JP3166989B2 - 座標入力装置および方法 - Google Patents

座標入力装置および方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は座標入力装置、特に入力
された弾性波振動を、振動伝達板に複数設けられたセン
サにより入力された弾性波振動の伝達遅延時間を検出
し、その値に基づいて振動入力点の座標を検出する装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超音波振動を用いた座標入力装置は、入
力面であるタブレット上を伝播してくる波の伝達遅延時
間を検出して位置座標を算出する方式であり、タブレッ
ト上にはマトリックス状電線等の細工がなんら施されて
いないので、コスト的に安価な装置を提供する事が可能
である。しかもタブレットとして透明な板硝子を用いれ
ば、他の方式の比べて透明度の高い入力面を有する座標
入力装置を構成する事ができる。
【0003】このような超音波振動を利用する座標入力
装置において、振動伝達板の板圧よりもその板上を伝播
する弾性波の波長が大きく成ると、群速度と位相速度の
異なる板波が伝播する事が良く知られている。この波を
用いた場合、位相遅延時間の検出点を振幅が一定レベル
以上となった点とし、又、群遅延時間の検出点を検出信
号波形の包絡線のピークとして、波の到達距離と到達遅
延時間との関係を模式的に示すと図7の様に成る。群遅
延時間tgは連続ではあるものの揺らぎ幅の大きい関係
を示し、位相遅延時間tpは階段状の関係を示す。この
ような関係を示すのは位相速度と群速度が異なる板波の
性質に起因している。この場合、群遅延時間のみによる
距離算出では精度良く測定する事が不可能であり、位相
遅延時間で距離算出を行う場合は、例え検出信号波形の
レベルを電気的に一定にして音波の減衰や筆圧の依存性
等の影響を取り除いたとしても、図7に示す様な位相遅
延時間と距離の関係は階段状のままであり、同図におい
てtaという値が出力された場合、距離がL1なのかL
2なのか判定する事ができなく成るという欠点が生じ
る。
【0004】この問題を解決するために、板波の群遅延
時間と位相遅延時間の両方を検出して座標を算出する方
法が提案されている。この方法はセンサと振動入力源の
距離をdとした場合、 d=Vp・Tp+n・λp (1) n=int[(Vg・Tg−Vp・Tp)/λp+1/N] (2) Vp:板波の位相速度,Tp:位相遅延時間 Vg:板波の群速度,Tg:群遅延時間 λp:板波の波長 の2式で各センサまでの距離を算出し、この情報より幾
何学的に座標を算出するものである。この方法は、検出
信号波形のレベルに依存することなく、板波を利用して
座標を算出する事ができる優れた方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のような方式で
は、得られる座標精度はその遅延時間測定精度に左右さ
れる事に成る。しかしながら、座標入力装置の周囲温度
の変化によって、距離計測に誤差を含む事がある。
【0006】図8は、その実測データを表したものであ
る。
【0007】この図は、振動を与えた位置から250
[mm]の直線距離を測定し、その時の真値からのずれ
を中心からプラスマイナス1[mm]の幅でプロットし
たものである。
【0008】周囲温度を変化させた場合、室温22.5
[℃]で精度良く測定されていたものが、プラス+40
℃、+5℃では、実際の距離から一定量のずれが生じて
いる。このずれによって、座標決定精度の悪化が生じ
る。
【0009】これに対して、温度計測手段を設け、その
温度に対してずれ分を差し引く事により、距離計測結果
を補正して精度を保つ方法や、あるいはある距離が既知
の点に振動を与え、後述の様な零点補正を行って精度を
保つ等の方法がある。
【0010】しかしながら、前者の方法は、実際の座標
決定に必要な回路以外の温度測定手段が必要と成り、回
路規模の増大によるコストアップや、消費電力の増加等
の問題がある。又、後者では、温度変化の度に余計な操
作が必要となるため、操作が煩雑となったり、更には、
