JP3183402U - 避難施設兼用型建物 - Google Patents

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Abstract

【課題】緊急時のみの使用だけでなく、日常的にも使用できる有効な津波対策技術を提供する。
【解決手段】避難施設兼用型建物は、多階層の建物本体10と、津波の来襲方向に対して交差する前記建物本体の前面側と背面側の側壁に一体に突設した先鋭形状を呈する一対の避波体20とを具備し、前記避波体は地上から建物本体の途中階までの高さを有し、前記避波体の内部に多目的室23を形成する。前記避波体は、起立した二つの側壁21と、側壁の上部を封鎖する天井22とを具備した中空構造物で構成する。前記避波体の一部または全部を透光性の素材で形成して、多目的室内に自然採光を取り込むように構成してもよい。前記建物本体の各側壁から離隔した位置であって、該側壁の延長線の内方に防護用の柱体を立設してもよい。
【選択図】図1

Description

本考案は日常的に使用しつつ、災害発生時に避難施設として活用できる避難施設兼用型建物に関する。
避難台を複数本の支柱で高所に支持した高床式の避難施設が特許文献1,2により公知である。
特許文献1は、複数の支柱間で階層的に形成した複数の避難台の相互間と、地上との間をスロープ状の避難路で連絡した避難施設を開示している。
特許文献2は、上記特許文献1に記載の避難室にくわえて、避難路の一部に救助用船舶を係留するためのフックを設けるとともに、最上階の避難台にヘリポートを設けたことを開示している。
タワー型の避難施設は特許文献3,4等により公知である。
特許文献3は、略円錐形を呈するタワー本体の内部に複数の避難室を階層的に形成し、タワー本体の外周に形成した螺旋階段を通じて各避難室へ避難することを開示している。
特許文献4は、円筒形のタワー本体の中位および上位にドーナツ形の避難台を形成し、タワー本体の内外に形成した螺旋状の階段やスロープを通じて避難台へ避難することを開示している。
特開2006-112087号公報(図1,2) 特開2008-14016号公報(図1,2) 特開2007-120241号公報(図1〜3) 特開2007-239452号公報(図2)
従来の避難施設はつぎのような問題点を有する。
<1>特許文献1〜4に記載された避難施設は、緊急時のみの使用を目的としていて、日常的に使用することを前提とした構造になっていない。
そのため、避難施設の有効活用が図られず改善の余地がある。
<2>従来の避難施設はコンクリートや鋼材を用いて基礎工および地上構造物を堅牢に構築しているが、一般構造物と比べて工期が長くかかり、施工コストも増大するといった問題がある。
<3>従来の避難施設は、歩行速度の遅い高齢者や体力の乏しい避難者等に配慮した設計になっていない。
そのため、津波等の緊急災害時において、避難者は避難施設まで移動した後、地上から避難施設の避難台へ通じる長い階段を登りきらなければならず、その間に津波に巻き込まれ易い。
沿岸部に現存する建物の津波対策にはつぎのような問題点がある。
<1>従来の大半の建物は、耐震設計は成されているが、津波を想定した設計にはなっていない。
<2>一部の自治体では、沿岸部の集落を高台へ集団移転することを表明しているが、沿岸部の近傍に大規模面積の用地を確保することが難しく、さらに莫大な移転費用の負担の問題があって、すべての自治体で実施することは難しい。
<3>東日本大震災による大規模津波の甚大な被害を体験した現在、有効な津波対策技術が求められているが、未だ提案されていない。
今後の巨大津波の来襲を想定した場合、有効な津波対策の提案が喫緊の課題となっている。
本考案は以上の点に鑑みて成されたもので、その目的とするところは緊急時のみの使用だけでなく、日常的にも使用できる有効な津波対策技術を提供することにある。
さらに本考案の他の目的は、既設の建物を有効活用した津波対策技術を提供することにある。
さらに本考案の他の目的は、押し波だけでなく引き波に対しても建物本体を保護できる避難施設兼用型建物を提供することにある。
