JP3170307B2 - 表示・記録方法および装置 - Google Patents

表示・記録方法および装置

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JP3170307B2
JP3170307B2 JP14307591A JP14307591A JP3170307B2 JP 3170307 B2 JP3170307 B2 JP 3170307B2 JP 14307591 A JP14307591 A JP 14307591A JP 14307591 A JP14307591 A JP 14307591A JP 3170307 B2 JP3170307 B2 JP 3170307B2
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史朗 陶山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は表示・記録媒体、方法
および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、表示装置としてはワードプロセッ
サ等のOA機器に搭載されたCRT、LCD等がある。
しかし、これらの表示装置では低解像度で表示容量が小
さいから、情報全体を俯瞰することができず、さらに自
由に移動することができない欠点がある。このため、紙
に文字を印刷したと同等の表示容量と精細度を持ち、か
つ薄く軽く持ち運びに便利で、容易に書込み・消去で
き、繰返し使用できる表示装置が必要とされている。
【0003】近年注目を集めている表示材料として、高
分子中に低分子の液晶を分散させた組成物である高分子
分散型液晶(PDLC)がある。図13に示すように、
高分子分散型液晶は高分子1中に液晶2を粒状に分散さ
せた膜状の表示材料3である。高分子1中に分散した液
晶2は小粒状をなすため、一般にドロップレットと呼ば
れる。ドロップレット内の液晶の配向方向は同一である
が、ドロップレット間では液晶の配向方向が異なり、ま
た液晶2の複屈折性により液晶2の屈折率が高分子1の
屈折率と一致しないため、図13(a)に示すように、表
示材料3の両面に設けられた電極4間に電界を印加しな
いときには、入射光5がドロップレットと高分子1との
境界で散乱する散乱状態となり、白濁して見える。一
方、図13(b)に示すように、電源6により電極4間に
電界を印加したときには、ドロップレット内の液晶2の
配向方向が電界方向に揃うから、液晶2の正常光に対す
る屈折率を高分子1の屈折率と合わせておけば、透明な
透過状態となる。
【0004】発明者等は、熱可塑性高分子中に液晶を分
散させた高分子分散型液晶では、図14(a)に示すよう
に、液晶2が高分子1に融けこむ温度まで表示材料3の
一部を熱ヘッド7等で加熱したのち、電界印加状態で冷
却すれば、図14(b)に示すように、電界を除去しても
加熱部分では液晶2の配向が保持され、透明な透過状態
が保持され、散乱部分3a内に透過部分3bが形成され
ることを見いだした。これは、高分子1と液晶2との界
面の束縛力が失われる温度まで加熱したのち、電界を印
加して冷却すれば、高分子1中のドロップレット内の液
晶2の配向方向を電界方向に揃えた状態で、高分子1に
より液晶2の界面が束縛されることによる。また、表示
材料3の全体を加熱したのち、表示材料3を無電界また
は低い電界印加で冷却すれば、元の散乱状態に戻り、白
濁する。これらの状態は可逆的に繰り返すことができ
る。
【0005】このような熱と電界とを組み合わせた書込
み、消去を高分子分散型液晶の媒体に適用すれば、特願
平3−66133号で示したように、書換え可能な表示
・記録媒体とすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような表
示・記録媒体においては、1つの媒体に1頁分の情報し
か記録できないから、大量の情報を表示するためには、
頻繁に書換えを行なうか、複数の表示・記録媒体を使用
する必要がある。
【0007】この発明は上述の課題を解決するためにな
されたもので、頻繁に書換えを行なわなくとも、また複
数の表示・記録媒体を使用しなくとも、大量の情報を表