距離既知の点への指示を高精度に確保しなければならな
いなどの新たな問題が発生する。
【0011】本発明は上記従来例にかんがみてなされた
もので、環境温度の変化に伴う測定誤差を補正して高精
度な座標入力ができる座標入力装置を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】及び
【作用】上記目的を達成するために本発明の座標入力装
置は次のような構成からなる。振動伝達板に入力される
弾性波振動によって、前記振動伝達板上における振動入
力位置の座標を算出して出力する座標入力装置であっ
て、前記振動伝達板を伝播する振動を検出する複数の検
出手段と、振動が入力されてから前記複数の検出手段各
々により検出されるまでのそれぞれの遅延時間を測定す
る測定手段と、前記遅延時間に基づいて前記複数の検出
手段各々から前記振動入力位置までの距離を算出する算
出手段と、該算出手段により算出された距離に基づいて
各距離に含まれる誤差を計算する誤差計算手段と、前記
誤差に従って前記距離を補正する補正手段と、前記補正
手段により補正された距離に基づいて座標位置を算出す
る手段とを備える。
【0013】
【実施例】図1は本実施例に於ける座標入力装置の構造
を示している。図中、1は装置全体を制御すると共に、
座標位置を算出する演算制御回路である。2は振動子駆
動回路であって、振動ペン3内のペン先を振動されるも
のである。8はアクリルやガラス板等、透明部材からな
る振動伝達板であり、振動ペン3による座標入力はこの
振動伝達板8上をタッチすることで行う。また実際に
は、図示に実線で示す符号Aの領域(以下有効エリア)
内を振動ペン3で指定することを行う。そして、この振
動伝達板8の外周には、反射した振動が中央部に戻るの
を防止(減少)させるための防振材7が設けられ、その
境界に圧電素子等、機械的振動を電気信号に変換する振
動センサ6a〜6dが固定されている。
【0014】9は各振動センサ6a〜6dで振動を検出
した旨の振動を演算制御回路1に出力する信号波形検出
回路である。11は液晶表示器等のドット単位の表示が
可能なディスプレイであり、振動伝達板の背後に配置し
ている。そしてディスプレイ駆動回路10の駆動により
振動ペン3によりなぞられた位置にドットを表示しそれ
を透明部材からなる振動伝達板8を通して見ることが可
能に成っている。
【0015】振動ペン3に内蔵された振動子4は、振動
子駆動回路2によって駆動される。振動子4の駆動信号
は演算制御回路1から低レベルのパルス信号として供給
され、振動子駆動回路2によって所定のゲインで増幅さ
れた後振動子4に印加される。電気的な駆動信号は振動
子4によって機械的な超音波振動に変換され、ペン先5
を介して振動伝達板8に伝達される。
【0016】ここで振動子4の振動周波数はガラス等の
振動伝達板8に板波を発生することができる値に選択さ
れる。また、振動子駆動の際、振動伝達板8に対して図
2の垂直方向に振動するモードが選択される。また、振
動子4の振動周波数をペン先5を含んだ共振周波数とす
ることで効率のより振動変換が可能である。
【0017】上記の様にして振動伝達板8に伝えられる
弾性波は板波であり、表面波等に比して振動伝達板8の
表面の傷あるいは障害物等の影響を受けにくいという利
点を有する。
【0018】<演算制御回路の説明>上述した構成にお
いて、演算制御回路1は所定周期毎(例えば5ms毎)
に振動子駆動回路2をより振動ペン3内の振動子4を駆
動させる信号を出力すると共に、その内部タイマ(カウ
ンタで構成されている)による計時を開始させる。そし
て、振動ペン3より発生した振動は振動センサ6a〜6
dまでの距離に応じて遅延して到達する。
【0019】振動波形検出回路9は各振動センサ6a〜
6dからの振動を検出して、後述する波形検出処理によ
り各振動センサへの振動到達タイミングを示す信号を生
成するが、演算制御回路1は各センサ毎のこの信号を入
力し、各々の振動センサ6a〜6dまでの振動到達時間
の検出、そして振動ペンの座標位置を算出する。
【0020】また演算制御回路1は、この算出された振
