JP3187113B2 - 細胞増殖因子 - Google Patents
細胞増殖因子Info
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Description
因子、該因子をコ−ドするDNA、該DNAを有するプラスミ
ド、該プラスミドを有する宿主細胞、該宿主細胞を用い
る該因子の製造方法、乳ガン細胞を用いる該因子の製造
法、該DNAとハイブリダイズするプロ−ブ、該プロ−ブ
を用いる該DNAの検出方法、および該因子を有する細胞
増殖剤に関する。
殖の中心概念のひとつとなっており、ガン遺伝子産物に
関連する種々の増殖因子および増殖因子受容体が報告さ
れ、それらはガン細胞内で自己増殖環を形成するものと
思われる。乳ガンや前立腺ガンのような性ホルモン標的
器官から発生するガンは、ホルモン反応性の増殖を特徴
としている。最も初期の乳ガンは、その増殖にホルモン
の刺激が必要である。乳ガン細胞のホルモン反応性の増
殖は、ホルモンの刺激により分泌される増殖因子を介す
るものとされてきた。このようなホルモン誘導増殖因子
の構造分析と特性化は、ホルモン反応性ガンの増殖機構
解明に必須である。
オノギカルシノ−マ115(SC115)は、性ホルモン反応性ガ
ンとして広く認められている(Nonomuraら、Perspective
inAndrology (ed. Serino, M.) 431-438 (Raven, New
York, 1989))。その増殖はアンドロゲンによってのみ刺
激される。SC115腫瘍から得られたアンドロゲン依存性
無血清培養系(SC-3細胞株)(Nakamuraら、J. Steroid Bi
ochem. 27, 459-464(1987))は、性ホルモンがガン細胞
の増殖を促す分子機構の研究のための良いモデル系であ
る。SC-3細胞のアンドロゲン依存性の増殖は、自己増殖
機構中のヘパリン結合性増殖因子により仲介されること
が示唆されてきた(Nonomuraら、上記;Nakamuraら、上
記;Nonomuraら、Cancer Res. 48, 4904-4908 (198
8))。
胞のアンドロゲン依存性の増殖は自己増殖機構中のヘパ
リン結合性増殖因子により仲介されることが示唆されて
いるが、未だこの因子は単離・同定されていない。ま
た、この因子をコ−ドするDNAも単離・同定されていな
い。該因子をコ−ドするDNAが得られれば、遺伝子工学
的手法を用いて該因子を大量生産することが可能にな
る。該因子を大量に得ることができれば、該因子の阻害
因子としての抗ガン物質を探索することができる。ま
た、該DNAとハイブリダイズするプロ−ブで該DNAを検出
できれば、ガンの診断に有用である。また、該因子の細
胞増殖作用から、該因子そのものも細胞増殖用試薬や医
薬として期待される。
依存性マウス乳ガン細胞(SC-3細胞)から得られた、アン
ドロゲン誘導自己増殖因子のcDNAクロ−ニングと機
能的発現を初めて報告するものである。このアンドロゲ
ン誘導増殖因子(AIGF: andorogen-induced growth fact
or)は、新規なヘパリン結合性増殖因子であり、アンド
ロゲンにより顕著に誘導され、アンドロゲンの非存在下
でもSC-3細胞を増殖させる。
無血清調整培地は、SC-3細胞に対して顕著な増殖促進効
果を示した。増殖促進活性をヘパリン-Sepharoseに結合
させ、1.0-1.2 M 塩化ナトリウム濃度で溶出した。ヘパ
リン-Sepharoseクロマトグラフィ−を繰り返した後、生
理活性画分を逆相HPLCに付した(図1)。逆相HPLCから得
られた生理活性画分は、還元および非還元条件下で、SD
S-PAGE上でそれぞれ32kDaと28 kDaの2つの主要なタン
パク質を含んでいた。32 kDaと28 kDaのいずれのタンパ
ク質も同様の生物学的有効性を示した(図2)。いずれの
タンパク質のN末端もブロックされているが、逆相HPLC
でのリジルエンドペプチダ−ゼ消化後のペプチドマッピ
ングにより、この2つのタンパク質由来のほとんどのペ
プチドが同一であることが明らかになった。逆相HPLCで
のペプチド断片(図3)の配列を決定した。図3のペプチ
ドの配列から、推定縮合オリゴヌクレオチドプライマ−
を合成し、10-8M テストステロンの存在下で培養したSC
-3細胞の全RNA由来のランダムプライム化1本鎖cDNAを
用いてポリメラ−ゼチェインリアクションを行なった。
240 b.p. のDNAが1組のプライマ−セットから得られ、
AIGFをリジルエンドペプチダ−ゼ消化して得られた種々
のペプチド配列を含んでいた。このDNA断片を、哺乳類
細胞用発現プラスミドベクタ−pcDL-SRα296(Takebe
ら、N. Molec. Cell. Biol. 8, 466-472 (1988))と、テ
ストステロン刺激SC-3細胞のポリアデニル化RNA由来の
オリゴ(dT)プライム化2本鎖cDNAとを用いて構築された
cDNAライブラリ−のスクリ−ニングに、プロ−ブとして
用いた。4×104個のクロ−ンのスクリ−ニングにより40
個の陽性クロ−ンが得られ、そのうち20個をCOS-7細胞
に感染させた。8個のクロ−ンがSC-3細胞の増殖試験で
陽性を示した(図6)。全ての生理活性クロ−ンが1.0-1.
