JP3181326B2 - マイクロストリツプアンテナ、およびアレーアンテナ - Google Patents

マイクロストリツプアンテナ、およびアレーアンテナ

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JP3181326B2 JP24990991A JP24990991A JP3181326B2 JP 3181326 B2 JP3181326 B2 JP 3181326B2 JP 24990991 A JP24990991 A JP 24990991A JP 24990991 A JP24990991 A JP 24990991A JP 3181326 B2 JP3181326 B2 JP 3181326B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、同時送受信ができるマ
イクロストリップパッチと地導体板とからなるマイクロ
ストリップアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の移動体と固定局又は移動体と
移動体との間を衛星を介して通信する移動体衛星通信シ
ステムにおいて、この移動体に設けられるアンテナとし
ては、小型・軽量で、円偏波による電波を異なる周波数
で送受信できることが要求されている。このため、出力
がはるかに大きい送信チャンネルから、受信チャンネル
を分離する。すなわち、送信信号が受信信号に漏れ込む
ことを防ぐためには、一般的には送受信共用のアンテナ
素子を用いた場合はダイプレクサが用いられ、送受信分
離のアンテナ素子を用いた場合はフィルタが用いられ
る。
【0003】アクティブアレーアンテナにおいては、ア
ンテナ素子の各々にひとつの送受分離素子が必要であ
る。ダイプレクサやフィルタなどの送受分離素子は一般
的にアンテナ素子よりかさばり、重量も重い。素子数が
多くなるにつれ重量が重くなり、体積が増すためアンテ
ナの空間的占有領域が大きくなる。このままでは、移動
体用には適さない。そのため、送受信間のアイソレーシ
ョンをアンテナ素子間でとり、フィルタやダイプレクサ
への要求を低減する必要がある。
【0004】この問題に対する解決方法を示す第1の従
来例として、図23に示す塩川等によって提案されたマ
イクロストリップアンテナ(電子情報通信学会、アンテ
ナ・伝搬研究会A・P86-60 )がある。このアンテナ
は、円偏波アンテナで、送信と受信を別々の素子で行う
送受分離型アンテナである。このアンテナは、送信用の
上パッチと受信用の下パッチ間の周波数選択度を利用し
ている。提案されているアンテナの送信と受信間のアイ
ソレーションは−28dBである。要求されるアイソレ
ーションは、60〜70dBであるので、要求値を満足
するためのアイソレーションを得るには、帯域フィルタ
を具備することが現段階では必要である。
【0005】このアンテナは、送信アンテナ30と受信
アンテナ31を上下に重ねた構成であるため、平面的な
面積は小さい。送受信のアンテナを重ねる方式を用いて
いるためアンテナの構造が複雑であり、セミリジッドケ
ーブル32,33,34,35の同軸線路を使用してい
るので半田ずけ作業などが必要になる。更に、送信アン
テナ30と受信アンテナ31を分離するために、受信ア
ンテナ31を円環形状にする必要があり、地導体板36
と受信アンテナ31とを多数のアースピンで短絡しなけ
ればならない。
【0006】このため、このアンテナは、構造が複雑に
なり製作工程が増え製造コストが高くなる。また、円偏
波を発生させるには、セミリジッドケーブル32と3
3、セミリジッドケーブル34と35の間に、90度位
相差を発生させる90度ハイブリッドが必要である。
【0007】もう一つの解決方法を示す第2の従来例と
しては、公開特許公報平2-116202である円偏波同時送受
信用複合アンテナである。このアンテナは、図24に示
すように、矩形パッチアンテナ40と同一面上に形成さ
れたマイクロストリップ線路43で直接アンテナ端面4
1を給電し、水平偏波である周波数f1を発生させ、ま
た、マイクロストリップ線路44で直接アンテナ端面4
2を給電し、垂直偏波である周波数f2を発生させる。
