JP3183466B2 - 歩行ロボット - Google Patents

歩行ロボット

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JP3183466B2
JP3183466B2 JP12189591A JP12189591A JP3183466B2 JP 3183466 B2 JP3183466 B2 JP 3183466B2 JP 12189591 A JP12189591 A JP 12189591A JP 12189591 A JP12189591 A JP 12189591A JP 3183466 B2 JP3183466 B2 JP 3183466B2
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Description

【発明の詳細な説明】
[発明の目的]
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脚を駆動することによ
って移動を行う歩行ロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、複数本の脚を有し、これらの脚の
動きを制御することによって移動を行う歩行ロボットの
研究が盛んに行われている。歩行ロボットは、路面に多
少の凹凸があってもそれらに影響されずに移動を行うこ
とができるという特徴があり、車輪を用いた移動手段に
比べて格段の安定性を有しているという利点がある。そ
のため、将来は人や物を運搬する手段として期待されて
いる。
【0003】こういった歩行ロボットは、従来から脚の
本数に応じた歩行制御が検討されている。特に、2本脚
や4本脚といった少ない本数での歩行制御では、ロボッ
トの重心位置と駆動されている脚との関係に制限がある
ため、ロボットの重心位置を移動するといった高度な制
御も要求されている。
【0004】しかしながら、いずれの歩行ロボットの場
合においても、脚の動きに関しては、Tomovic ’やMcGh
eeが提案する以下の形態を用いていることに変わりはな
い。つまり、図22(a) 〜(i) に示すように、脚には少な
くとも2個の関節が付与され、これら関節の回転角を協
調制御することによって歩行動作を実現させている。
【0005】同図(a) 〜(c) では、第2関節52を固定し
ながら第1関節51のみを時計方向に回転することによっ
て、「蹴り脚」動作を行っている。次に同図(d) 〜(f)
では、第1関節51を反時計方向に回転するとともに、第
2関節52を時計方向に回転することによって、「上げ
脚」動作を行っている。そして同図(g) 〜(i) では、第
1関節51を固定しながら第2関節52を反時計方向に回転
することによって、「下げ脚」動作を行っている。
【0006】このように、図22の場合においては、各関
節51,52 について「固定」、「時計方向回転」、「反時
計方向回転」を繰り返すことによって脚が駆動され、ロ
ボットが移動する。
【0007】つまり、歩行ロボットの脚先には図23に模
式的に示すように、脚先の上下移動と前後移動とを併せ
持った駆動ストロークと復帰ストロークとが要求される
ことになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の歩行ロボットにいては、1本の足に少なくとも2個の
関節が必要とされているので、これらの関節の回転角が
協調制御されなければ図22のごとき動作は実現でき
ず、ロボットは歩行しない。
【0009】そこで本発明は、複数の関節の協調制御を
することなく駆動ストロークと復帰ストロークとを実現
し、もって歩行動作を容易に達成することのできる歩行
ロボットの提供を目的とする。[発明の構成]
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明においては、軸方向に延設された隔壁によって
内部が複数の圧力室に分離された筒状弾性体と、この筒
状弾性体が複数固定されるベースとを有し、前記圧力室
の圧力を調整して前記筒状弾性体が進行方向への湾曲、
伸び変形、進行方向反対側への湾曲、およびもとの状態
への復帰を連続的に行なうようにすることより歩行動作
を行なうこと特徴とする歩行ロボット。
【0011】
【作用】上記の構成とすれば、歩行手段の任意の圧力室
に大なる圧力を加えることによりその圧力室が伸長す
る。つまり、歩行手段の各圧力室に加える圧力の差によ
って、歩行手段を所定の方向に湾曲させることができ
る。
【0012】また、各圧力室の圧力を全体的に大きくす
れば歩行手段は伸長し、小さくすれば縮小する。つま