2 kb 挿入物を含んでいた。
オチド配列は、3’非翻訳配列と共に推定215アミノ酸残
基のオ−プンリ−ディングフレ−ムを有していた。ATG
開始コドンはヌクレオチド174位に位置し、その下流に
疎水性残基の推定シグナルペプ チドが続いている。停
止コドンはヌクレオチド819位に存在する。このオ−プ
ン リ−ディングフレ−ムは、1つの潜在的N-グリコシ
レイション部位を有する215 アミノ酸からなる配列をコ
−ドしている(図4)。リジルエンドペプチダ−ゼ消化で
得られたピ−ク7を除くすべてのペプチドがこの配列に
含まれていた(図4)。AIGFのペプチド配列の直接決定で
は、N-末端を検出できなかった。von Heijeの 規則(G.
Biochim. et Biophys. Acta 947, 307-333 (1988))に基
づけば、AIGFのN末端は、ピログルタミン化によるN末端
ブロックを引き起こすと思われる、アミノ酸23位のグル
タミン残基であると推定され、その成熟タンパク質の分
子量は約22 kDaである。しかし、別のクロ−ンpSC15の
ヌクレオチド配列を決定したとこ ろ、推定シグナル配
列に続く、pSC17クロ−ンの10アミノ酸(残基25-34、図
4)が、63アミノ酸残基で置換されており(図4)、別の
グリコシレイション部位を有する28 kDa の成熟タンパ
ク質の存在が示唆された。ペプチド7のペプチド配列は
pSC15に見出されたが、pSC17では見出されない(図4)。
これらのクロ−ンは、異 なってスプライシングされたA
IGF転写物からの産物であると思われる。SDS-PAGEでの3
2 kDaと28 kDaの2つの主要なタンパク質間の相違およ
び分子量の理論値とSDS-PAGEでの値の間の違いは、推定
されるN-グリコシレイション位置でのグリコシレイショ
ンと、上記の転写物のスプライシングの違いによるもの
と思われる。事実、エンドグリコシダ−ゼF処理により
AIGFのSDS-PAGEパタ−ンが変化し、32 kDaバンドが淡く
なる一方、28 kDaバンドの強度が強まり、23 kDaバンド
が現れた。これは、22 kDaおよび28 kDaのAIGFのグリコ
シレイションにより、それぞれ28 kDaおよび32 kDaのAI
GFが形成されることを示唆している。
した結果、AIGFはFGFファミリ−に相同性を示すことが
明らかになった。全体として、int-2、hst-1、FGF-5、F
GF-6にコ−ドされるタンパク質はもちろん、塩基性FGF
およびKGFと30〜40 %の相同性を示した(Esch, F.ら、Pr
oc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 82, 6507-6511 (1985);
Finch, P.W.ら、Science 245, 752-755 (1989);Dickso
n, C.ら、Nature 326, 833 (1987);Taira, M.ら、Pro
c. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 84, 2980-2984 (1987);Z
han, X.ら、Molec. Cell. Biol. 8, 3487-3495 (198
8);Marics, I.ら、Oncogene 4, 335-340 (1989))。FGF
ファミリ−では2つのシステイン残基の位置が良く保存
されているが、AIGFの配列では127位のシステイン残基
が保存されて いるのみである。塩基性FGFの受容体結合
部位(Eriksson, A.E.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.
