JP3182646U - 外向フランジ部付金属製部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】曲げ剛性等に関して必要とする性能を確保しつつ、軽量化を図った外向フランジ部付金属製部材を提供する。
【解決手段】支持フランジ7bは、複数の放射腕部19b、19bにより構成される。これら各放射腕部19b、19bの片面を相手部材と突き合わせる接合面とし、同じく他面を、これら各放射腕部19b、19bと相手部材とを結合する為のボルトの頭部内面を当接させる反接合面とする。これら各放射腕部19b、19bの円周方向に関する幅W、wを、この反接合面側で狭く、前記接合面側で広くする。反接合面側の幅寸法wの過剰分をなくす分、重量を増大させずに前記各放射腕部19b、19bの厚さ寸法Tを確保できる。
【選択図】図1

Description

この考案は、例えば、車輪支持用転がり軸受ユニットを構成する軌道輪部材、即ち、外輪やハブの如く、外周面に外向フランジ部を設けた、外向フランジ付金属製部材の改良に関する。具体的には、曲げ剛性等に関して必要とする性能を確保しつつ、軽量な前記軌道輪部材の実現を図るものである。
自動車の車輪を構成するホイール、及び、制動用回転部材であるディスク或いはドラムを懸架装置を構成するナックルに回転自在に支持する為に、車輪支持用転がり軸受ユニットが広く使用されている。図7は、従来から広く知られている、従動輪(FR車及びMR車の前輪、FF車の後輪)用の車輪支持用転がり軸受ユニット1の1例を示している。この車輪支持用転がり軸受ユニット1は、外輪2の内径側にハブ3を、複数の転動体4、4を介して、回転自在に支持している。使用状態では、前記外輪2を前記ナックルに結合固定し、前記ハブ3に車輪及び制動用回転部材を支持固定する。そして、これら車輪及び制動用回転部材を前記ナックルに対し、回転自在に支持する。
この為に、前記外輪2の内周面の2個所位置に複列の外輪軌道5、5を、外周面の一部で、軸方向中央部よりも少し軸方向内寄り部分(軸方向に関して内とは、使用状態で車体の幅方向中央側となる側を言い、図7の右側。反対に、使用状態で車体の幅方向外側となる、図7の左側を、軸方向に関して外と言う。本明細書全体で同じ。)に、実用新案登録請求の範囲に記載した外向フランジ部である取付部6を、それぞれ形成している。一方、前記ハブ3の外周面には、前記外輪2よりも軸方向外方に突出した外端寄り部分に、やはり実用新案登録請求の範囲に記載した外向フランジ部であって、車輪及び制動用回転部材を支持固定する為の支持フランジ7を、軸方向中間部乃至内端寄り部分に複列の内輪軌道8、8を、それぞれ形成している。そして、これら両列の内輪軌道8、8と前記両列の外輪軌道5、5との間に、両列毎に複数個ずつの転動体4、4を配置して、前記外輪2の内径側での前記ハブ3の回転を自在としている。
尚、前記ハブ3は、ハブ本体9と、内輪10と、ナット11とから成り、前記内輪軌道8、8は、このハブ本体9の中間部及びこの内輪10の外周面に形成されている。又、この内輪10は、このハブ本体9の軸方向内端寄り部分に形成した小径段部12に外嵌した状態で、前記ナット11により、前記ハブ本体9に対し固定している。尚、このハブ本体9の内端部に形成したかしめ部により、前記内輪10をこのハブ本体9に対し固定する構造も、広く知られている。
上述の様な車輪支持用転がり軸受ユニット1を構成する、前記外輪2や前記ハブ本体9等の、外向フランジ部付金属製部材の一種である外向フランジ付の軌道輪部材は、炭素鋼等の金属材料に塑性加工を施す事により造る。この様な塑性加工の方法に就いては、例えば特許文献1に記載される等により、従来から広く知られている。図8は、前記ハブ本体9を塑性加工(冷間鍛造)により造る状態を示している。先ず、圧延成形等により造られた長尺な原材料を所定長さに切断する事により、(A)に示す様な、円柱状の素材13を得る。次いで、この素材13に、軸方向に押し潰す据え込み加工を施す事により、(B)に示す様な、ビヤ樽型の第一中間素材14とする。次に、この第一中間素材14に、軸方向片半部(図8の下半部、完成後のハブ本体9の軸方向内半部)を所定の内周面形状を有する金型(ダイス)内に押し込んで前記軸方向片半部の内径を縮める荒成形加工を施す事により、(C)に示す様な第二中間素材15とする。次に、この第二中間素材15を所定の内周面形状を有するダイス内にセットした状態で、この第二中間素材15の軸方向他端面(図8の上端面、完成後のハブ本体9の軸方向外端面)にパンチを押し付けて、この軸方向他端面を凹ませると共に、前記第二中間素材15を構成する金属材料を径方向外方に流動させる仕上成形加工を施す事により、(D)に示す様な第三中間素材16とする。この第三中間素材16には、ダイスの突き合わせ面にバリ17が形成されるので、トリミングによりこのバリ17を除去して、(E)に示す様な第四中間素材18とする。そして、この第四中間素材18に、所定の切削加工及び研削加工を施して、前記ハブ本体9とする。
