JP3170620B2 - 温灸パックおよびその加熱方法 - Google Patents

温灸パックおよびその加熱方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温灸パックとその
加熱方法に関する。
【0002】
【従来の技術】皮膚の特定部位(つぼ)に熱刺激を与
え、これによって生体の違和を除いて、自然治癒力を向
上させることにより病気を治す温灸療法は、東洋医学の
重要な分野として長い歴史を有している。近年西洋医学
がもたらした種々の薬害などに対する反省の結果とし
て、温灸療法の有用性が見直されている。温灸の適用範
囲は、神経痛、頭痛、リュウマチ、腹痛などの消化器系
疾患、風邪などの呼吸器系疾患、婦人科系疾患などの広
い範囲に及ぶ。
【0003】従来温灸療法は、皮膚の特定部位にもぐさ
を直接(有痕灸或いは知熱灸)或いは間接的に(無痕
灸)付着させ、これを燃焼させて、熱刺激を行ってい
る。しかしながら、もぐさを使用する旧来の方法では、
温灸による施術を行い得るのは、所定の教育を受け、都
道府県知事の免許を受けた灸師に限られている。しか
も、皮膚上でのもぐさの燃焼による温灸療法は、見栄え
の悪さの故に、特に子供および若年齢者層に嫌われ、そ
の利用は、比較的高年齢者層に限られているのが現状で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、も
ぐさの燃焼を行うことなく、簡便に温灸療法を実施しう
る新たな手段を提供することを主な目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な課題を解決するために種々研究を重ねた結果、急速な
加熱が可能であり、且つ長時間にわたり加熱効果を発揮
する新たな温灸パックを開発することに成功した。すな
わち、本発明は、下記の温灸パックとその加熱方法を提
供するものである: 1.アラミド繊維製の収容具に多孔質セラミック粒を収
容してなる温灸パック。
【0006】2.アラミド繊維製の収容具に多孔質セラ
ミック粒を収容してなる温灸パックを電磁波により加熱
することを特徴とする温灸パックの加熱方法。
【0007】3.電磁波による加熱手段が、電子レンジ
である上記項3に記載の温灸パックの加熱方法。
【0008】
【発明の実施の形態】以下添付の図面を参照しつつ、本
発明をさらに詳細に説明する。
【0009】図1は、本発明による温灸パックの一例を
示す断図面である。本発明による温灸パックは、基本的
に、多孔質セラミック粒3を耐熱性のアラミド繊維製の
袋乃至収容具1に収容した構造を有している。
【0010】本発明で使用するアラミド繊維は、構造式
【0011】
【化1】
【0012】で表される主鎖にベンゼン環を有する芳香
族ポリアミドからなる高分子繊維であり、例えば、“ケ
ブラー”(Kevlar)という商標名で米国デュポン社から
市販されている。
【0013】アラミドは、高分子材料として、耐熱性、
強度、弾性率、耐磨耗性、断熱性などに傑出しておりい
る。例えば、その熱分解開始温度は(空気中)約500
℃、熱収縮開始温度は約400℃、200℃での引張強さ保持
率は常温値の約70%である。特に、耐熱性に関して、本
発明による多孔質セラミック粒を内部に収容した温灸パ
ックを240℃で長時間保持しても、変化は全く生じない
し、300〜350℃では20分間保持しても、変化しない。
【0014】アラミド材料の形態としては、平織りなど
の織布、トリコットなどの編物布、不織布、フェルト、
ペーパー、ステープル、テープ、スパン糸、パルプ状品
などがある。本発明においては、これらの形態を有する
アラミド材料により後述のセラミック粒を収容しうる袋
を形成し、この袋にアラミド材料のひもなどの取付具を
取り付ける。
【0015】本発明で使用するセラミック粒の材質は、
特に限定されるものではないが、ホルンフェルス、トル
マリン、カオリン、アルミナ、炭化珪素、蛙目粘土、麦
飯石、陶土などが例示される。セラミック粒の製造に際
しては、材料の特性を阻害しない範囲で鉄などの金属の
酸化物或いはその他の化合物を配合しても良い。セラミ
ック粒は、多孔質であることが必須である。セラミック
粒中の孔径は、特に限定されず、数Å〜数百μmの範囲
に及ぶ。セラミック粒の空隙率は、10〜20%程度である
ことが好ましく、30〜50%程度であることがより好まし
い。
【0016】本発明による温灸パックを繰り返し使用す
る場合には、銀化合物などの抗菌性分、脱臭成分などを
多孔質セラミック粒の調製時に添加しておいたり、製造
後の多孔質セラミック粒に含浸させたり、或いは多孔質
セラミック粒とともにアラミド繊維袋に充填しておくこ
ともできる。
