JP3183201U - ラチェット歯車制動機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】手動クレーン等にあって、制御性能を向上させたラチェット歯車制動機構を提供する。
【解決手段】ラチェット歯車制動機構1は、ラチェット歯車10とラチェット歯車の相対する両側に位置する一対の歯止め20とを含み、各歯止めはその回転中心を軸として相互に対峙する一対の端部を形成し、そのうちの一端部はラチェット歯車の歯と噛み合う制御端22であり、もう一端部は制御端22を復位させる平衡端23である。また、一対の歯止めのいずれか一つの歯止めの制御端ともう一つの歯止めの制御端とは逆に配置する。前述したラチェット歯車制動機構は、歯止めの制御端の相反端にさらに平衡端を延伸させ、並びに、平衡端が常時、ラチェット歯車の歯によって弾き動かされる作用が働く中、制御端は常時、ラチェット歯車の歯に接触し尚且つ動作し噛み合い制御する位置を保つことができる。
【選択図】図2
【解決手段】ラチェット歯車制動機構1は、ラチェット歯車10とラチェット歯車の相対する両側に位置する一対の歯止め20とを含み、各歯止めはその回転中心を軸として相互に対峙する一対の端部を形成し、そのうちの一端部はラチェット歯車の歯と噛み合う制御端22であり、もう一端部は制御端22を復位させる平衡端23である。また、一対の歯止めのいずれか一つの歯止めの制御端ともう一つの歯止めの制御端とは逆に配置する。前述したラチェット歯車制動機構は、歯止めの制御端の相反端にさらに平衡端を延伸させ、並びに、平衡端が常時、ラチェット歯車の歯によって弾き動かされる作用が働く中、制御端は常時、ラチェット歯車の歯に接触し尚且つ動作し噛み合い制御する位置を保つことができる。
【選択図】図2
Description
本考案は、制動構造に関し、特にラチェット歯車と歯止めを組み合わせたラチェット歯車制動機構に係る。
逆転を防ぐ安全保護目的を達成するためのラチェット歯車と歯止めの組み合わせ構造は、多くの機械構造の中に利用されており、例えば周知の物には、重量物を吊り上げるクレーンやウインチ等がある。
手動クレーンを例にとると、それは重量物を吊り上げるための非常に典型的伝統的な工具であり、チェーンや歯車部の伝動を用いて人力によって重量物を吊り上げる、省力効果を備えたものである。
吊り上げ過程の重量物の落下を防ぐために、手動クレーンには制動機能を設け、ラチェットの歯止めと歯車を用いた相互制御を利用して効果を達成する。例えば図1に示した公知のラチェット歯車制動機構のラチェット歯車と歯止めの組み合わせは、チェーンを下方向に引っ張って重量物を吊り上げる時(未図示)、ラチェット歯車91は時計回りに回転するが、チェーンの引っ張りが停止し、重量物が重力によって下方向に滑り動くと、ラチェット歯車91は逆時計回りの回転を起こし、ラチェット歯車が回転する瞬間、ラチェット歯車91両側にある一対の歯止め92の先端部93が適時にラチェット歯車91の任意の歯の歯元94に嵌入することで、ラチェット歯車91の回転を阻止し、制動効果を生じさせ、手動クレーンの操作上の安全を確保する。
前述の公知の手動クレーンの減速或いは停止を行う制動構造は、一対の歯止めがラチェット歯車間との作動位置を確保するために、ねじりばね95で歯止め92を引き掛け、これにより、歯止め92がラチェット歯車91の外方向に弾かれると、元の位置に戻る。ただし、前記ねじりばね95は一定の作動時間が過ぎると、錆びや断裂、異物が引っ掛かったり、弾力性の衰え等の原因で、歯止め92に対する位置制限機能が失われるため、図中の歯止め92の先端部93がラチェット歯車91によって外側に弾かれた後、ラチェット歯車91との作動位置に回復できなくなり、手動クレーンの制動機能が動作せず、手動クレーンの安全性に大きく影響を及ぼすことになる。尚、このような欠点は、その他の電動クレーンやウインチ上にも同様に発生する可能性がある。
公知のラチェット歯車制動機構の操作時に存在する以上の欠点に鑑み、本考案は、公知の歯止めがねじりばねに依存する欠点を効果的に解決するラチェット歯車制動機構を提供する。
上述目的のために提供する本考案のラチェット歯車制動機構は、ラチェット歯車とラチェット歯車の相対する両側に位置する一対の歯止めとを含み、各歯止めはその回転中心を軸として相互に対峙する一対の端部を形成し、そのうちの一端部はラチェット歯車の歯と噛み合う制御端であり、もう一端部は制御端を復位させる平衡端である。並びに、前記一対の歯止めのいずれか一つの歯止めの制御端ともう一つの歯止めの制御端とは逆に配置する。