動ペン3の位置情報を基にディスプレイ駆動回路10を
駆動して、ディスプレイ11による表示を制御したり、
あるいはシリアル、パラレル通信によって外部機器に座
標出力を行う(不図示)。図3は実施例の演算制御回路
1の概略構成を示すブロック図で、各構成要素及びその
動作概略を以下に説明する。
【0021】図中、31は演算制御回路1及び本座標入
力装置全体を制御するマイクロコンピュータであり、内
部カウンタ、操作手順を記憶したROM、そして計算等
に使用するRAM、定数等を記憶する不揮発性メモリ等
によって構成されている。
【0022】33は不図示の基準クロックを計時するタ
イマ(例えばカウンタ等により構成されている)であっ
て、振動子駆動回路2に振動ペン3内の振動子4の駆動
を開始させるためのスタート信号を入力すると、その計
時を開始する。これによって、計時開始とセンサによる
振動検出の同期が取られ、センサ(6a〜6d)により
振動が検出されるまでの遅延時間が測定できることにな
る。
【0023】その他の各構成要素と成る回路は順を追っ
て説明する。
【0024】振動波検出回路9より出力される各振動セ
ンサ6a〜6dよりの振動到達タイミング振動は、検出
信号入力ポート35を介してラッチ回路34a〜34d
に入力される。
【0025】ラッチ回路34a〜34dのそれぞれは、
各振動センサ6a〜6dに対応しており、対応するセン
サよりのタイミング信号を受信すると、その時のタイマ
33の計時値をラッチする。こうして全ての検出信号の
受信がなされたことを判定回路36が判定すると、マイ
クロコンピュータ31にその旨の信号を出力する。
【0026】マイクロコンピュータ31がこの判定回路
36からの信号を受信すると、ラッチ回路34a〜34
dから各々の振動センサまでの振動到達時間をラッチ回
路より読取、所定の計算を行って、振動伝達板8上の振
動ペン3の座標位置を算出する。
【0027】そして、I/Oポート37を介してインタ
ーフエース回路に座標位置情報を出力することによっ
て、外部機器に座標値を出力することができる。
【0028】<振動伝搬時間検出の説明(図4、図5)
>以下、振動センサ3までの振動到達時間を計測する原
理について説明する。
【0029】図4は振動波形検出回路9に入力される検
出波形と、それに基づく振動伝達時間の計測処理を説明
するための図である。なお以下、振動センサ6aの場合
について説明するが、その他の振動センサ6b、6c、
6dについても全く同じである。
【0030】振動センサ6aへの振動伝達時間の計時
は、振動子駆動回路2へのスタート信号の出力と同時に
開始することは既に説明した。この時、振動子駆動回路
2から振動子4へは駆動信号41が印加されている。こ
の信号41によって、振動ペン3から振動伝達板8に伝
達された超音波振動は、振動センサ6aまでの距離に応
じた時間tgをかけて進行した後、振動センサ6aで検
出される。図示の42で示す信号は振動センサ6aが検
出した信号波形を示している。
【0031】この実施例で用いられている振動は板波で
あるため振動伝達板8内での伝播距離に対して検出波形
のエンベロープ421と位相422の関係は振動伝達中
に、その伝達距離に応じて変化する。ここでエンベロー
プ421の進む速度、即ち、群速度をVg、そして位相
422の位相速度をVpとする。この群速度Vg及び位
相速度Vpから振動ペン3と振動センサ6a間の距離を
検出することができる。
【0032】まず、エンベロープ421にのみ着目する
と、その速度はVgであり、ある特定の波形上の点、例
えば編曲点や図示43で示す信号の様にピークを検出す
ると、振動ペン3及び振動センサ6aの間の距離は、そ
の振動伝達時間をtgとして、 d=Vg・tg (3) で与えられる。この式は振動センサ6aの一つに関する
ものであるが、同じ式により他の3つの振動センサ6b
〜6dと振動ペン3の距離も同様にして表すことができ
る。
【0033】更に、より高精度な座標決定をするため
に、位相信号の検出に基づく処理を行う。
【0034】位相波形信号422の特定の検出点、例え
ば振動印加から、ある所定の信号レベル46後のゼロク