示することができる表示・記録媒体における表示・記録
方法および装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、この発明の表示・記録方法に用いる表示・記録媒体
においては、高分子中に低分子のネマティック液晶のみ
を分散させた組成物層を透明導体で挟んだ表示層を複数
積層する。
【0009】この場合、上記組成物層を加熱後高電界印
加状態で冷却すると、上記低分子のネマティック液晶の
配向状態が一様であるモードとなり、上記組成物層を加
熱後低電界印加状態または無電界で冷却すると、上記
分子のネマティック液晶の配向状態がランダムであるモ
ードになり、上記両モードが可逆的に変化できるように
する。
【0010】また、上記組成物層の上記両モードを可逆
的に変化させるに必要な加熱温度を上記表示層で相違
せても良い
【0011】また、この発明の表示・記録方法において
は、高分子中に低分子のネマティック液晶のみを分散さ
せた組成物層を透明導体で挟んだ表示層を複数積層した
表示・記録媒体の書込みが、部分的加熱と上記表示層の
両面の上記透明導体への電界印加によっても良い。
【0012】また、この発明の表示・記録方法において
は、高分子中に低分子のネマティック液晶のみを分散さ
せた組成物層を透明導体で挟んだ表示層を複数積層した
表示・記録媒体の上記表示層の両面の上記透明導体に電
界を印加した状態で冷却したのち、低電界印加または無
電界で光または電磁波により所定の上記表示層を部分的
に加熱しても良い。
【0013】そして、この発明の表示・記録方法におい
ては、高分子中に低分子のネマティック液晶のみを分散
させた組成物層を透明導体で挟んだ表示層を複数積層し
た表示・記録媒体であって、上記組成物層を加熱後高電
界印加状態で冷却すると、上記低分子のネマティック液
晶の配向状態が一様であるモードになり、上記組成物層
を加熱後低電界印加状態または無電界で冷却すると、上
記低分子のネマティック液晶の配向状態がランダムであ
るモードになる、上記両モードが可逆的に変化させられ
る表示・記録媒体における表示方法が、上記表示層の各
々に表示情報が書き込まれているときに、所望の表示層
以外の上記表示層の両面の上記透明導体へ電界を印加
し、所望の表示層以外の上記表示層を透明状態とするこ
とで、上記所望の表示層の表示情報を表示する。
【0014】そして、この発明の表示・記録装置におい
ては、高分子中に低分子のネマティック液晶のみを分散
させた組成物層を透明導体で挟んだ表示層を複数積層し
た表示・記録媒体であって、上記組成物層を加熱後高電
界印加状態で冷却すると、上記低分子のネマティック液
晶の配向状態が一様であるモードになり、上記組成物層
を加熱後低電界印加状態または無電界で冷却すると、上
記低分子のネマティック液晶の配向状態がランダムであ
るモードになる、上記両モードが可逆的に変化させられ
る表示・記録媒体と、上記表示層の特定の層に書込みを
行なう書込み手段と、上記特定の層に書き込まれた表示
情報を、上記特定の層以外の上記表示層の両面の上記透
明導体へ電界を印加し、上記特定の層以外の上記表示層
を透明状態とすることで表示する表示手段とを設ける。
【0015】
【作用】この表示・記録媒体、方法および装置において
は、1つの媒体に複数頁分の情報を記録することができ
るから、頻繁に書換えを行なわなくとも、また複数の表
示・記録媒体を使用しなくとも、大量の情報を表示する
ことができる。
【0016】
【実施例】図1はこの発明に係る表示・記録媒体を示す
概略図である。この表示・記録媒体においては、高分子
中に液晶を分散させた組成物層31を透明導体8が形成
された透明フィルム9で挾んだ表示層10が複数積層さ
れている。
【0017】図2はこの発明に係る他の表示・記録媒体
を示す概略図である。この表示・記録媒体においては、
両面に透明導体8が形成された組成物層31と透明フィ
ルム9とが順次積層され、複数の表示層11を有する。
【0018】図3はこの発明に係る他の表示・記録媒体
を示す概略図である。この表示・記録媒体においては、
両面に透明導体8が形成された組成物層31が順次積層
され、複数の表示層12を有する。
【0019】つぎに、この発明に係る表示・記録媒体に
情報を書き込む方法について説明する。まず、熱ヘッド
