JP3168376B2 - シアノアクリレート系接着剤組成物 - Google Patents

シアノアクリレート系接着剤組成物

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JP3168376B2
JP3168376B2 JP15510394A JP15510394A JP3168376B2 JP 3168376 B2 JP3168376 B2 JP 3168376B2 JP 15510394 A JP15510394 A JP 15510394A JP 15510394 A JP15510394 A JP 15510394A JP 3168376 B2 JP3168376 B2 JP 3168376B2
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達夫 藤井
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    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J4/00Adhesives based on organic non-macromolecular compounds having at least one polymerisable carbon-to-carbon unsaturated bond ; adhesives, based on monomers of macromolecular compounds of groups C09J183/00 - C09J183/16

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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、せん断接着力、衝撃接
着力に優れるシアノアクリレート系接着剤組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術とその課題】α−シアノアクリレートモノ
マーを必須成分とするシアノアクリレート系接着剤は、
被着体表面に吸着されている微量の水分により急速に重
合、硬化し、ポリエチレン、テフロン等の一部の不活性
材料を除くほとんど全ての材料を、短時間で極めて強固
に接着することから、常温一液型の瞬間接着剤として、
金属、プラスチックス、ゴム、木材などの接着に広く利
用されている。しかしながら、シアノアクリレート系接
着剤は衝撃強度に劣るため、仮止め接着剤として位置づ
けられてきた。このような欠点を改善するために、各種
の添加剤により改質されたシアノアクリレート系接着剤
組成物が提案されている。
【0003】米国特許第4102945号明細書には、
塩化ビニル樹脂用の耐衝撃性改良剤であるアクリロニト
リル−ブタジエン−スチレン ターポリマー(AB
S)、メタクリレート−ブタジエン−スチレン ターポ
リマー(MBS)およびビニリデンクロライド−アクリ
ロニトリル コポリマー(VAC)から選ばれるコポリ
マーを配合した接着剤組成物が開示されている。
【0004】米国特許第4560723号明細書(特公
平5−59949号公報に対応)には、上記米国特許に
開示されているコアシェルポリマーは、シアノアクリレ
ート系接着剤の保存安定性を著しく損なうという不利な
点があるという事実が指摘された上、シアノアクリレー
ト系接着剤の早期重合を起こす不純物の除去処理をされ
た強化剤としてのコアシェルコポリマーと加熱老化を防
止する持続剤からなる接着剤組成物が開示されている。
しかしながらこの接着剤組成物は、加熱老化を防止する
持続剤の添加によってはく離接着強さの熱老化は抑制さ
れるものの、持続剤が可塑剤的に作用することにより凝
集力の低下をもたらすという問題点を有している。この
接着剤の凝集力の低下は、せん断接着力、衝撃接着強
さ、耐湿性等を損なう結果となる。またそこに開示され
ている持続剤のうち、特にハロゲン化ベンゼン化合物は
独特の不快な臭気を持っており、作業環境や人体に対し
て好ましくない。さらに組成物の保存安定性を改善する
ために、コアシェルポリマーの不純物の除去処理が必須
条件となっているが、多段階にわたる処理工程は工業的
に好ましいものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、せん
断接着力および衝撃接着力に優れ、さらに複雑な工程を
経ることなく製造でき保存安定性にも優れたシアノアク
