JP3176864B2 - 特殊ノズルを用いた焼却炉排ガスの冷却方法及び装置 - Google Patents

特殊ノズルを用いた焼却炉排ガスの冷却方法及び装置

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JP3176864B2
JP3176864B2 JP07630397A JP7630397A JP3176864B2 JP 3176864 B2 JP3176864 B2 JP 3176864B2 JP 07630397 A JP07630397 A JP 07630397A JP 7630397 A JP7630397 A JP 7630397A JP 3176864 B2 JP3176864 B2 JP 3176864B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特殊ノズルを用いた
焼却炉排ガスの冷却方法及び装置に関する。より詳しく
は、本発明は、特にダイオキシン類の再生成を抑制し、
塩化水素ガスや硫黄酸化物ガスなどとともに、ダイオキ
シン類や水銀などの有害物質をバッグフィルターで高効
率で除去できるようにするための焼却炉排ガスの冷却方
法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】都市ごみ焼却炉から排出される排ガス中
には、煤塵、塩化水素(HCl)、SOx、NOx、水
銀を含む重金属類やダイオキシン等の微量成分が含まれ
ており、環境保全の立場から、これらの有害物質の除去
が必要である。なかでもダイオキシン類(PCDD:ポ
リ塩化ジベンゾジオキシン、及びPCDF:ポリ塩化ジ
ベンゾフランの総称)については、極めて毒性が強く、
しかも発ガン性をも有することが報告されており、ダイ
オキシン類の捕集・除去は緊急課題として取り上げられ
ている。
【0003】排ガス処理装置を併設した都市ごみの焼却
炉プラントの従来例を図3に示す。図3の装置におい
て、ごみピット1に集められたごみは、図示しないクレ
ーンなどによって焼却炉2に送られる。ごみは焼却炉2
で焼却された後、二次燃焼室3において二次空気により
完全燃焼される。焼却炉2で燃焼後の灰は、灰取出口1
1から外部に取り出される。二次燃焼室3で完全燃焼さ
れ生成した排ガスは、次いで廃熱ボイラ4及び廃熱回収
器(予熱器)5によって熱回収され、急冷反応塔6に至
る。
【0004】急冷反応塔6では、消石灰貯槽7から消石
灰スラリーが噴霧されて排ガス中に含まれる塩化水素
(HCl)、硫黄酸化物(SOx)が除去される。排ガ
スは、次いで、更に下流側のバッグフィルター8に導か
れ、排ガス中に残存する煤塵、HCl、SOx、重金属
類、ダイオキシン類が除去される。なお、9は誘引排風
機で、前記のように処理された後の排ガスを吸引し、煙
突10を介して大気中へ排出する。
【0005】しかしながら、上記の排ガス処理装置を用
いて焼却炉からの排ガスを処理した場合においても、所
望の低濃度までダイオキシン類を削減することができな
いケースが生じている。すなわち、ごみの焼却過程で生
成したダイオキシン類は2次燃焼室でほぼ分解される
が、排ガス処理工程である熱回収工程、冷却反応工程、
及び集塵工程の各工程において、焼却炉排ガスは約35
0〜900℃程度の高温から低温へ温度を下げる必要が
ある。しかしながら、特に約300℃付近で毒性の強い
ダイオキシン類の再生成が起こりやすく、従って、上記
の従来の排ガス処理装置においては、各工程でダイオキ
シン類が再生成し、その結果、ダイオキシン類を所望の
低濃度まで捕集・除去することができないという問題が
生じている。
【0006】上記のうち、排ガスの冷却技術としての廃
熱回収器は、冷却時間がやや長く、部分的にガスの流れ
が不均一になるという問題があるほか、ダストが機器の
表面に付着堆積する。また、温度やガス流量の変化があ
ると、出口温度が変わってしまう。その結果、ダイオキ
シン類の発生が多くなったり、さらに温度を制御するた
めに水噴射冷却手段が必要となる。排ガス冷却手段とし
て水噴射冷却塔を用いると、粗い水滴で冷却するため、
ガスの温度の制御ができず、ダストがスラリー状になっ
てしまう。この結果、バッグフィルターが使用不可とな
り、ダストの処理も困難である。また、水噴射冷却手段
として、ダクトや塔状部分に水やスラリーを噴霧する方
法があるが、ガスの均一な冷却ができないという欠点が
ある。上記のようなダイオキシン類の排出抑制につい
て、厚生省は、平成2年に「ダイオキシン類発生防止等
ガイドライン」を策定し、ダイオキシン類の排出濃度が
0.5ng−TEQ(毒性等価換算濃度)/Nm3程度
以下になることが期待されていたが、さらに平成8年1
0月に上記ガイドラインを見直し、今後建設されるごみ
焼却連続炉におけるダイオキシン類の排出濃度を0.1
ng−TEQ(毒性等価換算濃度)/Nm3程度以下と
することが検討されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来の
問題に鑑みてなされたものであり、排ガスからの廃熱回
収をダイオキシン類の発生を抑制し得る温度範囲に限定
し、また高温の排ガスを急速に、特に300℃付近を1
秒以内の短時間という降温速度で冷却することにより、
焼却炉プラントからのダイオキシン類の排出濃度を0.
