JP3183878B2 - はんだ付方法 - Google Patents

はんだ付方法

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JP3183878B2 JP26497789A JP26497789A JP3183878B2 JP 3183878 B2 JP3183878 B2 JP 3183878B2 JP 26497789 A JP26497789 A JP 26497789A JP 26497789 A JP26497789 A JP 26497789A JP 3183878 B2 JP3183878 B2 JP 3183878B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、はんだ付方法に関するものであり、さらに
詳しく述べるならば、自動車用の電装品のように絶えず
振動にさらされ、疲労が起こり易い環境で使用される部
品のはんだ付け、特に電子部品を印刷基板に接合する用
途に適したはんだ付部品およびはんだ付方法に関するも
のである。
(従来の技術) 一般に、はんだ材はSn−Pd二元系を基本成分としてお
り、またその性質を改善するため各種成分を添加するこ
とが知られている。
特公昭40−25885号公報は、はんだ用電気鏝先の銅が
はんだに溶け込んで、はんだが損耗することを防止する
ために、はんだ材に銅、銀、ニッケル等を添加すること
を開示する。その損耗防止作用は銀、ニッケルにより銅
をはんだ中に微細均一に分布させることにあると説明さ
れている。
特公昭45−2093号公報は、アルミニウム合金とのろう
接部でのはんだの耐食性がAgまたはSbの添加により改善
され、またはんだ材の流動性および作業性がCdの添加に
より改善されることを開示する。
特に集積回路、印刷基板等に使用されるはんだ材の改
良を意図した従来技術には次のものがある。
特公昭52−30377号公報は、ろう接される銅細線がは
んだより溶解され、溶損し、あるいは強度低下をきたす
ことを防止するために、CuとAgの同時添加を開示する。
Cuにより被ろう接材料がはんだにより食われることを抑
制し、一方Cu添加によりはんだの融点が上昇して被ろう
接材料が溶解され易くなることをAgのもつ融点低下作用
により防止するところにCuとAgの同時添加の作用がある
と説明されている。
特開昭56−144893号公報は、セラミックコンデンサー
の銀リード線の銀がはんだに拡散してコンデンサーの特
性を悪くしたりあるいは銀面を剥離させる欠点を解消す
るとともに、高速はんだ付けを可能にすることを目的と
し、Sn−Sb−Ag−Pd系はんだ材を提案する。
特開昭59−70490号公報は、半導体メモリにおえる部
材接合に使用されているAuろう材に匹敵する特性を有す
る安価なろう材としてSb1〜15%−Sn(In)1〜65%−P
b系およびSb−Ag−Sn(In)−Pb系成分を提案する。
特開昭63−313689号公報はPb62〜72%、Sn28〜38%を
基本組成とし、これにCu0.05%〜1.0%、Sb0.05〜1.0
%、In0.05〜1.0%、Cd0.05〜1.0%、Fe0.05%〜1.0%
の1種以上を添加し、リード端子間のブリッジを防止す
ることを特徴とするはんだ合金組成を提案する。
(発明が解決しようとする課題) 集積回路、印刷基板に搭載された電子部品のはんだ付
けに使用されるはんだ材の特性に関して、近年、リード
線を基板のランド部に接合した印刷基板のはんだ内部に
クラックが発生して通電不良による動作ミスを起こす問
題が注目されている。この原因は、使用温度の周期的変
化により基板および実装部品に応力が発生し、それを接
合部材であるはんだが受け持つことになるため、はんだ
は常に応力がかかった状態に置かれ、長期間の使用にお
いては疲労破壊に至るものと推察される。さらに、通電