本考案に係る避難施設兼用型建物は、既設または新設の多階層の建物本体と、津波の来襲方向に対して交差する前記建物本体の前面側と背面側の側壁に一体に突設した先鋭形状を呈する一対の避波体とを具備し、前記避波体は地上から建物本体の途中階までの高さを有し、前記避波体の内部に多目的室を形成したことを特徴とする。
前記避波体は、起立した二つの側壁と、側壁の上部を封鎖する天井とを具備した中空構造物で構成する。
前記避波体の一部または全部を透光性の素材で形成して、多目的室内に自然採光を取り込むように構成してもよい。
前記建物本体の各側壁から離隔した位置であって、該側壁の延長線の内方に防護用の柱体を立設してもよい。
前記建物本体は既設の多階層建物、または新設の多階層建物を含む。
前記一対の避波体はその先端部の角度、または高さを互いに異なるようにしてもよい。
前記避波体の先端部の内側に湾曲した補強壁を多重に設けて補強してもよい。
本考案はつぎの効果を奏する。
<1>避難施設兼用型建物は、安全な避難施設としてだけでなく、日常的に建物本体を本来の各種使用目的に供することができるだけでなく、避波体の内部に形成した多目的室を有効に活用できる。
<2>避波体は津波を引き裂くように津波の進行方向を誘導できるから、避波体の破壊を防止できるだけでなく、建物本体への津波の衝突を回避して建物本体の破壊も防止することができる。
<3>建物本体の前面と背面に避波体を設けることで、押し波だけでなく引き波に対しても対処ができる。
さらに建物本体を通過した波による渦流の発生も効果的に防止できる。
<4>本発明の避難施設兼用型建物は人口密度の高い市街地の建物を利用して構築できるから、避難者の避難距離も短くて済み、短時間の間に大勢の避難者を収容することが可能である。
<5>建物本体の上階層に手摺や車椅子用スロープ等の福祉専用設備を設けておけば、津波の来襲時に高齢者や身体障がい者等が改めて避難する必要がなくなり、日常と同様に安全性が確保できる。
<6>建物本体が既設建物の場合には、莫大な費用が嵩む集団での高台移転方法と比較して、安全性を確保しつつ低コストで避難施設を建設できる。
<7>多目的室内への自然採光の取り込みを可能に構成することで、多目的室内を照明灯で照らす必要がなくなる。
さらに、避波体で隠れた建物本体側の窓から建物本体側の室内へ自然採光を取り込むことが可能となるので、建物本体を常時使用する際の居住環境がよくなる。
<8>建物本体の側方に防護用の柱体を設けることで、津波とともに船舶や大型車両等の大型重量浮遊物が押し寄せたときに、防護用の柱体が建物本体の側壁を防護して、建物本体の損傷を回避することができる。
<9>避波体の先端部の内側に湾曲した補強壁を多重に設けて補強することで、避波体を大型重量浮遊物等の衝突から効果的に護ることができるから、建物本体の安全性がさらに高まる。
本考案に係る避難施設兼用型建物の全体斜視図 避難施設兼用型建物の側面図 避難施設兼用型建物の平面図 避波体の縦断面図 避波体の先端部の角度の組合せを変えた他の避難施設兼用型建物の平面図 避波体の高さの組合せを変えた他の避難施設兼用型建物の側面図 建物本体の防護機能を高めた変形例の説明図
[実施例]
図面を参照しながら本考案の実施例について説明する。
<1>避難施設兼用型建物の概要
図1に本考案に係る避難施設兼用型建物の全体斜視図を示し、図2にその側面図を示し、図3に平面図を示す。
本考案に係る避難施設兼用型建物は、ビルやマンション等の多階層の建物本体10と、建物本体10の一部の側壁に一体に突設した一対の避波体20,20とを具備する。避波体20は、全体が先鋭形状を呈していて、地上から建物本体10の途中階までの高さを有する。
以降の説明にあたり、押し波Aの来襲方向側の側面11を建物本体10の前面と呼び、引き波Bの来襲方向側の側面12を建物本体10の背面と呼んで説明する。
<2>建物本体
建物本体10はコンクリート構造で三階建以上の耐震性に優れた多階層建物であって、例えば商業ビル、マンション、養護施設、病院、各種学校等のように日常的に使用される建物を意味する。
従来の避難施設は日常的に使用されることがなかったが、本考案では、日常的に使用可能な建物本体10および避波体20を、緊急時の避難施設として使用することが可能である。
