JP3176085B2 - 連続焼鈍炉における板温制御装置 - Google Patents

連続焼鈍炉における板温制御装置

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JP3176085B2
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仁志 大島
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば板厚、板幅あ
るいは焼鈍炉出口での目標板温が異なる金属帯を焼鈍炉
に連続的に通板して連続焼鈍を行う連続焼鈍炉にあっ
て、焼鈍炉出口での各金属帯の板温を極力その目標板温
になるように制御する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】連続焼鈍炉にあっては、板厚、板幅ある
いは焼鈍炉出口での目標板温が異なる種々の鋼帯をも含
む金属帯(以下、単に鋼帯ということがある)をあらか
じめ接続して一続きに形成された各鋼帯を焼鈍炉に連続
的に通板して連続焼鈍を行っている。
【0003】この連続焼鈍において、鋼帯の板温、特に
焼鈍炉出口での板温は、製造される鋼帯の品質面におけ
る機械的性質などに大きな影響を及ぼすので、仕様が異
なる各鋼帯ごとに焼鈍炉出口での目標板温およびこの目
標値を含む許容範囲を設定しておき、各鋼帯の板温がそ
れぞれ設定された許容範囲に納まるように制御する必要
がある。
【0004】従来からの連続焼鈍炉における板温制御方
法としては、それぞれの鋼帯の仕様に合わせて通板速度
および焼鈍炉の炉温を設定することが一般的である。と
ころが大きな炉容積を有し多量の耐火物等により築炉さ
れた焼鈍炉の炉温変更に対する応答性は遅く、特に仕様
が異なる鋼帯の接続点近傍では実際の板温と目標板温と
の偏差が大きくなって実際の板温が許容範囲からはず
れ、多量の品質異常部分が発生し歩留りが低下するとい
う問題点がある。
【0005】炉温変更に対する応答性が遅いので、実際
の板温と目標板温との偏差が大きくなってしまい、鋼帯
の品質補償面から目標板温(目標値)を含む許容範囲を
極力狭めようとしても困難である問題点が存在する。ま
た、かかる偏差を極力小さくし回避するために、炉長を
長くする手段があるが、これも広い敷地を要しかつ製造
ライン内に組込まれた既存焼鈍炉の設備改造は困難であ
るとともに設備費用およびその維持費用がかさみかつ省
エネルギー面でも問題点である。さらに、前記品質異常
部分の発生した鋼帯を歩留りを落とさずに少しでも有効
に救済しようとすれば、たとえばその向先を変更し、よ
り薄い板厚に再圧延かつ再焼鈍せねばらなず、機会損失
となり生産性が低下するという問題点がある。
【0006】図10を参照して、このような先行技術の
制御動作を説明する。連続焼鈍炉の炉体には炉壁を加熱
して炉内を走行中の鋼帯を、この炉壁からの輻射伝熱を
主として加熱するバーナーが設けられており、この図1
0(a)では、このような鋼帯1が矢符2方向に走行中
であり、この鋼帯1は先行鋼帯1aと後行鋼帯1bとが
接続点Wで溶接されて通板されており、その通板速度は
図10(b)で示されるように一定値である。この先行
鋼帯1aに比べて後行鋼帯1bの焼鈍時の温度は高く設
定する必要があるものとすると、連続焼鈍炉の炉温は図
10(c)に示されるように、接続点Wが炉内に入って
きたとき、バーナーの燃焼量、すなわち単位時間あたり
の発熱熱量を増大して、バーナーの燃焼量を、鋼帯1の
接続点Wの進入に伴って、急激に変化したとしても、そ
の鋼帯1の後行鋼帯1bを加熱するための炉温は図10
(c)に示されるように低い応答性で緩慢に上昇し、し
たがって鋼帯1の板温は図10(d)で示されるよう
に、後行鋼帯1bでは接続点Wから長さL(m)だけ走
行した後に初めて、板温が目標板温T0の上下の許容範
囲ΔT内に入ることになり、したがって後行鋼帯1bの