17が図4(a)に示す位置にあるときに、表示層13、
15に書込み電源16によって電界を印加すると、表示
層13、15に透過部分18が形成され、表示層14に
散乱部分19が形成される。つぎに、熱ヘッド17が図
4(b)に示す位置にあるときに、表示層13、14に書
込み電源16によって電界を印加すると、表示層13、
14に透過部分18が形成され、表示層15に散乱部分
19が形成される。つぎに、熱ヘッド17が図4(c)に
示す位置にあるときに、表示層15に書込み電源16に
よって電界を印加すると、表示層15に透過部分18が
形成され、表示層13、14に散乱部分19が形成され
る。このように、熱ヘッド17を移動しながら、熱ヘッ
ド17が存在する位置で散乱部分19を形成する表示層
以外の表示層に電界を印加すれば、各表示層13〜15
の全面に文字等の情報を書き込むことができる。
【0020】なお、この書込み方法では書込みに熱ヘッ
ド17を用いたが、レーザ光を照射して加熱してもよ
い。
【0021】つぎに、図4で示すように書込みを行なっ
た表示・記録媒体の情報を表示する方法について説明す
る。たとえば、図5に示すように、表示層13、15に
読出し電源20によって電界を印加すると、表示層1
3、15の全面が透過部分18となり、表示層14に形
成された散乱部分19はそのままであるから、表示層1
4に記録された文字等の情報を表示することができる。
この場合、この表示・記録媒体を黒色の紙の上に置け
ば、黒白の表示状態になる。このように、所定の表示層
以外の表示層に電界を印加すれば、所定の表示層に記録
された文字等の情報のみを表示することができる。した
がって、順次表示層13〜15に記録された文字等の情
報を表示することができる。
【0022】つぎに、この発明に係る表示・記録媒体に
情報を書き込む他の方法について説明する。まず、図6
(a)に示すように、表示層13〜15に書込み電源16
によって電界を印加した状態で、表示層13〜15の全
面を加熱、冷却して、表示層13〜15の全面を透過状
態とする。つぎに、図6(b)、(c)に示すように、表示
層13〜15に電界を印加しない状態で、レンズ22で
焦点を絞った書込み光21を表示層13〜15の書込み
部分に照射して、部分的に加熱すれば、表示層13〜1
5に散乱部分19が形成され、各表示層13〜15の全
面に情報を書き込むことができる。
【0023】つぎに、図6で示すように書込みを行なっ
た表示・記録媒体の情報を表示する方法について説明す
る。たとえば、図7に示すように、表示層13、15に
読出し電源20によって電界を印加すると、表示層1
3、15の全面が透過部分18となり、表示層14に形
成された散乱部分19はそのままであるから、表示層1
4に記録された文字等の情報を表示することができる。
この場合、この表示・記録媒体を黒色の紙の上に置け
ば、黒白の表示状態になる。このように、所定の表示層
以外の表示層に電界を印加すれば、所定の表示層に記録
された文字等の情報のみを表示することができる。した
がって、順次表示層13〜15に記録された文字等の情
報を表示することができる。
【0024】つぎに、この発明に係る表示・記録媒体に
情報を書き込む他の方法について説明する。この書込み
方法においては、表示層13a〜15aの高分子の溶解
温度が異なり、表示層13a〜15aの組成物層のモー
ドを可逆的に変化させるに必要な加熱温度すなわち書込
み温度がそれぞれT1〜T3(T1<T2<T3)である表
示・記録媒体を使用し、また加熱温度THを変化させこ
とができる熱ヘッド23を使用する。そして、まず図8
(a)に示すように、表示層15aに書込み電源16によ
って電界を印加した状態で、熱ヘッド23の加熱温度T
Hを書込み温度T3より若干高くして、熱ヘッド23によ
り表示層15aの書込み部分を加熱すると、表示層15
aの書込み部分に透過部分18が形成される。つぎに、
図8(b)に示すように、表示層14aに書込み電源16
によって電界を印加した状態で、熱ヘッド23の加熱温
度THをT2<TH<T3として、熱ヘッド23により表示
層14aの書込み部分を加熱すると、表示層14aの書
込み部分に透過部分18が形成される。つぎに、図8