によるはんだ付部の温度上昇、電子部品の発熱などの熱
影響、さらには印刷基板が振動されることなどによる機
械的影響も長期間の使用中は疲労破壊を加速する原因で
あると考えられる。基本的組成からなるSn−Pb二元系は
んだ材は上述のような長期間熱的および機械的応力にさ
らされる環境に使用すると、耐疲労性の点で問題がある
ことが明らかになった。ところが、従来、Pb−Sn系二元
系合金にCuやNiを添加すると耐疲労性が向上すると言わ
れているもののはんだがさらされる環境において耐疲労
性を改良する観点からなされた研究は見られない。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、はんだ材の耐疲労性改善の方法を鋭意
研究した結果、InとSbなどの同時添加(さらにAgの添
加)によりはんだ付直後ではこれらの添加元素を固溶さ
せ、はんだ付部品の長期間使用状態でこれらの元素を析
出させることが有効であることを見出して、平成1年9
月14日に特許出願した(平成1年特許願第238837号)。
しかしながら、元素によってははんだ付直後の状態で固
溶させることが困難な元素もあり、これらの元素を含有
するはんだについて耐疲労性を向上させる手段を見出す
必要が生じた。
本発明はかかる背景から成されたものであって、 下記第1〜第3工程: PdとSnを主成分とし、Ag,Au,As,Bi,Cu,Ni,In,Ca,Mg,T
e,Ti,Zn,Sr,Be,Sb,Bi,Pd,Te,Tlの1種以上の添加元素
を、はんだ付状態にて二次相が生成される量以上、但し
30%以下含有する合金を鋳造し、(イ)前記添加元素に
より鋳造後生成されている二次相を分断し、(ロ)前記
添加元素により鋳造後生成されている二次相を、素材加
工途中で、固溶させる熱処理を行い、あるいは(ハ)過
飽和に固溶されている前記添加元素の固溶状態を実質的
に保つ、条件(イ)、(ロ)(ハ)のいずれかの条件を
満足するように、前記鋳造合金をはんだ付に適した形態
のはんだ素材にする素材加工を行う第1工程、 前記はんだ素材を被接合部に配置するする第2工程、 前記被接合部に配置されたはんだ素材を溶融し、第1
工程において(イ)の条件でで素材加工を行うときは、
二次相を固溶させないように、(ロ)または(ハ)の条
件で素材加工を行う場合は、前記添加元素の二次相を形
成させるように冷却を行う第3工程、 を含んでなることを特徴とするはんだ付方法である。
(実施例) 以下、本発明の構成を詳しく説明する。
本発明で使用されるはんだは通常のはんだのようにPb
とSnを主成分とするものである。特に、Pb10〜95%未
満、Sn残部(ただし、0%を含まない)組成範囲におい
てはSn−Pb二元系の共晶組成から著しく離れず、比較的
低温でのはんだ付が可能となる。
本発明において使用される添加元素である、Ag,As,A
s,Bi,Cu,Ni,In,Ca,Mg,Te,Ti,Zn,Sr,Be,Sb,Bi,Pd,Te,Tl
の1種以上は、はんだ付状態にて金属間化合物または元
素単体の二次相を形成する。これらの添加元素ははんだ
付状態で下記のような金属間化合物の晶出物を作りやす
い。
(1)Ag:CaAg,Mg3Ag,Ag2Te,SrAg,TiAg (2)Au:AuAl2,AuPb2,AuSn,AuTe2,AuZn,BeAu (3)As:InAs,SnAs (4)Cu:Cu2Sb,Cu3Sn, (5)In:InNi,InTe,InCu (6)Pb:PbPd,PdTe,PbTl (7)Sn:SnTe,SnTi,AgSn はんだ付状態で晶出するこれらの金属間化合物は一般
に切欠となって疲労による亀裂を発生させる起点になり
やすい。そこで、本発明ではこれらの晶出物をできるだ
け微細にすることにより切欠効果を少なくするものであ
る。すなわち、これらの晶出物は低融点合金であるPb−
Snマトリックス中に晶出する高融点の金属間化合物また
