JP3170057B2 - エネルギービーム径測定方法 - Google Patents

エネルギービーム径測定方法

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JP3170057B2 JP22583592A JP22583592A JP3170057B2 JP 3170057 B2 JP3170057 B2 JP 3170057B2 JP 22583592 A JP22583592 A JP 22583592A JP 22583592 A JP22583592 A JP 22583592A JP 3170057 B2 JP3170057 B2 JP 3170057B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エネルギービームのビ
ーム径の測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、集束イオンビームや電子ビーム等
のエネルギービームは、マスクレスで微細なパターニン
グが可能であることから、各種のパターニングプロセス
に用いられるようになった。これらのエネルギービーム
を用いたパターニングプロセスにおいては、エネルギー
ビームのビーム径がそのパターニング性能に大きな影響
を及ぼすため、ビーム径を正確に把握しておく必要があ
る。最近、イオンビームの重ね合わせによるイオンドー
ズ量の違いを用いた、イオンビーム径の測定方法が、
L.R.Harriottによって提案され、その方法
について、J.Vac.Sci.Technol.A
8,899(1990)に述べられている。この方法
は、集束イオンビームで複数のライン描画した時の最大
イオンドーズ量が、ラインの本数によって変化すること
を用いている。そのために先ず、ガラス基板上にCr膜
を形成しておき、このCr膜に集束イオンビームを照射
してCrをスパッタエッチングする。この際、一定量の
Crをスパッタエッチングするのに要した時間をCrと
ガラスによるに二次イオンの違いを用いて測定する。こ
れにより、本数の異なるラインパターンの最大イオンド
ーズ量の違いを求め、これをビーム径に換算している。
【0003】しかしながらこの方法にはいくつかの問題
点が挙げられる。まずスパッタエッチングの終点検出を
行うには、二次イオンの質量分析器を集束イオンビーム
装置に組み込むといった非常に特殊な装置構成が必要と
なる。さらに、ビーム径の測定精度は時間計測の精度に
直接的に関係しているために、測定の精度を上げるため
には、二次イオン質量分析器と連動させてスパッタ時間
を正確に計測する機構を必要とする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のエネルギービー
ム径測定装置は、二次イオンの質量分析器と、集束イオ
ンビームのブランキングと二次イオン質量分析器を総合
的に制御する機構を必要とし装置構成が複雑であった。
【0005】本発明は、上記問題点に鑑みて成されたも
ので、二次イオンの質量分析器及び、集束イオンビーム
のブランキングと二次イオン質量分析器を総合的に制御
する機構を必要としない簡単な装置構成にてのエネルギ
ービーム径の測定が可能なエネルギビーム径測定方法を
提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、基板上に
形成した薄膜表面に被ビーム径測定用のエネルギービー
ムを一定のライン間隔(D)を設定した複数のラインか
らなるパターン毎に線ドーズ量を変化させて照射するこ
とにより、設定したしきい値より小さい面ドーズ量の極
大値と前記しきい値より大きい面ドーズ量の極小値を持
つパターンを形成する工程と、前記極大値に応じた線ド
ーズ量と前記極小値に応じた線ドーズ量の比(R)を求
める工程と、前記R、及びDを以下の(5)式に代入し
てビーム径(δ)を算出する工程とを具備することを特
徴とするエネルギービーム径測定方法である。 δ=D・f(A(R)) ……(5)
【0007】但し、関数fは、単一エネルギービームの
分布の重ね合わせとして計算より得られる面ドーズ量の
極大値と極小値の比と、ビーム径の関係を表す関数であ
り、Aは定数である。
【0008】第2の発明は、基板上に形成した薄膜表面
に被ビーム径測定用のエネルギービームを一定の線ドー
ズ量で照射して複数のラインからなるライン間隔を変化
させたパターンを形成する工程と、面ドーズ量の極大値
と極小値の分布が測定できる限界のライン間隔(D)を