(c)に示すように、表示層13aに書込み電源16によ
って電界を印加した状態で、熱ヘッド23の加熱温度T
HをT1<TH<T2として、熱ヘッド23により表示層1
3aの書込み部分を加熱すると、表示層13aの書込み
部分に透過部分18が形成される。したがって、各表示
層13a〜15aの全面に文字等の情報を書き込むこと
ができる。
【0025】なお、上記のように表示層単位で書き込む
代わりに、熱ヘッド23の加熱温度THを変化させなが
ら各表示層13a〜15aに順次書き込み、全面に文字
等の情報を書き込むこともできる。
【0026】このような書込み方法においては、加熱温
度THが書込み温度を越えていない表示層13a〜15
aにはモードの変化が生じないから、書換えを頻繁に行
なわない表示層と書換えを頻繁に行なう表示層とがある
場合に、書換えを頻繁に行なう表示層の書込み温度を低
くすれば、書換えを行なわない表示層の再書込みを行な
う必要がない。
【0027】なお、この書込み方法では書込みに熱ヘッ
ド23を用いたが、レーザ光を照射して加熱してもよ
い。
【0028】つぎに、図8で示すように書込みを行なっ
た表示・記録媒体の情報を表示する方法について説明す
る。たとえば、図9に示すように、表示層13a、15
aに読出し電源20によって電界を印加すると、表示層
13a、15aの全面が透過部分18となり、表示層1
4aに形成された散乱部分19はそのままであるから、
表示層14aに記録された文字等の情報を表示すること
ができる。この場合、この表示・記録媒体を黒色の紙の
上に置けば、白黒の表示状態になる。このように、所定
の表示層以外の表示層に電界を印加すれば、所定の表示
層に記録された文字等の情報のみを表示することができ
る。したがって、順次表示層13a〜15aに記録され
た文字等の情報を表示することができる。
【0029】図10はこの発明に係る表示・記録装置を
示す概略斜視図である。この表示・記録装置において
は、ステージ加熱機構28上に表示・記録媒体24が載
置され、表示・記録媒体24の各表示層の透明導体に接
続された電源機構27が設けられており、可動機構26
によって熱ヘッド25が移動され、ステージ加熱機構2
8、電源機構27、可動機構26、熱ヘッド25は制御
機構(図示せず)によって制御される。
【0030】この表示・記録装置においては、電源機構
27により表示・記録媒体24の各表示層に電界を印加
した状態で、ステージ加熱機構28により表示・記録媒
体24の全面を加熱し、冷却すれば、表示・記録媒体2
4の各表示層の全面を透過状態とすることができるか
ら、情報を全て消去することができる。つぎに、図4で
説明したように、電源機構27により表示・記録媒体2
4の所定の表示層に電界を印加するとともに、可動機構
26によって熱ヘッド25を移動しながら、熱ヘッド2
5によって表示・記録媒体24の所定位置を加熱すれ
ば、表示・記録媒体24の各表示層の全面に情報を書き
込むことができる。また、図5で説明したように、電源
機構27により表示・記録媒体24の所定の表示層以外
の表示層に電界を印加すれば、所定の表示層に記録され
た情報のみを表示することができる。
【0031】図11はこの発明に係る他の表示・記録装
置を示す概略斜視図である。この表示・記録装置におい
ては、駆動機構(図示せず)によって移動される移動ス
テージ30上に表示・記録媒体24が載置されており、
移動ステージ30の上方にレーザ光照射装置29が固定
されている。
【0032】この表示・記録装置においては、電源機構
27により表示・記録媒体24の各表示層に電界を印加
した状態で、ステージ加熱機構28により表示・記録媒
体24の全面を加熱し、冷却すれば、表示・記録媒体2
4の各表示層の全面を透過状態とすることができるか
ら、情報を全て消去することができる。つぎに、図6で
説明したように、表示・記録媒体24の表示層に電界を
印加しない状態で、移動ステージ30により表示・記録
媒体24を移動しながら、レーザ光照射装置29によっ
て表示・記録媒体24の表示層の書込み部分にレーザ光
を照射すれば、表示・記録媒体24の各表示層の全面に
情報を書き込むことができる。また、図7で説明したよ
うに、電源機構27により表示・記録媒体24の所定の
表示層以外の表示層に電界を印加すれば、所定の表示層
