JP3172318B2 - 撥水性防食層及びその防食処理材 - Google Patents

撥水性防食層及びその防食処理材

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JP3172318B2
JP3172318B2 JP07096793A JP7096793A JP3172318B2 JP 3172318 B2 JP3172318 B2 JP 3172318B2 JP 07096793 A JP07096793 A JP 07096793A JP 7096793 A JP7096793 A JP 7096793A JP 3172318 B2 JP3172318 B2 JP 3172318B2
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  • Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、室温で簡便に密着性よ
く施工できて金属の腐食防止処理に好適な撥水性防食層
及びその防食処理材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、生産ラインによる加熱塗覆方式で
金属表面に熱溶融ポリエチレンやエポキシ樹脂をライニ
ングしてなる防食層が知られていた。しかしながら、ラ
イニングに煩雑な処理操作と大量の熱量が要求されるう
えに保管時や運搬時に形成防食層が外的要因で損傷しや
すく、防食部品の接続部、例えばパイプラインの接続部
へのライニング処理が困難な問題点があった。
【0003】一方、大量の熱量を要しない冷工法で形成
できて現場施工に有利な防食層としては、金属表面にウ
レタン樹脂やエポキシ樹脂を塗布してなる重合硬化皮膜
が知られていた。しかしながら、塗膜厚がバラツキやす
くて均一な防食層を形成しにくく、二液タイプの塗布液
の場合には混合比のバラツキで皮膜の物性が不均一とな
り均質な防食層を形成しにくい問題点があった。
【0004】他方、厚さや均質さの良好な防食層として
は、フィルム等の防食基材に感圧接着層を設けた防食テ
ープを金属表面に巻回ないし接着したものが知られてい
た。しかしながら、外気温や外圧で防食テープが変形し
やすくて防食層にシワや浮きが発生しやすく、またゴミ
や埃等が付着して汚染されやすい問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ライニング
処理の如く煩雑な処理操作や大量の熱量を要することな
く作業現場でも簡便に室温等の低温で施工できて防食部
品の接続部の処理も容易であり、形成防食層が厚さや物
性の均一性に優れると共に外的要因で損傷や変形を起こ
しにくい強靱さを有してシワや浮きが発生しにくくゴミ
や埃等で汚染されにくい撥水性防食層を得ることを課題
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、未架橋液状シ
リコーンゴムを主成分とし硬化剤又は硬化触媒の一方を
含有する液状混和物を多孔性基材に含浸させてなる室温
架橋型被覆材を金属表面又は防食欠陥部に被覆施与して
被覆層を形成し、その被覆層を、未架橋液状シリコーン
ゴム及び/又はシリコーンオイルを主成分とし前記の硬
化剤又は硬化触媒の他方を含有する架橋用塗液で架橋さ
せたことを特徴とする撥水性防食層、及び前記の室温架
橋型被覆材と架橋用塗液とからなることを特徴とする撥
水性防食処理材を提供するものである。
【0007】
【作用】上記構成の室温架橋型被覆材は、含有の液状混
和物を介して金属表面等の被覆面に対し粗面や曲面であ
る場合にも充分な濡れ性や変形性を示して良好に密着す
る。また硬化剤と硬化触媒の分離で安定した長期保存が
可能となると共に、架橋用塗液の施与でそれが室温架橋
型被覆材の被覆層中に浸透し前記液状混和物中の未架橋
液状シリコーンゴムと硬化剤とが硬化触媒の作用の下に
反応して室温等で架橋し、金属等に強固に接着しつつ多
孔性基材と共に強靱な撥水性の防食層を形成する。
【0008】前記の結果、厚さや物性の均一性に優れる
防食層を作業現場でも簡便に低温施工で形成でき、パイ
プライン等の接続部も容易に処理できる。また液状シリ
