JP3180156B2 - 農業用フィルムとその製造方法 - Google Patents

農業用フィルムとその製造方法

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JP3180156B2
JP3180156B2 JP02426291A JP2426291A JP3180156B2 JP 3180156 B2 JP3180156 B2 JP 3180156B2 JP 02426291 A JP02426291 A JP 02426291A JP 2426291 A JP2426291 A JP 2426291A JP 3180156 B2 JP3180156 B2 JP 3180156B2
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ethylene
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清麿 須藤
征哉 森
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
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  • Greenhouses (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、農業用フィルムとそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハウス,トンネル栽培に用いられる農業
用フィルムとしては、ポリ塩化ビニル(PVC),分岐
状低密度ポリエチレン(LDPE),エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体(EVA),直鎖状低密度ポリエチレン
(LLDPE)等をベース樹脂とする厚さ約30〜20
0μの軟質プラスチックフィルムが主なものである。
【0003】これらのフィルムで被覆されたハウス,ト
ンネル内部では、地面や植物体から蒸散してくる水蒸気
で飽和されるので、この水蒸気が冷えたフィルム内面に
結露し、水滴として付着する。水滴が付着すると、その
乱反射により入射太陽光が大幅に減少するだけでなく、
また水滴が落下して作物を濡らし病害多発の原因とな
る。
【0004】このため、一般にフィルムには、付着した
水滴を水膜にするための所謂水滴防止(以下流滴とい
う)処理が施されている。現在では、この流滴処理を施
した流滴性フィルムを用いることにより、ハウス,トン
ネル内への透過太陽光をできるだけ多くし、内部の地温
や気温を上げ光合成を盛んにし、作物成育を健全な状態
で促進し、また病害の発生を抑えるようにしている。
【0005】これまでの流滴処理の手法としては、流滴
剤をベース樹脂に練り込み、成膜してフィルムとする流
滴剤練り込み法と、フィルム成膜後に流滴剤をコーティ
ングするコーティング法とがある。このうち、コーティ
ング法によって得られる流滴性フィルムは、その性能
上、農業用の軟質プラスチックフィルムとして実用化さ
れていない。
【0006】これは、次のような理由による。すなわ
ち、流滴剤として使用されてきた界面活性剤や親水性高
分子物質を軟質プラスチックフィルムにコーティングし
ても、その表面エネルギーが低いため、(1)漏れ性が
悪く、はじき現象を起こし、均一に塗布できない、
(2)接着性不良により付着した水滴に洗い流され流滴
性ライフが大変短い、(3)流滴剤によるベトツキでフ
ィルムのブロッキングトラブルが多い等の問題があり、
流滴性が数箇月以上保持されるような農業用フィルムが
得られず、多くは1箇月程度の流滴性しかないためであ
る。
【0007】ところが、近年新しいタイプの塗布型流滴
剤が開発された。この流滴剤は無機親水性コロイド物質
と親水性有機化合物を主成分とするものであり、例え
ば、特公昭63−45432号,特公昭63−4571
7号,特公昭64−2158号公報等に示されている化
合物である。
【0008】無機親水性コロイド物質の例としては、コ
ロイダルシリカ,コロイダルアルミナ,コロイド状のF
e(OH)2 ,コロイド状のSn(OH)4 ,コロイド
状のTiO2 ,コロイド状のBaSO4 およびコロイド
状のリチウムシリケート等が挙げられる。特に好ましい
物質はコロイダルシリカおよびコロイダルアルミナであ
る。
【0009】親水性有機化合物の例としては、各種の界
面活性剤(ノニオン系,アニオン系,カチオン系)や水
酸基含有ビニル単量体成分を主成分とし、酸基含有ビニ
ル単量体成分を0.1〜40重量%含有する共重合体ま
たはその部分もしくは完全中和物およびスルホン酸基含
有ポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0010】このタイプの塗布型流滴剤は、濡れ性,接