ロス点までの時間をtp45(信号47に対して所定幅
の窓信号44を生成し、位相信号422と比較すること
で得る)とすれば、振動センサと振動ペンの距離は、 d=n・λp+Vp・tp (1) となる。ここでλpは弾性波の波長、nは整数である。
【0035】前記(1)式と(3)式から上記の整数n
は、 n=[(Vg・tg−Vp・tp)/λp+1/N] (2) と表される。
【0036】ここで、Nは”0”以外の実数であり、適
当な値を用いる。例えば、N=2とすれば、±1/2波
長以内のtg等の変動であれば、nを決定することがで
きる。上記の様にして求めたnを(2)式に代入するこ
とで、振動ペン3及び振動センサ6a間の距離を精度良
く測定することができる。上述した2つの振動伝達時間
tg及びtpの測定のため信号43及び45の生成は、
振動波形検出回路9により行われるが、この振動波形検
出回路9は図5に示す様に構成される。
【0037】図5は実施例の振動波形検出回路9の構成
を示すブロック図である。
【0038】図5において、振動センサ6aの出力信号
は、前置増幅回路51により所定のレベルまで増幅され
る。増幅された信号は、帯域通過フィルタ511により
検出信号の余分な周波数成分が除かれ、例えば、絶対値
回路及び低域通過フィルタ等により構成されるエンベロ
ープ検出回路52に入力され、検出回路のエンベロープ
のみが取り出される。エンベロープピークのタイミング
は、エンベロープピーク検出回路53によって検出され
る。ピーク検出回路は、モノマルチバイブレータなどか
ら構成されたtg信号検出回路54によって所定の波形
のエンベロープ遅延時間検出信号である信号tg(第4
図信号43)が形成され、演算制御回路1に入力され
る。
【0039】一方、55は信号検出回路であり、エンベ
ロープ検出回路52で検出されたエンベロープ信号42
1中の所定のレベルの閾値信号46を越える部分のパル
ス信号47を形成する。56は短安定マルチバイブレー
タであり、パルス信号47の最初の立ち上がりでトリガ
された所定の時間幅のゲート信号44を開く。57はt
pコンパレータであり、ゲート信号44の開いている間
の位相信号422の最初の立ち上がりのゼロクロス点を
検出し、位相遅延時間信号tp45が演算制御回路1に
供給されることに成る。なお以上説明した回路は振動セ
ンサ6aに対するものであり、他の振動センサにも同じ
回路が設けられている。 <回路遅延時間補正の説明>前記ラッチ回路によってラ
ッチされた振動伝達時間は、回路遅延時間et及び位相
オフセット時間toffを含んでいる。これらにより生
じる誤差は、振動ペン3から振動伝達板8、振動センサ
6a〜6dへと行われる振動伝達の際に必ず同じ量が含
まれる。
【0040】そこで、例えば第6図の原点Oの位置か
ら、例えば振動センサ6aまでの距離をR1(=X/
2)とし、原点Oにて振動ペン3で入力を行い実測され
た原点Oからセンサ6aまでの実測の振動伝達時間をt
gz’、tpz’、また原点Oからセンサまでの真の伝
達時間をtgz、tpzとすれば、これらは回路遅延時
間et及び位相オフセットtoffに関して、 tgz’=tgz+et (4) tpz’=tpz+et+toff (5) の関係がある。
【0041】一方、任意の入力点P点での実測値t
g’、tp’は同様に、 tg’=tg+et (6) tp’=tp+et+toff (7) となる。この式(4)(6)、(5)(7)両者の差を
求めると、 tg'-tgz'=(tg+et)-(tgz+et)=tg-tgz (8) tp'-tpz'=(tp'+et+toff)-(tpz+et+toff)=tp-tpz (9) となり各伝達時間に含まれる回路遅延時間et及び位相
オフセットtoffが除去され、原点Oの位置から入力
点Pの間のセンサ6a位置を機転とする距離に応じた真
の伝達遅延時間の差を求めることができ、前記(1)
(2)式を用いればその距離差を求めることができる。
【0042】振動センサ6aから原点Oまでの距離はあ
らかじめ不意発性メモリ等に記憶してあり既知であるの
で、振動ペン3と振動センサ6a間の距離を決定でき
