JP3183356B2 - ブラシレスdcモータ駆動方法およびその装置 - Google Patents

ブラシレスdcモータ駆動方法およびその装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はブラシレスDCモータ
制御方法およびその装置に関し、さらに詳細にいえば、
回転子鉄心に永久磁石を設けてなる回転子と電機子鉄心
に三相巻線を設けてなる電機子とを有するブラシレスD
Cモータを制御するための方法およびその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から圧縮機駆動用のモータとして、
商用周波数の交流電圧で駆動できること、および全体と
して堅牢さを簡単に達成できること、インバータを用い
てモータに印加する電源の周波数および電圧を同時に変
化させることにより回転数を変化できること等の利点に
着目して、一般的に誘導モータが採用されているが、誘
導モータはその構成上、二次入力に対する機械出力の割
合が(1−s)になることが知られており、余り高効率
の運転を行なうことができない。ここでsはすべりであ
り、二次側(回転子)に電流が流れることに起因する損
失である二次銅損の割合を示す。
【0003】ところで、近年に至って、誘導モータより
も高効率のモータを用いて圧縮機を駆動することが強く
要望されるようになってきており、また、保磁力が大き
くかつ安価なフェライト磁石さらには希土類磁石が提供
されるようになってきたことから、上記要望を満足する
ために、回転子鉄心に永久磁石を設けてなる回転子と電
機子鉄心に三相巻線を設けてなる電機子とを有するブラ
シレスDCモータを採用し、インバータによりブラシレ
スDCモータに印加する電源の周波数および電圧を制御
して可変速運転を達成する試みが行なわれている。即
ち、ブラシレスDCモータは誘導モータと異なり、回転
子が巻線を有しておらず、回転子側に電流が流れないの
で、二次銅損が0になり、二次銅損が0になる分だけ高
効率化が達成できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のブラシレスDC
モータ制御方法を採用した場合には、ブラシレスDCモ
ータの特性上、誘起電圧がインバータの最大出力電圧に
近づく高速回転領域において出力が急激に低下するので
圧縮機を運転できなくなってしまう。特に、空気調和機
の圧縮機を駆動する場合には、高効率化のみならず、速
暖性・最大能力等も強く要望されるのであるから、ブラ
シレスDCモータの高速回転領域で圧縮機を駆動しなけ
ればならない。
【0005】したがって、これらの点を考慮すれば、ブ
ラシレスDCモータの誘起電圧を低く設定しなければな
らないことになり、誘起電圧を低く設定すれば、ブラシ
レスDCモータの電流が増加し、定格点での効率が低下
してしまうという不都合がある。さらに詳細に説明する
と、回転子鉄心の周縁に永久磁石を貼り付けてなる回転
子を有するブラシレスDCモータの特性は図22に示す
とおりであり、縦軸がモータの誘起電圧および出力であ
り、横軸がモータの回転数である。また、空気調和機の
圧縮機を駆動する場合を考慮して暖房定格および冷房定
格を示している。
【0006】図22から明らかなように、モータの誘起
電圧は回転数に比例して増加するが、モータの出力は、
モータの誘起電圧がインバータの最大電圧と等しくなる
回転数(以下、最高回転数と称する)に近づくまでは回
転数にほぼ比例して増加し、それ以後は急激に減少す
る。したがって、暖房定格を、モータ出力が減少しはじ
める回転数よりも低い回転数に設定しなければならな
い。しかし、ブラシレスDCモータは最高回転数までし
か運転できないのであるから、インバータ制御による一
時的な高速運転を行なうことができず、運転範囲が狭く
なってしまう。このような不都合を解消するために図2
3に示すように最高回転数を高く設定すると、図22の
特性と比較して同じ回転数におけるモータの誘起電圧が
低くなり、効率が悪くなるという不都合がある。図24
は回転数の変動に対応するモータの効率を示す図であ
り、最高回転数を高く設定して運転範囲を拡大した場合
に効率が低下することが分る。
【0007】尚、以上にはブラシレスDCモータを用い
て圧縮機を駆動する場合について説明したが、他の用途
にブラシレスDCモータを用いる場合にも同様の不都合
が生じる。
【0008】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、ブラシレスDCモータの高効率化を達成
するとともに、高速回転を達成できるブラシレスDCモ
ータ制御方法およびその装置を提供することを目的とし
ている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの、請求項1のブラシレスDCモータ制御方法は、ブ
ラシレスDCモータの電機子電流の位相を誘起電圧より
も進ませるべくインバータの出力電流あるいは電圧を制
御する方法である。請求項2のブラシレスDCモータ制
御方法は、回転子鉄心に永久磁石を埋込んでなる回転子
を有するブラシレスDCモータを用いる方法である。
【0010】請求項3のブラシレスDCモータ制御方法
は、ブラシレスDCモータにより圧縮機を駆動する方法
である。請求項4のブラシレスDCモータ制御装置は、
ブラシレスDCモータの電機子電流の位相を誘起電圧よ
りも進ませるべくインバータの出力電流あるいは電圧を
制御するインバータ制御手段を含んでいる。
【0011】請求項5のブラシレスDCモータ制御装置
は、インバータ制御手段として、ブラシレスDCモータ
の回転子の回転位置および回転速度を検出する回転子位
置・速度検出手段と、ブラシレスDCモータの回転速度
に対応する進み位相角を出力する進み位相角保持手段
と、ブラシレスDCモータに対する回転速度指令に基づ
いて定まる電圧指令および出力された進み位相角を入力
としてインバータに供給すべきスイッチング指令を出力
するスイッチング指令出力手段とを含んでいるものを用
いている。
【0012】請求項6のブラシレスDCモータ駆動装置
は、インバータ制御手段として、ブラシレスDCモータ
の回転子の回転位置および回転速度を検出する回転子位
置・速度検出手段と、ブラシレスDCモータの回転速度
に対応する進み位相角を出力する進み位相角保持手段
と、回転速度指令に対する実際の回転速度の偏差に基づ
いて、出力された進み位相角を補正する進み位相角補正
手段と、補正された進み位相角が所定の進み位相角を越
えないように制限する進み位相角制限手段と、ブラシレ
スDCモータに対する回転速度指令に基づいて定まる電
圧指令および補正され、かつ必要に応じて制限された進
み位相角を入力としてインバータに供給すべきスイッチ
ング指令を出力するスイッチング指令出力手段とを含ん
でいるものを用いている。
【0013】請求項7のブラシレスDCモータ駆動装置
は、コンバータの通電電流に基づいて電流垂下の要否を
判別する電流垂下要否判別手段をさらに含んでいるとと
もに、進み位相角補正手段として、回転速度指令に対す
る実際の回転速度の偏差および電流垂下要否判別結果に
基づいて、出力された進み位相角を補正するものを用い
ている。
【0014】請求項8のブラシレスDCモータ駆動装置
は、コンバータの通電電流に基づいて電流垂下の要否を
判別して回転速度指令を補正する回転速度指令補正手段
をさらに含んでいるとともに、進み位相角補正手段とし
て、回転速度指令に対する実際の回転速度の偏差および
コンバータの通電電流に基づいて、出力された進み位相
角を補正するものを用いている。
【0015】請求項9のブラシレスDCモータ駆動装置
は、インバータ制御手段として、回転速度指令に対応す
