JP3168124U - 肛門殺菌洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
Description
ところで、最近、温水洗浄便座の温水タンク内で細菌が繁殖しやすいことが分かり、これは加温によって水道水に含まれる殺菌用の塩素が蒸発することに原因があると推定され、問題となっている(非特許文献1)。
ところで、先に提案した「肛門の洗浄殺菌装置」においては、図5に示す先行の肛門殺菌洗浄装置の流水ラインのように、殺菌洗浄液を肛門に噴射する殺菌洗浄液ラインにおける加熱装置26は、これを菌洗浄液希釈薬液タンクからの放出側ラインに設置するものであり、殺菌洗浄液タンク自体の殺菌まで配慮するものとなっていなかった。そこでより殺菌安全性を高めるため、先行発明に係る菌洗浄液希釈薬液タンク内で細菌が繁殖するおそれを考慮することにし、先行発明においてもなお上記課題を解決できるようにするには、菌洗浄液希釈薬液タンク自体の殺菌をも配慮することが必要であることの課題を見出し、これによって菌洗浄液希釈薬液タンク内でも細菌が繁殖しないように万全を期す必要があるとの考えに至った。
以上の観測から、本考案者は、菌洗浄液希釈薬液タンク内に所定の殺菌薬液が注入されている場合、所定の殺菌薬液の充填された菌洗浄液希釈薬液タンクを常時高温に加温するだけで、菌洗浄液希釈薬液タンク内の細菌繁殖をより確実に防止することができることを見出した。これによって、先の先行技術で生じていた、水道水に含まれる殺菌用の塩素の蒸発による殺菌効果の消失問題を解決するものである。
言い換えれば、先の発明における加熱装置を菌洗浄液希釈薬液タンク外配置から、単純に菌洗浄液希釈薬液タンク内に移動設置し、常時高温に加温することによって、上記課題を解決したといえる。
この改良においては、構成部品の組合せを大きく変更することなく、先の発明の殺菌薬液注入装置に係る構成部品を個別の構成部品に分割し、配置換えなどの単純な変更を施すことで、先の発明における殺菌洗浄液タンクを含めその先の肛門殺菌洗浄ラインにおける殺菌を図ることができる。
これによれば、殺菌洗浄用の希釈薬液タンク内に、その上流において殺菌薬液注入ラインを通じて殺菌薬液が注入され、同時に混入希釈された状態で、殺菌洗浄用希釈薬液タンクに充填されると共に、希釈薬液タンク内の希釈薬液は加熱装置により殺菌効果が高められる。したがって殺菌洗浄用希釈薬液タンク内は、加温により殺菌用塩素が蒸発したとしても、常時希釈された殺菌薬液に浸されており、その上さらに殺菌洗浄用希釈薬液タンク内は、収容されている殺菌薬液が加熱手段により加熱加温されることにより一層殺菌効果が高められた状態となるので、これらの相乗作用により、殺菌洗浄用希釈薬液タンク内及びそれ以降の肛門殺菌洗浄ライン内では殺菌状態が維持されることになる。
したがって、本考案においても排便後の肛門の殺菌洗浄を実行できることは本考案者の先発明と同様であり、また、温水タンク内では、温湯で洗浄する殺菌用塩素が蒸発したとしても、加熱加温された殺菌薬液の存在により細菌の繁殖が効果的に抑制され、ないしは効果的に殺菌される。これによって、肛門の洗浄殺菌装置の希釈薬液タンクこれに続く肛門殺菌洗浄ラインから噴射ノズルへの殺菌された殺菌洗浄水の流出を保証し、肛門の殺菌洗浄を一層確実に実行する装置を提供することができる。
(a)シスタンクへの水供給ラインから分岐され、調時弁3を介して接続される希釈薬液タンク、噴射ポンプ及び殺菌洗浄ノズルを備えて肛門殺菌洗浄水を噴出可能とした肛門殺菌洗浄用分岐ラインと、
