JP3167287B2 - 微小振動付与装置、微小振動付与方法及び表面状態検出装置 - Google Patents

微小振動付与装置、微小振動付与方法及び表面状態検出装置

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JP3167287B2 JP20803397A JP20803397A JP3167287B2 JP 3167287 B2 JP3167287 B2 JP 3167287B2 JP 20803397 A JP20803397 A JP 20803397A JP 20803397 A JP20803397 A JP 20803397A JP 3167287 B2 JP3167287 B2 JP 3167287B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、先鋭化された振動
部又はプローブを微小な振幅で振動させる微小振動付与
装置、微小振動付与方法及び表面状態検出装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、試料の表面状態を検出する顕微鏡
としては、先端が先鋭化された振動部材を試料表面上に
配設して試料の表面状態を測定するものが知られてい
る。このような顕微鏡では、例えば上記の振動部材をプ
ローブとして使用し、このプローブを所定の方向に振動
させながら試料上を走査させることにより試料の表面状
態を測定する手法が用いられる。
【0003】このように、プローブを試料上に配設して
試料の表面状態を測定する顕微鏡としては、近視野顕微
鏡(NOM:Near field Optical Microscope)、原子
間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)等が
公知となっている。
【0004】一方、光学顕微鏡の回折限界を超えた分解
能をもつ高分解能の光学顕微鏡として近接場光学顕微鏡
が知られている。この近接場光学顕微鏡は、物体表面の
光の波長より小さい領域に局在するエバネッセント光を
検出して物体の形状を測定するものである。具体的に
は、例えば全反射条件下で試料の裏面から試料表面を照
射すると、試料表面には表面形状に応じてエバネッセン
ト場が発生する。そして、この近接場光学顕微鏡では、
このエバネッセント場の強度を測定するエバネッセント
光の波長以下の開口を有する光プローブで検出すること
により、回折限界を超えた分解能を得ることができる。
【0005】また、原子間力顕微鏡では、先端に針状の
先鋭部を有する振動部材を試料表面に接触させて試料表
面を走査させ、原子間力による振動部材のたわみ量を検
出し、このたわみ量から原子間力を測定して試料表面の
形状を測定している。
【0006】また、原子間力を測定する他の手法として
は、例えばピエゾ素子等の電歪素子により振動部材をそ
の共振周波数で振動させて試料表面を走査し、原子間力
による共振周波数の変化を測定して原子間力を測定する
方法が知られている。
【0007】具体的には、この振動部材は、一対の対向
したピエゾ素子により駆動される。そして、これら一対
のピエゾ素子に対しては、振動部材を所定方向に共振周
波数で振動させるように駆動電圧が印加されることとな
る。そして、原子間力により試料の表面状態を測定する
ときには、振動部材の共振周波数が原子間力の影響によ
り変化することを測定して原子間力を測定する。このよ
うに、原子間力を測定することにより、試料の表面状態
を高分解能で測定することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したような種々の
顕微鏡では、試料の表面上に振動部材を配置して試料の
表面状態を測定している。このとき、振動部材は、例え
ばレーザ光が照射されることにより、配されている位置
及び振動周波数が検出されている。このとき、上述の顕
微鏡においては、一方向のみに振動することが望まし
い。
【0009】しかしながら、上述した振動部材は、どの
方向に振動させたときであっても同じ周波数で振動する
ように真円状となるように設計されるが、実際に製造す
ると楕円状に形成されてしまい異なる方向に振動させる
と振動周波数が異なってしまうことが多い。この原因と
しては、例えばピエゾ素子が振動部材に対して斜めに配
設されることや、振動部材自体が真円状でなく非対称で
あること等が挙げられる。このような振動部材では、所
