JP3183041B2 - シリコーン組成物及び付加硬化型シリコーン組成物用ヒドロシリル化反応触媒 - Google Patents

シリコーン組成物及び付加硬化型シリコーン組成物用ヒドロシリル化反応触媒

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、常温での保存安定性に
優れ、かつ加熱により速やかに硬化し得、押し出し成型
物、ポッティング剤、接着剤、コーティング剤、液状射
出成形システム等の各種分野に好適に利用できる付加硬
化型のシリコーン組成物及び付加硬化型シリコーン組成
物用ヒドロシリル化反応触媒に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】白金化
合物を触媒とし、ヒドロシリル化反応によって加熱硬化
する付加硬化型シリコーン組成物は、極めて短時間で硬
化反応を行うことができる上、反応副生成物がないなど
の利点があり、多くの用途に使用されている。
【0003】しかし、このシリコーン組成物は、室温で
の貯蔵安定性が悪く、貯蔵時は2成分に分けて保存し、
使用時に混合するといった配慮を行っても、実際の使用
には耐えられないという欠点があった。
【0004】そこで、上記欠点を解決するため、ヒドロ
シリル化反応を制御する化合物が数多く提案されてい
る。例えば米国特許第3188300号には有機燐化合
物、米国特許第3445420号(特公昭44−314
76号公報)にはアセチレンアルコール類、米国特許第
3882083号(特公昭55−41626号公報)に
はトリアリルイソシアヌレート、米国特許第40616
09号(特公昭57−20340号公報)にはハイドロ
パーオキサイド、米国特許第3699073号(特公昭
48−10947号公報)及び米国特許第392370
5号(特公昭63−56563号公報)には高ビニルシ
ロキサン等が提案されている。
【0005】しかしながら、上記シリコーン組成物にこ
れらの制御剤を用いた場合、従来の使用方法においては
十分な可使時間と硬化性を得ることができたが、最近の
市場における要求は更に厳しくなってきており、より十
分な保存性と速やかな硬化特性が要求されている。
【0006】これらに対応できる技術として、特公昭5
3−41707号公報には白金触媒を融点が40〜20
0℃のシリコーンレジンと混合し、粉砕又はスプレード
ライ等を行うことによって保護された触媒粉末を得る方
法、米国特許第4481341号(特開昭64−474
42号、同64−45468号公報)等には熱可塑性樹
脂で白金触媒を包含することによるマイクロカプセル化
技術が開示されている。
【0007】しかし、前者(特公昭53−41707号
公報記載)の方法はシリコーン組成物の保存性を十分向
上させるものではなく、また、後者(米国特許第448
1341号記載)のように有機樹脂によるマイクロカプ
セル化を行った場合は、シリコーン組成物の保存性は満
足し得るものとなるものの、市場で要求されている速や
かな硬化特性を得ることが難しかった。
【0008】従って、付加硬化型シリコーン組成物の保
存安定性及び硬化特性をより一層向上させ得る技術の開
発が望まれていた。
【0009】本発明は上記要望に応えるためになされた
もので、保存安定性に優れている上、硬化特性に優れ、
加熱により速やかに硬化する付加硬化型のシリコーン組
成物及び付加硬化型シリコーン組成物用ヒドロシリル化
反応触媒を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、下記一般式
(1) R1 a2 b(CH3cSiO[4-(a+b+c)]/2 (1) (但し、式中R1は炭素数2〜8の脂肪族不飽和基、R2
は脂肪族不飽和基及びメチル基以外の非置換又は置換の
一価炭化水素基であり、a、b、cはそれぞれc/(a
+b+c)≧0.95、0.0001<a<0.05、
1.8<a+b+c<2.205を満たす数である。)
で示され、一分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも2個
含有し、かつ珪素原子に結合した有機基(珪素−酸素結
合は除く)のうち少なくとも95モル%がメチル基であ
るジオルガノポリシロキサンと、下記一般式(2) R3 deSiO[4-(d+e)]/2 (2) (但し、式中R3は非置換又は置換一価炭化水素基であ
り、d、eはそれぞれ0.002≦e≦1.0、1.8
<d<2.2で1.8<d+e≦3.0を満たす数であ
る。)で示され、一分子中に少なくとも3個の珪素原子
に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポ
リシロキサンと、下記一般式(3) R4 f5 g(CH3hSiO[4-(f+g+h)]/2 (3) (但し、式中、R4は炭素数2〜8の脂肪族不飽和基、
5は脂肪族不飽和基及びメチル基以外の非置換又は置
換一価炭化水素基であり、f、g、hはそれぞれ(f+
g)/(f+g+h)≧0.10、0.0001<f≦
2.0、1.8<f+g+h<2.205を満たす数で
ある。)で示され、一分子中に少なくとも2個の脂肪族
不飽和基を有し、かつ珪素原子に結合した全有機基(珪
素−酸素結合は除く)の10モル%以上がメチル基以外
の基であるオルガノポリシロキサンによって安定化され
た白金族化合物が、更にR6 3SiO1/2単位、R6 2Si
2/2単位、R6SiO3/2単位、SiO4/2単位(但し、
