JP3172881B2 - アクティブサスペンション装置 - Google Patents

アクティブサスペンション装置

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JP3172881B2
JP3172881B2 JP32378291A JP32378291A JP3172881B2 JP 3172881 B2 JP3172881 B2 JP 3172881B2 JP 32378291 A JP32378291 A JP 32378291A JP 32378291 A JP32378291 A JP 32378291A JP 3172881 B2 JP3172881 B2 JP 3172881B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車輛の懸架系として
の油圧サスペンションシステムへの利用に最適となるア
クティブサスペンション装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】車輛の懸架系としての油圧サスペンショ
ンシステムたるアクティブサスペンション装置について
は、従来から種々の提案があるが、基本的には、車輛の
四輪各部に配設されて上端が車体側に連結され下端が車
軸側に連結される各油圧シリンダに油圧源からの油圧を
制御弁を介して供給すると共に各油圧シリンダからの油
圧を上記制御弁を介してタンクに排出することで該各油
圧シリンダにおけるシリンダ圧力の高低制御をなし得る
ように構成されている。
【0003】そして、制御弁は、車輛の車体等に配設さ
れて車輛の状況を検出する各種センサからの検出信号を
入力させると共に該各信号を予め設定されているところ
に基づいて処理し、これを該制御弁に出力するコントロ
ーラからの指令信号で制御されるとしている。
【0004】それ故、この従来のアクティブサスペンシ
ョン装置によれば、制御弁を車輛の走行路面状況に基づ
いて適宜に制御して各油圧シリンダにおけるシリンダ圧
力を高低制御することで、車輛の四輪各部における車高
調整が可能になり、従って、走行路面の状況に応じた車
輛姿勢の制御が可能になり、車輛における乗り心地や操
縦安定性を改善し得ることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のアクティブサスペンション装置にあっては、四
輪各部に配設されている車輌荷重支持用の各油圧シリン
ダへの油圧源が一個とされていること及びこれら各油圧
シリンダを懸架スプリングをもたない単動型の油圧シリ
ンダとして車輌荷重を支えるように構成されていること
から、以下のような不都合が招来され易くなる。
【0006】即ち、各油圧シリンダへの油圧源が一個と
されることから、所定の油圧制御をするための油量が多
くなり、従って、油圧源は勢い大型のものが選択される
ことになり、その結果、装置全体の重量の増大化や該装
置の車輛への搭載性を悪化させたりする。
【0007】また、懸架スプリングをもたない単動型の
油圧シリンダの油圧力のみに頼って車輌荷重を支持する
ようにしていることからも油圧源に大型のものが選択さ
れると共に制御油圧も勢い高圧となり、従って、特に、
油圧シリンダにおいては高いシール性が要求される一方
で該シールへの高圧作用のために、該シール部分におい
て摺動抵抗が増大されてその摺動性が悪化され、乗り心
地の悪化を招く。
【0008】さらに、加えて、油圧源から制御弁に至る
供給側及び制御弁からタンクに至る排出側おける油圧
制御形式の如何にもよるが、何れにしても油圧源からの
圧力油による油圧力のみによって車輌荷重を支持する関
係上、油圧源として高圧で大吐出量の大型の油圧ポンプ
を必要とし、その分、エネルギーロスが招来され易くな
る。
【0009】その結果、上記従来のアクティブサスペン
ション装置にあっては、装置全体の重量の増大化や車輛
への搭載性の悪化、及び、乗り心地や経済性の悪化、等
の不都合が招来され易くなる。
【0010】この発明は、前記した事情に鑑みて創案さ
れたものであって、その目的とするところは、装置全体
の重量の増大化や車輛への搭載性の悪化、及び、乗り心
地や経済性の悪化、等の不都合を招来せずして、その汎
用性の向上を期待し得て、車輛の懸架系たる油圧サスペ
ンションシステムとしての利用に最適となるアクティブ
サスペンション装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、この発明における構成を、空車時の車輌荷重を