り、歩行手段に加える圧力の全体量によって、歩行手段
を任意の方向に伸縮させることができる。
【0013】したがって、圧力室に圧力を与えるだけ
で、脚には歩行に必要な自由度が実現する。したがっ
て、2個の関節の協調制御といった複雑な制御を要する
ことなく容易にロボットを歩行させることができるよう
になる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明す
る。
【0015】図1は本発明の第1の実施例を示す歩行ロ
ボットの斜視図であり、図2は歩行ロボットの側面図、
図3は歩行ロボットの平面図である。
【0016】本実施例に係る歩行ロボット1は、6本の
脚部(歩行手段)2(2a 〜2f) を有したものである。こ
れらの脚部2a〜2fは、ベース3の側部に対して各3本づ
つ配置されている。そして、脚部2a〜2fの上部に形成さ
れた封止部10(後述する)の外側を、ベース3に対して
固定部材4(4a 〜4f) で挾み込むようにして固定してい
る。なお、固定方法としてここでは、脚部2a〜2fが着脱
自在となるようにネジ止めが選択されている。また、こ
こでは脚部2a〜2fはベース3に対して直角となるように
固定されているが、脚部2a,2b,2cと脚部2d,2e,2fとがそ
の先端に近付くにつれて離間するように、ベース3に対
して斜めに固定されていてもよい。
【0017】図3には、ベース3に対する脚部2a〜2fの
固定状態が示してある。脚部2a〜2fのそれぞれには同図
に鎖線で示したように、その内部に隔壁5(後述する)
が、その軸方向に延びるように形成されている。また、
脚部2a〜2fは同図に示すように、歩行ロボット1の進行
方向に対して隔壁5面が直交するように固定される。
【0018】また、歩行ロボット1の重心位置は、図3
のベース中央部、つまり図心位置と一致するように設計
されている。
【0019】続いて、上記の脚部2a〜2fについて詳細に
説明する。
【0020】脚部2は、図5の分解斜視図に示すよう
に、外壁を形成する筒状弾性体8、先端封止部9、根元
封止部10,チューブ11(11a,11b) および先端部材12から
構成されている。そして、同図からもわかるように、筒
状弾性体8は同一形状からなる2つの単位筒状弾性体13
(13a,13b) をその軸方向に並列に接着することにより一
体成形したものである。このため、接着された部位によ
り筒状弾性体8の軸方向に弾性隔壁5が延設され、この
弾性隔壁5により2つの圧力室14,15 が形成される。前
記単位筒状弾性体13a,13b は図5および図6に示すよう
に、図面垂直方向を軸としてそれぞれ間隔を密にして螺
旋状に巻装された繊維17を、弾性材料であるシリコンー
ゴムにより被覆して形成されている。このため筒状弾性
体8は繊維17とゴムとの複合による異方性弾性材料によ
って形成されることにより縦弾性係数の小さい方向は筒
状弾性体8の軸方向18と略一致し、この軸方向18には伸
びやすくなっているものである。また軸方向18と直交す
る方向19には繊維17により縦弾性係数大のため伸びにく
くなっている。
【0021】前記先端封止部9は、金属などにより形成
され前記単位筒状弾性体13a,13b に形成された圧力室1
4,15 を封止する扇形状の上蓋9a,9b の一端を単位筒状
弾性体13a,13b に挿入して接着することにより構成され
ている。
【0022】前記根元封止部10は、先端封止部9と同様
なる扇形状の下蓋10a,10b と、この下蓋10a,10b の一端
を単位筒状弾性体13a,13b に挿入して接着封止すること
により構成されている。
【0023】また、下蓋10a,10b には、前記チューブ11
a,11b が挿入固着される挿入穴20a,20b がそれぞれ設け
られている。前記チューブ11a,11b は接着剤により挿入
穴20a,20b に密封状に固着されるものである。チューブ
11a,11b の他端は、ここでは図示しない圧力制御装置
(例えば空気源や圧力制御弁、およびこれらを制御する
計算機など)に接続しており、作動流体の圧力を自在に
調整できるようになっている。また、ここでは図示して
いないが、接着した2つの単位筒状弾性体13a,13b の周
囲をさらにシリコーンゴムで被覆している。
【0024】また、筒状弾性体8の前記先端封止部9の
さらに先端には、シリコンーゴムからなる先端部材12が
接着されている。先端部材12は略球面状の形状をなして
いる。この先端部材12の表面摩擦係数が比較的大となる
ように加工されていてもよい。
【0025】以上のような構成からなる脚部2につい
て、その動作を説明する。例えばチューブ11aから作動