1ng−TEQ/Nm3以下とするとともに、ダストを
乾燥状態で回収することができる、経済的でかつ保守の
し易い焼却炉排ガスの冷却方法及び装置を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、廃棄物の焼却炉から排出される高温の排ガスを、後
工程で清浄化処理するための焼却炉排ガスの冷却方法で
あって、該焼却炉排ガスを、上流側にガス分配室を有す
る噴霧冷却室に導入して該焼却炉排ガスに旋回流を与え
て、該ガス分配室からの該焼却炉排ガス速度が10〜5
0m/s、該焼却炉排ガスの旋回速度が1〜30rad
/sとし、該噴霧冷却室の中央上部に設置した二重管構
造の噴霧ノズルから、1本当りの流量0.1〜100k
g/minの冷却液が旋回しながら噴出し、その周囲を
圧力5〜40kPaの加圧空気が旋回しながら噴出する
ことにより、該冷却液が噴霧角5〜90度で微粒化噴霧
た噴霧冷却液と接触混合せしめることにより、前記焼
却炉排ガスを250〜350℃の間を1秒以内の短時間
で降温させるようにして所定温度以下まで急速冷却する
とともに、該焼却炉排ガスに含まれるダストを乾燥状態
分離することを特徴とする焼却炉排ガスの冷却方法、
が提供される。本発明においては入口温度350〜9
00℃のガスを、出口温度80〜250℃まで急速冷却
することが好ましい
【0009】また、本発明によれば、廃棄物の焼却炉か
ら排出される高温の排ガスを、後工程で清浄化処理する
ための焼却炉排ガスの冷却装置であって、下流端部が逆
円錐状の略円筒状に形成されたチャンバーと、該チャン
バーの上流側に配置されたガス分配室と、該チャンバー
の中央上部に設けた、内部を冷却液が通り、周囲を加圧
空気が通る二重管構造の冷却液噴霧ノズルとを備え、該
冷却液噴霧ノズルは、二重管構造の内部を1本当りの流
量0.1〜100kg/minの冷却液が旋回しながら
噴出し、その周囲を圧力5〜40kPaの加圧空気が旋
回しながら噴出することにより、前記冷却液の微粒化を
行い、前記焼却炉排ガスを250〜350℃の間を1秒
以内の短時間で降温させるようにしたことを特徴とする
焼却炉排ガスの冷却装置、が提供される。この冷却装置
においては、ガス分配室を構成する壁部の一部をジャケ
ット構造とすることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における焼却炉排ガスの冷
却の基本作用を説明する。上記のように、焼却炉排ガス
は、約350〜900℃の高温であり、高温から低温へ
の降下過程において、排ガス温度が約300℃付近にな
ると、ダイオキシン類の再生成が起こる。そこで、本発
明では、冷却方法として、高温の排ガスを急速冷却する
にあたり、300℃付近である250〜350℃の間を
1秒以内の短時間で降温させることにより、排ガスの3
00℃付近での滞留時間を極端に短くして、ダイオキシ
ン類の再生成を可能な限り小さくしたものである。
【0011】本発明では、このような排ガスの急速冷却
を達成するために、焼却炉排ガスを、下流端部が逆円錐
状の略円筒状に形成された噴霧冷却室内に導入し、焼却
炉排ガスに旋回流を与えつつ、噴霧冷却液と混合させて
いる。また、本発明において、300℃付近での降温速
度(冷却速度)を速くするということは、排ガスの各部
分、部分において均一に降温速度が速いことが、排ガス
からのダイオキシン類再生成を抑制する上で重要であ
る。したがって、このために、本発明では、冷却液の噴
霧手段として、特殊な二重管構造の噴霧ノズルを用い、
二重管構造の内部を流量0.1〜100kg/minの
冷却液が旋回しながら噴出し、その周囲を圧力5〜40
kPaの加圧空気が旋回しながら噴出するようにして冷
却液の微粒化噴霧を行い、この微粒化噴霧液と、ガス速
度が10〜50m/s、ガスの旋回速度が1〜30ra