A. 88, 3441-3445 (1991))、マウスFGFのアミノ酸残基1
14〜123 は、AIGFの推定配列と44.4 %の相同性を示すの
みである。AIGFの信号伝達が、塩基性FGF受容体(Nonomu
ra, N.ら、Cancer. Res. 50, 2316-2321 (1990))を介す
るか、AIGF自体の異なる受容体を介するものであるかは
判明していない。FGF関連 ガン遺伝子にコ−ドされるタ
ンパク質は全て、N-末端シグナルペプチド配列を有す
る。シグナルペプチド配列の存在は、FGFファミリ−の
メンバ−が形質転換能 を有するか否かを決定する際
の、重要な要因となる。N-末端に免疫グロブリンシグナ
ルペプチド配列を有する塩基性FGFをコ−ドするcDNA
は、NIH 3T3細胞を形質転換することができる(Yayon,
A.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.87, 5346-5350
(1990))。AIGFもシグナル配列を有しており、これはSC-
3細胞のガン性増 殖とAIGFの密接な関連を示唆してい
る。
ット分析により確認された。AIGFのmRNAは、テストステ
ロン非存在下のノ−ザンブロット分析では検出されなか
った(図5) 。AIGFのmRNAは、10-8 Mテストステロンに
よる刺激の後、6時間で出現し、24時間までに顕著に
増加した(図5)。
IGFがアンドロゲンの非存在下でSC-3細胞の増殖を顕著
に促進することが明らかになった(図6)。さらに、AIGF
はSC-3細胞の形態を変化させ、これはテストステロンに
より刺激されたSC-3細胞にも見られるものであった(Tan
aka, A.ら、J. Steroid Biochem. Molec. Biol. 37,23-
29 (1990))。AIGFに刺激されたSC-3細胞はフィブロブラ
スト様態を示し、プラスミドベクタ−だけで形質転換さ
れたCOS 7細胞の調整培地で処理されたSC-3細胞の上皮
様外観と対照的であった。
性ヘパリン結合性増殖因子であり、アンドロゲンに顕著
に誘導される。AIGFはアンドロゲンの非存在下でSC-3細
胞の増殖を促進し、SC-3細胞の形態を変化させる。これ
らの結果から、SC-3細胞のホルモン依存性ガン性増殖
は、ホルモンの刺激に反応してガン細胞自体により分泌
されるAIGFを介するものと結論付けられる。
に影響される。本発明におけるAIGFの同定により、ホル
モン誘導自己増殖因子が乳ガンおよび前立腺ガンの増殖
において中枢的役割を演じ、そのようなガンのホルモン
治療の理論的根拠を提供するものであることが明らかに
なった。
記載のアミノ酸配列のうち35位のHisから215位のArgま
でのアミノ酸配列を有する細胞増殖因子を提供するもの
である。該アミノ酸配列は、図4から明らかなように、
本発明で得られたpSC17およびpSC15クロ−ンに共通のも
のであり、本発明の増殖因子に必要充分なアミノ酸配列
であると考えられる。
ミノ酸配列のうち23位のGlnから215位のArgまでのアミ
ノ酸配列または配列番号:2に記載のアミノ酸配列のう
ち23位のGlnから268位のArgまでのアミノ酸配列を有す
る細胞増殖因子を提供する。配列番号:1および2のア
ミノ酸配列に共通な1位のMetから22位のAlaまではシグ
ナル配列と推定される。従って、配列番号:1および2
のアミノ酸配列からシグナル配列を除いたアミノ酸配列
を有する細胞増殖因子が本発明に包含される。
ノ酸配列のうち2位のGlyから215位のArgまでのアミノ酸
配列または配列番号:2に記載のアミノ酸配列のうち2
位のGlyから268位のArgまでのアミノ酸配列を有する細
胞増殖因子を提供する。
る。 (1) アンドロゲンにより誘導される。 (2) ヘパリン結合性である。 (3) アンドロゲンの非存在下でSC-3細胞を増殖させる。 上記アミノ酸配列のうち、1個以上のアミノ酸残基が付