支えるスプリングの併設下に車輌の四輪各部に配設され
て上端が車体側に連結されると共に下端が車軸側に連結
され、油圧源からの油圧が車輌の走行路面状況に基づい
て作動する制御弁を介して供給される際に伸側あるいは
圧側のシリンダ圧力を個々に発生するように形成された
アクティブ制御用の複動型油圧シリンダを備え、各油圧
シリンダにはそれぞれの油圧源からの油圧がそれぞれの
供給路及びそれぞれの制御弁を介して供給されると共に
各油圧シリンダからの油圧がそれぞれ上記制御弁及びそ
れぞれの排出路を介してタンク側に排出されるように構
成されてなり、かつ、供給路には該供給路における逆流
を阻止するチェック弁が配設されると共に排出路には減
衰バルブを介してのアキュムレータが配設されてなり、
さらに、排出路には方向切換弁が配設されてなると共に
該方向切換弁の作動で排出路と供給路あるいは排出路と
タンクとの連通が選択的に可能とされてなるとするもの
である。
【0012】そして、油圧源、制御弁及び方向切換弁
は、車輛の車体等に配設され車輛の状況を検出する各種
センサからの検出信号を予め設定されたところに基づい
て処理して所定の指令信号として出力するコントローラ
によってそれぞれ制御されるとする。
【0013】また、油圧源は、車輌の走行用エンジン
より駆動ベルトを通して直に駆動してもよいが、できる
ことなら走行用エンジンによって電力をチャージされる
車載バッテリで駆動される電動モータを通して駆動する
ようにしてやる。
【0014】
【作用】それ故、四輪各部における各油圧シリンダをそ
れぞれの油圧源、制御弁及び方向切換弁等によって各々
独立に制御することが可能になり、車輛に搭載の走行用
エンジンにその影響を及ぼさないことが可能になる。
【0015】そして、油圧シリンダにおけるシリンダ圧
力を制御するについて、該油圧シリンダに併設されてい
るスプリングでバネ上荷重(空車時の車輛荷重等)を支
えることから、シリンダ圧力の制御に高圧を要しないよ
うにすることが可能になると共に、車輛の停車時や良路
の直進走行時等には油圧シリンダにシリンダ圧力を発生
させる必要がなくなる。
【0016】また、制御弁にあっては、これが連通ポジ
ションたる中立ポジションにあるときには、供給側と排
出側との自由な連通を可能にするように構成すること
で、回路負荷の発生を抑制することが可能になる。
【0017】そしてまた、油圧源にあっては、必要な時
にのみ油圧を発生させ、しかも、回路損失分の油圧を発
生させるようにすることが可能になる。
【0018】その結果、油圧源の小型化が可能になると
共に、回路中の各弁部やシリンダにおけるシール部に高
油圧が作用しなくなり、フリクションを小さくして設定
通りの制御を期待することが可能になる。
【0019】
【実施例】以下、図示したところに基づいてこの発明を
詳細に説明する。
【0020】この発明の一実施例に係るアクティブサス
ペンション装置は、図1に示すように、原理的には、車
輛(図示せず)の四輪各部(図中Tはタイヤ)にそれぞ
れ配設される制御用ユニットUを有してなる。
【0021】該制御用ユニットUには、電動モータ用ド
ライバD及びソレノイド用アンプEからの指令信号がそ
れぞれ入力されると共に、電動モータ用ドライバD及び
ソレノイド用アンプEには、コントローラCからの指令
信号がそれぞれ入力されるとしている。
【0022】そして、コントローラCには、車輛の車体
B(図2参照)に配設され走行中の車輛の状況を検出す
る車輛センサC1,C2、及び車輛の車体Bと車軸たる
サスペンションアームA(図2参照)の間に配設され車
高を検出する車高センサC3等からの検出信号が入力さ
れるとし、該入力信号を予め設定されているところに基
づいて処理した信号を該コントローラCが出力するよう
に構成されている。
【0023】制御用ユニットUは、図2に示すように、
油圧シリンダ1と、油圧源2と、制御弁3と、タンク4
と、を有してなり、油圧源2と制御弁3とを連通する供
給路5には該供給路5における逆流を阻止するチェック
弁5aを有すると共に、制御弁3とタンク4側とを連通
する排出路6には減衰バルブ6aを介してのアキュムレ
ータ6bを有してなり、かつ、排出路6には方向切換弁
7を有すると共に、該方向切換弁7の作動で排出路6と
供給路5あるいは排出路6とタンク4との選択された連
通を可能にしている。即ち、方向切換弁7はアンロード
兼フェールセーフ弁としての機能を発揮する。
【0024】そして、油圧源2からの作動油が油圧シリ