d/sの排ガスとを混合させることが好ましい。又、噴
霧する冷却液としては、通常、水を用いるが、その他、
石灰乳などのアルカリスラリーや、焼却炉プラントに付
設された水処理設備から排出される処理済みの塩類を含
んだ廃水などを用いることができる。
【0012】本発明のように、焼却炉排ガスの300℃
付近での滞留時間を極端に短くして、ダイオキシン類の
再生成を可能な限り小さくすることにより、その後の処
理工程(たとえば、消石灰粉や活性炭添加処理、バッグ
フィルターによる処理など)を経由することで、ダイオ
キシン類の大気への排出濃度を、厚生省策定のガイドラ
インでいう0.1ng−TEQ/Nm3以下とすること
ができる。この点を具体的に説明すると、消石灰粉や活
性炭添加処理、バッグフィルターによる処理等、その後
の処理工程のダイオキシン類の除去効率は、排ガス温度
や活性炭の量等を調整することで98%程度を達成でき
る。従って、その前工程である本発明の急速冷却処理後
のダイオキシン類の濃度が1.5ng(TEQ)/Nm
3の場合には、後工程を経由すれば、0.02ng(T
EQ)/Nm3となり、ガイドラインを楽々下回るが、
一方、従来の図4に示す廃熱回収器および急冷反応塔な
どでは、ダイオキシン類の濃度は、10ng(TEQ)
/Nm3を超えた値となり、後工程による除去処理を施
しても、ガイドライン値の0.1ng−TEQ/Nm3
以上となるのである。
【0013】以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明
する。図1は、本発明に用いる噴霧冷却室の一実施例を
示す断面概要図である。図1において、20はチャンバ
ーで、下端部が逆円錐状、上端部が円錐状で、胴体部が
略円筒状に形成されている。チャンバー20の上部側に
は、旋回ベーン25を備えたガス分配室21が配置さ
れ、図示しない焼却炉からの排ガス(高温ガス)が送ら
れてくる入口ダクト22に連通している。ガス分配室2
1としては、排ガス温度が600℃を超える場合は、壁
部の一部をジャケット構造として冷却水を流通させ、安
い装置材料の使用ができるようにすることが好ましい。
チャンバー20の中央上部には、二重管構造の冷却液噴
霧ノズル23が設けられており、この冷却液噴霧ノズル
23の内部には、送水設備24から水が、冷却液噴霧ノ
ズル23の外周側には、送風設備30から加圧空気がそ
れぞれ送られるように形成されている。冷却液噴霧ノズ
ル23を用いると、二重管構造の内部を冷却液が旋回し
ながら噴出し、その周囲を加圧空気が旋回しながら噴出
するため、内部から噴出する冷却液が、その周囲から噴
出する加圧空気によって飛散し、冷却液の微粒化が達成
される。なお、微粒化の程度は、冷却液の流量、加圧空
気の圧力などにより調整できるが、好ましくは、冷却液
の流量が1本当り0.1〜100kg/minの範囲、
加圧空気の圧力が5〜40kPaの範囲がよい。このこ
とによって、冷却液の流量が小さくなるにつれて液滴の
平均粒子径が小さくなる噴霧条件が得られる。ここで、
本発明で好適に用いられる二重管構造の冷却液噴霧ノズ
ル23としては、本願出願人がすでに取得した特許第2
524379号や、特開平4−281872号公報に記
載のごとく、液吹出しのための圧力旋回ノズルと、その
周りに設けた高速ガス吹出し用筒状体とからなり、その
先端部を先細り構造としたものを挙げることができる。
この冷却液噴霧ノズルにおいては、2つの微粒化段階が
あり、まず圧力旋回ノズルの液自身のもつ圧力で一次微
粒化をさせる。この一次微粒化は、液が円錐環状に噴射
されるものである。次に、一次微粒化された液滴に対し
て、吹出し用筒状体から吹き出した高速ガスを集中的に
衝突させて二次微粒化させることにより、液を低圧で噴
霧する場合であっても、液の微粒化を達成でき、また、