に記録された情報のみを表示することができる。
【0033】なお、図12に示すように、表示・記録媒
体24と電源機構27とを取り外し可能とすれば、読出
し専用装置として使用することができる。
【0034】以下、具体的な実施例について説明する。
【0035】(実施例1)ポリビニルブチラール(PV
B)にネマティック液晶BL−016(メルク(Merc
k)社製)を重量比1:1で混入し、約140℃で加熱
溶解させ、その組成物層を透明導体を形成した一対のポ
リエチレンテレフタレート(PET)フィルム間に挟持
して、表示層を形成した。このとき、径が20μmのガ
ラスビーズをポリビニルブチラール内に混入し、透明導
体間で短絡が生じないようにした。そして、溶解状態で
は組成物層は透明であったが、冷却するとポリビニルブ
チラール中に溶解していた液晶が相分離し、直径が約1
μmのドロップレットを形成して、組成物層は白濁し
た。この表示層を5枚積層して図1に示す構造の表示・
記録媒体を形成した。
【0036】この組成物層のモードを可逆的に変化させ
るに必要な加熱温度すなわち書込み温度は約80℃であ
ったので、約100℃に加熱した熱ヘッドを表示・記録
媒体に接触させながら移動するとともに、5層の表示層
の任意に選択した透明導体間に約100Vの交流電圧を
印加したり、除去したりした。この結果、図4で説明し
たように、熱ヘッドが通過した軌跡に沿って電界の有無
に応じた透過部分、散乱部分が形成された。
【0037】また、任意に選択した表示層以外の表示層
の透明導体間に100Vの交流電圧を印加したところ、
図5で説明したように、電圧を印加した表示層は透明に
なり、選択した表示層の散乱部分、透過部分が明瞭に視
認された。そして、裏面に黒色の紙を置いたところ、透
過部分は黒色に見え、白色の紙に黒色の文字を記載した
と同様の表示状態になった。また、表示される表示層は
電圧印加の組合せにより容易に変更できた。
【0038】このような書込み、読出しは繰り返し行な
うことができた。
【0039】(実施例2)実施例1で使用した表示・記
録媒体を移動しながら、YAGレーザ光を照射し、任意
に選択した表示層の透明導体間に100Vの交流電圧を
印加したり、除去したりした。この結果、レーザ光が通
過した軌跡に沿って電界の有無に応じた透過部分、散乱
部分が形成された。
【0040】なお、読出し、再書込みは実施例1と全く
同様であった。
【0041】(実施例3)実施例1で使用した表示・記
録媒体の各表示層の透明導体間に100Vの交流電圧を
印加した状態で、炉中で100℃に加熱したのち、電圧
を印加したまま冷却して、図6(a)で説明したように、
表示・記録媒体の各表示層の全面を透明状態にし、情報
を消去した。
【0042】こののち、任意の表示層の書込み位置に赤
外ランプからの光を集光したところ、図6(b)、(c)で
説明したように、その部分が散乱状態になった。
【0043】なお、読出し、再書込みは実施例1と全く
同様であった。
【0044】(実施例4)ポリビニルブチラールにネマ
ティック液晶BL−016を重量比1:1で混入し、約
140℃で加熱溶解させ、この組成物を溶解状態に保て
る120℃に加熱されかつ透明導体が形成されたポリエ
チレンテレフタレートフィルム上に滴下して、厚さ20
μmの膜厚に形成したところ、溶解状態では透明であっ
たが、冷却するとポリビニルブチラール中に溶解してい
た液晶が相分離し、直径が約1μmのドロップレットを
形成して、組成物層は白濁した。この上に、両面に透明
導体が形成されたポリエチレンテレフタレートフィルム
を重ね、再度約120℃に加熱し、この上に加熱溶解し
た上記組成物を再度滴下し、再び厚さ20μmの膜厚に
形成した。このようにして、加熱溶解した上記組成物の
滴下を3回行なったのち、片面に透明導体が形成された
ポリエチレンテレフタレートフィルムを透明導体を下に
して積層して、図2に示す構造の表示・記録媒体を形成
した。
【0045】この表示・記録媒体を用いて、実施例1と
同様に書込み、読出しを行なったところ、全く同様な結
果を得た。
【0046】(実施例5)ポリビニルブチラールにネマ
ティック液晶BL−016を重量比1:1で混入し、約
140℃で加熱溶解させ、これを熱間ロールに通し、厚