式中R6は非置換又は置換一価炭化水素基である。)の
うち少なくともR6SiO3/2単位又はSiO4/2単位を
含有し、珪素原子に結合した全有機基(珪素−酸素結合
は除く)の10モル%以上が前記式(3)中のR5と同
一の基であり、かつ融点又は軟化点が30〜200℃で
あるシリコーン樹脂で包含されてなるヒドロシリル化反
応触媒とを配合することにより、室温下で長期間保存し
てもその品質が安定であり、貯蔵時に各成分を分割保存
する必要がなく、高い保存安定性を有する上、硬化特性
に優れ、加熱により速やかに硬化して良好な物性の硬化
物を与え、しかも放置、加熱などの保存下における環境
条件においてこれら特性が変化し難い付加硬化型のシリ
コーン組成物が得られることを知見し、本発明をなすに
至った。
【0011】即ち、本発明のシリコーン組成物において
は、上記式(3)の脂肪族不飽和基含有オルガノポリシ
ロキサンで白金族化合物を配位、安定固定化させて白金
金属化合物のシロキサン錯体を形成させ、この安定化さ
れた白金族化合物を上記式(1)のジオルガノポリシロ
キサンと基本的に常温では相溶せず、かつ上記式(3)
のオルガノポリシロキサンと類似の構造を有してこれら
とは相溶し得る上記した特定のシリコーン樹脂に同化包
含させることによって、保存状態ではヒドロシリル化反
応触媒である白金族化合物がかかる反応系外に置かれ、
加熱によりこの白金族化合物が均一に系中に拡散し、反
応が促進されるものである。なおこの場合、本発明で
は、保存時に白金族化合物がこれを包含するシリコーン
樹脂と相溶、一体化される点が特公昭53−41707
号公報に記載のシリコーンレジンで白金触媒が保護され
た触媒粉末や、米国特許第4481341号、特開平5
−5063号公報等に記載されたマイクロカプセル中に
白金元素を包み込む方法とは明らかに異なるものであ
り、この違いによって、全く驚くべきことに従来のもの
に比べて大幅に長い保存安定性と速やかな硬化特性を得
ることが可能になったものである。
【0012】更に、本発明のシリコーン組成物は、一度
融点以上に加熱するとその保存時間が短くなるといった
従来のマイクロカプセル化方法のような欠点が克服さ
れ、しかも製造時に物理的な高剪断力を経由した場合に
も全くその性能が損なわれず、保存性が即時あるいは経
時に損なわれるといった欠点も解消されるなどの多くの
利点を有するものである。
【0013】従って、本発明は、 (1)上記一般式(1)で示され、一分子中に脂肪族不
飽和基を少なくとも2個含有し、かつ珪素原子に結合し
た有機基(珪素−酸素結合は除く)のうち少なくとも9
5モル%がメチル基であるジオルガノポリシロキサン (2)上記一般式(2)で示され、一分子中に少なくと
も3個の珪素原子に結合した水素原子を有するオルガノ
ハイドロジェンポリシロキサン (3)上記一般式(3)で示され、一分子中に少なくと
も2個の脂肪族不飽和基を有し、かつ珪素原子に結合し
た全有機基(珪素−酸素結合は除く)の10モル%以上
がメチル基以外の基であるオルガノポリシロキサンによ
って安定化された白金族化合物が、更にR6 3SiO1/2
単位、R6 2SiO2/2単位、R6SiO3/2単位、SiO
4/2単位(但し、式中R6は非置換又は置換一価炭化水素
基である。)のうち少なくともR6SiO3/2単位又はS
iO4/2単位を含有し、珪素原子に結合した全有機基
(珪素−酸素結合は除く)の10モル%以上が前記式
(3)中のR5と同一の基であり、かつ融点又は軟化点
が30〜200℃であるシリコーン樹脂で包含されてな
るヒドロシリル化反応触媒を配合してなることを特徴と
するシリコーン組成物、及び上記(3)成分からなる付
加硬化型シリコーン組成物用ヒドロシリル化反応触媒を
提供する。
【0014】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明のシリコーン組成物の第一必須成分のオルガ
ノポリシロキサンは、付加硬化型シリコーンゴム組成物
の主原料として使用されている公知のオルガノポリシロ
キサンであり、下記一般式(1) R1 a2 b(CH3cSiO[4-(a+b+c)]/2 (1) (但し、式中R1は炭素数2〜8の脂肪族不飽和基、R2
は脂肪族不飽和基及びメチル基以外の非置換又は置換の
一価炭化水素基であり、a、b、cはそれぞれc/(a
+b+c)≧0.95、0.0001<a<0.05、
1.8<a+b+c<2.205を満たす数である。)
で示され、一分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも2個
含有し、かつ珪素原子に結合した有機基(珪素−酸素結
合は除く)のうち少なくとも95モル%がメチル基であ
るジオルガノポリシロキサンである。
【0015】ここで、上記式中R1は炭素数2〜8の脂
肪族不飽和基であり、例えばビニル基、アリル基、プロ
ペニル基、ブテニル基等が挙げられ、特にビニル基等の
アルケニル基が好適である。R2は脂肪族不飽和基及び
メチル基以外の非置換又は置換の一価炭化水素基、好ま
しくは炭素数2〜12のものであり、例えばエチル基、
プロピル基、ブチル基等のメチル基以外のアルキル基、
フェニル基、トリル基等のアリール基、これらの基の一
部又は全部の水素原子をハロゲン原子等で置換した3,
3,3−トリフルオロプロピル基、C49CH2CH
2−、C817CH2CH2−、パーフルオロアルキルエー
テル基等が挙げられる。また、a、b、cはそれぞれc
/(a+b+c)≧0.95、0.0001<a<0.