液滴径の制御をも行うことができる。チャンバー20の
下端部には、ダスト排出口26が設けられ、また、排ガ
スを排気する排気管27がチャンバー20の逆円錐状部
29に開口している。28は消石灰粉吹込口である。
【0014】上記のように噴霧冷却室15は構成されて
おり、その排ガス処理を説明すると、入口ダクト22か
ら送られてくる排ガス(高温ガス)は、ガス分配室21
に送入される。ガス分配室21には旋回ベーン25が備
えられており、旋回ベーン25により、排ガスには所定
のガス速度、旋回速度の旋回流が付与され、排ガスはチ
ャンバー20内を旋回しながら、徐々に下降していく。
一方、冷却液噴霧ノズル23からは、上記のように微粒
化された冷却液が噴霧されており、排ガスと瞬間的に接
触混合される。なお、TICは温度制御装置を示してお
り、入口排ガス温度と出口ガス温度を検知し、それぞれ
の値をフィードフォワード及びフィードバックすること
により、送水設備24から冷却液噴霧ノズル23への送
水量を制御している。
【0015】このようにして排ガス(高温ガス)と冷却
液とが接触混合されると、微粒化・噴霧された冷却液
が、旋回流を付与された高温ガスと接触混合するため、
冷却液とガスとの接触効率がきわめてよく、約350〜
900℃の高温ガスは急速に冷却されて、短時間で約8
0〜250℃程度まで降温する。また、高温ガスの各部
分、部分において均一に降温速度が速く、ダイオキシン
類発生抑制に必要な250〜350℃の間を1秒以内に
冷却することができる。なお、高温ガスの温度の変動、
ガス量の変動に対しても、噴霧する冷却液の噴霧量を調
整・制御することにより、上記のように急速な冷却を達
成することができる。また、出口ガス温度を所定の温度
とする場合にも、冷却液の噴霧量を制御することで達成
できる。噴霧冷却室15において、排ガスが冷却液と接
触混合されて、所定の温度まで冷却された後、低温にな
った排ガスはチャンバー20の逆円錐状部29に開口さ
れた排気管27から下流側に排気される。この際、消石
灰粉吹込口28から排気管27内に消石灰粉を吹き込ん
でSOx、HClと反応させ、これらの物質を除去す
る。なお、排ガス中に含まれるダストの一部は、乾燥状
態でチャンバー20の下端部のダスト排出口26から外
部に取り出される。
【0016】図2は、本発明の排ガス処理装置を組み込
んだ焼却炉プラントの一実施例を示す説明図である。図
2の装置において、ごみピット1から、焼却炉2、二次
燃焼室3、廃熱ボイラ4までの構成は、図3の構成と同
一である。廃熱ボイラ4によって熱回収され、少し降温
された排ガス(高温ガス)は、次いで、噴霧冷却室12
に導入されて所定温度まで急速に冷却される。冷却され
た排ガスは、排気管13より噴霧冷却室12から排気さ
れるが、排気管13の途中において消石灰粉貯槽14か
ら消石灰粉が吹き込まれて、排ガスに含まれるSOx、
HClと反応し、これらの物質が除去される。ここで、
消石灰粉の吹込み量は、排ガス中のSOx、HClの当
量の2〜4倍とすることが好ましい。
【0017】また、排気管13へは、活性炭貯槽16か
ら活性炭が送入されて、排ガスに含まれる水銀などの重
金属類、ダイオキシン類がさらに除去される。活性炭の
送入量は、ダスト濃度、消石灰量、循環ダスト量にもよ
るが、0.05〜0.30g/Nm3 の範囲が好まし
い。このようにSOx、HCl及び重金属類、ダイオキ
シン類が付加された粉体に反応・吸着された排ガスは、
次いでバッグフィルター8に導かれて固気分離され、排
ガス中に残存する煤塵、HCl、SOx、重金属類、ダ
イオキシン類が除去される。なお、バッグフィルター8
で分離されたダストは、その一部を排気管13に循環す
ることができる。また、焼却炉プラントの配置計画によ
っては、噴霧冷却室を横置型としたり、上下逆あるいは
傾斜したものなど、自由な配置とすることができる。そ