(b)殺菌薬液を収容する殺菌薬液タンク、計量弁及びT字継手管形状のエジェクタポンプからなる殺菌薬液注入装置を備え、前記T字継手管が分岐ラインに接続されることにより、殺菌薬液タンクから計量弁及びT字継手管を介して殺菌薬液が分岐ラインに注入可能とされ、これによって希釈薬液タンク内に混入希釈した殺菌薬液を供給する殺菌薬液注入ラインとを備え、
(c)前記殺菌薬液タンクには、塩化ベンザルコニウムの10W/V%液、又は塩化ベンセゼトニウムの10W/V%液、又は10W/V%塩化ベンザルコニウムの液、又は10W/V%塩化ベンセゼトニウムの液と両性(イオン)界面活性剤の10%アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩とを2対1の割合で混合した混合液、又はアルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩の0.1%〜5%の液状殺菌薬液の1つ又は複数の混合液を収容し、
(d)前記希釈薬液タンク4には、タンク内殺菌洗浄液を加温する加熱装置が設置され、
(e)前記計量弁は、着座検知信号、又は操作パネルボタン操作による作動信号に基づき開閉制御可能され、
(f)当該計量弁の作動により、殺菌薬液注入ラインを通じて分岐ラインの希釈薬液タンクに注入供給可能とされると共に、供給された前記希釈薬液タンクの液状殺菌薬液は、30倍〜1000倍に希釈された殺菌薬液として噴射ポンプの稼動により噴出される肛門殺菌洗浄装置 を提供する。
殺菌薬液注入ラインにおいて、前記希釈薬液タンクに、このタンク内の殺菌洗浄液を加温する加熱装置を設置したので、菌洗浄液希釈薬液タンク内に装填された希釈薬液が加温されることによって加温に伴う殺菌薬液の殺菌効果の向上をはかることができ、これにより希釈薬液自体の殺菌効果を高め、したがって、従来のように温湯で洗浄する殺菌用塩素が蒸発したとしても希釈薬液が殺菌機能を補完するものであるから問題になることはなく、所定の殺菌薬液が注入されることによって、温水タンク内での細菌の繁殖が効果的に抑制され、温水タンク自体でも殺菌される。したがって、肛門洗浄殺菌装置の肛門殺菌洗浄用分岐ラインにおいて、洗浄液及び温水タンクの両者の殺菌を図ることにおいて、ノズルから噴射する殺菌洗浄液による肛門の殺菌を一層確実に行うことができる。
さらに、F液;グルコン酸クロルヘキシジン、G液;ポビドンヨード、H液;塩酸クロルヘキシジン、I液;エチルアルコールを追加的に使用することも差し支えない。
なお、希釈薬液タンク内への殺菌薬液の補填は、エジェクタポンプを利用した吸引による自動装填以外に、平便座への着座を検知して、前記一方の殺菌薬液タンクから制御箱内の殺菌洗浄液タンクへ流出する殺菌薬液を自動的に定量補給することが可能であり、また、便座位置に着座した状態で、定量補給する薬液を手許の制御機器によって制御することでも可能である。この点、先の特許考案と同様である。
肛門薬液噴霧ラインを追加付設する場合、後述するように殺菌薬液タンクと薬液タンクは別々の部品として設置されるのが好ましい。なお、殺菌薬液タンクは先の発明と同様に殺菌薬液タンクと一体にすることは自由である。
また、上記の殺菌薬を2〜3種混合した場合でも、同様の希釈薬液である。
以下、本願考案について、図面を参照しながらさらに詳細に説明する。