この様にして造られるハブ本体9の外周面に設ける、車輪や制動用回転部材を固定する為の支持フランジ7として従来一般的には、図9の(A)に示す様な円板状のものが使用されていた。
一方、近年、バネ下荷重の低減により、乗り心地や走行安定性を初めとする走行性能向上や、材料費の低減によるコスト削減等の為、図9の(B)に示す様に、外周面に放射状の支持フランジ7aを設けたハブ本体9aを使用する事が考えられている。即ち、この支持フランジ7aを、このハブ本体9aの中間部外周面の軸方向外端寄り{図9の(B)の右下寄り}部分の円周方向複数個所からそれぞれ径方向外方に突出する状態で形成された、複数の放射腕部19、19により構成する事で、前記支持フランジ7aの容積を低減し、前記ハブ本体9aを含む車輪支持用転がり軸受ユニットの軽量化を図るものである。
但し、従来から考えられていた、前記支持フランジ7aの場合、前記各放射腕部19、19の断面形状に就いて特に考慮していなかった為、曲げ剛性等に関して必要とする性能を確保しつつ、より一層の軽量化を図る上で、改良の余地があった。この点に就いて、図10、11を参照しつつ説明する。図10は、前記特許文献1に記載された製造方法(冷間での側方押出加工)により造られたハブ本体9aであり、中間部外周面の軸方向外端寄り{図10の(B)の上寄り}部分に、複数(図示の例では4枚)の放射腕部19、19から成る支持フランジ7aを形成している。従来構造の場合、これら各放射腕部19、19の断面形状(=径方向から見た端面形状)は、図11に示す様に長矩形であった。そして、前記ハブ本体9aの円周方向に関する幅寸法は、このハブ本体9aの軸方向両側面同士の間で、(小さな面取り分を除き)実質的に互いに同じであった。
一方、前記支持フランジ7aとしての機能から前記各放射腕部19、19を見た場合、前記ハブ本体9aの軸方向に関して、これら各放射腕部19、19両側面同士の間では、必要とされる幅寸法が異なる。先ず、軸方向外側面に関しては、ディスクブレーキ用のロータを支持する為の接合面であり、この接合面とロータの取付面との当接部に作用する面圧を低く抑え、フレッチング等の損傷を防止する面から、できるだけ広い事が好ましい。これに対して、軸方向内側面、即ち反接合面に関しては、前記支持フランジ7aと前記ロータとを結合する為のボルト20の頭部21(図7参照)の内面(ねじ杆部を設けた側で、締め付け時に相手面に押し付けられる面)を当接させる為に必要とされる面であり、前記頭部21の内面を安定して当接させられるだけの幅があれば良い。これらの事を考慮して、前記各放射腕部19、19の両面の幅を最適にしつつ、前記ハブ本体9aの軸方向に関するこれら各放射腕部19、19の厚さ寸法を設定すれば、曲げ剛性等に関して必要とする性能を確保しつつ、より一層の軽量化を図れる余地がある。
尚、この様な問題は、図12に示す様な、中間部外周面に複数の放射腕部19a、19aから成る取付部6aを設けた外輪2に関しても同様である。
特開2006−111070号公報
本考案は、上述の様な事情に鑑みて、曲げ剛性等に関して必要とする性能を確保しつつ、ハブ本体や外輪等の軌道輪部材の如く、外周面に外向フランジ部を備えた金属製部材の、より一層の軽量化を実現すべく考案したものである。
本考案の外向フランジ部付金属製部材は、金属製の素材に塑性加工を施す事により造られたもので、外周面の軸方向一部に外向フランジ部を設けて成る。又、この外向フランジ部は、円周方向複数個所からそれぞれ径方向外方に突出する状態で形成された、複数の放射腕部により構成される。又、前記外周面の軸方向に関して、これら各放射腕部の片面を相手部材と突き合わせる接合面とし、同じく他面を、これら各放射腕部と相手部材とを結合する為のボルトの頭部内面を当接させる反接合面としている。
特に、本考案の外向フランジ部付金属製部材に於いては、前記各放射腕部の前記円周方向に関する幅を、この反接合面側で狭く、前記接合面側で広くしている。更に、前記各放射腕部の反接合面側の幅寸法をwとし、同じく接合面側の幅寸法をWとした場合に、w/W≦0.7の関係を満たす様に規制している。
又、上述の様な本考案を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した考案の様に、前記各放射腕部の反接合面側の幅寸法wと、同じく接合面側の幅寸法Wとが、w/W≦0.5の関係を満たす様に規制する。
又、上述の様な本考案を実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した考案の様に、前記各放射腕部のうちで、軸方向に関して前記接合面側半部の幅寸法Wを一定とし、軸方向に関して前記反接合面側半部の幅寸法を、この反接合面側に向かうに従ってWからw迄漸減させる。
上述の様に構成する本考案の外向フランジ部付金属製部材によれば、外向フランジの曲げ剛性等に関して必要とする性能を確保しつつ、ハブ本体や外輪等の軌道輪部材の如く、外周面の外向フランジ部を備えた金属製部材の、より一層の軽量化を図れる。