コーンゴムの架橋反応を利用した硬化機構であるので防
食層形成時に有害な有機溶剤等の関与を回避でき、数時
間程度の短時間でタックフリーな状態に硬化してゴミや
埃等で汚染されにくいうえに表面張力も小さくて水垢等
も付着しにくく光沢のある美観に優れる状態を持続す
る。さらに形成される防食層は外的要因で損傷や変形を
起こしにくくシワや浮きが発生しにくくて撥水性の防食
効果を長期に持続する。
【0009】
【実施例】本発明において用いる室温架橋型被覆材は、
未架橋液状シリコーンゴムを主成分とし硬化剤又は硬化
触媒の一方を含有する液状混和物を柔軟な多孔性基材に
含浸させたものである。また架橋用塗液は、未架橋液状
シリコーンゴム及び/又はシリコーンオイルを主成分と
し前記の硬化剤又は硬化触媒の他方を含有させたもので
ある。
【0010】液状混和物は、未架橋液状シリコーンゴム
すなわち液状ポリオルガノシロキサンを主成分とし、硬
化剤又は硬化触媒を含有して縮合反応型又は付加反応型
などの硬化機構で硬化してゴム状の硬化物となるもので
ある。
【0011】前記の未架橋液状シリコーンゴムとして
は、一般単位式:RaSiO(4-a)/2(式中、Rは置換も
しくは非置換の1価の炭化水素基又は水酸基、aは1〜
3の整数である。)で表される構成単位からなる単一重
合体、もしくは共重合体、又はこれらの混合物を用いる
ことができる。
【0012】上記の式中、基Rの置換もしくは非置換の
1価の炭化水素基は、同一であってもよいし、異なって
いてもよく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、ヘキシル基、ドデシル基等のアルキル基、ビ
ニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基、トリ
ル基等のアリール基、ベンジル基、β−フェニルエチル
基、β−フェニルプロピル基等のアラルキル基、3,
3,3−トリフルオロプロピル基、クロロメチル基等の
1価の置換炭化水素基等をあげることができ、これらは
未架橋液状シリコーンゴム(液状ポリオルガノシロキサ
ン)の合成の容易さやその硬化機構及び組成物の流動
性、さらには組成物の硬化物の例えば耐熱性等の物理的
性質に応じて適宜選択することができる。
【0013】用いる未架橋液状シリコーンゴムは、常温
で液状であればその分子構造は特に限定されず、直鎖
状、分岐状、網状もしくは僅かに三次元網状構造を有す
るもの、又はこれらが混在した状態のものであっても何
ら差し支えないが、25℃における粘度が100〜10
0,000cStのものが好ましく、1,000〜5
0,000cStのものがさらに好ましい。
【0014】前記の粘度が100cSt未満では、組成
物の硬化物に優れた機械的性質を付与することが困難で
あり、また100,000cStを超える場合は、組成
物に適度な流動性を付与することができない。
【0015】液状混和物の調製は、未架橋液状シリコー
ンゴムと硬化剤又は硬化触媒の一方を混合することによ
り行うことができる。硬化剤は、硬化触媒の存在下に室
温等の低温で未架橋液状シリコーンゴムや架橋用塗液の
主成分であるシリコーンオイルと反応して未架橋液状シ
リコーンゴムや架橋用塗液のシリコーンオイルと架橋す
るものである。
【0016】未架橋液状シリコーンゴムや硬化剤又は硬
化触媒としては、室温等の低温で硬化するように、その
縮合反応型や付加反応型などの硬化機構に応じて適宜な
組合せで用いることができる。
【0017】ちなみに縮合反応型の液状混和物の場合
は、未架橋液状シリコーンゴムとして(a)分子鎖末端
がシラノール基又はアルコキシ基で封鎖されたポリオル
ガノシロキサンを用い、硬化剤として(b)ケイ素原子
に結合した加水分解性基を一分子中に少なくとも3個有
する有機ケイ素化合物、又は硬化触媒を配合する。
【0018】(a)成分のポリオルガノシロキサン中の
ケイ素原子に結合する置換又は非置換の1価の炭化水素
基の中でも、合成の容易さからメチル基、ビニル基もし
くはフェニル基が好ましい。さらにはケイ素原子に結合
する炭化水素基がメチル基である場合が、他の炭化水素
基の場合と比較して原料中間体の合成が容易であり、得
られる重合体の重合度の高さに比べて粘度が最も低く、