前記ラチェット歯車制動機構は、歯止めの制御端の相反端にさらに平衡端を延伸させ、並びに、平衡端が常時、ラチェット歯車の歯によって弾き動かされる作用が働く中、制御端は常時、ラチェット歯車の歯に接触し尚且つ動作し噛み合い制御する位置を保つことができるため、ねじりばねを取り付ける手間を省き、ねじりばねによって引き起こされる諸々の欠点を防ぐことができる。
前記ラチェット歯車制動機構の好ましい制御端はラチェット歯車の歯の歯元の輪郭のような形状をなす先端部を備える。
好ましい平衡端は、ラチェット歯車の歯に接触するまで延伸する。
前記ラチェット歯車制動機構の好ましい歯止めはそれぞれ、ラチェット歯車の左右両側に設け、二つの歯止めの回転中心をつなぐ線とラチェット歯車の中心の水平線とは重なり合う。
前述した本考案のラチェット歯車制動機構は、ねじりばねの取り付けを不要とし、歯止めを常にラチェット歯車との制動位置に保たせることができる。しかし、もう一つの好ましい実施形態では、ねじりばねと一対の歯止めを結合し、さらに安全な操作を実現する。該ねじりばねと歯止めの結合は、ねじりばねのいずれか一つの鉤部を一対の歯止めの制御端に近い箇所に引き掛けて設置し、強制的に歯止めの復位を行う。
本考案のラチェット歯車と歯止めを組み合わせたラチェット歯車制動機構は、公知の歯止めがねじりばねに依存する欠点を効果的に解決し、安全効果を発揮する。
次に、実施例を通して本考案の好ましい実施方式及びその特性を説明する。
図2に示すとおり、本考案ラチェット歯車制動機構1の第一実施例は、ラチェット歯車10とラチェット歯車10の左右両側に位置する一対の歯止め20とを含む。そのうち、ラチェット歯車10は公知のラチェット歯車と同様であり、歯止め20は、各歯止め20がその回転中心21を軸として相互に対峙する一対の端部を形成し、そのうちの一端部は制御端22であり、もう一端は平衡端23である。制御端22にはラチェット歯車10の歯元111の輪郭のような形状をなす先端部221を備える。平衡端23は、制御端22より細長い形状をなし、尚且つラチェット歯車10の歯11に接触するまで延伸する。前記の二つの歯止め20は、いずれか一つの歯止め20の制御端22ともう一つの歯止め20の制御端22とは逆に配置する。即ち、図2では、右側の歯止め20の制御端22を下方に、左側の歯止め20の制御端22を上方に設けた。同じく、前記の二つの歯止め20のいずれか一つの歯止め20の平衡端23ともう一つの歯止め20の制御端22とは逆に配置する。
図3A及び図3Bには、前記の第一実施例のラチェット歯車制動機構を応用した手動クレーンによって重量物の吊り上げを行う際の状態を示した。該ラチェット歯車10は、下方に引っ張られるチェーン(未図示)の駆動を受けて、時計回りの回転を生じさせている(図3A参照)。この時、ラチェット歯車10両側に位置する歯止め20の少なくとも一つの制御端22或いは少なくとも一つの平衡端23はラチェット歯車10の歯11の歯先112との接触を続ける。重量物を吊り上げる作業を停止し、尚且つチェーンが人力によって引っ張られての牽引を受けない場合、ラチェット歯車10は重量物の引力慣性作用を受けて逆時計回りに回転する(図3B参照)。ラチェット歯車10が回転する瞬間、いずれか一つの歯止め20の制御端22が慣性動作によって、第一時間内に順調にラチェット歯車10上の最も接近する歯元111内に嵌入し、ラチェット歯車10がさらに回転するのを停止させる。これにより、吊り上げた重量物は無限に落下することなく、吊り上げ操作の安全性を確保する。
前記ラチェット歯車10は時計回りの回転過程において(図3A参照)、歯止め20の少なくとも一つの制御端22或いは少なくとも一つの平衡端23がラチェット歯車10の歯先112に接触する。歯止め20は時計回りに回転し、制御端22が歯先112によって外側に弾き動かされる時、平衡端23は梃子効果によって若干ラチェット歯車10方向に傾くが、歯先112によってすぐに外側に弾き動かされる。こうして制御端22と平衡端23は歯止め20の二つの梃子作用を備えた端部となるため、前記歯先112によって外側に弾き動かされ、相互に制御し合って平衡効果を生じさせるため、歯止め20はねじりばね等の別に設けた部品を使わずに、ラチェット歯車10との接触を保持できる。また、前記平衡端23は、公知の歯止めに使用するねじりばねのようであり、制御端を強制的にラチェット歯車との作動位置に戻すことができる。
前記ラチェット歯車10が逆時計回りの回転を生じさせる時(図3B)、歯止め20の制御端22はラチェット歯車10の回転によってラチェット歯車10の歯元111内に深く嵌入する。これにより、歯止め20の平衡端23は、梃子作用によって外側に動作し、ラチェット歯車10との接触から離れる。しかし、一旦ラチェット歯車10が再び時計回りに回転すると、平衡端23はラチェット歯車10との接触を回復する。