即ち、前記外向フランジ部を構成する各放射腕部の接合面側の幅寸法を大きくしている分、この接合面とロータ等の相手部材の取付面との当接部に作用する面圧を低く抑え、フレッチング等の損傷を防止できる。これに対して前記各放射腕部の反接合面の幅寸法は、ボルトの頭部の内面を当接させられるだけの幅寸法を確保して小さくできる。そして、前記反接合面の幅寸法を小さくできる分、前記各放射腕部の断面積(∝容積)を同じと仮定した場合には、これら各放射腕部の厚さ寸法を大きくできる。前記外向フランジ部を構成するこれら各放射腕部に作用する力のうちで、作用する頻度が高く、しかも最大値が大きくなる力に、外向フランジ付金属製部材の中心軸を含む仮想平面上で、前記各放射腕部を曲げる方向に加わるモーメントがある。そして、このモーメントに対する強度及び剛性を向上させる為には、前記外向フランジ付金属製部材の中心軸方向の寸法である、前記各放射腕部の厚さ寸法を大きくする事が効果がある。この事から明らかな通り、本考案の構造によれば、前記各放射腕部の断面積(∝容積)を同じと仮定した場合には、これら各放射腕部の強度及び剛性の向上を図れる。又、必要とする強度及び剛性を同じとした場合には、前記各放射腕部の断面積(∝容積)を小さくして、軽量化を図れる。
本考案の実施の形態の第1例を示す、ハブ本体を軸方向内方から見た正面図(A)及び(A)の下方から見た底面図(B)。 第1例の構造を造る為の製造方法を工程順に示す、素材乃至最終中間素材の平面図及び正面図。 本考案の実施の形態の第2例の構造を造る為の製造方法を工程順に示す、素材乃至最終中間素材の断面図。 第二中間素材を最終中間素材に加工する為の仕上成形工程を工程順に示す断面図。 本考案の実施の形態の第3例の構造を造る為の製造方法を工程順に示す、素材乃至最終中間素材の断面図。 第二中間素材の軸方向両端部に第一、第二両円形凹部を、外周面に取付部を、ぞれぞれ形成する為の第二の据え込み加工の実施状況を工程順に示す断面図。 本考案の対象となる外向フランジ部付金属製部材であるハブ本体及び外輪を備えた車輪支持用転がり軸受ユニットの1例を示す断面図。 従来から知られているハブ本体の製造方法の1例を工程順に示す断面図。 外周面に支持フランジを形成したハブ本体の2例を示す斜視図。 従来から知られている形状を有するハブ本体を軸方向外方から見た正面図(A)及び(A)のイ−イ断面図(B)。 従来から知られている形状を有するハブ本体の支持フランジの形状を説明する為の、図1と同様の図。 従来から知られている形状を有する外輪を軸方向から見た正面図(A)及び(A)のロ−ロ断面図(B)。
[実施の形態の第1例]
図1、2は、総ての請求項に対応する、本考案の実施の形態の第1例を示している。本例は、本考案を、車輪支持用転がり軸受ユニット1(図7参照)を構成するハブ本体9bに適用した場合に就いて示している。このハブ本体9bの基本的な構造に就いては、前述の図9の(B)に示したハブ本体9aの場合と同様である。特に、本例のハブ本体9bの場合には、実用新案登録請求の範囲に記載した外向フランジ部である支持フランジ7bを構成する、複数(図示の例では4本)の放射腕部19b、19bの形状を工夫している。
即ち、前記ハブ本体9bの円周方向に関するこれら各放射腕部19b、19bの幅寸法W、wを、ディスクブレーキ用のロータの側面を突き合わせる接合面である軸方向外側面{図1の(B)の下面}側で広く(Wと)し、前記ロータと前記支持フランジ7bとを結合する為のボルト20の頭部21(図7参照)の内面を当接させる反接合面である軸方向内側面{図1の(B)の上面}側で狭く(wと)している(W>w)。この軸方向内側面側の幅wは、前記頭部21の一部がこの軸方向内側面からはみ出さない範囲で、できるだけ狭く(この頭部21の外接円の直径と同程度若しくは少しだけ大きい程度に)規制している。本例の場合には、前記各放射腕部19b、19bのうちで、前記ハブ本体9bの軸方向に関して外半部の幅寸法を一定(Wのまま)とし、内半部の幅寸法を、Wからw迄漸減させている。従って、前記各放射腕部19b、19bの断面形状(端面形状)は、長矩形に等脚台形を重ね合わせた如き形状である。尚、各角の断面形状は円弧形として、これら各角が尖らない様にしている。
本例の場合、前記各放射腕部19b、19bの軸方向外側面の幅寸法Wを大きくしている分、接合面であるこの軸方向外側面と前記ロータの取付面との当接面積を確保して、この当接部に作用する面圧を低く抑え、フレッチング等の損傷を防止できる。これに対して前記各放射腕部19b、19bの軸方向内側面の幅寸法wを小さくした分、これら各放射腕部19b、19bの断面積(∝容積)を同じと仮定した場合には、これら各放射腕部19b、19bの厚さ寸法Tを大きくできる。尚、前記軸方向外側面の幅寸法Wに比べて軸方向内側面の幅寸法wを小さくする程度は、著しい程本考案の効果を得られるので、前記各放射腕部19b、19bに装着する前記ボルト20の頭部21の外径との関係で定める。本考案の効果を十分に得る為に好ましくは、w/W≦0.7とし、更に好ましくは、w/W≦0.5とする。