また硬化物である弾性体の物性のバランスに好影響を与
えるため最も好ましい。
【0019】従って、実質的に全てがメチル基であるこ
とが最も好ましいが、硬化物に耐熱性が要求される場合
はケイ素原子に結合する炭化水素基のうち、一部がフェ
ニル基であることが好ましい。このようにメチル基以外
の炭化水素基を含有する場合においても上述した理由か
ら、重合体中の全炭化水素基数の85%以上がメチル基
であることが好ましい。
【0020】(b)成分の有機ケイ素化合物としては、
ケイ素原子に結合した加水分解性基を一分子中に少なく
とも3個有するものであれば如何なるものであってもよ
く、例えばシラン化合物もしくはその部分加水分解縮合
物、直鎖状ポリオルガノシロキサン又は環状ポリオルガ
ノシロキサンを用いることができる。
【0021】有機ケイ素化合物中のケイ素原子に結合す
る加水分解性基としては、アルコキシ基、アシロキシ
基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アルキルアミド
基、N,N−ジアルキルアミノキシ基、ケトオキシム
基、アルケノキシ基などをあげることができる。
【0022】また有機ケイ素化合物においてケイ素原子
には、上記した加水分解性基以外に例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、ビニル
基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基等のアリー
ル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、クロロメ
チル基等のハロアルキル基などの置換又は非置換の1価
の炭化水素基が結合していてもよい。
【0023】かかる(b)成分は、ケイ素原子に結合し
た加水分解性基が(a)成分中のシラノール基又はアル
コキシ基の当量以上になるように配合することが好まし
い。(b)成分の配合量が過少では(a)成分の縮合反
応が充分に進行しない。
【0024】一方、縮合反応を促進するための硬化触媒
としては、有機カルボン酸の金属塩、例えば酢酸、オク
タン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ナフ
テン酸、安息香酸等のカルボン酸と、スズ、亜鉛、鉛、
鉄、アンチモン、バリウム、チタン、マンガン等の金属
との塩などをあげることができる。
【0025】また前記以外にも例えば、ジブチルスズジ
アセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルス
ズジラウレート、水酸化ジメチルスズオレエート、ジブ
チルスズオレエート、ジフェニルスズジアセテート、酸
化ジブチルスズ、ジブチルスズジメトキシド等の有機ス
ズ化合物、テトラプロピルチタネート、テトラブチルチ
タネート、テトラオクチルチタネート等の有機チタン酸
エステル、ジイソプロポキシ(アセチルアセトナト)チ
タン、ジイソプロピルビス(エチルアセトアセタト)チ
タン、1,3−プロピレンジオキシビス(アセチルアセ
トナト)チタン、1,3−プロピレンジオキシビス(エ
チルアセトアセタト)チタン等のチタンキレート化合物
等の有機金属化合物などもあげることができる。
【0026】このような縮合反応型の液状混和物の場
合、未架橋液状シリコーンゴムは、硬化剤及び硬化触媒
(場合により不要のこともある。)の存在下、空気中等
の湿気に触れることで加水分解され、架橋反応が進行し
てゴム状に硬化する。
【0027】一方、付加反応型の液状混和物の場合は、
未架橋液状シリコーンゴムとして(c)ケイ素原子に結
合したアルケニル基を一分子中に少なくとも2個有する
ポリオルガノシロキサンを用い、硬化剤として(d)オ
ルガノハイドロジェンシラン又はポリオルガノハイドロ
ジェンシロキサン、又は付加反応用の硬化触媒を配合す
る。また硬化してゲル状物になるものを得ようとする場
合には、(c)成分としてケイ素原子に結合したアルケ
ニル基を一分子中に1個有するポリオルガノシロキサン
を併用することもできる。
【0028】(c)成分のポリオルガノシロキサンに含
有されているアルケニル基としては、例えばビニル基、
アリル基、1−ブテニル基、1−ヘキセニル基などをあ