また、図24では、このアンテナを4素子用い右回りに
空間的に90度回転させた配置をとり、かつ、90度の
位相差で給電する構成を示す。
【0008】この構成を用いることで円偏波同時送受信
用複合アンテナを実現している。アンテナ素子単位で周
波数が異なる直交偏波を作り、対の素子を用いること
で、円偏波を実現している。このため送信アンテナと受
信アンテナを分離することができる。このアンテナは、
構成が簡単である。更に、アンテナ素子と給電線路を同
一の基板上に形成することができる。
【0009】しかし、この構成では、アンテナの端面に
マイクロストリップ線路で直接給電しなければならな
い。アンテナの端面から見たアンテナの入力インピーダ
ンスは200から300Ωになる。給電線路の特性イン
ピーダンスは50Ωであるので、インピーダンス整合を
図るためには、λg/4の線路長を有するトランスフォ
ーマを設けなければならない。更に、送信用と受信用に
それぞれλg/4の線路長を有するトランスフォーマが
必要であり、かつ、アレーを構成するのでアンテナ素子
ごとに設けなければならない。60度以上の広角ビーム
走査を行うためには、アレーアンテナの素子間隔は半波
長程度にする必要がある。従って、限定されている空間
に送信用と受信用の給電線路にそれぞれλg/4の線路
長を有するインピーダンストランスフォーマを含む給電
線路を配置することが要求される。
【0010】このため、給電線路を互いに近接したり、
アンテナ素子と給電線路とが近接するために、両者の間
に相互結合が生じ、アンテナ素子に対し、等振幅で90
度の位相差で給電しなければならない条件がくずれ、良
好な円偏波を発生させることができなくなる。更に、送
信用の給電線路と受信用の給電線路間で相互結合が生じ
るため、送信帯域と受信帯域とのアイソレーションが劣
化する。
【0011】同発明者による文献AP−S90pp80
3−806,SELFDIPLEXING CIRCULARLY POLARIZED ANT
ENNA,で報告されているように、送信と受信のアイソレ
ーションは20から23dBしか得られない。また、基
板厚を厚くすると高次モードTM20による送信ポートと
受信ポート間の結合が生じ、アイソレーションが劣化
し、送信と受信との分離度が低下する。
【0012】さらに、移動体衛星通信システムにおいて
は、この移動体に設けられるアンテナとしては、小型・
軽量で衛星を追尾しながら通信を可能とするための広角
で高速ビーム走査が行え、しかも円偏波による電波を送
信及び受信できる高性能で高機能なアンテナが要求され
ている。図25は、この種の移動体衛星通信システムに
おいて用いられる第3の従来例である円偏波マイクロス
トリップアンテナ素子20の平面図であり、図26は、
図25におけるA−Aについての縦断面図である。図2
5及び図26において、方形状の誘電体基板51の上面
に導体板にてなる円形状のマイクロストリップパッチ5
2が形成され、また、この誘電体基板51の裏面に地導
体板53が形成される。マイクロストリップパッチ52
の中央Qより図中右寄りの箇所に、このパッチ52と電
気的に接続した導体ピン54が、誘電体基板51を貫通
して設けられ、この導体ピン54の他端は、地導体板5
3を非接触に貫通し、地導体板53の裏面に設けられた
コネクタ55の中央電極55aに接続される。コネクタ
55の外側電極55bは地導体板53と電気的に接続さ
れる。59は前記導体ピン54の位置よりQを中心とし
て90度回転した箇所に設けられた導体ピンであり、こ
の導体ピン59にも、前記コネクタ55と同様なコネク
タ56が設けられている。
【0013】ここで、導体ピン54のコネクタ55ある
いは導体ピン59のコネクタ56のいずれか一方に90
度位相を遅らせる移相器を挿入し、このコネクタ55,
56を介し、それぞれ互いに位相差90度の関係にある
信号をパッチ52に給電すれば、この円偏波マイクロス
トリップアンテナ50より、円偏波の電波が放射され
る。
【0014】図27は、上記の移動体衛星通信システム
に用いられる第4の従来例である円偏波マイクロストリ
ップアンテナ60の平面図であり、図28は、図27の
A−Aラインについての縦断面図である。
【0015】前記の従来例と同様に、誘電体基板61の