図1は、本考案の第1の実施例を示す。第1実施例では、図1に示すように、便器への放水管Lwを接続するシスタンク2は給水ラインL0により水源1が接続される。シスタンク2への給水ラインL0の途中に分岐したラインとして、調時弁3、エジェクタポンプP、希釈薬液タンク4、噴射ポンプ5及び殺菌洗浄ノズル6を含んで備える肛門殺菌洗浄用分岐ラインL1が形成されている。ここで調時弁3は、絞りと逆止弁とを含み、噴射ポンプ5が稼動され殺菌洗浄液がノズル6aから噴出される際には、給水ラインL0からの給水を抑制しながら希釈薬液タンク4からの殺菌洗浄液の噴出をスムーズにすると共に、噴射ポンプ5が停止され希釈薬液タンク4から殺菌洗浄液の噴出が終了した際には、給水ラインL0から希釈薬液タンク4へ通じるまでの部分において肛門殺菌洗浄用分岐ラインL1の流れを制限しながら給水して満タンにし、満タン時に給水を停止するための弁である。
また、本考案において、希釈薬液タンク4には、加熱装置9が付設されており、希釈薬液タンク4内に流入される所定の殺菌薬液は加熱され、殺菌作用の効力を一層高めることができるので、洗浄時の肛門周囲殺菌は固より、流出元の殺菌希釈薬液タンク4自体の殺菌をも可能とするものであることから、噴出する肛門洗浄殺菌液の殺菌作用の保証をより確実にすることが可能である。
ここで、計量弁7は、通常、所定の操作ボタン11a等を操作するなどにより噴射ポンプ5及び計量弁7を稼動し、先ず計量弁7の開閉により所定量の殺菌薬液が殺菌薬液タンク8からラインLc内に注入する。計量弁7により計量された殺菌薬液は、噴射ポンプ5の噴射に伴い、上記肛門殺菌洗浄用分岐ラインL1に組込まれたエジェクタポンプPにおいて発生した負圧を利用して、殺菌薬液注入ラインLcから肛門殺菌洗浄用分岐ラインL1内に自動的に注入希釈され、加熱される希釈薬液タンク4内を通じ殺菌洗浄液が噴射ノズル6aから噴出する。なお、計量弁7は、希釈薬液タンク4内の圧力低下信号S4により作動するようにしてもよい。
計量弁7の操作は、さらに強制信号S2を発生する操作パネル11の操作ボタン11aにより都度操作とすることも可能である。この場合、便座9に座り、手動で操作パネル11の図示所定の操作ボタン11aを操作して、計量弁7を適宜回数作動させ、殺菌薬液タンク8aから殺菌洗浄用分岐ラインL1に混入する殺菌薬液の量を適当に調節する。ここで、殺菌する薬液の注入量を計量するように制御は、計量弁の動作回数を、操作パネル11の適宜のスイッチの操作回数により制御操作すればよい。もちろん、便器の洗浄、肛門の殺菌洗浄、殺菌薬液の噴霧等の制御は、操作パネル11の各操作ボタン11aによって自由に選択制御できる。
また、殺菌薬液タンク8、計量弁7及びエジェクタポンプPを組み立て一体化した殺菌薬液注入装置Dであって、エジェクタポンプP本体が継手管構造を有するものであることにより、ラインの一部の継手管部分において、これを取外し取替えのメンテナンス工事をするのみで上記肛門殺菌洗浄用分岐ラインL1への殺菌薬液注入装置Dのインライン組立てが簡単にできる。
(実施例2)
殺菌薬液タンク8bの上記殺菌薬液の使用に当っては、前述の希釈薬液タンク4の殺菌洗浄液を噴射しで肛門を殺菌洗浄した後、肛門殺菌液噴霧ラインL2を通じてその先端の薬液噴霧ノズル8bから少量霧状に噴霧する。この肛門殺菌液噴霧ラインL2は、実施例1において殺菌洗浄ノズル6aによる殺菌洗浄後、肛門周辺を含めて噴霧し、殺菌効果を一層高めるためである。これによれば、洗浄効果、殺菌効果を高めることができ、速乾性もある。
当考案者になる先行特許と対比において、加熱装置の配置は、肛門殺菌洗浄用分岐ラインL1と肛門殺菌液噴霧ラインL2との各ラインに個別に配置されるものとした流水ラインが示される。