【0017】本発明による多孔質セラミック粒に代えて
非多孔質セラミック粒を使用する場合には、重いので実
用上不利である。また、加熱時に温度のバラツキが生じ
やすく、最高温度の部分は、アラミド繊維の袋を介して
も手を触れることが出来ない程にもなり、さらに保温力
が低いので、使用時に短時間内に温度が低下して、温灸
効果が十分に発揮できない。
【0018】セラミック粒の粒径は、特に限定されるも
のではないが、アラミド繊維製の袋状収容具に収容して
電磁波により加熱することを考えると、1〜10mm程度と
することが好ましく、3〜6mm程度とすることがより好ま
しい。必要に応じて、セラミック粒に所定の孔特性を付
与する方法は、公知である。例えば、常法に従って、上
記のセラミック材料を所定の粒径に造粒し、乾燥し、発
泡成分の存在下に焼成することにより、所望のセラミッ
ク粒を形成することが出来る。
【0019】本発明において使用するセラミック粒は、
天然の多孔質鉱物材料粒であってもよい。天然の多孔質
鉱物材料としては、ゼオライト、パミスなどのいわゆる
天然の軽石が挙げられる。
【0020】図2は、本発明による温灸パックの一例を
斜面図として示す。図示の温灸パックは、アラミド繊維
製の袋1にセラミック粒(図示せず)を充填収容してお
り、両端にアラミド繊維製の柄乃至取付具5を備えてい
る。但し、袋の中心部分の一定の領域7は、上下が縫い
合わされており、この部分には、セラミック粒は充填さ
れていない。この中心部分は、使用時に皮膚の過熱を防
止するために、必要に応じて設けるものであり、本発明
の必須の構成要素ではない。
【0021】図3は、本発明の温灸パックの他の一例を
斜面図として示す。図示の温灸パックも、アラミド繊維
製の袋1にセラミック粒(図示せず)を充填収容してお
り、両端にアラミド繊維製の柄乃至取付具9を備えてい
る。アラミド樹脂は、熱伝導性が極めて低いので、柄乃
至取付具9そのものが加熱により、皮膚に接触できない
程度の高温となることはない。
【0022】温灸パックの形状は、一切限定されず、使
用個所に応じて適宜選択することが出来る。また、必要
ならば、温灸パックにポリエステル樹脂製などの外カバ
ーを装着することもできる。
【0023】本発明による温灸パックを使用して、温灸
療法を実施する場合には、まず温灸パックを加熱する。
加熱装置としては、電磁波加熱装置を使用することが好
ましく、この場合には、家庭用の電子レンジを利用する
ことが出来るので、有利である。加熱装置としては、高
周波誘電加熱装置を使用することもできる。加熱温度
は、使用目的に応じて選択すれば良く、特に限定される
ものではないが、通常100〜250℃程度、好ましくは180
〜200℃程度である。加熱時間は、電子レンジなどの加
熱装置の加熱能力、所定の加熱温度などを考慮して決め
ることが出来る。例えば、粒径約3〜6mm程度、空隙率約
30%のホルンフェルスを主成分とする焼結多孔質セラミ
ック粒約1kgを容積1500ccのアラミド繊維製の袋に収容
した本発明温灸パックを出力0.5KWの家庭用電子レンジ
で加熱する場合、加熱時間を3〜15分程度とすること
により100〜250℃というセラミック粒子温度が得られる
ことが見出された。この場合にも、加熱時間が30分程度
となると、セラミック粒の温度は、500℃以上となり、
アラミド繊維が炭化し始めて、破損することが判明し
た。
【0024】次いで、加熱された温灸パックを施術すべ
き個所(痛いところ、冷えているところ、凝っていると
ころなど)に接触させ、上述の柄または取付具により所
定の個所に固定して、必要な時間保持する。熱すぎると
感じられる場合には、温灸パックと施術個所との間にタ
オルなどを介在させても良く、或いは衣服の上から適用
しても良く、或いは温灸パック自体を温度調整用のカバ
ーで包んで使用しても良い。
【0025】或いは、もぐさを使用する従来の灸におけ
ると同様に、温灸パックと皮膚との間に湿紙、濡れタオ
ル、ショウガ、ニンニクなどを介在させても良い。
【0026】
【発明の効果】本発明の温灸パックを使用する場合に
は、もぐさを使用する従来の温灸療法の欠点(資格を有
する灸師による施術の必要性、見栄えの悪さなど)を解
消することが出来る。
【0027】多孔質のセラミック粒を使用するので、孔
内の湿気の存在により、電磁波による加熱が均一に進行
する。
【0028】加熱された多孔質セラミック粒は、その微
細な孔に含まれる空気のために、非多孔質セラミック粒
に比して、温度低下速度が約1/5程度と極めて小さい
ので、温灸効果が長期間持続する。
【0029】また、アラミド繊維の熱伝導性が極めて低
いので、このことも、加熱された温灸パックの保温力を
長期にわたり維持するに役立つ。
【0030】多孔質セラミックを収容する袋を構成する