長さLは、板温の許容範囲ΔTを外れ、焼鈍後の狙った
品質許容範囲から外れた品質異常部分となり、屑化され
て歩留りが低下する。
【0007】このような問題点を解決するための制御方
法として、特開平2−258933号公報に開示されて
いる方法がある。この制御方法は、あらかじめ設定され
ている鋼帯の目標板温および通板速度に基づいて、焼鈍
炉の炉温設定値の変更量と、該変更量に対する焼鈍炉の
炉温の応答変化量および鋼帯の通板方向における板温変
化量とを推定し、推定された板温変化量と鋼帯の目標板
温との偏差が許容範囲外である場合には、焼鈍炉の炉温
制御および鋼帯の通板速度の修正制御を行う方法であ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の制御方
法では、炉温の応答遅れに伴う板温応答の遅れを推進
し、この推定に基づいて通板速度の修正制御にて補償す
ることにより、板温応答の悪さを改善して板温が許容範
囲外である部分をある程度低減することは可能である。
ところが、このラインの速度制御に修正を行うことは板
温の制御には有効であるが限界があり、ライン全体や局
部的な各ロール類の速度制御や張力制御に変動を与え易
く、鋼帯の表面へのスリップ疵の発生等品質面の悪影響
が問題となる。
【0009】本発明の目的は、以上に説明した諸問題点
を解決することにあり、とりわけ連続焼鈍炉において焼
鈍される各金属帯の板温が許容範囲外である部分、すな
わちこの品質異常となる部分を大幅に低減して、歩留り
の向上を図ることができるようにした連続焼鈍炉におけ
る板温制御装置を提供することにある。
【0010】
【0011】
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)炉体の
側壁に設けられ、炉体内部を加熱して金属帯を主として
炉壁からの輻射伝熱によって加熱する第1バーナと、 (b)炉体の第1バーナよりも上流側に設けられ、かつ
炉体の長手方向および幅方向に複数個それぞれ配置さ
れ、金属帯を主として対流伝熱によって加熱する第2バ
ーナであって、燃料と燃焼用空気とが供給されるバーナ
本体と、バーナ本体に取付けられるバーナタイルとを含
み、バーナ本体には、燃料ヘッダが備えられており、か
つ燃料ヘッダの先端部には整流片を有するノズルが設け
られており、バーナタイルには、スロート部と偏平な火
炎を噴射するスリット部とが形成されている第2バーナ
と、 (c)金属帯の温度変化すべき部分の位置を検出する手
段と、 (d)加熱すべき金属帯の板厚、板幅および成分と、金
属帯の予め定める目標板温および通板速度と、設定炉温
とに応じて第1および第2バーナの燃焼量を演算によっ
て求める演算手段と、 (e)演算手段の出力に応答し、第1および第2バーナ
の燃焼量を制御する燃焼制御手段であって、前記検出手
段の出力に応答し、前記部分よりも上流側の金属帯の加
熱熱量を増加すべきとき、 (e1)前記部分が第2バーナによる加熱位置に来るよ
りも前に、第1バーナの燃焼量を増加し、第2バーナの
燃焼量を減少して、金属帯の加熱熱量を一定に保ち、 (e2)前記部分が第2バーナによる前記加熱位置に来
たとき以降、第1バーナの燃焼量を増加した一定値に保
ち、第2バーナの加熱量を急に増加し、その増加した一
定値に保つ燃焼制御手段とを含むことを特徴とする連続
燃鈍炉における板温制御装置である。
【0013】また本発明は、前記燃焼制御手段は、前記
検出手段の出力に応答し、前記部分よりも上流側の金属
帯の加熱熱量を減少すべきとき、 (e3)前記部分が第2バーナによる加熱位置に来たと
き以降、第1バーナの燃焼量を減少し、予め定める時間
経過後、その減少した一定値に保ち、第2バーナの燃焼
量を急に減少し、その後、時間経過に伴って増加し、急
減後の前記一定時間経過後は一定値に保つことを特徴と
する。
【0014】
【作用】本発明に従えば、連続焼鈍炉の炉体内に接続さ