それぞれの面にマイクロストリップパッチ62と地導体
板63が形成され、また、前述の導体ピン64と同じ位
置に導体ピン64及び、中央電極65aと外側電極65
bよりなるコネクタ65が設けられている。そして、マ
イクロストリップパッチ62の中央Qと導体ピン64の
位置を結ぶラインと45度の角度をなすライン上のマイ
クロストリップパッチの周縁に“コ”の字形状の切欠6
2a,62bが設けられている。このように形成された
円偏波マイクロストリップアンテナ60に対しコネクタ
65より信号を供給すると、円偏波の電波が放射され
る。
【0016】前記の従来例と同様に、図29は、上記の
移動体衛星通信システムに用いられる第5の従来例であ
る円偏波マイクロストリップアンテナ70の平面図であ
り、図30は、図29のA−Aラインについての縦断面
図である。誘電体基板71のそれぞれの面にマイクロス
トリップパッチ72と地導体板73が形成され、また、
前述と同じ位置に中央電極75aと外側電極75bより
なるコネクタ75が設けられている。そして、マイクロ
ストリップパッチ72の中央Qとコネクタ75の位置を
結ぶラインと45度の角度をなすライン上でQを中心に
マイクロストリップパッチの中心にスロット76が設け
られている。この場合、円偏波を発生させるためにはス
ロット76の長さは微小でなければならない。このよう
に形成された円偏波マイクロストリップアンテナ70に
対しコネクタ75より信号を供給すると、スロットがな
いパッチアンテナとほぼ同じ共振周波数で円偏波の電波
が放射される。
【0017】上記第3,第4あるいは第5の従来例のア
ンテナ50,60,70を複数個アレー状に配列し、そ
して各々のアンテナのコネクタに可変移相器を接続し、
これらの可変移相器の他端を、電力分配/合成器を介し
て送信機又は受信機に接続する。このように構成したシ
ステムにおいて、各移相器における位相量を制御するこ
とにより、ビーム走査が行われる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】第1の従来例のアンテ
ナにおいては、送信用と受信用のアンテナが2個必要で
ある。かつ、両者間のアイソレーションを得るために
は、受信アンテナを円環形状にし、多数のアースピンを
アンテナと地導体板間に設けなければならない。更に、
送信用と受信用の給電線路に同軸コネクタを必要とし、
円偏波を発生させるために、90度ハイブリッドも必要
である。このため、このアンテナは、構造が複雑で半田
ずけなどの作業が必要なため製作工程が増え製造コスト
が高くなるという問題点があった。
【0019】また、第2の従来例のアンテナは、構造は
簡単であるが、アンテナ素子と給電線路との整合をとる
ために、λg/4のインピーダンス変換トランスフォー
マが、送信と受信の各給電ポートに必要となるため、給
電線路の配置が複雑、かつ、線路間隔が密になり、互い
の線路間の相互結合が生じ、給電電流の振幅と位相が所
望値からずれ、正確に給電されなくなる。このため、ア
ンテナの特性が劣化するという問題点があった。
【0020】第3の従来例のアンテナ50においては、
2個の導体ピン54,59及び、コネクタ55,56を
必要とし、また、第4,5の従来例のアンテナ60,7
0においても導体ピン64,74を必要とし、構造が複
雑なために製作工程が増え製造コストが高くつく。
【0021】第3,4,5の従来例共に、第1及び第2
の従来例と同じようにセミリジッドケーブルなどの同軸
線路を介して可変移相器や電力分配/合成器に接続する
ため給電損失が大きくなり、これらの機能回路を含めた
アンテナシステムの形状が大きくなるという問題があっ
た。
【0022】本発明の目的は、以上の問題を解決し、従
来例に比較してセミリジッドケーブルなどを用いる必要
がないため製作が容易で、給電線路の配置が簡単で、送
信と受信の周波数に対する互いの影響を抑えたマイクロ
ストリップアンテナを提供することにある。
【0023】また、本発明の他の目的は、アンテナ素子
が良好な円偏波特性を有する近接結合円偏波マイクロス
トリップアンテナを提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、円形もしくは矩形であるマイクロストリップ