リレート系接着剤組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意検討した結果、コアシェルポリマーのコ
アの架橋度と、コア相とシェル相の間の化学的結合度
(グラフト率)が、ある特定の範囲にあるコアシェルポ
リマーが、シアノアクリレート系接着剤のせん断接着強
さおよび衝撃接着強さを著しく改善する等の顕著な効果
を示すことを見出し本発明に至った。
【0007】本発明は、シアノアクリレートモノマー
(a)とコアシェルポリマー(b)とからなる接着剤組
成物において、コアシェルポリマー(b)がアクリルゴ
ムからなるコアと熱可塑性ポリマーからなるシェルとか
らなると共に、コアを構成するゴム分子とシェルを構成
するポリマー分子とがゴム分子中に共重合させたグラフ
ト化剤モノマーを介してグラフト結合されており、さら
にコアの架橋モノマーがコアに対して0.2〜4.0重
量%、グラフト化剤モノマーがコアに対して0.2〜
5.0重量%の範囲で用いられており、且つコアシェル
ポリマーが乳化重合によって得られると共に乳化重合の
ラテックスの取り出し工程において凍結融解法によって
分離されたものであることを特徴とする接着剤組成物で
ある。
【0008】以下本発明を詳しく説明する。本発明のシ
アノアクリレート系接着剤組成物の第1成分であるシア
ノアクリレートモノマーはα−シアノアクリレートとし
てよく知られている下記一般式で示される化合物であ
る。
【0009】
【化1】
【0010】式中Rは、アルキル基、シクロアルキル
基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル
基、アリール基、アルコキシアルキル基、トリアルキル
シリルアルキル基等のエステル残基である。該アルキル
基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロ
ピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、ペン
チル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等の炭素数1〜8
個のアルキル基等が挙げられる。好ましくは、炭素数1
〜4の低級アルキルが挙げられる。該シクロアルキル基
としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペン
チル、シクロヘキシル等の炭素数3〜8のシクロアルキ
ル等が挙げられる。該アルケニル基としては、アリル、
イソプロペニル、メタリル、3−ブテニル、3−オクテ
ニル等の炭素数3〜8のアルケニル基等が挙げられる。
【0011】該シクロアルケニル基としては、シクロプ
ロペニル、1−シクロペンテニル、2−シクロペンテニ
ル、3−シクロペンテニル、1−シクロヘキセニル、2
−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、3−シク
ロヘプテニル等の炭素数3〜8のシクロアルケニル基等
が挙げられる。該アルキニル基としては、プロパギル、
3−ヘキシニル、1−オクテニル等の炭素数3〜8のア
ルキニル等が挙げられる。該アリール基としては、フェ
ニル、トリル、キシリル等の炭素数6〜8のアリール基
等が挙げられる。該アルコキシアルキル基としては、メ
トキシエチル、エトキシエチル等の炭素数3〜8のアル
コキシアルキル基等が挙げられる。該トリアルキルシリ
ルアルキル基としてはトリメチルシリルエチル、トリメ
チルシリルプロピル等が挙げられる。
【0012】本発明のシアノアクリレート系接着剤組成
物の第2成分は、コアがゴム状ポリマーからなりシェル
がガラス状ポリマーとも称される熱可塑性ポリマー(以
下ガラス状ポリマーと称する)からなるコアシェルポリ
マーであって、コアを形成するモノマー成分として架橋
モノマーがコアに対して0.2〜4.0重量%、グラフ
化剤モノマーがコアに対して0.2〜5.0重量%の
範囲であって、乳化重合のラテックスからの取り出し工
程において凍結融解法によって分離されたコアシェルポ
リマーである。
【0013】このコアシェルポリマーは、先の段階の重
合体の存在下、後の段階の重合体が順次シード重合する
ような連続した多段階乳化重合法、いわゆる多段シード
乳化重合法によって得ることができる。通常まず乳化重
合によってシードラテックスを調製し、次いで、シード
重合によりコア部を合成し、さらにシード重合を繰り返
すことによりコアシェルポリマーを得るという方法が用
いられる。以下コアシェルポリマーの製造について詳細
に述べる。