05、1.8<a+b+c<2.205を満たす数であ
る。
【0016】上記式(1)のジオルガノポリシロキサン
は、一分子中にR1としての炭素数2〜8の脂肪族不飽
和基、好ましくはアルケニル基を少なくとも2個含有
し、かつ珪素原子に結合した全有機基(珪素−酸素結合
は除く)、即ち式(1)においてR1 、R2 、CH3の合
計100モル%のうち少なくとも95モル%がメチル基
であることが必要である。
【0017】上記式(1)のジオルガノポリシロキサン
は、直鎖状であってもRSiO3/2単位(Rは非置換又
は置換一価炭化水素基)又はSiO4/2単位を部分的に
含んだ分岐状であってもよいが、25℃における粘度は
50〜10000000センチポイズ(cp)の範囲が
好適である。粘度が50cpに満たないと脆くなってシ
リコーンゴムとしての弾性が得られない場合があり、1
0000000cpを超えるとゴムとして配合できなく
なる場合がある。
【0018】上記式(1)のジオルガノポリシロキサン
は、公知の方法、例えばオルガノシクロポリシロキサン
とヘキサオルガノジシロキサンとをアルカリ又は酸触媒
の存在下に平衡反応させることにより合成することがで
きる。
【0019】次に、本発明の第二必須成分のオルガノハ
イドロジェンポリシロキサンは、第一成分のジオルガノ
ポリシロキサンと反応して架橋剤として作用するもの
で、下記一般式(2) R3 deSiO[4-(d+e)]/2 (2) (但し、式中R3は非置換又は置換一価炭化水素基であ
り、d、eはそれぞれ0.002≦e≦1.0、1.8
<d<2.2で1.8<d+e≦3.0を満たす数であ
る。)で示され、一分子中に少なくとも3個の珪素原子
に結合した水素原子を有するものである。
【0020】上記式(2)において、R3は 非置換又
は置換の炭素数1〜12の一価炭化水素基であり、例え
ばビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基等の
脂肪族不飽和基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリ
ール基、これらの基の一部又は全部の水素原子をハロゲ
ン原子等で置換した3,3,3−トリフルオロプロピル
基、C49CH2CH2−、C817CH2CH2−、パー
フルオロアルキルエーテル基等が挙げられる。d、eは
それぞれ0.002≦e≦1.0、1.8<d<2.2
で1.8<d+e≦3.0を満たす数である。
【0021】上記式(2)のオルガノハイドロジェンポ
リシロキサンは、一分子中に少なくとも3個の珪素原子
に直接結合した水素原子を有することが必要である。
【0022】また、上記式(2)のオルガノハイドロジ
ェンポリシロキサンは、その分子構造に特に制限はな
く、線状、環状、分岐状等各種の構造のものが使用可能
であるが、25℃における粘度は1〜500cpの範囲
であることが好適である。
【0023】上記式(2)のオルガノハイドロジェンポ
リシロキサンは、公知の方法、例えばオクタメチルシク
ロテトラシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキ
サンと末端基となり得るヘキサメチルジシロキサン又は
1,1’−ジハイドロ−2,2’,3,3’−テトラメ
チルジシロキサン単位を含む化合物とを硫酸、トリフル
オロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の触媒の存
在下に−10〜+40℃程度の温度で平衡化させるとい
う一般的な方法により容易に合成することができる。
【0024】本発明において、第二成分としての上記式
(2)のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの添加
量は、組成物全体に含まれる脂肪族不飽和基1個に対し
て式(2)中の珪素原子に結合した水素原子が0.4〜
10当量、特に0.8〜5当量となる範囲が好適であ
る。添加量が0.4当量に満たないと架橋密度が低くな
りすぎて硬化したシリコーンゴムの耐熱性に悪影響が生
じる場合があり、10当量を超えると脱水素反応による
発泡の問題が生じたり、耐熱性に悪影響を与える場合が
ある。
【0025】本発明組成物の第三必須成分は、下記一般
式(3) R4 f5 g(CH3hSiO[4-(f+g+h)]/2 (3) (但し、式中、R4は炭素数2〜8の脂肪族不飽和基、
5は脂肪族不飽和基及びメチル基以外の非置換又は置
換一価炭化水素基であり、f、g、hはそれぞれ(f+
g)/(f+g+h)≧0.10、0.0001<f≦
2.0、1.8<f+g+h<2.205を満たす数で
ある。)で示される一分子中に少なくとも2個の脂肪族
不飽和基を有し、かつ珪素原子に結合した全有機基(珪
素−酸素結合は除く)、即ち式(3)においてR4
5、CH3の合計100モル%のうちの10モル%以
上、好ましくは10〜95モル%、より好ましくは30
〜95モル%がメチル基以外の基であるオルガノポリシ
