表面処理層は、分子量が10000〜30000でガラス転移温度が50℃以下の塩酢ビアクリル共重合樹脂を主成分とした剥離性及び接着性を兼ね備えた熱可塑性樹脂を膜厚2〜5μmで塗布してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の立体造形成形品加飾用フィルム。
  5. 型抜きシート、基材、表面処理層の順で積層し、印刷層がデジタル印刷法で印刷されて形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の立体造形成形品加飾用フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の立体造形成形品加飾フィルムを用いて加飾されたことを特徴とする立体造形加飾成形品。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の立体造形成形品加飾フィルムを用いる立体造形成形品加飾装置であって、可動式ヒータを備え、前記可動式ヒータの熱風により熱と圧を加えて立体造形成形品に加飾することを特徴とする立体造形成形品加飾装置。
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