加、脱離、挿入、置換されたものでも、これらの性質を
有する限り本発明に包含される。
なように、本発明の細胞増殖因子はグリコシレイション
部位を有していることから、糖鎖を有しているものが好
ましいと考えられる。
するDNA、該DNAを有し当該細胞増殖因子を発現しうるプ
ラスミド、このプラスミドを有する宿主細胞を提供す
る。本発明の宿主細胞としては、大腸菌、枯草菌などの
原核細胞宿主、酵母、COS細胞、CHO細胞、Hela細胞、3T
3細胞、3T6細胞、Ltk-細胞などの真核細胞宿主など、本
遺伝子組換え技術分野において通常用いられる全ての宿
主細胞を用いることができる。本発明の細胞増殖因子は
糖鎖を有していると考えられることから、宿主としては
真核細胞宿主が好ましい。本発明のプラスミドとして
は、用いる宿主に応じ、通常の発現用プラスミド/ウイ
ルスベクタ−を用いればよく、真核細胞宿主を用いる場
合には、前記pcDL-SRα296の他、市販のpSVK3、pBPV、p
MSG、pMSG-CAT、pSVL、pCH110、pCaMVCN(ファルマシア)
を用いてもよい。
特徴とする細胞増殖因子の製造法を提供する。本発明の
細胞増殖因子を発現しうる宿主細胞は、宿主細胞の性質
に応じて通常の方法で培養することができる。培養培地
から該増殖因子を得るためには、ヘパリンを用いるアフ
ィニティ−クロマトグラフィ−を必要回繰り返し、必要
に応じ逆相HPLCに付すことにより単離精製することがで
きる。
で安定して供給できる点から、上記製造法により製造さ
れるものが好ましいが、乳ガン細胞、好ましくはテスト
ステロン刺激されたSC-3細胞を含むアンドロゲン反応性
マウス乳ガン細胞を無血清調整培地に培養し、該培地か
ら上記の単離精製法により得ることもできる。
するDNAまたはRNAとハイブリダイズし、該DNAまたはRNA
を特異的に検出しうるプロ−ブを提供する。該プロ−ブ
は、通常用いられる酵素、放射性同位元素などにより標
識されたDNAプロ−ブであり、通常のノ−ザンまたはサ
ザンブロット分析において該細胞増殖因子をコ−ドする
DNAまたはRNAと特異的にハイブリダイズし、該DNAまた
はRNAを特異的に検出しうるものであれば如何なるもの
でもよいが、配列番号1または2に記載のDNA配列(ま
たはその相補的配列)の一部、特にpSC17クロ−ンのXho
I断片を有しているものが好ましい。
またはサザンブロット分析などにより、該細胞増殖因子
をコ−ドするDNAもしくはRNA、またはこれと相同性の高
い遺伝子を検出することができる。
非存在下でさえ、SC-3細胞を増殖させたことから、細胞
増殖剤として有用である。細胞増殖剤とするには、本発
明の細胞増殖因子に、通常のペプチド試薬の製剤化に用
いられる安定化剤、保存剤などを添加すればよい。
せることから、本因子の阻害物質としての、抗ガン作用
を有する物質の探索に有用である。
養物から得られた4Lの調整培地を10倍まで濃縮し、0.6
M NaCl、0.1 % CHAPS、2 mM PMSFおよび500 μg/mlのロ
イペプチンを含む10 mM Tris-HCl緩衝液(pH 7.0)で平衡
化したヘパリン-Sepharoseカラム(ゲル層体積;5 ml)に
付した。カラムを上記平衡緩衝液で洗浄し、吸着したタ
ンパク質を2 M NaClを含むゲル層体積の10倍量の平衡
緩衝液で溶出した。溶出画分をNaClを含まない平衡緩衝
液で希釈し、NaCl濃度を0.6 Mまで低下させ、ヘパリン-
Sepharoseカラム(ゲル層体積;0.5 ml)で同様の方法で
再分画した。溶出画分を、4.6 × 50 mm Cosmosil C4逆
相カラムに付し、0-60 %アセトニトリルの濃度勾配を用
い、0.1 % TFA中で、30分かけて1 ml/minの溶出速度で
展開した(図1)。各画分のSC-3細胞における[3H]チミジ
ン取り込み活性を、Yamanishiらの方法(Yamanishi, H.