着性ともに大幅に改良され、これをコーティングしたフ
ィルムの流滴性の寿命を半年〜1年程度とすることがで
きる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、基本的には農
業用に使われる軟質プラスチックフィルムのような表面
エネルギーの低い物質に対する濡れ性,接着性はどうし
ても不十分である。特に極性の低いポリオレフィンフィ
ルム、例えばLDPE,EVA,LLDPEフィルムに
おいてこの傾向が非常に強い。
【0012】したがって、例えば、ハウスに軟質プラス
チックフィルムを展張後、流滴剤を動力噴霧器等で吹き
付けてコーティングする場合、流滴剤を多く必要とし、
コストアップとなる。また吹き付けの作業時間が長くな
る。さらにフィルムに吹き付けムラが生じ、ハウスの流
滴効果を損なう等の問題が発生する。また、フィルムに
コーター等で塗布する場合にも多量のコート液を消費し
たり、コーティング速度を上げることができず、製造コ
ストがアップしたりするような問題が生じる。さらに、
塗布した流滴剤が付着水滴の流下により剥離してしま
い、1年以上数年間にわたる安定的な流滴効果の保持は
不可能である。
【0013】この他の方法としては、ベース樹脂やフィ
ルム表面に化学変化による変性、すなわち極性基(親水
性基等)を導入する技術があるが、現状では大幅なコス
トアップにつながり、農業用フィルムに応用するのは難
しい。
【0014】この発明は、このような従来の問題点を解
決するためになされたもので、流滴剤のベースフィルム
への塗布性と流滴剤塗布後の流滴性とに優れ、かつ安価
な農業用フィルムとその製造方法を提供することを目的
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明が提供する農業
フィルムは、ヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン
系共重合体を含有する熱可塑性樹脂フィルムに、無機親
水性コロイド物質と親水性有機化合物を主成分とする表
面塗布型流滴剤をコーティングしてなるものである。
【0016】また、この発明が提供する農業用フィルム
の製造方法は、無機親水性コロイド物質と親水性有機化
合物を主成分とする表面塗布型流滴剤を熱可塑性樹脂フ
ィルムにコーティングするに際し、その熱可塑性樹脂フ
ィルムにあらかじめヒンダードアミンを側鎖に有するエ
チレン系共重合体を含有させておく方法である。
【0017】ここにいう熱可塑性樹脂としては、LDP
E,EVA,LLDPE等のポリオレフィンが好適であ
る。また、ヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系
共重合体としては、エチレンと下記一般式で示されるビ
ニル化合物との共重合体が好適である。
【0018】
【化3】
【0019】(式中、R1 及びR2 は水素原子またはメ
チル基を、R3 は水素原子または炭素数1〜4のアルキ
ル基をそれぞれ表す)上記一般式のビニル化合物は公知
であり、また、共重合体も公知の方法、例えば特公昭4
7−8539号,特開昭48−65180号公報記載の
方法にて合成することができる。上記一般式のビニル化
合物の代表例を挙げれば下記の通りである。
【0020】4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン 4−アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタ
メチルピペリジン 4−アクリロイルオキシ−1−エチル−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン 4−アクリロイルオキシ−1−プロピル−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン 4−アクリロイルオキシ−1−ブチル−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン 4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジン 4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペン
タメチルピペリジン 4−メタクリロイルオキシ−1−エチル−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン 4−メタクリロイルオキシ−1−ブチル−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン 4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン 4−クロトノイルオキシ−1−プロピル−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン なお、これらヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン
系共重合体は、耐候安定剤としても作用し、主にポリオ
レフィンフィルムの耐候性向上に有効であることは、特
開昭57−180616号,特公昭63−2963号公
報等ですでに知られている。
【0021】この発明において、「ヒンダードアミンを
側鎖に有するエチレン系共重合体を含有する熱可塑性樹
脂」とは、前記ビニル化合物を高濃度に共重合したエチ
レン系共重合体を熱可塑性樹脂に添加配合する場合、お
よび熱可塑性樹脂、例えばLDPE,EVA等に所定濃
度のビニル化合物を直接共重合したものを単独使用する
場合をいう。
【0022】ビニル化合物単位の割合は、熱可塑性樹脂
フィルム中のビニル化合物単位として0.05〜3.0
重量%であるが、好ましくは0.1〜1.0重量%であ
る。0.05重量%未満では流滴持続性改良効果が少な
く、3.0重量%超過では初期段階での流滴性に悪影響
を及ぼすことと流滴持続性改良効果も飽和してしまう。
【0023】エチレン系共重合体は単層フィルム中に均
一に含有させても、また多層フィルムの最外層に濃縮し
て含有させてもよい。含有量が多いほど流滴持続性改良
効果が多いので多層構造として最外層に濃縮含有させる
のが効果と経済性の点で好ましい。
【0024】多層構造の場合は、エチレン系共重合体が
濃縮含有されている最外層表面に流滴剤を塗布する。し
かし最外層以外の層にも必要なら適量含有させてもかま
わない。エチレン系共重合体を含有させるに際しては、
各種安定剤,滑剤,着色剤,保温剤(例えば、ハイドロ
タルサイト,ホウケイ酸ガラス,リンケイ酸ガラス)、
およびその他の無機粉末等も必要に応じて適量添加して
もよい。
【0025】単層フィルムや二層,三層等の多層フィル
ムは、通常インフレーション法,Tダイ法,カレンダー
法等の任意の方法で成膜すればよい。なお、多層フィル
ムの場合エチレン系共重合体を含有させる最外層の厚み
に特に制限はないが、フィルムの成形性,厚み精度,お
よび改良効果を考慮すれば約5〜20μ程度が好まし
い。
【0026】流滴剤の熱可塑性樹脂フィルムへのコーテ
ィング方法は、各種のロール印刷法やどぶ漬け法や吹き
付け法等いずれでもかまわない。またコーティングはフ
ィルム成形後に引き続いて行うインラインコートやフィ
ルム成形・巻取り後に巻戻し工程で行うアウトラインコ
ート、さらにはフィルム展張後にその内面に吹き付けコ
ーティングする方法等で実施できる。
【0027】また、流滴持続性改良補助手段として、流
滴剤をコーティングする前のフィルム表面をコロナ放電
処理(処理量20〜30W・分/m2 )してもよい。
【0028】
【作用】この発明においては、ベースフィルムである熱
可塑性樹脂フィルムにあらかじめ特定のエチレン系共重
合体を含有させてあるので、同共重合体中のヒンダード
アミンによる化学的,静電気的相互作用によりフィルム
の表面特性が大幅に変化すると考えられる。
【0029】すなわち、エチレン系共重合体を含有させ
ることによる流滴剤の塗布性,流滴性等に対する改良効
果の正確な作用機構は不明であるが、フィルム表面にあ
る種の極性が付与され、フィルム表面の化学的,静電気
的(帯電特性)な性質が大きく変化するためと考えられ
る。
【0030】このため、表面塗布型流滴剤の熱可塑性樹
脂フィルムに対する濡れ性と接着性が良くなり、したが
って流滴剤の均一塗布性も良くなる。すなわち、少量の
流滴剤を広く,ムラなく,均一にしかも短時間で塗布す
ることができ、コストも安くつく。
【0031】また、流滴剤がムラなく、均一に、しかも
大変強く接着された状態で塗布されるので、その流滴効
果が均一であり、かつ接着性向上に寄与すると考えられ
るビニル化合物がエチレンと共重合されていることによ
り、熱可塑性樹脂フィルム内からの同化合物の拡散透失
が抑えられ、流滴効果が数年間にわたり安定,継続して
損なわれない。
【0032】
【実施例】表1に示す配合の実施例のフィルム1〜13
(単層フィルム)と表2および表3に示す実施例のフィ
ルム14〜18(多層フィルム)に、下記流滴剤をロー
ル幅2000mmの刷毛ロールコーターを用いて各様の速
度でコーティングし、下記の要領で塗布性と流滴性を評
価した。流滴性は小型のパイプハウスを圃場に設け、こ
れにフィルムを展張して評価した。なお、流滴剤の乾燥
は熱風で行った。
【0033】(1)実施例のフィルム LDPE(MFR1.0,SG0.920)に、ヒンダ
ードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体ペレット
をフィルム中のビニル化合物単位の割合が表1の内容と