求める工程と、前記Dを以下の(6)式に代入してビー
ム径(δ)を算出する工程とを具備することを特徴とす
るエネルギービーム径測定方法である。 δ=D・g(Rpv) ……(6)
【0009】但し、関数gは、単一エネルギービームの
分布の重ね合わせとして計算より得られる前記極大値に
対する前記極大値と極小値の差の絶対値の割合と、ビー
ム径の関係を表す関数であり、Rpvは規格化した前記絶
対値の差である。
【0010】
【作用】本発明者によれば、エネルギビームの面ドーズ
量分布の重ね合わせとして得られる総面ドーズ量分布の
極大値と極小値の変化を観察することにより、理論計算
より得られる関数を用いた式から容易にビーム径を算出
することができるので、二次イオン質量分析器を組み込
んだ集束イオンビーム装置といった特殊な構成を必要と
せず、非常に簡単かつ正確にビーム径を測定することが
できる。
【0011】
【実施例】以下に本発明の詳細を実施例に沿って説明す
る。 実施例1
【0012】先ず、図1(a)に示す如く、半導体基板
1上に窒化シリコン膜2を約8000オングストローム
(以下Aと省略する)の厚さに形成したものを集束イオ
ンビーム装置内に導入し、被ビーム径測定用のGaの集
束イオンビーム3を走査して複数のラインパターン4を
描画する。つまりGaが注入されたラインパターン4を
形成する。複数のラインパターン4は、図1(b)にそ
の一部を示す如く、一定の間隔で描画する複数のライン
を1つのパターンとし、各パターン毎に線ドーズ量を徐
々に大きくしたものである。
【0013】次に、図2に示す如く、半導体基板1を弗
素系プラズマラジカル22を用いたドライエッチング装
置21の試料ホルダー20に設置して、上述した窒化シ
リコン膜2をエッチングする。Gaイオンを注入した窒
化シリコン膜2は、弗素系プラズマラジカル22による
ドライエッチングに対して選択性を示し、窒化シリコン
膜2に対してマスクとして働く適当なドライエッチング
条件において、図3に示す如く、Gaの面ドーズ量と残
留膜厚率の関係が閾値的な変化を示す。このとき、図3
に示す如く、Fi、Foという2つの値が閾値となる面
ドーズ量(閾値面ドーズ量と省略する)として得られ
る。
【0014】ここで、面ドーズ量がFi以下の小さい場
合はエッチングに対するマスクが十分に形成されないた
め窒化シリコン膜2は全く残らずエッチングされるが、
面ドーズ量がFo以上の高い場合にはエッチングに対す
るマスクが十分に形成され、窒化シリコン膜2はエッチ
ングされずほとんど初期の膜厚が残ることになる。ま
た、面ドーズ量がFiとFoの間の場合には面ドーズ量
の変化に対して残留膜厚率が0から100%の間をほぼ
線形に変化する。
【0015】ところで、集束イオンビームの電流密度分
布がガウス分布で近似できることから、ビーム径と同程
度のビーム間隔をとって描画した複数本のラインパター
ンによって得られる面ドーズ量分布は、図4(a)に示
す如くなる。つまり、近接したライン同士のドーズ量分
布の重ね合わせにより、各ラインの面ドーズ量分布41
に対し、合計の面ドーズ量分布(総面ドーズ量分布と称
する)42は凹凸を持った分布となる。
【0016】線ドーズ量を変えた際のこの総面ドーズ量
分布42の変化を示したのが図4(b)、図4(C)で
ある。描画の線ドーズ量を変化させることによりその極
大値43と極小値44が増減する。このことにより、図
4(b)に示す如く極大値43が閾値面ドーズ量Fiと
一致する場合と、図4(c)に示す如く極小値44が閾
値面ドーズ量Foに一致する場合を実現することができ
る。線ドーズ量を増大することにより、図4(b)に示
す状態を境界として、窒化シリコン膜2が全く残らない
状態からライン状に残る状態へと変化する。また、同様
に、図4(c)に示す状態を境界として、窒化シリコン
膜2に凹凸が生じる状態からほとんど残って平坦となる
状態へと変化する。ところで、集束イオンビームで照射
する線ドーズ量(L)と、極大値と極小値の面ドーズ量
(F)との間には、図5に示すような関係がある。ここ
で、p:L=aFとv:L=bFで表した2本の直線
は、それぞれ極大値と極小値の変化を示しており、L1
2 それぞれ図3(b)と図3(c)の状態を実現する
線ドーズ量である。図5より、L1 とL2 の間には、 L1 /L2 =(a/b)・(Fo/Fi) …(1) という関係があることがわかる。ここでFo/Fiは、 γ=[ln(Fo/Fi)]-1 …(2) で定義されるコントラスト係数γを用いて表すことがで