る進み位相角を出力する進み位相角保持手段と、回転速
度指令に基づいて定まる電圧指令および出力された進み
位相角を入力としてインバータに供給すべきスイッチン
グ指令を出力するスイッチング指令出力手段とを含むも
のを用いている。
【0016】請求項10のブラシレスDCモータ駆動装
置は、インバータ制御手段として、回転速度指令に対応
する進み位相角を出力する進み位相角保持手段と、回転
速度指令に対するインバータの出力周波数に基づいて定
まる回転速度の偏差に基づいて、出力された進み位相角
を補正する進み位相角補正手段と、補正された進み位相
角が所定の進み位相角を越えないように制限する進み位
相角制限手段と、回転速度指令および補正され、かつ必
要に応じて制限された進み位相角を入力としてインバー
タに供給すべきスイッチング指令を出力するスイッチン
グ指令出力手段とを含むものを用いている。
【0017】請求項11のブラシレスDCモータ駆動装
置は、コンバータの通電電流に基づいて電流垂下の要否
を判別する電流垂下要否判別手段をさらに含んでいると
ともに、進み位相角補正手段として、回転速度指令に対
するインバータの出力周波数に基づいて定まる回転速度
の偏差および電流垂下要否判別結果に基づいて、出力さ
れた進み位相角を補正するものを用いている。
【0018】請求項12のブラシレスDCモータ駆動装
置は、コンバータの通電電流に基づいて電流垂下の要否
を判別して回転速度指令を補正する回転速度指令補正手
段をさらに含んでいるとともに、進み位相角補正手段と
して、回転速度指令に対するインバータの出力周波数に
基づいて定まる回転速度の偏差およびコンバータの通電
電流に基づいて、出力された進み位相角を補正するもの
を用いている。
【0019】請求項13のブラシレスDCモータ駆動装
置は、ブラシレスDCモータとして、回転子鉄心に永久
磁石を埋め込んでなる回転子を有するものを用いてい
る。請求項14のブラシレスDCモータ駆動装置は、ブ
ラシレスDCモータとして、圧縮機を駆動するものを採
用するものを用いている。
【0020】
【作用】請求項1のブラシレスDCモータ制御方法であ
れば、回転子鉄心に永久磁石を設けてなる回転子と電機
子鉄心に三相巻線を設けてなる電機子とを有するブラシ
レスDCモータの前記三相巻線に供給する三相交流電流
をインバータにより制御する場合に、ブラシレスDCモ
ータの電機子電流の位相を誘起電圧よりも進ませるべく
インバータの出力電流あるいは電圧を制御するのである
から、誘起電圧を低減でき、この結果、高速回転を達成
できる。
【0021】請求項2のブラシレスDCモータ制御方法
であれば、ブラシレスDCモータが、回転子鉄心に永久
磁石を埋込んでなる回転子を有するものであるから、誘
起電圧を大巾に低減でき、この結果、より高速の回転を
達成できる。請求項3のブラシレスDCモータ制御方法
であれば、ブラシレスDCモータが圧縮機を駆動するも
のであるから、定格回転数を従来の制御による最高回転
数の60%以上にでき、圧縮機駆動の高効率化を達成で
きる。
【0022】請求項4のブラシレスDCモータ制御装置
であれば、回転子鉄心に永久磁石を設けてなる回転子と
電機子鉄心に三相巻線を設けてなる電機子とを有するブ
ラシレスDCモータの前記三相巻線に供給する三相交流
電流をインバータにより制御する場合に、ブラシレスD
Cモータの電機子電流の位相を誘起電圧よりも進ませる
べくインバータ制御手段によりインバータの出力電流あ
るいは電圧を制御するのであるから、誘起電圧を低減で
き、この結果、高速回転を達成できる。
【0023】請求項5のブラシレスDCモータ制御装置
であれば、インバータ制御手段として、ブラシレスDC
モータの回転子の回転位置および回転速度を検出する回
転子位置・速度検出手段と、ブラシレスDCモータの回
転速度に対応する進み位相角を出力する進み位相角保持
手段と、ブラシレスDCモータに対する回転速度指令に
基づいて定まる電圧指令および出力された進み位相角を
入力としてインバータに供給すべきスイッチング指令を
出力するスイッチング指令出力手段とを含んでいるもの
を用いているので、ブラシレスDCモータの回転速度に
対応して予め定められている進み位相角を進み位相角保
持手段から出力し、出力された進み位相角をも考慮して
スイッチング指令出力手段からスイッチング指令を出力
してインバータに供給することにより、ブラシレスDC
モータの電機子電流の位相を誘起電圧よりも進ませて誘
起電圧を低減でき、この結果、高速回転を達成できる。
【0024】請求項6のブラシレスDCモータ駆動装置
であれば、インバータ制御手段として、ブラシレスDC
モータの回転子の回転位置および回転速度を検出する回
転子位置・速度検出手段と、ブラシレスDCモータの回
転速度に対応する進み位相角を出力する進み位相角保持
手段と、回転速度指令に対する実際の回転速度の偏差に
基づいて、出力された進み位相角を補正する進み位相角
補正手段と、補正された進み位相角が所定の進み位相角
を越えないように制限する進み位相角制限手段と、ブラ
シレスDCモータに対する回転速度指令に基づいて定ま
る電圧指令および補正され、かつ必要に応じて制限され
た進み位相角を入力としてインバータに供給すべきスイ
ッチング指令を出力するスイッチング指令出力手段とを
含んでいるものを用いているのであるから、ブラシレス
DCモータの回転速度に対応して予め定められている進
み位相角を進み位相角保持手段から出力するだけでなく
回転速度の偏差が正の状態か否かをも考慮して進み位相
角補正手段により進み位相角を補正し、しかも補正され
た進み位相角が所定の進み位相角を越えないように、必
要に応じて進み位相角制限手段により進み位相角を制限
して、補正されかつ必要に応じて制限された進み位相角
をも考慮してスイッチング指令出力手段からスイッチン
グ指令を出力してインバータに供給することにより、ブ
ラシレスDCモータの電機子電流の位相を誘起電圧より
も進ませて誘起電圧を低減でき、この結果、高速回転を
達成できる。以上の説明から明らかなように、進み位相
角保持手段に保持されている進み位相角が正確でない場
合であっても、進み位相角補正手段により、正確な進み
位相角となるように補正するので、ブラシレスDCモー
タの電機子電流の位相を確実に誘起電圧よりも進ませて
誘起電圧を低減でき、この結果、高速回転を達成でき
る。
【0025】請求項7のブラシレスDCモータ駆動装置
であれば、コンバータの通電電流に基づいて電流垂下の
要否を判別する電流垂下要否判別手段をさらに含んでい
るとともに、進み位相角補正手段として、回転速度指令
に対する実際の回転速度の偏差および電流垂下要否判別
結果に基づいて、出力された進み位相角を補正するもの
を用いているので、電流垂下要否判別手段により電流垂
下が不要であると判別された場合には請求項6と同様の
作用を達成でき、逆に、電流垂下が必要であると判別さ
れた場合には進み位相角補正手段により進み位相角が小
さくなるように補正を行なうので、電流垂下を高速に、
かつ高精度に達成できる。
【0026】請求項8のブラシレスDCモータ駆動装置
であれば、コンバータの通電電流に基づいて電流垂下の
要否を判別して回転速度指令を補正する回転速度指令補
正手段をさらに含んでいるとともに、進み位相角補正手
段として、回転速度指令に対する実際の回転速度の偏差
およびコンバータの通電電流に基づいて、出力された進
み位相角を補正するものを用いているので、電流垂下が
必要であることを示す判別結果に基づいて回転速度指令
補正手段により回転速度指令を低下させるべく補正する
ことができるとともに、請求項6の作用に加えてコンバ
ータ通電電流に基づいて進み位相角の補正をも行なうの
でコンバータ通電電流を最小とすべくインバータ制御を
行ない、一層高効率のブラシレスDCモータの駆動を達