なるように配合してなる図1に示す単層フィルムE1
と、ヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合
体ペレットとヒンダードアミン系耐候安定剤(チバガイ
ギー社のチヌビン622)をフィルム中のビニル化合物
単位の割合が表2の内容となるように配合してなる図2
に示す二層フィルムE2 と、ヒンダードアミンを側鎖に
有するエチレン系共重合体ペレットと二酸化ケイ素(S
iO2 ),酸化ホウ素(B23 )を主要成分とするホ
ウケイ酸ガラス粉末をフィルム中のビニル化合物単位の
割合が表3の内容となるように配合してなる図3に示す
三層フィルムE3とを、通常のインフレーション法で成
膜し、それぞれ実施例のフィルムおよび比較例のフィル
ムを得た。
【0034】単層フィルムE1 の厚さは100μ,幅は
1800mmである。また、二層フィルムE2 は図2のよ
うにa層とb層の積層フィルムで、a層の厚みは20
μ、b層の厚みは80μであり、三層フィルムE3 は図
3のようにc層とd層とe層の積層フィルムで、c層の
厚みは15μ、d層の厚みは70μ、e層の厚みは15
μである。幅は両積層フィルムE2 ,E3 とも1800
mmである。
【0035】なお、図1〜図3において、a層とc〜e
層は、エチレン系共重合体含有層、b層はエチレン系共
重合体非含有層を示し、Dは後述する流滴剤のコーティ
ング層を示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】なお、表1,表2,表3中、ヒンダードア
ミンを側鎖に有するエチレン系共重合体〔A〕,
〔B〕,〔C〕は下記の方法で製造した。
【0040】エチレン系共重合体〔A〕 攪拌式オートクレーブ型連続反応器を用いて、エチレン
および酢酸エチルに溶解させた4−アクリロイルオキシ
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよび触媒
としてノルマルヘキサンに溶解させたターシャリーブチ
ルパーオキシピバレートを連続的に供給し、重合圧力2
000kg/cm2 ,重合温度200℃で共重合させた。得
られた共重合体のMFRは2.7g/10分、4−アク
リロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン単位の含量は7.0重量%である。
【0041】エチレン系共重合体〔B〕 エチレン系共重合体〔A〕と同様の装置,手法を用いビ
ニル化合物を4−アクリロイルオキシ−1,2,2,
6,6−ペンタメチルピペリジンに置き換えエチレン系
共重合体を製造した。得られた共重合体のMFRは、
2.0g/10分、4−アクリロイルオキシ−1,2,
2,6,6−ペンタメチルピペリジン単位の含量は7.
0重量%である。
【0042】エチレン系共重合体〔C〕 エチレン系共重合体〔A〕と同様の装置,手法を用いビ
ニル化合物を4−アクリロイルオキシ−1−ブチル−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジンに置き換えエ
チレン系共重合体を製造した。なお、ビニル化合物含量
が7.0重量%になるようにビニル化合物の酢酸エチル
溶液の注入量の微調整を実施した。得られた共重合体の
MFRは、2.5g/10分、4−アクリロイルオキシ
−1−ブチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン単位の含量は7.0重量%である。
【0043】(2)流滴剤 下記(a)〜(d)の有効成分をそれぞれの割合で混合
して得られた流滴剤。 (a)重合物−A:100重量部 (b)アルコール分散コロイダルシリカ(日産化学
(株)製メタノールシリカ):35重量部 (c)ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性
剤):15重量部 (d)メタノール:450重量部 ただし、上記有効成分中の重合物−Aは、下記成分
(e)〜(h)の配合液を60℃で5時間反応させ、N
3 20%水溶液で中和した化合物である。(e)2−
ヒドロキシエチルアクリレート:99重量部 (f)アクリル酸:1重量部 (g)アゾビスイソブチロニトリル(反応触媒):0.
5重量部 (h)メタノール:200重量部 (3)塗布性と流滴性の評価 コーティングスピードを変えて塗布性を比較評価し
た。評価法はコーティング中、肉眼で塗りムラを観察し
判定した。判定は次の3段階として結果をまとめた。 ○:コーティング中に塗りムラ認められず。 △:コーティング中に塗りムラ若干認められる。 ×:コーティング中に塗りムラ多く認められる。
【0044】コーティングスピード8m/分で流滴剤
をコートしたフィルムの流滴性ライフを比較評価した。
評価方法は、図4に示すように、高さ60cm、長さ1.