前記支持フランジ7bを構成する前記各放射腕部19b、19bに作用する力のうちで、作用する頻度が高く、しかも最大値が大きくなる力に、前記支持フランジ7bに固定した車輪(タイヤ)と路面との摩擦に伴って、前記車輪支持用転がり軸受ユニットに加わるモーメントがある。このモーメントは、前記タイヤと路面との当接部(接地面)を入力点として、前記ハブ本体9bの中心軸を含む仮想平面上で、前記各放射腕部19b、19bを曲げる方向に加わる。そして、このモーメントに対する強度及び剛性を向上させる為には、前記各放射腕部19b、19bの厚さ寸法Tを大きくする事が効果がある。この事から明らかな通り、本例の構造によれば、前記各放射腕部19b、19bの断面積(∝容積)を同じと仮定した場合には、これら各放射腕部19b、19bの強度及び剛性の向上を図れる。又、必要とする強度及び剛性を同じとした場合には、前記各放射腕部19b、19bの断面積(∝容積)を小さくして、軽量化を図れる。
上述した様な本例のハブ本体9bは、基本的には、前述の特許文献1に記載された様な、冷間鍛造の一種である、側方押出加工により造る。
先ず、圧延成形等により造られた長尺な原材料を所定長さに切断する事により、図2の(A)に示す様な、円柱状の素材13を得る。次いで、この素材13に、2段階の前方押出加工を施す事により、(B)に示した第一中間素材22を経て、(C)に示した第二中間素材23を得る。次に、この第二中間素材23を所定の内周面形状を有する分割型のダイス(例えば、実施の形態の第2例の構造を造る為の製造方法を示す図4参照)内にセットした状態で、この第二中間素材23の軸方向端面にパンチを押し付けて、この軸方向端面を凹ませると共に、この第二中間素材23を構成する金属材料を径方向外方に流動させる、冷間鍛造の一種である、前記側方押出加工を施す事により、(D)に示す様な第三中間素材24とする。
本例の構造を造る為の製造方法の場合、前記側方押出加工を施す分割型のダイスの合わせ面に、前記各放射腕部19b、19bを成形する為の放射腕部成形用キャビティを設ける。この放射腕部成形用キャビティは、形成すべき前記各放射腕部19b、19bの断面形状に合わせて、幅寸法を異ならせている。尚、前記放射腕部成形用キャビティを構成する為、前記分割型のダイスを構成する1対のダイス素子のうちの一方のダイス素子の一部で、他方のダイス素子との突き合わせ面に成形用凹部を形成する。この成形用凹部は、開口部の幅に比べて底部の幅が狭くなる形状として、加工後の前記各放射腕部19b、19bの取り出しを可能にする。前記第三中間素材24には、ボルト20の頭部21の内面を当接させる座面25、25を形成する為のサイジング加工を施して、図2の(E)に示した第四中間素材26とする。尚、前記座面25、25に要求される精度が低い場合には、前記サイジング加工を省略する事もできる。本例の構造を造る為の製造方法の場合には、このサイジング加工を施した前記第四中間素材26に、ボルト20を挿通する為の円孔を形成する為の穿孔、バリ取り等の所定の切削加工及び研削加工を施して、前記ハブ本体9bとする。
[実施の形態の第2例]
図3、4も、総ての請求項に対応する、本考案の実施の形態の第2例を示している。本例も、本考案を、車輪支持用転がり軸受ユニット1(図7参照)を構成するハブ本体9b(図1参照)に適用したものである。又、この様な本例のハブ本体9bを造る為に、前述の特願2008−17166に開示された製造方法を適用している。この様な本例の構造を造る為の製造方法の場合、先ず、中炭素鋼の如き鉄系合金等の、塑性加工後に焼き入れ硬化可能な、金属材料を圧延成形する等により造られた、長尺な原材料を所定長さに切断する事により、(A)に示す様な、円柱状の素材13を得る。次いで、この素材13に、軸方向に押し潰す据え込み加工を施す事により、(B)に示す様な、ビヤ樽型の第一中間素材14とする。次に、この第一中間素材14に、軸方向片半部(図3の下半部、完成後のハブ本体9bの軸方向内半部)を所定の内周面形状を有する金型(ダイス)内に押し込んで前記軸方向片半部の内径を縮める荒成形加工を施す事により、(C)に示す様な第二中間素材15とする。この様な、図3の(A)→(C)に示した工程は、前述の図8に示した従来の製造方法の場合と同様である。
本例の構造を造る為の製造方法の特徴は、以下に述べる、図3の(C)→(D)の仕上成形工程(第二の据え込み加工)にある。この仕上成形工程では、図3の(C)に示した前記第二中間素材15を、図4に示す様に、固定ダイス27と可動ダイス28とで囲んだ状態で、パンチ29によりこの第二中間素材15を軸方向に押し潰し、図3の(D)に示した最終中間素材30とする。前記固定ダイス27の中心部には、得るべき前記ハブ本体9bの軸方向内半部に見合う内周面形状を有する、成形孔31を設けている。この成形孔31の内周面形状は、前記第二中間素材15の軸方向内半部を塑性加工する(この第二中間素材15を構成する金属材料を充満させる)事により、完成後のハブ本体9bの軸方向内半部に比べて、必要となる削り代分大きな外形を有する、前記最終中間素材30の軸方向内半部を加工できるだけの形状及び大きさとしている。