本考案のラチェット歯車制動機構は、前記の第一実施例において、歯止め20の制御端22の相反端にさらに平衡端23を延伸させ、並びに、平衡端23が常時、ラチェット歯車10の歯11によって弾き動かされる作用が働く中、制御端22は常時、ラチェット歯車10と動作し噛み合い制御する位置を保つことができるため、別の部品の設置を不要とする、新規性を備える。
前述した本考案のラチェット歯車制動機構の第一実施例は、平衡端23によって、ねじりばね等の強制的な部品を使用せずに歯止め20を復位できるが、該実施形態において、本考案ラチェット歯車制動機構の第一実施例の歯止め20に、ねじりばね等の強制復位部品を取り付けることも可能である。図4に示した本考案の第二実施例は、公知のようなねじりばね95を歯止め20に結合させて使用する。例えば、ねじりばね95のいずれか一つの鉤部951を本実施例の歯止め20の制御端22に近い箇所に設けて歯止め20の復位動作を補助する。前述したとおり、ねじりばねを歯止め20に結合する応用方式は、関連構造の修正を必要とせず、前述した単独の平衡端23によって制御端22の復位を行う機能を減少させることはない。
本考案ラチェット歯車制動機構の前記第一実施例及び第二実施例において、そのうちの歯止め20は、いずれもラチェット歯車10の円周水平両側に設ける。即ち、二つの歯止め20の回転中心21とラチェット歯車10の中心とは同一水平線とする。ただし、各種タイプの機具の作業ニーズに応じて、二つの歯止め20の中心をつなぐ線とラチェット歯車10の中心の水平線は挟角をなすことも可能である。即ち、二つの歯止め20の回転の中心をつなぐ線とラチェット歯車10の中心の水平線は重ならない形態である。また、二つの歯止め20が回転する中心の挟角は第一実施例及び第二実施例においては180度とするが、180度より小さい任意角度の挟角を実施可能形態とする。
以上の実施例は本考案の好ましい実施方式を説明するために用いたものであり、本考案の権利範囲に制約を加えるものではなく、本分野において一般知識を有する者が本考案開示の技術説明を参酌して本考案の技術精神を逸脱しない変化や修飾を行うことは可能である。よって、本考案の権利範囲は、後述する実用新案登録請求の範囲に基づくことを明記する。
1 ラチェット歯車制動機構
10 ラチェット歯車
11 歯
111 歯元
112 歯先
20 歯止め
21 回転中心
22 制御端
221 先端部
23 平衡端
91 ラチェット歯車
92 歯止め
93 先端部
94 歯元
95 ねじりばね
951 鉤部
10 ラチェット歯車
11 歯
111 歯元
112 歯先
20 歯止め
21 回転中心
22 制御端
221 先端部
23 平衡端
91 ラチェット歯車
92 歯止め
93 先端部
94 歯元
95 ねじりばね
951 鉤部
Claims (7)
- ラチェット歯車とラチェット歯車の相対する両側に位置する一対の歯止めとを含むラチェット歯車制動機構において、
各歯止めはその回転中心を軸として相互に対峙する一対の端部を形成し、そのうちの一端部はラチェット歯車の歯と噛み合う制御端であり、もう一端部は制御端を復位させる平衡端であり、
前記一対の歯止めのいずれか一つの歯止めの制御端ともう一つの歯止めの制御端とは逆に配置することを特徴とするラチェット歯車制動機構。 - 前記制御端はラチェット歯車の歯の歯元の輪郭のような形状をなす先端部を備えることを特徴とする請求項1に記載のラチェット歯車制動機構。
- 前記平衡端は、ラチェット歯車の歯に接触するまで延伸することを特徴とする請求項1に記載のラチェット歯車制動機構。
- 前記歯止めは、ラチェット歯車の左右両側にそれぞれ設けることを特徴とする請求項1に記載のラチェット歯車制動機構。
- 前記歯止めは、ラチェット歯車の左右両側にそれぞれ設け、尚且つ二つの歯止めの回転中心をつなぐ線とラチェット歯車の中心の水平線とは重なり合うことを特徴とする請求項4に記載のラチェット歯車制動機構。
- 前記ラチェット歯車制動機構は、ねじりばねと一対の歯止めの結合であることを特徴とする請求項1に記載のラチェット歯車制動機構。
- 前記ねじりばねのいずれか一つの鉤部を一対の歯止めの制御端に近い箇所に引き掛けて設置することを特徴とする請求項6に記載のラチェット歯車制動機構。
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JP4987522B2 (ja) | 巻上牽引機におけるブレーキ装置 |
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