は単体特有の多様な形態、すなわち、糸状、片状または
V字、コの字状のエッジをもった形状(これらの形状を
本発明では針状と称する)を呈し、この針状形状は微細
化によっても変化せず、晶出物は分断されるだけである
ので、晶出物による切欠は存在するが、はんだ合金は一
般に伸びが大きく(約50%)、伸びが大きい材料は一般
に小さい切欠に不敏感であるから、寸法が小さい切欠は
害が少なくなると本発明者等は考えた。さらに、微細な
二次相を均一に分散させれば、結晶粒の粗大化からクラ
ック発生に至る一連のプロセスの進行を妨げることがで
きると考えた。このためには、二次相は、100μm平方
に10個以上、好ましくは50個以上、より好ましくは300
個以上存在することが望ましい。
上記した二次相の効果を得るためには添加元素は、固
溶限以上に存在していることが必要である。その量は、
Sbなどは8%以上、Niなどは3%以上である。一方、添
加元素の量(2種以上添加の場合は合計量)が30%を超
えると、はんだの基本的性能である。低融点、はんだ付
性等が劣化するので好ましくはない。
本発明の第1工程では上記した組成の合金を例えば、
インゴット、地金、板等の任意の形態に鋳造する。以
上、この鋳造を板として行う例につき説明する。板の厚
みは、鉱業上鋳造が可能であれば特に制限されない。鋳
造板内には金属間化合物や元素単体が、通常のはんだ接
合部で晶出するよりも粗大に晶出している。この鋳造板
を4〜6highなどの薄板製造に適する圧延機により圧延
し、必要により中間焼鈍を行い、粗大な金属間化合物を
切欠不敏感性と均一分散効果があらわれるまで、分断し
つつ、好ましくは10〜100μmの厚みの箔状はんだ素材
に圧延する。ここで、箔の厚みが10μmより薄いと、後
で行うはんだ付の作業が困難になり、一方100μmより
厚いと、金属間化合物等の晶出物の分断が不十分であ
る。また、本発明においては、近年、超急冷材料を得る
ために使用されているロール急冷法(回転している冷却
ロールに溶湯を噴射する方法)により、板を得ることが
できる。この場合、はんだ素材に必要な厚さが得られか
つ同時に添加元素のほとんどは過飽和に固溶され、一部
は切欠不敏感性を有する超微細な二次相になる。必要に
より、ロール急冷された板を更に圧延する場合は、圧延
途中で固溶元素の析出が実質的に起こらないように加熱
あるいは大圧下圧延による発熱は避けなければならな
い。
さらに、本発明においてインゴットなどを圧延した圧
延板が二次相を含む場合は、板に溶体化処理を施して、
添加元素を固溶させる方法を採用することができる。溶
体化処理の条件は、加熱温度が90〜150℃以上融点以
下、冷却条件は塩水、液体窒素に投入する等の超急冷冷
却速度のもの、処理時間は板の変形を避けるためにでき
るだけ短時間である。
はんだ素材を粉末として提供することもできる。この
場合は地金を溶解し、溶融合金をアトマイズ法により粉
末とする。粉末を得る最も一般的方法として、インゴッ
トを粉砕する方法があるが、この方法では、インゴット
中に金属間化合物が粗大な晶出物として生成し、粉砕に
よってもほとんど微細化せず、また粉末を溶体化処理す
ることは事実上不可能であるので、本発明においては、
はんだ素材としての粉末金属を得るために古くから使用
されているアトマイズ法を採用する。
続いて、はんだ素材が板の場合は、必要により、箔を
印刷基板のはんだ付部と同じパターンに切り抜いて、接
合部に存在する隙間に挿入しやすい形状寸法にする。ま
た、はんだ素材が粉末の場合は、必要により、例えば12
重量%のロジン系フラックスと混合する。
本発明の第2工程においては、はんだ素材を被接合部
に配置する。具体的には、被接合面がはんだ素材で覆わ
れるようにはんだを配置する。例えば、被接合部にはIC
チップ、個別電子部品などとプリントの基板の導体回路
との間の隙間が存在し、これがはんだ付接合場所になっ