る。他のセンサ6b〜6dについても同様に求めること
ができる。
【0043】上記、原点Oにおける実測値tgz’及び
tpz’は出荷時に不揮発性メモリに記憶され、(1)
(2)式の計算の前に(8)(9)式が実行され精度の
高い測定ができる。
【0044】<座標位置算出の説明(図6)>次に実際
に振動ペン3により振動伝達板8上の座標位置検出の原
理を説明する。
【0045】今、振動伝達板8上の4辺の中点近傍に4
つの振動センサ6a〜6dを符号S1〜S4の位置に設
けると、先に説明した原理に基づいて、振動ペン3の位
置Pから各々の振動センサ6a〜6dの位置までの直線
距離da〜ddを求めることができる。更に演算制御回
路1により算出された直線距離da〜ddに基づき、振
動ペン3の位置Pの座標(x,y)を3平方の定理から
次式の様にして求めることができる。
【0046】 x=(da+db)・(da−db)/2X (10) y=(da+dd)・(da−dd)/2Y (11) または x=(dc+dd)・(dc−dd)/2X (10)′ y=(db+dd)・(db−dd)/2Y (11)′ ここでX、Yはそれぞれ振動センサ6aと6b間(また
は6cと6d間)の距離、振動センサ6aと6c間(ま
たは6bと6d間)の距離である。
【0047】以上の様にして振動ペン3の位置座標をリ
アルタイムで検出することができる。
【0048】上記構成において、装置周囲の温度が変化
した場合、前に述べた様に一定の距離測定誤差(オフセ
ット距離)が発生する。これは伝播遅延時間が温度に応
じて時間差(オフセット時間)を持つためである(前述
の位相オフセットとは異なる)。このオフセットの主な
ものは、入力ペンで発生しており、各センサともにほぼ
同じ値を持つことが実験的にわかっている。今ここで、
各センサからある入力点までの真の距離をda,db,
dc,ddとし、振動伝達遅延時間から計算された距離
をda’,db’,dc’,dd’としてオフセット距
離をΔdとすれば、 da’=da+Δd (12) db’=db+Δd (13) dc’=dc+Δd (14) dd’=dd+Δd (15) と表すことができる。
【0049】図6の構成において、各距離の関係は、3
平方の定理により da2 +dd2 =db2 +dc2 (16) という関係に成る。
【0050】今、da’,db’,dc’,dd’に対
して同様の計算を行うと、(16)式を考慮して da'2+dd'2−db'2−db'2=2Δd ((da-db )+(dd−dc)) (17) となる。
【0051】(12)〜(15)式から da−db=da’−db’ (18) dd−dc=dd’−dc’ (19) であるから、オフセット距離Δdは 2Δd = (da'2+dd'2-db'2-dc'2)/(da'+dd'-db'-dc') (20) 但し、 da’+dd’=db’+dc’ (21) の点を除くこのように、(20)式の計算可能な点にお
いて各センサの距離を実測し、オフセット距離Δdを算
出して、この値を実測値から差し引くことで温度変化に
よる誤差を取り除くことができる。
【0052】
【他の実施例】上記手順で算出されたオフセット距離Δ
dを記憶し、一定期間その値を温度による誤差として用
いて座標計算を行うことで、座標計算の計算速度に影響
を与えることなく座標の補正が可能になる。一定期間の
定め方はその使用状況によって決定すれば良いが、例え
ば、あるサンプリング周期で座標サンプルを行う場合、
サンプリング回数がある規定値になる度に上記オフセッ
ト距離の計算を行い、記憶されている補正値の更新を行
うことも可能である。もちろん一定時間間隔で測定する
ことも可能である。
【0053】あるいは、ある入力領域、例えばメニュ等
の領域をあらかじめ決定しておき、その箇所の入力がな
された場合に上記オフセット距離の再計算を行うことも
可能である。
【0054】また、入力が開始された第1点目のデータ
を用い、その入力期間中のみ、同一の値を用いて座標の
補正計算を行っても良い。
【0055】図9に本実施例における座標入力装置の座