パッチと地導体板とからなるマイクロストリップアンテ
ナにおいて、前記パッチと地導体板間に、前記パッチの
外側から内側に任意の長さを有する給電線路を2本挿入
し、該2本の給電線路が互いに重ならず、かつ、ほぼ9
0度の角度で配置し、かつ前記パッチ上にスロットを設
け、前記給電線路の少なくとも一方を該スロットと同じ
方向から挿入したことを特徴とする。
【0025】
【0026】
【0027】
【作用】本発明によれば、同時に異なる周波数で送信と
受信が行えるマイクロストリップアンテナを実現でき、
かつ、送信と受信アンテナの給電線路間のアイソレーシ
ョンレベルを約−32dB以上得ることができる。この
ため、フィルタやダイプレクサに要求されるアイソレー
ションレベルの値を低減できる。また、アンテナ素子と
給電線路の整合がとれているため、従来必要であるλg
/4の長さを有するインピーダンストランスフォーマが
不要である。このため、給電線路の配置が簡単になり、
線路間や線路とアンテナ間の結合がはるかに減少するの
で、精度よく電流を制御できるため、良好なアンテナ特
性を得ることができる。更に、同軸コネクタを用いない
ので、製作が容易となり、コストの低下が図れる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面に基づき
説明する。
【0029】図1にこの発明の第1の実施例である2周
波数円形マイクロストリップアンテナの平面図、図2に
そのA−Aによる断面図を示す。図1,図2において、
1は方形状で所定厚の誘電体基板で、2は導体板からな
る円形パッチで、3は地導体で、4,5は前記パッチの
外側から内側に任意の長さを有する給電線路である。
【0030】この給電線路4,5は互いに重ならず、か
つ、90度の角度をなすように配置してある。図3に、
図1に示した給電線路4を取り除き、給電線路5のみで
給電しパッチアンテナを励振した場合における給電線路
長Sl(円形パッチ2の中心と給電線路端までの距離)
と共振周波数・反射損失の関係を示す。給電線路長Sl
は、円形パッチ2の中心を原点として計っており、給電
線路端が円形パッチ2の中心を越えた場合はプラス、越
えない場合はマイナスとしている。図3から給電線路長
により共振周波数が変化し、給電線路長が−25mmと5
mmのとき給電線路(インピーダンス50Ω)と整合がと
れることが分かる。
【0031】従来のセミリジッドケーブルなどのプロー
ブ給電を用いた場合、円形パッチアンテナの共振周波数
は、半径rで一義的に定まる。ところが、この給電方式
を用いれば円形パッチの半径rが一定でも給電線路長S
1を変えることで共振周波数が変化する。すなわち、給
電線路長で共振周波数を制御できる。この結果から、図
1に示したアンテナにおいて、給電線路4の長さを−2
5mm、給電線路5の長さを5mmとしたときの、各給電線
路4及び5から見た反射損失と給電線路4と5の相互結
合を図4に示す。
【0032】給電線路4から見た共振周波数は1.52
9GHz、給電線路5からの共振周波数は1.58GH
zである。また、給電線路間4,5のアイソレーション
レベルは約−35dBである。すなわち、この方式を用
いることで、2周波マイクロストリップアンテナが実現
していることが分かる。
【0033】図5に、図1に示した円形パッチに一本の
スロット6を新たに設けた第2の実施例によるスロット
付き円形パッチアンテナを示す。図6は図5のA−Aに
よる断面図である。スロット6は給電線路5と同じ線上
にあり、給電線路4と直交している。
【0034】図5に示した給電線路5を取り除き、給電
線路4の長さを−25mmとし、スロット長Lsを変えた
ときの共振周波数の変化を図7に示す。この図より、ス
ロット6を長くするにつれ、単調に共振周波数は低下す
る。この結果を用い、図5に示したアンテナにおいて、
スロット長Lsを20mm、給電線路4,5の長さをそれ
ぞれ−25mmとした場合の、給電線路4、給電線路5か
ら見た反射損失と給電線路4,5間の相互結合を図8に
示す。これら結果より、給電線路間のアイソレーション
は約−32dB得られている。給電線路4から見た共振
周波数は、1.531GHz、給電線路5から見た共振