又、前記固定ダイス27の上面には、成形用凹部32を、前記成形孔31の上端開口から径方向外方に連続する状態で形成している。この成形用凹部32は、前記ハブ本体9bの外周面の軸方向外端寄り部分に、実用新案登録請求の範囲に記載した外向フランジ部である、放射状の支持フランジ7bを形成する為のもので、前述の図1に示す様な支持フランジ部7bに見合う(所定の削り代分だけ大きな)形状及び大きさを有する。即ち、前記成形用凹部32は、前述の実施の形態の第1例の構造を造る為の製造方法に使用する分割型のダイスの一方のダイス素子に形成した成形用凹部と同様に、開口部の幅に比べて底部の幅が(上から下に向かう程)狭くなる形状として、加工後の各放射腕部19b、19bの取り出しを可能にしている。この様な前記固定ダイス27は、熱間鍛造を行う為の、プレス加工機の基台の上面等に固定されている。
一方、前記可動ダイス28及び前記パンチ29は、前記プレス加工機のラムの下面等に支持固定される取付板33の下面に設置されている。このうちのパンチ29はこの取付板33の下面中央部に、鉛直方向に配置された状態で結合固定されている。このパンチ29の断面形状は円形で、下端部は、得るべき前記最終中間素材30の軸方向外端面の形状に見合う形状としている。即ち、前記パンチ29の下端部に、この最終中間素材30の軸方向外端面の中央部に円形凹部34を形成する為の円形凸部35と、この円形凸部35の基端部の周囲に設けられた環状段差面36とを形成している。更に、前記可動ダイス28は、この様なパンチ29の周囲に、昇降可能に外嵌されている。又、この可動ダイス28と前記取付板33との間に、圧縮コイルばね等の弾性部材37、37を設けて、この可動ダイス28に下方に向く弾力を付与している。これら各弾性部材37、37の弾力は相当に大きく、具体的には、前記ラムが前記パンチ29を下方に押圧する力よりは小さいが、前記第二中間素材15の塑性変形に伴って前記成形用凹部32内に流入した金属材料が前記可動ダイス28を(上方に)押圧する力よりは大きい。前記ラムに対する前記可動ダイス28の下降量は、これらラムと可動ダイス28との間に設けたストッパ機構により規制している。
前述した様な固定ダイス27と上述の様な可動ダイス28及びパンチ29とを備えた鍛造加工装置により、図3の(C)に示した前記第二中間素材15を同(D)に示した最終中間素材30とするには、先ず、図4の(A)に示す様に、前記可動ダイス28及びパンチ29を上昇させた状態で、前記第二中間素材15の軸方向内半部を前記固定ダイス27の成形孔31内にセットする。次いで、プレス加工機のラムにより前記可動ダイス28及びパンチ29を下降させると、先ず図4の(B)に示す様に、この可動ダイス28の下面が前記固定ダイス27の上面に突き当てられる。この状態で、この可動ダイス28と前記成形用凹部32との間に、前記支持フランジ7bを構成する前記各放射腕19b、19bを形成する為の、放射腕成形用キャビティ38が画成される。
そこで、この状態から、更に前記ラムを下降させると、図4の(C)→(D)→(E)に示す様に、前記可動ダイス28をそのままの位置に止めたまま前記パンチ29が、前記各弾性部材37、37を弾性変形(圧縮)しつつ下降する。そして、このパンチ29の下端面により、前記第二中間素材15を軸方向に強く押圧する。この押圧の初期乃至中間段階では、図4の(B)→(C)→(D)に示す様に、前記第二中間素材15の軸方向外端面の中央部を凹ませつつ、この第二中間素材15の軸方向内半部を前記成形孔31の凹部に押し込む。この様な、図4の(D)に示した状態で、前記第二中間素材15の軸方向内半部の外面形状は、得るべき最終中間素材30の軸方向内半部の外面形状に加工される。
この状態から、前記ラムにより前記パンチ29を更に下降させると、前記第二中間素材15の軸方向内半部が軸方向に押し潰され、その結果、この第二中間素材15を構成する金属材料が、図4の(C)→(D)→(E)に示す様に、前記放射腕成形用キャビティ38に送り込まれる。この結果、外周面の外端寄り部分に、前述の実施の形態の第1例を表した図1に示す様な、放射状で両側面の幅寸法W、wが異なる複数の放射腕部19b、19bから成る支持フランジ7bを形成した、前記最終中間素材30を得られる。そこで、前記ラムにより前記固定ダイス27及び前記パンチ29を上昇させ、図示しないノックアウトピン等により、前記最終中間素材30を前記固定ダイス27の成形孔31から取り出す。この様にして、この固定ダイス27から取り出した前記最終中間素材30は、次の工程に送って、必要とする切削加工及び研削加工を施し、前記図1に示す様なハブ本体9bとする。