定の方向に振動させても、異なる方向における振動成分
が生じてしまい、図5(a)に示すように、振動周波数
特性に2つのピークが生じてしまう。
【0010】このように、振動周波数特性に2つのピー
クが生じてしまうと、正確に試料の表面状態を測定する
ことができなくなってしまう。
【0011】例えば、振動部材を光ファイバとした場合
においては、これら2つのピークの位置が約60Hz程
度シフトしてしまい、正確に試料を測定できない恐れが
ある。
【0012】そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて
提案されたものであり、振動部材の振動方向を自在に制
御することができる微小振動付与装置、微小振動付与方
法及び表面状態検出装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決する本
発明にかかる微小振動付与装置は、被振動部材の基端部
の外周面に配設され、印加される駆動電圧に応じて被振
動部材の軸長方向に伸縮する2対の電歪素子と、対をな
す電歪素子と他方の対をなす電歪素子に印加する駆動電
圧の比を制御する駆動制御部とを備え、2対の電歪素子
に印加する駆動電圧の比に応じた方向に被振動部材の先
端部を微小振動させることを特徴とするものである。
【0014】このように構成された微小振動付与装置
は、印加される駆動電圧に応じて被振動部材の軸長方向
に伸縮する2対の電歪素子と、対をなす電歪素子と他方
の対をなす電歪素子に印加する駆動電圧の比を制御する
駆動制御部とを備えているので、2対の電歪素子に印加
する駆動電圧の比に応じた方向に被振動部材の先端部を
微小振動させることができる。
【0015】また、本発明に係る微小振動付与方法は、
被振動部材の円柱状に形成された基端部の円周面に2対
の電歪素子を配設し、対をなす電歪素子に互いに逆極性
の駆動電圧を交互に印加すると共に、一方の対をなす電
歪素子と他方の対をなす電歪素子に印加する駆動電圧の
比を制御することにより、被振動部材の先鋭化された先
端部をその中心軸と直交する任意の方向に微小振動させ
ることを特徴とする。
【0016】このような微小振動付与方法は、被振動部
材の円柱状に形成された基端部の円周面に2対の電歪素
子を配設し、対をなす電歪素子に互いに逆極性の駆動電
圧を交互に印加すると共に、一方の対をなす電歪素子と
他方の対をなす電歪素子に印加する駆動電圧の比を制御
するので、被振動部材の先鋭化された先端部をその中心
軸と直交する任意の方向に微小振動させることができ
る。
【0017】円柱状に形成された基端部と、試料に対向
して配設され先端が先鋭化された先端部を有するプロー
ブと、上記プローブの基端部の外周面に配設され、印加
される駆動電圧に応じて上記被振動部材の軸長方向に伸
縮することで、上記プローブの長さ方向と直交する方向
に上記プローブの先鋭部を振動させる2対の電歪素子
と、上記2対の電歪素子に印加する駆動電圧の比を制御
することにより、上記駆動電圧の比に応じた方向に上記
プローブの先端部を微小振動させる振動制御部と、上記
プローブを介して上記試料の表面状態を検出する検出部
とを備えることを特徴とする
【0018】このような構成の表面状態検出装置は、プ
ローブの基端部の外周面に配設された2対の電歪素子に
印加する駆動電圧の比を制御することにより、上記駆動
電圧の比に応じた方向に上記プローブの先端部を微小振
動させて、試料の表面状態を検出することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る微小振動付与
装置、微小振動付与方法及び表面状態検出装置について
図面を参照しながら説明する。
【0020】この微小振動付与装置、微小振動付与方法
及び表面状態検出装置は、例えば図1に示すように、試
料2上を一定の間隔を保持して配設されたプローブ3を
振動させながら走査させることにより試料2の局所的な
表面状態を観測する走査型プローブ顕微鏡1に適用する
ことができる。
【0021】この走査型プローブ顕微鏡1は、図1に示
すように、試料2に対向して配設されたプローブ3と、
このプローブ3の周囲に配設された電歪素子部4と、こ
の電歪素子部4の振動状態を制御する振動制御部5と、
プローブ3に対してレーザ光を照射してプローブ3の振
動状態を検出する検出部6と、プローブ3と試料2との
位置関係を制御する制御部7と、試料2が載置された試
料保持部8とを備える。
【0022】プローブ3は、基端部が円柱状に形成され