流体を送り込んで圧力室14の圧力を高めたとする。この
ようにすると図4に示すように、圧力室14は軸方向に延
び、筒状弾性体8がA方向に湾曲して鎖線で示した状態
になる。
【0026】また、チューブ11b から作動流体を送り込
んで圧力室15の圧力を高めれば、圧力室15が軸方向に伸
び、筒状弾性体8がA方向と逆のB方向に湾曲する。
【0027】このようにして2つの圧力室14,15 に与え
る圧力の組み合わせにより、筒状弾性体8を2方向へ湾
曲させることができる。また、2つの圧力室14,15 の圧
力を等しく高めれば、筒状弾性体8を軸方向18に真直ぐ
に伸ばすことができる。
【0028】このように、異方性弾性材料の特性を利用
して2つの圧力室14,15 の圧力を制御することにより、
筒状弾性体8には湾曲と伸縮の動作が同時に実現する。
【0029】なお、上記筒状弾性体8としては、繊維を
巻装した単位筒状弾性体13a,13b を接着してシリコーン
ゴムで被覆したものを用いているが、繊維を巻装してい
ない単位筒状弾性体を接着してから全体的に繊維を巻装
し、その後にシリコーンゴムで被覆したものを用いても
よい。また、先端封止部9を用いずに筒状弾性体8に対
して先端部材12を直接接合してもよい。また、根元封止
部10は金属でなくシリコーンゴムにより一体成形するこ
ともできる。
【0030】このような特性を有する筒状弾性体8を脚
部2として利用した歩行ロボット1とすれば、図11に示
すような歩行サイクルが実現する。なお、同図は、歩行
ロボット1の脚部2を側面から見た図であり、図面左方
向に進行するものである。
【0031】まず、各圧力室14,15 に与える圧力は、そ
の初期状態において、脚部2が同図(a) のような軸方向
長さを有するように設定されている。
【0032】次に、進行方向と反対側の圧力室14の圧力
が大となるように所定量加圧することにより、同図(b)
のように、脚部2は進行方向に対して先端部材12を移動
させるように湾曲する。この際、脚部2は伸び変形も伴
っているので、軸方向長さ(ベース3と直角な方向の長
さ)が増大している。
【0033】次に、進行方向の圧力室15の圧力を所定量
加圧することにより、同図(c) のように、脚部2はその
圧力室14,15 の圧力が全体的に均等になり、伸び変形の
みの状態となる。この時の脚部2の軸方向長さは、圧力
室14,15 それぞれの圧力が最大となっているので、歩行
サイクル中で最も長いものとなっている。
【0034】最後に、進行方向と反対側の圧力室14の圧
力が小となるように所定量減圧することにより、同図
(d) のように、脚部2は進行方向と反対方向に対して先
端部材12を移動させるように湾曲する。この時の脚部2
の軸方向長さは、圧力室14の圧力を減圧した分だけ、同
図(c) の状態よりも短くなっている。
【0035】そして、圧力室15の圧力を所定量減圧する
ことにより、再び同図(a) の状態に復帰する。つまり、
脚部2の上記のような変形の繰り返しにより、図23の歩
行サイクルが連続的に行われることになる。
【0036】そして、上記した歩行サイクルを、歩行ロ
ボット1の各脚部に適当に組み合わせることにより、歩
行ロボット1に安定した歩行動作を行わせることができ
る。図13(a),(b) は、歩行ロボット1を上から見た様子
を模式的に示したものであり、図中○および●は、同一
の歩行サイクルにて駆動される脚部を示している。ま
た、ここでGは歩行ロボット1の重心位置を示してい
る。
【0037】ここで、まず脚部○が図11(a) の状態であ
り、脚部●が(c) の状態とする。この時、3つの脚部●
がベース3を支持しており、一方、脚部○は浮上してい
る。
【0038】次に、脚部○が(b) の状態に変化すると、
脚部●は(d) の状態に変化する。したがって、全ての脚
部がベース3を支持した状態となる。
【0039】次に、脚部○が(c) の状態に変化すると、
脚部●は(a) の状態に変化する。この時、脚部○は地面
を蹴るような変化をするので、歩行ロボット1は、全体
として進行方向に所定量だけ移動する。
【0040】最後に、脚部○が(d) の状態に変化する
と、脚部●は(b) の状態に変化する。この時、脚部○は
引き続き地面を蹴るような変化をするので、歩行ロボッ
ト1はさらに、全体として進行方向に所定量だけ移動す
る。
【0041】このようにして、図11(b) 〜(d) の過程に
おいて、先端部材12が地面を蹴るような変化をすること
になるので、歩行ロボット1は進行方向に移動する。ま
た、図11(d) 〜(b) の過程では、脚部2は浮上しながら
再び蹴り脚の位置に先端部材12を移動する。