ンダ1における伸側室1aあるいは圧側室1bに制御弁
3及び油路1cあるいは1dを介して供給されると共
に、該各側室1a,1bからの油圧が油路1cあるいは
1d及び制御弁3を介してタンク4側に解放されること
で、該油圧シリンダ1におけるシリンダ圧力が高低制御
され、これによって車輛の四輪各部における車高あるい
は四輪を支える力を高低調整し、車輛の姿勢制御をなし
得るとしている。
【0025】尚、該制御用ユニットUにおいて、油圧源
2、制御弁3及び方向切換弁7がコントローラCからの
指令信号で作動されるとしている。
【0026】ところで、油圧シリンダ1は、この発明に
あってスプリング1eを有するように構成されていると
するもので、該スプリング1eによって、空車時の車輛
荷重を支えるように設定されている。
【0027】そして、該油圧シリンダ1は、この実施例
にあっては、図3に示すような構造とされているもの
で、所謂複筒型に形成されている。
【0028】少しく説明すると、シリンダ11内に摺動
可能に収装されたピストン12によって伸側室1aと圧
側室1bとが区画されると共にシリンダ11の外周に配
設された外筒13によって筒状通路14が形成されるよ
うに、上端側にキャップ部材15が配設され下端側にピ
ストンロッド16を挿通させる軸封部材17が配設され
てなるとしている。
【0029】そして、上記キャップ部材15に開穿のポ
ート15aを介して油路1cが伸側室1aに連通され、
上記キャップ部材15に開穿のポート15b、上記シリ
ンダ11の上端側に開穿の連通孔11a、上記筒状通路
14、上記シリンダ11の下端側に開穿の連通孔11b
を介して油路1dが圧側室1bに連通されるとしてい
る。
【0030】一方、上記ピストンロッド16の下端には
下方バネ受け18が保持され、上記キャップ部材14に
は上方バネ受け19が保持され、該各バネ受け18,1
9の間にスプリング1eが保持されるとしている。
【0031】その結果、該油圧シリンダ1にあっては、
油路1cからの油圧が伸側室1aに供給されることで該
油圧シリンダ1における伸側のシリンダ圧力が上昇さ
れ、該油圧シリンダ1が圧縮されようとする事態に対抗
し得ることになると共に、油路1dからの油圧が圧側室
1bに供給されることで該油圧シリンダ1における圧側
のシリンダ圧力が上昇され、該油圧シリンダ1が伸長さ
れようとする事態に対抗し得ることになる。
【0032】油圧源2は、タンク4から作動油を吸い上
げこれを供給路5に吐出するように構成されてなるもの
で、この実施例にあっては、車輌の走行用エンジンンに
よって電力をチャージされる車載バッテリで駆動される
電動モータ2aを通して駆動されるように設定されてい
る。
【0033】制御弁3は、これが連通ポジションたる中
立ポジションにあるときには、供給路5と排出路6、油
圧シリンダ1内の伸側室1aと圧側室1b、及びこれ等
相互間の自由な連通を可能にするように構成されてなる
とするもので、この実施例にあって、具体的には図4に
示すように形成されている。
【0034】即ち、該制御弁3は、バルブボディ31内
に摺動可能に収装されるスプール32を有してなると共
に、該スプール32の両端にはスプリング3a,3bと
プランジャ3c,3dが当接されてなるとしている。
【0035】そして、上記バルブボディ31は、油路1
cに連通するポート31aと、油路1dに連通するポー
ト31bと、供給路5に連通するポート31cと、2本
の排出路6にそれぞれ連通するポート31d,31e
と、を有すると共に、上記ポート31cに連通して上記
スプール32の中央ランド部32aに対向する環状溝3
1fと、上記ポート31d,31eにそれぞれ連通して
上記スプール32の両端の端部ランド部32b,32c
にそれぞれ対向する環状溝31g,31hと、を有して
なる。
【0036】ところで、この実施例にあって、スプール
32は、その中央ランド部32aがこれが対向する環状
溝31fより短寸法に形成されており、該制御弁3が連
通ポジションたる中立ポジションにあるとき、図示する
ように、ポート31a,31bを相互に連通可能な状態
にすると共に、該ポート31a,31bとポート31c
との連通を可能な状態にする。
【0037】また、スプール32は、これが連通ポジシ
ョンたる中立ポジションにあるときには、その2つの端
部ランド部32b,32cがそれぞれが対向する環状溝
31g,31hをそれぞれ所謂開口していて、ポート3
1a,31bがポート31d,31eにもそれぞれ連通
可能な状態にするように設定されている。