先端が先鋭化され試料2に対して対向して配設されてい
る。このプローブ3は、図2に示すように、原点Oを支
点として一方向のみに振動される。このプローブ3は、
原点Oを支点として振動されることにより、先端が円弧
状の軌跡を描くように振動する。このとき、プローブ3
は、試料2の表面に対して最も近づいたときの高さをH
としたとき、振動することによりZ軸との角度φを有し
て位置されたときにH+△Hの高さ位置となるように振
動される。このように、試料2からの高さがH+△Hの
位置に配されたとき、プローブ3は、Z軸方向に重力F
Wと、慣性力Frが働く。そして、このプローブ3は、重
力FWと慣性力Frとの関係で振動される。
【0023】電歪素子部4は、例えばピエゾ素子からな
り上述したプローブ3の周囲に配設され、印加される駆
動電圧に応じてプローブ3の軸長方向に伸縮し、プロー
ブ3を振動させる。この電歪素子部4は、プローブ3の
周囲に4分割して配設された電歪素子4a〜4dからな
り、各電歪素子4a〜4dに印加する電圧を制御するこ
とで各電歪素子4a〜4dの伸縮を制御しプローブ3の
振動方向を制御する。
【0024】また、電歪素子部4の他の一例としては、
図3に示すように、筒状に形成されたものを使用しても
良い。この電歪素子部4は、外周壁にX軸上に配された
第1の電極9aとY軸上に配された第2の電極9bとが
形成され、内壁に接地された内面電極9cが形成されて
いる。そして、この電歪素子部4は、略中心位置にプロ
ーブ3が埋め込まれた構成となされている。
【0025】すなわち、この図3に示した電歪素子部4
は、対をなす電歪素子が互いに逆方向に駆動するように
駆動電圧が各電極9a,9bに印加されるとともに、第
1の電極9aと第2の電極9bとに印加する駆動電圧の
比を制御することで振動される。すなわち、この電歪素
子部4は、互いに対向する第1の電極9aと第2の電極
9bとに所定の駆動電圧を印加することにより、第1の
電極9aのうち、一方の電極に接続された部分が軸方向
に伸長されるとともに他方の電極に接続された部分が収
縮されてプローブ3を振動させる。このことは、第2の
電極9bについても同様である。
【0026】なお、この電歪素子部4に接続された各電
極9a,9bは、対向する電極に対して互いに逆極性の
駆動電圧を印加することで電歪素子を上述のように駆動
させても良い。
【0027】また、この電歪素子部4は、上面の外周端
部が固定端9dとなされ、治具により固定されている。
そして、この電歪素子部4は、上述したプローブ3とと
もに試料2上を走査する。
【0028】振動制御部5は、上述した電歪素子部4に
接続され、電歪素子部4の振動状態を制御する。すなわ
ち、この振動制御部5は、図3に示すように、第1の抵
抗R1、第2の抵抗R2、第3の抵抗R3、第4の抵抗R4
とを組み合わせた構成となされている。ここで、第2の
抵抗R2は可変抵抗とされており、第4の抵抗R4を通過
した制御信号Sが入力され、第1の抵抗R1及び第2の
抵抗R2に印加する電圧を調整している。また、第1の
抵抗R1及び第3の抵抗R3の他方端は、接地されてい
る。
【0029】ここで、第4の抵抗R4には、制御信号S
が印加され、この第4の抵抗R4を通過した制御信号S
を第2の抵抗R2及び第1の抵抗R1を通過させて第2の
電極9bに印加する電圧としている。また、制御信号S
は、第4の抵抗R4及び第2の抵抗R2を通過した制御信
号を第1の電極9aに対して印加される。ここで第2の
抵抗R2は可変抵抗となされているので、第1の電極9
aと第2の電極9bとに印加する電圧の関係を調整する
ことができる。
【0030】また、これらの抵抗R1〜R4は、第1の抵
抗R1と第3の抵抗R3とを同等の抵抗値のものを使用
し、第1の抵抗R1及び第3の抵抗R3と第2の抵抗R2
と第4の抵抗R4との関係をR1,R3<<R2<<R4とする
と、第1の電極9a及び第2の電極9bに対して制御信
号SをR1/R4で表現される割合で印加することができ
る。また、上述のように、第1の電極9aと第2の電極
9bとに印加する制御信号Sの比をx:yとすると、プ
ローブ3の振動方向とX軸とのなす角はtan-1(y/
x)と表現される。したがって、この振動制御部5は、
第1の電極9aと第2の電極9bとに印加する電圧を任
意に制御することができるので、tan-1(y/x)を
変化することができ、プローブ3の振動方向を零度〜9
0度までの範囲で制御することができる。また、第1の
電極9aと第2の電極9bに対して印加する制御信号S