5mのミニハウス1に試験フィルム2を張付けて畑地3
にセットし、水滴防止性を評価した。
【0045】試験は、昭和61年10月1日より開始し
水滴付着状況の経時変化を観察した。水滴防止性の判定
は次の3段階として結果をまとめた。 ○:フィルム内表面に全く水滴が付着していない。(水
膜として流れている) △:フィルム内表面の約50%に水滴が付着している。 ×:フィルム内表面の全面に水滴が付着している。 また、○〜△は○と△の中間、△〜×は△と×の中間の
水滴付着状態とする。
【0046】(4)評価結果 塗布性の結果を表4に、流滴ライフの結果を表5に示
す。
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】表4,表5より明らかなように、塗布性に
ついては、実施例のフィルムは20〜40m/分のスピ
ードでコーティング可能なのに対し、比較例のフィルム
は10〜15m/分以下のスピードであり、実施例のフ
ィルムが優れている。また、流滴ライフについては、実
施例のフィルムが2年〜4年以上のライフが有るのに対
して比較例のフィルムでは約1年のライフで有り、実施
例のフィルムが大変優れていることが判る。
【0050】次に、下記フィルムを間口5.4m,高さ
2.8m,長さ25mのパイプハウスに展張し、その内
面に下記流滴剤を動力噴霧器で吹き付けてコーティング
し流滴剤の塗布性と流滴性を評価した。 (1)フィルム 前記の実施例のフィルム3,4,9,15,18および
比較例のフィルム1,2をインフレーション法で成膜し
た厚み100μ,幅600cmのフィルム。
【0051】(2)流滴剤 (a)コロイダルシリカ:70重量%(触媒化成社のカ
タロイドSI−350) (b)シラン誘導体:5重量%(γ−ウレイドプロピル
トリエトキシシラン) (c)ノニオン界面活性剤:25重量%(ポリオキシエ
チレン(7モル)オレイン酸エステル) 上記(a)〜(c)の有効成分に水を加えて攪拌混合し
て得られた有効成分濃度が2重量%の流滴剤。
【0052】(3)塗布性と流滴性の評価 塗布に要した時間と流滴剤の使用量、すなわち流滴剤
1リットルでの塗布面積によって塗布性を評価した。
塗布乾燥後(1日間ハウスサイドを開放し十分乾燥)ハ
ウスを密閉して水滴の付着流滴状況の肉眼観察を比較し
評価した。
【0053】(4)評価結果 評価結果を表6に示す。この結果から実施例のフィルム
では比較例のフィルムに比較して塗布時間を約半分に短
縮でき、流滴剤1リットルでの塗布面積も約1.5倍と
なる。また初期の流滴性も大変優れていることが判る。
【0054】
【表6】
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、上述のような構成としたので、流滴剤の熱可塑性樹
脂フィルムへの塗布性と流滴剤塗布後の流滴性とに優
れ、かつ安価な農業用フィルムとその製造方法を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例による農業用フィルムの断面図
【図2】 実施例による農業用フィルムの断面図
【図3】 実施例による農業用フィルムの断面図
【図4】 実施例のフィルムを畑地のミニハウスに張付
けた状態を示す斜視図
【符号の説明】
1 単層フィルム E2 二層フィルム E3 三層フィルム D 流滴剤のコーティング層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池野 元 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化 株式会社 四日市総合研究所内 (56)参考文献 特開 平4−80215(JP,A) 特開 平2−279733(JP,A) 特開 平2−124946(JP,A) 特開 昭57−180616(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 7/04 - 7/06 C08J 5/18 C08L 1/00 - 101/16 B32B 27/00 - 27/42

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒンダードアミンを側鎖に有するエチレ
    ン系共重合体を含有する熱可塑性樹脂フィルムに、無機
    親水性コロイド物質と親水性有機化合物を主成分とする
    表面塗布型流滴剤をコーティングしてなる農業用フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂が、LDPE,EVA,L
    LDPE等のポリオレフィンであり、かつ、ヒンダード
    アミンを側鎖に有するエチレン系共重合体が、エチレン
    と下記一般式 【化1】 (式中、R1 及びR2 は水素原子またはメチル基を、R
    3 は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基をそれぞ
    れ表す)で示されるビニル化合物との共重合体であっ
    て、熱可塑性樹脂フィルム中の該ビニル化合物単位の割
    合が0.05〜3.0重量%である請求項1記載の農業
    用フィルム。
  3. 【請求項3】 無機親水性コロイド物質と親水性有機化
    合物を主成分とする表面塗布型流滴剤を熱可塑性樹脂フ
    ィルムにコーティングするに際し、その熱可塑性樹脂フ
    ィルムに、あらかじめヒンダードアミンを側鎖に有する
    エチレン系共重合体を含有させておくことを特徴とする
    農業用フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂が、LDPE,EVA,L
    LDPE等のポリオレフィンであり、かつヒンダードア
    ミンを側鎖に有するエチレン系共重合体が、エチレンと
    下記一般式 【化2】 (式中、R1 及びR2 は水素原子またはメチル基を、R
    3 は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基をそれぞ
    れ表す)で示されるビニル化合物との共重合体であっ
    て、熱可塑性樹脂フィルム中の該ビニル化合物単位の割
    合が0.05〜3.0重量%である請求項3記載の農業
    用フィルムの製造方法。
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