ロキサンによって安定化された白金族化合物が、更にR
6 3SiO1/2単位、R6 2SiO2/2単位、R6SiO3/2
位、SiO4/2単位(但し、式中R6は非置換又は置換一
価炭化水素基である。)のうち少なくともR6SiO3/2
単位又はSiO4/2単位を含有し、珪素原子に結合した
全有機基(珪素−酸素結合は除く)の10モル%以上が
前記式(3)中のR5と同一の基であり、かつ融点又は
軟化点が30〜200℃であるシリコーン樹脂で包含さ
れてなるヒドロシリル化反応触媒である。このヒドロシ
リル化反応触媒は、第一成分のジオルガノポリシロキサ
ンと第二成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサン
とのヒドロシリル化反応の触媒作用を担い、これにより
シリコーン組成物に架橋構造が生じて硬化後に弾性体と
して使用し得るものとなるものである。
【0026】この場合、上記白金族化合物としては、白
金、ロジウム、ルテニウム、パラジウム等の化合物が使
用可能であるが、経済的及びその性能の点から白金化合
物が好適に使用される。この白金化合物としては、従来
知られている塩化白金酸又はそのアルコール錯体やジビ
ニルテトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テト
ラビニル−1,3,5,7−テトラチメルシクロテトラ
シロキサンなどのビニルシロキサン錯体を用いることが
できる。
【0027】また、この白金化合物を安定化する上記式
(3)で示されるオルガノポリシロキサンにおいて、R
4は炭素数2〜8の脂肪族不飽和基であり、例えばビニ
ル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基の他、エチ
ニル基、プロパギル基等のアルキニル基などが挙げら
れ、特にビニル基等のアルケニル基が好適である。R5
は脂肪族不飽和基及びメチル基以外の非置換又は置換の
一価炭化水素基、好ましくは炭素数2〜12のものであ
り、例えばエチル基、プロピル基、ブチル基等のメチル
基以外のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリー
ル基、これらの基の一部又は全部の水素原子をハロゲン
原子等で置換した3,3,3−トリフルオロプロピル
基、C49CH2CH2−、C817CH2CH2−、パー
フルオロアルキルエーテル基等が挙げられるが、特にフ
ェニル基、フッ素原子置換炭化水素基が好適である。
f、g、hはそれぞれ(f+g)/(f+g+h)≧
0.10、0.0001<f≦2.0、1.8<f+g
+h<2.205を満たす数であり、hは0又は正数で
ある。
【0028】上記式(3)のオルガノポリシロキサン
は、一分子中に少なくとも2個の脂肪族不飽和基を有
し、かつ珪素原子に結合した全有機基(珪素−酸素結合
は除く)の10モル%以上がメチル基以外の基であるこ
とが必要であり、この上記式(3)の化合物は、常温で
第一成分の上記式(1)のジオルガノポリシロキサンへ
実質的に溶解せず、これへの溶解性に乏しい化合物であ
る。この式(3)の化合物の25℃の粘度は1〜500
0000cp、特に100〜1000000cpである
ことが好ましく、シロキサン重合度が1000以下であ
ることが好ましい。
【0029】このような上記式(3)のオルガノポリシ
ロキサンとしては、特公昭48−10947号公報に記
載されているような高ビニル基含有オルガノポリシロキ
サンや下記構造の化合物などが好適に使用される。
【0030】
【化1】
【0031】上記白金族化合物の安定化は、例えば塩化
白金酸と上記式(3)のオルガノポリシロキサンとを直
接反応させた後に炭酸水素ナトリウム等で中和する方
法、塩化白金酸のアルコール錯体又はビニルシロキサン
錯体と上記式(3)のオルガノポリシロキサンとを熟成
する方法などを採用して白金族化合物のシロキサン錯体
を形成することにより行うことができる。
【0032】更に、上記安定化された白金族化合物を包
含するシリコーン樹脂は、R6 3SiO1/2単位、R6 2
iO2/2単位、R6 SiO3/2単位、SiO4/2単位のうち
少なくともR6 SiO3/2単位又はSiO4/2単位を含有
し、珪素原子に結合した全有機基(珪素−酸素結合は除
く)の10モル%以上が前記式(3)中のR5と同一の
基であり、かつ融点又は軟化点が30〜200℃であ
る。このシリコーン樹脂は、基本的には常温で上記安定
化された白金族化合物と相溶し得るが、第一成分のジオ
ルガノポリシロキサンとは非相溶である。特に、このシ
リコーン樹脂としては、R6 3SiO1/2単位0〜50モ
ル%、R6 2SiO2/2単位0〜30モル%、R6 SiO
3/2単位はSiO4/2単位が含まれない場合70〜100
モル%、SiO4/2単位が含まれる場合0〜90モル%
が好ましい。また、SiO4/2単位としては30〜80
モル%が好適である。