成できる。
【0027】請求項9のブラシレスDCモータ制御装置
であれば、インバータ制御手段として、回転速度指令に
対応する進み位相角を出力する進み位相角保持手段と、
回転速度指令に基づいて定まる電圧指令および出力され
た進み位相角を入力としてインバータに供給すべきスイ
ッチング指令を出力するスイッチング指令出力手段とを
含むものを用いているのであるから、回転速度指令に対
応して予め定められている進み位相角を進み位相角保持
手段から出力し、出力された進み位相角をも考慮してス
イッチング指令出力手段からスイッチング指令を出力し
てインバータに供給することにより、ブラシレスDCモ
ータの電機子電流の位相を誘起電圧よりも進ませて誘起
電圧を低減でき、この結果、高速回転を達成できる。ま
た、回転子の回転位置および回転速度を検出する機構、
電気回路等を不要にできるので、構成を簡素化できる。
【0028】請求項10のブラシレスDCモータ駆動装
置であれば、インバータ制御手段として、回転速度指令
に対応する進み位相角を出力する進み位相角保持手段
と、回転速度指令に対するインバータの出力周波数に基
づいて定まる回転速度の偏差に基づいて、出力された進
み位相角を補正する進み位相角補正手段と、補正された
進み位相角が所定の進み位相角を越えないように制限す
る進み位相角制限手段と、回転速度指令および補正さ
れ、かつ必要に応じて制限された進み位相角を入力とし
てインバータに供給すべきスイッチング指令を出力する
スイッチング指令出力手段とを含むものを用いているの
であるから、回転速度指令に対応して予め定められてい
る進み位相角を進み位相角保持手段から出力するだけで
なく回転速度の偏差が正の状態か否かをも考慮して進み
位相角補正手段により進み位相角を補正し、しかも補正
された進み位相角が所定の進み位相角を越えないよう
に、必要に応じて進み位相角制限手段により進み位相角
を制限して、補正されかつ必要に応じて制限された進み
位相角をも考慮してスイッチング指令出力手段からスイ
ッチング指令を出力してインバータに供給することによ
り、ブラシレスDCモータの電機子電流の位相を誘起電
圧よりも進ませて誘起電圧を低減でき、この結果、高速
回転を達成できる。以上の説明から明らかなように、進
み位相角保持手段に保持されている進み位相角が正確で
ない場合であっても、進み位相角補正手段により、正確
な進み位相角となるように補正するので、ブラシレスD
Cモータの電機子電流の位相を確実に誘起電圧よりも進
ませて誘起電圧を低減でき、この結果、高速回転を達成
できる。また、回転子の回転位置および回転速度を検出
する機構、電気回路等を不要にできるので、構成を簡素
化できる。
【0029】請求項11のブラシレスDCモータ駆動装
置であれば、コンバータの通電電流に基づいて電流垂下
の要否を判別する電流垂下要否判別手段をさらに含んで
いるとともに、進み位相角補正手段として、回転速度指
令に対するインバータの出力周波数に基づいて定まる回
転速度の偏差および電流垂下要否判別結果に基づいて、
出力された進み位相角を補正するものを用いているの
で、電流垂下要否判別手段により電流垂下が不要である
と判別された場合には請求項10と同様の作用を達成で
き、逆に、電流垂下が必要であると判別された場合には
進み位相角補正手段により進み位相角が小さくなるよう
に補正を行なうので、電流垂下を高速に、かつ高精度に
達成できる。
【0030】請求項12のブラシレスDCモータ駆動装
置であれば、コンバータの通電電流に基づいて電流垂下
の要否を判別して回転速度指令を補正する回転速度指令
補正手段をさらに含んでいるとともに、進み位相角補正
手段として、回転速度指令に対するインバータの出力周
波数に基づいて定まる回転速度の偏差およびコンバータ
の通電電流に基づいて、出力された進み位相角を補正す
るものを用いているので、電流垂下が必要であることを
示す判別結果に基づいて回転速度指令補正手段により回
転速度指令を低下させるべく補正することができるとと
もに、請求項10の作用に加えてコンバータ通電電流に
基づいて進み位相角の補正をも行なうのでコンバータ通
電電流を最小とすべくインバータ制御を行ない、一層高
効率のブラシレスDCモータの駆動を達成できる。
【0031】請求項13のブラシレスDCモータ駆動装
置であれば、ブラシレスDCモータが、回転子鉄心に永
久磁石を埋め込んでなる回転子を有するものであるか
ら、誘起電圧を大幅に低減でき、この結果、より高速の
回転を達成できる。請求項14のブラシレスDCモータ
駆動装置であれば、ブラシレスDCモータが圧縮機を駆
動するものであるから、定格回転数を従来の制御による
最高回転数の60%以上にでき、圧縮機駆動の高効率化
を達成できる。
【0032】
【実施例】以下、実施例を示す添付図面によって詳細に
説明する。図1はこの発明のブラシレスDCモータ制御
装置の一実施例を概略的に示すブロック図であり、交流
電源1をコンバータ2に供給することにより直流電圧を
得、さらにインバータ3に供給することにより三相交流
電圧を得、ブラシレスDCモータ4の電機子巻線に供給
している。そして、誘起電圧検出部5によりブラシレス
DCモータの誘起電圧を検出して間接的に磁極位置を検
出し、運転周波数指令値および誘起電圧検出部5からの
検出信号を入力としてインバータ制御部6によりインバ
ータ3に電流制御あるいは電圧制御、速度制御等を行な
うためのインバータ制御信号を供給する。
【0033】図2はブラシレスDCモータ4の構成の一
例を示す概略縦断面図であり、電機子鉄心に三相の電機
子巻線を巻回してなる電機子41と、回転子鉄心42a
の外周に少なくとも1対の永久磁石42bを設けてなる
回転子42とを有しており、電機子巻線に周波数fの電
源を供給することにより、120f/P(但し、Pは磁
極数)で定まる速度で回転子42を回転させることがで
きる。尚、永久磁石42bはフェライト磁石であっても
よいが、希土類磁石であることが好ましい。
【0034】上記インバータ制御部6は、ブラシレスD
Cモータ4の電機子電流の位相を誘起電圧よりも進める
べくインバータ3の出力電流あるいは電圧を制御するも
のである。上記の構成のブラシレスDCモータ制御装置
の作用は次のとおりである。インバータ制御部6により
インバータ3に所定の制御信号を供給すれば、制御信号
に応答してインバータ3がスイッチング動作を行なって
所定の交流電源をブラシレスDCモータ4の電機子巻線
に供給し、ブラシレスDCモータ4の回転子42を回転
駆動できる。この場合において、インバータ制御部6に
よって制御されるインバータ3によりブラシレスDCモ
ータ4の電機子巻線に供給される電機子電流iaの位相
がブラシレスDCモータ4の誘起電圧の位相よりも進ん
だ状態に設定されるのであるから、ブラシレスDCモー
タ4をインバータ3により駆動することに起因して誘起
電圧が低減され、誘起電圧がインバータの最大電圧と等
しくなる回転数が増加されるので、運転範囲の拡大を達
成できる。
【0035】さらに詳細に説明する。ブラシレスDCモ
ータの電圧方程式は数1で表わされることが知られてい
る。
【0036】
【数1】
【0037】但し、Rは電機子巻線抵抗、idは電機子
電流の直軸方向の電流、iqは電機子電流の横軸方向の
電流、vd,vqはそれぞれ対応する電圧、Ld,Lq
はそれぞれ対応するインダクタンス、ωは回転角速度、
ψaは永久磁石による電機子鎖交磁束の実効値であり、
誘起電圧の係数を表す。また、発生トルクτは数2で表
わされる。
【0038】
【数2】
【0039】但し、Pは極対数である。また、インバー
タの最大出力電流をIomax、最大出力電圧をVom
axとすれば、ブラシレスDCモータ4の電機子巻線電
流ia、端子電圧vaはそれぞれ数3、数4に示すよう