【0038】その結果、該制御弁3にあっては、図示す
るようにスプール32が中立ポジションにあるときに
は、油路1c,1d,供給路5,排出路6の相互間の連
通を可能にすると共に、プランジャ3cの推力でスプー
ル32が図中で右行する場合には、油路1cと供給路5
及び油路1dと排出路6の各連通が可能になり、かつ、
プランジャ3dの推力でスプール32が図中で左行する
場合には、油路1cと排出路6及び油路1dと供給路5
の各連通が可能になる。
【0039】そして、該制御弁3にあっては、これが中
立ポジションにあるときには、バルブボディ31に形成
の環状溝31fとスプール32に形成の中央ランド部3
2aとの間に所謂シール性が確保される必要がなく、従
って、該制御弁3の形成にあって高い精度管理が要求さ
れなくなる利点を生むことになる。
【0040】減衰バルブ6a及びアキュムレータ6b
は、この種のものとして従来から提供されているものと
同一であって、油圧シリンダ1の伸縮作動時に作動して
該油圧シリンダ1にショックアブソーバ機能を発揮させ
るように構成されている。
【0041】方向切換弁7は、所謂フェールセーフ弁と
して機能するように構成されてなるもので、この実施例
にあっては、図5に示すように、3ポート電磁切換弁の
態様に形成されている。
【0042】即ち、該方向切換弁7は、ソレノイド部7
aに連設されたバルブボディ71内に摺動可能に収装さ
れたポペット72を有してなり、該ポペット72の図中
で左端となる後端にスプリング7bを隣設させると共
に、図中で右端となる他端にソレノイド部7aから突出
されるプランジャ7cを当接させてなる。
【0043】そして、バルブボディ71は、排出路6に
連通するポート71aとタンク4側の排出路6に連通す
るポート71bを有すると共に、供給路5に連通するポ
ート71cを有し、かつ、上記流入ポート71aに連通
しながらスプリング7bを収装させる容室71dを有し
てなり、かつ、上記ポペット72のポペット部72aが
対向して隣接する環状シート部71eを有してなる。
【0044】さらに、バルブボディ71は、上記ポート
71bに連通する環状溝71fを有しており、該環状溝
71fにはポペット72のランド部72bが対向するよ
うに設定されている。
【0045】そして、上記ポペット72は、プランジャ
7cからの作用力がない限りにおいては、スプリング7
bの附勢力で図示するような前進状態にあり、そのポペ
ット部72aが対向する環状シート部71eに隣接され
ていて、該部分における作動油の流通を阻止すると共
に、そのランド部72bが上記環状溝71fを開口する
ように位置決められることになり、供給路5からの油圧
をタンク4側に開放し得るように設定されている。
【0046】その結果、該方向切換弁7にあっては、ソ
レノイド7aへの通電でプランジャ7cがポペット72
を図中左行するように後退させるときには、該ポペット
部72aが環状シート部71dから離脱し、該部分にお
ける作動油の流通を可能にすると共に、ランド部72b
が環状溝71fを閉塞することになり、従って、このと
き、排出路6からの油圧がをタンク4側に解放されるこ
とになる。
【0047】次に、以上のように形成された該油圧回路
における各種の作動について説明するが、この発明にお
いては、車輌の四輪各部における制御用ユニットUがそ
れぞれ独立に作動することが前提である。
【0048】先ず、油圧シリンダ1におけるシリンダ圧
力の制御を必要としない通常作動時には、方向切換弁7
におけるソレノイド7aへの通電は解除されており、ま
た、制御弁3も不作動状態の中立ポジションにおかれ
る。
【0049】それ故、コントローラCからの指令信号で
駆動する油圧源2からの作動油は、方向切換弁7を介し
てタンク4にドレンされることになり、一方、油圧シリ
ンダ1の伸側室1a及び圧側室1bは制御弁3を介して
相互に連通されると共に減衰バルブ6aを介してアキュ
ムレータ6bに連通されることになる。
【0050】そしてこのとき、車輛のバネ上荷重は油圧
シリンダ1に併設されたスプリング1eがこれを負担す
るので、油圧シリンダ1にはシリンダ圧力の発生を必要
としないことになる。
【0051】それ故、通常作動時には油圧源2に負荷が
作用することがなく、該油圧回路たる制御用ユニットU
において無駄な動力消費をしなくて済む。
【0052】次に、車高調整をする場合には、車高の変
化状況、例えば、車高の低下状況が車高センサC3やそ
の他のセンサC1,C2等の各種センサで検出され、該