【0033】ここで、式中R6は非置換又は置換一価炭
化水素基であり、具体的には上記式(2)のオルガノハ
イドロジェンポリシロキサン中のR3と同様の基が挙げ
られる。
【0034】また、上記シリコーン樹脂は、珪素原子に
結合した全有機基の10モル%以上が前記式(3)中の
5と同一の基であり、この場合、R5としては、特にフ
ェニル基、フッ素含有基が望ましい。
【0035】更に、上記シリコーン樹脂は、その融点又
は軟化点が30〜200℃、特に40〜150℃である
必要があり、30℃に満たないと触媒成分が該シリコー
ン樹脂から滲出しやすく、保存安定性に問題が生じる。
200℃を超えると加熱硬化に際して、該シリコーン樹
脂が有効かつ迅速に溶融もしくは軟化しないため、触媒
成分を有効に使用することが困難となる。
【0036】このようなシリコーン樹脂としては、例え
ば特開平5−5063号、同4−36354号公報に記
載のフェニル基含有シリコーン樹脂やフッ素シリコーン
レジンが好適である。なお、これらの従来技術において
も本発明と類似の白金のビニルシロキサン錯体を使用し
ているが、本発明では、白金のシロキサン錯体を形成し
ているシロキサンの構造がこれを包含する上記シリコー
ン樹脂と類似の構造を有し、両者が相溶、一体化されて
いる点が従来と異なるもので、これによりシリコーン組
成物の保存性が驚くべきレベルで改良されるものであ
る。
【0037】上記安定化された白金化合物をシリコーン
樹脂で包含するには、両成分を有機溶媒、例えばジクロ
ロメタン、ベンゼン、メチルトリクロロシラン、ジオキ
サン等の存在下で混合し、スプレードライ法、フリーズ
ドライ法などを採用して行うことができる。この場合、
安定化された白金化合物とそれを包含するシリコーン樹
脂との混合割合は、出来上がったヒドロシリル化反応触
媒の軟化点が30〜200℃となる範囲が好ましく、一
般的には包含するシリコーン樹脂の割合がヒドロシリル
化反応触媒全体の80〜99.9%となる割合が好適で
ある。
【0038】本発明組成物において、上記ヒドロシリル
化反応触媒の添加量は、通常白金族金属原子として全成
分中に1〜2000ppm、特に5〜1000ppmの
範囲が好適であり、5ppmより少ないと組成物の十分
な硬化速度が得られない場合があり、2000ppmを
超えると経済的に問題があり、更に十分な保存性が得ら
れなくなる場合がある。
【0039】本発明のシリコーン組成物には、上記成分
以外に接着性を付与する目的で接着成分を添加すること
が可能である。接着成分としては、通常カーボンファン
クショナルシランとして市販されているビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シ
ラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシラン等の化合物や、一分子中に珪素原子に直結し
た水素原子、アルケニル基、アルコキシ基、エポキシ基
等の基を有する下記化合物などが例示される。なお、上
記接着成分の添加量は、前記一般式(1)成分100重
量部に対し0〜20重量部が好ましい。
【0040】
【化2】
【0041】また、本発明組成物に強度を付与すること
が必要な場合には、比表面積が50m2/g以上の微粉
末状シリカを添加することが有効である。上記微粉末状
シリカとして具体的には、親水性のシリカとしてAer
osil 130、200、300(日本アエロジル社
製、デグッサ(Degussa)社製)、Cabosi
l MS−5、MS−7(キャボット(Cabot)社
製)、Rheorosil QS−102、103(徳
山曹達社製)、Nipsil LP(日本シリカ社製)
等、疎水性シリカとしてAerosil R−812、
R−812S、R−972、R−974(デグッサ(D
egussa)社製)、Rheorosil MT−1
0(徳山曹達社製)、Nipsil SSシリーズ(日
本シリカ社製)等が例示される。
【0042】これら微粉末シリカの添加量は、前記第一
成分100重量部に対し0〜30重量部が好ましい。
【0043】更に、本発明では、その他の成分として石
英粉末、珪藻土、炭酸カルシウム、アルミナ、カーボン
ブラック等の準補強性の充填剤、コバルトブルー等の無
機顔料、有機染料などの着色剤、酸化セリウム、炭酸亜
鉛、炭酸マンガン、ベンガラ、酸化チタン等の耐熱性、
難燃性向上剤などの添加も可能であり、これらの添加量
は本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることがで
きる。
【0044】
【発明の効果】本発明のシリコーン組成物は、常温で長
期間にわたって安定で非常に優れた保存安定性を有する
上、硬化特性に優れ、加熱により速やかに硬化し得るも
ので、最近の市場の要求に十分対応することができ、押
し出し成型物、ポッティング剤、接着剤、コーティング
剤、液状射出成形システム等の各種分野に好適に利用す
ることができる。
【0045】