ているので、この隙間にはんだ素材を固体のままで挿入
する。この場合はんだ素材は予め、薄くかつ小さい寸法
に加工されており、隙間に入りやすくなっている。必要
があれば、はんだ素材の箔を切断して更に寸法を小さく
すればよい。はんだ素材は隙間に緩く充填されておれば
よく、極めて密に充填するのは望ましいが、作業性が悪
く、その必要はない。また、隙間の周囲部にもはんだ素
材を配置しても、極端に多すぎることによりはんだの溶
融効率が低下しない程度であれば、差し支えない。
第1図は、はんだ素材を挿入した実施例の説明図であ
り、図中、1はチップ部品、2はAu−Pdめっき層、3は
はんだ素材、5はAl2O3基板、6、7はそれぞれ5、1
の上に焼付けられた導体パターン、8は隙間を示す。は
んだ素材3は箔を切ったものであり、チップ部品1とAl
2O3基板5の間に挟まれている。超音波振動を外部から
はんだ素材3に加える。
さらに、L、T字状の面で二つの板状部品を接合する
時はかかる面に沿ってはんだ素材を、必要によりペース
トなどを用いて、仮固定する。
第3工程において箔、粉末などを溶融する。ここで溶
融のためには、はんだ素材を溶かすのに必要な限度の熱
量を投入すればよく、従来法のようにはんだ浴の極く一
部分を接合部に流し込む方法はとらないので、溶融と冷
却、凝固が極めて短時間で済む特徴がある。このため、
従来法と比較して晶出物などの粗大化は起こり難い。一
方、逆に冷却速度が極端に大であると、添加元素が過飽
和に固溶され、本発明が意図する分散効果が得られない
おそれがあるが、冷却速度を決定する要因である上記
した熱量と、接合部に存在して、はんだから熱を奪う
基板、電子部品などの熱伝導係数を比較検討すると、超
急冷により添加元素が過飽和に固溶するおそれはない。
第3工程で採用される溶融法は、超音波振動を動をチタ
ン酸バリウムの振動子チップなどを介して加えるか、あ
るいはレーザービーム、電子ビームなどの高エネルギー
ビーム照射により、箔などを被接合部で急速加熱し溶融
する。溶融法としては、電子部品を誤動作させるおそれ
がない超音波法が好ましい。超音波振動は、周波数が16
kHzから1.6MHz、特に18kHz前後が好ましい。また、加熱
後急冷させるには、上記溶融温度でのエネルギー源をは
んだ材に対して瞬断させるようにすればよい。この手段
により微細な晶出物が保持されることになる。
(作用) 従来、金属間化合物ははんだの湯流れを悪化すること
が知られており、このために、成分系を工夫して金属間
化合物を晶出状態で微細化することが知られている(例
えば、特公昭40−25885号)。しかしながら、上記方法
でははんだは溶融させられて、接合部に流し込まれるの
で、金属間化合物は通常の粗大な晶出状態となり、湯流
れ性が悪くなってしまい、あるいは粗大な晶出物により
強度低下を招くなど、本発明が意図する微細かつ均一な
分散状態は得られない。したがって、金属間化合物など
を微細化するためには、はんだ素材を被接合部に必要量
だけ配置し、はんだを急速加熱し、短時間溶融状態に保
ち、かつ急速冷却する必要がある。これにより晶出物は
平均粒径を10μm以下にすることがすることができる。
晶出物の平均粒径は好ましくは5μm以下、さらに好ま
しくは3μm以下である。
さらにはんだ素材中に存在する金属間化合物などが、
あるいははんだ付中に生成する金属間化合物などが、は
んだ付中に、未溶解状態になっても、粗大な晶出物とし
て接合部に残存しないような対策を講ずる必要がある。
この対策を、第2工程の条件:(イ)添加元素により鋳
造後生成されている二次相を分断、(ロ)前記添加元素
により鋳造後生成されている二次相を素材加工の途中で
固有させる熱処理、あるいは(ハ)過飽和に固溶されて
いる添加元素の固溶状態を実質的に保つ、別に説明す
る。
条件(イ)の場合:本発明においてインゴットを通常
の鋳造条件で用意すると、金属間化合物などは極めて粗