【0014】まず最初にシード粒子の重合は、要求特性
に応じたモノマーを一括添加することにより行なわれ
る。モノマーとしてはメチルメタクリレート、エチルア
クリレートが好ましく用いられる。
【0015】コアの重合はシードラテックスの存在下、
ゴム状ポリマーを形成するモノマーを乳化重合させて、
コアを構成するポリマーとしてのガラス転移温度が室温
以下、好ましくは−10℃以下のゴム状ポリマーを形成
する重合である。コアのガラス転移温度が室温以上の場
合、ゴム粒子としての特性を失うことがある。ここでガ
ラス転移温度とは動的粘弾性測定におけるtanδのピ
ーク値温度をいう。
【0016】このコアの乳化重合において用いるゴム状
ポリマーを形成するモノマーの主要成分としてはアルキ
ル基の炭素数が2〜8であるアルキルアクリレートが好
ましい。アルキル基の炭素数が2〜8であるアルキルア
クリレートとしては、エチルアクリレート、プロピルア
クリレート、ブチルアクリレート、シクロヘキシルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート等を挙げる
ことができるが、特に、ブチルアクリレートが好ましく
用いられる。
【0017】このコアの重合においては、アルキルアク
リレートを用いることが特に好ましいが、この場合アル
キルアクリレートと共に、これらと共重合可能なモノマ
ー、例えばスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチ
レン等の芳香族ビニル、芳香族ビニリデン、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル、シア
ン化ビニリデン、メチルメタクリレート、ブチルメタク
リレート等のアルキルメタクリレートまたはブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジエンを共重合
させることもできる。
【0018】本発明においては、コアの重合で共重合モ
ノマーとして、架橋性モノマーおよびグラフト化剤モノ
マーの使用は必須である。
【0019】上記架橋性モノマーとして、例えばジビニ
ルベンゼン等の芳香族ジビニルモノマー、エチレングリ
コールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリ
レート、ブチレングリコールジアクリレート、ヘキサン
ジオールジメタクリレート、オリゴエチレングリコール
ジアクリレート、オリゴエチレングリコールジメタクリ
レート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリ
メチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、トリメチロールプロパント
リメタクリレート等のアルカンポリオールポリアクリレ
ートまたはアルカンポリオールポリメタクリレート等を
挙げることができるが、特にブチレングリコールジアク
リレート、ヘキサンジオールジアクリレートが好ましく
用いられる。
【0020】このような架橋性モノマーは、それぞれを
コアの重合において用いる全モノマー量の0.2〜4.
0重量%、好ましくは0.5〜2.0重量%の範囲で用
いることができる。
【0021】コア相とシェル相の間の化学的結合度を調
整するために用いるグラフト化剤モノマーとしては、例
えばアリルアクリレート、アリルメタクリレート、ジア
リルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルイタコ
ネート等の不飽和カルボン酸アリルエステル等を挙げる
ことができるが、特にアリルメタクリレートが好ましく
用いられる。
【0022】このようなグラフトモノマーは、それぞれ
をコアの重合において用いる全モノマー量の0.2〜
5.0重量%、好ましくは0.5〜4.0重量%の範囲
で用いることができる。
【0023】架橋モノマーおよひグラフトモノマーが上
記の範囲をはずれると接着性能の改良効果の再現性が悪
くなる場合がある。
【0024】ゴム状ポリマーのコアは、コアシェルポリ
マー全体の50〜90重量%の範囲にあることが好まし
い。コアが50重量%よりも少ないと、接着性能の改良
効果が不十分なことがある。
【0025】また、コアが90重量%を越えると、シェ
ルが完全にコアを覆うことができず、コアシェルポリマ
ーが互いに融着、凝集を起こし、その結果、接着性能の
改良効果の再現性が悪くなることがある。
【0026】コアシェルポリマーの製造において、上記
モノマーの乳化重合に用いる重合開始剤としては、過硫
酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩系重合開始
剤、アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス
(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2′−アゾビ
ス(2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン、メ
チルプロパンイソ酪酸ジメチル等のアゾ系重合開始剤、
クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼ
ンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物系開始剤を
挙げることができる。また、重合に用いる界面活性剤と
しては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナト
リウムジオクチルスルホサクシネート等のアニオン性界
面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンモノステアレート等のノニオン
性界面活性剤を挙げることができる。
【0027】次にガラス状ポリマーからなるシェル相
は、上述したようにコアラテックスを調製した後、その
存在下において、ガラス状ポリマーを形成するモノマー
を重合させて、ガラス転移温度が室温以上、好ましくは
60℃以上のガラス状ポリマーを最外殻に形成させるこ
とによって製造することができる。
【0028】ガラス状ポリマーを形成するモノマーとし
てはメチルメタクリレートまたはスチレンと、これらと
共重合可能なモノマーが好ましく用いられる。
【0029】メチルメタクリレートと共重合可能なモノ
マーとしては、例えばエチルアクリレート、ブチルアク
リレート等のアルキルアクリレート、エチルメタクリレ
ート、ブチルメタクリレート等のアルキルメタクリレー
ト、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等
の芳香族ビニル、芳香族ビニリデン、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル、シアン化
ビニリデン等のビニル重合性モノマー等を挙げることが
できるが、特に好ましくはエチルアクリレート、スチレ
ン、アクリロニトリルが用いられる。スチレンと共重合
可能なモノマーとしては、例えばメチルアクリレート、
エチルアクリレート等のアルキルアクリレート、メチル
メタクリレート、エチルメタクリレート等のアルキルメ
タクリレート、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等
の芳香族ビニル、芳香族ビニリデン、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル、シアン化
ビニリデン等のビニル重合性モノマー等を挙げることが
できるが、特に好ましくはメチルメタクリレート、アク
リロニトリルが用いられる。
【0030】シェルの重合においても、共重合モノマー
として、架橋性モノマーを少量用いることによって、一
層高い接着力が得られる場合がある。その場合には、架
橋性モノマーとしてはコアの重合において用いたモノマ
ーをシェルの重合に用いる全モノマー量の4.0重量%
以下の範囲で用いると効果が大きな場合がある。
【0031】このシェル相は、コアシェルポリマー全体
の10〜50重量%の範囲で存在することが好ましい。
最外殻相がこの重合範囲よりも少ないと、シェルが完全
にコアを覆うことができず、コアシェルポリマーが互い
に融着、凝集を起こし、その結果、接着性能の改良効果
の再現性が悪くなることがある。
【0032】また、シェル相が50重量%を越えると、
生成するコアシェルポリマーを添加して得られる接着剤
の接着性能の改良効果が不十分なことがある。
【0033】本発明のコアシェルポリマーにおいては、
コアと最終の重合相すなわちシェルとの間、あるいはシ
ードとコアとの間にいくつかの重合相、すなわち中間相
が存在していてもよい。このような中間相はシードもし
くはコアの形成後に、例えば、グリシジルメタクリレー
トや不飽和カルボン酸などのような官能基を有する重合
モノマー、メチルメタクリレートなどのようなガラス状
ポリマーを形成する重合モノマー、ブチルアクリレート
などのゴム状ポリマーを形成する重合モノマーなどを適