【0042】つまり、図23に示したように、一般に歩行
動作には駆動ストロークと復帰ストロークが必要であ
り、これらを達成するためにはどうしても脚の上下移動
と前後移動が要求される。つまり、脚に最低2個の関節
が必要になってくる。しかし、本発明によれば、筒状弾
性体を用いることによって、2個の関節を必要とせずに
脚の上下移動と前後移動を同時に実現させることができ
る。そのため、従来のように2個の関節を制御する必要
がなくなり、単に圧力室に加える圧力を制御するだけ
で、複雑とされる歩行運動を容易に実現させることがで
きるようになるのである。
【0043】こういった構成の歩行ロボット1において
その駆動ストロークと復帰ストロークを変化させる場合
には、各圧力室に与える圧力を変化させればよい。つま
り、与える圧力を大きくすればそれだけ湾曲量と伸び量
が増大するので、駆動ストロークと復帰ストロークを大
きくすることが可能となる。また、直径や軸方向長さの
異なる筒状弾性体を取り付けることによって駆動ストロ
ークと復帰ストロークに変化を持たせることもできる。
【0044】続いて本発明の第2の実施例について説明
する。なお、第1の実施例と同一の構成要素には同一符
号を付し、詳細な説明を省略する。
【0045】第2の実施例に係る歩行ロボットは、図1
に示した第1の実施例の歩行ロボットと同一の外観を有
している。しかしながら図9,図10に示すような構造の
脚部2を用いている点が異なっている。
【0046】つまり、脚部2a〜2fのそれぞれにはその内
部に3つの隔壁5,6,7が、その軸方向に延びるよう
に形成されている。これらの隔壁5,6,7は略120 °
間隔に形成され、そのうちの1つの隔壁5については、
図7に鎖線で示すように、全ての脚部について同方向
(図7では左方向)に向くように固定されている。
【0047】このような構成からなる脚部2について、
図8によりその動作を説明する。例えばチューブ11a か
ら作動流体を送り込んで圧力室14の圧力を高めたとす
る。このようにすると、圧力室14は軸方向に伸び、筒状
弾性体8がA方向に湾曲して鎖線で示した状態になる。
この状態でさらにチューブ11c を介して圧力室16の圧力
を高めれば、筒状弾性体8はC方向に湾曲することにな
る。このようにして3つの圧力室14,15,16に与える圧力
の組み合わせにより、筒状弾性体8を任意の方向へ湾曲
させることができる。また、3つの圧力室14,15,16の圧
力を等しく高めれば、筒状弾性体8を軸方向18に真直ぐ
に伸ばすことができる。
【0048】また、このような特性を有する筒状弾性体
8を脚部2として利用した歩行ロボット1とすれば、第
1の実施例と同様、図12に示すような歩行サイクルが実
現する。
【0049】まず、各圧力室14,15,16に与える圧力は、
その初期状態において脚部2が同図(a) のような軸方向
長さを有するように設定されている。
【0050】次に、進行方向と反対側の圧力室14の圧力
が大となるように所定量加圧することにより、同図(b)
のように、脚部2は進行方向に対して先端部材12を移動
させるように湾曲する。この際、脚部2は伸び変形も伴
っているので、軸方向長さ(ベース3と直角な方向の長
さ)が増大している。
【0051】次に、進行方向の圧力室15,16 の圧力を所
定量加圧することにより、同図(c) のように、脚部2は
その圧力室14,15,16の圧力が全体的に均等になり、伸び
変形のみの状態となる。この時の脚部2の軸方向長さ
は、圧力室14,15,16それぞれの圧力が最大となっている
ので、歩行サイクル中で最も長いものとなっている。
【0052】最後に、進行方向と反対側の圧力室14の圧
力が小となるように所定量減圧することにより、同図
(d) のように、脚部2は進行方向と反対方向に対して先
端部材(d) を移動させるように湾曲する。この時の脚部
2の軸方向長さは、圧力室14の圧力を減圧した分だけ、
同図(c)の状態よりも短くなっている。
【0053】そして、圧力室15,16 の圧力を所定量減圧
することにより、再び同図(a) の状態に復帰する。つま
り、脚部2の上記のような変形の繰り返しにより、図23
の歩行サイクルが連続的に行われることになる。
【0054】これら歩行サイクルは、圧力制御弁として
例えば電磁切替弁(on-off弁)を用いて圧力をデジタル
制御することにより実現される。
【0055】なお、上記の説明図では圧力室15,16 に同
一の圧力を付与することによって第1の実施例と同様の
歩行サイクルを実現しているが、例えば圧力室14,16 に
同一の圧力を付与するように制御すれば、歩行ロボット
1の進行方向を60°傾けることも可能である。このよう