建物本体10は既設または新設の何れでも適用可能である。建物本体10が既設の場合は避波体20,20を後付けし、新設の場合は避波体20,20を建物本体10と一体に形成する。
<3>避波体
避波体20,20は、津波が建物本体10に直接衝突しないように進行方向を建物本体10の外方へ逸らす津波の方向修正作用と、津波や各種漂流物の衝撃力を緩和して建物本体10を防護する緩衝防護作用と、建物本体10の耐震性能を高める耐震補強作用とを併有し、内部に多目的室23を形成した大型の突起体である。
<3.1>避波体の形成位置
図1〜3において、建物本体10の前面および背面に相当する側面であって、津波の来襲方向と交差する側面11,12に避波体20,20を設ける。
津波は海岸から来襲するだけでなく、河川を通じて津波が遡上する場合もあるので、津波(押し波Aと引き波B)の来襲方向に対して交差する建物本体10の側面11,12に避波体20,20を設ける。
換言すれば、避波体20,20は津波の来襲方向に対面する建物本体10の側面11,12に避波体20,20が設けてあればよい。
その取り付けにあたっては、各避波体20の幅広の基端側を建物本体10の側面11,12に一体に固定し、避波体20の先鋭な先端側を側面11,12の離隔方向に位置させる。
建物本体10に一対の避波体20,20を設けたのは、押し波Aだけでなく引き波Bに対応するためと、これらの両波A,Bに対応する際、建物本体10を通過した津波が建物本体10の背後で渦流となるのを回避するためである。
一般に、建物本体10に津波が衝突すると、建物本体10に渦流が発生し、この渦流が建物本体10の倒壊力として作用することが知られている。
本考案では、通過した津波による渦流の発生を回避するため、建物本体10に一対の避波体20,20を設けるようにした。
<3.2>避波体の構造
各避波体20は、起立した二つの側壁21,21と、側壁21,21の上部を封鎖する天井22とを一体に形成した水密性と耐久性を具備した中空構造物である。
側壁21,21の先端部は突合せて一体化し、側壁21,21の基端は建物本体10の各側面11,12に一体に固着する。
なお、側壁21,21の先端の接合部は丸みを持たせて形成するとよい。
一対の側壁21,21の下端は地上に埋設する等して固定し、一対の側壁21,21の上端開口は天井22で閉鎖する。
必要に応じて避波体20に床や補強梁等を設けてもよい。
避波体20の先端側である側壁21,21の接合角度は、建物本体10の横幅や敷地面積等を考慮して適宜の角度に設定する。
避波体20の基端側の横幅は、建物本体10の横幅と等しいか、或いはやや大きい寸法とする。
避波体20をコンクリート塊体で形成することも考えられるが、多量の建設資材を必要として建設コストが嵩み、さらに避波体20の有効活用が図れない。
本考案のように避波体20を中空構造とすることで、建設コストを低減できるだけでなく、避波体20の有効活用が可能となる。
<3.3>避波体の平面形状
本例では避波体20の平面形状が略三角形を呈する場合について示すが、その他に側壁21が円弧形をした半円形、半楕円形等であってもよい。
要は建物本体10の側面11,12に避波体20,20を設置したとき、全体の水平断面形状が略流線形状を呈していて、押し波Aおよび引き波Bを建物本体10の側面11,12に衝突させずに建物本体10の外方へ誘導できる形状であればよい。
<3.4>多目的室
避波体20の内部には多目的室23を形成している。
図4を参照して詳しく説明すると、多目的室23は建物本体10側の扉付きの連絡通路13を介して連通していて、自由な出入りが可能である。
または側壁21の一部に扉付きの出入口24を設け、該出入口24を通じて多目的室23内への出入りを可能に構成してもよい。
避波体20の内部に多目的室23を形成したのは、多目的室23を多目的に有効活用するためであり、したがって、多目的室23には使途に応じた器具や設備類を配備しておく。
<3.5>避波体の高さと強度
避波体20は、想定される津波の最大高さ以上の高さHと(図1,2)、津波の波力に対抗し得るだけの強度を有している。
避波体20の素材に制約は特にないが、施工性と強度を考慮すると、鋼材、鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリート、高強度樹脂等を単独でまたは複数を組み合せて使用できる。