周波数は1.633GHzである。この結果より、この
アンテナ方式を用いることで、2周波数マイクロストリ
ップアンテナが得られていることが分かる。
【0035】次に、図1、図5に示したアンテナを用
い、4素子を右回りに空間的に90度ずつ回転させ、か
つ、給電位相を90ずつ遅らせた給電線路長を有するア
レーアンテナを図9(a)に示す。この給電方式は、第
2の従来例と同じである。この方式を用いることで、2
周波円偏波アンテナが得られることは明らかである。こ
こで、各共振周波数に対応する各素子アンテナの偏波方
向は任意である。更に、給電線挿入損失を最小化するア
レーアンテナを図9(b),(c)に示す。図9(b)
はアレーアンテナのパッチを示す図、図9(c)はアレ
ーアンテナの給電線路(送信Tx 、受信Rx )を示す図
であり、送信アンテナの高利得化に有効である(この逆
を行えば受信アンテナの高利得化になる。)。ここで
は、4素子での円偏波化を示したが、2素子以上のシー
ケンシャルアレー配列を用いても同様の効果が得られ
る。
【0036】この方式を用いると、アンテナ素子と給電
線路は50Ωで整合しているため、従来方式で必要とな
り、λg/4の長さを有するインピーダンストランスフ
ォーマは本発明では不要になる。従って、給電線路間や
給電線路とパッチアンテナとの間隔を十分にとることが
できる。このため、送受信間のアイソレーションは、図
4、図8に示したのと同程度の特性が得られる。
【0037】尚、以上の実施例では、マイクロストリッ
プパッチを円形としたが、これに限定されず、正方形、
矩形、楕円等の他の形状であっても良い。更に、スロッ
トも矩形に限らず、楕円、菱形等の同様の効果を有する
ものであっても良い。
【0038】また、図10と図11に本発明の第3の実
施例によるマイクロストリップアンテナの平面図とその
A−Aによる断面図を示す。この実施例のように、十字
スロット7をパッチアンテナ上に設けても良い。また、
給電線路4,5は、それぞれ十字スロット7の直交する
スロットと同じ方向から挿入してある。更に、給電線路
長が異なり、スロット長が違っても良い。また、スロッ
トとどちらか又は両方の給電線路が同一線上にある必要
もない。更に、1個のスロット及び十字スロットにおい
て、各給電線路は同一平面上ある必要はない。
【0039】図12及び図13に本発明の第4の実施例
である近接結合円形マイクロストリップアンテナの平面
図とそのA−Aによる断面図を示す。図12,図13に
おいて、11,12は方形状で所定厚の誘電体基板で、
13は導体板からなる矩形パッチで、14は地導体で、
15は前記矩形パッチの外側から内側に任意の長さを有
するマイクロストリップ給電線路である。
【0040】矩形パッチアンテナの共振周波数は、矩形
パッチアンテナの外形寸法と一義的に対応している。そ
こで、図14に示すアンテナを考える。アンテナの寸法
はLa,Lbで、La>Lbである。Laの中心線上の
給電点Aの方向から給電したときの共振周波数はfa,
Lbの中心線上の給電点Bの方向から給電したときの共
振周波数はfbとなり、両者の周波数はfa>fbの関
係になる。
【0041】そこで、図15に示すように給電線路15
をLaの中心の給電点Aから左方向の給電点A´にシフ
トさせると(なお、シフトとは、中心に線路があると仮
定したとき線路幅以上に線路の中心線をずらすことをい
う。すなわち、製造誤差によるシフトを意味しな
い。)、図14に示したように共振周波数faを有する
第1の直線偏波マイクロストリップアンテナと共振周波
数faより低い共振周波数であるfbを有する直線偏波
マイクロストリップアンテナが形成される。第1、第2
の直線偏波マイクロストリップアンテナの励振電流の振
幅値と位相値の周波数特性は図16に示すようになる。
2つの直線偏波マイクロストリップアンテナの励振電流
la,lbの振幅値が等しく、位相差が90度になる周
波数foにおいて、第1及び第2のアンテナより放射さ
れる直線偏波が空間的に合成され、円偏波アンテナとし
て機能する。
【0042】アンテナ寸法はLa=58mm、Lb=5
6mm、基板厚はh=1.6mm、オフセット量Loは
14.4mm、マイクロストリップ線路長Lsは13.
