JP3167793B2 - ガラス板用スペーサー及びガラス板積層体 - Google Patents

ガラス板用スペーサー及びガラス板積層体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス板を複数枚積層
する際、ガラス板のヤケ(焼け)防止や擦傷防止のため
に、ガラス板間に介在せしめるガラス板用スペーサー及
びこのスペーサーを用いたガラス板積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】般にガラス板を保管したり、輸送する
場合、多数枚のガラス板を積層するが、この際、ガラス
板のヤケや擦傷の生成を防止するために、紙やパウダー
状の樹脂などを、ガラス板間にスペーサーとして挿入
ていた
【0003】しかし、紙では、挿入等の自動化が困難で
あり、また、紙のしわの発生がガラス板に汚れ跡を付着
させる原因となる。さらに、一度使用した紙は、再使用
が困難である。一方、パウダー状の合成樹脂、例えばメ
タクリル酸エステル樹脂などは、紙に比べれば挿入等の
自動化は簡便であるが、結露水滴をその周囲に付着さ
せ、ガラスを侵食させ、ヤケの原因となりやすかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うな事情に鑑みてなされたもので、ガラス板を多数枚積
層して保管したり、搬送したりする場合にヤケや擦傷の
発生を従来例に比べ著しく抑えることができ、かつ取扱
いが簡便で、ガラス板への介在挿入作業が容易であって
自動化を行うことができ、更に除去作業が容易なガラス
板用スペーサー及びガラス板積層体を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成すべくなされたものであり、キチン粉末及び/又はキ
トサン粉末からなる複数枚のガラス板を分離するため
のガラス板用スペーサー、及び、複数枚のガラス板間に
上記ガラス板用スペーサーを介在せしめてなるガラス板
積層体を提供する。
【0006】本発明の特徴をなすところのスペーサーと
しては、N−アセチル−D−グルコサミン(2−ace
tamido−2−deoxy−D−glucose)
残基が多数β−(1,4)−結合した多糖であるところ
のキチンの粉末、及び/又は、キチンの脱アセチル化物
であるところのキトサンの粉末が使用される。かかるキ
チン粉末としては、カニやエビなどの甲殻類の外殻を原
料として用い、この外殻を洗浄したのち細かく粉砕して
粉末し、次いでタンパク質その他の夾雑物を除き、更
に精製して乾燥させて製造されたものが好ましく使用さ
れるが、特にこれに特定されるものではない。また、キ
トサン粉末としては、例えば上記した方法により製造さ
れたキチンを脱アセチル化して製造されたものが好まし
く使用されるが、特にこれに特定されるものではない。
【0007】なお、キチン、キトサン粉末としては、タ
ンパク質その他の夾雑物をできるだけ除いたものがヤケ
防止という点で効果的であるが、多少のタンパク質その
他の夾雑物を含んでいるものであっても使用できる。
【0008】かかるスペーサーを用いてガラス板を積層
する際には、例えばガラス板面にキチン粉末、キトサン
粉末を均一に散布し、その上にもう1枚のガラス板を重
ねてガラス板積層体とする。更に多数枚のガラス板を積
層する際には、重ねられたガラス板の表面にキチン粉
キトサン粉末を均一に散布し、またその上にガラス
板を重ねる。この作業を順次繰り返して多数枚のガラス
板からなるガラス板積層体が得られる。ガラス板面上に
キチン粉末キトサン粉末を散布するに当っては、ガラ
ス板1m 2 当り0.5g〜20g程度の割合で散布する
のが、ガラス板の輸送時、保管時の擦傷防止やヤケ防止
という点で好ましい。
【0009】また、本発明におけるキチン粉末又はキト
サン粉末は親水性が大きいので、従来ヤケ防止を目的と
してガラス板に塗布しているグリセリン、ポリエチレン