してバッグフィルター8を通過した排ガスは、誘引排風
機9により誘引され、煙突10から大気中へ排出され
る。
【0018】以下、本発明をさらに具体的に説明する。 (設計例)図1の構造で、表1に示す寸法、性能を有す
る二重管構造の冷却液噴霧ノズルを用いた噴霧冷却室
(本発明)を用いて、下記に示す排ガスの冷却を設計し
た。また、比較のために、表1に示す寸法、性能を有す
る二流体ノズル、高圧ノズル、及び回転円盤型のそれぞ
れの水噴霧機を用いた噴霧冷却室を用いて、同様に排ガ
スの冷却を設計した。
【0019】
【表1】
【0020】〔排ガス〕 入口ガスの流量: 120,000kg/hr 入口ガスの温度: 500℃ 入口ガス速度 : 25m/s 入口ガスの旋回速度:3rad/s ダイオキシン類の濃度:1.0ng/Nm3 ダスト濃度 : 6g/Nm3 〔噴霧液〕 水量 : 約17ton/hr
【0021】以上に示す各種の噴霧冷却室を用いて排ガ
スを冷却したところ、本発明の場合には、出口ガスの温
度は130℃にすることができ、しかも250〜350
℃の間を1秒以内で冷却することができるため、排ガス
のダイオキシン類の濃度は1.0ng(TEQ)/Nm
3から1.3ng(TEQ)/Nm3までしか増加せず、
ダイオキシン類の再生成を抑制することが可能になる。
さらに、消石灰粉、活性炭などを添加後、バッグフィル
ターで集塵し清浄化された排ガス中のダイオキシン類の
濃度は0.1ng(TEQ)/Nm3以下とすることが
できる。
【0022】一方、二流体ノズル、高圧ノズル、及び回
転円盤型の水噴霧機を用いた場合においても、出口ガス
の温度は150℃にでき、排ガスのダイオキシン類の濃
度は1.0ng(TEQ)/Nm3から2.0ng(T
EQ)/Nm3までしか増加せず、ダイオキシン類の再
生成を抑制できるため、消石灰粉、活性炭などを添加
後、バッグフィルターで集塵し清浄化された排ガス中の
ダイオキシン類の濃度を0.1ng(TEQ)/Nm3
以下とすることができる。ただし、二流体ノズルの場合
には、室内での均一冷却が困難で、かつ、極めて多数の
ノズルが必要となって、管理が複雑となり、また、圧縮
空気(圧力は2kg/cm2以上)が必要で動力費は本
発明の3〜20倍となり、経済的でない。高圧ノズルの
場合には、高圧配管の維持、結露による腐食に加え、立
ち上げ時、停止時の運転において、微粒化が困難で、効
果的な冷却ができないという問題がある。また、回転円
盤型の場合には、保守、即ちメンテナンスを専門的技能
を持った人間で行わなければならないこと、高温に対し
ては、機械に対する多くの安全装置が必要であること、
さらに、緊急停止時や回転機械のトラブル時の対策が困
難であり、配管の自由度もないという問題がある。これ
に対して、本発明の二重管構造の冷却液噴霧ノズルを用
いた場合には、立ち上げ時、停止時にかかわらず、安定
した運転が可能で、室内の均一冷却も優れており、しか
も運転費も安価でメンテナンスも容易である。
【0023】(従来例)図3に示す従来例の廃熱回収器
及び急冷反応塔を使用し、入口ガス温度280℃、出口
ガス温度150℃の条件で上記と同様の処理をした場
合、急冷反応塔の入口でダイオキシン類濃度は10ng
(TEQ)/Nm3を超えており、また急冷反応塔出口
も同様で、バッグフィルターで清浄化処理後においても
0.5ng(TEQ)/Nm3程度にしかならず、厚生
省のガイドラインの0.1ng(TEQ)/Nm3をク
リアすることができない。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高温の排ガスを急速に、特に300℃付近を1秒以内の
短時間という大きな降温速度で冷却することができるの
で、ダイオキシン類の再生成を抑制することができ、ま
た、ダストを乾燥状態で回収することができ、しかも経