宜に選択して、乳化重合することによって形成すること
ができる。
【0034】このような中間相を構成する重合体の組成
は、所望のコアシェルポリマーの性質によって種々選択
することができる。
【0035】また、中間相の重合割合も、その中間相の
ポリマーとしての特性、すなわち、使用するモノマーに
よって適宜決めることができる。例えば、ガラス状ポリ
マーを中間相とする場合は、その重合割合をシェルの一
部として算出すればよく、ゴム状ポリマーの場合はコア
の一部として算出すればよい。
【0036】このような中間相を有するコアシェルポリ
マーの構造は、例えばコアとシェルの間に中間相を重合
する場合には、コアとシェルの間にもう一つの層、すな
わち中間層が存在して多層系構造をとるものや、あるい
は中間相がコア内部でいくつかの粒状のドメインとなっ
て分散し、コアと中間相をあわせた構造を指して、いわ
ゆるサラミ構造をとるものが挙げられる。サラミ構造を
有するコアシェルポリマーにおいてさらに極端な場合
は、分散するべき中間相がコアの中心部において新たな
芯を形成していることもある。このような構造のコアシ
ェルポリマーは、スチレンに代表されるモノマーを中間
相構成モノマーとして使用した場合に生じることがあ
る。前記シェル相および中間相の重合もコアと同様の重
合開始剤、界面活性剤を用いて行われる。
【0037】本発明で用いるコアシェルポリマーは上記
した条件を満足しつつ上記したようなシード乳化重合法
によってラテックスを製造した後、該ラテックスから凍
結融解法にて取り出すことにより特に顕著な効果を発揮
するものとなる。
【0038】即ち上記のようにして得たラテックスを−
5〜−40℃の雰囲気下で凍結させた後、15〜60℃
で融解を行ない、次いで脱水処理を行ない、40〜80
℃で乾燥して粉体を取得する。
【0039】このような粉体取り出し操作によって、乳
化重合中に使用した溶媒や界面活性剤などの多くを除く
ことができる。
【0040】このようにして製造されたコアシェルポリ
マーの粒子径は特に制限はないが、通常100〜100
0nm(0.1〜1μm)、好ましくは120〜750
nmである。
【0041】上記のようにして取り出されたコアシェル
ポリマーは不純物除去処理をしていないにもかかわら
ず、保存安定性に優れた組成物を与えるという効果を示
す。前記した米国特許第4560723号明細書の開示
に従えばコアシェルポリマー中へのイオン性不純物の残
存とそれに伴なう組成物の保存安定性の低下が当然に懸
念されるが、上記によって取り出した本発明のコアシェ
ルポリマーを用いた場合には組成物の保存安定性が高度
に維持されるのである。
【0042】本発明によるシアノアクリレート系接着剤
組成物は、シアノアクリレート100重量部に対して、
上記のコアシェルポリマーを通常3〜30重量部、好ま
しくは5〜20重量部添加することによって得られる。
このコアシェルポリマーが3重量部より少ないと、得ら
れた接着剤組成物硬化物の接着性能改良の効果が認めら
れないことがあり、30重量部より多いと得られた接着
剤組成物の硬化物は、剛性、耐熱性の著しく損なわれた
ものとなることがある。
【0043】本発明によるシアノアクリレート系接着剤
組成物は、シアノアクリレートに所定量の上記コアシェ
ルポリマーを添加し、40〜60℃の加温下、数時間攪
拌することにより容易に調製できる。
【0044】さらに本発明による接着剤組成物には、増
粘剤、充填剤、増量剤、架橋剤、アニオン重合抑制剤、
ラジカル重合抑制剤、接着性向上剤、耐熱性向上剤、耐
水性向上剤、硬化促進剤、着色剤等のシアノアクリレー
ト系接着剤用として公知の添加剤を適量添加することも
できる。
【0045】
【発明の効果】本発明のシアノアクリレート系接着剤組
成物は、せん断接着力、衝撃接着力に優れた効果を有
し、家庭用或いは産業用の瞬間接着剤として使用するこ
とができる。
【0046】
【実施例】以下に実施例及び比較例をあげて本発明を説
明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定される
ものではない。
【0047】なお、実施例、比較例中の「部」および表
中の数値は、重量部を表す。実施例、比較例中に用いる