の電圧比を制御すれば、振動方向の制御を零度〜180
度まで制御することができる。
【0031】また、これら第1の電極9a及び第2の電
極9bには、図4に示すように構成された振動制御部5
を接続しても良い。この振動制御部5は、制御信号Sが
入力される第6の抵抗R6と、可変抵抗とされている第
5の抵抗R5と、第5の抵抗R5及び第6の抵抗R6を通
過した制御信号Sが入力される第1の増幅部10a及び
第2の増幅部10bと、第1の増幅部10a及び第2の
増幅部10bに付属して配される第7の抵抗R7及び第
8の抵抗R8と、第1の増幅部10a及び第2の増幅部
10bを通過した制御信号Sが入力される第1の反転部
11a及び第2の反転部11bとを備える。また、この
振動制御部5は、第1の反転部11a及び第2の反転部
11bのオン/オフ制御を行う第1のスイッチ12a及
び第2のスイッチ12bが備えられる。
【0032】すなわち、この振動制御部5は、第5の抵
抗R5を制御することにより、第1の増幅部10aと第
2の増幅部10bとの増幅率を制御して第1の電極9a
及び第2の電極9bに印加する電圧を制御する。
【0033】そして、この振動制御部5は、第1の増幅
部10a及び第2の増幅部10bにより増幅された制御
信号Sを第1の反転部11a及び第2の反転部11bに
入力する。これら反転部11a,11bは、第1の増幅
部10a及び第2の増幅部10bから入力された制御信
号Sの符号を反転させる。これら第1の反転部11a及
び第2の反転部11bは、第1の増幅部10a及び第2
の増幅部10bから入力された電圧を反転させるときに
は第1及び第2のスイッチ12a,12bを端子aに接
続し、第1の増幅部及び第2の増幅部から入力された電
圧を反転させないときには第1のスイッチ12a及び第
2のスイッチ12bを端子bに接続するようになされて
いる。
【0034】したがって、このような振動制御部5は、
第1の反転部11a及び第2の反転部11bを備えてい
るので、より広い範囲で振動方向を制御することができ
る。したがって、この制御振動部5によれば、プローブ
3の低周波数側もしくは高周波数側の共振周波数を選択
することやプローブ3の振動方向により試料2の表面状
態を観測することが容易にできる。
【0035】検出部6は、図1に示すように、プローブ
3に照射するレーザ光を出射する光源13と、プローブ
3に対してレーザ光を照射させる集光手段14と、レー
ザ光を検出する光検出部15とからなる。
【0036】光源13は例えばレーザダイオードからな
り、プローブ3の先端に対して照射されるレーザ光を出
射する。また、集光手段14は、例えば対物レンズ等の
光学素子からなり、プローブ6に対してレーザ光を照射
させる。光検出部15は、例えばフォトダイオードから
なり、集光手段14によりプローブ3の先端に照射され
たレーザ光を検出する。ここで、光検出部15は、プロ
ーブ3により拡散光とされたレーザ光を検出してこのレ
ーザ光の光量等に基づいて電気信号を生成する。
【0037】したがって、このような検出部6によれ
ば、プローブ3に対してレーザ光を照射してプローブ3
の振動状態を検出することができる。すなわち、この検
出部6によれば、プローブ3から反射したレーザ光を検
出することにより、プローブ3の振動周波数、振動の振
幅等を含む電気信号を生成することができる。
【0038】試料保持部8は、試料2が載置され、試料
2をプローブ3に対向して配置させている。この試料保
持部8は、例えばピエゾ素子からなり、駆動信号が入力
されることにより伸縮してX軸方向、Y軸方向及びZ軸
方向に試料2を微小距離移動させる。
【0039】制御部7は、プローブ3と試料2との位置
関係を制御する。すなわち、この制御部7は、上述の光
検出部15により検出されたレーザ光に基づいて生成さ
れた電気信号が入力されるロックインアンプ16と、試
料保持部8をZ軸方向に移動させる信号を生成するPI
コントローラ17と、試料2をプローブ3に対してX軸
方向及びY軸方向に移動させる信号を生成する制御部1
8とを有する。
【0040】ロックインアンプ16は、上述の光検出部
15により検出されたレーザ光に基づいて生成された電
気信号が入力される。このロックインアンプ16は、プ
ローブ3の振動周波数に対応する所定の角周波数ωを有
する参照信号が入力されており、当該所定の角周波数の
みの信号成分を増幅する。
【0041】PIコントローラ17は、ロックインアン
プ16からの出力信号が入力される。このPIコントロ