グリコールやポリプロピレングリコール等のグリコー
ル、Znイオン、Snイオン、及び有機酸から選ばれる
一種以上を含む水溶液を含浸させることができ、これに
より更にヤケ防止効果を向上させることができる。
【0010】上記した有機酸としては、シュウ酸、マロ
ン酸、コハク酸、アジピン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエ
ン酸、マレイン酸等が使用でき、なかでもクエン酸、酒
石酸、アジピン酸が好ましい。例えば、キチン粉末やキ
トサン粉末にグリセリン水溶液、グルコール水溶液、ク
エン酸水溶液、酒石酸水溶液、アジピン酸水溶液、もし
くは、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛等の亜鉛の無機酸
塩の水溶液、又は、かかる亜鉛の無機酸塩と有機酸と
含む水溶液等を含浸させてヤケ防止効果を向上させるこ
とができる。
【0011】キチン粉末、キトサン粉末の各粒子の形状
は、球状でもよいが、ガラス板の横載時のガラス板のズ
レへの対応を考慮すると、不定形の粒状又は不定形の繊
状のものがより好ましい。また使用時におけるその粉
末の粒径は、前記点から平均で100μm〜600μ
m程度が好ましい。また、不定形の繊維状体の場合、そ
の長さは100μm〜1000μm程度が好ましい。
【0012】平均粒径が100μmより小さいとガラス
板面に残存する微小なカレットくずによるカレット傷が
発生しやすく、また粉塵となって作業環境を悪化させ好
ましくなく、また平均粒径が600μmより大きいと、
ガラス板間距離が1mm近くになことがあり、この場
合ガラス板がたわみ、破損等の危険が生じ、またガラス
板積層体の縦置き時にはこの粉末が落下し、スペーサー
として機能しなくなるので好ましくない。かかる点を特
に考慮すると平均150μm〜450μm程度が最適で
ある。また、繊維状体の場合には、同様の理由により2
00μm〜800μm程度の長さが最適である。
【0013】なお、本発明においては複数枚のガラス板
間に介在せしめるスペーサーとしてのキチン粉末キト
サン粉末は、それぞれ単独で用いたりキチン粉末とキ
トサン粉末との混合粉末として用いることが好ましい
が、キチン粉末、キトサン粉末、又はキチン粉末とキト
サン粉末の混合物に他の粉末状のスペーサー混合して
用いることもできる。
【0014】
【作用】本発明におけるキチン粉末、キトサン粉末自体
は、ガラス板より柔らかいので、ガラス板にキズが付く
ことを防ぎ、一枚毎の離れをスムーズにするという、従
来のスペーサーと同様の効能がある。
【0015】また、本発明におけるキチン粉末、キトサ
ン粉末は、保管は搬送中空気中の水分結露等する
ことで、ガラス板に水分が付着し、これにより、ガラス
板が侵食されることを大いに抑制する。その作用の詳細
は不明であるが、キチン粉末、キトサン粉末は親水性で
あるのでガラス板表面に付着した水分を吸収してしまう
こと、又は、キチンの有するアセチルアミ基やキトサ
ンの有するアミノ基等のもつpH緩衝効果によりガラス
板表面のアルカリ成分の溶出によるガラス板表面のpH
上昇抑制効果等により、付着水がアルカリ性になること
を防止することによると考えられる。すなわち、アルカ
リ性下でのガラス板表面のシリカの溶解を抑制し、ガラ
ス板表面の侵食抑制の効果を生ずるものと考えられる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0017】(実施例1) キチン粉末(和光純薬株式会社製のキチンの一級試薬、
不定形の繊維状体、平均長さ約200〜300μm)
を、100mm角に切った3mm厚のガラス板数枚の間
にスペーサーとなるようにガラス板1m 2 当り約3〜8
gの割合で散布し、横してガラス板積層体の試料を準
備した。なお準備したガラス板は、あらかじめ、イソプ
ロパノールで脱脂洗浄したものを用いた。試料について
のヤケの進展度を見るため、試料を温度60℃相対湿度