き、集束イオンビームの照射エネルギーとドライエッチ
ング条件が一定であれば、ほぼ一定の値となる。またa
/bは、ビーム径δとビーム間隔Dとの比の関数とし
て、図6に示す如くなっている。但し、ここで言うビー
ム径とは、ガウス分布のピーク値の1/eになる点まで
の中心からの距離の2倍の値を意味している。以上よ
り、 いう関係が導かれるから、2つの境界状態を示す線ドー
ズ量L1 とL2 の比、及びビーム間隔Dからビーム径δ
を求めることが可能である。ここで、L2 /L1 =Rと
し、関数hの逆関数をfとすれば(5)式が導き出され
る。 δ=D・f(A(R)) …(5)
【0017】但し、関数fは、単一エネルギービームの
分布の重ね合わせとして計算より得られる面ドーズ量の
極大値と極小値の比と、ビーム径の関係を表す関数であ
り、Aは定数である。尚、図6は、面ドーズ量の極大値
と極小値の比とビーム径の関係を表すグラフであるた
め、関数fとその逆関数hの両方に対応している。具体
的には、以下のようにしてビーム径を測定した。
【0018】本実施例では先ず、0.5〜2μm程度の
ビーム径を測定する場合として、長さ5μmの5本のラ
インをビーム間隔1μmで描画して1つのラインパター
ンとし、線ドーズ量を5.0×1011cm-1から3.0
×1013cm-1迄、2桁の精度で変化させて図1の様に
161パターン描画した。
【0019】次いで、イオンビームを照射したこの試料
を図2で示したマイクロ波励起型ドライエッチング装置
に導入し、四弗化炭素ガス圧力1.5×10-1Torrの条
件で約3分間のドライエッチングを行った。ドライエッ
チング後の試料表面を光学顕微鏡で観察すると、1.2
×1012-1の線ドーズ量のパターンから凹凸が見え始
め、2.9×1012cm-1の線ドーズ量のパターンから
再び平坦な表面となった。つまり、L1 =1.2×10
12cm-1、L2 =2.9×1012cm-1である。
【0020】ここで、加速電圧40kVで窒化シリコン
にGa集束イオンビームを注入し、上記の条件でドライ
エッチングを行った場合には、コントラスト係数γは
4.02と求められている。これらより、(4)式を用
いて、極大値と極小値の比a/bは1.88と求まる。
この値より、図6のグラフから、ビーム径とビーム間隔
の比δ/Dとして0.87が得られる。ビーム間隔は1
μmであるから、結局ビーム径は0.87μmと求めら
れた。線ドーズ量の精度として2桁となるように集束イ
オンビーム描画しているから、この実施例は約1%の測
定精度を持ったビーム径の測定であることが判る。
【0021】複数のラインパターンはこの実施例の図1
の様に線ドーズ量の同じものを複数平行に形成しても良
いが、これ以外に例えばライン毎に順次線ドーズ量を変
えたラインパターンにしても良いし、線ドーズ量が描画
後に分かる様にしておけばランダムに形成しても良い。 実施例2 この実施例では、実施例1と同様の部分は同一番号を付
しその詳しい説明を省略した。
【0022】先ず、図7(a)に示す如く、半導体基板
1上に窒化シリコン膜2を約800nmの厚さに形成し
たものを測定用試料として集束イオンビーム装置内に導
入し、ビーム径を測定すべきGaの集束イオンビーム3
を走査して複数のラインパターン4を実施例1と同様に
描画する。複数のラインパターン4は、図7(b)にそ
の一部を示す如く、一定の線ドーズ量と間隔で描画する
複数のラインを1つのパターンとし、各パターン毎にラ
イン横方向の間隔に対応するビーム間隔を徐々に小さく
したものである。1μm程度のビーム径を測定する場合
には、そのビーム間隔を1.5μmから0.2μmまで
0.02μmのステップで1つのパターン毎に小さくし
ながら、長さ10μm、線ドーズ量2.5×1012cm
-1で66パターン描画する。ラインパターンのビーム間
隔と測定用試料に照射されるGaの総面ドーズ量分布の
関係は、集束イオンビームのイオン電流密度分布がガウ
ス分布で近似できることから、図8(a)及び図8
(b)の様に変化する。近接したライン同士の面ドーズ
量分布の重ね合わせにより、各ラインの面ドーズ量分布
81に対し、ビーム間隔が広い場合には総面ドーズ量分
布821 に極大値と極小値(以下、凹凸と称する)を生
じる(図8(a))。また、ビーム間隔が狭い場合には
総面ドーズ量分布822 に凹凸が生じなくなる(図8
(b))。ここで、窒化シリコン膜2がGaの集束イオ
ンビーム3によってスパッタエッチングされる深さは照
射されるGaイオンの面ドーズ量に比例するため、Ga