【実施例】以下、合成例、実施例及び比較例を示して本
発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限
されるものではない。なお、各例中の部はいずれも重量
部である。
【0046】〔合成例1〕 白金化合物の調製:攪拌機付きフラスコに塩化白金酸4
g、下記構造のオルガノポリシロキサン化合物15g、
メチルイソブチルケトン100gを投入し、更に炭酸水
素ナトリウム2.6gを加え、室温で1時間攪拌後、8
0℃に加熱しながら4時間攪拌した。
【0047】
【化3】
【0048】次に、この溶液を80℃、10mmHg減
圧下で濃縮したところ、塩化白金酸(白金濃度1%)の
ビニルフェニルシロキサン錯体(白金化合物A)が得ら
れた。 フェニルシロキサンレジンの調製:攪拌機付きフラスコ
にフェニルトリクロロシラン148gとプロピルトリク
ロロシラン53gを入れ、加水分解した後、ヘキサメチ
ルジシラン5gを加え、70℃で2時間攪拌し、シリル
化した。揮発分を減圧下で留去したところ、軟化点83
℃、Si−OH基が0.1mol%のフェニルシロキサ
ンレジン(シリコーンレジンA)が得られた。 ヒドロシリル化反応触媒の調製:上記白金化合物A30
g、上記シリコーンレジンA30gをジクロルメタン1
00gに均一に溶解させ、スプレードライ法を行ったと
ころ、シリコーンレジンに包含されたヒドロシリル化反
応触媒1が17g得られた。
【0049】〔合成例2〕合成例1で得られた白金化合
物A30g、シリコーンレジンA30gをベンゼン10
0gに均一に溶解させ、ドライアイス/メタノールによ
り固化させ、減圧下で室温まで戻し、溶媒が留去するま
で減圧を継続したところ(フリーズドライ法)、シリコ
ーンレジンに包含されたヒドロシリル化反応触媒2が2
8g得られた。
【0050】〔合成例3〕 3,3,3−トリフルオロプロピル基含有ビニルシロキ
サンオイルの合成:室温にて滴下漏斗、還流冷却器、攪
拌機付きのフラスコ中で3,3,3−トリフルオロプロ
ピルトリメチルシクロトリシロキサンの環状シロキサン
3量体155gをテトラヒドロフラン200gに溶解さ
せ、この溶液に臭化ビニルマグネシウム1000gを滴
下した。蒸留水を加え、60℃に加熱し、3時間攪拌し
た。
【0051】次に、100℃で10mmHg減圧下で濃
縮し、この濃縮した液体を10%塩酸水溶液とトルエン
との1:1(モル比)の混合溶液に投入し、60℃に加
熱して20時間攪拌した。その後、水洗し、硫酸ナトリ
ウムにて溶液を脱水したところ、下記構造の3,3,3
−トリフルオロプロピル基含有ビニルシロキサンオイル
が得られた。
【0052】
【化4】
【0053】白金化合物の調製:攪拌機付きフラスコに
塩化白金酸4gと上記3,3,3−トリフルオロプロピ
ル基含有ビニルシロキサンオイル12gとメタノール1
00gを投入し、更に炭酸水素ナトリウム2.6gを加
え、室温で1時間攪拌後、80℃に加熱しながら4時間
攪拌した。
【0054】次に、この溶液を60℃、10mmHg減
圧下で濃縮したところ、塩化白金酸(白金濃度1%)の
3,3,3−トリフルオロプロピル基含有ビニルシロキ
サン錯体(白金化合物B)が得られた。 フッ素シロキサンレジンの調製:攪拌機付きフラスコに
トリフルオロプロピルトリクロロシラン185gとメチ
ルトリクロロシラン30gを入れ、加水分解した後、ヘ
キサメチルジシラン5gを加え、70℃で2時間攪拌
し、シリル化した。揮発分を減圧下で留去したところ、
軟化点86℃、Si−OH基が0.2mol%のフッ素
シロキサンレジン(シリコーンレジンB)が得られた。 ヒドロシリル化反応触媒の調製:上記白金化合物B30
g、上記シリコーンレジンB30gをジオキサン150
gに均一に溶解させ、フリーズドライ法を行ったとこ
ろ、シリコーンレジンに包含されたヒドロシリル化反応
触媒3が16g得られた。
【0055】〔合成例4〕 ビニル基含有3,3,3−トリフルオロプロピルシロキ
サン長鎖オイルの合成:室温にて滴下漏斗、還流冷却
器、攪拌機付きのフラスコ中でメチルビニルシクロトリ
シロキサンの環状シロキサン3量体22gをアセトニト
リル63gに溶解させ、この溶液に下記式で示される5
配位珪素触媒を触媒量と蒸留水を加え、4時間攪拌し
た。
【0056】
【化5】
【0057】次に、この溶液を10℃に冷却させ、3,
3,3−トリフルオロプロピルトリメチルシクロトリシ
ロキサンの環状シロキサン3量体を200gと上記5配
位珪素触媒を触媒量溶解させ、6時間攪拌した。
【0058】更に、この溶液にジメチルビニルクロロシ
ラン20.4gとペンタメチルジビニルジシラザン35
gを加え、100℃に加熱し、1時間攪拌した。その
後、150℃で20mmHg減圧下で濃縮し、室温に放
冷し、加圧濾過を行ったところ、下記構造のビニル基含
有3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン長鎖オ
イルが得られた。
【0059】