前記最終中間素材30に設けた支持フランジ7bを構成する各放射腕部19b、19b同士の間には、バリが形成されていない(フラッシュレス)か、仮に形成されていても極く小さいバリに止まる。この為、前記切削加工時に除去する金属材料は少なくて済み、材料の歩留り向上によるコスト低減を図れる。更には、不要なバリを形成せずに済む分だけ、鍛造の為のプレス荷重を低減できて、小型のプレス加工機の使用が可能になったり、運転経費を節減できる等の面からも、コスト低減を図れる。
勿論、本例の場合も、前記各放射腕部19b、19bの軸方向外側面の幅寸法Wを大きく、軸方向内側面の幅寸法wを小さくしている分、前記支持フランジ7bの曲げ剛性等に関して必要とする性能を確保しつつ、前記ハブ本体9bの軽量化を図れる。
[実施の形態の第3例]
図5、6も、総ての請求項に対応する、本考案の実施の形態の第3例を示している。本例は、本考案を、車輪支持用転がり軸受ユニット1(図7参照)を構成する外輪2に適用したものである。尚、本例の外輪2は、熱間鍛造により造っている。この様な本例の外輪2を造る為の製造方法の場合、図5の(A)に示した、中炭素鋼、軸受鋼、浸炭鋼の如き鉄系合金等の、塑性加工後に焼き入れ硬化可能な、金属製で円柱状の素材13aに、順次、塑性加工或いは打ち抜き加工を施す。そして、(B)に示した第一中間素材14a、(C)に示した第二中間素材39、(D)に示した第三中間素材40、(E)に示した第四中間素材41を経て、(F)に示した最終中間素材42を得る。更に、この最終中間素材42に、必要とする切削加工及び研削加工を施して、前記外輪2とする。前記素材13aの容積は、前記第四中間素材41本来の容積よりも少しだけ(この第四中間素材41に比べて後述するバリ43の容積分だけ)大きくしている。以下、前記素材13aを前記最終中間素材42に加工する工程に就いて、順番に説明する。尚、以下の加工は、基本的には総て熱間若しくは温間で行うが、小型のハブを形成する場合等、可能であれば、冷間で行っても良い。
先ず、第一の据え込み工程で、図5の(A)→(B)に示す様に、前記素材13aを軸方向に押し潰しつつ外径を拡げ、この素材13aを、径方向中間部が膨らんだビヤ樽型の、前記第一中間素材14aとする。
次の前後方押し出し工程(荒成形加工)で、図5の(B)→(C)に示す様に、前記第一中間素材14aを前記第二中間素材39に塑性加工する。この様な前後方押し出し工程では、鍛造加工の分野で広く知られている方法により、前記第一中間素材14aの径方向中央寄り部分を軸方向に押し潰し、この径方向中央寄り部分の金属材料を、径方向外方に移動させつつ、軸方向両側(前後両方向)に移動させる。
次に行う、前記第一中間素材14aの径方向中央寄り部分を軸方向に圧縮する加工(仕上成形工程)は、前記第一中間素材14aを、前記第二中間素材39の外周面形状に対応した(凹凸が逆になった)ダイス内にセットした状態で、互いに同心に配置した押圧パンチとカウンターパンチとの間で、前記第一中間素材14aの軸方向両端面中央部を押圧する事により行う。一般的には、図5で下側に配置する前記カウンターパンチを固定した状態のまま、図5で上側に配置する前記押圧パンチを、このカウンターパンチに押し付ける。そして、前記第一中間素材14aを構成する金属材料を移動させて、前記ダイスの内周面と前記押圧パンチ及び前記カウンターパンチの外面(外周面及び先端面)とにより囲まれたキャビティ内に充満させ、前記第二中間素材39とする。
この第二中間素材39は、軸方向一端面(図5〜6の上端面)側に開口する第一円形凹部44及び軸方向他端面(図5〜6の下端面)側に開口する第二円形凹部45と、これら両円形凹部44、45の底面同士の間に存在する隔壁部46とを備える。本例の構造を造る為の製造方法の場合には、前記第一円形凹部44の形状を、内径が小さい奥半部と内径が大きい開口側半部とを段差部で連続させた、段付形状とする。この為に、前記押圧パンチとして、先半部の外径が小さく、基半部の外径が大きい、段付のものを使用する。
上述の様にして造った、前記第二中間素材39は、本例の構造を造る為の製造方法の特徴である、次の第二の据え込み工程で、前記第三中間素材40とする。この第二の据え込み工程は、図6に示した据え込み装置を使用して行う。この据え込み装置は、それぞれが1対のパンチに相当する、押圧パンチ47及びカウンターパンチ48と、同じく可動ダイスに相当する上側ダイス49と、同じく固定ダイスに相当する下側ダイス50と、押し出しパンチ51とを備える。
これら各構成部材47〜51のうち、上側ダイス49はプレス加工機のラムの下面に、このラムに対する昇降可能に支持されており、圧縮コイルばね等の大きな弾力を有する弾性部材37、37により、下方に向いた大きな弾力を付与されている。前記ラムに対する前記上側ダイス49の下降量は、これらラムと上側ダイス49との間に設けたストッパ機構により規制している。又、上昇量は、例えば、前記ラムの下面と前記上側ダイス49の上面とが突き当たる事で制限される。従って前記上側ダイス49は、通常状態では前記ラムと共に昇降するが、上向きの大きな力が加わった場合には、前記各弾性部材37、37の弾力に抗し、前記ラムに対して上昇する。又、前記押圧パンチ47は、前記上側ダイス49の内径側に配置した状態で、前記ラムに対し固定している。従ってこの上側ダイス49は前記押圧パンチ47の周囲に、この押圧パンチ47に対する所定量の軸方向変位(昇降)を可能に支持されている。そして、前記ラムの下降時に前記上側ダイス49の下端面は、前記押圧パンチ47の下端面と前記カウンターパンチ48の上端面との間で前記第二中間素材39の隔壁部46を強く挟持する以前に、前記下側ダイス50の上端面に突き当たる。この状態から前記ラムが更に下降すると、前記上側ダイス49はそのままの位置に止まり、前記押圧パンチ47のみが前記ラムと共に下降する。この際、前記各弾性部材37、37が弾性変形する。