標補正のフローチャートを示す。装置は前の実施例と同
じ構成であるが、マイクロコンピュータ31はオフセッ
ト距離の計算を図9の手順に従って行う。
【0056】まず、上述した様な各タイミング、すなわ
ち、一定期間毎や所定の領域に入力が行われた際等に、
ステップS91からオフセット決定動作を開始する。前
の実施例で説明した通り、ステップS92においてペン
駆動から一連のデータ取得までの動作を行う。この時ペ
ンの状態をステップS93でテストし、ペンアップ状態
でデータが得られない場合は、S92での駆動を繰り返
す。ペンダウンでデータが取得された場合、ステップS
94において各センサについて距離計算を行うう。ステ
ップS95では、計算された距離に対して(20)式の
計算が可能か否かを判定し、可能な場合にはステップS
96にてオフセット距離を計算し、計算されたオフセッ
ト距離の値をマイクロコンピュータ31内のRAM等に
ステップS97で格納する。そうでない場合は、ペン駆
動(ステップS92)まで戻り再度同様の動作を繰り返
す。
【0057】ここで、ステップS95の判定では(2
1)式の条件で判定を行っているが、厳密に(21)式
が成り立つ場合だけを排除するだけでなく、例えば |da’+dd’−db’−dc’|<ERth (22) の様に、左辺の絶対値が或る値ERthより小さい場合
を計算不能として、(21)式が成立する点の近傍では
オフセット距離の計算を行わない様にすることで、(2
0)式の分母が分子に比して小さい時に生じる誤差を軽
減することができ、精度向上を図ることができる。ER
thの値は装置の精度等に応じて適当な値を任意に決定
すれば良い。
【0058】なお、上記オフセット距離の計算は、ペン
−センサ間距離に対して計算されていたが、伝達遅延時
間に換算しても同様にオフセット時間を計算できる。
【0059】また、前の実施例では、ある計算可能な一
点の計算結果に基づき補正を行う様記述されているが、
複数点のサンプリングを行いそれらの平均を用いる等の
手法を講じることで、より精度の良い補正が可能とな
る。
【0060】尚、本発明は、複数の機器から構成される
システムに適用しても1つの機器から成る装置に適用し
ても良い。また、本発明は、システム或は装置にプログ
ラムを供給することによって達成される場合にも適用で
きることはいうまでもない。
【0061】
【発明の効果】以上説明した様に本願発明は、振動伝達
板を伝播する振動を検出し、振動が入力されてから複数
の検出手段各々により検出されるまでのそれぞれの遅延
時間を測定し、遅延時間に基づいて前記複数の検出手段
各々から前記振動入力位置までの距離を算出し、算出手
段により算出された距離に基づいて各距離に含まれる誤
差を計算し、誤差に従って前記距離を補正し、補正手段
により補正された距離に基づいて座標位置を算出してい
るので、座標入力の前に既知あるいは任意位置での入力
動作を行うことなく環境温度等の変化に伴う測定誤差を
補正して座標入力ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】座標入力装置のブロック構成図である。
【図2】振動ペンの構成を示す図である。
【図3】実施例における演算制御回路の内部構成図であ
る。
【図4】信号処理のタイムチャートである。
【図5】信号検出回路のブロック図である。
【図6】座標系入力装置の座標系を示す図である。
【図7】群遅延時間と位相遅延時間の関係図である。
【図8】温度変化に対する距離誤差の変化を表す図であ
る。
【図9】オフセット距離計算のフローチャートである。
【符号の説明】
1…演算制御回路、 2…振動子駆動回路、 3…振動入力ペン、 4…振動子、 5…ペン先、 6a〜6d…振動センサ、 7…防振材、 8…振動伝達板、 9…信号波形検出回路である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉村 雄一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 小林 克行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 柳沢 亮三 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−214017(JP,A) 特開 平1−237712(JP,A) 特開 平2−130620(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 3/03