【化6】
【0060】白金化合物の調製:攪拌機付きフラスコに
1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシ
ロキサン白金錯体のトルエン溶液(白金濃度5%)10
gと上記ビニル基含有3,3,3−トリフルオロプロピ
ルシロキサン長鎖オイル90gとメチルイソブチルケト
ン200gを投入し、80℃に加熱しながら4時間攪拌
した。
【0061】次に、この溶液を80℃、10mmHg減
圧下で濃縮したところ、白金濃度1%のビニル基含有
3,3,3−トリフルオロプロピル長鎖シロキサン錯体
(白金化合物C)が得られた。 ヒドロシリル化反応触媒の調製:上記白金化合物C30
g、上記シリコーンレジンB30gをジオキサン150
gに均一に溶解させ、フリーズドライ法により混合した
ところ、シリコーンレジンに包含されたヒドロシリル化
反応触媒4が17g得られた。
【0062】〔合成例5〕 白金化合物の調製:攪拌機付きフラスコに塩化白金酸4
gと1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチル
ジシロキサン6.4gとエタノール100gを投入し、
更に炭酸水素ナトリウム2.6gを加え、室温で1時間
攪拌後、80℃に加熱しながら4時間攪拌した。
【0063】次に、この溶液を80℃、10mmHg減
圧下で濃縮したところ、塩化白金酸(白金濃度0.5
%)のビニルメチルシロキサン錯体(白金化合物D)が
得られた。 ヒドロシリル化反応触媒の調製:上記白金化合物D30
g、上記合成例1で得られたシリコーンレジンA30g
をジクロルメタン150gに均一に溶解させ、スプレー
ドライ法により混合したところ、シリコーンレジンに包
含されたヒドロシリル化反応触媒5が16g得られた。
【0064】〔合成例6〕 ヒドロシリル化反応触媒の調製:上記合成例5で得られ
た白金化合物D30g、上記合成例3で得られたシリコ
ーンレジンB30gをジオキサン150gに均一に溶解
させ、フリーズドライ法を行ったところ、シリコーンレ
ジンに包含されたヒドロシリル化反応触媒6が16g得
られた。
【0065】〔実施例1〕両末端がジメチルビニルシリ
ル基で封鎖された25℃での粘度が10000cpのジ
メチルシロキサンポリマー100部、比表面積が300
cm2/gの煙霧質シリカ20部、ヘキサメチルジシラ
ザン8部、水1部をニーダーに仕込み、常温で1時間攪
拌混合を行った後、150℃に昇温し、2時間保温混合
を行った。その後、混合物を常温まで冷却し、両末端が
ジメチルビニルシリル基で封鎖された25℃での粘度が
10000cpのジメチルシロキサンポリマーを更に2
0部及び下記式で示される常温での粘度が約10cpの
ハイドロジェンメチルポリシロキサン3部を添加し、均
一に混合した。
【0066】
【化7】
【0067】この混合物100部に1,5−ジハイドロ
ジェン−1,3,5,7−テトラメチル−3−トリメト
キシシリルエチル−7−グリシジルプロピルテトラシロ
キサン1部、トリアリルイソシアレート0.2部を添加
し、均一に混合し、シリコーンゴムベースコンパウンド
を得た。
【0068】このシリコーンゴムベースコンパウンド1
00部に上記合成例1で得られたヒドロシリル化反応触
媒1を0.5部添加し、均一に混合し、硬化性シリコー
ン組成物を得た。
【0069】〔実施例2〕ヒドロシリル化触媒1の代わ
りに上記合成例2で得られたヒドロシリル化反応触媒2
を0.5部添加する以外は実施例1と同様にして硬化性
シリコーン組成物を得た。
【0070】〔実施例3〕実施例1と同様のシリコーン
ゴムベースコンパウンド100部に合成例3で得られた
ヒドロシリル化反応触媒3を0.5部添加し、均一にな
るまで攪拌混合した後、更に3本ロールで均一に混合
し、硬化性シリコーン組成物を得た。
【0071】〔実施例4〕実施例1と同様のシリコーン
ゴムベースコンパウンド100部に合成例4で得られた
ヒドロシリル化反応触媒4を0.5部添加し、均一に混
合し、硬化性シリコーン組成物を得た。
【0072】〔比較例1〕実施例1と同様のシリコーン
ゴムベースコンパウンド100部に合成例5で得られた
ヒドロシリル化反応触媒5を1部添加し、均一に混合
し、硬化性シリコーン組成物を得た。
【0073】〔比較例2〕実施例1と同様のシリコーン
ゴムベースコンパウンド100部に合成例6で得られた
ヒドロシリル化反応触媒6を1部添加し、均一に混合
し、硬化性シリコーン組成物を得た。
【0074】上記実施例1〜4及び比較例1,2で得ら
れた硬化性シリコーン組成物の熱による硬化特性と貯蔵
安定性を下記方法で測定した。結果を表1に示す。 熱による硬化特性:キュラストメーターを使用し、12
0℃においてシリコーン組成物の硬化が開始するまでの
時間(It)とトルクが最大値の90%に達するまでの
時間(T90)を求め、硬化性の目安とした。 貯蔵安定性:シリコーン組成物を40℃にて放置し、流
動性のなくなるまでの時間を可使時間として測定した。