面ドーズ量分布を反映した凹凸を、窒化シリコン膜2上
に生ずる。この試料を、集束イオンビーム装置から取り
出し、微分干渉顕微鏡で試料上面から観察すると、窒化
シリコン膜2上の凹凸は像の明暗として得ることができ
る。ビーム間隔が広いつまり総面ドーズ量分布821
凹凸が生じている領域ではライン状の明暗として現れ、
ビーム間隔が狭いつまり総面ドーズ量分布822 に凹凸
が生じていない領域では明暗は観察されない。明暗が観
察される領域と観察されない領域の境界までのパターン
の個数を数えることにより、凹凸と平坦の境界のビーム
間隔(D)を得ることができる。
【0023】ビーム形状つまりはイオンビームのイオン
電流密度分布をガウス分布と近似した計算により、ビー
ム径(δ)とビーム間隔(D)の比に対する凹凸の大き
さの割合は、図9の如く求められる。ただし、ここで言
う凹凸の大きさの割合とは、ビーム径を0.5μmとし
た場合の極大値となる面ドーズ量と極小値となる面ドー
ズ量の差をビーム間隔が十分に大きい場合の最大面ドー
ズ量で規格化したものを示している。また、ここではビ
ーム径(δ)としてガウス分布のピーク値の1/e
(e:自然対数の底)の値となる点迄のビームの中心か
らの距離の2倍を用いている。ここでDを以下の(6)
式に代入してビーム径(δ)を算出することができる。 δ=D・g(Rpv) ……(6)
【0024】但し、関数gは、単一エネルギービームの
分布の重ね合わせとして計算より得られる前記極大値に
対する前記極大値と極小値の差の絶対値の割合と、ビー
ム径の関係を表す関数である。この式以下のようにして
導出される。ここで、Rpvは、面ドーズ量分布の極大値
と極小値の割合が面ドーズ量分布の極大値と極小値を観
測する手段の分解能と最大の観測値の比と等しい時が、
極大値極小値と平坦の境界のビーム間隔(D)を与える
ことを用いて求められる。また、関数gは図9のグラフ
に相当する。
【0025】ここで、集束イオンビームの加速電圧10
0kVの条件で、1.0×1017cm-2のドーズ量に対
して窒化シリコン膜2のスパッタエッチング深さは実験
から170nmと求められている。ビーム径は不明であ
るが、例えば0.5μmのビーム径で上述の線ドーズ量
2.5×1012cm-1となるようにGaイオンを照射し
た場合には、ライン同士の間隔が十分に広いとして分布
の最大面ドーズ量は1.13×1017-2となるから、
スパッタエッチング深さの最大値は192nmとなる。
微分干渉顕微鏡の垂直分解能は1nm程度であるから、
Ga集束イオンビーム照射によって生じる最大の凹凸の
約0.52%の変化を観察することができる。凹凸の変
化を0.52%の精度で観測できる場合には、凹凸と平
坦の境界となるビーム径はビーム間隔の1.63倍の場
合であると求められる。ここで、上述したようにビーム
間隔を1.5μmから始めて0.2μmになるまで一定
の減少率で1本毎に変化させて66パターン描画した場
合の測定用試料を観察すると、46番目のパターンまで
は凹凸があり、47番目のパターンからは平坦であるこ
とが観察された。この際、多くのラインパターンを描画
していた場合には、各パターンとライン間隔とを対応付
けるのが繁雑になるが、パターンに適当なマーカー(数
字等)を並べて描画すればその作業は容易なものとな
る。これより、間隔0.58μmが境界のビーム間隔で
あることが分かり、その値の1.63倍がビーム径であ
ることから、ビーム径を0.95μmと求めることがで
きた。ところで、図9に示した関係を求める際にビーム
径が0.5μmの場合を仮定したが、この場合のビーム
径は凹凸の割合を決めるための単なる基準として用いた
ビームのビーム径を示しているだけであり、先にスパッ
タエッチング量を見積もった際に仮定したビーム径と一
致すれば、どんな値を採っても同様な操作により実際の
ビーム径を求めることができる。また、この実施例の場
合、ビーム径が約0.02μm変化すると凹凸と平坦の
境界となるパターンが1つずれるから、ビーム径が1μ
m付近の場合には2%程度の測定精度を持つことが分か
る。
【0026】本発明は、エネルギービームのラインパタ
ーン描画によるイオンドーズ量分布の変化を観測するこ
とによってビーム径を得ることを主旨としているため、
その主旨を逸脱しない範囲で、以下のような様々な応用
が可能である。
【0027】(1)測定対象となるエネルギービーム
は、単体の液体金属イオン源から放出されるGa、I
n、Al等のイオンビームだけでなく、合金液体金属イ