に制限されることになる。
【0040】
【数3】
【0041】
【数4】
【0042】但し、高効率化を目的とするブラシレスD
CモータはRを可能な限り小さく設定しているので、数
4は数5に示すように近似できる。
【0043】
【数5】
【0044】ところで、従来からブラシレスDCモータ
の制御方法としてid=0制御方法が一般的に採用され
ており、この場合には数2、数3、数4はそれぞれ次の
とおりになる。 τ=Pψaiq |ia|=|iq|≦Iomax |va|=ω{(ψa)2+(Lqiq)21/2≦Vomax そして、一般的なブラシレスDCモータにおいてはψa
>>Lqiqであるから、回転数が高くなり、誘起電圧
ωψaがインバータ3の最大出力電圧Vomaxに近づ
くと図12に示すように急激に発生トルクτが低下し、
運転不能になってしまう(ここで、ωψa=Vomax
となる回転数をω0とする)。したがって、空気調和機
の圧縮機駆動用としてブラシレスDCモータを用いる場
合には、図23に示すように冷/暖房定格回転数をω0
よりも十分に低い値(一般的にω0の約60%以下の
値)に設定しており、ブラシレスDCモータ自体は高効
率の運転が可能であっても、実際上は冷/暖房定格点近
傍では余り効率の高い運転を行なうことができなかっ
た。
【0045】しかし、この実施例においては、電機子電
流iaの位相を誘起電圧の位相よりも進めているので、
idが負になり、数5から分るように、(ψa+Ldi
d)<ψaとすることができ、|va|=Vomaxとな
る回転数をω0よりも大きくできる。したがって、ブラ
シレスDCモータ4の運転範囲を高速回転領域まで拡げ
ることができ、ひいては冷/暖房定格回転数をω0の約
60%よりも大きく設定でき、立上げ時の高速回転を達
成できる。
【0046】図3はこの発明の制御方法が適用されるブ
ラシレスDCモータの他の構成例を示す概略縦断面図で
あり、図2のブラシレスDCモータと異なる点は永久磁
石42bを回転子鉄心42aの内部に埋込んだ点のみで
ある。図3に示す構成のブラシレスDCモータにおいて
は、永久磁石42bが回転子鉄心42aに埋込まれてい
る関係上エアギャップを小さくでき、インダクタンスL
dが図2の構成のブラシレスDCモータよりも大きくな
る。したがって、誘起電圧を一層低減でき、高速運転領
域を一層拡大できる。
【0047】図4は回転子の表面に永久磁石を配置して
なるブラシレスDCモータに対してid=0制御を適用
した場合{(A)参照}、id<0制御を適用した場合
{(B)参照}、回転子の内部に永久磁石を埋込んでな
るブラシレスDCモータに対してid<0制御を適用し
た場合{(C)参照}の回転数に対するトルクの変化を
示す図であり、id<0制御を適用することにより高速
回転が可能になっていること、および永久磁石を埋込む
ことにより一層の高速回転が可能になっていることが分
かる。尚、(C)から明らかなように、永久磁石を埋込
んだことに起因してインダクタンスが増加しているの
で、低速回転領域におけるトルクが大幅に増加してい
る。
【0048】但し、図3に示すように永久磁石42bを
回転子鉄心42aに埋込んだ回転子42を有するブラシ
レスDCモータにおいては、図5に示すようにスロット
リプルが大きく、高速回転に伴なってかなり大きな騒音
が発生することが知られている。そして、スロットリプ
ルを低減するために積層構造の回転子鉄心42aおよび
埋込まれた永久磁石42bを積層方向に複数個に分割す
るとともに、各分割単位毎に所定角度ずつずらせて回転
子42をスキューさせた構成を採用することが効果的で
あるが、一般的には磁束の短絡を防止するための空隙4
2cの幅がかなり小さく設定されている(永久磁石42
bに対応する回転子鉄心42aの存在範囲を可能な限り
大きく確保してブラシレスDCモータの良好な特性を達
成している)関係上、スキュー角度をかなり小さく設定
しなければならない。この結果、回転子42の分割数が
著しく増加し、回転子42自体の構成が複雑化してしま
い、製造が困難になるとともにコストアップを招いてし
まう。
【0049】図6はこのような不都合を解消し、スキュ
ー角度を大きくでき、ひいては構成を簡素化できる回転
子42を概略的に示す縦断面図であり、板状の永久磁石
42bを半径方向と直角な方向に向くように回転子鉄心
42aに埋込んであるとともに、永久磁石の端面と連通
するように磁力線の短絡を防止するための空隙42cを
半径方向に形成してある。そして、空隙42cの一方の
端部を永久磁石42bの端面外側縁と一致させていると
ともに、空隙42cの他方の端部を永久磁石42bの端
面内側縁よりも内方寄り所定位置に対応させている。
【0050】したがって、回転子鉄心42aの各分割部
のスキュー角度を大きくでき、ひいては分割数を少なく
できるので、回転子42の構成を簡素化でき、製造を容
易化できる。また、図7に示すように、隣合う永久磁石
42bの端面外側縁と対向する端部が一致するように空
隙42cを形成すれば、空隙42cの幅を一層幅広にで
きるので、スキュー角度を一層大きくでき、分割数を一
層少なくできる。
【0051】図8は回転子鉄心42aを5分割した具体
例を示す斜視図、図9は各分割部を示す図であり、回転
子鉄心42aの両端部に非磁性体からなる端板42dを
配置し、全ての分割部をピン、ボルト等の固定部材42
eで一体化している。また、この具体例においては極対
数が2であり、スキュー角度が3.75°であるから、
最初の分割部と5番目の分割部との間のスキュー角度は
15°となり、スロット数が24の場合には1スロット
に対し電気的に360°回転したのと等価になる。図1
0は回転子42の回転位置に対応する1相当りの空隙磁
束密度の変化を示す図であり、図5と比較して大巾にス
ロットリプルを低減できたことが分る。また、上記固定
部材42eの配置位置として回転子鉄心42aの磁束変
化が少ない位置を選択すれば、磁束の流れの変化を少な
くでき、鉄損を減少させてブラシレスDCモータの一層
の高効率化を達成できる。この場合において、固定部材
42eとしては非磁性体であってもよく、また磁性体で
あってもよい。また、各分割部間に非磁性体からなる補
強板を介在させてもよい。
【0052】さらに、一般に回転子42は冷媒通過用の
穴を形成する必要があるが、上記のように広幅に形成さ
れた空隙42cを冷媒通過用の穴として機能させること
により、穴形成のための特別の加工を不要にできる。さ
らにまた、冷媒通過用の穴を別途形成する場合には、エ
ポキシ系接着剤に非磁性体からなる充填材を混入した充
填接着剤を空隙42cに充填し、永久磁石をエポキシ系
接着剤により固定することにより、固定部材42eを省
略できる。尚、充填接着剤による接着固定とバインドワ
イヤー、非磁性金属管による固定とを併用することもも
ちろん可能であり、この場合には、バインドワイヤーの
小径化、金属管の薄肉化が可能である。
【0053】図11(A)は永久磁石の構成を示す斜視
図、図11(B)は回転子42の縦断面図であり、図3
の構成例と異なる点は永久磁石42bの、他の永久磁石
42bと対向する端部が凸曲面に形成されている点のみ
である。したがって、この構成例においては永久磁石4
2bの端部への応力集中を低減でき、高速回転時の永久
磁石の破損を防止できるので、特別な補強を施す必要が
なくなり、回転子42の構成を簡素化できる。
【0054】図12(A)は永久磁石の他の構成例を示
す斜視図、図12(B)は回転子42の縦断面図であ
り、図11の構成例と異なる点は、永久磁石42b自体
が湾曲され、中央部が回転子の中心軸側に押入する状態
で回転子鉄心42aに埋込まれている点のみである。し
たがって、この構成例においては永久磁石42bの端部
のみならず、ほぼ全範囲にわたって応力集中を低減で