げることができ、合成の容易さからビニル基が好まし
い。
【0029】またアルケニル基以外に結合可能な置換又
は非置換の1価の炭化水素基については、上記したとお
りであるが合成の容易さ、組成物の流動性、組成物から
得られる硬化物が良好な物理的性質を保持しうる程度の
重合が可能であることなどからメチル基であることが最
も好ましい。
【0030】(d)成分のオルガノハイドロジェンシラ
ン又はポリオルガノハイドロジェンシロキサンにおける
ケイ素原子に結合可能な有機機としては、上記の置換又
は非置換の1価の炭化水素基と同様のものをあげること
ができるが、合成の容易さからメチル基が好ましい。
【0031】かかる(d)成分としては、ケイ素原子に
結合した水素原子を一分子中に平均2個を超える数を有
するポリオルガノハイドロジェンシロキサンが好まし
い。このポリオルガノハイドロジェンシロキサンとして
は、直鎖状、分岐状、環状等の何れを用いてもよく、ま
たこれらの混合物を用いてもよいが硬化後の組成物自体
に良好な物理的性質を付与するという点で、以下のイ〜
ハで示す化合物又はそれらの混合物を用いることが好ま
しい。
【0032】イ.(CH32HSiO1/2とSiO1/2単位
からなり、ケイ素原子に結合した水素原子の含有量が分
子量の0.3〜1.2重量%である分岐状ポリオルガノ
ハイドロジェンシロキサン。
【0033】ロ.次式: (ただし、pは2〜100、qは0〜100の整数であ
る。)で表され、ケイ素原子に結合した水素原子の含有
量が分子量の0.5〜1.6重量%である直鎖状ポリオ
ルガノハイドロジェンシロキサン。
【0034】ハ.次式: (ただし、pは1〜100、qは0〜100の整数であ
る。)で表され、ケイ素原子に結合した水素原子の含有
量が分子量の0.5〜1.6重量%である直鎖状ポリオ
ルガノハイドロジェンシロキサン。
【0035】(d)成分の配合量は、(c)成分中のア
ルケニル基1個に対し、(c)成分中のケイ素原子に結
合した水素原子の数が0.5〜4.0個、好ましくは
1.0〜3.0個となるような量である。水素原子の数
が0.5個未満では組成物の硬化が充分に進行せず、組
成物の硬化物の硬度が低くなり、4.0個を超えると組
成物の硬化物の物理的性質が低下する。
【0036】一方、付加反応用の硬化触媒としては、
(c)成分のアルケニル基と(d)成分のヒドロシリル
基との間の付加反応を促進するものが用いられ、その例
としては白金系、ロジウム系、パラジウム系の触媒など
があげられる。就中、白金系触媒が好ましく用いられ、
その例としては白金の単体、塩化白金酸、白金−オレフ
ィン錯体、白金−アルコール錯体、白金配位化合物など
をあげることができる。
【0037】このような付加反応型の液状混和物の場
合、未架橋液状シリコーンゴムは、硬化剤及び硬化触媒
の存在下、ヒドロシリル化反応が起こり、これが架橋反
応となってゴム状に硬化する。
【0038】他方、架橋用塗液の調製は、未架橋液状シ
リコーンゴム及び/又はシリコーンオイル、及び硬化剤
と硬化触媒のうち液状混和物に配合しなかった方を混合
することにより行うことができる。架橋用塗液調製用の
未架橋液状シリコーンゴムとしては、液状混和物に準じ
たものを用いることができる。
【0039】シリコーンオイルとしては、硬化触媒の存
在下に室温等の低温で硬化剤と反応する官能基を有する
ものや、官能基を有しない液状ポリオルガノシロキサン
などが用いられる。官能基を有しない液状ポリオルガノ
シロキサンからなるシリコーンオイルとしては、トリメ
チルシロキシ基で末端封鎖されたポリジメチルシロキサ
ン又はポリメチルフェニルシロキサンなどが例示され
る。
【0040】従って架橋用塗液の調製に用いる未架橋液
状シリコーンゴムやシリコーンオイル、硬化剤や硬化触
媒としては、室温等の低温で硬化するように、縮合反応
型や付加反応型等の液状混和物の硬化機構に対応させて
適宜な組合せで選択することができる。
【0041】硬化剤の使用量は、未架橋液状シリコーン
ゴム(及び/又はシリコーンオイル)100重量部あた
り0.01〜20重量部、就中0.1〜10重量部が一
般的である。硬化触媒の使用量は、未架橋液状シリコー
ンゴム(及び/又はシリコーンオイル)100重量部あ