ーラ17は、予め予測値が入力されており、この予測値
とロックインアンプ16からの出力信号とを比較してプ
ローブ3をZ軸方向に移動させる信号を生成する。具体
的には、このPIコントローラ17は、予測値とロック
インアンプ16からの出力信号との差分をとることによ
り、プローブ3をZ軸方向、すなわちプローブ3と試料
2との接離方向に移動させる信号を生成する。そして、
このPIコントローラ17は、プローブ3と試料2との
間隔を所定の距離となるように保持する。
【0042】制御部18は、例えば利用者が制御するこ
とにより、試料2をプローブ3に対してX軸方向及びY
軸方向に移動させる信号を生成して、試料2をプローブ
3に対してX軸方向及びY軸方向に移動させる。
【0043】このように構成された走査型プローブ顕微
鏡1は、電歪素子部4をY軸方向において対向して電歪
素子4a,4cもしくは第1の電極9aを配設させ、X
軸方向において対向して電歪素子4b,4dもしくは第
2の電極9bを配設させているので、プローブ3の振動
方向をX軸方向における駆動力とY軸方向における駆動
力との和で決定することができる。すなわち、この走査
型プローブ顕微鏡1は、第1の電極9aと第2の電極9
bとに印加する駆動電圧の比を制御することでプローブ
3の振動方向を制御することができる。
【0044】また、このように構成された走査型プロー
ブ顕微鏡1は、図5に示すように、振動方向を制御する
ことにより振動方向における振動周波数を制御すること
ができる。ここで、上述した従来の走査型プローブ顕微
鏡における振動周波数特性を図5(a)に示す。この図
5(a)によれば、従来の走査型プローブ顕微鏡では電
歪素子がプローブに対して斜めに配設されることや、プ
ローブ自体が非対称であって楕円状であること等の理由
により一方向のみに振動せずに、所定の方向に振動させ
ても、異なる方向における振動成分が生じてしまい、図
5(a)に示すように、振動周波数特性に2つのピーク
が生じてしまう。一方、上述した走査型プローブ顕微鏡
1によれば、一方向のみに振動しない場合においては、
振動制御部5により電歪素子4a〜4d又は第1及び第
2の電極9a,9bに印加する電圧比を調整すること
で、プローブ3の振動方向を制御してプローブ3の異な
る方向成分に起因する周波数特性のピークを図5(b)
に示すように約10dB程度小さくすることができる。
したがって、この走査型プローブ顕微鏡1によれば、プ
ローブ3の振動方向を一方向に規制することができ、上
記のロックインアンプ16により異なる方向における周
波数成分の影響により表面状態を検出ができなくなるよ
うなことがなく、正確に試料2の表面状態を測定するこ
とができる。
【0045】なお、上述した走査型プローブ顕微鏡1の
説明においてはプローブ3の先端を試料2の表面に対向
させて試料の原子間力で変化するプローブ3の振幅の変
化を測定して原子間力を測定するときの一例について説
明したが、このプローブ3は、例えば先端が先鋭化され
た光ファイバとしても良い。このプローブ3を光ファイ
バとした場合にあっては、試料2上に走査されている光
ファイバから試料に対してレーザ光を照射し、物体表面
の光の波長より小さい領域に局在するエバネッセント光
を検出して物体の形状を測定することができる。
【0046】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる微小振動付与装置は、被振動部材の基端部の外周面
に配設され、印加される駆動電圧に応じて被振動部材の
軸長方向に伸縮する2対の電歪素子と、対をなす電歪素
子と他方の対をなす電歪素子に印加する駆動電圧の比を
制御する駆動制御部とを備えているので、2対の電歪素
子に印加する駆動電圧の比に応じた方向に被振動部材の
先端部を微小振動させることができ、さらに、2対の電
歪素子に印加する駆動電圧の比を制御することで被振動
部材の軸回り方向で自在に振動方向を制御することがで
きる。
【0047】また、本発明に係る微小振動付与方法によ
れば、被振動部材の円柱状に形成された基端部の円周面
に2対の電歪素子を配設し、対をなす電歪素子に互いに
逆極性の駆動電圧を交互に印加すると共に、一方の対を
なす電歪素子と他方の対をなす電歪素子に印加する駆動
電圧の比を制御することにより、被振動部材の先鋭化さ
れた先端部をその中心軸と直交する任意の方向に微小振
動させることができる。したがって、この微小振動付与
方法では、被振動部材の軸回り方向で自在に振動方向を