[避難施設兼用型建物の使用方法]
つぎに本考案に係る避難施設兼用型建物の使用方法について説明する。
<1>通常時の使用
図1において、避難施設兼用型建物は、昼夜を問わず建物本体10の本来の使用目的に供することができる。
建物本体10の側方に張り出した避波体20の多目的室23については、例えば保管倉庫、運動場等として有効に活用する。
多目的室23は建物本体10の前後に箇所に形成してあるので、活用形態は前記した形態に限定されず、種々の活用が可能である。
<2>避難施設としての使用
以下に詳しく説明するように、本考案に係る避難施設兼用型建物は避難施設として使用できる。避難施設としての使用にあたり、建物本体10の出入口を水密性を保つように封鎖する以外、一切の追加操作が不要である。
<2.1>避難者の収容
大規模地震の発生に伴い、津波の来襲が予想されるときは、避難施設兼用型建物を構成する建物本体10内に避難する。
建物本体10内の利用者をはじめとして外部からの避難者を、避波体20より上位の階や屋上へ避難させることが望ましい。
人口密度の低い海岸沿いに点在させる従来の避難施設と異なり、本考案の避難施設兼用型建物は人口密度の高い市街地の建物を利用して構築できるから、避難者の避難距離も短くて済み、短時間の間に大勢の避難者を収容することが可能である。
<2.2>押し波の回避作用
図2,3において、建物本体10の前面側の避波体20に押し寄せた押し波Aは、避波体20の先端部で左右に分岐された後、交差する側壁21,21の傾斜面に沿って誘導され、最大で建物本体10の横幅寸法まで押し退けられて建物本体10の側方を通過して背面側へ至る。
つまり押し波Aは、建物本体10に衝突せずに建物本体10を避けるようにして通過する。
この間、避波体20の高さHが、想定される津波の最大高さ以上の高さを有するから、建物本体10の前面側の側面11への押し波Aの衝突を回避することができる。
また避波体20に津波の波力や浮遊物の衝撃に対抗し得るだけの強度を有しており、さらに交差する側壁21,21に対する押し波Aの入射角度が鋭角となって、避波体20の荷重負担が小さくなるため、押し波Aにより避波体20が破壊される心配はない。
なお、押し波Aの進行方向と平行な建物本体10の側壁14,15は、海水と接するだけであるから押し波Aの通過で破壊されることはない。
<2.3>引き波の回避作用
陸上へ向けて来襲した押し波Aは引き波Bとなって海へ戻る。
図2,3に鎖線で示すように、建物本体10の背面側の避波体20に押し寄せた引き波Bは、避波体20の先端部で左右に分岐され、さらに側壁21,21の傾斜面に沿って誘導されて建物本体10の前面側へ至る。
引き波Bの場合も建物本体10の背面側の避波体20によって、建物本体10の背面側の側面12への引き波Bの衝突を回避できる。
<2.4>渦流の防止作用
本考案では建物本体10の前面側と背面側の両側に、渦流の発生を防止作用を併有した避波体20,20を設けているから、押し波Aの通過時だけでなく引き波Bの通過時においても渦流の発生を効果的に防止することができる。
[変形例1]
以降に他の実施例について説明するが、その説明に際し、前記した実施例1と同一の部位は同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図1,2において、建物本体10の上階層に手摺や車椅子用スロープ等の福祉専用設備を設けておいてもよい。
本例にあっては、建物本体10の上層階に常時、高齢者や身体障がい者を居住させておくことが可能となるので、津波の来襲時に改めて避難する必要がなくなり、生命の安全が脅かされる心配がなくなるといった利点がある。
[変形例2]
図4において、避波体20の一部または全部を透光性の素材で形成して、多目的室23内に自然採光を取り込むように構成してもよい。
透光性の素材の素材としては、透光性と十分な強度を有する強化ガラス、強化樹脂パネル等の公知の素材を適用できる。
避波体20の耐久性と彩光性を配慮すると、天井22に透光構造を採用することが望ましい。