アラミド繊維は、耐熱性に優れているので、電磁波によ
る加熱により劣化することはない。
【0031】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明確にする。
【0032】実施例1 粒径3〜6mm程度、空隙率約40%のホルンフェルス/トル
マリン(80/20)からなる焼結セラミック粒1000g
をアラミド繊維製の袋に収容して、本発明による温灸パ
ックを得た。
【0033】得られた温灸パックを家庭用電子レンジに
より出力2.5kwで8分間加熱し、200℃とした。
【0034】加熱された温灸パックを空気中10℃で放置
したところ、最低温度部分の温度が60℃になるまで、約
1時間を要した。
【0035】実施例2 粒径1〜3mm程度、空隙率約30%のアルミナ/炭化珪素系
焼結多孔質セラミック粒1000gをアラミド繊維製の袋に
収容して得た本発明による温灸パックを家庭用電子レン
ジにより出力0.5kwで加熱して、時間の経過とともに上
昇する温度を測定した。結果は、図4に直線Aとして示
す通りである。なお、袋中の多孔質粒子全体にわたり、
温度は殆ど同じであったので、一点の温度変化のみを示
した。
【0036】一方、粒径1〜3mm程度のアルミナ/炭化珪
素系焼結非多孔質粒子1000gをアラミド繊維製の袋に収
容して得た比較品を上記と同様にして加熱した。温度
は、測定位置により大きな差があり、最高温度部の温度
は、直線Bとして示す通りであり、最低温度部の温度
は、直線Cとして示す通りであった。
【0037】次いで、上記の本発明品を空気中10℃で放
置し、自然冷却させた。結果を図5に曲線A′として示
す。なお、袋中の多孔質粒子表面と内部では、最大10程
度の温度差が認められたが、図5には、表面の温度を示
した。
【0038】また、上記の比較品を同様にして自然冷却
させた。最高温度部と最低温度部の結果を図5にそれぞ
れ曲線B′および曲線C′として示す。
【0039】図4および図5に示す結果から、本発明品
が全体として均一に且つ急速に加熱できること、および
その冷却は均一に且つ長時間かけてゆっくりと行われる
ことが明らかである。
【0040】これに対し、比較品では、加熱および冷却
に際して、大きな温度分布が存在していることが明らか
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による温灸パックの一例を示す断図面で
ある。
【図2】本発明による温灸パックの形状の一例を示す斜
図面である。
【図3】本発明による温灸パックの形状の他の一例を示
す斜図面である。
【図4】本発明による温灸パックと比較例による温灸パ
ックの加熱状態を示すグラフである。
【図5】本発明による温灸パックと比較例による温灸パ
ックの冷却状態を示すグラフである。
【符号の説明】
1…アラミド繊維製の袋状容器 3…多孔質セラミック粒 5…柄乃至取付具 7…加熱防止部分 9…柄乃至取付具

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アラミド繊維製の収容具に多孔質セラミ
    ック粒を収容してなる温灸パックであって、セラミック
    粒がホルンフェルス/トルマリンからなる焼結多孔質セ
    ラミック粒又はアルミナ/炭化珪素系焼結多孔質セラミ
    ック粒であり、セラミック粒の空隙率が30〜50%で
    る温灸パック。
  2. 【請求項2】 アラミド繊維製の収容具に多孔質セラミ
    ック粒を収容してなる温灸パックであって,セラミック
    粒がホルンフェルス/トルマリンからなる焼結多孔質セ
    ラミック粒又はアルミナ/炭化珪素系焼結多孔質セラミ
    ック粒であり、セラミック粒の空隙率が30〜50%で
    る温灸パックを、電磁波により加熱することを特徴と
    する温灸パックの加熱方法。
  3. 【請求項3】 電磁波による加熱手段が、電子レンジで
    ある請求項2に記載の温灸パックの加熱方法。
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KR20030000718A (ko) * 2001-06-26 2003-01-06 조철환 전자파에 의해 가열되는 찜질용 패드 및 그 제조방법
JP4672915B2 (ja) * 2001-07-03 2011-04-20 小林製薬株式会社 蓄熱体及びそれを含む温熱パッド
WO2004054485A1 (ja) * 2002-12-13 2004-07-01 Kokuryudo Co., Ltd. 肌貼用保温材

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