6mmである。本発明のアンテナの反射損失の周波数特
性を図17に示す。誘電体基板の誘電率は2.55であ
る。また、給電線路15の特性インピーダンスは50Ω
である。図18にこのアンテナの放射指向性を示す。最
大放射方向であるθ=0度における放射電力を0dBと
して正規化して示してある。この図から分かるように上
記円偏波アンテナは、正面方向において約0.2dBの
軸比(放射電力の最大値と最小値との差)が得られた。
【0043】図19に、前記給電線路長Lsとオフセッ
ト量Loを変えた場合における軸比を示す。図19よ
り、中心線とエッジの中央付近で良好な円偏波特性が得
られていることが分かる。また、給電線路15の位置精
度はラフでも良い。
【0044】図20から図22に本発明による近接結合
円形マイクロストリップアンテナの変形例を示す。給電
線路15は中心線に平行である必要はなく、ある傾斜を
有していても良い。また、矩形パッチの長さの比(Lb
/La)は任意で良く、Lb>Laでもかまわない。
【0045】この方式を用いると、給電線路15と放射
素子は、ピン等の直接的な接続を用いず電磁界的に非接
触で結合しているため従来例で示した半田ずけが不要に
なる。また、アンテナ素子と給電線路15と整合がとれ
ているため、従来必要であるλg/4の長さを有するイ
ンピーダンストランスフォーマが不要となる。また、従
来例に比べて円偏波を発生させるための90度ハイブリ
ッドが不要となり給電回路の簡単化が図れる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の本発明に
よれば、同時に異なる周波数で送信と受信が行えるマイ
クロストリップアンテナを実現でき、かつ、送信と受信
アンテナの給電線路間のアイソレーションレベルを約−
32dB以上得ることができる。このため、フィルタや
ダイプレクサに要求されるアイソレーションレベルの値
を低減できるため、アンテナ系の低価格化と小型化が図
れる。
【0047】また、アンテナ素子と給電線路の整合がと
れているため、従来必要であるλg/4の長さを有する
インピーダンストランスフォーマが不要である。このた
め、給電線路の配置が簡単になり、線路間や線路とアン
テナ間の結合がはるかに減少するので、精度よく電流を
制御できるため、良好なアンテナ特性を得ることができ
る。更に、同軸コネクタを用いないので、製作が容易と
なり、コストの低下が図れる。
【0048】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例による2周波マイクロ
ストリップアンテナの平面図である。
【図2】 図1に示す2周波マイクロストリップアンテ
ナのA−Aによる断面図である。
【図3】 図1の1周波におけるマイクロストリップア
ンテナの共振周波数特性を示す図である。
【図4】 図1の2周波におけるマイクロストリップア
ンテナの共振特性と相互結合の実験値を示す図である。
【図5】 本発明の第2の実施例による2周波マイクロ
ストリップアンテナの平面図である。
【図6】 図5に示す2周波マイクロストリップアンテ
ナのA−Aによる断面図である。
【図7】 図5の1周波におけるマイクロストリップア
ンテナの共振周波数特性を示す図である。
【図8】 図5の2周波におけるマイクロストリップア
ンテナの共振特性と相互結合の実験値を示す図である。
【図9】 本発明を適用した4素子円偏波アレーアンテ
ナの平面図である。
【図10】 本発明の第3の実施例による2周波マイク
ロストリップアンテナの平面図である。
【図11】 図10に示す2周波マイクロストリップア
ンテナのA−Aによる断面図である。
【図12】 本発明の第4の実施例による近接結合円偏
波マイクロストリップアンテナの平面図である。
【図13】 図12に示す近接結合円偏波マイクロスト
リップアンテナのA−Aによる断面図である。
【図14】 第4の実施例による近接結合円偏波マイク
ロストリップアンテナの原理を説明する図である。
【図15】 第4の実施例による近接結合円偏波マイク
ロストリップアンテナの原理を説明する図である。
【図16】 第4の実施例による近接結合円偏波マイク