95%に保った恒温恒湿槽(タバイエスペック株式会社
製)の中にセットし、ほぼ一週間おきに取り出し、水洗
後のヘーズ値をヘーズメーターにより測定した。
【0018】(実施例2) キトサン粉末(東京化成工業株式会社製のキトサンの試
薬、不定形の繊維状体、平均長さ約200〜300μ
m)について実施例1と同様の試験を行った。
【0019】(実施例3) 硫酸亜鉛とクエン酸とポリエチレングリコールを溶解し
た水溶液に実施例1のキチン粉末を入れて撹拌後ろ過
し、得られたキチン質粉末を乾燥し、実施例1と同様の
試験を行った。
【0020】(実施例4) 実施例2のキトサン粉末に対し、実施例3のキチン粉末
の処理と同様の処理を施し、実施例1と同様の試験を行
った。
【0021】(比較例1) ガラス板試料間にスペーサーとなるようにポリメタクリ
ル酸エステル樹脂粉末(平均粒径200μm)をガラス
板1m 2 当り約3〜8gの割合で散布し、横載してガラ
ス板積層体の試料を準備した。この試料を用いて実施例
1と同様の試験を行った。
【0022】(比較例2) 比較例1のポリメタクリル酸エステル樹脂粉末に対し
実施例3のキチン粉末の処理と同様の処理を施し、実施
例1と同様の試験を行った。
【0023】以上の各試料についての恒温恒湿試験結果
を図1に示す。図1は、試料の恒温恒湿槽内での経過日
数とガラス板のヘーズ値との関係を示したグラフであ
る。図1のグラフから、比較例のガラス板積層体の試料
は、恒温恒湿槽内での経過日数に応じてヘーズ値が著し
く増加しており、ガラス板表面にヤケが発生しているこ
とが認められるのに対し、実施例のガラス板積層体の試
料は、恒温恒湿槽内での経過日数に応じてヘーズ値の増
加がほとんど認められないか、は比較例に比べ少な
く、ガラス板表面のヤケが抑えられていることが認めら
れる。
【0024】
【発明の効果】本発明は、従来よりガラス板搬送時又
は保管時に用いられてきたPMMA(ポリメタクリル酸
メチル樹脂)粉末等の有していたスペーサーとしての特
性、すなわち、ガラス板同士の接触による擦傷を防ぐこ
と、散布除去等が簡便で、自動化が可能であること等の
利点を保持し、かつ、従来のPMMA粉末では得られず
逆に進行させる原因となるガラス板のヤケ現象に対し
て、非常に効果的にそれを防止する効果を持っている。
【0025】また、ヤケ防止のため、スペーサーとして
紙を用いた場合、結露水を紙が吸収することにより、し
わが生じ、紙跡が発生することが多かったが、本発明に
おいてはこうした現象は発生しない。
【0026】さらには、キチン粉末、キトサン粉末は、
通常原料としてカニやエビといった甲殻類の外殻を粉砕
して製造され、この粉砕により粉末の形状が不定形
繊維状となっており、この粉末の形状によりガラス板横
載時のズレ、転がりによる脱落を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜4及び比較例1〜2に係るガラス板
積層体の試料の恒温恒湿試験結果を示すグラフである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キチン粉末及び/又はキトサン粉末からな
    複数枚のガラス板を分離するためのガラス板用スペ
    ーサー。
  2. 【請求項2】グリセリン、グリコール、Znイオン、S
    nイオン、及び有機酸から選ばれる一種以上を含む水溶
    液を含浸させたキチン粉末、又は、グリセリン、グリコ
    ール、Znイオン、Snイオン、及び有機酸から選ばれ
    る一種以上を含む水溶液を含浸させたキトサン粉末、
    らなる複数枚のガラス板を分離するためのガラス板用
    スペーサー。
  3. 【請求項3】複数枚のガラス板間に請求項1又は2に記
    載のガラス板用スペーサーを介在せしめてなるガラス板
    積層体。
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