れて連続通板される各金属帯は、炉壁が加熱され間接的
な炉壁からの輻射伝熱を主とする第1バーナー(群)
と、金属帯に燃焼火炎が直接に接触し、またはごく近接
し、この火炎によって対流伝熱を主とする第2バーナー
(群)とが設けられ、これらの第1および第2バーナー
の燃焼量、すなわち単位時間あたりの各金属帯の加熱の
ための発生熱量を個別的に変化し、こうして金属帯の加
熱熱量が異なる部分の前後における先行金属帯と後行金
属帯とに、必要な熱量を正確に与えて焼鈍することが可
能となり、第1バーナーによる炉温変化の応答速度が低
くても、応答速度の高いあるいは高くし得る第2バーナ
ーを組合わせて適宜および適時使用して、各金属帯の全
長にわたり必要な加熱熱量を与えて加熱し、こうして炉
出口での各金属帯の板温が許容範囲外である部分を大幅
に低減し、これにより品質異常となる部分を極力減少し
て金属帯の連続焼鈍炉における焼鈍異常を防止し、その
歩留りの向上を図ることができる。
【0015】さらに本発明に従えば、先行金属帯と後行
金属帯との接続点などである金属帯の加熱熱量の変化す
べき部分を、検出手段によって検出し、通板方向の上流
側に第2バーナーを配置し、第2バーナーよりも下流側
に第1バーナーを配置し、前記部分が第2バーナーによ
る加熱位置にくるよりも前では、前記それよりも上流側
の金属帯、すなわち後行金属帯の加熱熱量を増加すべき
とき、第1バーナーの燃焼量を増加し、かつ第2バーナ
ーの燃焼量を減少し、こうして先行金属帯の加熱熱量を
一定に保ったままとし、次に前記部分が第2バーナーに
よる加熱位置にきたとき以降では、第1バーナーの燃焼
量を増加した一定値に保ったままで、かつ第2バーナー
の加熱量を急に、すなわち単位時間あたりの加熱量の大
きな変化量で、増加し、その第2バーナーの燃焼状態
を、金属帯の目的の加熱熱量が金属帯に与えられるよう
に制御する。金属帯の加熱熱量を減少すべきときにも、
類似の動作が行われる。第2バーナーは通常時には、定
格燃焼をさせることができるので、その第2バーナーの
効率の向上をはかることができる。こうして応答性の悪
い第1バーナーによる加熱と応答性の良好な第2バーナ
ーとを組合わせうまく使い分けながら用いて、先行金属
帯と後行金属帯との接続点などの部分の前後での各金属
帯に与える加熱熱量を急激に変化させることができる。
【0016】したがって金属帯の加熱熱量を増加または
減少することによって、たとえば先行金属帯に比べて後
行金属帯の板温を上昇または下降することができる。こ
のように板温を急に変化させ得るので先行金属帯と後行
金属帯との鋼種変更や同鋼種でも目標板温を変更する場
合や板厚および板幅などの変更によって、先行金属帯と
後行金属帯との板温を一定とするために、各金属帯の加
熱熱量を変化しなければならないときが生じ、このよう
なときに本発明が実施される。
【0017】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の全体の系統図で
ある。種々の鋼帯が接続されて成る鋼帯1は通板方向2
に走行され、連続焼鈍炉3内において加熱されて焼鈍さ
れる。連続焼鈍炉3内では、搬送ロール4によって鋼帯
1が支持されて連続的に通板される。連続焼鈍炉3にお
いて、炉温を測定する温度計5が設けられており、その
検出温度を表す信号は、燃焼制御手段6に与えられ、こ
れによって鋼帯1を、輻射伝熱を主として加熱する第1
バーナー7の燃焼量、すなわち単位時間あたりの加熱熱
量(単位kcal/h)が変化され、またその第1バー
ナーよりも上流側に設けられる第2バーナー8の燃焼量
も変化される。
【0018】連続焼鈍炉3の入口側には、通板速度を検
出する速度計9と、鋼帯1のうち先行鋼帯1aと後行鋼
帯1b(後述の図8(a)参照)の接続点Wを検出する
検出手段10とが設けられる。この速度計9と検出手段
10との出力はトラッキング手段11に与えられ、こう