き、高速回転時の永久磁石の破損を一層確実に防止でき
る。
【0055】
【実施例2】図13はこの発明のブラシレスDCモータ
駆動装置の他の実施例を示すブロック図であり、交流電
源1をコンバータ2に供給することにより直流電圧を
得、さらにインバータ3に供給することにより三相交流
電圧を得、圧縮機4aを駆動するためのブラシレスDC
モータ4の電機子巻線に供給している。そして、ブラシ
レスDCモータ4の電機子電流に基づいて回転位置検出
部51により回転子の推定回転位置を検出し、推定回転
位置検出信号に基づいて回転速度算出部52によりブラ
シレスDCモータ4の回転速度を算出する。また、コン
バータ2の通電電流を入力電流検出部61により検出
し、電流垂下要否判別部62により、検出された入力電
流を所定の基準電流と比較することにより電流垂下の要
否を判別し、電流垂下が必要であることを示す判別結果
に基づいて回転速度指令低減部63により回転速度指令
を低減する。そして、回転速度偏差算出部64により、
低減された回転速度指令および回転速度算出部52によ
り算出された実際の回転速度との偏差を算出し、PI制
御部65において、算出された偏差に対応する電圧指令
を得てPWM制御部66に供給する。また、回転速度算
出部52により算出された回転速度に基づいて、予め複
数の進み位相角が格納されている進み位相角テーブル6
7から該当する進み位相角を読み出してPWM制御部6
6に供給しているとともに、回転位置検出部51により
検出された回転子の推定回転位置をPWM制御のための
基準信号としてPWM制御部66に供給している。この
PWM制御部66は、ブラシレスDCモータ(4)の電
機子電流の位相を誘起電圧よりも進ませるべくインバー
タ(3)に対してスイッチング指令を与える。
【0056】上記進み位相角テーブル67に予め格納さ
れる進み位相角としては、例えば、図14に示すよう
に、回転速度が低い領域において徐々に進み位相角が増
加するように設定されているとともに、回転速度がある
程度高い領域において急激に進み位相角が増加するよう
に設定されており、さらに、回転速度が著しく高い領域
において進み位相角がほぼ飽和するように設定されてい
ることが好ましい。このように進み位相角を設定してお
けば、ブラシレスDCモータ4の誘起電圧が余り問題に
ならない低回転速度領域においては進み位相角を十分に
小さくしてほぼ通常のインバータ制御を行ない、回転速
度がある程度高くなった高回転速度領域において進み位
相角を十分に大きくしてブラシレスDCモータ4の誘起
電圧低減効果を十分に発揮させ、高回転速度領域まで運
転範囲を拡大できる。尚、それ以上の高回転速度領域に
おいては、進み位相角が過大になることに伴なう不都合
を解消させるべく進み位相角をほぼ飽和させている。具
体的には、例えば、ブラシレスDCモータ4に要求され
る発生トルク、電機子電流の直軸方向の電流idおよび
横軸方向の電流iqの関係を規定する数6に基づいて回
転速度に対応する進み位相角を算出できる。但し、Va
mはブラシレスDCモータ4の端子電圧の上限値、pは
突極係数である。
【0057】
【数6】
【0058】この実施例においては、PI制御部65か
ら出力される電圧指令のみならず、ブラシレスDCモー
タ4の回転速度に対応して進み位相角テーブル67から
読み出される進み位相角をも入力としてPWM制御部6
6によりスイッチング指令を出力するのであるから、イ
ンバータ3の出力電圧の位相を読み出された進み位相角
だけ進めることができ、ひいてはブラシレスDCモータ
4の電機子巻線に供給される電機子電流の位相をブラシ
レスDCモータ4の誘起電圧の位相よりも所定の位相角
だけ進ませることができる。この結果、電機子電流の直
軸方向の電流が負になり、結果的にブラシレスDCモー
タ4の誘起電圧が低減されるのであるから、ブラシレス
DCモータ4の運転範囲の拡大を達成できる。また、イ
ンバータ3の出力電圧の位相とブラシレスDCモータ4
の電機子電流の位相とは、ブラシレスDCモータ4の回
転速度に対応して予め分っているのであるから、回転速
度に対応する進み位相角を予め進み位相角テーブル67
に格納しておいて、進み位相角に基づいてインバータ3
をPWM制御するだけで、電機子電流の位相をブラシレ
スDCモータ4の誘起電圧の位相よりも所定の位相角だ
け進ませることができる。したがって、ブラシレスDC
モータ4の電機子電流の位相を検出する必要がなくな
り、ブラシレスDCモータ駆動装置の構成を簡素化でき
る。
【0059】さらに、コンバータ2の通電電流が所定の
限界電流以上になれば、電流垂下が必要であることを示
す判別結果が電流垂下要否判別部62から出力され、回
転速度指令低減部63により回転速度指令を低減する。
したがって、コンバータ2の通電電流の異常な増加を防
止でき、インバータ容量を最大限に活用することが可能
になる。
【0060】
【実施例3】図15はこの発明のブラシレスDCモータ
駆動装置のさらに他の実施例を示すブロック図であり、
図13の実施例と異なる点は、回転速度偏差算出部64
により算出された回転速度の偏差を入力として進み位相
角に対する補正量を算出する進み位相角補正演算部68
と、算出された補正量に基づいて、進み位相角テーブル
67から読み出された進み位相角を補正する進み位相角
補正部69と、補正された進み位相角が所定の限界進み
位相角を越えないように制限してPWM制御部66に供
給する進み位相角制限部70とをさらに含んでいる点の
みである。
【0061】したがって、この実施例の場合には、回転
速度指令が実際の回転速度よりも大きい場合に進み位相
角テーブル67から読み出された進み位相角を大きくす
べく補正を行ない、逆に、回転速度指令が実際の回転速
度以下の場合に進み位相角補正演算部68から出力され
る補正量を減少させ、補正後の進み位相角を進み位相角
テーブル67から読み出された進み位相角に近づける。
また、この実施例の場合には、進み位相角補正演算部6
8により得られる補正量によっては補正後の進み位相角
が大きくなりすぎる場合があるので、進み位相角制限部
70により過大な進み位相角を制限し、不都合のないブ
ラシレスDCモータ4の駆動を達成する。
【0062】以上の説明から明らかなように、進み位相
角テーブル67から読み出した進み位相角に対して補正
を行なうようにしているので、進み位相角テーブル67
の内容が誤差を含んでいても、補正を施すことにより、
誤差のない進み位相角に基づく制御を達成できる。
【0063】
【実施例4】図16はこの発明のブラシレスDCモータ
駆動装置のさらに他の実施例を示すブロック図であり、
図15の実施例と異なる点は、回転速度指令低減部63
を省略しているとともに、進み位相角補正演算部68と
して、回転速度偏差算出部64により算出された回転速
度の偏差および電流垂下要否判別部62からの判別結果
を入力として進み位相角に対する補正量を算出するもの
を採用した点のみである。
【0064】したがって、この実施例の場合には、実施
例3の作用に加えて、電流垂下が必要な場合に、進み位
相角補正演算部68により負の進み位相補正量を算出
し、補正後の進み位相量を小さくできるのであり、しか
も、PI制御部65を経由させることなくPWM制御部
66に電流垂下が必要であることを反映できるので、電
流垂下が必要な場合のPWM制御を高速にかつ精度よく
達成できる。
【0065】
【実施例5】図17はこの発明のブラシレスDCモータ
駆動装置のさらに他の実施例を示すブロック図であり、
図15の実施例と異なる点は、進み位相角補正演算部6
8として、回転速度偏差算出部64により算出された回
転速度の偏差および入力電流検出部61からの入力電流
検出信号を入力として進み位相角に対する補正量を算出