さ20μmの組成物フィルムとしたところ、溶解状態で
は透明であったが、冷却するとポリビニルブチラール中
に溶解していた液晶が相分離し、直径が約1μmのドロ
ップレットを形成して、組成物フィルムは白濁した。そ
の後、組成物フィルムの両面に酸化インジウム錫(IT
O)をスパッタリングし、組成物フィルムの両面の全面
に透明導体を形成した。この上に、さらに組成物フィル
ムを積層し、再び酸化インジウム錫をスパッタリング
し、透明導体を形成した。この上に、さらに組成物フィ
ルムを積層し、透明導体を形成して、図3に示す構造の
表示・記録媒体を形成した。
【0047】この表示・記録媒体を用いて、実施例1と
同様に書込み、読出しを行なったところ、全く同様な結
果を得た。
【0048】(実施例6)ポリビニルブチラール(PV
B)にネマティック液晶MJ−61405(メルク(Me
rck)社製)を重量比1:1で混入し、約150℃で加
熱溶解させ、その組成物層を透明導体を形成した一対の
ポリエチレンテレフタレートフィルム間に挟持して、表
示層を形成した。このとき、径が20μmのガラスビー
ズをポリビニルブチラール内に混入し、透明導体間で短
絡が生じないようにした。そして、溶解状態では組成物
層は透明であったが、冷却するとポリビニルブチラール
中に溶解していた液晶が相分離し、直径が約1μmのド
ロップレットを形成して、組成物層は白濁した。このよ
うに形成した第1の表示層を2枚積層し、さらに実施例
1のように形成した第2の表示層を1枚積層して、表示
・記録媒体を形成した。第1の表示層の書込み温度は1
20℃であり、第2の表示層の書込み温度は80℃であ
った。
【0049】130℃に加熱した熱ヘッドを表示・記録
媒体に接触させながら移動するとともに、3層の表示層
の任意に選択した透明導体間に約100Vの交流電圧を
印加したり、除去したりした。この結果、熱ヘッドが通
過した軌跡に沿って電界の有無に応じた透過部分、散乱
部分が形成された。
【0050】また、任意に選択した表示層以外の表示層
の透明導体間に100Vの交流電圧を印加したところ、
電圧を印加した表示層は透明になり、選択した表示層の
散乱部分、透過部分が明瞭に視認された。
【0051】こののち、100℃に加熱した熱ヘッドを
表示・記録媒体に接触させながら移動するとともに、第
2の表示層の透明導体間にのみ約100Vの交流電圧を
印加したり、除去したりした。この結果、図8で説明し
たように、熱ヘッドが通過した軌跡に沿って第2の表示
層にのみ電界の有無に応じた透過部分、散乱部分が形成
され、第1の表示層の状態には変化がなかった。
【0052】このような書込み、読出しは繰り返した行
なうことができた。
【0053】なお、上述実施例においては、高分子とし
てポリビニルブチラールを用いたが、ポリメチルメタク
リレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、メチルセルロースやエチルセルロース等の変性セル
ロース類、アクリル樹脂、スチレン系共重合樹脂、熱可
塑性ポリウレタン等を用いることができる。また、書込
み温度を調整するための可塑材等の添加材を混入した高
分子を用いてもよい。また、上述実施例においては、電
界印加をオン、オフしたが、高電界、低電界を印加して
もよい。また、電界を可変とすれば、階調表示を得るこ
とができる。また、上述実施例においては、レーザ光、
赤外光を照射したが、電磁波を照射してもよい。また、
光、電磁波の強度を可変とすれば、階調表示を得ること
ができる。また、上述実施例においては、1つの表示層
に記録された情報のみを表示したが、複数の表示層に記
録された情報を同時に表示すれば、アンド像、オア像を
得ることができる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る表
示・記録方法および装置においては、1つの媒体に複数
頁分の情報を記録することができるから、頻繁に書換え
を行なわなくとも、また複数の表示・記録媒体を使用し
なくとも、大量の情報を表示することができる。このよ
うに、この発明の効果は顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る表示・記録媒体を示す断面図で