たり0.01〜10重量部が一般的である。防食層の表
面の美観を維持する点よりは、表面張力が35dyn/cm
以下の防食層が形成されるようにすることが好ましい。
【0042】液状混和物、架橋用塗液の調製に際して
は、例えば充填剤、可塑剤、老化防止剤、防錆剤、防カ
ビ剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、オゾン劣化防止剤、
チキソロープ剤、顔料ないし着色剤などの増粘剤ないし
配合剤を必要に応じて適宜に配合することができる。そ
の配合量は、調製物の1〜90重量%が一般的である。
【0043】調製する液状混和物は、多孔性基材に含浸
させた場合に滴下しない程度の粘度を有するものが好ま
しい。架橋用塗液では、塗布性や室温架橋型被覆材への
浸透性などの点より0.01〜1000ポイズ程度の粘
度(25℃)とすることが好ましい。また架橋用塗液の
施与量を可及的に一定にして均質な防食層を形成する点
よりは、架橋用塗液に顔料ないし着色剤を配合してその
色により施与量を判別できるようにすることが好まし
い。
【0044】室温架橋型被覆材は、多孔性基材に液状混
和物を含浸させることにより得ることができる。多孔性
基材は、液状混和物の保持材、室温架橋型被覆材を巻回
又は接着する際の作業時における補助材、防食層の厚さ
の調節材や均一化材、衝撃緩和や損傷防止、光遮断によ
る劣化防止等の防食層保護材などとして機能するもので
ある。従って多孔性基材としては、種々の繊維からなる
例えば織布、不織布、フェルトなどの適宜なものを用い
うる。室温架橋型被覆材は、テープ、シート、切片など
の適宜な形態に形成することができる。
【0045】本発明の撥水性防食層の形成は、金属表面
又は防食層欠損部等の防食欠陥部に室温架橋型被覆材を
巻回方式や貼付方式等の適宜な方式で被覆施与し、その
被覆層を架橋用塗液で架橋させることにより行うことが
できる。その架橋は、室温架橋型被覆材と架橋用塗液を
合体させることにより室温等の低温で進行させることが
できる。
【0046】従って前記の架橋は、予め架橋用塗液を金
属表面等に塗布しその上に室温架橋型被覆材を施与する
方式、室温架橋型被覆材に架橋用塗液を塗布しそれを金
属表面等に被覆施与する方式、室温架橋型被覆材を金属
表面等に被覆施与しその被覆層に架橋用塗液を塗布する
方式、それらの組合せ方式などの適宜な方式で進行させ
ることができる。表面の平滑性、室温架橋型被覆材の被
覆施与時間の自由性などの点よりは、室温架橋型被覆材
を金属表面等に被覆施与した後に架橋用塗液を塗布する
方式が好ましい。なお架橋に際しては、室温架橋型被覆
材の被覆層をバーナーなどで加熱することにより架橋速
度を速めることができる。
【0047】実施例1 未架橋液状シリコーンゴム100部(重量部、以下同
じ)、ホワイトカーボン(補強剤)100部、テトラエ
トキシシラン(硬化剤)5部をプラネタリーミキサで混
練し、それをポリエステル不織布(目付100g/
2)に含浸させ、それをロール状に巻取って100mm
幅に切断し坪量1kg/m2の室温架橋型被覆材を得た。
【0048】一方、未架橋液状シリコーンゴム100
部、ホワイトカーボン30部、アルミニウム粉(着色
剤)10部、ジブチル錫ジラウレート(硬化触媒)5部
をプラネタリーミキサで混練し、着色型架橋用塗液を得
た。
【0049】次に、前記の室温架橋型被覆材より長さ1
50mmのサンプルを切取り、それを幅100mm、長さ1
50mm、厚さ2mmの鋼板面に接着し、その上に前記の着
色型架橋用塗液を100g/m2の割合で塗布し、23
℃で24時間保持して室温硬化させ撥水性防食層を形成
した。前記の撥水性防食層に碁盤目状の切れ目を入れ、
JIS K 5400に準拠してテストしたところ評価
点数(10点満点)は10点であった。
【0050】他方、上記の室温架橋型被覆材を幅50mm
で切断してテープを形成し、それを直径100mmの鋼管
にラップ代55%で巻回したのちその上に上記の着色型
架橋用塗液を100g/m2の割合で塗布し、23℃で
24時間保持して室温硬化させ撥水性防食層を形成し
た。その際、着色型架橋用塗液の塗布後4時間(23
℃)で表面がタックフリーとなり、タックフリー時にお