検出値がコントローラCに入力され、該コントローラC
からの指令信号で、先ず、方向切換弁7におけるソレノ
イド7aへの励磁が実行されると共に、制御弁3に所定
の作動が惹起される。
【0053】その結果、油圧源2からの作動油は、供給
路5を介して油圧シリンダ1側に導かれることになる
が、このとき、制御弁3が、例えば、図中右行するよう
に切り換えられると、供給路5からの作動油が油圧シリ
ンダ1の伸側室1aに供給されることになる。
【0054】それ故、油圧シリンダ1においては、低下
された車高を復帰させると共に該車高低下を招来させた
荷重に釣り合うように、伸側室1aにおけるシリンダ圧
力が高くなり、車高変化が阻止されることになる。
【0055】尚、このとき、圧側室1bからの作動油
は、制御弁3及び方向切換弁7を介してタンク4に排出
される。
【0056】また、姿勢制御をする場合には、例えば、
ロール等で収縮しようとしている油圧シリンダ1のシリ
ンダ圧力を前記した車高調整のときのように上昇させる
と共に、ロール等で伸長しようとしている反対側の油圧
シリンダ1のシリンダ圧力を車高調整のときのように下
降させるようにする。
【0057】これによって、収縮しようとしている油圧
シリンダ1の収縮が阻止されると共に、伸長しようとし
ている油圧シリンダ1の伸長が阻止されることになり、
ロール等による車体姿勢の変化が効果的に阻止されるこ
とになる。
【0058】さらに、乗り心地制御をする場合には、バ
ネ上共振周波数付近及びバネ下共振周波数付近と、それ
以上の周波数のときと、それぞれの制御が可能になる。
【0059】即ち、バネ上共振周波数付近及びバネ下共
振周波数付近までのときには、前記姿勢制御の場合と同
様に油圧シリンダ1におけるシリンダ圧力の制御で乗り
心地制御が可能になる。
【0060】このとき、バネ上荷重はスプリング1eが
その殆どを受け持つので、油圧シリンダ1の上下端と車
体Bあるいは車軸Aとの連結部に配設されるゴムブッシ
ュのバネ定数をより低く設定できることになる。
【0061】これによって、高周波数領域の振動の伝達
を小さくすることが可能になり、およそバネ下共振周波
数以上の乗り心地が良化される。
【0062】また、油圧シリンダ1にはバネ要素がない
ためバネ下共振周波数付近までを制御する応答性を確保
でき、従って、バネ下共振周波数付近までの乗り心地制
御が可能になる。
【0063】そして、バネ下共振周波数以上の周波数の
ときには、制御弁3が応答しない、即ち、作動しないこ
とになるが、このとき制御弁3は中立位置にあってポー
ト31cがポート31d,31eと連通状態にあって、
油圧シリンダ1の伸側室1aと圧側室1bとが連通状態
になる。
【0064】その結果、油圧シリンダ1が所謂フリーな
状態になって振動を伝達しないようになり、このとき、
油圧シリンダ1に中立圧が殆ど発生されないためシール
部における摺動抵抗が小さくなり、バネ下共振周波数以
上の周波数のときの乗り心地制御が可能になる。
【0065】フェールセーフ時、即ち、電気系に異常が
発生した場合には、方向切換弁7のソレノイド7aへの
通電が停止され、また、制御弁3も所謂不作動状態の中
立ポジションに維持される。
【0066】その結果、前記した通常作動時と同様に油
圧シリンダ1は制御弁3を介してであるが、減衰バルブ
6aを介してのアキュムレータ6bとの間に閉鎖回路を
形成することになり、このとき該閉鎖回路における圧力
が所定の車高を維持するに必要な圧力として維持される
ことになる。
【0067】また、油圧系に故障が招来されたフェール
セーフ時にあっても、車体荷重をスプリング1eで負担
するように構成しているので、車高の大幅な低下が招来
されず、車両の走行を可能にする。
【0068】駐停車時には、イグニッションスイッチの
オフ作動で油圧源2からの作動油の吐出がなくなると共
に、制御弁3及び方向切換弁7が所謂遮断状態になり、
排出路6を介しての作動油のタンク4への流出が阻止さ
れるので、油圧シリンダ1における収縮を阻止する油圧
が保持されていて、車高の低下が阻止される。
【0069】そして、車体荷重は基本的にはスプリング
1eで保持されるので、長時間に亙って駐停車されてい
ても、車高低下が招来されない。
【0070】前記した実施例にあっては、制御弁3はソ
レノイドへの励磁によって作動されるとしたが、これに
代えて、他の動力源で作動されるように構成されるとし
ても良いこと勿論である。
【0071】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、車輌