着座信号Sによる場合、計量弁7が開放し殺菌薬液タンク8aからエジェクタポンプPへ自動的に殺菌薬液が注入される。所定の操作ボタン10aを操作して操作信号S1により使用する場合、噴射ポンプP1を稼動し、同時に殺菌薬液タンク8aからエジェクタポンプPへの殺菌薬液の注入を行いながら、肛門殺菌洗浄をする。所定の操作ボタン10aを操作して操作信号S2により使用する場合、計量弁7を開放して殺菌薬液タンク8aからエジェクタポンプPへ任意に殺菌薬液が注入することができる。所定の操作ボタン10aを操作して操作信号S3により使用する場合、他方の殺菌薬液タンク8bからポンプP2へ任意に殺菌薬液が注入し、殺菌洗浄液肛門噴射を行うことができる。また、計量弁7の作動を、希釈薬液タンク4内の圧力、噴射ポンプP1の稼働に伴う希釈薬液タンク4内圧力降下を検出して
自動的に殺菌薬液の注入を行うこともできる。
(実施例3)
2 シスタンク
3 調時弁
4 希釈薬液タンク
5(P1) 噴射ポンプ
6a 殺菌洗浄ノズル
6b 殺菌薬液噴霧ノズル
7 計量弁
8a,8b 殺菌薬液タンク
9;9a,9b 加熱装置
10a,10b 制御箱
11 操作パネル
11a 操作ボタン
S 着座信号
S1 噴射ポンプ稼動信号
S2 薬液都度注入ボタン信号
S3 噴霧ポンプ稼動信号
S4 タンク圧信号
P エジェクタポンプ
P1 噴射用ポンプ
P2 噴霧用ポンプ
L0 給水ライン
L1 肛門殺菌洗浄用分岐ライン
L2 肛門殺菌薬液噴霧ライン
Lc 殺菌薬液注入ライン
Lw 便器洗浄ライン
Claims (4)
- (a)シスタンクへの水供給ラインから分岐され、調時弁を介して接続される希釈薬液タンク、噴射ポンプ及び殺菌洗浄ノズルを備えて肛門殺菌洗浄水を噴出可能とした肛門殺菌洗浄用分岐ラインと、
(b)殺菌薬液を収容する殺菌薬液タンク、計量弁及びT字継手管形状のエジェクタポンプからなる殺菌薬液注入装置を備え、前記T字継手管が分岐ラインに接続されることにより、殺菌薬液タンクから計量弁及びT字継手管を介して殺菌薬液が分岐ラインに注入可能とされ、これによって希釈薬液タンク内に混入希釈した殺菌薬液を供給する殺菌薬液注入ラインとを備え、
(c)前記殺菌薬液タンクには、塩化ベンザルコニウムの10W/V%液、又は塩化ベンセゼトニウムの10W/V%液、又は10W/V%塩化ベンザルコニウムの液、又は10W/V%塩化ベンセゼトニウムの液と両性(イオン)界面活性剤の10%アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩とを2対1の割合で混合した混合液、又はアルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩の0.1%〜5%の液状殺菌薬液の1つ又は複数の混合液を収容し、
(d)前記希釈薬液タンク4には、タンク内殺菌洗浄液を加温する加熱装置が設置され、
(e)前記計量弁は、着座検知信号、又は操作パネルボタン操作による作動信号に基づき開閉制御可能され、
(f)当該計量弁7の作動により、殺菌薬液注入ラインを通じて分岐ラインの希釈薬液タンクに注入供給可能とされると共に、供給された前記希釈薬液タンクの液状殺菌薬液は、30倍〜1000倍に希釈された殺菌薬液として噴射ポンプの稼動により噴出される肛門殺菌洗浄装置。 - 請求項1において、第2の薬液タンクと便器に臨む薬液噴霧ノズルと両者の間に介在させた噴霧ポンプとからなる肛門薬液噴霧ラインを別途追加付設した肛門殺菌洗浄装置。
- 請求項2において、肛門薬液噴霧ラインの配管ラインに加熱手段9bを追加設置した肛門殺菌洗浄装置。
- 請求項1ないし3において、殺菌薬液注入装置を構成する殺菌薬液タンク、計量弁及びT字継手管の各部品を、一つの一体的組立装置としてそれぞれ螺着可能とし、当該一つの組立装置を肛門殺菌洗浄用分岐ラインにインライン組立て可能とした肛門殺菌洗浄装置。
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