して接続点Wの位置を表す信号はトラッキング手段11
を介して燃焼制御手段6に与えられる。トラッキング手
段11は、先行および後行鋼帯1a,1bの接続点Wの
位置を前述のように検出し、その位置が第2バーナー8
による加熱位置8aに到達する前後において、燃焼制御
手段6による第1および第2バーナー7,8の燃焼量を
変化させる。
【0019】仕様設定手段12は、鋼帯1の仕様、すな
わち各鋼帯1毎の鋼種、板厚、板幅、焼鈍炉出口での目
標板温とその許容範囲および通板速度などを設定し、次
なる制御のために設けられ、このような各鋼帯1毎の仕
様があらかじめ設定される。演算手段13は、通板され
ている先行鋼帯1aと後行鋼帯1bのように、接続部W
で隣り合う前後の鋼帯1a,1bの仕様に基づいて、そ
の接続点Wの前後での各鋼帯1a,1bの加熱熱量を演
算し、これに基づき、炉温、および板温の変化量、なら
びに第1および第2バーナー7,8の出力、すなわち燃
焼量の変更必要量を演算し、その演算結果を燃焼制御手
段6に与える。
【0020】図2は連続焼鈍炉3の要部縦断面図であ
り、図3はその平面図である。連続焼鈍炉3の側壁14
には、サイドバーナーなどと呼ばれる第1バーナー7が
設けられ、この第1バーナー7は、炉3内部を耐火物な
どで築炉された炉体15内部全域を加熱し、主としてそ
の炉体15内部の全炉壁からの輻射熱によって鋼帯1を
加熱する構成を有する。
【0021】このような連続焼鈍炉3内を連続的に通板
されながら加熱される鋼帯1は、主として、この第1バ
ーナー7によって大きな炉容の炉体15内部を構成して
いる多量の耐火物などを加熱し、この加熱されて高温と
なった耐火物(炉内壁)から放射される放射線(輻射
線)を受けて、つまり間接的に伝熱されて加熱される。
したがって、通板中の鋼帯1の後行鋼帯1bを、設定さ
れた仕様に基づいて接続部Wの境界からその目標温度に
急激に上昇または下降しようとしても、まず多量で大き
な熱容量を有する耐火物(炉内壁)を上昇または下降せ
ねばならないのであるが、これが急激に変化できずに相
当の遅れを生じ応答性が低いので、困難なのである。
【0022】さらにこの炉体15の天井壁16には、第
1バーナー7よりも上流側で複数のスリットバーナーな
どと呼ばれる第2バーナー8が設置される。この第2バ
ーナー8は、その燃焼する火炎を鋼帯1の表面に直接に
接触するかまたは近接させるように噴射して、火炎によ
る対流伝熱を主として鋼帯1を加熱する。第2バーナー
8の下流側で天井壁16にはまた、鋼帯1を、輻射伝熱
を主として加熱するその他の第1バーナー(図示しな
い)を設けてもよい。第2バーナー8の近傍に、さらに
第1バーナー7aが設けられてもよい。図2および図3
には、鋼帯1の全幅にわたって単一個の、または単一個
に構成された第2バーナー8が炉3長方向に複数個配置
された事例を図示している。
【0023】また図4は、第2バーナー8の他の簡略化
した縦断面図である。この第2バーナー8は、幅W1を
有するスリット状ノズルを有し、このような第2バーナ
ー8がたとえば炉体15の幅方向に複数個配置されて、
鋼帯1の全幅にわたってほぼ均一な温度で偏平な火炎を
噴射して幅方向に均一な温度で加熱することもできる。
【0024】図5は第2バーナー8の簡略化した縦断面
図であり、図6は図5のVI−VIから見た断面図であ
る。接続口18からはガス燃料が供給され、また接続口
19からは燃焼用空気が圧送され、こうしてガス燃料と
燃焼用空気とが供給されるバーナー本体20にはガスヘ
ッダ21が取付けられ、その先端部の整流片を有するガ
スノズル22からは、バーナータイル23のスロート部
24に向けて噴射され、スリット部25から、偏平な火
炎が噴射されて、鋼帯1の表面に接触または近接する。
このような第2バーナー8は、鋼帯1の上方に配置され
るだけでなく、下方に配置されて鋼帯1の下面を加熱す
るようにされてもよい。第2バーナー8からの火炎が鋼