ら、Cancer Res. 51, 3006-3010 (1991))で検定した。
生物活性を有する画分を凍結乾燥し、還元(図2)および
非還元条件下で、0.1 % SDSを含む10-20 %濃度勾配アク
リルアミドゲルに付し、銀染色した。非還元条件下で展
開された隣接レ−ンの同一サンプルを、38個の等しい画
分に分けた。0.1 % CHAPSを含む10 mM Tris-HCl (pH 7.
5)中で、4℃で1夜撹拌することにより、タンパク質を
溶出した。溶出物は、[3H]チミジン取り込み活性につき
検定した(図2)。精製AIGFを室温で2時間70%蟻酸で変性
させ、50 mM Hepes緩衝液(pH 7.6)中で、500 ngのリジ
ルエンドペプチダ−ゼ(和光純薬)で37℃5時間消化し
た。消化したサンプルを、直接、3.9 × 150 mm μ-Bon
dasphere C18逆相カラム に付した(図3)。ペプチド
は、1 ml/minの溶出速度で、60分間かけて0-60%アセト
ニトリル直線濃度勾配で分離し、異なるピ−クを採取し
た。配列分析は、オンラインABI 120A PTH 分析機を用
いたABI 477A プロテインシ−クエンサ−(Applied Bios
ystems, Foster city, CA)で行なった。
被膜活性炭で処理した2 %牛胎児血清および10-8 Mテス
トステロンを含む10 mlのMEMに入れた。次の日(第0日)
に培地を一度交換した。第2日に、ほぼコンフルエント
に達したSC-3細胞(約4 × 106細胞/ディッシュ)を集
め、全細胞RNAを、酸グアニジニウムチオシアネイト-フ
ェノ−ル-クロロホルム抽出法(Chomczynski, P.ら、N.
Analyt. Biochem. 162, 156-159 (1987))により調製し
た。ランダムプライム化1本鎖cDNAを、逆転写酵素(Sup
erscript, Bethesda Research Laboratories, Gaithers
burg,MD)を用いて、10-8Mテストステロンの存在下で培
養したSC-3細胞の全RNAから合成した。オリゴヌクレオ
チドプライマ−は、得られたアミノ酸配列に従い合成し
た。種々のプライマ−セットのうち、5’>ATHAAYGCIATG
GCIGARGAYGG<3’(配列番号:3)および5’>GCCATRTACCA
ICCYTCRTA<3’(配列番号:4)(但し、HはAまたはCまた
はT、YはTまたはC、RはGまたはAを表わす。)のセットを
用いた時、ポリメラ−ゼチェインリアクションで1つの
DNAバンドが得られた。ポリメラ−ゼチェインリアクシ
ョンは、1本鎖cDNA、合成オリゴヌクレオチド、Ampli
Taq(商標)組換えTaq DNA ポリメラ−ゼ(PERKIN-ELMER C
ETUS Instrument, Norwalk, CT)を用いて、94℃90秒、3
7℃90秒、72℃180秒の反応を30回繰り返して行なっ
た。増幅されたcDNAのヌクレオチド配列は、ジデオキシ
ヌクレオチド鎖終止法(Sanger, F.ら、Proc. Natl. Aca
d. Sci. U.S.A. 74, 5463-5467 (1977))により決定し
た。cDNAライブラリ−は、10-8Mテストステロンの存在
下に培養したSC-3細胞のポリアデニル化RNAから構築し
た。ポリアデニル化RNAはオリゴ(dT)ラテックスを用い
て単離した。オリゴ(dT)プライム化2本鎖cDNAは、cDNA
合成システム(Bethesda Research Laboratories)によ
り合成し、BstXIリンカ−を用いてプラスミドベクタ−p
cDL-SRα296に結合した。ハイブリダイゼイションは、
1.5 × SSPE、1.0 % SDS、0.5 % Blotto中65℃で、ポリ
メラ−ゼチェインリアクションにより得られた32P標識
プロ−ブを用いて行ない、2 × SSC、0.1 % SDSで50℃3
0分、続いて、0.1 × SSC、1.0 % SDSで37℃30分間洗浄
した。20個の陽性クロ−ンをCOS 7細胞の感染に用い
た。生理活性クロ−ンの1つ(pSC17)の配列を決定し
た。
ノ酸配列を示す。AIGF cDNA (pSC17クロ−ン)は215アミ
ノ酸のタンパク質をコ−ドする。下線部分は、リジルエ
ンドペプチダ−ゼ消化により得られたペプチド配列(図
3、No. 1〜10)である。2つのペプチドが図3のピ−ク
10に含まれるものであった。陰を施した部分は、ポリメ
ラ−ゼチェインリアクションに用いられた2つのプライ