大に成長するので、条件(イ)によりこれを分断するこ
とにより金属間化合物などをできるだけ微細にする。こ
の様にして得た素材を第3工程において短時間溶解する
ことにより粗大化を避ける。なお、第3工程において金
属間化合物等の形状は丸みを帯びた形状になる。
条件(ロ)の場合:溶体化処理により、かなりの部分
の添加元素は固溶し、また残存する金属間化合物等も小
さくなる。かかる組織を有するはんだ素材を第3工程で
単時間溶融処理すると、再び添加元素が晶出、析出す
る。ここでは、結晶成長する時間が短時間であるため
に、粗大化は避けられまた金属間化合物等の寸法は
(イ)の場合より小さくなり、また形状が丸みを帯びる
傾向になる。
条件(ハ)の場合:条件(ロ)の場合と同様である
が、第2工程においてより徹底して溶体化処理が図られ
ているために、第3工程で生成する金属間化合物はごく
短時間の間に成長するものに限られ、その寸法は(ロ)
よりさらに小さくなり、また形状はさらに丸みを帯び
る。
一般に、はんだは使用中に結晶粒の成長、合体などを
招く可能性がある温度上昇(約100℃まで)にさらされ
る。はんだ結晶粒が高温にさらされて、例えば3倍に成
長すると、これに伴って疲労強度も低下する。また、自
動車搭載の電子装置はマイナス数十℃からプラス約80℃
までの温度範囲で使用されるので、はんだや素子のリー
ド端子等の熱膨張と収縮による応力がはんだに加えら
れ、これが疲労破壊の大きな要因である。また、はんだ
が絶えず高温にさらされていると、はんだは一定の応力
を受け、クリープによる破断を起こすこともあり、これ
も疲労破壊の大きな要因である。はんだの使用中にはん
だに熱や応力がかかると、主としてSn結晶粒が次第に粗
大し、また使用初期には微細に分散していた共晶Pb粒子
が連続するようになる。このような結晶粒の粗大化に伴
なってはんだの強度は低下し、またPbの連続した相にク
ラックが発生し易くなる。Pb粒子の連続化はSn粒子の結
晶粒界の移動に伴って起こるので、Sn粒子の粗大化を防
止することは、強度低下とクラック発生を同時に防止す
るうえで重要である。本発明で利用する微細な金属間化
合物など二次相は、以下のような作用を有し、上記した
Pb,Sn結晶粒の粗大化を防止するうえで有効である。
(1)これらの金属間化合物などは高融点を有し、は
んだ付部品の使用温度において熱的に安定しており、微
細な形態を維持する。
(2)これらの金属間化合物などは、はんだ付状態で
晶出、析出しているので、はんだ付温度より温度が低
く、したがって、固溶限が大であるはんだ付部品使用温
度において、Pb,Sn結晶中にほとんど全く再固溶しな
い。したがって、Pb,Sn結晶の粒界移動が起こっても、
金属間化合物結晶粒がPb,Sn結晶粒に食われることはな
い。
(3)これらの金属化合物などの晶出位置は一様であ
って、Pb,Sn結晶粒界にも粒内にも晶出している。Pb,Sn
結晶粒が粒成長する時、その粒界に存在する金属間化合
物相は粒界移動を妨げる。この結果、Pb,Snの平均結晶
粒径は10μm以下、好ましくは6μm以下にすることが
できる。
(発明の効果) 疲労試験は、第2図に示すAl2O3基板5の一面に形成
されたAg−Pdめっき層4にチップ部品1をはんだ付けし
た試験片を用いて行なう。この試験片では、はんだ接合
部の隙間以外にかなり存在している。
試験方法は、リード線に疲労試験機で、繰返周波数20
Hz(片振り)、温度(80℃、一定)の条件でせん断荷重
をかけ、クラックが発生したときの繰返し数を疲労寿命
として求める方法で行なう。なお、クラックは第2図に
示すようにはんだ内に発生する。
この方法により、疲労によるクラックが発生するまで
の繰り返し回数を求めると、晶出部の微細化効果による
疲労寿命向上は、同一組成で晶出物を微細化しないはん
だに比較して、数10%以上、多くは20−50%向上する。
具体的には、上記試験条件で、2000時間の寿命が400時