するものを採用した点のみである。
【0066】したがって、この実施例の場合には、実施
例3の作用に加えて、回転速度偏差算出部64により算
出された回転速度の偏差がほぼ0の場合に、コンバータ
2の通電電流が最小になるように進み位相角を補正で
き、ブラシレスDCモータ4の、より高効率な運転を達
成できる。
【0067】
【実施例6】図18はこの発明のブラシレスDCモータ
駆動装置のさらに他の実施例を示すブロック図であり、
交流電源1をコンバータ2に供給することにより直流電
圧を得、さらにインバータ3に供給することにより三相
交流電圧を得、圧縮機4aを駆動するためのブラシレス
DCモータ4の電機子巻線に供給している。そして、コ
ンバータ2の通電電流を入力電流検出部61により検出
し、電流垂下要否判別部62により、検出された入力電
流を所定の基準電流と比較することにより電流垂下の要
否を判別し、電流垂下が必要であることを示す判別結果
に基づいて回転速度指令低減部63により回転速度指令
を低減する。また、回転速度指令低減部63により低減
された回転速度指令およびインバータ3における通電電
流に基づいて出力電圧演算部71により出力電圧を算出
し、回転速度指令に基づいて、予め複数の進み位相角が
格納されている進み位相角テーブル67から該当する進
み位相角を読み出して、出力電圧補正演算部72により
出力電圧を補正して電圧指令を得、PWM制御部66に
供給する。このPWM制御部66は電圧指令に基づいて
定まるスイッチング指令をインバータ3に供給する。
【0068】上記の構成のブラシレスDCモータ駆動装
置の作用は次のとおりである。回転速度指令を回転速度
指令低減部63を介して出力電圧演算部71に供給して
いるのであるから、コンバータ2の通電電流が過大でな
い場合には回転速度指令がそのまま出力電圧演算部71
に供給され、コンバータ2の通電電流が過大である場合
には回転速度指令を低減して得られる新たな回転速度指
令が出力電圧演算部71に供給される。この出力電圧演
算部71には、インバータ3における通電電流も供給さ
れているのであるから、通電電流に基づいて出力電圧演
算部71における出力電圧の演算を制御することによ
り、ブラシレスDCモータ4の回転子の推定位置を基準
とする出力電圧演算結果を得ることができる。また、回
転速度指令を進み位相角テーブル67に供給して回転速
度指令に対応する進み位相角を読み出すことができ、上
記出力電圧演算結果と共に出力電圧補正演算部72に供
給する。この出力電圧補正演算部72においては、読み
出された進み位相角だけインバータ3の出力電圧の位相
をブラシレスDCモータ4の誘起電圧の位相よりも所定
の位相角だけ進ませるべく電圧指令を算出してPWM制
御部66に供給するのであるから、インバータ3に対し
てスイッチング指令を与え、インバータ3の出力電圧の
位相をブラシレスDCモータ4の誘起電圧の位相よりも
所定の位相角だけ進ませることができる。
【0069】以上の説明から明らかなように、ブラシレ
スDCモータ4の電機子の推定回転位置を検出するため
の回転位置検出部51および回転速度演算部52を省略
できるので構成を簡素化でき、しかもインバータ3の通
電電流に基づいて出力電圧演算部71を制御して回転子
の推定回転位置の検出に基づく処理と等価な処理を達成
でき、この結果、ブラシレスDCモータ4の誘起電圧が
低減されるのであるから、ブラシレスDCモータ4の運
転範囲の拡大を達成できる。
【0070】
【実施例7】図19はこの発明のブラシレスDCモータ
駆動装置のさらに他の実施例を示すブロック図であり、
図18の実施例と異なる点は、回転速度指令とインバー
タ3の出力周波数との差を算出して回転速度偏差として
出力する回転速度偏差演算部73と、回転速度偏差に基
づいて進み位相角の補正量を算出する進み位相角補正演
算部68と、算出された補正量に基づいて、進み位相角
テーブル67から読み出された進み位相角を補正する進
み位相角補正部69と、補正された進み位相角が所定の
限界進み位相角を越えないように制限して出力電圧補正
演算部72に供給する進み位相角制限部70とをさらに
含んでいる点のみである。
【0071】したがって、この実施例の場合には、回転
速度指令が実際の回転速度よりも大きい場合に進み位相
角テーブル67から読み出された進み位相角を大きくす
べく補正を行ない、逆に、回転速度指令が実際の回転速
度以下の場合に進み位相角補正演算部68から出力され
る補正量を減少させ、補正後の進み位相角を進み位相角
テーブル67から読み出された進み位相角に近づける。
また、この実施例の場合には、進み位相角補正演算部6
8により得られる補正量によっては補正後の進み位相角
が大きくなりすぎる場合があるので、進み位相角制限部
70により過大な進み位相角を制限し、不都合のないブ
ラシレスDCモータ4の駆動を達成する。
【0072】以上の説明から明らかなように、進み位相
角テーブル67から読み出した進み位相角に対して補正
を行なうようにしているので、進み位相角テーブル67
の内容が誤差を含んでいても、補正を施すことにより、
誤差のない進み位相角に基づく制御を達成できる。
【0073】
【実施例8】図20はこの発明のブラシレスDCモータ
駆動装置のさらに他の実施例を示すブロック図であり、
図19の実施例と異なる点は、回転速度指令低減部63
を省略しているとともに、進み位相角補正演算部68と
して、回転速度偏差算出部73により算出された回転速
度の偏差および電流垂下要否判別部62からの判別結果
を入力として進み位相角に対する補正量を算出するもの
を採用した点のみである。
【0074】したがって、この実施例の場合には、実施
例7の作用に加えて、電流垂下が必要な場合に、進み位
相角補正演算部68により負の進み位相補正量を算出
し、補正後の進み位相量を小さくできるのであり、しか
も、出力電圧演算部71を経由させることなく出力電圧
補正演算部72に電流垂下が必要であることを反映でき
るので、電流垂下が必要な場合のPWM制御を高速にか
つ精度よく達成できる。
【0075】
【実施例9】図21はこの発明のブラシレスDCモータ
駆動装置のさらに他の実施例を示すブロック図であり、
図19の実施例と異なる点は、進み位相角補正演算部6
8として、回転速度偏差算出部73により算出された回
転速度の偏差および入力電流検出部61からの入力電流
検出信号を入力として進み位相角に対する補正量を算出
するものを採用した点のみである。
【0076】したがって、この実施例の場合には、実施
例7の作用に加えて、回転速度偏差算出部73により算
出された回転速度の偏差がほぼ0の場合に、コンバータ
2の通電電流が最小になるように進み位相角を補正で
き、ブラシレスDCモータ4の、より高効率な運転を達
成できる。尚、この発明は上記の実施例に限定されるも
のではなく、例えば、電機子電流の直軸方向の電流を負
にできればよいのであるから、電機子電流の位相または
インバータ3の出力電圧の位相を誘起電圧の位相よりも
進める方法以外の方法を採用することが可能であるほ
か、圧縮機以外の負荷を駆動するブラシレスDCモータ
に適用することが可能であり、その他、この発明の要旨
を変更しない範囲内において種々の設計変更を施すこと
が可能である。
【0077】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明は、インバ
ータにより電機子電流の位相を誘起電圧よりも進ませる
だけで誘起電圧を低減でき、この結果、高速回転を達成
できるという特有の効果を奏する。請求項2の発明は、
回転子鉄心に永久磁石を埋込んでインダクタンスを大き
く設定しているので、誘起電圧を大巾に低減でき、この
結果、より高速の回転を達成できるという特有の効果を
奏する。