オン源から放出されるSi、Ge、As、B、Be、A
u等のイオンビームやH、He等の気体の電界イオン化
によるイオンビームも、その空間的な電流密度分布が明
らかになっているために、応用が可能である。また、熱
電子放出や電界電子放出を用いて生成した電子ビーム
も、同様にその空間的な電流密度分布が明らかになって
いるために、応用が可能である。
【0028】(2)試料に照射されるイオンドーズ量分
布を測定可能な物理量に変換する手段としては、上記の
真空一貫プロセス中でのビーム径の測定が可能である窒
化シリコンにGaイオンを注入し、フッ素系エッチング
ガスでドライエッチングをしたときに、Ga注入領域の
エッチング速度が低下するという現象を用いるスパッタ
エッチングによる方法の他に、有機ポリマーレジストへ
のイオンビーム露光による方法、イオン注入ダメージに
よるウエットエッチング速度の増大を利用した方法、イ
オン注入ダメージによるフォトエレクトロケミカルエッ
チング速度の低下を利用した方法等も、同様に幾何学的
な凹凸に変換するという意味で応用が可能である。スパ
ッタエッチング速度が低い軽元素の場合等は、透明媒質
に注入したときの屈折率の変化を測定する方法もある。
フォトマスク修正用等のイオン励起デポジションおよび
エッチングの可能な集束イオンビーム装置の場合には、
イオンドーズ量分布をデポジション厚さやエッチング深
さに変換して評価することも可能である。誘電体膜上に
金属膜を形成したような二次電子放出効率の異なる多層
膜は、イオンビームによるスパッタエッチングに対し
て、その界面が閾値の働きをする。つまり上部の金属膜
がスパッタエッチング除去された時点を、描画中の二次
電子強度の変化または走査イオン顕微鏡像の明るさが変
化することにより知ることができる。この方法は、測定
用試料を集束イオンビーム装置中から出さずに測定が可
能であるだけでなく、照射中のその場の測定も可能であ
ることから、真空一貫プロセスとも整合する有効な方法
である。但し、これらの変換手段は、測定する物理量が
イオンドーズ量の変化に対して単調増大または単調減少
の変化を示す領域で用いるか、測定する物理量が面ドー
ズ量の変化に対して閾値を持つ領域で用いる必要があ
る。ただし、閾値の数は、上記の実施例のように、極大
値と極小値が一致する閾値間の関係が明瞭かつ一定にな
っており、現象の変化としてとらえられるものであれば
幾つであっても構わない。
【0029】(3)未知のビーム径の測定のためには、
面ドーズ量を非常に大きい値から、非常に小さな値まで
変化させる(実施例1)必要があり、またライン間隔を
非常に大きい値から、非常に小さな値まで変化させる
(実施例2)必要があるが、描画時間が非常に多くかか
ってしまう。そこで実際は、装置内に通常組み込まれて
いる走査イオン顕微鏡や走査電子顕微鏡の像分解能か
ら、前もって大まかにビーム径を予想する。例えば、
0.5μm程度の像分解能である場合には、ビーム径は
約1μm程度と判断できる。それを用いて、上述の実施
例の如く線ドーズ量2.5×1012-1となるようにビ
ーム電流100pAで長さ10μmの10本のラインか
らなるパターンを66個描画した場合は、総描画時間は
44分となり、充分実現可能な描画時間での測定が可能
である。少しずつビーム間隔を変えた複数のパターンを
描画するかわりに、1本ずつのビーム間隔を変えてライ
ン描画しても上記の実施例と同様の操作で、ビーム径を
測定することが可能である。そうした場合には、描画時
間を10分の1に抑えることができるため、より短い時
間での測定が可能となる。また、高分解能レジストとし
て知られるポリメタクリル酸メチル(PMMA)のイオ
ンビーム露光を用いると、感度を示すドーズ量は1013
cm-2程度となり、上述の実施例と比べてより少ない線
ドーズ量での測定が可能であり、描画時間をさらに短く
することができる。これらの応用を用いれば、ビーム間
隔の変化量を小さくとり多くのラインを描画することが
可能となり、測定精度をさらに上げることができる。
【0030】(4)スパッタエッチングにより表面凹凸
に置換されたイオンドーズ量分布は、微分干渉顕微鏡の
他にレーザ顕微鏡や触針式の表面形状測定器によって知
ることができる。面ドーズ量分布を反映した表面状態の
変化(凹凸等)や内部状態の変化(屈折率変化等)を測
定するこれらの方法において、水平分解能は測定するビ
ーム径の半分程度あればよい。また、垂直分解能(凹凸
の場合)または状態変化の分解能(屈折率変化等の場