ある。
【図2】この発明に係る他の表示・記録媒体を示す断面
図である。
【図3】この発明に係る他の表示・記録媒体を示す断面
図である。
【図4】この発明に係る表示・記録媒体に情報を書き込
む方法の説明図である。
【図5】この発明に係る表示・記録媒体の情報を表示す
る方法の説明図である。
【図6】この発明に係る表示・記録媒体に情報を書き込
む他の方法の説明図である。
【図7】この発明に係る表示・記録媒体の情報を表示す
る他の方法の説明図である。
【図8】この発明に係る表示・記録媒体に情報を書き込
む他の方法の説明図である。
【図9】この発明に係る表示・記録媒体の情報を表示す
る他の方法の説明図である。
【図10】この発明に係る表示・記録装置を示す概略斜
視図である。
【図11】この発明に係る他の表示・記録装置を示す概
略斜視図である。
【図12】図10、11に示した表示・記録装置から取
り外した電源機構を示す概略斜視図である。
【図13】高分子分散型液晶の動作原理の説明図であ
る。
【図14】高分子分散型液晶の熱と電界とを組み合わせ
た書込みの説明図である。
【符号の説明】
1…高分子 2…液晶 8…透明導体 10〜12…表示層 13〜15…表示層 16…書込み電源 17…熱ヘッド 20…読出し電源 21…書込み光 23…熱ヘッド 24…表示・記録媒体 25…熱ヘッド 27…電源機構 29…レーザ光照射装置 31…組成物層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 重信 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−281994(JP,A) 特開 昭64−70584(JP,A) 特開 平1−178931(JP,A) 特開 平4−81713(JP,A) 特開 平2−232621(JP,A) 特開 平2−254735(JP,A) 実開 平1−135425(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1334 G02F 1/13 102 G02F 1/133 565 G02F 1/1347

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子中に低分子のネマティック液晶のみ
    を分散させた組成物層を透明導体で挟んだ表示層を複数
    積層した表示・記録媒体であって、上記組成物層を加熱
    後高電界印加状態で冷却すると、上記低分子のネマティ
    ック液晶の配向状態が一様であるモードになり、上記組
    成物層を加熱後低電界印加状態または無電界で冷却する
    と、上記低分子のネマティック液晶の配向状態がランダ
    ムであるモードになる、上記両モードが可逆的に変化さ
    せられる表示・記録媒体における表示方法が、 上記表示層の各々に表示情報が書き込まれているとき
    に、所望の表示層以外の上記表示層の両面の上記透明導
    体へ電界を印加し、所望の表示層以外の上記表示層を透
    明状態とすることで、上記所望の表示層の表示情報を表
    示することを特徴とする表示・記録方法。
  2. 【請求項2】高分子中に低分子のネマティック液晶のみ
    を分散させた組成物層を透明導体で挟んだ表示層を複数
    積層した表示・記録媒体であって、上記組成物層を加熱
    後高電界印加状態で冷却すると、上記低分子のネマティ
    ック液晶の配向状態が一様であるモードになり、上記組
    成物層を加熱後低電界印加状態または無電界で冷却する
    と、上記低分子のネマティック液晶の配向状態がランダ
    ムであるモードになる、上記両モードが可逆的に変化さ
    せられる表示・記録媒体と、 上記表示層の特定の層に書込みを行なう書込み手段と、 上記特定の層に書き込まれた表示情報を、上記特定の層
    以外の上記表示層の両面の上記透明導体へ電界を印加
    し、上記特定の層以外の上記表示層を透明状態とするこ
    とで表示する表示手段とを具備することを特徴とする表
    示・記録装置。
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