マ−部分である。四角で囲んだ部分は、2つの異なるク
ロ−ンpSC17とpSC15の間で置換されているアミノ酸残基
である。N-グリコシレイションが起こり得る部分は太下
線を施してある。
ロンの非存在下でデキストラン被覆活性炭で処理した2
%牛胎児血清を含む10 mlのMEMに入れた。次の日、細胞
をPBSで洗浄し、血清含有MEM中で、10-8Mテストステロ
ンの存在または非存在下でさらに培養した。図5に示し
た時間にポリアデニル化RNAを単離した。2 μgのポリア
デニル化RNAを、0.66 M ホルムアルデヒドを含む1 %ア
ガロ−スゲル中で電気泳動し、ナイロン膜上に移した。
ハイブリダイゼイションは、1.5 × SSPE、1.0 % SDS、
0.5 % Blotto中で、65℃18時間行なった。ブロットは、
2 × SSC、0.1 % SDSで50℃30分、続いて、0.1 × SS
C、1.0 % SDSで37℃30分洗浄し た。オ−トラジオグラ
フィ−は-70℃で48時間行なった。
標識したAIGF cDNAプロ−ブと、ブロットをハイブリダ
イズさせた結果を示す。図中、リボゾ−ムRNAの移動位
置を左に示している。
に感染させた。感染の48時間後、培地を採取し、SC-3細
胞の[3H]チミジン取り込みにつき検定した。ベクタ−プ
ラスミドのみもCOS 7細胞に感染させ、その調整培地も
コントロ−ルとして生物活性を検定した。
−プラスミドを感染させたCOS 7細胞の調整培地(右)と
ベクタ−プラスミドのみを感染させたもの(左)の、SC-3
細胞における[3H]チミジン取り込み活性を示す。
である。
ァイルを示す図である。
チドマッピングを示す図である。
列を示す図である。
図である。
Claims (12)
- 【請求項1】配列番号:1に記載のアミノ酸配列のうち
35位のHisから215位のArgまでのアミノ酸配列を含む細
胞増殖因子。 - 【請求項2】配列番号:1に記載のアミノ酸配列のうち
23位のGlnから215位のArgまでのアミノ酸配列または配
列番号:2に記載のアミノ酸配列のうち23位のGlnから2
68位のArgまでのアミノ酸配列を含む請求項1記載の細
胞増殖因子。 - 【請求項3】配列番号:1に記載のアミノ酸配列のうち
2位のGlyから215位のArgまでのアミノ酸配列または配列
番号:2に記載のアミノ酸配列のうち2位のGlyから268
位のArgまでのアミノ酸配列を含む請求項1記載の細胞
増殖因子。 - 【請求項4】以下の性質を有する請求項1記載の細胞増
殖因子。 (1) アンドロゲンにより誘導される。 (2) ヘパリン結合性である。 (3) アンドロゲンの非存在下でSC-3細胞を増殖させる。 - 【請求項5】糖鎖を有する請求項1記載の細胞増殖因
子。 - 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の細胞増殖
因子をコ−ドするDNA。 - 【請求項7】請求項6に記載のDNAを有し請求項1〜5
のいずれかに記載の細胞増殖因子を発現しうるプラスミ
ド。 - 【請求項8】請求項7に記載のプラスミドを有する宿主
細胞。 - 【請求項9】請求項8に記載の宿主細胞を培養すること
を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の細胞増殖
因子の製造法。 - 【請求項10】請求項9に記載の製造法により製造され
る請求項1〜5のいずれかに記載の細胞増殖因子。 - 【請求項11】乳ガン細胞を培養し、培養培地から請求
項1〜5のいずれかに記載の細胞増殖因子を採取するこ
とを特徴とする該細胞増殖因子の製造法。 - 【請求項12】請求項1〜5のいずれかに記載の細胞増
殖因子を有する細胞増殖剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03871792A JP3187113B2 (ja) | 1992-01-28 | 1992-01-28 | 細胞増殖因子 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03871792A JP3187113B2 (ja) | 1992-01-28 | 1992-01-28 | 細胞増殖因子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH05222096A JPH05222096A (ja) | 1993-08-31 |
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