本例にあっては、多目的室23内への自然採光の取り込みが可能であるから、多目的室23内を照明灯で照らす必要がなくなる。
さらに、避波体20で隠れた建物本体10側の窓から建物本体10側の室内へ自然採光を取り込むことが可能となるので、建物本体10を常時使用する際の居住環境がよくなるといった利点が得られる。
[変形例3]
図5,6を参照して、建物本体10の前面側と背面側に設けた避波体20A,20Bの角度と高さの組合せをそれぞれ変えた変形例について説明する。
図5は避波体20A,20Bの先端部の角度の組合せを変えた例を示し、建物本体10の前面側の避波体20Aの先端角度θ1に対して、建物本体10の背面側の避波体20Bの先端角度θ2を大きくした形態を示す。
図6は避波体20A,20Bの高さの組合せを変えた例を示し、建物本体10の前面側の避波体20Aの高さH1に対して、建物本体10の背面側の避波体20Bの高さH2を低くした形態を示す。
また図5と図6を組み合せてもよい。
引き波Bの波力は押し波Aに対して小さくなるから、本例のように、建物本体10の前面側の避波体20Aに対して、建物本体10の背面側の避波体20Bの角度や高さの組合せを変えることで、建物本体10の背面側の避波体20Bを経済的に構築することができる。
[変形例4]
図7に建物本体10の防護機能を高めた変形例を示す。
本例では建物本体10の各側壁14,15から離隔して防護用の柱体30を立設した形態を示す。
柱体30は一点鎖線で示す避波体20の側壁21の延長線の内方に位置させ、その高さは避波体20の高さ以上であることが望ましい。柱体30の設置本数や間隔は適宜選択するものとする。
本例のように建物本体10の側方に防護用の柱体30を設けることで、津波とともに船舶や大型車両等の大型重量浮遊物40が押し寄せたときに、防護用の柱体30が建物本体10の側壁14,15を防護して、建物本体10の損傷を回避することができる。
さらに各避波体20の先端部の内側に湾曲した補強壁25を多重に設けて避波体20の耐衝撃性能を高めてもよい。補強壁25は単数に限定されず、複数であってもよく、要は予想される大型重量浮遊物40の衝撃エネルギーに耐え得る強度に設計してあればよい。
避波体20の内側に補強壁25を設けて補強することで、避波体20を大型重量浮遊物40の衝突から効果的に護ることができるから、建物本体10の安全性が高まるといった利点がある。
A・・・・・・押し波
B・・・・・・引き波
10・・・・・建物本体
11,12,14,15・・・建物本体の側面
13・・・・・連絡通路
20・・・・・避波体
21,21・・避波体の側壁
22・・・・・避波体の天井
23・・・・・多目的室
24・・・・・出入口
25・・・・・補強壁
30・・・・・柱体
40・・・・・大型重量浮遊物

Claims (5)

  1. 避難施設兼用型建物であって、
    既設または新設の多階層の建物本体と、
    津波の来襲方向に対して交差する前記建物本体の前面側と背面側の側壁に一体に突設した先鋭形状を呈する一対の避波体とを具備し、
    前記避波体は地上から建物本体の途中階までの高さを有し、
    前記避波体の内部に多目的室を形成したことを特徴とする、
    避難施設兼用型建物。
  2. 前記避波体が、起立した二つの側壁と、側壁の上部を封鎖する天井とを具備した中空構造物であることを特徴とする、請求項1に記載の避難施設兼用型建物。
  3. 前記避波体の一部または全部を透光性の素材で形成して、多目的室内に自然採光を取り込むように構成したことを特徴とする、請求項1または2に記載の避難施設兼用型建物。
  4. 前記建物本体の各側壁から離隔した位置であって、該側壁の延長線の内方に防護用の柱体を立設したことを特徴とする、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の避難施設兼用型建物。
  5. 前記避波体の先端部の内側に湾曲した補強壁を多重に設けたことを特徴とする、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の避難施設兼用型建物。
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