に圧力室を任意選択することにより、ロボットの移動方
向を60°単位で変化させることができる。もちろんこの
場合も、圧力制御弁として電磁切替弁を用いてデジタル
制御するだけでよい。
【0056】さらに、圧力制御弁として例えば圧力比例
弁を用いれば、圧力をデジタル制御することができる。
これによって脚部2の各圧力室に与える圧力を連続的に
変化させることが可能となり、脚部2は任意の方向に湾
曲が可能となる。このような場合には、ロボットの移動
方向は上述の60°単位に限られることがなくなり、ロボ
ットを任意の方向に歩行させることができる。
【0057】また、第2の実施例に係る脚部2を用いた
場合、以下に示すような顕著な効果がある。
【0058】つまり、第1の実施例に係る脚部は圧力室
が2つなので、歩行のための制御則が極めて単純である
という特徴がある一方、隔壁がロボットの進行方向と直
交しているためにロボットに掛かる負荷荷重によっては
脚部が座屈してしまう可能性がある。しかし第2の実施
例では、脚部の軸方向からの負荷荷重に対して3点支持
されるように隔壁が配置されているので、静的安定構造
となり、座屈の心配がなくなる。したがって、第2の実
施例によれば、第1の実施例に係る歩行ロボットよりも
大きな負荷荷重に耐えることができ、運搬性能の点で優
れたものとなっている。
【0059】図14〜図18は、比較的大きな負荷荷重に耐
えることのできる脚部2について、その断面構造を示し
たものである。隔壁の数は3つである必然性はなく、2
つであっても4つ以上であってもよい。また、圧力室の
数,形状も任意に選択することができる。要するに、脚
部の軸方向からの負荷荷重に対して静的安定構造となり
得るように3点以上で支持されれる構造であればよい。
特に、図18に示すような構造の脚部2であれば、圧力室
の数は2つなので圧力制御が容易となると同時に、軸方
向からの負荷荷重に対して3点支持されるように隔壁が
配置されているので静的安定構造ともなっている。
【0060】続いて本発明の第3の実施例について説明
する。
【0061】図19は本発明の第3の実施例を示す歩行ロ
ボットの斜視図であり、図20は歩行ロボットの側面図、
図21は歩行ロボットの平面図である。
【0062】本実施例に係る歩行ロボット100 は、4本
の脚部2a〜2d(上述した脚部と同じ)を有したものであ
る。これらの脚部2a〜2dは、ベース3に対して各先端部
材12a 〜12d が正方形を構成するように配置されてい
る。そして、脚部2a〜2dの上部に形成された封止部10の
外側を、ベース3に対して固定部材4(4a 〜4d) で挾み
込むようにして固定されている。なお、固定方法として
ここでは、脚部2a〜2dが着脱自在となるようにやはりネ
ジ止めが選択されている。
【0063】また、ここでは脚部2a〜2dはベース3に対
して直角となるように固定されているが、各脚部同志が
その先端に近付くにつれて離間するように、ベース3に
対して斜めに固定されていてもよい。さらに、各先端部
材12a 〜12d は正方形を構成せずに任意の四角形を構成
していてもよい。
【0064】図21には、ベース3に対する脚部2a〜2dの
固定状態が示してある。なお、ここでは図9に示した脚
部を用いた場合を説明している。脚部2a〜2dは、歩行ロ
ボット100 のベース3の重心位置(ここでは図心に一
致)にてそれぞれの隔壁5面の延長線が交差するように
固定される。
【0065】このような構成の4脚歩行ロボット100 に
歩行サイクルを実現させるには、前述の6脚歩行ロボッ
ト1の場合と異なり、各隔壁5が放射状に配置されてい
るため、各圧力室14,15,16の圧力制御を以下の式に従っ
て行う必要がある。
【0066】
【数1】 つまり、先端部材12の動きは、脚部2の湾曲方向θi
軸方向長さZi ,湾曲量を表すパラメータKi により決
定されている。
【0067】例えばKi が0のときは、脚部2は湾曲せ
ずに軸方向の伸縮のみを行う。そしてKi が大きくなる
ほど脚部2は大きく(深く)湾曲する。
【0068】このようなことから、図21の状態から歩行
ロボット100をX軸方向に移動させる場合には、 0θi
を0としてZi ,Ki のみを下記のように変化させるこ
とにより、図12のような歩行サイクルを実現させること
ができる。
【0069】つまり脚部2の湾曲状態を図12(b) から
(d) に変化させるためには、Ki を徐々に小さくする。
図12(d) から再び(b) まで戻すには、Ki を徐々に大き
くすればよい。一方、脚部の伸縮状態を図12(a) から
(c) に変化させるためには、Zi を一定値(0を除く)