【0075】表1の結果より、本発明のシリコーン組成
物(実施例1〜4)は、硬化特性が良好であり、かつ貯
蔵安定性に優れていることが確認された。
【0076】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 隆 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 平4−36354(JP,A) 特開 平5−5063(JP,A) 特公 昭53−41707(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 83/07 C08L 83/04 C08L 83/05

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)下記一般式(1) R1 a2 b(CH3cSiO[4-(a+b+c)]/2 (1) (但し、式中R1は炭素数2〜8の脂肪族不飽和基、R2
    は脂肪族不飽和基及びメチル基以外の非置換又は置換の
    一価炭化水素基であり、a、b、cはそれぞれc/(a
    +b+c)≧0.95、0.0001<a<0.05、
    1.8<a+b+c<2.205を満たす数である。)
    で示され、一分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも2個
    含有し、かつ珪素原子に結合した有機基(珪素−酸素結
    合は除く)のうち少なくとも95モル%がメチル基であ
    るジオルガノポリシロキサン (2)下記一般式(2) R3 deSiO[4-(d+e)]/2 (2) (但し、式中R3は非置換又は置換一価炭化水素基であ
    り、d、eはそれぞれ0.002≦e≦1.0、1.8
    <d<2.2で1.8<d+e≦3.0を満たす数であ
    る。)で示され、一分子中に少なくとも3個の珪素原子
    に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポ
    リシロキサン (3)下記一般式(3) R4 f5 g(CH3hSiO[4-(f+g+h)]/2 (3) (但し、式中、R4は炭素数2〜8の脂肪族不飽和基、
    5は脂肪族不飽和基及びメチル基以外の非置換又は置
    換一価炭化水素基であり、f、g、hはそれぞれ(f+
    g)/(f+g+h)≧0.10、0.0001<f≦
    2.0、1.8<f+g+h<2.205を満たす数で
    ある。)で示され、一分子中に少なくとも2個の脂肪族
    不飽和基を有し、かつ珪素原子に結合した全有機基(珪
    素−酸素結合は除く)の10モル%以上がメチル基以外
    の基であるオルガノポリシロキサンによって安定化され
    た白金族化合物が、更にR6 3SiO1/2単位、R6 2Si
    2/2単位、R6SiO3/2単位、SiO4/2単位(但し、
    式中R6は非置換又は置換一価炭化水素基である。)の
    うち少なくともR6SiO3/2単位又はSiO4/2単位を
    含有し、珪素原子に結合した全有機基(珪素−酸素結合
    は除く)の10モル%以上が前記式(3)中のR5と同
    一の基であり、かつ融点又は軟化点が30〜200℃で
    あるシリコーン樹脂で包含されてなるヒドロシリル化反
    応触媒を配合してなることを特徴とするシリコーン組成
    物。
  2. 【請求項2】 下記一般式(3) R4 f5 g(CH3hSiO[4-(f+g+h)]/2 (3) (但し、式中、R4は炭素数2〜8の脂肪族不飽和基、
    5は脂肪族不飽和基及びメチル基以外の非置換又は置
    換一価炭化水素基であり、f、g、hはそれぞれ(f+
    g)/(f+g+h)≧0.10、0.0001<f≦
    2.0、1.8<f+g+h<2.205を満たす数で
    ある。)で示され、一分子中に少なくとも2個の脂肪族
    不飽和基を有し、かつ珪素原子に結合した全有機基(珪
    素−酸素結合は除く)の10モル%以上がメチル基以外
    の基であるオルガノポリシロキサンによって安定化され
    た白金族化合物が、更にR6 3SiO1/2単位、R6 2Si
    2/2単位、R6SiO3/2単位、SiO4/2単位(但し、
    式中R6は非置換又は置換一価炭化水素基である。)の
    うち少なくともR6SiO3/2単位又はSiO4/2単位を
    含有し、珪素原子に結合した全有機基(珪素−酸素結合
    は除く)の10モル%以上が前記式(3)中のR5と同
    一の基であり、かつ融点又は軟化点が30〜200℃で
    あるシリコーン樹脂で包含されてなることを特徴とする
    付加硬化型シリコーン組成物用ヒドロシリル化反応触
    媒。
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