略語は下記の通りである。 *シアノアクリレート メチルα−シアノアクリレート MCA エチルα−シアノアクリレート ECA アリルα−シアノアクリレート ACA エトキシエチルα−シアノアクリレート EECA *持続剤 ジフェニルメタン DPM *モノマー ブタジエン Bd 2−エチルヘキシルアクリレート 2EHA n−ブチルアクリレート BA メチルメタクリレート MMA エチルアクリレート EA アクリロニトリル AN スチレン St アリルメタクリレート AlMA 1,4−ブチレングリコールジアクリレート BGA ジビニルベンゼン DVB *界面活性剤 第一工業製薬(製)ネオコールP NP (ソジウムジオクチルスルホサクシネート) 花王(製)ペレックスSSL SSL (ソジウムアルキルジフェニルエーテルジスルホネート) *その他 脱イオン水 DIW 炭酸水素ナトリウム SBC 過硫酸ナトリウム SPS
【0048】[試験方法] *重量平均粒子径の測定 コアシェルポリマーの重量平均粒子径は、大塚電子
(株)社製 LPA−3000にて測定を行った。
【0049】*せん断接着強さ 引張りせん断接着強さは、JIS K 6861に準じ
て測定した。試験片は脱脂した100×25×1.6m
mの冷間圧延鋼板(SPCC−SD)を用い、溶接部
(10×25mm)を#240のサンドペーパーで研磨
後洗浄し、接着部に接着剤を塗布後試験片を重ね合わせ
クリップで固定し、24±1℃、55±5RH%の環境
下に24時間放置し接着した。せん断接着強さはテンシ
ロンで、引張り速度毎分10mmにて破断時の最大荷重
を測定した。
【0050】*衝撃接着強さ 衝撃接着強さは、JIS K 6855に準じて測定し
た。40×25×20mmと25×12.5×10mm
の2種類の大きさの鉄の試験片、それぞれ試験片−1と
試験片−2の接着面を#240のサンドペーパーで研磨
後洗浄し、試験片−2の接着面(25×12.5mm)
に接着剤を塗布後試験片−1に重ね、約170gのおも
りで試験片−2を固定し24±1℃、55±5RH%の
環境下に24時間放置し接着した。衝撃接着強さは、
(株)東洋精機製作所製のインパクトテスターにて測定
した。
【0051】実施例1:コアシェルポリマーAの製造と
シアノアクリレート系接着剤組成物の調製 10リットル還流冷却器付DIW427.5g、1%N
P水溶液10.8g、1%SBC水溶液72.5gを仕
込み、窒素気流下で攪拌しながら70℃に昇温した。E
A36.0gを添加し、10分間かけて分散させた後、
2%SPS水溶液18.0gを添加して1時間攪拌下で
反応を行った。最後にDIW1980gで希釈し、シー
ドラテックスとした。
【0052】続いて70℃において、2%SPS水溶液
300.0gを添加し以下のモノマー乳化液4314.
0gを240分かけて連続フィード後、90℃に昇温し
て1時間熟成反応を行いコアラテックスを得た。
【0053】一段目モノマー乳化液 BA 2889.9g BGA 14.8g AlMA 59.3g 1%NP 1050.0g 1%SBC 150.0g DIW 150.0g
【0054】次に70℃に冷却してシェルの重合を行っ
た。2%SPS水溶液100.0gを添加し、以下のモ
ノマー乳化液1800.0gを180分かけて連続フィ
ード後、90℃に昇温して1時間熟成反応を行った。
【0055】二段目モノマー乳化液 MMA 995.0g BGA 5.0g 1%NP 400.0g 1%SBC 100.0g DIW 300.0g
【0056】熟成終了後、30℃まで冷却し300メッ
シュのステンレス金網で濾過し、重量平均粒子径542
nmのコアシェルポリマーラテックスを得た。
【0057】このラテックスを−30℃にて一旦凍結さ
せ、融解後遠心機で脱水洗浄を行い60℃にて一昼夜送
風乾燥してコアシェルポリマーAを得た。
【0058】シアノアクリレート系接着剤組成物は、以
下のようにして調製した。500mlのビーカーにEC
Aを300g量り取り、スリーワンモーターにて撹拌羽
根を300rPmで回転させた。ここにコアシェルポリ
マーAを30g添加した後、ヒーターにて50℃に調温
し4時間攪拌した。その後ヒーターを止め室温まで放冷
しながら、さらに4時間攪拌を行い、シアノアクリレー
ト系接着剤組成物を得た。
【0059】実施例2、3:コアシェルポリマーAのシ
アノアクリレート系接着剤組成物の調製 表2に示す配合組成にて実施例1と同様の操作を行い、
シアノアクリレート系接着剤組成物を得た。
【0060】実施例4〜6:コアシェルポリマーB、
C、Dの製造とシアノアクリレート系接着剤組成物の調
製 表1に示すモノマー組成にて実施例1と同様の操作を行
い、コアシェルポリマーB、C、Dを得た。続いて表2
に示す配合組成にて、実施例1と同様の操作を行い、シ
アノアクリレート系接着剤組成物を得た。
【0061】実施例7〜9:コアシェルポリマーAのシ
アノアクリレート系接着剤組成物の調製 表2に示す配合組成にて、ECAの代わりにMCA、A