とする。図12(c) から再び(a) まで戻すには、Zi を0
とすればよい。
【0070】よって、こういった一連の動作を連続的に
行わせるように各圧力室14,15,16の圧力を制御し、歩行
ロボット100 の重心が接地している脚部の内側にくるよ
うに4本の脚部2を適当な順で適当な位相差を与えて駆
動させれば、安定した歩行動作が実現することになる。
【0071】なお、図12(b) から(d) に変位するのに要
する時間を図12(d) から(b) に変位するのに要する時間
の3倍以上となるように圧力制御すれば、特に安定した
歩行動作が実現する。これは、4脚のうち少なくとも3
脚が同時に接地することになるからである。
【0072】また、上記 0θi のみを変化させることに
より、歩行ロボット100 の進行方向を任意方向に制御す
ることもできる。
【0073】さらに、歩行ロボット100 の脚部2a〜2d
を、その各圧力室14,15,16が歩行ロボット1のごとく一
方向に揃うように配置すれば、図12に示したような歩行
ロボット1における脚部2の圧力制御により歩行ロボッ
ト100 を歩行させることもできる。なお、この場合は図
12の歩行サイクルの各位相を各脚部2a〜2dに適当な順序
で与える必要がある。(例えば脚部2aに図12(a),脚部2b
に図12(b),脚部2cに図12(c),脚部2dに図12(d) が同時に
実現するように。)よって、電磁切替弁をデジタル制御
する簡単な圧力制御により歩行ロボット100 を歩行させ
ることができる。
【0074】以上、本発明の各実施例について説明した
が、本発明は6脚歩行ロボット,4脚歩行ロボットに限
らず、2脚,あるいは5脚以上の歩行ロボットについて
も適用が可能であり、同様の作用効果を奏するものであ
る。
【0075】
【発明の効果】以上のように本発明の歩行ロボットによ
れば、圧力室に圧力を与えるだけで、脚には歩行に必要
な自由度が実現する。したがって、複雑な制御を要する
ことなく容易にロボットを歩行させることができるよう
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る歩行ロボットの斜
視図。
【図2】本発明の第1の実施例に係る歩行ロボットの側
面図。
【図3】本発明の第1の実施例に係る歩行ロボットの平
面図。
【図4】本発明の第1の実施例に係る歩行ロボットの脚
部の全体斜視図。
【図5】図4に示す脚部の分解斜視図。
【図6】図4に示す脚部の断面図。
【図7】本発明の第2の実施例に係る歩行ロボットの平
面図。
【図8】本発明の第2の実施例に係る歩行ロボットの脚
部の全体斜視図。
【図9】図8に示す脚部の分解斜視図。
【図10】図8に示す脚部の断面図。
【図11】歩行サイクルを示す図。
【図12】歩行サイクルを示す図。
【図13】歩行ロボットの歩行サイクルの組み合わせの一
例を示す模式図。
【図14】脚部の変形例を示す断面図。
【図15】脚部の変形例を示す断面図。
【図16】脚部の変形例を示す断面図。
【図17】脚部の変形例を示す断面図。
【図18】脚部の変形例を示す断面図。
【図19】本発明の第3の実施例に係る歩行ロボットの斜
視図。
【図20】本発明の第3の実施例に係る歩行ロボットの側
面図。
【図21】本発明の第3の実施例に係る歩行ロボットの平
面図。
【図22】一般的な歩行ロボットの歩行形態を示す図。
【図23】歩行ロボットに必要な歩行サイクルを示す図。
【符号の説明】
1,100 …歩行ロボット 2…脚部(歩行手段) 3…ベース 5,6,7…隔壁 8…筒状弾性体 11…チューブ 13…単位筒状弾性体 14,15,16…圧力室
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−131884(JP,A) 特開 平1−247809(JP,A) 実開 昭51−147589(JP,U) 実公 昭49−36303(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B25J 5/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に延設された隔壁によって内部が
    複数の圧力室に分離された筒状弾性体と、この筒状弾性
    体が複数固定されるベースとを有し、前記圧力室の圧力
    を調整して前記筒状弾性体が進行方向への湾曲、伸び変
    形、進行方向反対側への湾曲、およびもとの状態への復
    帰を連続的に行なうようにすることより歩行動作を行な
    うこと特徴とする歩行ロボット。
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