帯1に接触することによって、鋼帯1を高い応答性で、
希望する温度に急速に加熱することができる。
【0025】図7は、燃焼制御手段6の動作を説明する
ためのフローチャートである。ステップn1からステッ
プn2に移り、先行鋼帯1aと後行鋼帯1bとの定常状
態での設定板温に等しい設定炉温Ta,Tbを比較し、
【0026】
【数1】Ta < Tb であるときにはステップn3に移り、炉温差ΔTを計算
する。
【0027】
【数2】ΔT = T a − Tb ステップn4では、炉温差ΔTによる炉時定数、すなわ
ち炉温変更所要時間Hを計算する。ステップn5では炉
温差ΔTを補償するために必要な第2バーナー8の出力
変更量の計算を行い、こうしてステップn6では第2バ
ーナー8の出力変更比の決定を行い、第2バーナー8へ
の燃料ガスの流量を制御して第2バーナー8の燃焼量を
変更する。ステップn7では、炉温変更開始タイミング
の決定を行う。このために速度計9および接続点Wの検
出手段10の出力に応答するトラッキング手段11の出
力によって、その接続点Wが鋼帯1の第2バーナー8に
よる加熱位置8aに到達したかどうかなどが判断され
る。
【0028】ステップn8では、第2バーナー8の出力
変更開始のタイミングを決定する。前述のステップn2
において、
【0029】
【数3】Ta > Tb であるときには、ステップn9に移り、炉温差ΔTを、
前述の数2と同様にして求める。ステップn10では、
この炉温差ΔTを補正するために必要な第2バーナー8
の出力変更量の計算を行い、またステップn11ではそ
の炉温差ΔTによる炉時定数、すなわち炉温変更所要時
間Hの計算を行う。ステップn12では第2バーナー8
の出力変更比の決定を行い、こうして第2バーナー8の
燃焼量の制御を行う。
【0030】ステップn2において先行鋼帯1aと後行
鋼帯1bとの各炉温が等しいとき(Ta=Tb)、第2
バーナー8の燃焼量の変更は行われない。
【0031】上述の図7に示される動作は、第2バーナ
ー8に関連して説明されたけれども、第1バーナー7に
関してもまた、その燃焼量が燃焼制御手段6によって制
御される。
【0032】図8は、先行鋼帯1aに比べて後行鋼帯1
bの加熱熱量を増大して、後行鋼帯1bの板温を上昇す
る必要があるときの動作を説明するための図である。図
8(a)に示されるように、先行および後行の各鋼帯1
a,1bは接続点Wで表され、その通板速度は図8
(b)に示されるように通板方向2に一定値である。接
続点Wが第2バーナー8の加熱位置8aに来るよりも一
定の長さだけ、したがって予め定める時間だけ前では、
第1バーナー7の燃焼量を時刻t1で上昇して鋼帯1の
第1バーナー7による輻射伝熱の炉温を時間経過に伴っ
て上昇し、時刻t2で接続点Wが加熱位置8aに到達し
た後には、一定値に保つ。これに対して第2バーナー8
の燃焼量、したがって鋼帯1の第2バーナー8による板
温は、図8(d)に示されるように、時刻t1以降で、
時刻t2至るまで時間経過に伴って減少させる。したが
って先行鋼帯1aは、その接続点Wまで、一定の加熱熱
量で加熱されることができることになる。この板温は図
8(e)で示されるとおりである。
【0033】接続点Wが第2バーナー8の加熱位置8a
に到達した時刻t2以降では、第1バーナー7の燃焼量
を、増加した一定値に図8(c)で示されるように保
ち、これに対して第2バーナー8の燃焼量は、時刻t2
において急に増加し、その後一定値に保ち、こうして後
行鋼帯1bの第2バーナー8による加熱熱量が増大され
る。こうして先行および後行の各鋼帯1a,1bは、目
標板温Ta,Tbを中心とする許容範囲ΔTa1,ΔT
b1に保たれ、鋼帯1の連続焼鈍炉3における品質異常
部分の発生を防止し歩留りの向上が図られる。
【0034】図9は、先行鋼帯1aに比べて後行鋼帯1
bの加熱熱量を減少して後行鋼帯1bの板温を低下する
ときの動作を説明するための図である。図9(a)に示