の四輪各部にそれぞれ配設された制御用ユニットをそれ
ぞれ作動させるように構成されてなるから、この種従来
の装置に比較して装置全体の重量の増大化や車輛への搭
載性の悪化、及び、乗り心地や経済性の悪化、等の不都
合を招来しないのは勿論のこと、車輛の停車時や良路の
直進走行時にはバネ上荷重をシリンダに併設したスプリ
ングで負担することが可能になるので、シリンダにおい
てシリンダ圧力を常に高圧に維持する必要がなくなると
共に、車輛の停車時等、シリンダ圧力の制御を必要とし
ないときには油圧源において回路損失の油圧発生のみで
たり、従って、中立圧を非常に小さくすることが可能に
なり、従来と同じシリンダ圧力を発生させるために必要
とされる制御圧力を半分以下にすることが可能になる。
【0072】そして、路面からの入力振動が高周波振動
である場合には、制御弁が連通ポジションに切り換えら
れることで、シリンダにおける伸側室と圧側室とが連通
し、上記高周波振動をシリンダに伝達させないことが可
能になり、伝達されても非常に小さいものに抑制するこ
とが可能になる。
【0073】一方、所謂中立時の制御油圧は非常に小さ
いため制御弁を始めとする各弁部における摺動抵抗を小
さいものに抑制でき、従って、該回路の円滑な作動が可
能になる。
【0074】そして、上記中立時の制御油圧は略零であ
るので、従来と同じ最大供給油圧が確保される場合に
は、シリンダ圧力を制御するための制御油圧については
これを倍にすることが可能になる。
【0075】また、システムにバネ項がないため、圧力
制御の応答性を高めることが可能になる。
【0076】さらに、シリンダに防振ゴムが配設される
としても、該防振ゴムにバネ荷重を作用させないことが
可能になり、該防振ゴムを効率良く利用した防振が可能
になる。
【0077】またさらに、制御油圧が発生するのはシリ
ンダのシリンダ圧力を制御するときだけで、しかも小さ
くて済むので、該回路における音振を小さいものに抑制
することが可能になり、常に高圧が発生されている従来
のものに比較して耐久性を向上することが可能になる。
【0078】以上のことから、車輛に搭載の走行用エン
ジンには、その本来の目的以外の負荷が大幅に低減され
ることになり、排ガスの総量を抑制できる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係るアクティブサスペン
ション装置を原理的に示す図である。
【図2】図1における制御用ユニットの一実施例を示す
回路図である。
【図3】図2における油圧シリンダの一実施例を示す断
面図である。
【図4】図2における制御弁の一実施例を示す断面図で
ある。
【図5】図2における方向切換弁の一実施例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 油圧シリンダ 1e スプリング 2 油圧源 3 制御弁 4 タンク 5 供給路 5a チェック弁 6 排出路 6a 減衰バルブ 6b アキュムレータ 7 方向切換弁 A 車軸たるサスペンションアーム B 車体

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空車時の車輌荷重を支えるスプリングの
    併設下に車輌の四輪各部に配設されて上端が車体側に連
    結されると共に下端が車軸側に連結され、油圧源からの
    油圧が車輌の走行路面状況に基づいて作動する制御弁を
    介して供給される際に伸側あるいは圧側のシリンダ圧力
    個々に発生するように形成されたアクティブ制御用の
    複動型油圧シリンダを備え、各油圧シリンダにはそれぞ
    れの油圧源からの油圧がそれぞれの供給路及びそれぞれ
    の制御弁を介して供給されると共に各油圧シリンダから
    の油圧がそれぞれ上記制御弁及びそれぞれの排出路を介
    してタンク側に排出されるように構成されてなり、か
    つ、供給路には該供給路における逆流を阻止するチェッ
    ク弁が配設されると共に排出路には減衰バルブを介して
    のアキュムレータが配設されてなり、さらに、排出路に
    は方向切換弁が配設されてなると共に該方向切換弁の作
    動で排出路と供給路あるいは排出路とタンクとの連通が
    選択的に可能とされてなることを特徴とするアクティブ
    サスペンション装置。
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