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動伝達板に入力される弾性波振動によ
    って、前記振動伝達板上における振動入力位置の座標を
    算出して出力する座標入力装置であって、 前記振動伝達板を伝播する振動を検出する複数の検出手
    段と、 振動が入力されてから前記複数の検出手段各々により検
    出されるまでのそれぞれの遅延時間を測定する測定手段
    と、 前記遅延時間に基づいて前記複数の検出手段各々から前
    記振動入力位置までの距離を算出する算出手段と、 該算出手段により算出された距離に基づいて各距離に含
    まれる誤差を計算する誤差計算手段と、 前記誤差に従って前記算出手段により算出された前記距
    離を補正する補正手段と、 前記補正手段により補正された距離に基づいて座標位置
    を算出する手段とを備えることを特徴とする座標入力装
    置。
  2. 【請求項2】 前記誤差を記憶する記憶手段をさらに備
    え、前記補正手段は前記記憶手段に記憶されている誤差
    に従って前記距離を補正することを特徴とする請求項1
    に記載の座標入力装置。
  3. 【請求項3】 前記誤差計算手段は、前記算出手段によ
    り算出された距離に含まれる誤差が計算不能であること
    を判定する手段を有し、算出不能であれば誤差計算を行
    わないことを特徴とする請求項1に記載の座標入力装
    置。
  4. 【請求項4】 前記測定手段により測定された距離に含
    まれる誤差は、環境温度の変化に伴って振動伝達遅延時
    間が変動することに起因する、複数の座標検出手段各々
    から振動入力点までの距離のそれぞれに同じ値含まれる
    誤差であることを特徴とする請求項1に記載の座標入力
    装置。
  5. 【請求項5】 振動伝達板に入力される弾性波振動によ
    って、前記振動伝達板上における振動入力位置の座標を
    算出して出力する座標入力方法であって、 振動が入力されてから、前記振動伝達板を伝播する振動
    を検出する複数の検出手段各々により検出されるまでの
    それぞれの遅延時間を測定する測定工程と、 前記遅延時間に基づいて前記複数の検出手段各々から前
    記振動入力位置までの距離を算出する算出工程と、 該算出工程により算出された距離に基づいて各距離に含
    まれる誤差を計算する誤差計算工程と、 前記誤差に従って前記算出手段により算出された前記距
    離を補正する補正工程と、 前記補正工程により補正された距離に基づいて座標位置
    を算出する工程とを備えることを特徴とする座標入力方
    法。
  6. 【請求項6】 前記補正工程は、前記誤差を記憶する記
    憶手段に記憶されている誤差に従って前記距離を補正す
    ることを特徴とする請求項5に記載の座標入力方法。
  7. 【請求項7】 前記誤差計算工程は、前記算出工程によ
    り算出された距離に含まれる誤差が計算不能であること
    を判定する工程を有し、算出不能であれば誤差計算を行
    わないことを特徴とする請求項5に記載の座標入力方
    法。
  8. 【請求項8】 前記測定工程により測定された距離に含
    まれる誤差は、環境温度の変化に伴って振動伝達遅延時
    間が変動することに起因する、複数の座標検出手段各々
    から振動入力点までの距離のそれぞれに同じ値含まれる
    誤差であることを特徴とする請求項5に記載の座標入力
    方法。
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