されるように、先行および後行の各鋼帯1a,1bは接
続点Wで接続されており、その通板速度は図9(b)で
示されるように一定である。接続点Wが第2バーナー8
の加熱位置8aに到達した時刻t3以降では、第1バー
ナー7は、図9(c)で示される時刻t3で、その発熱
量が低下され炉温は、その図9(c)で示されるよう
に、予め定める時刻t4までの予め定める時間だけ、低
下される。第2バーナー8の発熱量、したがってその第
2バーナー8による鋼帯1の板温は、図9(d)に示さ
れるように時刻t3で急に減少され、その後、目的の加
熱熱量が後行鋼帯1bに与えられるように燃焼量を時刻
t4まで増加させる。こうして先行および後行鋼帯1
a,1bの目標板温Ta2,Tb2を中心とする許容範
囲ΔTa2,ΔTb2にもたらすことができ、やはり鋼
帯1の連続焼鈍炉3における品質異常部分の発生を防止
し歩留りの向上を図ることができる。
【0035】本発明のさらに他の実施例として先行鋼帯
1aと後行鋼帯1bとの板温が一定であっても、その鋼
種、板厚および板幅などの仕様の違いなどによって、各
鋼帯1a,1bの加熱熱量を増加または減少させ、これ
によって各鋼帯1a,1bの板温を一定に保つ必要があ
るときもある。このようなときにおいても、上述と同様
にして、第1および第2バーナー7,8の加熱熱量が変
化される。
【0036】本発明において、輻射伝熱を主として加熱
する第1バーナー7と対流伝熱を主として加熱する第2
バーナー8とを組合わせて加熱する手段は最も重要であ
るが、連続焼鈍炉3に第2バーナー8を第1バーナー7
より上流側に設置することは必ずしも重要ではなく、こ
の逆に設置したときにおいても、上述と同様にして、第
1および第2バーナー7,8の加熱熱量を変化させるこ
とができる。
【0037】本発明は鋼帯だけでなく、その他の金属帯
に関連してもまた実施することができる。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、連続焼
鈍炉において先行金属帯と後行金属帯とは接続点などの
部分で連なっており、この金属帯を、輻射伝熱を主とし
て加熱する第1バーナーと、対流伝熱を主として加熱す
る第2バーナーとを用い、これらの第1および第2バー
ナーの燃焼量を適宜および適時変化させることによっ
て、その第1バーナーの板温加熱の応答性が低くても、
これに組合わせて用いる第2バーナーによる板温加熱の
高い応答性によって、先行金属帯と後行金属帯とに与え
る加熱熱量を急激に変化させることができ、したがって
先行金属帯と後行金属帯との加熱熱量を変化すべき前記
部分の近傍において、目標板温の許容範囲から外れる長
さを零またはごく僅かとし、こうして金属帯の品質異常
部分の発生を防止し、その歩留りの向上を図ることがで
きるようになる。
【0039】連続焼鈍炉およびこれの組込まれた種々
の加工処理等の製造ラインにおいて、金属帯の通板速度
を高めて炉の処理能力やラインの生産性を上げる場合に
は、本発明による前記項の効果が一層助長され、通板
速度をより高めるほど本発明の有効性が発揮される。
【0040】格別炉長を長くする必要もなく、炉やラ
インに通板中に金属帯の表面にスリップ疵等を発生させ
て品質を低下させることもなく、前記項に説明した品
質異常部分の発生した鋼帯を向先を変更して救済処理す
ることによる機会損失や生産性の低下を招くこともな
い。目標板温を中心とする許容範囲を狭めることができ
て、より厳しく狙いどおりの品質管理も可能となり、品
質補償上、好ましいのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体の系統図である。
【図2】連続焼鈍炉3の要部縦断面図である。
【図3】連続焼鈍炉3の平面図である。
【図4】第2バーナー8の簡略化した縦断面図である。
【図5】第2バーナー8の通板方向2から見た断面図で
ある。
【図6】図5のVI−VIから見た断面図である。