合)は、上述したように、イオンドーズ量分布の凹凸か
ら平坦への境界のビーム間隔に影響する。
【0031】(5)実施例ではビーム形状がガウス分布
であるという近似を用いたが、電界蒸発型の液体金属イ
オン源からのビーム形状は、実際はピーク値の約1%以
下の電流密度の領域では、ガウス分布からずれた指数関
数的分布となることが知られている。しかしながら、そ
のずれによる電流密度量の変化は1%以下であり、ビー
ムの中心から離れるにしたがって変化量も減少すること
から、10本程度のラインパターンを描画する際にはほ
とんど問題とならない。上記実施例では、ガウス分布の
近似により測定精度は1%程度にとどまっているが、実
際のビーム形状は容易に計算に取り込むことが可能であ
り、測定精度を上げることができる。また、ガウス分布
に限らず、様々な分布形状についても同様の操作でビー
ム径を測定することが可能である。
【0032】(6)測定用試料に照射されるイオンドー
ズ量分布と、試料中に注入されるイオン数の分布やエネ
ルギー量の分布には散乱の効果による違いがあるが、こ
れらの関係も計算に取り込むことが可能である。電子ビ
ームの場合は、試料への照射時はガウス分布で近似でき
る電流密度分布が、試料に入射後の後方散乱や二次電子
放出の寄与によりガウス分布からかなりずれるものの、
これらの効果も計算に取り込むことが可能である。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電子ビームや集束イオンビーム等の広範囲なエネルギー
ビームのビーム径を簡便かつ正確に測定することができ
る。特に集束イオンビームのビーム径を測定する際に
も、二次イオン質量分析器を組み込んだ集束イオンビー
ム装置といった特殊な構成を必要とせず、非常に簡単か
つ正確にビーム径を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例を説明する斜視図
【図2】 本発明の第1の実施例に使用したエッチング
装置の断面図
【図3】 本発明の第1の実施例を説明する図
【図4】 本発明の第1の実施例を説明する図
【図5】 本発明の第1の実施例を説明する図
【図6】 本発明の第1の実施例を説明する図
【図7】 本発明の第2の実施例を説明する斜視図
【図8】 本発明の第2の実施例を説明する図
【図9】 本発明の第2の実施例を説明する図
【符号の説明】
1 半導体基板 2 窒化シリコン膜 3 集束イオンビーム 4 ラインパターン 20 試料ホルダー 21 ドライエッチング装置 22 弗素系プラズマラジカル

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成した薄膜表面に被ビーム径測
    定用のエネルギービームを一定のライン間隔(D)を設
    定した複数のラインからなるパターン毎に線ドーズ量を
    変化させて照射することにより、設定したしきい値より
    小さい面ドーズ量の極大値と前記しきい値より大きい面
    ドーズ量の極小値を持つパターンを形成する工程と、前
    記極大値に応じた線ドーズ量と前記極小値に応じた線ド
    ーズ量の比(R)を求める工程と、前記R、及びDを以
    下の式に代入してビーム径(δ)を算出する工程とを具
    備することを特徴とするエネルギービーム径測定方法。 記 δ=D・f(A(R)) 但し、関数fは、単一エネルギービームの分布の重ね合
    わせとして計算より得られる面ドーズ量の極大値と極小
    値の比と、ビーム径の関係を表す関数であり、Aは定数
    である。
  2. 【請求項2】基板上に形成した薄膜表面に被ビーム径測
    定用のエネルギービームを一定の線ドーズ量で照射して
    複数のラインからなるライン間隔を変化させたパターン
    を形成する工程と、面ドーズ量の極大値と極小値の分布
    が測定できる限界のライン間隔(D)を求める工程と、
    前記Dを以下の式に代入してビーム径(δ)を算出する
    工程とを具備することを特徴とするエネルギービーム径
    測定方法。 記 δ=D・g(Rpv) 但し、関数gは、単一エネルギービームの分布の重ね合
    わせとして計算より得られる規格化した前記極大値に対
    する前記極大値と極小値の差の絶対値の割合と、ビーム
    径の関係を表す関数であり、Rpvは規格化した前記絶対
    値の差である。
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