一方、前記カウンターパンチ48と前記下側ダイス50とは、前記プレス加工機の支持台の上面に、互いに同心に固定されており、互いの間に、前記第三中間素材40の軸方向外半部の外面形状に見合う(凹凸が逆である)内面形状を有する、下側キャビティ52を設けている。前記カウンターパンチ48と前記下側ダイス50とは、前記第二の据え込み工程の進行に伴って変位する事はない。更に、前記押し出しパンチ51は、円筒状であり、その上端面により、前記下側キャビティ52の下端部を仕切っている。この様な前記押し出しパンチ51は、前記プレス加工機の支持台に対し、昇降可能に支持されている。そして、この押し出しパンチ51が下降し切った状態で、前記下側キャビティ52の内面形状が、前記第三中間素材40(前記第四中間素材41)の軸方向外半部の外面形状に見合う形状になる。尚、本例の構造を造る為の製造方法の場合には、前記押圧パンチ47の先端部及び前記カウンターパンチ48の先端部は、何れも、先端面寄りの小径部と基端寄りの大径部とを段部で連続させた、段付形状としている。
又、前記下側キャビティ52の上端部の円周方向複数個所(例えば4個所)に、それぞれ径方向外方に突出する成形用凹部32aを、前記下側ダイス50の上面から凹む状態で形成している。この成形用凹部32aは、前記外輪2の外周面の軸方向中間部に、実用新案登録請求の範囲に記載した外向フランジ部である、放射状の取付部6bを形成する為のもので、この取付部6bに見合う(凹凸が逆で所定の削り代分だけ大きな)形状及び大きさを有する。即ち、前記成形用凹部32aは、前述の実施の形態の第1例の構造を造る為の製造方法に使用する分割型のダイスの一方のダイス素子に形成した成形用凹部と同様に、開口部の幅に比べて底部の幅が(上から下に向かう程)狭くなる形状として、加工後の各放射腕部の取り出しを可能にしている。
上述の様な構成を有する、前記据え込み装置を使用し、前記第二中間素材39に前記第二の据え込み工程を施して、前記第三中間素材40とする場合には、先ず、この第二中間素材39の軸方向外端寄り部分を前記下側ダイス50内に挿入する。そして、前記カウンターパンチ48の上端部を、前記第二中間素材39の軸方向外端面に形成した、前記第二円形凹部45内に嵌合させる。その後、前記ラムを下降させて、図6の(A)に示す様に、前記押圧パンチ47を、前記第二中間素材39の軸方向内端面に形成した、前記第一円形凹部44内に嵌合させると共に、前記下側ダイス50の上端面と前記上側ダイス49の下端面とを突き合わせる。この状態で、前記成形用凹部32aに対応し、これら両ダイス50、49の突き合わせ面同士の間に、放射腕成形用キャビティ38aが画成される。
この状態から前記ラムを、図6の(B)(C)の矢印a、aで示す様に、更に下降させると、図6の(A)→(B)に示す様に、前記上側ダイス49はそのままの位置に止まって、前記押圧パンチ47のみが下方に移動する。この移動に伴ってこの押圧パンチ47が、前記第二中間素材39の径方向中央部分を軸方向に押圧して、この部分を押し潰し、前記隔壁部46を、厚さ寸法の小さい隔壁部46aとする。この様に径方向中央部分を押し潰す事で押し出された金属材料は、前記下側キャビティ52内に入り込んで当該部分を円筒形に形成すると共に、一部は、前記放射腕成形用キャビティ38aに向け、径方向外方に送られて、この放射腕成形用キャビティ38a内に、外向フランジ部である取付部6bを形成する。本例の構造を造る為の製造方法の場合には、前記第二中間素材39を得る為の前記素材13aの容積が、前記第四中間素材41本来の容積よりも少しだけ多い為、前記放射腕成形用キャビティ38aの隅部まで、十分に金属材料が入り込む。この為、加工すべき取付部6bの形状が複雑であっても、この取付部6bの加工を確実に(形状精度及び寸法精度を十分に確保した状態で)行える。