間(20%)〜1000時間(50%)延長される。
本発明によれば、はんだ材が例えば自動車に搭載され
る印刷基板のようにマイナス数十℃からプラス百数十℃
の低温から高温までの過酷な条件で使用される場合にお
いても、従来のはんだ材のようにクラックが発生するこ
となく、安定して使用可能であり、はんだろう接部の信
頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第2工程の実施例説明図であり、 第2図は耐疲労性試験に供した試験片の図である。 1……チップ部品、2……Ag−Pdめっき層、3……はん
だ素材、5……Al2O3基板、6、7……それぞれ5、1
の上に焼付けられた導体パターン、8……隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−106591(JP,A) 特開 平1−237095(JP,A) 特開 平1−127192(JP,A) 特開 昭58−192695(JP,A) 特開 昭56−1292(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 35/40 340 B23K 35/26 310 B23K 1/00 310 C22C 11/06 C22C 13/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記第1〜第3工程: PdとSnを主成分とし、Ag,Au,As,Bi,Cu,Ni,In,Ca,Mg,Ti,
    Zn,Sr,Be,Sb,Bi,Pd,Te,Tlの1種以上の添加元素を、は
    んだ付状態にて二次相が生成される量以上、但し30%以
    下含有する合金を鋳造し、前記添加元素により鋳造後生
    成されている二次相を分断するように、前記鋳造合金を
    はんだ付に適した形態のはんだ素材に加工する第1工
    程、 前記はんだ素材を被接合部に配置する第2工程、 前記被接合部に配置されたはんだ素材を溶融し、前記二
    次相を固溶させないように冷却を行う第3工程、 を含んでなることを特徴とするはんだ付方法。
  2. 【請求項2】下記第1〜第3工程: PbとSnを主成分とし、Ag,Au,As,Bi,Cu,Ni,In,Ca,Mg,Ti,
    Zn,Sr,Be,Sb,Bi,Pd,Te,Tlの1種以上の添加元素を、は
    んだ付状態にて二次相が生成される量以上、但し30%以
    下含有する合金を鋳造し、前記添加元素により鋳造後生
    成されている二次相を、素材への加工の途中で、固溶さ
    せる熱処理を行い、かつ前記鋳造合金をはんだ付に適し
    た形態のはんだ素材に加工する第1工程、 前記はんだ素材を被接合部に配置する第2工程、 前記被接合部に配置されたはんだ素材を溶融し、前記添
    加元素の二次相を形成させるように冷却を行う第3工
    程、 を含んでなることを特徴とするはんだ付方法。
  3. 【請求項3】下記第1〜第3工程: PbとSnを主成分とし、Ag,Au,As,Bi,Cu,Ni,In,Ca,Mg,Te,
    Ti,Zn,Sr,Be,Sb,Bi,Pd,Te,Tlの1種以上の添加元素を、
    はんだ付状態にて二次相が生成される量以上、但し30%
    以下含有する合金を鋳造し、過飽和に固溶されている前
    記添加元素の固溶状態を実質的に保って前記鋳造合金を
    はんだ付に適した形態のはんだ素材に加工する第1工
    程、 前記はんだ素材を被接合部に配置する第2工程、 前記被接合部に配置されたはんだ素材を溶融し、前記添
    加元素の二次相を形成させるように冷却を行う第3工
    程、 を含んでなることを特徴とするはんだ付方法。
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