ける表面張力は27dyn/cm(JIS K 6768)
であった。
【0051】前記の撥水性防食層について水密性を評価
したところ良好な結果が得られると共に、鋼管上の撥水
性防食層に切れ目を入れて無理に剥がして重ね合せ部を
観察したところ、重ね合せ部の段差部分も確実に充填さ
れており、水路となる孔部は全く形成されていなかっ
た。
【0052】実施例2 未架橋液状シリコーンゴム100部、ホワイトカーボン
100部、ジブチル錫ジラウレート5部をプラネタリー
ミキサで混練し、それをポリエステル不織布(目付10
0g/m2)に含浸させ、それをロール状に巻取って1
00mm幅に切断し坪量1kg/m2の室温架橋型被覆材を
得た。
【0053】一方、シリコーンオイル100部、ホワイ
トカーボン30部、アルミニウム粉(着色剤)10部、
テトラエトキシシラン5部をプラネタリーミキサで混練
し、着色型架橋用塗液を得た。
【0054】前記の室温架橋型被覆材と着色型架橋用塗
液を用いて実施例1に準じ撥水性防食層を形成しその特
性を調べたところ、碁盤目試験において10点が得られ
ると共に、着色型架橋用塗液の塗布後6時間(23℃)
で表面がタックフリーとなり、タックフリー時における
表面張力は26dyn/cmであった。さらに水密性も良好
で、水路となる孔部は全く形成されていなかった。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、有機溶剤の関与なく基
材で補強されたシリコーン系の強靱で、撥水性、防食
性、耐熱性、厚さや物性の均一性、密着性に優れる防食
層を作業現場でも簡便に能率よく低温施工で形成するこ
とができる。また形成防食層は、汚染、損傷、シワや浮
きが生じにくく防食効果の長期持続性に優れている。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B32B 25/20 B32B 25/20 C23F 11/00 C23F 11/00 B F16L 58/10 F16L 58/10 (72)発明者 三輪 直樹 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (72)発明者 藤本 哲夫 東京都港区六本木6丁目2番31号 東芝 シリコーン株式会社内 (72)発明者 千葉 修二 東京都港区六本木6丁目2番31号 東芝 シリコーン株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−48939(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B05D 7/24 302 C23F 11/00 F16L 58/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未架橋液状シリコーンゴムを主成分とし
    硬化剤又は硬化触媒の一方を含有する液状混和物を多孔
    性基材に含浸させてなる室温架橋型被覆材を金属表面又
    は防食欠陥部に被覆施与して被覆層を形成し、その被覆
    層を、未架橋液状シリコーンゴム及び/又はシリコーン
    オイルを主成分とし前記の硬化剤又は硬化触媒の他方を
    含有する架橋用塗液で架橋させたことを特徴とする撥水
    性防食層。
  2. 【請求項2】 表面張力が35dyn/cm以下である請求
    項1に記載の撥水性防食層。
  3. 【請求項3】 室温架橋型被覆材からなる被覆層の上に
    着色剤を添加した架橋用塗液で架橋してなる着色された
    請求項1に記載の撥水性防食層。
  4. 【請求項4】 未架橋液状シリコーンゴムを主成分とし
    硬化剤又は硬化触媒の一方を含有する液状混和物を多孔
    性基材に含浸させてなる室温架橋型被覆材と、未架橋液
    状シリコーンゴム及び/又はシリコーンオイルを主成分
    とし前記の硬化剤又は硬化触媒の他方を含有する架橋用
    塗液とからなることを特徴とする撥水性防食処理材。
  5. 【請求項5】 架橋用塗液が着色剤を含有する請求項4
    に記載の撥水性防食処理材。
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