前記押圧パンチ47が、図6(C)に示す様に、十分に下降し、前記放射腕成形用キャビティ38a内に十分量の金属材料が押し込まれると、上述の様に、第二中間素材39の金属材料が余分である分、前記放射腕成形用キャビティ38a内の圧力が上昇し、前記上側ダイス49を上方に押圧する力が大きくなる。そして、この力が、前記各弾性部材37、37の弾力よりも大きくなると、前記上側ダイス49がこれら各弾性部材37、37の弾力に抗して、図6(C)に矢印b、bで示す様に上昇し、この上側ダイス49の下端面が前記下側ダイス50の上端面から離隔して、これら両端面同士の間に、図6の(C)に誇張して示す様に、隙間53が生じる。すると、前記放射腕成形用キャビティ38a内に入り込んでいた金属材料の一部が前記隙間53内に入り込み、前記取付部6bとなるべき放射腕部の外周縁にバリ43を形成する。この結果、図5の(D)に示す様な前記第三中間素材40を得られる。この第三中間素材40に形成した、第一、第二両円形凹部44、45の内周面は、内径が小さい奥半部と内径が大きい開口側半部とを段差部で連続させた段付円筒面状である。
上述の様に本例の構造を造る為の製造方法の場合には、前記第三中間素材40の加工完了の状態で、前記両ダイス49、50の先端面同士が互いに当接せず、これら両先端面同士の間に隙間53が介在する状態となる。そして、この隙間53には、金属材料の余剰分が入り込んで、前記バリ43を形成する。この様にして造られた、前記取付部6bの外周面からバリ43を突出させた、前記第三中間素材40は、前記押圧パンチ47及び前記上側ダイス49を上昇させてから、前記押し出しパンチ51を上昇させる事で、前記据え込み装置から取り出す。そして、図5の(D)→(E)に示す様に、前記バリ43を打ち抜き除去して、前記第四中間素材41とする。
そして、最後に、図5の(E)→(F)に示す様に、1対の円形凹部44a、45a同士の間に存在する隔壁部46aを、プレス加工等により打ち抜き除去し、前記最終中間素材42とする。この最終中間素材42は、完成後の外輪2{図5の(D)〜(F)の鎖線参照}よりも厚肉である。そこで、この最終中間素材42に、所定の切削(旋削)加工及び研削加工を施して、前記外輪2として完成する。
この様な本例の構造を造る為の製造方法の場合には、外向フランジ部である取付部6bの加工に伴ってバリ43を生じるが、このバリ43は、この取付部6bの形状精度を向上させる為に必要な、小さなもので済む。この為、材料の歩留りをあまり悪化させる事はなく、前記バリ43を除去する作業も容易に行える。
勿論、本例の場合も、前記取付部6bを構成する各放射腕部の軸方向両側面のうち、この取付部6bをナックル等の懸架装置に突き当てる為の接合面の幅寸法を大きく、反接合面の幅寸法を小さくしている分、前記取付部6bの曲げ剛性等に関して必要とする性能を確保しつつ、前記外輪2の軽量化を図れる。
1 車輪支持用転がり軸受ユニット
2 外輪
3 ハブ
4 転動体
5 外輪軌道
6、6a、6b 取付部
7、7a、7b 支持フランジ
8 内輪軌道
9、9a、9b ハブ本体
10 内輪
11 ナット
12 小径段部
13、13a 素材
14、14a 第一中間素材
15 第二中間素材
16 第三中間素材
17、17a バリ
18 第四中間素材
19、19a、19b 放射腕部
20 ボルト
21 頭部
22 第一中間素材
23 第二中間素材
24 第三中間素材
25 座面
26 第四中間素材
27 固定ダイス
28 可動ダイス
29 パンチ
30 最終中間素材
31 成形孔
32、32a 成形用凹部
33 取付板
34 円形凹部
35 円形凸部
36 環状段差面
37 弾性部材
38、38a 放射腕成形用キャビティ
39 第二中間素材
40 第三中間素材
41 第四中間素材
42 最終中間素材
43 バリ
44、44a 第一円形凹部
45、45a 第二円形凹部
46、46a 隔壁部
47 押圧パンチ
48 カウンターパンチ
49 上側ダイス
50 下側ダイス
51 押し出しパンチ
52 下側キャビティ
53 隙間

Claims (3)

  1. 金属製の素材に塑性加工を施す事により外周面の軸方向一部に、円周方向複数個所からそれぞれ径方向外方に突出する状態で形成された複数の放射腕部により構成される外向フランジ部を設けて成り、前記外周面の軸方向に関して、これら各放射腕部の片面を相手部材と突き合わせる接合面とし、同じく他面を、これら各放射腕部と相手部材とを結合する為のボルトの頭部内面を当接させる反接合面とした、外向フランジ部付金属製部材に於いて、前記各放射腕部の前記円周方向に関する幅を、この反接合面側で狭く、前記接合面側で広くしており、これら各放射腕部の反接合面側の幅寸法をwとし、同じく接合面側の幅寸法をWとした場合に、w/W≦0.7の関係を満たす事を特徴とする外向フランジ部付金属製部材。
  2. 前記各放射腕部の反接合面側の幅寸法wと、同じく接合面側の幅寸法Wとが、w/W≦0.5の関係を満たす、請求項1に記載した外向フランジ部付金属製部材。
  3. 前記各放射腕部のうちで、軸方向に関して前記接合面側半部の幅寸法Wを一定とし、軸方向に関して前記反接合面側半部の幅寸法が、この反接合面側に向かうに従ってWからw迄漸減している、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した外向フランジ部付金属製部材。
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