【0078】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2の効果に加え、圧縮機の定格回転数を従来の制御によ
る最高回転数の60%以上にでき、圧縮機駆動の高効率
化を達成できるという特有の効果を奏する。請求項4の
発明は、インバータにより電機子電流の位相を誘起電圧
よりも進ませるだけで誘起電圧を低減でき、この結果、
高速回転を達成できるという特有の効果を奏する。
【0079】請求項5の発明は、ブラシレスDCモータ
の回転速度に対応して予め定められている進み位相角を
進み位相角保持手段から出力し、出力された進み位相角
をも考慮してスイッチング指令出力手段からスイッチン
グ指令を出力してインバータに供給することにより、ブ
ラシレスDCモータの電機子電流の位相を誘起電圧より
も進ませて誘起電圧を低減でき、この結果、高速回転を
達成できるという特有の効果を奏する。
【0080】請求項6の発明は、進み位相角保持手段に
保持されている進み位相角が正確でない場合であって
も、進み位相角補正手段により補正されかつ必要に応じ
て制限された進み位相角をも考慮してスイッチング指令
出力手段からスイッチング指令を出力してインバータに
供給することにより、ブラシレスDCモータの電機子電
流の位相を誘起電圧よりも進ませて誘起電圧を低減で
き、この結果、高速回転を達成できるという特有の効果
を奏する。
【0081】請求項7の発明は、請求項6の効果に加
え、電流垂下が必要であると判別された場合には進み位
相角補正手段により進み位相角が小さくなるように補正
を行なうので、電流垂下を高速に、かつ高精度に達成で
きるという特有の効果を奏する。請求項8の発明は、請
求項6の効果に加え、電流垂下が必要であることを示す
判別結果に基づいて回転速度指令を低下させるべく補正
して電流垂下を高速かつ高精度に達成できるとともに、
コンバータ通電電流に基づいて進み位相角の補正をも行
なうのでコンバータ通電電流を最小とすべくインバータ
制御を行ない、一層高効率のブラシレスDCモータの駆
動を達成できるという特有の効果を奏する。
【0082】請求項9の発明は、回転速度指令に対応し
て予め定められている進み位相角を進み位相角保持手段
から出力し、出力された進み位相角をも考慮してスイッ
チング指令出力手段からスイッチング指令を出力してイ
ンバータに供給することにより、ブラシレスDCモータ
の電機子電流の位相を誘起電圧よりも進ませて誘起電圧
を低減でき、この結果、高速回転を達成でき、しかも、
回転子の回転位置および回転速度を検出する機構、電気
回路等を不要にできるので、構成を簡素化できるという
特有の効果を奏する。
【0083】請求項10の発明は、進み位相角保持手段
に保持されている進み位相角が正確でない場合であって
も、進み位相角補正手段により補正されかつ必要に応じ
て制限された進み位相角をも考慮してスイッチング指令
出力手段からスイッチング指令を出力してインバータに
供給することにより、ブラシレスDCモータの電機子電
流の位相を誘起電圧よりも進ませて誘起電圧を低減で
き、この結果、高速回転を達成でき、しかも回転子の回
転位置および回転速度を検出する機構、電気回路等を不
要にできるので、構成を簡素化できるという特有の効果
を奏する。
【0084】請求項11の発明は、請求項10の効果に
加え、電流垂下が必要であると判別された場合には進み
位相角補正手段により進み位相角が小さくなるように補
正を行なうので、電流垂下を高速に、かつ高精度に達成
できるという特有の効果を奏する。請求項12の発明
は、請求項10の効果に加え、電流垂下が必要であるこ
とを示す判別結果に基づいて回転速度指令を低下させる
べく補正して電流垂下を高速かつ高精度に達成できると
ともに、コンバータ通電電流に基づいて進み位相角の補
正をも行なうのでコンバータ通電電流を最小とすべくイ
ンバータ制御を行ない、一層高効率のブラシレスDCモ
ータの駆動を達成できるという特有の効果を奏する。
【0085】請求項13の発明は、回転子鉄心に永久磁
石を埋込んでインダクタンスを大きく設定しているの
で、誘起電圧を大幅に低減でき、この結果、より高速の
回転を達成できるという特有の効果を奏する。請求項1
4の発明は、請求項4から請求項13の何れかの効果に
加え、定格回転数を従来の制御による最高回転数の60
%以上にでき、圧縮機駆動の高効率化を達成できるとい
う特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のブラシレスDCモータ制御装置の一
実施例を概略的に示すブロック図である。
【図2】この発明の制御方法が適用されるブラシレスD
Cモータの構成の一例を示す概略縦断面図である。
【図3】この発明の制御方法が適用されるブラシレスD
Cモータの他の構成例を示す概略縦断面図である。
【図4】回転子の表面に永久磁石を配置してなるブラシ
レスDCモータに対してid=0制御を適用した場合、
id<0制御を適用した場合、回転子の内部に永久磁石
を埋込んでなるブラシレスDCモータに対してid<0
制御を適用した場合の回転数に対するトルクの変化を示
す図である。
【図5】スキュー角度が0°の回転子を有するブラシレ
スDCモータの、回転子の回転位置に対応する1相当り
の空隙磁束密度の変化を示す図である。
【図6】スキュー角度を大きく設定できる回転子の一例
を示す概略縦断面図である。
【図7】スキュー角度を大きく設定できる回転子の他の
例を示す概略縦断面図である。
【図8】回転子鉄心を5分割した具体例を示す斜視図で
ある。
【図9】図8の具体例の各分割部を示す図である。
【図10】図8の具体例における、回転子の回転位置に
対応する1相当りの空隙磁束密度の変化を示す図であ
る。
【図11】この発明の制御方法が適用されるブラシレス
DCモータの構成のさらに他の例を示す概略縦断面図で
ある。
【図12】この発明の制御方法が適用されるブラシレス
DCモータの他の構成例を示す概略縦断面図である。
【図13】この発明のブラシレスDCモータ駆動装置の
他の実施例を示すブロック図である。
【図14】進み位相角テーブルに予め格納される進み位
相角と回転速度との関係を示す概略図である。
【図15】この発明のブラシレスDCモータ駆動装置の
他の実施例を示すブロック図である。
【図16】この発明のブラシレスDCモータ駆動装置の
他の実施例を示すブロック図である。
【図17】この発明のブラシレスDCモータ駆動装置の
他の実施例を示すブロック図である。
【図18】この発明のブラシレスDCモータ駆動装置の
他の実施例を示すブロック図である。
【図19】この発明のブラシレスDCモータ駆動装置の
他の実施例を示すブロック図である。
【図20】この発明のブラシレスDCモータ駆動装置の
他の実施例を示すブロック図である。
【図21】この発明のブラシレスDCモータ駆動装置の
他の実施例を示すブロック図である。
【図22】回転子鉄心の周縁に永久磁石を貼り付けてな
る回転子を有するブラシレスDCモータの特性を示す図
である。
【図23】最高回転数を高く設定した場合のブラシレス
DCモータの特性を示す図である。
【図24】回転数の変動に対応するブラシレスDCモー
タの効率を示す図である。
【符号の説明】
3 インバータ 4 ブラシレスDCモータ 6
インバータ制御部 41 電機子 42 回転子 42a 回転子鉄心
42b 永久磁石 51 回転位置検出部 52 回転速度算出部 6
1 入力電流検出部 62 電流垂下要否判別部 63 回転速度指令低減
部 66 PWM制御部 67 進み位相角テーブル 68 進み位相角補正演算部 69 進み位相角補正
部 70 進み位相角制限部 71 出力電圧演算部 72 出力電圧補正演算部 73 回転速度偏差演算