CA、EECAを用いて実施例1と同様の操作を行い、
シアノアクリレート系接着剤組成物を得た。
【0062】比較例1〜4:各種シアノアクリレートの
接着強度 ブランクとしてECA、MCA、ACAおよびEECA
のせん断接着強さと衝撃接着強さを測定した。
【0063】比較例5:コアシェルポリマーEの製造と
シアノアクリレート系接着剤組成物の調製 表1に示すモノマー組成にて実施例1と同様の操作を行
い、コアシェルポリマーEを得た。続いて表2に示す配
合組成にて、実施例1と同様の操作を行い、シアノアク
リレート系接着剤組成物を得た。
【0064】比較例6、7:コアシェルポリマーKM3
30、BTA751のECAへの分散 KM330(ローム&ハース社製、アクリル系コアシェ
ルポリマー)とBTA751(呉羽化学工業(株)社
製、MBSコアシェルポリマー)を、それぞれ表2に示
す配合組成にて実施例1と同様の操作を行った。それぞ
れのコアシェルポリマーを添加、調温してから30分以
内に溶液の温度が急激に上昇し、ECAがゲル化した。
【0065】比較例8:持続剤DPMのシアノアクリレ
ート系接着剤組成物の調製 表2に示す配合組成にて、持続剤であるDPMをECA
に添加し、室温で攪拌しながら溶解させた。
【0066】比較例9:コアシェルポリマーCおよび持
続剤DPMのシアノアクリレート系接着剤組成物の調製 表2に示す配合組成にて、持続剤であるDPMをECA
に添加し、室温で攪拌しながら溶解させた。続いて表2
に示す配合組成にてコアシェルポリマーCを所定量EC
Aに添加し、実施例1と同様の操作を行い、シアノアク
リレート系接着剤組成物を得た。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
フロントページの続き (72)発明者 大島 純治 大阪府豊中市上野東3丁目10番8号 (56)参考文献 特開 平2−311583(JP,A) 特開 昭53−30643(JP,A) 特開 昭47−51807(JP,A) 特開 昭62−25185(JP,A) 特開 昭59−74176(JP,A) 特開 平3−290484(JP,A) 特開 平6−240209(JP,A) 特公 平5−59949(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 1/00 - 201/10 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シアノアクリレートモノマー(a)とコ
    アシェルポリマー(b)とからなる接着剤組成物におい
    て、コアシェルポリマー(b)がアクリルゴムからなる
    コアと熱可塑性ポリマーからなるシェルとからなると共
    に、コアを構成するゴム分子とシェルを構成するポリマ
    ー分子とがゴム分子中に共重合させたグラフト化剤モノ
    マーを介してグラフト結合されており、さらにコアの架
    橋モノマーがコアに対して0.2〜4.0重量%、グラ
    フト化剤モノマーがコアに対して0.2〜5.0重量%
    の範囲で用いられており、且つコアシェルポリマーが乳
    化重合によって得られると共に乳化重合のラテックスの
    取り出し工程において凍結融解法によって分離されたも
    のであることを特徴とする接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 コアシェルポリマーがシアノアクリレー
    トモノマー100重量部に対し3〜30重量部存在する
    ことを特徴とする請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 アクリルゴムの構成モノマーがアルキル
    の炭素数が2〜8のアルキルアクリレートであることを
    特徴とする請求項1に記載の接着剤組成物。
  4. 【請求項4】 グラフト化剤モノマーが不飽和カルボン
    酸アリルエステルであることを特徴とする請求項1に記
    載の接着剤組成物。
  5. 【請求項5】 コアシェルポリマーのシェルに架橋モノ
    マーが、4.0重量%以下で使用されることを特徴とす
    る請求項1に記載の接着剤組成物。
  6. 【請求項6】 コアのアクリルゴムのガラス転移温度が
    −10℃以下であり、シェルの熱可塑性ポリマーのガラ
    ス転移温度が60℃以上であることを特徴とする請求項
    1に記載の接着剤組成物。
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