ロストリップアンテナの励振電流の振幅値と位相値の周
波数特性を示す図である。
【図17】 第4の実施例による近接結合円偏波マイク
ロストリップアンテナの反射損失特性を示す図である。
【図18】 第4の実施例による近接結合円偏波マイク
ロストリップアンテナの放射指向性を示す図である。
【図19】 第4の実施例による近接結合円偏波マイク
ロストリップアンテナの給電線路のオフセット量Loと
給電線路長Lsと円偏波特性の関係を示す図である。
【図20】 図12に示す近接結合円偏波マイクロスト
リップアンテナの第1の変形例を示す図である。
【図21】 図12に示す近接結合円偏波マイクロスト
リップアンテナの第2の変形例を示す図である。
【図22】 図12に示す近接結合円偏波マイクロスト
リップアンテナの第3の変形例を示す図である。
【図23】 第1の従来例である円偏波マイクロストリ
ップアンテナの平面図である。
【図24】 第2の従来例である円偏波マイクロストリ
ップアンテナの平面図である。
【図25】 第3の従来例である円偏波マイクロストリ
ップアンテナの平面図である。
【図26】 図25に示す近接結合円偏波マイクロスト
リップアンテナのA−Aによる断面図である。
【図27】 第4の従来例である円偏波マイクロストリ
ップアンテナの平面図である。
【図28】 図27に示す近接結合円偏波マイクロスト
リップアンテナのA−Aによる断面図である。
【図29】 第5の従来例である円偏波マイクロストリ
ップアンテナの平面図である。
【図30】 図29に示す近接結合円偏波マイクロスト
リップアンテナのA−Aによる断面図である。
【符号の説明】
1,11…誘電体基板 2 …円形パッチ 3 …地導体板 4,5…給電線路 6 …スロット 7 …十字スロット 13…矩形パッチ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−1304(JP,A) 特開 平3−254208(JP,A) 特開 平4−122104(JP,A) 特開 昭63−50203(JP,A) 米国特許4590478(US,A) 米国特許4843400(US,A) 米国特許4775866(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01Q 13/08 H01Q 5/00 H01Q 21/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円形もしくは矩形であるマイクロスト
    リップパッチと地導体板とからなるマイクロストリップ
    アンテナにおいて、 前記パッチと地導体板間に、前記パッチの外側から内側
    に任意の長さを有する給電線路を2本挿入し、該2本の
    給電線路が互いに重ならず、かつ、ほぼ90度の角度で
    置し、かつ前記パッチ上にスロットを設け、前記給電
    線路の少なくとも一方を該スロットと同じ方向から挿入
    したことを特徴とするマイクロストリップアンテナ。
  2. 【請求項2】 複数のマイクロストリップパッチと、 地導体板と、 前記複数のマイクロストリップパッチそれぞれの上に設
    けられたスロットと、 前記複数のマイクロストリップパッチそれぞれと前記地
    導体板間に該複数のマイクロストリップパッチそれぞれ
    の外側から内側に挿入された2本の給電路であって、互
    いにほぼ90度の角度で配置され、かつ少なくとも一方
    を前記スロットと同じ方向から挿入された2本の給電路
    とを具備することを特徴とするアレーアンテナ。
  3. 【請求項3】 前記複数のマイクロストリップパッチの
    内少なくとも4つの上に設けられた前記スロットのそれ
    ぞれが、互いに右回りに略90度ずつ空間的に回転さ
    れ、かつ前記少なくとも4つのマイクロストリップパッ
    チに挿入された前記給電路のそれぞれが、互いに給電位
    相を90度ずつ遅らせた給電路長を有することを特徴と
    する請求項2記載のアレーアンテナ
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