済的かつ保守が容易であるという顕著な効果を奏するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に用いる噴霧冷却室の一実施例を示す
断面概要図である。
【図2】 本発明の排ガス処理装置を組み込んだ焼却炉
プラントの一実施例を示す説明図である。
【図3】 従来の排ガス処理装置を併設した都市ごみの
焼却炉プラントの例を示す説明図である。
【符号の説明】
15…噴霧冷却室、20…チャンバー、21…ガス分配
室、22…入口ダクト、23…冷却液噴霧ノズル、24
…送水設備、25…旋回ベーン、26…ダスト排出口、
27…排気管、28…石灰粉吹込口、29…逆円錐状
部、30…送風設備。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相嶋 静夫 神奈川県横浜市都筑区池辺町3847 大川 原化工機株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−281872(JP,A) 特開 平5−231633(JP,A) 実開 昭60−148839(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23J 15/04 B01D 51/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物の焼却炉から排出される高温の排
    ガスを、後工程で清浄化処理するための焼却炉排ガスの
    冷却方法であって、 該焼却炉排ガスを、上流側にガス分配室を有する噴霧冷
    却室に導入して該焼却炉排ガスに旋回流を与えて、該ガ
    ス分配室からの該焼却炉排ガス速度が10〜50m/
    s、該焼却炉排ガスの旋回速度が1〜30rad/sと
    、該噴霧冷却室の中央上部に設置した二重管構造の噴
    霧ノズルから、1本当りの流量0.1〜100kg/m
    inの冷却液が旋回しながら噴出し、その周囲を圧力5
    〜40kPaの加圧空気が旋回しながら噴出することに
    より、該冷却液が噴霧角5〜90度で微粒化噴霧した噴
    霧冷却液と接触混合せしめることにより、前記焼却炉排
    ガスを250〜350℃の間を1秒以内の短時間で降温
    させるようにして所定温度以下まで急速冷却するととも
    に、該焼却炉排ガスに含まれるダストを乾燥状態で分離
    することを特徴とする焼却炉排ガスの冷却方法。
  2. 【請求項2】 入口温度350〜900℃のガスを、出
    口温度80〜250℃まで急速冷却する請求項1記載の
    焼却炉排ガスの冷却方法。
  3. 【請求項3】 廃棄物の焼却炉から排出される高温の排
    ガスを、後工程で清浄化処理するための焼却炉排ガスの
    冷却装置であって、 下流端部が逆円錐状の略円筒状に形成されたチャンバー
    と、 該チャンバーの上流側に配置されたガス分配室と、 該チャンバーの中央上部に設けた、内部を冷却液が通
    り、周囲を加圧空気が通る二重管構造の冷却液噴霧ノズ
    ルとを備え、 該冷却液噴霧ノズルは、二重管構造の内部を1本当りの
    流量0.1〜100kg/minの冷却液が旋回しなが
    ら噴出し、その周囲を圧力5〜40kPaの加圧空気が
    旋回しながら噴出することにより、前記冷却液の微粒化
    を行い、前記焼却炉排ガスを250〜350℃の間を1
    秒以内の短時間で降温させるようにしたことを特徴とす
    る焼却炉排ガスの冷却装置。
  4. 【請求項4】 ガス分配室を構成する壁部の一部をジャ
    ケット構造とした請求項記載の焼却炉排ガスの冷却装
    置。
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