制御することができる。
【0048】また、本発明に係る表面状態検出装置で
は、2対の電歪素子に印加する駆動電圧の比を振動制御
部で制御することにより、プローブの振動方向を制御し
て試料の表面状態を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した走査型プローブ顕微鏡の一例
を示す構成図である。
【図2】プローブが振動する様子を説明するための側面
図である。
【図3】電歪素子部及び振動制御部の一例を示す図であ
る。
【図4】電歪素子部及び振動制御部の他の一例を示す図
である。
【図5】(a)は従来の走査型プローブ顕微鏡における
プローブの振動周波数特性を示す図であり、(b)は本
発明を適用した走査型プローブ顕微鏡におけるプローブ
の振動周波数特性を示す図である。
【符号の説明】
1 走査型プローブ顕微鏡、2 試料、3 プローブ、
4 電歪素子部、5 振動制御部、6 検出部、7 制
御部、8 試料保持部、9a 第1の電極、9b第2の
電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−82522(JP,A) 特開 平8−334520(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 13/10 - 13/24 G12B 21/00 - 21/24 G01B 11/30 G01B 7/34 G01B 21/30 H01J 37/28 H02N 2/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円柱状に形成された基端部を有する被振
    動部材の先鋭化された先端部をその中心軸と直交する方
    向に微小振動させる微小振動付与装置であって、上記被
    振動部材の基端部の外周面に配設され、印加される駆動
    電圧に応じて上記被振動部材の軸長方向に伸縮する2対
    の電歪素子と、一方の対をなす電歪素子と他方の対をな
    す電歪素子に印加する駆動電圧の比を制御する駆動制御
    部とを備え、上記2対の電歪素子に印加する駆動電圧の
    比に応じた方向に被振動部材の先端部を微小振動させる
    ことを特徴とする微小振動付与装置。
  2. 【請求項2】 上記電歪素子は、筒状に形成され外周壁
    に2対の電極が形成されていることを特徴とする請求項
    1記載の微小振動付与装置。
  3. 【請求項3】 被振動部材の円柱状に形成された基端部
    の円周面に2対の電歪素子を配設し、対をなす電歪素子
    が互いに逆方向に駆動するように駆動電圧を印加すると
    ともに、一方の対をなす電歪素子と他方の対をなす電歪
    素子に印加する駆動電圧の比を制御することにより、被
    振動部材の先鋭化された先端部をその中心軸と直交する
    任意の方向に微小振動させることを特徴とする微小振動
    付与方法。
  4. 【請求項4】 上記電歪素子を筒状に形成し外周壁に形
    成された2対の電極対に駆動電圧を印加することを特徴
    とする請求項3記載の微小振動付与方法。
  5. 【請求項5】 円柱状に形成された基端部と、試料に対
    向して配設され先端が先鋭化された先端部を有するプロ
    ーブと、 上記プローブの基端部の外周面に配設され、印加される
    駆動電圧に応じて上記被振動部材の軸長方向に伸縮する
    ことで、上記プローブの長さ方向と直交する方向に上記
    プローブの先鋭部を振動させる2対の電歪素子と、 上記2対の電歪素子に印加する駆動電圧の比を制御する
    ことにより、上記駆動電圧の比に応じた方向に上記プロ
    ーブの先端部を微小振動させる振動制御部と、 上記プローブを介して上記試料の表面状態を検出する検
    出部とを備えることを特徴とする表面状態検出装置。
  6. 【請求項6】 上記プローブを光ファイバとし、検出部
    は、前記光ファイバを介して上記試料からの光を検出す
    ることで上記試料の表面状態を検出することを特徴とす
    る請求項5記載の表面状態検出装置。
  7. 【請求項7】 上記検出部は、上記試料との原子間力に
    より変化する上記プローブの振動振幅を検出して上記試
    料の表面状態を検出することを特徴とする請求項5記載
    の表面状態検出装置。
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