【図7】燃焼制御手段6の動作を説明するためのフロー
チャートである。
【図8】先行金属帯(鋼帯)1aに比べて後行金属帯
(鋼帯)1bの加熱熱量を増大してその板温を上昇する
ときの動作を説明するための図である。
【図9】先行金属帯(鋼帯)1aに比べて後行金属帯
(鋼帯)1bの加熱熱量を減少して板温を低下するとき
の動作を説明するための図である。
【図10】先行技術において先行鋼帯1aに比べて後行
鋼帯1bの板温を上昇するときの動作を説明するための
図である。
【符号の説明】
1 金属帯(鋼帯) 1a 先行金属帯(鋼帯) 1b 後行金属帯(鋼帯) 2 通板方向 3 連続焼鈍炉 5 炉温検出手段 6 燃焼制御手段 7 第1バーナー 8 第2バーナー 8a 第2バーナー8による加熱位置 9 速度計 10 接続点Wの検出手段 11 トラッキング手段 12 仕様設定手段 13 演算手段 14 側壁 15 炉体 16 天井壁
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−25523(JP,A) 特開 昭57−94524(JP,A) 特公 昭58−43452(JP,B2) 特公 平5−57335(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 9/52 - 11/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)炉体の側壁に設けられ、炉体内部
    を加熱して金属帯を主として炉壁からの輻射伝熱によっ
    て加熱する第1バーナと、 (b)炉体の第1バーナよりも上流側に設けられ、かつ
    炉体の長手方向および幅方向に複数個それぞれ配置さ
    れ、金属帯を主として対流伝熱によって加熱する第2バ
    ーナであって、 燃料と燃焼用空気とが供給されるバーナ本体と、 バーナ本体に取付けられるバーナタイルとを含み、 バーナ本体には、燃料ヘッダが備えられており、かつ燃
    料ヘッダの先端部には整流片を有するノズルが設けられ
    ており、 バーナタイルには、スロート部と偏平な火炎を噴射する
    スリット部とが形成されている第2バーナと、 (c)金属帯の温度変化すべき部分の位置を検出する手
    段と、 (d)加熱すべき金属帯の板厚、板幅および成分と、金
    属帯の予め定める目標板温および通板速度と、設定炉温
    とに応じて第1および第2バーナの燃焼量を演算によっ
    て求める演算手段と、 (e)演算手段の出力に応答し、第1および第2バーナ
    の燃焼量を制御する燃焼制御手段であって、 前記検出手段の出力に応答し、前記部分よりも上流側の
    金属帯の加熱熱量を増加すべきとき、 (e1)前記部分が第2バーナによる加熱位置に来るよ
    りも前に、第1バーナの燃焼量を増加し、第2バーナの
    燃焼量を減少して、金属帯の加熱熱量を一定に保ち、 (e2)前記部分が第2バーナによる前記加熱位置に来
    たとき以降、第1バーナの燃焼量を増加した一定値に保
    ち、第2バーナの加熱量を急に増加し、その増加した一
    定値に保つ燃焼制御手段とを含むことを特徴とする連続
    焼鈍炉における板温制御装置。
  2. 【請求項2】 前記燃焼制御手段は、 前記検出手段の出力に応答し、前記部分よりも上流側の
    金属帯の加熱熱量を減少すべきとき、 (e3)前記部分が第2バーナによる加熱位置に来たと
    き以降、第1バーナの燃焼量を減少し、予め定める時間
    経過後、その減少した一定値に保ち、第2バーナの燃焼
    量を急に減少し、その後、時間経過に伴って増加し、急
    減後の前記一定時間経過後は一定値に保つことを特徴と
    する請求項1記載の連続焼鈍炉における板温制御装置。
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