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−248987(JP,A) 特開 平3−215184(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 6/00

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転子鉄心(42a)に永久磁石(42
    b)を設けてなる回転子(42)と電機子鉄心に三相巻
    線を設けてなる電機子(41)とを有するブラシレスD
    Cモータ(4)の前記三相巻線に供給する三相交流電流
    をインバータ(3)により制御する駆動方法であって、
    ブラシレスDCモータ(4)の電機子電流の位相を誘起
    電圧よりも進ませるべくインバータ(3)の出力電流ある
    いは電圧を制御することを特徴とするブラシレスDCモ
    ータ駆動方法。
  2. 【請求項2】 ブラシレスDCモータ(4)が、回転子
    鉄心(42a)に永久磁石(42b)を埋込んでなる回
    転子(42)を有するものである請求項1に記載のブラ
    シレスDCモータ駆動方法。
  3. 【請求項3】 ブラシレスDCモータ(4)が圧縮機を
    駆動するものである請求項1または請求項2に記載のブ
    ラシレスDCモータ駆動方法。
  4. 【請求項4】 回転子鉄心(42a)に永久磁石(42
    b)を設けてなる回転子(42)と電機子鉄心に三相巻
    線を設けてなる電機子(41)とを有するブラシレスD
    Cモータ(4)の前記三相巻線に供給する三相交流電流
    をインバータ(3)により制御する駆動装置であって、
    ブラシレスDCモータ(4)の電機子電流の位相を誘起
    電圧よりも進ませるべくインバータ(3)の出力電流ある
    いは電圧を制御するインバータ制御手段(6)を含むこ
    とを特徴とするブラシレスDCモータ駆動装置。
  5. 【請求項5】 インバータ制御手段(6)が、ブラシレ
    スDCモータ(4)の回転子の回転位置および回転速度
    を検出する回転子位置・速度検出手段(51)(52)
    と、ブラシレスDCモータ(4)の回転速度に対応する
    進み位相角を出力する進み位相角保持手段(67)と、
    ブラシレスDCモータ(4)に対する回転速度指令に基づ
    いて定まる電圧指令および出力された進み位相角を入力
    としてインバータ(3)に供給すべきスイッチング指令
    を出力するスイッチング指令出力手段(66)とを含ん
    でいる請求項4に記載のブラシレスDCモータ駆動装
    置。
  6. 【請求項6】 インバータ制御手段(6)が、ブラシレ
    スDCモータ(4)の回転子の回転位置および回転速度
    を検出する回転子位置・速度検出手段(51)(52)
    と、ブラシレスDCモータ(4)の回転速度に対応する
    進み位相角を出力する進み位相角保持手段(67)と、
    回転速度指令に対する実際の回転速度の偏差に基づい
    て、出力された進み位相角を補正する進み位相角補正手
    段(68)(69)と、補正された進み位相角が所定の
    進み位相角を越えないように制限する進み位相角制限手
    段(70)と、ブラシレスDCモータ(4)に対する回
    転速度指令に基づいて定まる電圧指令および補正され、
    かつ必要に応じて制限された進み位相角を入力としてイ
    ンバータ(3)に供給すべきスイッチング指令を出力す
    るスイッチング指令出力手段(66)とを含んでいる請求
    項4に記載のブラシレスDCモータ駆動装置。
  7. 【請求項7】 コンバータ(2)の通電電流に基づいて
    電流垂下の要否を判別する電流垂下要否判別手段(6
    1)(62)をさらに含んでいるとともに、進み位相角
    補正手段(68)(69)が、回転速度指令に対する実
    際の回転速度の偏差および電流垂下要否判別結果に基づ
    いて、出力された進み位相角を補正するものである請求
    項6に記載のブラシレスDCモータ駆動装置。
  8. 【請求項8】 コンバータ(2)の通電電流に基づいて
    電流垂下の要否を判別して回転速度指令を補正する回転
    速度指令補正手段(61)(62)(63)をさらに含
    んでいるとともに、進み位相角補正手段(68)(6
    9)が、回転速度指令に対する実際の回転速度の偏差お
    よびコンバータ(2)の通電電流に基づいて、出力され
    た進み位相角を補正するものである請求項6に記載のブ
    ラシレスDCモータ駆動装置。
  9. 【請求項9】 インバータ制御手段(6)が、回転子速
    度指令に対応する進み位相角を出力する進み位相角保持
    手段(67)と、回転速度指令に基づいて定まる電圧指
    令および出力された進み位相角を入力としてインバータ
    (3)に供給すべきスイッチング指令を出力するスイッ
    チング指令出力手段(66)(72)とを含んでいる請求
    項4に記載のブラシレスDCモータ駆動装置。
  10. 【請求項10】 インバータ制御手段(6)が、回転速
    度指令に対応する進み位相角を出力する進み位相角保持
    手段(67)と、回転速度指令に対するインバータ
    (3)の出力周波数に基づいて定まる回転速度の偏差に
    基づいて、出力された進み位相角を補正する進み位相角
    補正手段(68)(69)(73)と、補正された進み
    位相角が所定の進み位相角を越えないように制限する進
    み位相角制限手段(70)と、回転速度指令および補正
    され、かつ必要に応じて制限された進み位相角を入力と
    してインバータ(3)に供給すべきスイッチング指令を
    出力するスイッチング指令出力手段(66)(71)(7
    2)とを含んでいる請求項4に記載のブラシレスDCモ
    ータ駆動装置。
  11. 【請求項11】 コンバータ(2)の通電電流に基づ
    いて電流垂下の要否を判別する電流垂下要否判別手段
    (61)(62)をさらに含んでいるとともに、進み位
    相角補正手段(68)(69)(73)が、回転速度指
    令に対するインバータ(3)の出力周波数に基づいて定
    まる回転速度の偏差および電流垂下要否判別結果に基づ
    いて、出力された進み位相角を補正するものである請求
    項10に記載のブラシレスDCモータ駆動装置。
  12. 【請求項12】 コンバータ(2)の通電電流に基づ
    いて電流垂下の要否を判別して回転速度指令を補正する
    回転速度指令補正手段(61)(62)(63)をさら
    に含んでいるとともに、進み位相角補正手段(68)
    (69)(73)が、回転速度指令に対するインバータ
    (3)の出力周波数に基づいて定まる回転速度の偏差お
    よびコンバータ(2)の通電電流に基づいて、出力され
    た進み位相角を補正するものである請求項10に記載の
    ブラシレスDCモータ駆動装置。
  13. 【請求項13】 ブラシレスDCモータ(4)が、回転子
    鉄心(42a)に永久磁石(42b)を埋込んでなる回
    転子(42)を有するものある請求項4から請求項12
    の何れかに記載のブラシレスDCモータ駆動装置。
  14. 【請求項14】 ブラシレスDCモータ(4)が圧縮機
    を駆動するものである請求項4から請求項13の何れか
    に記載のブラシレスDCモータ駆動装置。
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